(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水素燃料を貯える貯蔵タンク(50)から車両(A)に搭載されている車載用水素充填タンクに水素を充填する燃料充填系統(45、60)の充填ホース(45)の先端の充填ノズル(10、11)に設けられ、車載用水素充填タンクの車両側充填口(20)に連結される管継手本体(1)を含む充填装置(100、101)において、
充填ノズル(10、11)が車両側充填口(20)に連結された状態を維持するクラッチ機構(12)を備え、
クラッチ機構(12)は、車両用充填口(20)との連結時に該車両用充填口(20)と凹凸嵌合するクラッチ(4)と、充填ノズル(10、11)と車両用充填口(20)の連結方向(H)に移動することでクラッチ(4)と車両用充填口(20)の凹凸嵌合を維持し且つ係合部(5BA)を有するレバー(5)とを備え、
前記レバー(5)の車両用充填口側端部近傍には弾性体用溝(5C)が形成され、当該弾性体用溝(5C)には断面円形の弾性部材(6)が嵌合しており、
前記クラッチ(4)は、水素の充填時に弾性材(6)が弾性変形することにより、車両用充填口(20)との当接部分を介して前記連結方向(H)の垂直外側方向(RO)に移動し、クラッチ(4)の突起(4B)の端面(4BB)とレバー(5)の突起(5B)の端面(5BA)が接合することを特徴とする充填装置。
前記充填ノズル(10)の管継手本体(1)の内側には先端に弁体(2A)を有するロッド(2)が弾性材(3)に抗して摺動自在に配設されている請求項1、2の何れかの充填装置。
【背景技術】
【0002】
例えば水素を燃料として走行する車両では、
図5で示す様に、水素貯蔵タンク50、燃料充填系統(ディスペンサー60、充填ホース45等)を備える水素充填所で、充填ノズル30と車両側充填口であるレセプタクル40とを接続して水素ガスを充填している。当該充填は、車両Aに搭載された水素タンク41の最高使用圧力に応じて制御しながら行われる。なお
図5において、符号51は水素貯蔵タンク50からディスペンサー60に水素を供給する配管系を示す。
この様な水素充填装置としては、例えば本出願人が提案している水素充填装置(例えば、特許文献1参照)が存在し、係る水素充填装置は有効な技術である。
【0003】
図6で示す従来の水素充填装置300において、ノズル30のロッド32に接続された弁体33と、管継手内流路31Aの段部により構成された弁座31Bを有する弁機構の開閉により、水素ガスの充填、充填停止が行われる。
弁機構を通過した水素ガスはロッド32の開口32Aを介して中空のロッド内流路32Bを流れ、レセプタクル内の流路40Cに流入する。そして、ロッド32の半径方向外方と管継手内流路31Aの隙間δから水素ガスが漏洩することを防止するため、シール構造として充填ノズル側Oリング37が管継手内流路31Aに設けられている。さらに、レセプタクル40の嵌合凹部の内壁面40Aとロッド32先端の隙間εから水素ガスが漏洩することを防止するため、シール構造としてレセプタクル側Oリング41が嵌合凹部の内周面40Aに設けられている。
【0004】
ここで、従来技術に係る水素充填装置では、充填後に脱圧を行う以前の段階で、充填ノズルが車両充填口から連結解除されてしまうことを防止する機構を設けている。
図6に示す水素充填装置300はレバー保持機構36を備えており、レバー保持機構36は、水素ガス充填中に充填ノズル30とレセプタクル40(車両側充填口)とが連結されている状態を保持する機能を有している。
図6において、レバー保持機構36は、管継手内流路31Aから分岐する分岐流路36Aと、分岐流路36A内を摺動するレバー保持用摺動部材36Bと、レバー保持用Oリング36Cを有している。
水素ガス充填中は、管継手内流路31Aを流過する水素ガスの圧力が分岐流路36Aに作用して、レバー保持用摺動部材36Bを
図6の下方に移動する。レバー保持用摺動部材36Bが下方に移動すると、レバー保持用摺動部材36Bのロッド36Dがレバー移動通路31D内に突出する。レバー移動通路31D内に突出したロッド36Dはレバー35がレセプタクル40から離隔する側(
図6の左側)に移動すると干渉し、以て、レバー35がレセプタクル40から離隔する側(
