(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の電力供給装置は、要求電力を他の装置に供給することができるようになると、単に、そのタイミングで電力を供給するだけであり、ユーザの意向を反映したかたちで電力の供給や受給を行ったり、各装置の電力状況を考慮して柔軟に電力の供給や受給を行ったりすることができない。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザの意向を反映したかたちで電力の供給や受給を行ったり、各装置の電力状況を考慮して柔軟に電力の供給や受給を行ったりするのに好適に構成された電力情報管理装置及び電力情報管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る電力情報管理装置は、少なくとも1つの他の装置と通信し且つ相互給電又は一方向給電が可能な装置であり、
少なくとも1つの他の装置が保持する電力プロファイルであって、少なくとも1つの他の装置が別の装置に供給可能な供給電力を規定する複数の電力プロファイルの送信を前記少なくとも1つの他の装置に要求する手段と、要求を受けた少なくとも1つの他の装置から複数の電力プロファイルを受信する手段と、受信した複数の電力プロファイルの中から、電力情報管理装置の現在の動作モード又は現在のステータスに基づいて最適な電力プロファイルを選択し、選択した電力プロファイルを少なくとも1つの他の装置に通知する手段と、通知した電力プロファイルに応じた電力を少なくとも1つの他の装置より受給する手段とを備える。この電力情報管理装置は、電力に関する電力情報を少なくとも1つの他の装置に要求する要求手段と、要求を受けた少なくとも1つの他の装置から電力情報を受信する受信手段と、受信した電力情報に基づいて自身と少なくとも1つの他の装置を含む複数の装置に関連する電力情報を生成する生成手段とを備える
構成としてもよい。
【0008】
また、本発明の一実施形態において、複数の装置に関連する電力情報は、例えば、複数の装置に含まれる各装置の電力の残容量、該各装置の電力の残容量を合計した第一の合計残容量、複数の装置のうちの1つの装置の満充電容量と第一の合計残容量との比率、該複数の装置のうちの1つの装置以外の各装置の電力の残容量を合計した第二の合計残容量、該複数の装置のうちの1つの装置の満充電容量と第二の合計残容量との比率、該各装置の消費電力、該各装置がサポートする通信規格、該各装置間での電力伝送効率に関する情報、各装置間での電力伝送速度に関する情報、各装置に設けられている接続端子の数であって、相互給電又は一方向給電を行うためのケーブル用接続端子の数、のうち少なくとも1つを含む。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る電力情報管理装置は、生成手段により生成された複数の装置に関連する電力情報を所定の表示画面に表示する表示手段を備える構成としてもよい。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る電力情報管理装置は、所定の無線通信規格に従って少なくとも1つの他の装置とペアリングされる手段を備える構成としてもよい。この構成において、電力情報は、無線通信規格に従って少なくとも1つの他の装置との間で伝送される。
【0011】
また、本発明の一実施形態において、要求手段は、例えば、所定のトリガ条件が満たされると、少なくとも1つの他の装置に電力情報を要求する。
【0012】
また、本発明の一実施形態に係る電力情報管理装置は、生成手段により生成された複数の装置に関連する電力情報を少なくとも1つの他の装置に送信する送信手段を備える構成としてもよい。
【0013】
また、本発明の一実施形態に係る電力情報管理装置は、有線接続を介して少なくとも1つの他の装置との間で相互給電又は一方向給電を行う構成としてもよい。
【0014】
また、本発明の一実施形態に係る電力情報管理システムは、上記の電力情報管理装置と、電力情報管理装置の要求に応じて電力情報を送信する少なくとも1つの他の装置とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施形態によれば、ユーザの意向を反映したかたちで電力の供給や受給を行ったり、各装置の電力状況を考慮して柔軟に電力の供給や受給を行ったりするのに好適に構成された電力情報管理装置及び電力情報管理システムが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る電力情報管理システムについて図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る電力情報管理システム1の構成を示すブロック図である。電力情報管理システム1は、相互通信可能な複数台(少なくとも2台)の機器から構成される。
