(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記半導体チップ(100)は、前記キャリア(3)がサファイアキャリアであり、前記半導体積層体(1)が前記サファイアキャリア上に成長される、サファイアボリュームエミッタであり、
前記半導体積層体(1)は、前記キャリア(3)と対向した第1導電型の第1層(10)、前記キャリア(3)から離れた第2導電型の第2層(12)、及び前記第1層(10)と前記第2層(12)との間に設置された活性層(11)を有し、
第2接触面(21)は、前記第2層(12)上に配置され、
前記第2層(12)は、前記第2接触面(21)により電気的に接続可能であり、
第1接触面(20)は、前記半導体積層体(1)の凹部内において前記第1層(10)上に配置され、前記凹部内において前記第2層(12)及び前記活性層(11)が除去され、前記第1層(10)が露出し、
前記第1層(10)は、前記第1接触面(20)により電気的に接続可能であり、
前記接触素子(40、41)は、前記キャリア(3)の対応する前記側面(32)上に直接設置され、前記キャリア(3)と接触素子(40、41)との間にその他の層は設置されない、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(100)。
前記接点ブロック(401、411)は、前記2つの側面(32)を完全に覆い、前記2つの側面(32)の平面視において、前記2つの側面(32)より突出する、請求項9に記載の発光ダイオード(500)。
前記一方の半導体チップ(100)の接触素子(40、41)は、前記他方の半導体チップ(100)の接触素子(40、41)と直接機械的及び電気的に接続される、請求項12に記載のオプトエレクトロニクス半導体装置(1000)。
【背景技術】
【0002】
例えば、接触構造のシェーディングエリアを最小化することにより、効率的な放射取り出しを実現するオプトエレクトロニクス半導体チップ及び発光ダイオードを提供することを目的とする。他の目的として、複数の上記半導体チップ及び/又は発光ダイオードを加工したオプトエレクトロニクス装置を提供する。また、他の目的として、そのようなオプトエレクトロニクス半導体チップ及びそのような発光ダイオードの生産方法を提供する。
【0003】
これらの目的は、独立クレームの対象および方法、および従属クレーム11、14および20によって達成される。有利な構成及びさらなる変形例により残りの従属項の発明の対象が構成される。
【0004】
少なくとも一実施の形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体チップは、キャリア及びキャリアの上面上に配置された半導体積層体を有する本体を有する。好ましくは、半導体積層体は、キャリアの上面上において途切れることなく連続及び結合して延在し、実質的に完全に、例えば、少なくとも90%又は95%又は99%程度、キャリアの上面を覆う。半導体積層体は、正常動作時に、特に、400nm〜800nmの可視波長範囲の電磁放射を出射又は吸収するように設計されている。好ましくは、キャリアは一片として形成される。
【0005】
半導体積層体は、例えば、III−V族化合物半導体材料からなる。当該半導体物質は、例えば、Al
nIn
1−n−mGa
mN等の窒化物化合物半導体材料、AlnIn
1−n−mGa
mP等のリン化化合物半導体材料、又はAl
nIn
1−n−mGa
mAs等の砒化物化合物半導体材料からなり、各場合において0≦n≦1、0≦m≦1、かつ、m+n≦1である。半導体積層体は、ドープ剤及び付加的な成分を有し得る。しかし、説明の簡易化のため、半導体積層体の結晶格子の必須構成要素、すなわち、Al、As、Ga、In又はP、のみ示し、また、これらに代えて、又はこれらに補足してさらに他の少量の物質が設けられ得る。好ましくは、半導体積層体AlInGaN系である。
【0006】
好ましくは、半導体積層体は、少なくとも1つのpn接合及び/又は、独立の量子井戸(SQW)、もしくは多重量子井戸構造(MQW)としての量子井戸構造を有する、活性層を有する。
【0007】
好ましくは、キャリアは自立性を有し、本体を機械的に安定化するように設計される。これにより、本体はキャリア以外の安定化手段を必要としなくなる。
【0008】
少なくとも一実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体チップは、半導体積層体上に配置され、キャリアから離れた2つの接触面を有し、当該2つの接触面は半導体積層体を電気的に接続可能にする。これにより、接触面はキャリアから離れた半導体積層体の側方に配置され、例えキャリアの上面と略平行に延在する。ここで、特に、電気的に接続可能にするとは、2つの接触面により半導体積層体を電気的に接続することができることを意味する。接触面は、例えばキャリアの上面の2つの互いに逆側の周辺領域に配置され、好ましくは、半導体積層体の半導体材料により形成される。半導体積層体が電気コンタクトのための2つ以上の接触面を有する場合には、これらの接触面の全てが、例えば、キャリアから離れた、半導体積層体の面に配置される。
【0009】
少なくとも一実施形態によれば、2つの接触素子は、接触面に設けられ、導電的に接続される。好ましくは、接触素子は、半導体積層体への電気コンタクトを生じさせる働きをする。このために、接触素子は、例えば、金属、合金、半導体物質、もしくは透明な導電体を含む、又はそれらのいずれかにより構成される。
【0010】
少なくとも一実施形態によれば、本体のキャリアは上面及び上面に対向する底面に対して横方向に延在する側面を有する。これにより、側面は上面と底面とを接続する。特に、キャリアは、例えば、その上面及び底面がキャリアの主面を構成し本体における一番大きな主面となるような、立方形状又は立方体形状を有し得る。例えば、キャリアの底面及び側面は、同時に本体の底面及び側面を形成する。
【0011】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子は、導体トラックとして設けられる。ここで、導体トラックは、本体の端部上において、キャリアの側面上へ導かれる。特に、これにより、接触面から、導体トラックは、まず半導体積層体の主延長方向に延在し、そして本体の端部上において曲がり、キャリアの側面と平行に延在する。これにより、好ましくは、半導体積層体の一部分は接触素子とキャリアとの間に設置される。端部の領域における接触素子と半導体積層体との間のショートを回避するために、半導体積層体にSiO
2等のパッシベーションが備えられていてもよい。ここで、パッシベーションは、例えば既に本体の構成部である。
【0012】
少なくとも一実施形態において、オプトエレクトロニクス半導体チップはキャリア及び、キャリアの上面上に配置され、正常動作時に、電磁放射を出射又は吸収する半導体積層体を有する本体を有する。オプトエレクトロニクス半導体チップは、半導体積層体上に配置され、キャリアから離れた、接触面半導体積層体を電気的に接続可能にする2つの接触面をさらに有する。半導体チップはさらに、接触面に設けられ、導電的に接続される2つの接触素子を有する。本体のキャリアは上面の横方向に延在する側面及び上面と反対側の底面を有する。接触素子は、本体の端部上において接触面から、キャリアの側面上へ導かれた導体トラックとして設けられる。
【0013】
当該説明に係る発明は、とりわけ、従来半導体積層体の接続に使用されたコンタクト又はボンドワイヤが、半導体積層体により出射された放射のシェーディングを比較的顕著に生じさせるという認識に基づいている。これは、主として、コンタクトワイヤは半導体チップと同一平面上に、又は形状に合わせて、設置されず、その代わりにアーチ状に突出するためである。これは、ひいては、コンタクトワイヤが比較的大きい長さを有することにつながり、コンタクトワイヤの大きいシェーディングエリアに結びつく。
【0014】
さらに、その幾何学的形状により、コンタクトワイヤは、半導体装置又は半導体チップ全体において、横方向及び鉛直方向の長さを増加させる。
【0015】
当該説明に係る発明は、とりわけ、コンタクトワイヤではなく、接触面から本体の側面上へ導かれ、好ましくは、直接的本体上において形状に合わせて設置される導体トラックを接触素子として設けるという概念を用いる。結果として、接触素子の、全体の長さ、ひいてはシェーディングエリア、が減少する。さらには、接触素子は同一平面上にかつ形状に合わせて本体上に設置されるので、半導体チップ全体の、鉛直方向及び横方向の範囲を減らすことができる。
【0016】
本発明において、さらに、接触素子は半導体積層体から側面上へ大きくずらして設けられるため、半導体積層体の領域のより多くの部分を発光領域として使用できる。
【0017】
さらに、導体トラックは半導体チップ内で発生する熱を効率的に外向きに伝える働きもし得る。
【0018】
以上及び以下において、両接触素子の特性を示した又は示す。しかし、これらの特性は、各場合において1つの接触素子のみによっても実現し得る。
【0019】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子は一片の導体トラックとして設けられる。特に、このように、導体トラックは単一の物質又は単一の組成物により形成される。しかし、導体トラックは、異なる材料、例えば異なる金属からなる複数の重ねられた層により構成されてもよい。特に、導体トラックは、途切れることなく連続及び結合して、接触面から側面まで延在する。
【0020】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子は、接触面から側面まで、本体上に形状に合わせて設置される。これは、例えば、接触素子は、接触面及び側面の全領域において本体上に形状に合わせて設置され、これにより本体に直接接し、かつ、導体トラックと本体との間に隙間や割れ目が形成されないということを意味している。ここで、本体は必ずしもキャリア及び半導体積層体のみにより構成されるわけではない。代わりに、キャリア及び半導体積層体は、例えばその上に導体トラックが形状に合わせて設置される、パッシベーション層やミラー層等の他の層によりに覆われ得る。