図6の左側)に移動することを防止する。そのため、レバー35は
図6の位置に保持される。
レバー35が
図6の位置に保持されることにより、管継手本体31に固定されたクラッチ34は半径方向外方に移動せず、クラッチ34先端の突起34Aがレセプタクル40側の嵌合溝40Bから外れてしまうことが防止される。そのため、充填ノズル30(管継手本体31)がレセプタクル40から連結解除されてしまうことが防止される。
【0005】
水素ガス充填の充填が完了した後、脱圧すると、管継手内流路31A及び分岐流路36Aには水素ガスの圧力は作用せず、スプリング36Sの弾性反撥力によりレバー保持用摺動部材36Bは
図6の上方に移動し、ロッド36Dはレバー移動通路31D内には存在しない(突出していない)状態になる。ロッド36Dがレバー移動通路31D内に突出していなければ、レバー35がレセプタクル40から離隔する側(
図6の左側)に移動する際に干渉する部材は存在しない。そのため、レバー35は
図6で示す位置よりもレセプタクル40から離隔する側(
図6の左側)に移動する。
レバー35が
図6の位置から左側に移動すれば、クラッチ34は半径方向外方に移動し、クラッチ34先端の突起34Aがレセプタクル40側の嵌合溝40Bから外れ、充填ノズル30(管継手本体31)がレセプタクル40から連結解除される。
【0006】
しかし、充填ノズル30とレセプタクル40(車両側充填口)との着脱を繰り返すことにより、レバー保持用摺動部材36Bが分岐流路36A内を摺動する回数が増加してしまう。そして係る摺動によりレバー保持用Oリング36Cが劣化して、レバー保持機構36の分岐流路36Aから水素ガスが漏洩する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、充填後に脱圧を行う以前の段階で充填ノズルが取り外されることを防止することが出来ると共に、充填ノズルが取り外されることを防止するためのシール構造における劣化と、それによる燃料ガス(例えば水素ガス)が漏洩する可能性を低減することが出来る充填装置の提案を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の充填装置(100、101)は、
水素燃料を貯える貯蔵タンク(50)から車両(A)に搭載されている車載用水素充填タンクに水素を充填する燃料充填系統(45、60)の充填ホース(45)の先端の充填ノズル(10、11)に設けられ、車載用水素充填タンクの車両側充填口(20)に連結される管継手本体(1)を含む充填装置(100、101)において、
充填ノズル(10、11)が車両側充填口(20)に連結された状態を維持するクラッチ機構(12)を備え、
クラッチ機構(12)は、車両用充填口(20)との連結時に該車両用充填口(20)と凹凸嵌合するクラッチ(4)と、充填ノズル(10、11)と車両用充填口(20)の連結方向(H)に移動することでクラッチ(4)と車両用充填口(20)の凹凸嵌合を維持し且つ係合部(5BA)を有するレバー(5)とを備え、
レバー(5)の車両用充填口側端部近傍には弾性体用溝(5C)が形成され、当該弾性体用溝(5C)には断面円形の弾性部材(6)が嵌合しており、
前記クラッチ(4)は、水素の充填時に弾性材(6)が弾性変形することにより、車両用充填口(20)との当接部分を介して前記連結方向(H)の垂直外側方向(RO)に移動し、
クラッチ(4)の突起(4B)の端面(4BB)とレバー(5)の突起(5B)の端面(5BA)が接合することを特徴としている。
本発明の充填装置(100、101)において、
クラッチ(4)の車両用充填口側端部には、車両充填口(20)の嵌合溝(20A)に嵌入可能な突起(4B)が設けられ、
レバー(5)の車両側充填口側端部には、半径方向内側に突出した突起(5B)が設けられ、当該突起(5B)はクラッチ(4)の車両用充填口側端部の突起(4B)と係合可能であり且つ係合解除可能であり、
前記弾性部材(6)は、水素の充填時に、管継手本体(1)を車両用充填口(20)から引き剥がそうとする引張力(F1)が作用している際には半径方向について潰れた状態となり、クラッチ(4)の突起(4B)の端面(4BB)とレバー(5)の突起(5B)の端面(5BA)を接合可能とせしめ、水素ガスの充填が完了して前記引張力(F1)が消失すると弾性部材(6)は潰れた状態から断面円形の状態に復帰して、クラッチ(4)の突起(4B)の端面(4BB)とレバー(5)の突起(5B)の端面(5BA)が接合しない状態にせしめる機能を有しているのが好ましい。