図1の例では、電力情報管理システム1は、3台の機器(機器10、20、30)から構成される。
【0019】
電力情報管理システム1を構成する機器は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi等の所定の無線通信規格に従って予めペアリングされており、互いが無線通信可能な範囲に入ると自動的に無線接続される。また、電力情報管理システム1を構成する機器は、機器同士の通信の結果に応じて電力供給や電力受給を行うことができるものであり、例示的には、USB(Universal Serial Bus)−PD(Power Delivery)に対応した機器である。機器の具体例としては、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ、コンパクトデジタルカメラ、ビデオカメラ、カムコーダ、デスクトップPC、ノートPC、タブレット端末、PHS(Personal Handy phone System)、スマートフォン、スマートウォッチ、フィーチャフォン、ゲーム機、音楽プレイヤ、TV、カーナビゲーション、プロジェクタ、プリンタやストレージ等の各種周辺機器、ストロボ、GPSユニット、外付けファインダ等の各種アクセサリ等が挙げられる。
【0020】
図1に示されるように、各機器10〜30は、CPU100、バッテリ110、USBコネクタ120、メモリ130、UI(User Interface)140、表示部150及び無線通信モジュール160を備えている。なお、本実施形態では、便宜上、機器特有の構成(例えば、機器が撮影装置である場合は固体撮像素子や撮影レンズ、機器がデスクトップPCである場合はHDD、機器がストロボである場合は閃光ランプやトリガ回路等)や、ハウジング等の一般的な構成であって、説明を省略しても差し支えないものについては、その図示及び説明を適宜省略又は簡略する。
【0021】
各機器10〜30のUI140には、ユーザが当該機器を操作するための各種の操作手段が含まれる。例えば、ユーザによりUI140(電源スイッチ)が操作されると、バッテリ110から当該機器内の各種回路に電源ラインを通じて電力供給が行われる。なお、各機器10〜30の電力供給源は、バッテリ110に限らず、商用電源であってもよい。
【0022】
CPU100は、バッテリ110から電力を受給すると、メモリ130にアクセスして制御プログラムを読み出してワークエリアにロードし、ロードされた制御プログラムを実行することにより、当該機器全体の制御を統括的に行う。表示部150の表示画面には、制御プログラムの実行の結果や操作メニューなど、各種画面が表示される。
【0023】
各機器10〜30は、無線通信モジュール160を介して相互通信することができ、また、USBコネクタ120に接続されたUSBケーブルを介して相互通信することができる。USBコネクタ120は、USB−PD対応のコネクタであり、例えば、USB Type-Cコネクタである。また、USBケーブルは、USB−PD対応のケーブルであり、例えば、USB Type-Cケーブルである。そのため、各機器10〜30は、USBケーブルを介して通信するだけでなく、相互給電又は一方向給電することが可能となっている。USBケーブルを介して機器同士が接続されると、ユーザ操作に応じて又は自動的にホスト(電力供給側)が設定される。例示的には、機器10と機器20とがUSBケーブルを介して接続されると、機器20がホストに設定される。機器10のCPU100は、ユーザ操作に応じて又は自動的にホスト(機器20)に対して電力供給要求を発行する。
【0024】
各機器10〜30のCPU100は、他の機器への供給電力を規定する複数種類の電力プロファイルを保持している。下記は、CPU100が保持する電力プロファイル例を示す。
(電力プロファイル例)
PROFILE POWER VOLTAGE CURRENT
PROFILE0 RESERVED
PROFILE1 10W 5V 2A
PROFILE2 18W 12V 1.5A
PROFILE3 36W 12V 3A
PROFILE4 60W 20V 3A
PROFILE5 100W 20V 5A
【0025】
機器20のCPU100は、機器10から電力供給要求を受けると、バッテリ110又は商用電源から受給している電力から機器20の動作に必要な動作電力を減算し、減算された値の電力を充足する電力プロファイルを選択する。例えば、バッテリ110からの受給電力が100Wであり且つ機器20の動作電力が60Wである場合を考える。この場合、CPU100は、上記の電力プロファイル群の中から40W(=100W−60W)以下の電力プロファイル0〜3を選択し、選択された電力プロファイル0〜3を利用可能な電力プロファイルとして機器10に通知する。