【0021】
少なくとも一実施形態によれば、キャリアは半導体積層体のための成長基板である。換言すれば、キャリアは成長基板により構成され得る。キャリアは、例えばサファイア、シリコン、GaN、GaAs又はSiCを含み得る又はそれらいずれかにより構成され得る。
【0022】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子は、接触面から、キャリアの2つの互いに逆向きの側面に導かれる。
【0023】
少なくとも一実施形態によれば、2つの側面を除いた、キャリアの全ての残りの側面には導体トラックや放射を金属コーティング等の透過させないコーティングは設けられない。好ましくは、これにより、キャリアの2つの側面のみが導体トラックにより覆われ又はシェーディングされる。
【0024】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子、特に、全ての接触素子は、キャリアの同じ側面に導かれる。そして、接触素子によって覆われた側面は半導体チップの実装面又は接続面を形成し得る。特に、このように具現化した半導体チップは、出射の主方向が実装面と平行である「サイド・ルッカー」として使用し得る。
【0025】
少なくとも一実施形態によれば、少なくとも本体の一面がミラー層によって覆われる。ミラー層は、例えば少なくとも90%又は95%程度、又は完全に本体の対応する面を覆い得る。好ましくは、本体の全ての面のうち一面のみが、特に、完全に、ミラー層により覆われる。例えば、キャリアの全ての側面及び底面がミラー層によって覆われる。そして、光は覆われていない面、例えば半導体チップのキャリアの底面から離れた面を介して主として又は排他的に出射される。
【0026】
ミラー層は、半導体積層体より出射された放射に対して例えば少なくとも90%、95%又は99%の反射率を有する。このために、ミラー層は、特に、ブラッグ反射体として、例えば多層に形成される。更に好ましくは、ミラー層はパッシベーション層とキャリアとの間に設置される。これにより、特に、ミラー層に設けた接触素子の場合に、ミラー層を介したショートを防止することができる。
【0027】
ミラー層は、例えば、ZnO/Ag/Pt/Au/SiNの積層体からなる多層ミラーとして形成される。この場合、ZnO層が本体と対向する。
【0028】
少なくとも一実施形態によれば、ミラー層はパターニングされる。このことは、ミラー層が、本体又はキャリアがミラー層により覆われない遮断部を有し得ること、又はミラー層が非結合的に形成し得ることを意味する。ミラー層は、例えば、独立したストライプ状に形成される。このようなパターニングにより、本体又はキャリアの対応する面を介して出射される放射の出射挙動、出射強度及び角度依存性を調整し得る。
【0029】
例えば、ミラー層のパターニングのパターンのサイズは、半導体積層体により発光される波長程度、例えば波長の0.5〜2倍であり得る。これにより、ミラー層は出射される放射に対する導光の影響を有することができる。この場合の波長は、例えば、最大放射強度の出射が起こる最大波長である。最大波長は、例えば、200nm〜400nmのUV範囲、又は400nm〜800nmの可視範囲である。
【0030】
少なくとも一実施形態によれば、変換素子は、パターニングされミラー層に設けられる。パターニングされたミラー層及び変換素子の組み合わせにより、出射光の色は、パターニングにより得られる出射パターンから影響を受けることができる。例えば、幾何形状及び半導体チップの幾何形状により、変換素子において異なる長さの光路が得られる。例えば、半導体チップの端部を介して出射された光は、変換素子のより長い光路を要する。パターニングされミラー層を使用することにより、色の位置ずれを回避するために、好ましい光路を確立することができる。これは、変換素子を設けるのに非常に多種多様な方法、特に、寸法的に、正確、均一又は形成適合的な本体の被膜を許容しない方法、を使用しうることを意味する。
【0031】
少なくとも一実施形態によれば、半導体チップはサファイアボリュームエミッタであり、当該半導体チップにおいて、キャリアはサファイアキャリアであり、好ましくは、AlInGaN系の半導体積層体がサファイアキャリア上に成長される。ボリュームエミッタにおいては、半導体積層体において発生した放射の少なくとも一部はキャリア内に導入され、側面及び底面を介してキャリアから取り出される。
【0032】
少なくとも一実施形態によれば、半導体積層体は、n型ドープ層又はp型ドープ層等の、キャリアと対向した第1導電型の第1層を有する。半導体積層体は、p型ドープ層もしくはn型ドープ層である、キャリアから離れた第2導電型の第2層をさらに有する。放射を出射又は吸収するための活性層が第1層と第2層との間に設置される。
【0033】
少なくとも一実施形態によれば、第2接触面は第2層上に配置され、これによりキャリアから離れている。第2層は、例えば、第2接触面により電気的に接続可能であり得る。
【0034】
少なくとも一実施形態によれば、第1接触面は半導体積層体の凹部において第1層上に配置される。凹部においては、第2層及び活性層が除去され、第1層が露出する。凹部は、例えば、半導体積層体の周囲に配置され得、本体の縁部を含み得る。そして、凹部は、連続し結合する活性層や第2層の土台に完全に囲まれない。
【0035】
少なくとも一実施形態によれば、第1層は、第1接触面により電気的に接続可能である。
【0036】
これにより、好ましくは、第1接触面及び第2接触面は、異なる面上に互いにずらして配置される。これにより、第1接触面は第2接触面よりもキャリアにより近い。
【0037】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子は対応するキャリアの側面上に直接設置され、キャリアと接触素子との間にその他の層は設置されない。電気的絶縁性材料からなる薄層又は薄層積層体がキャリアの側面と接触素子との間に設置され得る。そして、このように覆われた側面と接触素子間との距離は、例えば各場合において、最大で1μm、500nm、又は200nmとなる。
【0038】
少なくとも一実施形態によれば、成長基板が除去され、これにより安定化キャリアは成長基板と異なる、オプトエレクトロニクス半導体チップは薄型フィルム半導体チップである。そして、キャリアは、例えば金属キャリア、シリコンキャリア、又はゲルマニウムキャリアであり得る。
【0039】
少なくとも一実施形態によれば、半導体チップ及び/又はキャリアは、6つの境界面を有する角柱の幾何学的基本形状を有する。特に、以上及び以下において、角柱は直方体又は立方体であり得る。境界面は、必ずしも一対に互いに平行に延在する必要はなく、代わりに、キャリアは、側面視又は断面視で、キャリアの上面及び底面殆ど平行に延び、上面の横方向の長さが底面よりも短い又は底面の横方向の長さが上面よりも短い、台形形状を有し得る。
【0040】
例えば、キャリアは、キャリアの側面を形成する2つの互いに逆向きの長手側側面及び2つの互いに逆向きの端面を有する。例えば、端面の面積は長手側側面、上面及び底面より小さい。特に、キャリアが、各場合において端面がその端部に配置される長い形状を有するように、キャリアの端面を取り囲む端部の長さは、キャリアの他の4つの端部の、例えば最大で70%、半分、又は30%である。
【0041】
例えば、接触素子は2つの逆向きの端面へ導かれる。又は、接触素子は、逆向きの長手側側面又は1つの同一の長手側側面に導かれ得る。
【0042】
少なくとも一実施形態によれば、動作中、半導体チップの6つの境界面全てを介して放射が出射される。半導体積層体において出射される放射の一部は、例えば、キャリアから遠ざかる方向に、半導体チップから直接出射される。半導体積層体よりキャリアに向けて出射した他の部分は、例えばキャリア内に入射し、拡散され、キャリアの底面及び全ての側面を介して半導体チップより取り出される。これにより、半導体チップは、全ての6つの境界面を介して放射を出射し得る。
【0043】
少なくとも一実施形態によれば、動作中放射を出射することができる半導体チップの総表面積の割合は、少なくとも90%、95%又は99%となる。
【0044】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子の対応する側面に対して垂直方向の厚さは少なくとも100nm、200nm又は300nmである。代わりに又は加えて、接触素子の厚さは、各場合において、最大で500nm、400nm又は300nmとなる。そのような厚さは、例えば、スパッタリング又は蒸着により接触素子を本体に設けることにより実現し得る。ここで、接触素子の厚さは、特に、トラック全体の延長方向に沿った導体の平均厚さ又は最大厚さを意味する。
【0045】
しかし、接触素子の厚さは、少なくとも2μm、5μm又は10μmとなるように、電気めっき処理により増加し得る。代わりに又は加えて、厚さは、最大で100μm、30μm、20μm又は15μmとなる。
【0046】
少なくとも一実施形態によれば、半導体積層体上の接触素子は、上面と平行な横方向において、少なくとも5μm、10μm又は20μmの幅を有する。代わりに又は加えて、半導体積層体上の幅は、最大で100μm、50μm又は30μmである。側面の領域において、接触素子は、例えば少なくとも10μm、30μm又は100μmの幅を有する。代わりに又は加えて、側面の領域において、接触素子の幅は最大で400μm、300μm又は100μmである。厚さと同様に、幅は最大又は平均の幅で規定することができる。
