(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0005】
しかし、睡眠開始やレム睡眠をモニターすることは難しい。人の筋電図、脳波、眼球運動を普通の家庭のベッドサイドで測るのは現実的ではない。人の動きをモニターする方法では、レム時間自体の判定も不正確であり、この理論をもちいて目覚ましをかけるのは困難である。
よって、本願の課題は、人の睡眠開始をモニターすることなしに、レム睡眠時間帯に人を起こす方法およびそれを用いた機器を提供することである。
上記課題を解決するために、以下を用いる。
[発明1]
目的の起床時刻に対して、一定の時間幅を有する2つの時刻を設定する設定工程と、前記2つの時刻で起床信号を発信する発信工程と、を有する目覚まし方法。
[発明2]
前記発信工程では、前記2つの時刻において、それぞれ前記起床信号を発信し、前記2つの時刻間では前記起床信号を発信しない上記目覚まし方法。
[発明3]
前記2つの時刻は、第1時刻と、前記第1時刻より遅い第2時刻と、であり、前記第1時刻で第1起床信号を発信し、前記第2時刻で第2起床信号を発信し、前記第1時刻は、レム時間帯であり、前記第2時刻は、前記目的の起床時刻である上記目覚まし方法。
[発明4]
前記第1起床信号は、前記第2起床信号より、信号強度が弱い、または、信号の幅が狭い上記目覚まし方法。
[発明5]
前記第1起床信号を1回のみ発信し、前記第2起床信号は複数回発信する上記目覚まし方法。
[発明6]
前記第1起床信号は、レム時間帯で人を起こせるが、ノンレム時間帯で前記人を起こせない信号である上記目覚まし方法。
[発明7]
前記第2起床信号は、前記レム時間帯と前記ノンレム時間帯とで前記人を起こすことができる信号である上記目覚まし方法。
[発明8]
前記時間幅は、15分以上25分以下である上記目覚まし方法。
[発明9]
前記第1起床信号では起きずに前記第2起床信号で起きた場合、前記時間幅を長くする、または、前記幅を変えず前記2つの時刻をシフトする上記目覚まし方法。
[発明10]
前記設定工程では、前記2つの時刻のみ設定する上記目覚まし方法。
[発明11]
目的の起床時間を入力する入力部と、前記入力部での入力情報を基に、2つの時刻を設定する制御部と、前記2つの時刻で信号を発信する、または、前記2つの時刻で稼働するという情報を発信する発信部と、を有する目覚まし装置。
[発明12]
前記制御部で、前記入力情報を元に、レム時間帯に、前記2つの時刻の少なくとも1方を設定する上記覚まし装置。
[発明13]
前記2つの時刻は、前記入力情報の時刻を、第2時刻とし、前記入力情報の時刻より一定時間早い時刻を第1時刻とし、レム時間帯に、前記第1時刻を設定する上記目覚まし装置。
[発明14]
前記レム時間帯に関するデータベース部をさらに有し、前記制御部は、前記データベースを使用して、前記2つの時刻を設定する上記目覚まし装置。
[発明15]
前記データベースは、年齢別のデータ、または、季節別のデータ、または、気温別のデータベースを有する上記目覚まし装置。
[発明16]
前記入力部は、前記2つの時刻に対する評価を受け、前記データベースのデータを改善する上記目覚まし装置。
[発明17]
前記制御部は、前記2つの時刻に関する複数の候補を、出力部へ出力し、前記複数の候補を選択し、前記入力部へ入力する上記目覚まし装置。
[発明18]
前記制御部は、前記2つの時刻を、外部サーバを介して、または、直接に、第3の機器へ送り、前記第3の機器を稼働させる上記覚まし装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明の目覚まし方法およびそれを用いた機器によれば、人が、レム睡眠時間帯に起きることができ、目覚めがよい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で実施の形態を説明するが、発明の1つの例示であり、これに発明は限定されない。
(実施の形態1)基本
図1は、ある人において、縦軸が睡眠の深さ、横軸が時刻を示すグラフである。
【0009】
縦軸を説明する。上方は、睡眠が浅いレム睡眠、下方は睡眠が深いノンレム睡眠である。
ここで、レム睡眠(レムすいみん: Rapid eye movement sleep, REM sleep)とは、急速眼球運動(Rapid Eye Movement, REM)を伴う睡眠である。REM睡眠とも表記される。レム睡眠は浅い睡眠で(弱い刺激で覚醒が可能)、この時間帯で起床すると、快適に起床できる。
【0010】