【0026】
機器10のCPU100は、機器10を安定的に動作させるのに必要な動作電力を現在の動作モードやステータスに応じて計算し、機器20からの通知に含まれる電力プロファイル0〜3の中から、計算結果に応じた最適な電力プロファイルを指定し、指定した電力プロファイルを機器20に通知する。
【0027】
機器20のCPU100は、機器10で指定された電力プロファイルに応じた電力をUSBケーブルを介して機器10に供給する。機器10は、機器20から受給した受給電力で動作する。
【0028】
[電力情報更新処理]
図2は、本発明の一実施形態において機器10のCPU100により実行される電力情報更新処理のフローチャートを示す図である。なお、電力情報更新処理を実行する機器は、機器10に限らず、機器20や機器30等の他の機器が行ってもよい。例示的には、電力情報更新処理は、ユーザにより設定された機器が実行してもよく、電力情報管理システム1をの中で待機状態の消費電力が最も少ない機器が実行してもよい。なお、待機状態の消費電力が最も少ない機器は、例えば、機器間の通信結果に基づいて複数の機器の中から自動的に検出される。
【0029】
[
図2のS11(ペアリング機器の追加判定)]
本処理ステップS11では、機器10に対してペアリング機器が新たに登録されたか否かが判定される。
【0030】
[
図2のS12(ユーザ操作の判定)]
本処理ステップS12は、処理ステップS11(ペアリング機器の追加判定)にてペアリング機器が新たに登録されていないと判定される場合(S11:NO)に実行される。本処理ステップS12では、ユーザにより電力情報の更新要求操作が行われたか否かが判定される。
【0031】
[
図2のS13(時間経過の判定)]
本処理ステップS13は、処理ステップS12(ユーザ操作の判定)にて電力情報の更新要求操作が行われていないと判定される場合(S12:NO)に実行される。本処理ステップS13では、電力情報の更新が前回行われてから所定時間が経過したか否かが判定される。なお、この所定時間は、ユーザが任意に設定することができる。
【0032】
[
図2のS14(有効なペアリング機器の数量のサーチ)]
本処理ステップS14は、所定のトリガ条件が満たされる場合、具体的には、処理ステップS11(ペアリング機器の追加判定)にてペアリング機器が新たに登録されたと判定される場合(S11:YES)、処理ステップS12(ユーザ操作の判定)にて電力情報の更新要求操作が行われたと判定される場合(S12:YES)又は処理ステップS13(時間経過の判定)にて電力情報の更新が前回行われてから所定時間が経過したと判定される場合(S13:YES)に実行される。なお、他のトリガ条件としては、既にペアリングされているペアリング機器が無線通信可能な範囲内に入った時等が挙げられる。
【0033】
本処理ステップS14では、現在無線通信可能な(現在無線通信可能な範囲内に位置する)ペアリング機器の数量がサーチされる。
図1の例では、機器20と機器30の2台がサーチされる。以下、説明の便宜上、ここでサーチされた現在無線通信可能なペアリング機器を「ペアリング機器[無線通信可能機器]」と記す。
【0034】
[
図2のS15(電力情報の取得)]
図3は、本処理ステップS15(電力情報の取得)の詳細を示すフローチャート図である。
【0035】
・
図3のS15a
本処理ステップS15aでは、ペアリング機器[無線通信可能機器]の中から所定の順序に従って1つの機器が選択され、選択されたペアリング機器[無線通信可能機器]でサポートされている無線通信規格に合わせて、無線通信モジュール160による無線通信方式が切り替えられる。なお、互いの機器がサポートする無線通信規格が複数ある場合、本処理ステップS15aでは、通信速度や通信に必要な電力等を総合的に判断し、最適と判断される無線通信方式に切り替えられる。なお、上記の「所定の順序」は、例えば、ペアリング機器として登録された順や、現在の処理負荷が軽い機器順である。また、本処理ステップS15は、サポートする無線通信規格が異なる複数台の機器(例えば、Bluetooth(登録商標)をサポートする1台の機器と、Wi-Fiをサポートする1台の機器の合計2台の機器)に対して並列に実行されてもよい。
【0036】
・
図3のS15b
本処理ステップS15bでは、処理ステップS15aにて選択されたペアリング機器[無線通信可能機器]がスリープ状態か否かが判定される。なお、ここでいうスリープ状態とは、一部の機能だけ(少なくとも他の機器と通信する機能)が有効な状態を意味する。
【0037】
・
図3のS15c
本処理ステップS15cは、処理ステップS15bにてペアリング機器[無線通信可能機器]がスリープ状態でないと判定される場合(S15b:NO)に実行される。本処理ステップS15cでは、処理ステップS15aにて選択されたペアリング機器[無線通信可能機器]から電力に関する電力情報が取得される。