【0047】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子を形成する材料は、少なくとも80W/(m・K)、100W/(m・K)又は200W/(m・K)の特定の熱伝導率を有する。接触素子の選択された厚さ、幅及び特定の熱伝導率が増加するほど、例えば動作中に半導体チップにより生成された熱をより効果的に接触素子により拡散することができる。
【0048】
少なくとも一実施形態によれば、半導体積層体の平面視において、接触面及び/又は接触素子は、半導体積層体の総面積を最大で10%、5%又は2%を覆う。代わりに又は加えて、接触面及び/又は接触素子は、半導体積層体を少なくとも0.5%、1%又は1.5%程度を覆う。ここで、好ましくは、半導体積層体の残りの領域は、動作中は、放射を出射する働きをする。
【0049】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子は、最大で15%、10%又は5%程度、代わりにもしくは加えて、少なくとも1%、3%又は5%程度、対応するキャリアの側面を覆う。これにより、動作中、導体トラック覆われたキャリアの側面を介して充分な放射を出射できる。
【0050】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子は、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、白金、チタニウム、亜鉛、パラジウム、モリブデン又はタングステン等の金属を含み得る又はそれらの少なくともいずれかにより構成され得る。例えば、接触素子は、Ti(0.1μm)/Pt(0.1μm)/Au(0.1〜1μm)積層体、又はTi(0.1μm)/Ni(1μm)/Au(1μm)積層体により構成される(括弧内の数値は、可能性のある各層の層厚を示す)。接触素子の厚さは、例えば付加的なCu電気めっき等の電気めっきにより、増加させることができる。
【0051】
接触素子は、インジウムスズ酸化物(ITO)、又はZnO等の透明な導電体(透明導電性酸化物(TCO))を含み又はそれらいずれかにより構成してもよい。導体トラックの他の例としては、延在する伝導性金属網を有する透明な材料が挙げられる。
【0052】
半導体積層体上の接触素子は、例えば上記材料を含み又はそれらのいずれかにより構成されて透明であるか、又は、例えば上記金属を含み又はそれらのいずれかにより構成され、側面の領域において、金属であることが考えられる。
【0053】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子は、半導体積層体により出射された放射に対して反映性を有する。そして、特に、接触素子は、半導体積層体により出射された放射に対し、少なくとも80%、90%又は95%の反射率を有する。
【0054】
少なくとも一実施形態によれば、側面に沿った、又は上面から底面に向かって計測された、上面の横方向の接触素子の長さは、キャリアの厚さの最大で75%、50%又は40%となる。ここで、キャリアの厚さは上面と底面との間の距離として規定される。これにより、本実施の形態においては、接触素子は、キャリアの上面から底面へ導かれない。
【0055】
少なくとも一実施形態によれば、接触素子は、キャリアの上面から底面へと導かれる。
【0056】
少なくとも一実施形態によれば、底面の領域において、各接触素子は、半導体チップを接続キャリア上に実装し及び/又は電気的に接続することを可能とする、接続領域を有する。そして、接続領域において、対応する接触素子は好ましくは橋部又は脚部としてキャリアから横方向に離れるように導かれる。そして、この底部領域において、接触素子は、好ましくは、キャリアの底部と平行又は略平行に延在する。
【0057】
少なくとも一実施形態によれば、底面から遠ざかる方向において、接続領域は、キャリアの底面と同一平面上に終端される。これは、特に、接触素子の接続領域及びキャリアの底面が共通の、好ましくは面状の、半導体チップを例えば接続キャリア上に載置し得る、支持半導体チップの支持面を形成することを意味している。
【0058】
少なくとも一実施形態によれば、変換素子は、半導体積層体に設けられ、変換素子は、半導体積層体により出射された放射の少なくともの一部を別の波長範囲の放射へ変換する。ここで、変換素子は、その横方向の範囲が半導体チップの横方向の範囲に10%未満のずれの範囲内で適合した、例えばセラミック変換素子であり得る。変換素子は、半導体積層体上に載置され、寸法に合わせて切断された変換フィルムであってもよい。
【0059】
しかし、半導体積層体に加えて、変換素子は、キャリアの側面を部分的に又は完全に覆い得る。
【0060】
少なくとも一実施形態によれば、変換素子は、最大で70μm、50μm又は30μmの厚さを有する。代わりに又は加えて、厚さは少なくとも10nm、20nm又は30nmである。変換素子層を薄くすることで半導体チップ全体の温度特性を向上させることが可能となる。
【0061】
少なくとも一実施形態によれば、例えば透明なポッティング材等のポッティング材が本体及び接触素子に設けられる。ポッティング材は、完全に本体及び接触素子を囲み得る。本体の底面及び接触素子の接続領域において、好ましくは、部分的に又は完全にポッティング材は設けられない。その場合においても、キャリアの底面及び接続領域は、半導体チップの置載及び電気的接続に使用し得る。ここで、本体上のポッティング材の層厚は、例えば100μm〜500μmとなる。
【0062】
ポッティング材は、半導体チップ上において安定化作用を有し得るが、これは必ずしも必須の要件ではない。好ましくは、ポッティング材のない状態においても、半導体チップは自立性及び機械的安定性を有する。このことは、接触素子を有するだけの本体が、自立性を有し他の安定化手段を必要としない半導体チップを形成することができることを意味する。
【0063】
少なくとも一実施形態によれば、ポッティング材は、蛍光体粒子を有し、半導体積層体により出射された放射の一部を別の波長範囲の放射へ変換するように設計される。ポッティング材は、例えば、均一に分散したYAG:Ce
3+又は量子ドット等の蛍光体粒子を備えた、シリコーン、液体シリコーン、樹脂、重合体、フッ素重合体又は熱可塑性物質等の基材であり得る。
【0064】
さらに、発光ダイオードが設けられる。例えば、上述のように、発光ダイオードは、特に、ちょうど1つの半導体チップを有する。このことは、オプトエレクトロニクス半導体チップに関して開示された全ての特徴が発光ダイオードのための開示でもあることを意味し、また逆の場合も同様である。
【0065】
発光ダイオードの少なくとも一実施形態によれば、後者は、2つ、特に、ちょうど2つの導電接点ブロックを有する。接点ブロックは、キャリアの2つの、特に、2つの逆側の、側面、好ましくは、端面、に設けられ、その側面に直接接し得る。接点ブロックは、例えば、接触素子と同じ側面に設けられる。
【0066】
接点ブロックは、例えば接触素子の説明で挙げた物質等の金属又は合金を含む又はそれらのいずれかにより構成される。接点ブロックは、例えば一片として形成される。しかし、好ましくは、接点ブロックは、接触素子と一片として形成されない。これにより、少なくとも結晶面上において、接点ブロックと接触素子との間の遷移において、認識可能な少なくとも1つの界面が接触素子と接点ブロックとの間に形成される。
【0067】
接点ブロックは、それが設けられる、対応する側面に対して垂直に計測すると、例えば少なくとも5μm、10μm、30μm、100μm又は500μmの厚さを有する。代わりに又は加えて、接点ブロックの厚さは、最大で1mm、500μm、100μm、70μm又は50μmとなる。
【0068】
少なくとも一実施形態によれば、接点ブロックは、接触素子と導電的に接続される。接点ブロックは、接触素子と直接機械的に接し得る、又は導電性接着剤又は半田材料等の導電体により接触素子と電気的に接続し得る。
【0069】
少なくとも一実施形態によれば、本体の接点ブロックにより覆われない部分が全体的に又は部分的に被覆体により覆われるように被覆体が本体の周囲に配置される。被覆体は、特に、接点ブロックにより覆われない、半導体チップ又は本体の側面の一部又は全部を覆う。そして、これらの側面は、好ましくは、被覆体により完全に覆われる。これにより好ましくは、被覆体及び接点ブロックは、完全に半導体チップを取り囲む。被覆体は、キャリア及び/又は半導体積層体と直接接し得る。
【0070】
被覆体は、上述の変換素子又は上述の蛍光体粒子を備えたポッティング材を含み得る又はそれらいずれかにより構成され得る。被覆体は、一片として形成され得る、又は光変換領域及び不透過/光反射領域等の異なる領域を含み得る。例えば、被覆体は、その性質上、半導体積層体の領域では光変換し、また、その性質上、底面の領域では不透過/光反射である。被覆体により覆われた側面、例えば互いに逆向きの長手側側面、は、所望の発光パターンに合わせて、不透過/光反射被覆体又は光変換被覆体により覆われ得る。
【0071】
被覆体の不透過/光反射領域は、例えばTiO
2粒子を分散させた上記基材を有する。半導体チップにより出射された放射に対する反射率は、例えば半導体チップの放射強度が最大となる波長において計測した場合、例えば少なくとも95%又は99%となる。
【0072】
透過的なシリコーン等の透明な物質による被覆体が光変換領域として可能である。そして、被覆体は、半導体チップから離れた透明な物質の側面上において変換物質層を有し得る。
【0073】
少なくとも一実施形態によれば、発光ダイオードの搭載されていない状態において、発光ダイオードの外面上の接点ブロックは、覆われない。そして、接点ブロックの覆われない部分は、正常動作時に、発光ダイオードの外部電気コンタクトとして機能する。
【0074】