急速眼球運動を伴わない睡眠は、ノンレム睡眠(ノンレム):Non−rapid eye movement sleep, Non−REM sleep)である。レム睡眠の存在は、シカゴ大学のユージン・アセリンスキーとナサニエル・クレイトマンの研究によって、1953年に明らかになっている。ノンレム睡眠は深い睡眠で、この時間帯では起床しにくい、無理に起床させると、睡眠慣性が生じ、不快適となる。目覚めが悪い。
【0011】
横軸を説明する。この例では、夜12時(24時)に就寝する場合を示す。約90分ごとに、周期がある。点線でその周期を表示している。
図1では、12時(24時)の就寝後、通常の90分周期で、レムとノンレムを繰り返している。7時に起床するため、第1ウインドウ61を設けている。
【0012】
(1)レムとノンレムの時間帯の変化
図1では、睡眠の段階1を基準に、それより上の状態をレム、下の状態をノンレムで示している。就寝後、第1ノンレムN1〜第5ノンレムN5と、第1レムR1〜第4レムR4とが、それぞれ交互に現れる。時刻が進むにつれて、ノンレムの時間帯は、減少し、レムの時間帯は増加する。周期S、レムの初期長さR、レムの増加RZとできる。周期Sは、約90分である。レムの時間帯は、初期長さRから、増加RZ分ずつ増加する。ただし、人、季節などで変化する
(2)周期Sについて
周期Sは、人により異なる。周期Sは、個々人に依存する。また、個々人でも、その人の年齢、人種、体質などで変化すると言われている。同じ人でも気温、季節で変化すると言われている。平均的な周期Sは、90分である。
【0013】
(3)第1ウインドウ61について
第1ウインドウ61は、2つの時刻間を設定している。その間隔Tは可変であるが、ここでは、間隔Tが20分での例を示している。起床したい時刻7時に対して、起床したい時刻より前の早い時刻の6時40分と、起床したい時刻の7時とに設定している。この方法では、目的の起床時刻より以前に、気持ちよく起床させる方法である。2つ時刻のみを設定する。セット後には、繰り返しや変更をしない時刻である。スヌーズ機構ではない。
【0014】
早い時刻は第1時刻51で、この場合、6時40分、遅い時刻は第2時刻52で、この場合、目的の起床時刻の7時である。ここではこの2つの時刻で、人を起床させるための起床信号を発信する。起床信号は、時刻が早い方の第1起床信号51cと、時刻が遅い方の第2起床信号52cとである。第1起床信号51cは、たとえば、起床信号を第2起床信号52cより、弱く設定する。第2起床信号52cでは、起床信号を第1起床信号51cより強く設定する。詳細は実施の形態2で説明する。
【0015】
なお、起床信号は、音、振動、光、電気など、人を刺激する信号である。通常の目覚まし時計では、音である。携帯電話では、振動の場合もある。他の信号でもよい。
理想は、第1時刻51をレム睡眠時間帯に設定し、第1起床信号51cで人を、起床させることである。弱い第1起床信号51cで、心地よく起床させるのが理想である。しかし、
図1のように、第1起床信号51cがノンレム時間帯に設定された場合には、弱い第1起床信号51cで起きない。第2起床信号52cの強い信号で、レム睡眠時間帯に無理やり起こす。最悪、第2時刻52がノンレム時間帯であっても、無理に起こす。この場合、不快であるが予定時間には起こせる。
【0016】
なお、2つの時刻以外では、信号を発信しない。また、事前に2つの時刻を決定し、信号を発信する時刻を繰り返すことはしない。
第1起床信号51cがレム時間帯に設定されるように、第2ウインドウ62を設ける。以下で説明する。
【0017】
(4)第2ウインドウ62
第1ウインドウ61を、早い時刻へシフトし、第1時刻51が近傍のレム時間帯に設定されるようにする。シフトでなく、間隔Tを変えて、第1時刻51のみを早い時刻へ移動させ、第2時刻52は、そのまま、起床したい時刻とするのもよい。
【0018】
図1で第2ウインドウ62の第1時刻51は、第4レム24に存在する。第2時刻52も、第5レム25に存在する。この時、第1起床信号51cが発信され、人は、小さな第1起床信号51cで起床できる。快適な起床ができ、朝の時間帯で、気持ちよく過ごすことができる。もし、仮に、第1起床信号51cで起きなくとも、レム時間帯の第2起床信号52cで起きる。結果、どちらで起きても快適に起きることができる。
【0019】
朝型になると、ノンレム時間帯が20分より短くなる。結果、ウインドウの間隔Tを20分以上にすると設けると、少なくとも両端である第1時刻51,または、第2時刻52のいずれかが、レム睡眠時間帯となり、人を確実的にレム時間帯で起床させることができる。