【0010】
本発明において、前記充填ノズル(10)の管継手本体(1)の内側には先端に弁体(2A)を有するロッド(2:弁棹)が弾性材(3)に抗して摺動自在に配設されているのが好ましい。
そして前記ロッド(2:弁棹)の一端が車両側充填口(20)に当接されているのが好ましい。
【0011】
また、車両側充填口(20)の内周の管継手本体(1)と接する箇所にシール構造が配設されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
上述の構成を具備する本発明によれば、充填ノズル(10、11)と車両用充填口(20)とを連結状態を維持するクラッチ機構(12)を備えているので、水素燃料の充填中に前記クラッチ機構(12)で充填ノズル(10、11)と車両用充填口(20)とを連結することにより、充填ノズル(10、11)を車両用充填口(20)から取り外すことが出来なくなる。
この様なクラッチ機構(12)を設ければ、その内部に可動部材(摺動部材36B)が配置された流路(分岐流路36A)を設け、当該流路にシール構造(Oリング36C)を設ける必要が無くなる。
そのため、当該流路内を可動部材が動くことによるシール構造の劣化が生じることも無くなり、シール構造における劣化と、それによるガス漏洩の可能性を低減することが出来る
【0013】
本発明において、充填ノズル(10)の管継手本体(1)の内側には先端に弁体(2A)を有するロッド(2:弁棹)が弾性材(3)に抗して摺動自在に配設すれば、充填ノズル(10)内のシール構造が削減されて、耐久性が向上する。
この場合、ロッド(2)が摺動する箇所にシール構造を配置する必要がなくなるため、ロッド(2)の摺動によるシール構造の劣化を防止することが出来る。
【0014】
そして本発明において、前記ロッド(2:弁棹)の一端が車両側充填口に当接されていれば、充填ノズル(10、11)が車両用充填口(20)に接続されると流路が開いて充填可能となるので、安全である。
【0015】
また本発明において、車両側充填口(20)の内周の管継手本体(1)と接する箇所にシール構造が配設されていれば、水素ガス充填時には当該シール構造により水素ガスの漏洩を防止することが出来る。
車両側充填口(20)の管継手本体(1)外周に接する箇所にシール構造を設ければ、車両側充填口(20)の管継手本体(1)外周に接する箇所と、管継手本体(1)外周との隙間(ε1)から水素ガスが漏出することを防止出来る。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に
図1〜
図3を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1において、充填ノズル10は、図示しない水素燃料貯蔵タンクから燃料充填系統(ディスペンサー60、充填ホース45等)を介して、車載用水素充填タンクに水素を充填する。充填ノズル10は管継手本体1を有しており、管継手本体1の水素供給源側(
図1で左側)端部の中央部(
図1では上下方向中央部)には、充填ホース(図示せず)側に接続される水素導入口1Bが設けられている。そして、管継手本体1のレセプタクル側(車両用充填口側、
図1で右側)端部には、レセプタクル20(
図2)を挿入するための開口1Cが設けられている。
管継手1内における開口1Cより水素供給源側(
図1で左側)には、レセプタクル挿入空間1Dが形成されている。水素充填時にはレセプタクル20は開口1Cから管継手1側(
図1で左側)へ挿入され、レセプタクル挿入空間1Dに位置している。
【0018】
管継手本体1の
図1における上下方向中央部には管継手内流路1Aが形成されており、管継手内流路1Aは、水素供給源側の開口1Bからレセプタクル側の空間1Dに延在している(
図1で左側の領域から右側の領域に延在している)。
また、管継手本体1のレセプタクル(車両用充填口)側(
図1では右側)には、中空の管継手中央突起1Eが突出しており、管継手中央突起1Eは管継手内流路1Aのレセプタクル側端部を形成している。