発光ダイオードの外面は、好ましくは、被覆体及び接点ブロックによって完全に形成される。発光ダイオードを搭載しない状態において、外面は、例えば空気等の周囲の物質に隣接する。このように、外面は、搭載されていない発光ダイオードを完全に取り囲む固体物の最外面となる。これにより、外面は、例えば発光ダイオードの位置決のために発光ダイオードをピックアップ、保持又は接触できるようにするための加工面を形成する。
【0075】
少なくとも一実施形態によれば、接点ブロックは、キャリアの側面を完全に覆う。覆われた側面の平面視において、接点ブロックは、特に、好ましくは、部分的に又は完全に対応する側面より突出する。例えば、接点ブロックは、対応する側面の1以上又は全部の端部において、対応する側面より突出する。
【0076】
接点ブロックは、例えば、少なくとも5μm、10μm、30μm、100μm又は500μmだけ対応する側面の端部より突出する。代わりに又は加えて、接点ブロックは、最大で1mm、500μm、100μm、70μm又は50μmだけ側面の端部より突出する。
【0077】
しかし、代わりに、接点ブロックは、対応する側面の一部のみが接点ブロックにより覆われるように、対応する側面より小さくてもよい。この場合、好ましくは、接点ブロックにより覆われない、側面のこれらの部分は、同様に被覆体により覆われる。
【0078】
少なくとも一実施形態によれば、被覆体は、発光ダイオードの外面上の接点ブロックと同一平面上に終端される。換言すれば、接点ブロック及び被覆体は、キャリアから離れる方向に互いに同一平面上に終端される。従って、この場合、製造公差の範囲において、接点ブロックと被覆体との間の外面上にステップ又はねじれは、形成されない。
【0079】
少なくとも一実施形態によれば、製造公差の範囲内において平滑である発光ダイオードの外面が、接点ブロック及び被覆体、好ましくは、接点ブロック及び被覆体のみによって形成される。例えば、それによって覆われた側面の平面視において、接点ブロックは、長方形、円形、又は楕円の断面を有する。被覆体は、半導体チップの外面上において接触素子から被覆体までの同一平面上の遷移を確保するために、対応する境界面を有し得る。例えば、接点ブロック及び被覆体によって形成された発光ダイオードの外面は、角柱、円柱体、卵形状又は楕円体の外面の幾何形状を有する。
【0080】
このように設けられる発光ダイオードは、発光ダイオードを例えば半田付け又は接着接合することにより、個々の発光ダイオードが電気的に接続された、調節可能に形成されたより大きな発光ダイオードを形成する、発光ブロックとして使用し得る。発光ダイオードにおける半導体チップは、被覆体及び接点ブロックにより外部の影響から保護される。
【0081】
さらに、オプトエレクトロニクス半導体装置が設けられる。半導体装置は、例えば、上記の半導体チップ及び/又は上記の発光ダイオードを有する。このことは、オプトエレクトロニクス半導体チップ及び発光ダイオードに関して開示された全ての特徴が、オプトエレクトロニクス半導体装置のための開示でもあることを意味し、また逆の場合も同様である。
【0082】
少なくとも一実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体装置は、上述の半導体チップ及び/又は発光ダイオードを少なくとも2つ有し、一方の半導体チップの接触素子は他の半導体チップの接触素子と導電的に接続する。そして好ましくは、2つの隣り合う半導体チップの接触素子が設けられた側面は、互いに対向する。結果として、特に、半導体チップは、直列に接続される。複数、例えば少なくとも3つ、5つの又10の上記半導体チップ及び/又は発光ダイオードが、横方向の接触素子により直列に、半導体チップチェーン又は発光ダイオードチェーンを形成するように、接続されてもよい。また、半導体チップ又は発光ダイオードは、例えば半導体チップ又は発光ダイオードを積み重ねることにより、並列接続され得る。
【0083】
少なくとも一実施形態によれば、隣り合う2つの半導体チップ又は発光ダイオードの接触素子又は接点ブロックは、互いに直接機械的及び電気的に接続される。そして、隣接する発光ダイオード又は隣接する半導体チップの接触素子又は接点ブロックは、単に半田材料により、例えば導電的に及び機械的に安定して互いに接続される。これにより、直列又は並列に接続された、コンパクトなチェーン、コンパクトな積層半導体チップ又は発光ダイオードを得ることができる。
【0084】
さらに、オプトエレクトロニクス半導体チップの生産方法が設けられる。本方法は、特に、上記オプトエレクトロニクス半導体を生産するのに好適である。このことは、半導体チップに関して開示された全ての特徴が本方法のための開示でもあることを意味し、また逆の場合も同様である。
【0085】
少なくとも一実施形態によれば、本方法は、本体を設けるステップであって、本体は、上面、上面と反対側の底面、及び上面の横方向に延在して上面と底面とを接続する側面を有するキャリアと、キャリアの上面に塗布され、正常動作時に、電磁放射を出射又は吸収する半導体積層体とを有する、ステップA)を有する。
【0086】
少なくとも一実施形態によれば、本方法は、本体を、半導体積層体が補助キャリアから離れるように補助キャリアに設けるステップB)を有する。これにより、本体のキャリアは、補助キャリアと半導体積層体との間に設置される。
【0087】
少なくとも一実施形態によれば、本方法は、キャリアから離れた少なくとも半導体積層体上の接触面においては保護層が設けられないままであるように保護層を本体に設けるステップであって、半導体積層体は、接触面により電気的に接続可能であるステップC)を有する。接触面は、続いて半導体積層体を電気的に接続するために設けられる。
【0088】
少なくとも一実施形態によれば、本方法は、導電層を、キャリアの側面、接触面、及び保護層に設けるステップD)を有する。ここで、保護層により覆われない、本体の全領域は、好ましくは、導電層により覆われる。ここで、導電層は、好ましくは、途切れることなく結合的に連続して延在する。
【0089】
少なくとも一実施形態によれば、本方法は、本体の端部上において接触面からキャリアの側面上へ本体上において形状に合わせて設置された導体トラックの形状を有する接触素子が得られるように、保護層を、その上の導電層とともに取り外すステップE)を有する。
【0090】
本方法において、本体上の導体トラックの後続のパターンが保護層のパターンにより規定される。導体トラックが続いて延出する領域は、導電層がこれらの領域に設けられるように、保護層により保護されない。
【0091】
導電層は、例えば、スパッタリングプロセス又は蒸着プロセス及び/又は電気めっきプロセスにより設けられる。
【0092】
少なくとも一実施形態によれば、ステップA)〜E)は、この順番で行われる。
【0093】
少なくとも一実施形態によれば、ステップC)において、保護層は、まずフォトレジストとして本体及び補助キャリアに設けられる。ここで、フォトレジストは、好ましくは、本体領域全体において覆われない部分がないように、補助キャリアのサブ領域及び本体全体を覆う。
【0094】
少なくとも一実施形態によれば、後続のステップにおいて、続いて接触素子により覆われる補助キャリア及び本体の領域が露出するように、すなわちフォトレジストが設けられないように、例えばマスクを使用した露出処理によりフォトレジストがパターニングされる。導電層が設けられたパターニングされたフォトレジストは、ステップE)で例えば溶剤により洗浄されることにより除去される。
【0095】
少なくとも一実施形態によれば、ステップE)の後、接触素子が設けられた本体は、変換フィルム又はポッティング組成物である変換素子によって覆われる。
【0096】
少なくとも一実施形態によれば、ステップE)の後、補助キャリアは、本体から取り外され、補助キャリアのない個々の半導体チップが得られる。
【0097】
さらに、発光ダイオードの生産方法が設けられる。本方法は特に、上記発光ダイオードを生産するのに好適である。このことは、発光ダイオードに関して開示された全ての特徴が発光ダイオードの生産方法のための開示でもあることを意味し、また逆の場合も同様である。
【0098】
少なくとも一実施形態によれば、ステップE)の後、接点ブロックが、キャリアの2つの側面に設けられる。好ましくは、接点ブロックは、キャリアの側面に直接機械的に接する。接点ブロックは、例えば半田材料又は導電性接着剤により、接触素子と導電的に接続する。
【0099】
そして、好ましくは、その後、接点ブロックにより覆われない半導体チップの全ての領域が被覆体により囲まれ、各場合において発光ダイオードの外面が得られる。好ましくは、外面は、完全に被覆体及び接点ブロックによって形成される。
【0100】
被覆体の設置は、1又は複数のステップにより行われ得る。
【0101】
以上説明された、オプトエレクトロニクス半導体チップ、発光ダイオード、オプトエレクトロニクス半導体装置、及びオプトエレクトロニクス半導体チップ及び発光ダイオードの生産方法を、例示的な実施形態図を参照してさらに詳しく説明する。図中、同一の要素は同一符号を付して示す。要素間の関係は正確な縮尺ではなく、また、理解を容易にする目的で、各要素は誇張して表される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【
図1A】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図1B】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図1C】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図1D】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図1E】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図1F】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図1G】従来のオプトエレクトロニクス半導体チップを表す断面図である。