【0020】
なお、人により、レム、ノンレム時間帯が異なるので、間隔Tは、15分から25分に設定するのが好ましい。
間隔Tは、人は自分に合う時間幅に調整、変更できるようにするのが好ましい。
【0021】
起床時刻、起床信号は、2つのみを設定するのが好ましい。たとえば、一定時間で継続する信号は、快適に起床するためには不要である。
(実施の形態2)第1起床信号51cと第2起床信号52cの設定
図2で実施の形態2を説明する。説明しない事項は実施の形態1と同様である。実施の形態2は、実施の形態1での第1ウインドウ61、第2ウインドウ62に関するものである。
図2は、ウインドウにおいて、第1起床信号51cと第2起床信号52cと、時刻との関係を示すグラフである。
【0022】
この実施の形態2では、第1起床信号51c、第2起床信号52cを音で説明するが、光、振動など他の信号でもよい。人に刺激を与えるものならよい。また、2つの信号で、光、振動、音を組み合わせてもよい。
第1起床信号51cは、幅51a、強度51b、第2起床信号52cは、幅52a、強度52bを有する。
【0023】
第1起床信号51cは、第2起床信号52より、音量が小さく、幅(時間)が短い。第1起床信号51cは、レム時間帯に、人をやさしく起床されるための信号である。第2起床信号52cは、第1起床信号51cで起床しなかった場合の保険のための信号である。そのため、より強い起床信号としている。幅または音量のいずれか1方を変化させてもよい。
【0024】
ただし、人の好みから、第1起床信号51cも、第2起床信号52と同様、またはそれ以上のレベルの信号に設定してもよい。設定部を設けてもよい。
つまり、第1起床信号51cは、レム時間帯で人を起こせる信号であり、ノンレム時間帯で人を起こさない信号である。第2起床信号52cは、レム時間帯とノンレム時間帯で人を起こすことができる信号である。起床信号のレベルは人で異なり、強度調整ができるのがよい。
【0025】
よって、起床信号が、音の場合、第1起床信号51cは、60bBより小さい。好ましくは50bB以下である。第2起床信号52cは、50bBより大きい、好ましくは60bB以上である。
起床信号が、光の場合、第1起床信号51cは、光源の明るさとして、20000ルクスより小さい。好ましくは30000ルクス以下である。第2起床信号52cは、20000ルクスより大きい、好ましくは30000ルクス以上である。光源が、目から30cm離れたところにあるとした場合の明るさである。目のところの明るさでは、上記値の10分の1となる。
【0026】
表1で、第1起床信号51cと第2起床信号52cと、レム時間帯とノンレム時間帯とが、取り得るすべての場合を説明する。明け方には、レム睡眠出現時間が長くなるので、ここではレム時間帯とノンレム時間帯の出現頻度が1/2であると仮定し説明をおこなう。
パターン1、2の場合、第1起床信号51がレムの時間帯に設定できているので、その時刻で快適に起床できる。
【0027】
パターン3の場合、第1起床信号51cがノンレム時間帯、第2起床信号52cがレム時間帯の場合、第1起床信号51cで起こされず、大きな出力の第2起床信号52cで起こされる。快適ではないが、レム時間帯で起床できるのでよい。
パターン4の場合、第1起床信号51cがノンレム時間帯、第2起床信号52cがノンレム時間帯の場合、第1起床信号51cで起こされず、第2起床信号52cで無理やり起こされる。不快適で起床される。しかし、目的の時刻で起きることはできる。結果、4分の3の確実で、人は起床できる。
【0028】
【表1】
パターン4では、ウインドウの間隔Tがあっていないので、間隔Tを変える設定ができるとよい。つまり、不快に起床した場合、つまり、パターン4の場合、ウインドウの間隔Tを大きくする変更をする。その人、その時刻にあったウインドウの間隔Tとするのが好ましい。こうすれば、4分の4の確率で、人は起床できる。
【0029】
なお、パターン3の快適ではない場合も、ウインドウの間隔Tを大きくした方が好ましい。第1起床信号51cをレム時間帯とできれば、快適な起床ができる。
さらに、ウインドウの間隔Tの間は、別の起床信号を発信しない。ただし、第2起床信号52cを複数回としてもよい。第1起床信号51cは、静かに快適に起こすため、1回のみが好ましい。
【0030】
また、間隔Tを変えずに、シフトして時刻を移動させ、第1時刻がレム時間帯に入るようにしてもよい。
(実施の形態3)ウインドウの間隔T