【0019】
図1において左右方向へ延在する管継手内流路1Aには、2箇所の拡径された領域、すなわち弁体収容部1Fと拡径部1Gが設けられている。
管継手内流路1Aにはロッド2が収容されている。
ロッド2の先端には弁体2Aが設けられており、弁体2Aは管継手内流路1Aの弁体収容部1Fに収容される。弁体収容部1F内において、弁体2Aの水素供給源側(
図1で左側)には弾性材としてのスプリング3が配置されている。
【0020】
ロッド2は管継手内流路1A内を(
図1では左右方向に)摺動自在であり、
図1で示す状態、すなわち管継手本体1がレセプタクル20(
図2)と連結されていない状態では、弁体2Aはスプリング3の弾性反撥力によりレセプタクル側(
図1では右側)に付勢されて、弁体収容部1Fの端部(
図1では右端部)の段部により構成された弁座1Hに座着している。
図1で示す様に管継手本体1がレセプタクル20(
図2)と連結されていない状態では、ロッド2のレセプタクル側(
図1では右側)の端部は、管継手中央突起1Eのレセプタクル側端部よりもレセプタクル側(
図1では右側)に突出している。ロッド2が管継手中央突起1Eよりも突出している領域は、符号TAで示されている。ここで、領域TAの突出量(突出寸法)は、水素充填時にロッド2が
図1の左方向(レセプタクル20から離隔する方向)に移動する距離等に基づき決定される(
図2参照)。
【0021】
図6で示す従来技術と同様に、ロッド2は中空部分を有し、中空部分はロッド内流路2Bを構成している。
弁体2Aに接続された細径部2Cと中空部分を形成した大径部2Dとは、開口2Eを形成した径寸法変化部2Fにより接続されている。ロッド2の径寸法変化部2Fは、管継手内流路1Aの拡径部1Gに収容されている。
水素ガス充填時(
図2参照)には、
図1では図示しないディスペンサー(
図5参照:
図1の左側の領域に配置)から弁体2Aを経由して管継手内流路1Aを流過する水素ガスは、管継手内流路1Aの拡径部1Gに収容されたロッド2の径寸法変化部2Fの開口2Eを介して、ロッド内流路2Bを流れる。
図1において、ロッド2の径寸法変化部2Fのレセプタクル側端面(
図1では右端面)が管継手内流路1Aの拡径部1Gの段部1Iと係合している。ただし、径寸法変化部2Fのレセプタクル側端面と管継手内流路1Aの拡径部1Gの段部1Iとは、開閉弁としての機能は有していない。
【0022】
管継手内流路1Aの半径方向外方であって、レセプタクル側(
図1で右側)には、中空シリンダー形状のクラッチ4が設けられている。クラッチ4の水素供給源側(
図1で左側)の端部には、半径方向内方に突出した係止部4Aが形成され、係止部4Aは管継手本体1に形成したクラッチ嵌合溝1Jに嵌合し、固定されている。
一方、クラッチ4のレセプタクル側端部(
図1で右側)には、半径方向外方及び内方に突出した(厚さ寸法が大きい)突起4Bが設けられている。
充填ノズル10とレセプタクル20(
図2)の連結時(水素供給時)には、突起4Bの半径方向内側の部分がレセプタクル20の嵌合溝20Aに嵌入する(
図2参照)。
【0023】
クラッチ4の半径方向外方にはレバー5が設けられている。
レバー5はレバー用把持部5Aが一体的に形成され、レバー用把持部5Aを把持してレバー5を矢印H方向に移動させることにより、レバー5のレセプタクル側端部(
図1では右端)をクラッチ4の突起4Bの半径方向外側に位置させて、クラッチ4の突起4Bがレセプタクル20の嵌合溝20A(
図2)から外れてしまうことを防止することが出来る。
或いはレバー5のレセプタクル側端部をクラッチ4の突起4Bの半径方向外側から外れる位置、例えば水素供給源側(
図1で左側)に位置せしめ、クラッチ4の突起4Bがレセプタクル20の嵌合溝20Aから外れることを許容することが出来る。より詳細には、
図2で示す様に、充填ノズル10(管継手本体1)とレセプタクル20が連結している状態から、充填ノズル10を取り外すには、作業者がレバー用把持部5Aを把持して、レバー5を
図1、
図2における左側(レセプタクル20から離隔する側)に移動し、以て、レバー5のレセプタクル側端部(
図1、