【
図1H】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの部分断面図である。
【
図1I】複数の例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの温度の計測値を表すグラフである。
【
図2A】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図及び側面図である。
【
図2B】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図及び側面図である。
【
図2C】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図及び側面図である。
【
図2D】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図及び側面図である。
【
図3A】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図及び側面図である。
【
図3B】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体装置を表す図である。
【
図4A】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体装置を表す図である。
【
図4B】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体装置を表す図である。
【
図4C】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体装置を表す図である。
【
図5】接続キャリア上に実装されたオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図である。
【
図6A】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図6B】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図6C】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図6D】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図6E】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図6F】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップを生産するための方法の多様なステップを表す図である。
【
図7A】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図及び側面図である。
【
図7B】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図及び側面図である。
【
図7C】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図及び側面図である。
【
図7D】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップの斜視図及び側面図である。
【
図8A】例示的な実施形態の発光ダイオードをそれぞれ表す斜視図である。
【
図8B】例示的な実施形態の発光ダイオードをそれぞれ表す斜視図である。
【
図9A】例示的な実施形態の発光ダイオードをそれぞれ表す斜視図である。
【
図9B】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図9C】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図9D】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図9E】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図10A】例示的な実施形態の発光ダイオードをそれぞれ表す斜視図である。
【
図10B】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図10C】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図10D】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図10E】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図10F】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図10G】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図10H】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図10I】異なる複数の例示的な実施形態の発光ダイオードを表す断面図である。
【
図11A】異なる例示的な実施形態の発光ダイオードを表す側面図である。
【
図11B】異なる例示的な実施形態の発光ダイオードを表す側面図である。
【
図12】例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体装置を表す図である。
【
図13A】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図13B】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図13C】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図13D】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図13E】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図13F】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図14A】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図14B】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図14C】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図15A】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図15B】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図15C】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【
図15D】例示的な実施形態の発光ダイオードの製造方法における異なる様々なポジションを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0103】
図1Aは、例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップ100を生産するための第1方法ステップの断面図である。キャリア3及び半導体積層体1を有する本体を補助キャリア6に設ける。補助キャリア6は、例えば、ガラス基板、金属基板又は半導体基板である。
【0104】
この場合、半導体積層体1は、補助キャリア6から離れたキャリア3の上面30に設けられる。キャリア3は、上面30と反対側の底面31と、上面30の横方向に延在し底面31を上面30に接続する側面32とをさらに有する。キャリア3は、例えば、半導体積層体1の成長基板でもあるサファイアキャリアである。半導体積層体1自体は、キャリア3と対向した第1導電型の第1層10、と第1層10に設けられた第2導電型の層12とを有する。
【0105】
例えば、第1層10はn型導電性であり、第2層12はp型導電性である。ここでは、半導体積層体1は、例えば、AlInGaN系である。さらに、第1層10と第2層12との間には、半導体積層体1の正常動作時に、電磁放射を出射又は吸収する活性層11が配置される。活性層11は、例えば、pn接合又は量子井戸構造であり得る。
【0106】
さらに、
図1Aから明らかなように、半導体積層体1の周辺領域において、第1層10が覆われない、凹部が半導体積層体1において形成されるように、第2層12及び活性層11が部分的に除去されている。
【0107】
ここでは、半導体積層体1は、横方向全体にわたってキャリア3の上面30と平行に結合的に連続して延在する。
【0108】
図1Bは、保護層7が本体及び補助キャリア6に設けられる方法ステップをさらに示す図である。ここでは、保護層7は、好ましくは、補助キャリア6で覆われていない、本体の全ての面を完全に覆う。保護層7は、例えば、フォトレジストである。
【0109】
図1Cは、例えば光リソグラフィプロセスを使用し保護層7がパターニングされる方法ステップを表す図である。パターニングの結果、保護層7により本体の特定領域が露出する。キャリア3から離れた、半導体積層体1上の接触面20、21、及び側面32のサブ領域は露出し、保護層7により覆われない。ここで、第1接触面20は、第1層10が露出する上記凹部内に配置される。第2層12は、第2接触面21の領域において露出する。ここで、第1接触面20及び第2接触面21は、上面30の互いに反対側に配置される。さらに、接触面20、21は、本体の端部まで延在する。