【0038】
例示的には、機器10は、処理ステップS15aにて選択されたペアリング機器[無線通信可能機器]に対して電力情報の取得要求を発行する。ペアリング機器[無線通信可能機器]は、自身のバッテリ110の残容量をモニタし、メモリ130に定期的に保存している。取得要求を受けたペアリング機器[無線通信可能機器]は、次に例示される、電力の供給・受給に関連する電力情報を機器10に送信する。機器10は、これらの電力情報を受信し取得する。
【0039】
・内蔵バッテリ残容量(単位:mWh)
自身のメモリ130に保存されている自身のバッテリ110の最新の残容量
・消費電力(単位:mW)
現在の動作モード(例えばmode1)における自身の消費電力
・内蔵バッテリライフ(単位:%)
自身の内蔵バッテリ残容量を自身のバッテリ110の総容量(満充電容量)で除算した値に100を乗算したもの
・自身の通信及び電力伝送に関する物理的・論理的なプロトコル全般の情報(例えばサポートしている通信規格及び電力伝送規格等)
・自身が備えるUSBコネクタ120の数
【0040】
・
図3のS15d
本処理ステップS15dでは、処理ステップS15cにてペアリング機器[無線通信可能機器]から取得した電力情報が電力情報管理システム1内の各ペアリング機器[無線通信可能機器]に送信される。また、機器10に関する同様の電力情報も電力情報管理システム1内の各ペアリング機器[無線通信可能機器]に送信される。これにより、電力情報管理システム1内において電力情報が送受信され共有化される。なお、機器10に関する電力情報は、本処理ステップS15d又は後述の処理ステップS15gの初回実行時のみ、各ペアリング機器[無線通信可能機器]に送信される。
【0041】
図3のフローチャートにおいて、電力情報は、通信量を低減するため、前回通信時に対する差分情報だけが機器間で送受信されるようにしてもよい。
【0042】
・
図3のS15e
本処理ステップS15eは、処理ステップS15bにてペアリング機器[無線通信可能機器]がスリープ状態であると判定される場合(S15b:YES)に実行される。本処理ステップS15eでは、処理ステップS15aにて選択されたペアリング機器[無線通信可能機器]に対してコマンドが発行される。これにより、ペアリング機器[無線通信可能機器]がバックグラウンドで起動する。なお、ユーザの視認性を考慮して、バックグラウンドで起動されたペアリング機器[無線通信可能機器]において「通信中」等のインジケータが表示されるようにしてもよい。ペアリング機器[無線通信可能機器]の通信がバックグラウンド動作で行われることにより、ペアリング機器[無線通信可能機器]が省電力で駆動される。
【0043】
・
図3のS15f
本処理ステップS15fでは、処理ステップS15eにてバックグラウンドで起動されたペアリング機器[無線通信可能機器]から電力情報(処理ステップS15cで説明したものと同様の情報)が取得される。
【0044】
・
図3のS15g
本処理ステップS15gでは、処理ステップS15fにてペアリング機器[無線通信可能機器]から取得した電力情報が電力情報管理システム1内の各ペアリング機器[無線通信可能機器]に送信される。また、機器10に関する同様の電力情報も電力情報管理システム1内の各ペアリング機器[無線通信可能機器]に送信される。これにより、電力情報管理システム1内において電力情報が送受信され共有化される。
【0045】
・
図3のS15hでは、処理ステップS15eにてバックグラウンドで起動されたペアリング機器[無線通信可能機器]に対してコマンドが発行される。これにより、ペアリング機器[無線通信可能機器]がスリープ状態に遷移する。
【0046】
[
図2のS16(電力情報の取得完了判定)]
本処理ステップS16では、電力情報管理システム1内の全てのペアリング機器[無線通信可能機器]について処理ステップS15(電力情報の取得)が実行されたか否か、言い換えると、電力情報管理システム1内の全てのペアリング機器[無線通信可能機器]から電力情報が取得されたか否か、が判定される。電力情報が未取得のペアリング機器[無線通信可能機器]が残っている場合(S16:NO)、処理ステップS15(電力情報の取得)に戻り、次のペアリング機器[無線通信可能機器]に対する電力情報の取得処理が行われる。
【0047】
[
図2のS17(各種電力情報の算出)]
本処理ステップS17は、処理ステップS16(電力情報の取得完了判定)にて電力情報管理システム1内の全てのペアリング機器[無線通信可能機器]から電力情報が取得されたと判定される場合(S16:YES)に実行される。本処理ステップS17では、次に例示される、電力の供給・受給に関連する電力情報が算出される。なお、各種電力情報は、機器10に対する処理負荷の集中を避けるため、ペアリング機器[無線通信可能機器]と分担して算出されてもよい。また、本実施形態では、電力情報管理システム1内の全てのペアリング機器[無線通信可能機器]から電力情報を取得した後に各種電力情報を算出しているが、別の実施形態では、各ペアリング機器[無線通信可能機器]から電力情報を取得しつつ各種電力情報を算出してもよい。