図2の右端部)をクラッチ4の突起4Bの半径方向外方の位置から移動させる。その結果、クラッチ4の突起4Bが半径方向外方に移動可能となり、突起4Bが半径方向外方に移動すれば、突起4Bはレセプタクル20の嵌合溝20Aから外すことが出来る。
再び
図1において、管継手本体1には、レバー5が矢印H方向に移動することを許容するレバー用開口部1Kと、レバー移動通路1Lが形成されている。
【0024】
図1、
図2で示す第1実施形態によれば、充填ノズル10とレセプタクル20の連結時(水素供給時)にレバー5を保持して、クラッチ4の突起4Bがレセプタクル20の嵌合溝20Aから外れないようにするクラッチ機構12が存在する。しかし、係る機構は、
図6で示す構成とは異なっている。
図2において、クラッチ機構12は、レバー5のレセプタクル側端部をクラッチ4の突起4Bの半径方向外方位置に保持して、クラッチ4がレセプタクル20の嵌合溝20Aから外れないようにする機能を有している。そしてクラッチ機構12は、レバー5のレセプタクル側(
図1、
図2の右側)の端部に設けられた突起5B(レバーの突起)と、レバーの突起5Bよりもレセプタクル20から離隔した側(
図1、
図2では左側)に配置したリング状の弾性部材6(例えばOリング)を有している。
レバー5のレセプタクル側端部に設けられた突起5Bは、半径方向内側に突出している。そして、リング状弾性部材6は、レバー5のレセプタクル側端部近傍に形成された弾性体用溝5Cに嵌合している。
【0025】
図2で示すように管継手本体1とレセプタクル20を連結した場合にロッド2の先端の弁体2Aが弁座1Hから離隔して、水素ガスが管継手内流路1Aに流入し、ロッド内流路2B、レセプタクル内流路20Bを流過する。
その際、水素ガスは非常に高圧(例えば70MPa)であり、その圧力により管継手本体1をレセプタクル20から引き剥がそうとする引張力F1(
図2)が作用する。
引張力F1が管継手本体1に作用する結果、クラッチ4の突起4Bにおけるレセプタクル20から離隔する側(
図2で左側)の傾斜面4BAと、レセプタクル嵌合溝20Aにおけるレセプタクル20から離隔する側(
図2で左側)の傾斜面20AAとの作用により、引張力F1の分力として、クラッチ4には半径方向外方に向かう力ROが作用し、半径方向外方に向かう力ROはクラッチ4を半径方向外方に移動せしめる。
【0026】
図2におけるF3部分を拡大した
図3で示すように、半径方向外方に向かう力ROによりクラッチ4が半径方向外方に移動すると、弾性体6が半径方向について潰れた状態となる。その結果、領域FTで、クラッチ4の突起4Bの端面4BBと、レバー5の突起5Bの端面5BAが接合する。端面4BBと端面5BAが接合するため、レバー5は
図3で示す状態から、レセプタクル20から離隔する方向(
図2、
図3では左方向)に移動することは出来ない。
レバー5が移動しないため、レバー4はクラッチ4の突起4Bの半径方向外方に位置し続け、クラッチ4が半径方向外方に移動することを抑止する。そのため、クラッチ4の突起4Bがレセプタクル20の嵌合溝20Aから外れてしまうことは無く、管継手本体1とレセプタクル20の連結が解除されてしまうことが防止される。
なお、弾性体6の弾性係数、クラッチ側への突出量、レバー5の突起5Bにおけるクラッチ側への突出量、突起4Bの傾斜面4BAの傾斜角度(
図2、
図3)、レセプタクル嵌合溝20Aの傾斜面20AA(
図2、
図3)の傾斜角度等、を適宜設計することにより、上述の作用効果を奏することが出来る。
【0027】
図2、
図3において、水素ガスの充填が完了し、所定の脱圧作業が完了すれば、水素ガスの高圧に起因する引張力F1が消失する。
それに伴い、クラッチ4に作用する半径方向外方に向かう力ROも消失し、クラッチ4は半径方向内方の位置(水素ガス充填前の位置)に復帰する。
クラッチ4が半径方向内内方の位置(水素ガスの充填前の位置)に復帰するため、レバー5の先端近傍に設けられたリング状弾性部材6は、
図3で示す潰れた状態から断面円形の状態に復帰して、クラッチ4の突起4Bの端面4BBとレバー5の突起5Bの端面5BAは、半径方向における相対位置(
図3における上下方向位置)が異なった状態となる。そのため端面4BBと端面5BAは接合せず、
図3における領域FTの様な状態にはならない。
従って、レバー5は
図3で示す状態とは異なり、レセプタクル20から離隔する方向(