【0110】
さらに、
図1Cにおいて、導電層4が保護層7及び本体に設けられている。ここで、導電層4は、保護層7により覆われない本体の全領域を覆う。このように、ここでは、保護層7は、キャリア3の2つの逆向きの側面32及び接触面20、21を特に、部分的に覆う。
【0111】
図1Dは、その上の導電層4と共に保護層7が例えば溶媒により除去された方法ステップを表す図である。結果として、導電層4のサブ領域は本体上に残留し、そしてここでは、接触素子40、41を形成する。ここで、第1接触素子40は、本体の縁部上において第1接触面20からキャリア3の側面32まで延在する導体トラックの形状を有する。第2接触素子41は、第2接触面21上に配置され、本体の縁部上において第2接触面21からキャリア3の他の側面32まで延在する。ここでは、接触素子40、41は、キャリア3の底面31へは到達しない。
【0112】
ここで、接触面20、21及び対応する側面32の領域において、接触素子40、41は本体上に形状に合わせて設置される。さらに、接触素子40、41は結合的に連続して一片として形成される。
【0113】
これにより、接触面20、21と半導体積層体1全体とは、接触素子40、41により電気的に接続され得る。接触素子40、41は、例えば、10μm〜30μmの厚さを有し、アルミニウム、銀又は銅からなる導体トラックである。十分な接触素子40、41の厚さを得る目的で、例えば電気めっきにより接触素子40、41の厚さを増すことができる。例えば、Cu層が電気めっきにより設けられるTi/Pt/Cu、Ti/Pd/Cu又はPd/Cu積層体が可能である。
【0114】
図1Dは、補助キャリア6上に実装されたままの完成した例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップ100を表す図である。
【0115】
図1Eにおいて、補助キャリア6は半導体チップ100より除去されている。好ましくは、半導体チップ100は自立性を有する。
図1Dとは異なり、接触素子40、41はキャリア3の底面31までに導かれる。底面31の領域において、接触素子40、41は半導体チップ100を接続キャリア上に実装することができる接続領域400を有する。接続領域400において、橋部又は脚部として、接触素子40、41はキャリア3から離れるように導かれる。さらに、接触素子40、41は、キャリア3の底面31と同一平面上に、接続領域400において終端される。これにより、キャリア3の底面31と共に、接続領域400は接続キャリアの実装面又は支持面を形成し得る。
【0116】
底面31上及び接続領域400上を除いて本体及び接触素子40、41を完全に覆うポッティング材50がさらに本体及び接触素子40、41に設けられる。ポッティング体50は、例えば、半導体積層体1により出射された放射の一部を別の波長範囲の放射へ変換する蛍光体粒子が設けられたシリコーン又は樹脂であり得る。
【0117】
キャリア3の上面30に対して垂直な方向のポッティング材50の厚さは、例えば100μm〜300μmとなる。
【0118】
図1Fの例示的な実施形態は、接触素子40、41及び本体に関して、
図1Eの半導体チップ100と同じ構造のオプトエレクトロニクス半導体チップ100を表す。
図1Eとは異なり、ポッティング材50は本体及び接触素子40、41に設けられないが、代わりに変換フィルム又はセラミック変換板としての変換素子5が設けられる。変換素子5は、例えば、そのキャリア3の上面30に対して垂直な方向の層厚が最大で50μmであり、半導体積層体1及び側面32を少なくとも部分的に覆う。
図1Eのポッティング材50と比較して、
図1Fの変換素子5はその厚さが小さいため、サファイアキャリア3への熱結合の点でより優れている。好ましくは、
図1Fの半導体チップ100は同様に自立性を有する。
【0119】
図1Gは、従来の半導体チップの断面図である。この場合、本体は、導体トラック40、41により半導体積層体に電気的に接続されていないが、代わりにコンタクト又はボンドワイヤにより接続される。その湾曲した幾何学的形状により、コンタクトワイヤは導体トラック40、41と比較して半導体積層体1により出射された光のシェーディングを実質的により多く生じる。さらに、
図1Gより明らかなように、各コンタクトワイヤは半導体積層体上に突出するように湾曲する。結果として、
図1Fに示す如く薄型である変換素子5を用いることができない。代わりに、1Eに示すように、従来その厚さが100μmより大きい埋め込み用樹脂が必要となり、その結果、薄型変換素子と比較してキャリアへの熱結合が低下する。
【0120】
図1Hは、例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップ100の一部を表す断面図である。側面32上及びキャリア3の上面30上が変換フィルムとしての変換素子5により覆われた、本体が視認できる。変換フィルムは、例えば50μmの厚さを有する。
【0121】
図1Iは、ポッティング組成物又は変換フィルムにより覆われた半導体チップの温度特性を表すグラフである。供給した電流密度の関数としての半導体チップの温度が表されている。黒丸は変換フィルムもポッティングも設けられていない半導体チップの実測値を示す。白丸は、層厚が50μmの変換フィルムが用いられた場合の温度挙動、及び厚さが250μmのポッティング組成物を有する半導体チップが用いられた場合の温度挙動を示す。
【0122】
図1Iのグラフより明らかなように、50μmの薄型の変換フィルムが用いられる場合に比べて、ポッティング組成物が用いられる場合、半導体チップの温度は実質的に高くなる。
【0123】
図2Aは、例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体チップ100を示す斜視図である。半導体チップ100は6つの境界面を有する角柱の幾何形状を有し、動作中、これらの境界面全てを介して電磁放射が取り出される。明らかなように、接触素子40、41によって覆われたキャリア3の側面32は、例えば接触素子40、41により最大で10%程度部分的に覆われている。ここで、接触素子40、41のキャリアの上面30と平行な方向における幅は、例えば、最大で30μmである。ここでは、動作中放射が出射される半導体チップ100の総表面積の割合は少なくとも99%である。
【0124】
キャリア3に設けられた半導体積層体1はさらに、接触素子40、41を介して供給された電流を効果的に半導体積層体1に沿って分配できる電流分布構造101、121を有する。
【0125】
図2Bは、
図2Aのオプトエレクトロニクス半導体チップ100を他の方向から示す図である。
【0126】
図2Cは、
図2A及び2Bの例示的な実施形態との比較による例示的な実施形態を表す図であり、接触素子40、41は、キャリア3の底面31まで導かれ、また、底面31の領域において橋部又は脚部として、キャリア3から離れるように導かれる。ここでは、これらの橋部又は脚部は、例えば、半導体チップ100を接続キャリア上に実装し得る、接続領域400を形成する。
【0127】
さらに、
図2Cにおいて、底面31及び接続領域400以外の本体及び接触素子40、41が完全にポッティング材50により覆われるように、ポッティング材50が本体及び接触素子40、41に設けられる。しかし、ポッティング材50の使用は任意であり、ポッティング材を使用しない場合においても半導体チップ100は使用可能であり、自立性を有する。
【0128】
図2Dは、
図2Cと同一の半導体チップ100を表す図であり、キャリア3の底面31から見た図である。
図2Dより明らかなように、半導体チップ100を接続キャリア上に実装し、電気的に接続することができる、平面が底面31及び接続領域400によって形成されるように、接続領域400の領域において、接触素子40、41が底面31と同一平面上に終端される。
図2Dにおいて、接続領域400及び底面31は露出しており、ポッティング材50により覆われていない。
【0129】
図3Aは、
図2A及び2Bの半導体チップ100を表す図である。また、
図3Aの半導体チップ100において、接続素子45は、各接触素子40、41に設けられ、各接続素子は、半導体チップ100から遠ざかる方向に接触素子40、41より延在する。ここでは、接続素子45は、例えば、金、銀、銅、ニッケル又はアルミニウム等の金属により形成される接続ロッドとして形成される。
【0130】
図3Bは、3つの
図3Aに示したオプトエレクトロニクス半導体チップ100が接続素子45を介して互いに直列に接続された、例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体装置1000を表す斜視図である。接続素子45は、それぞれ半導体チップ100の第1接触素子40を隣の第2半導体チップ100の第2接触素子41に接続する。接続素子45は、接触素子40、41に例えば、接着、又は半田付けされる。
【0131】
図3Bの半導体装置1000は、2つの電気的な接続のみにより通電又は接触することができる複数の半導体チップ100のロッド状の発光素子を形成する。半導体チップ100は接続素子45により互いに直列に接続される。
【0132】
図4Aは、他の例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体装置1000を表す斜視図である。上述の例示的な実施形態と異なり、2つのオプトエレクトロニクス半導体チップ100が接続素子45を介さずに直列に接続される。例えば導電性接着剤又は半田により、隣り合う2つの半導体チップ100の接触素子40、41が互いに直接載置され、導電的に及び機械的に安定して互いに接続される。
【0133】
図4Bの例示的な実施形態の半導体装置1000は、接触素子40、41が直接的に設けられ、4つの半導体チップ100が互いに直列に接続される点において
図4Aと異なる。