【0048】
・トータルバッテリ残容量(単位:mWh)
電力情報管理システム1内の全てのペアリング機器[無線通信可能機器]と機器10の各内蔵バッテリ残容量を合計したもの
・トータル容量バッテリライフ(単位:%)
トータルバッテリ残容量を対象機器のバッテリ110の総容量で除算した値に100を乗算したもの。電力情報管理システム1内の全てのペアリング機器[無線通信可能機器]及び機器10の各機器(対象機器)について算出される。
・外部バッテリ残容量(単位:mWh)
電力情報管理システム1内の全てのペアリング機器[無線通信可能機器]及び機器10のうち対象機器以外の各機器の内蔵バッテリ残容量を合計したもの。各機器(対象機器)について算出される。
・外部容量バッテリライフ(単位:%)
外部バッテリ残容量を対象機器のバッテリ110の総容量で除算した値に100を乗算したもの。電力情報管理システム1内の全てのペアリング機器[無線通信可能機器]及び機器10の各機器(対象機器)について算出される。
・各機器間の電力の伝送効率・伝送速度
各機器同士の通信及び電力伝送に関する物理的・論理的なプロトコルの情報に基づいて算出される。これにより、例えば、最適な電力プロファイルや、何れの機器から何れの機器へ電力供給を行うと効率的であるか、電力供給にどの程度の時間が掛かるか、などといった情報が得られる。
・ユーザへの提案
例えば、電力供給を行う場合に最も効率的な機器(電力供給に要する時間が最も短い機器や、電力伝送効率が最も高い(伝送時の電力損失が最も少ない)機器等)を提示したり、バッテリ110の残容量に余裕がある機器からの電力供給を推奨したりする、などといった付加的な情報
【0049】
[
図2のS18(電力情報の送信)]
本処理ステップS18では、処理ステップS17(各種電力情報の算出)にて算出された各種電力情報が電力情報管理システム1内の各ペアリング機器[無線通信可能機器]に送信される。これにより、電力情報管理システム1内において電力情報が送受信され共有化される。
【0050】
[
図2のS19(電力情報の表示)]
図4に、本処理ステップS19にて表示部150の表示画面に表示される画面例を示す。
図4に示されるように、本処理ステップS19では、処理ステップS15cや処理ステップS15fにて取得された電力情報及び処理ステップS17(各種電力情報の算出)にて算出された電力情報が表示部150の表示画面に表示される。電力情報は、例えば、ユーザに対する視認性を向上させるため、各種項目ごとに異なる形態(異なる色やフォント等)で表示されてもよい。
【0051】
図4の表示例について補足すると、「トータル容量バッテリライフ」のアイコンは、最大5目盛で残容量レベルを示すものとなっている。
図4に示されるように、機器10の欄の「トータル容量バッテリライフ」のアイコンは、5目盛のうち1目盛が他の4目盛に対して、色や模様、明度等が変えられることによって区別可能に表示されている。これは、「トータル容量バッテリライフ(400%)」に対する「内蔵バッテリライフ(80%)」の割合を示している。
【0052】
また、機器20の欄の「外部容量バッテリライフ」のアイコンは、機器20のバッテリ110を基準とした表記となっている。具体的には、
図4に示されるように、機器20の欄の「外部容量バッテリライフ」は150%であり、機器20のバッテリ110の1個半に相当する容量を示す。そのため、機器20の欄の「外部容量バッテリライフ」は、残容量が100%のアイコンと残容量が50%のアイコンを並べたものとなっている。
【0053】
ユーザは、表示部150の表示画面に表示される各種電力情報を参照することにより、何れの機器から何れの機器へ電力供給を行ったらよいか、どのタイミングで電力供給を行ったらよいか、などといったことを適切に判断することができる。すなわち、本実施形態によれば、ユーザの意向を反映したかたちで電力の供給や受給を行ったり、各機器の電力状況を考慮して柔軟に電力の供給や受給を行ったりすることができる。
【0054】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
【0055】
上記の実施形態では、有線通信でなく無線通信を介して各機器間での電力情報等の送受信が行われているが、別の実施形態では、有線通信を介して各機器間での電力情報等の送受信が行われてもよい。
【0056】
また、上記の実施形態では、有線による電力伝送が行われているが、別の実施形態では、無線による電力伝送に代えてもよい。