図2、
図3では左方向)に移動可能となり、レバー5をレセプタクル20から離隔する方向(
図2、
図3では左方向)に移動すれば、レバー5はクラッチ4の突起4Bの半径方向外方には位置せず、クラッチ4の突起4Bがレセプタクル20の嵌合溝20Aから外れることが可能となる。そして、管継手本体1とレセプタクル20の連結を解除することが出来る。
【0028】
図1〜
図3で示す第1実施形態において、レバー5を保持してクラッチ4がレセプタクル20の嵌合溝20Aから外れないようにするクラッチ機構12は、
図6で示すレバー保持機構構36の構成とは異なり、管継手内流路31Aから分岐する分岐流路36Aと、当該分岐流路内を摺動する部材36B(
図6におけるレバー保持用摺動部材)を設ける必要が無く、当該部材にOリング36C(レバー保持用Oリング)を設ける必要もない。
そのため、レバーを保持する機構に設けたOリングが摺動により劣化して、水素ガスが漏洩することが防止される。
【0029】
充填ノズル10(管継手本体1)とレセプタクル20が連結された状態を示す
図2において、レセプタクル20は、管継手本体1の開口1Cから管継手1内のレセプタクル挿入空間1Dに挿入されている。
図1に示す充填ノズル10とレセプタクル20が連結されていない状態では、ロッド2の突出領域TAは管継手中央突起1Eよりレセプタクル20側に突出しているが、
図2の連結状態では、ロッド2の突出領域TAはレセプタクル20の嵌合凹部の底部20Cに当接し、押圧されて、ロッド2全体が
図1で示す状態から、
図1、
図2の左方向(レセプタクル20から離隔する方向)へ移動する。
その際、ロッド2は、
図1における突出領域TAの突出量分だけ左方向に移動し、突出領域TAのレセプタクル側端部(右端)(
図1参照)が管継手中央突起1Eのレセプタクル側端部(右端)の位置に到達するまで移動する。
【0030】
ロッド2が左方向に移動するに伴い、ロッド2先端の弁体2Aはスプリング3の弾性反撥力に抗して弁座1Hから離隔する。そして弁座1Hと弁体2Aの間から、水素ガスが管継手内流路1Aに流入する。
管継手内流路1Aに流入した水素ガスは、ロッド2の開口2E、ロッド内流路2Bを経由し、レセプタクル内流路20Bを流過して、
図2では図示しない車載用水素充填タンク41(
図5)内に供給される。
【0031】
図2において、水素ガスが管継手内流路1A、ロッド内流路2Bを流過する際に、ロッド2の開口2Eからロッド内流路2Bを流れずに、ロッド大径部2Dの外周面と管継手内流路1の内周面との間の隙間δ1を流れる水素ガスが存在したとしても、当該水素ガスは、レセプタクル20の嵌合凹部の底部20Cに到達して、レセプタクル内流路20Bに流入し、管継手本体1外には漏出しない。
ここで、レセプタクル20の嵌合凹部の内周面20Dにおいて、管継手中央突起1Eの外周と接する箇所にレセプタクル側Oリング21が設けられている。
レセプタクル嵌合凹部の底部20Cから、レセプタクル嵌合凹部の内壁面20Dと管継手中央突起1Eの外周面の隙間ε1を流れる水素ガスが存在したとしても、当該水素ガスは、レセプタクル側Oリング21によりシールされるので、管継手本体1外に漏出することはない。
【0032】
図1、
図2から明らかなように、ロッド2は管継手内流路1Aを摺動するが、ロッド2が摺動する箇所にOリングを設けなくても、水素ガスは管継手本体1外に漏出しない。
なお、
図1で示す管継手本体1とレセプタクル20を連結する以前の状態では、弁体2Aが弁座1Hに座着するので、管継手内流路1Aには水素ガスは流れず、管継手本体1とレセプタクル20から水素ガスが漏出することはない。
【0033】
図2で示す管継手本体1とレセプタクル20を連結した状態では、管継手内流路1Aを流れる水素ガスは、ロッド内流路2Bを流れ、或いは、ロッド大径部2Dの外周面と管継手内流路1Aの内周面の隙間δ1を流れて、レセプタクル嵌合凹部の底部20Cに到達し、レセプタクル内流路20Bを流れるので、管継手本体1やレセプタクル20の外部に漏出することは無い。
したがって、第1実施形態においては、ロッド2が管継手内流路1Aを摺動する箇所にOリングを配置しなくても、水素ガスは管継手本体1やレセプタクル20の外部に漏出しない。そのため、ロッド2の摺動による劣化するOリングを設ける必要が無く、ロッド2の摺動によるOリングの劣化を防止して、水素ガスの漏出を防止出来る。また、充填ノズル10内のシール構造が削減されて、耐久性が向上する。