図4Bは、上記のように得られる棒状又はフィラメント形状の発光素子を表す図である。明らかなように、半導体チップ100は上面30に対して斜めに延在する側面32を有する。好ましくは、半導体チップ100の接触素子40、41が設けられた2つの逆向きの側面32は同一方向に傾斜する。この結果、
図4Bの半導体チップ100は、側面32が同一面上に設けられるように互いに重ねて載置されることのみができる。これにより、半導体装置1000においてポールの保護ができる。個々の半導体チップは、例えばAuSnパッド等の半田パッドにより電気的に及び機械的に接続される。半田パッドは、例えば半導体チップ100とともに約300°Cでプレス加工することにより溶融することができる。
【0134】
図4Cは、
図4Bのオプトエレクトロニクス半導体装置1000の断面図である。
図4Cは、接触素子40、41によって覆われた、半導体チップ100の側面32側から見た図である。連続接続された半導体チップ100は、連続接続された半導体チップ100の主な延在方向と平行に主に延在するチューブ60内に配置される。チューブ60は、例えば、円形又は楕円の断面を有する中空の円柱体のガラスからなる。半導体チップ100とチューブ60の外周面との間には、半導体チップ100とチューブ60との間の隙間を埋めるポッティング材50が配置され、チューブ内の半導体チップ100に機械的安定性を与え、その位置するを保持する。ポッティング材50は、例えば、シリコーン又は樹脂製等の、透過的な、特に、透明な、物質であり得る。ポッティング材50に半導体チップ100により出射された放射の一部を別の波長範囲の放射へ変換する蛍光体粒子を設けてもよい。代わりに又は加えて、変換物質をチューブ60の外周面に設けてもよい。
【0135】
図4Cより明らかなように、図示されたオプトエレクトロニクス半導体装置はチューブ60の円筒状の外周面全体を介して光を出射することができる。これにより、例えば、LEDからなるチューブ照明を得ることができる。
【0136】
図5は、接続キャリア200上に配置された、
図2A及び2Bで説明したオプトエレクトロニクス半導体チップ100を表す図である。
図2A及び2Bとは異なり、
図5においては接触素子40、41の少なくとも一方が上面30からキャリア3の底面31へ導かれ、接続領域400において、橋部としてキャリア3から離れるように導かれる。接続領域400の領域において、接触素子40は接続キャリア200上に配置され、キャリア200の接続領域と電気的に接続される。例えば、接続キャリア200は、特に、透過的又は透明な物質からなるアクティブマトリクス素子又はプリント回路基板である。
【0137】
図6Aは、
図1Aで説明した本体がまず中間キャリア上に配置される、例示的な実施形態の半導体チップ100を生産するための方法ステップを表す図である。半導体積層体1は中間キャリアと対向する。さらに、中間キャリアから離れた本体の全ての側面、特に、側面32及びキャリア3の底面31、が結合的で連続したミラー層8によって覆われる。
【0138】
そして、ミラー層8が設けられた本体は中間キャリアから取り外され、
図6B〜6Eの方法ステップが行われる。これらの方法ステップは、
図1A〜1Dの方法ステップとほぼ同じである。
図6Eより明らかなように、
図1と異なり、接触素子40、41はここでは2つの逆向きの側面32上には設けられず、接触素子40、41は代わりに接触面20、21から同じ側面32へ導かれる。そして、他の3つの側面32には接触素子40、41は設けられない。ここで、接触素子40、41はミラー層8に設けられるが、ミラー層8から例えばSiN又はSiO
2等のパッシベーション層により電気的に絶縁される。
【0139】
しかし、パッシベーション層の代わりに又はパッシベーション層に加えて、ショートが起こらないようにミラー層8をパターニングすることも考えられる。これは、ミラー層8及び接触素子40、41間で電気コンタクトが起こらないため、又はミラー層8は、各々が接触素子40、41の一方と導電的に接続されるが、互いには電気的に接続されない、n領域及びp領域にパターニングされるため、である。
【0140】
図6Fは、キャリア2が除去された、完成した例示的な実施形態の半導体チップ100を表す図である。
【0141】
図7Aは
図6Fの半導体チップ100を表す斜視図であり、明らかなように、底面31から離れた半導体チップ100の側面以外の、半導体チップ100の全ての側面はミラー層8で完全にコーティングされる。これにより、好ましくは、半導体チップ100は一面のみから放射を出射する。
【0142】
図7B及び7Cは
図7Aと同一の半導体チップ100の、半導体積層体1側からの平面図、及び接触素子40、41によって覆われない側面32側からの側面図である。
【0143】
図7Dの例示的な実施形態は、
図7C同様、半導体チップ100の側面図を表す。しかし、
図7Cとは異なり、半導体チップ100から底面31を介して放射が出射できるように、底面31はミラー層8により覆われていない。側面32の1つにストライプ状にパターニングされたミラー層8を設け、このようなミラー層8のパターニングにより、この側面32を介した出射パターンが調整される。
【0144】
さらに、
図7Dにおいて、底面31から離れた半導体チップ100の側面を介して出射される放射は光ガイドへ射出される。パターニングされたミラー層8により側面32より出射された放射はディスプレイに向けられる。接続キャリア200は半導体チップ100のディスプレイと反対側に位置する。接触素子40、41が設けられた側面32は接続キャリアと対向し、接触素子40、41は接続キャリア200を介して電気的に接続される。
【0145】
図8Aは、発光ダイオード500の例示的な実施形態を表す3つの斜視図である。発光ダイオード500は、例えば上述の例示的な実施形態に係る半導体チップ100のいずれかを有する。特に、半導体チップ100のキャリア3は、2つの逆向きの端面を有する直方体形状を有する。端面はキャリア3の側面32である。キャリア3の残りの2つの側面32は長手側側面である。角柱は端部に2つの端面を有する長尺形状を有する。特に、端面は最小の面積を有する直方体の面である。ここでは、直方体の他の全ての面は少なくとも端面の2倍の面積を有する。
【0146】
接点ブロック401、411は2つの端面に設けられる。接点ブロック401、411は例えば金属からなり、完全に端面を覆う。特に、接点ブロック401、411は、端面よりも大きく、端面より端面と平行な全方向に突出する。接点ブロック401、411はさらに、接触素子40、41と導電的に接続する。
【0147】
半導体チップ100の残りの側面、詳細には長手側側面、キャリア3の底面31、及び半導体積層体1は、被覆体501により完全に囲まれる。これにより、半導体チップ100は、被覆体501及び接点ブロック401、411により全面が完全に囲まれる。このように、被覆体501及び接点ブロック401、411は半導体チップ100を密閉する。被覆体501は、例えば、半導体チップ100により出射された放射の一部又は全てを変換するように設計される。
【0148】
ここでは、半導体チップ100の側面上の被覆体501は、その厚さが、端面から突出する接点ブロック401、411の領域の厚さに対応するように選択される。これにより、半導体チップ100から遠ざかる全ての方向において、被覆体501は接点ブロック401、411と同一平面状に終端される。結果として、被覆体501及び接点ブロック401、411によって形成される発光ダイオード500の外面は、製造公差の範囲内で平滑となる。ここでは、発光ダイオード500の外面は、角柱、特に、直方体の外面に対応する。直方体の端面はその全体が接点ブロック401、411により形成される。
【0149】
しかし、接点ブロック401、411の形状、及び被覆体501の形状は、発光ダイオード500の外面が例えば円柱体又は楕円体の外面に対応するように選ばれ得る。
【0150】
図8Bは、
図8Aとほぼ同一の発光ダイオード500を表す3つの斜視図である。しかし、図面の見易さを考慮し、ここでは被覆体501は省略している。また、一部の図においては、第1接点ブロック401も省略している。
【0151】
より詳細には、明らかなように接触素子40、41はキャリア3の共通の長手側側面に沿って延在する。しかし、接触素子40、41は端面に隣接する端部において接点ブロック401、411と電気的に接続される。
【0152】
さらに、
図8Bから明らかなように、接点ブロック401、411は、例えば少なくとも20μmだけ、端面から全方向に延出する。
【0153】
図9Aも、発光ダイオード500の斜視図である。
図9B〜9Eは、異なる実施形態の発光ダイオード500の断面図である。各場合において、
図9Aの矢印に沿った断面が表される。
【0154】
図9Bにおいて、被覆体501は、完全に、変換物質により、例えば上述の変換素子5又はポッティング材50により、形成される。底面31及び半導体積層体1は被覆体501により完全に覆われる。
図9Bにおいては示されないが、キャリア3の残りの側面32も同様に被覆体501によって完全に覆われる。
図9Bの被覆体501は一片として形成される。
【0155】
図9Cは、底面31上の被覆体501が例えばTiO
2を含む物質等の反射性材料により形成される他の例示的な実施形態を表す。一方、半導体積層体1は同様に光変換被覆体501により覆われる。これにより、ここでは、被覆体501は少なくとも2つの領域を有し、一片としては形成されない。
【0156】
図9Dは、第2接点ブロック411が一片として形成され、側面32から底面31へ導かれる例示的な実施形態を表す図である。第2接点ブロック411は、例えば底面31を少なくとも50%、70%又は90%程度覆う。半導体積層体1は、再び光変換被覆体501により覆われる。
【0157】
図9Eにおいて、接点ブロック401、411は側面32から底面31へ延在し、同様に、底面31を、例えば少なくとも50%、70%又は90%程度覆う。
【0158】
図10Aも発光ダイオード500の斜視図である。
図10B〜10Hは、異なる実施形態の発光ダイオード500の断面図である。各場合において、
図10Aの矢印に沿った断面が表される。
【0159】
図10Bから明らかなように被覆体501は一片として形成される。被覆体501は例えば上述の変換素子5又はポッティング材50等の変換物質により完全に形成される。発光ダイオード500は変換光を紙面上全方向に出射する。
【0160】
図10Cにおいて、被覆体501は2つの領域に分割される。第1領域は光変換用であり、例えば材料変換素子5の材料からなる。第2領域は光反射用である。第2領域は底面31及び側面32を覆い、キャリア3の上面30と同一平面状に終端される。被覆体501の第2光変換領域は半導体積層体1に設けられる。得られた発光ダイオード500は変換光をほとんど上方へ出射する。
【0161】
同様に、
図10Dはほとんど上方へ出射する発光ダイオード500を表す図である。被覆体501の第2不透過領域は上面30及び半導体積層体1より底面31から遠ざかる方向に突出する。結果として、被覆体501の第1光変換領域で満たされる空隙が半導体積層体1上に形成される。
【0162】
図10Eは、被覆体501の第1光変換領域が半導体積層体1及びキャリア3の側面32を覆い、キャリア3の底面31と同一平面上に終端される発光ダイオード500を表す図である。被覆体501の第2光反射領域は、底面31に設けられる。
図10Eの発光ダイオード500は上方及び側方へ出射する。
【0163】
図10Fの発光ダイオード500において、被覆体501の第1光変換領域はキャリア3の側面32のみを覆う。第1領域は底面31及び半導体積層体1と同一平面上に終端される。被覆体501の第2光反射領域は、半導体積層体1及び底面31に設けられる。このような発光ダイオード500はほとんど側方へ出射する。
【0164】
図10Gの発光ダイオード500は
図10Fの発光ダイオード500と同様であり、同様にほとんど側方へ出射する。しかし、被覆体501の第1領域は半導体積層体1及び底面31とは同一平面上に終端されず、代わりに各々より突出する。底面31の下部及び半導体積層体1上部に形成される空隙は、被覆体501の第2光反射領域で満たされる。
【0165】
図10Hの発光ダイオード500は半導体積層体1及びキャリア3の側面32を完全に覆う被覆体501の第1光変換領域を有する。このため、第1領域は底面31より突出したままである。底面31下部に形成された空隙は被覆体501の第2光反射領域で満たされる。
【0166】
図10Iの発光ダイオードにおいて、被覆体501の第1光変換領域は、半導体積層体1及び対向して側面32の一面のみに設けられる。底面31及び他方の側面32は被覆体501の第2光反射領域により覆われる。
【0167】
図11Aは、他の例示的な実施形態の発光ダイオード500を表す側面図である。被覆体501は、楕円の断面形状を有する。したがって、被覆体501の外面は、楕円体である。被覆体501は、例えば、透過性のシリコーンからなり、外側変換物質層を有する。
【0168】
接点ブロック401、411は、被覆体501より突出する。これにより、上述の例示的な実施形態と異なり、接点ブロック401、411は発光ダイオード500の外面において被覆体501と同一平面上に終端されない。
【0169】
図11Bは、第1接点ブロック401側から見た発光ダイオード500の平面図である。
図11A及び上述の例示的な実施形態と異なり、接点ブロック401、411は、接点ブロック401、411が設けられる、キャリア3の側面32より小さい。このため、対応する側面32は、接点ブロック401、411により完全に覆われない。さらに、接点ブロック401、411は、円形の基部領域を有する。
図11Bの発光ダイオード500の外面は、円柱体、楕円体状又は卵型体の外面であり得る。
【0170】
図12は、複数の上記発光ダイオード500が積み重ねられた、例示的な実施形態のオプトエレクトロニクス半導体装置1000を表す図である。ここでは、隣接する発光ダイオード500の接点ブロック401、411は、複数の発光ダイオード500が並列接続されるように、互いに電気的に接続される。動作中、例えば、複数の発光ダイオード500により異なる色の光を出射し得る。
【0171】
図12とは異なり、複数の発光ダイオード500は、直列に接続され得る。
【0172】
図13A〜
図13Eは、1又は2以上の発光ダイオード500の製造方法における様々なポジションを表す図である。
【0173】
図13Aにおいて、2つの接点ブロック、401、411が設けられる。接点ブロック401、411は、それぞれ半導体チップ100を載置する載置領域を含む段部を有する。半導体チップ100は、発光ダイオード500の製造のために、これらの載置領域により機械的に保持される。さらに、接着剤又は半田の液滴が接点ブロック401、411の載置領域に塗布される。半導体チップ100の実装時、これらの接着剤又は半田の液滴は、半導体チップ100と接点ブロック401、411との機械的に耐久性のある接続をもたらす。さらに、接着剤又は半田の液滴は、接触素子40、41及び接点ブロック401、411間の電気的な接続をもたらし得る。
【0174】
図13Bは、半導体チップ100が堅固で耐久的に接点ブロック401、411と接続される当該方法における位置を表す図である。変換素子としての被覆体501は半導体チップ100の半導体積層体1に設けられている。載置領域により、半導体チップ100の底面31は空気に自由に晒され、またここでは、被覆体501により覆われていない。
【0175】
図13Cは、接点ブロック401、411の載置領域が異なる構造を有する、製造方法における位置を表す図である。
図13A及び13Bと異なり、底部において載置領域は同一平面上に終端されず、その代わりに接点ブロック401、411上に張り出す突出形状を有する。一旦半導体チップ100が搭載されると、接点ブロック401、411は半導体チップ100の側面32を完全に覆わない。
【0176】
図13Dは接点ブロック401、411の他の改良点を開示する。この場合においても、載置領域は接点ブロック401、411上の突出形状を有する。しかし、接点ブロック401、411は、一旦半導体チップ100が搭載されると、半導体チップ100の側面32が接点ブロック401、411により完全に覆われるように、
図13Cよりも大きい。
【0177】
図13Eは、
図13Dに続く、製造方法における位置を表す図である。接点ブロック401、411により覆われない半導体チップ100の全ての側面は被覆体501完全にポッティングされる、又は囲まれる。ここで、被覆体501は、一片として形成され、発光ダイオード500の正常動作においては、例えば光変換を行う。
【0178】
図13Fは、ウェハ組立体の複数の半導体チップ100が接点ブロック401、411上に実装される様子を表す図である。
【0179】
図14A〜
図14Cは、他の例示的な実施形態の発光ダイオード500の製造方法における位置を表す図である。上記方法と異なり、ここでは補助キャリア600が用いられる。接点ブロック401、411は補助キャリア600上に載置される。プラットフォーム601は接点ブロック401、411間の補助キャリア600上に配置される。半導体チップ100は底面31がプラットフォーム601上に位置するように載置される。結果として、半導体チップ100の底面31は、接点ブロック401、411の支持面よりも高い位置において、補助キャリア600上に配置される。これにより、接点ブロック401、411は接点ブロック401、411により覆われた側面32より確実に突出する。
図13A〜13Fの例示的な実施形態図の各場合において、上記効果が、接点ブロック401、411の載置領域により達成された。
【0180】
さらに、
図14Bでは、被覆体501がすでに半導体積層体1に設けられている。これは、例えばポッティングにより実現される。
【0181】
図14Cは、どのようにウェハ組立体の複数の発光ダイオード500を生産することができるかを表す。
【0182】
図15A〜
図15Dは、他の例示的な実施形態の発光ダイオード500の製造方法における位置を表す図である。
【0183】
図15Aは、各々に半導体積層体1が設けられ、補助キャリア6上に載置された複数のキャリア3を表す図である。そして、例えば
図1A〜1Dにおいて説明したように、接触素子40、41が形成される。結果として、最初に半導体チップ100が得られる。
【0184】
図15Bより明らかなように、隣り合う2つの半導体チップ100の接触素子40、41は結合構造を有する。これにより、半導体チップ100間の領域において、補助キャリア6は導電接触素子40、41によって同様に覆われる。接触素子40、41によって覆われた補助キャリア6のこれらの領域は、接点ブロック401、411を形成するための核となる領域、又は核となる区域となる。
【0185】
図15Cに示すように、接点ブロック401、411は電気めっき法により核領域内で成長される。接点ブロック401、411は、補助キャリア6から遠ざかる方向に半導体チップ100上に突出する。
【0186】
さらに、
図15Dに表すように、半導体チップ100は、例えばポッティングで被覆体501により囲まれる。
【0187】
ここまで、本発明について例示的な実施形態を参照しながら説明してきたが、本発明はこれらの説明によって制限されない。
【0188】
本発明は、任意の特徴および特徴の任意の組合せを含み、特に、請求項における特徴の任意の組合せを含む。これらの特徴または特徴の組合せは、それ自体が請求項あるいは例示的な実施形態に明示的に記載されていない場合であっても、本発明に含まれる。
【0189】
本特許出願は、独国特許出願第102015104886.8号の優先権を主張し、この文書の開示内容は参照によって本明細書に組み込まれている。