【0034】
図1〜
図3の充填装置100によれば、充填ノズル10とレセプタクル20(車両用充填口)とを連結状態を維持するクラッチ機構12を備えており、充填ノズル10とレセプタクル20を連結して水素を充填すると、クラッチ4が弾性部材6を半径方向に潰して、クラッチ4の突起4Bの端面4BBとレバー5の突起5Bの端面5BAが接合するため、レバー5がレセプタクル20から離隔する方向に移動することは出来なくなる。したがって、充填ノズル10とレセプタクル20を連結して水素を充填する間に充填ノズル10をレセプタクル20から取り外すことは出来ない。
係るクラッチ機構12であれば、例えば
図6で示す様な分岐流路36Aを形成する必要が無く、分岐流路36A内で摺動部材36Bが摺動する必要が無く、分岐流路36Aにシール構造(Oリング36C)を設ける必要も無い。
そのため、従来技術におけるレバー保持機構36を構成する分岐流路36Aから水素ガスが漏洩する恐れも無い。
【0035】
第1実施形態において、充填ノズル10の管継手本体1の内側には、先端に弁体2Aを有するロッド2がスプリング3(弾性材)に抗して摺動自在に配設されている。水素充填時には、管継手内流路1Aを流れる水素ガスは、ロッド内流路2Bを流れる場合も、ロッド大径部2Dの外周面と管継手内流路1Aの内周面の隙間δ1を流れる場合でも、管継手本体1外に漏出すること無く、レセプタクル嵌合凹部の底部20Cに到達し、レセプタクル内流路20Bに流入する。
したがって、充填ノズル10内でロッド2が摺動する箇所にOリングを設ける必要が無くなる。そのため、ロッド2の摺動によるシール構造(Oリング)の劣化を防止することが出来る。
【0036】
また
図1〜
図3の第1実施形態においては、充填ノズル10とレセプタクル20(車両側充填口)を接続した状態では、ロッド2の一端がレセプタクル20(車両側充填口)の嵌合凹部の底部20Cに当接され、弁体2Aと片座1Hとの座着が解除されて流路が開き、水素ガスが充填可能となるので、安全である。
さらに第1実施形態において、レセプタクル20の嵌合凹部の内周面20Dにおいて、管継手中央突起1Eの外周と接する箇所にレセプタクル側Oリング21が配設されているので、水素ガス充填時にはレセプタクル20の管継手本体1外周に接する箇所と、管継手本体1外周との隙間ε1から水素ガスが漏出することを防止出来る。
【0037】
図4は本発明の第2実施形態を示している。
図4の第2実施形態では、充填ノズル11に、
図1〜
図3の第1実施形態のような管継手中央突起1Eが設けられておらず、管継手内流路31Aにおけるロッド32が摺動する領域にOリング37が設けられている点や、管継内流路及びロッドの構成が
図1〜
図3の第1実施形態とは異なっている。換言すれば、
図4において、管継手内流路31A、ロッド32等については、
図6と同様な構成を具備している。
図4の第2実施形態において、
図1〜
図3の第1実施形態と同様な部材については、同様な符号を付して、重複説明を省略している。同様に、
図4において
図6と同様な部材には、
図6と同様な符号を付して重複説明を省略している。
【0038】
第2実施形態においても、充填ノズル10とレセプタクル20とを連結状態を維持するクラッチ機構12を備えており、レバー5のレセプタクル側(
図1、
図2の右側)の端部に設けられた突起5B(レバーの突起)と、レバー5の突5B起よりもレセプタクルから離隔した側(
図1では左側)に設けられたリング状の弾性部材(例えばOリング)を有している。
そのため、管継手内流路31A(
図6)から分岐する分岐流路36A、分岐流路内を摺動する部材36B、当該部材36Bに設けられるレバー保持用Oリング36C(
図6)を設ける必要が無く、レバー保持用Oリング36Cの劣化に起因する水素ガスの漏洩は生じない。
図4の第2実施形態におけるその他の構成や作用効果は、
図1〜
図3で説明した第1実施形態と同様である。
【0039】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。