実施の形態2では、ウインドウの間隔Tを変更することを説明した。しかし、レム時間帯とノンレム時間帯の周期Sは、同一人でも、季節、気温、時刻などで変化する。そこで、実施の形態3では、季節ごとに、ウインドウの間隔Tを変更する。説明しない事項は実施の形態1、2と同様である。
【0031】
通常7時に起きる人でも、事情により4時などに起きる日がある。その場合に、ウインドウの間隔Tは、どうすべきかを説明する。この場合、
図1でわかるように、ノンレム時間の幅は、時刻で変化する。睡眠時間が短い場合は、ノンレム時間帯は長い。そのため、通常よりウインドウの間隔Tを広げ、両端(第1起床信号51c、第2起床信号52c)の少なくとも1方がノンレム時間帯からでて、レム時間帯にはいるようにする。
【0032】
一例を以下の表2に示す。ノンレム時間帯以上にウインドウの間隔Tを設定すればよい。表2は、睡眠からの時間とノンレム時間帯との関係を示す。
【0033】
【表2】
また、気温、季節により、ノンレム時間帯、レム時間帯が変化する。例えば、12時睡眠で、7時に起床で、春、秋に、ウインドウの間隔Tを20分の人の場合、表3に示すように、夏には、10分に狭め、冬には30分と広げるとよい。
夏は、気温が高く、周期Sが短く早い。一方、冬は気温低く、周期Sが長い。それぞれに合わせて、ウインドウの間隔Tを変更するのが好ましい。
【0034】
【表3】
つまり、睡眠からの時間、季節、または、気温に合わせて間隔Tを変えるのが好ましい。
(実施の形態4):目覚まし装置
図3A〜
図3Cで、実施の形態4の目覚まし装置11を説明する。
図3Aと
図3Bとは、目覚まし装置11と被起床者10との関係を示す図である。
【0035】
図3Cは、目覚まし装置11での情報の例を示すものである。
<目覚まし時計11概略>
目覚まし装置11は、被起床者10から情報12の入力を入力部11aで受ける。目覚まし装置11は、出力15を返す。例えば、情報12は、起床時刻で、出力15は、スピーカ、ベルなどである。
【0036】
目覚まし装置11は、目覚まし時計、携帯電話、スマートホン、携帯機器、パーソナルコンピュータなどである。入力部11aは、キーボード、液晶画面などである。制御部11bは、半導体素子、半導体プロセッサーなどである。出力15は、ブザー、照明装置などである。また、直接、出力15が、音、光などでなく、情報13を、第3機器へ、出力15として送り、その第3機器が、音、光などを発信してもよい。
【0037】
また、記録部11eを有するのが、好ましい、過去のデータ、データベースなどを保存できる。半導体素子、メモリなどである。
被起床者10は、目覚まし装置11により起床させられる人である。
【0038】
情報12は、希望の起床時刻である。この例では、6時に起きることを示す。ただし、就寝時刻が必要であり、この場合、入力時の時刻を就寝時刻であると設定してある。別途、寝る時刻を設定してもよい。結果、起床予定時刻から睡眠時間を特定でき、実施の形態1から3で説明した設定(
図1,2)をできる。
【0039】
出力15は、起床時刻に応じて定められる2つの信号(第1起床信号51c、第2起床信号52c)である。
<目覚まし時計11のプロセス>
目覚まし装置11は、情報12を受ける入力部11aと、情報12から情報13を計算する制御部11bと、出力15を発信する発信部11cとを有する。
【0040】
ここで、情報13は、出力15への命令で、この場合、2つの時刻にベルを鳴らすこと(起床信号)である。
図3A、
図3Bで説明する。まず、被起床者10は、目覚まし装置11へ、起床したい時刻(情報12)を入力部11aで入力する。目覚まし装置11は、制御部11bで情報12から、
図1を作成する。または、すでに作成された
図1を使用する。事前に、目覚まし時計11は、被起床者10の周期S、レム初期値R、レム増加RZを記録部などに記録している。または、標準のそれらの値を有している。これらの値を使用して
図1を作成する。また、就寝時刻は、情報12の入力時か、過去に設定した就寝時刻とするか、別途、就寝時刻を入力するか、いずれかとできる。
【0041】
規則正しく生活する場合には、通常のパターンの
図1を記録しておき、それにしたがい目覚まし装置11を動作させてもよい。
また、通常のパターン以外に、別のパターンを有してもよい。例えば、早起きパターン、遅起きパターン、夏パターン、冬パターン、夜勤パターンなどである。選択して利用できる。
【0042】
次に、制御部11bは、第1ウインドウ61を設定する。情報12の時刻は、第2時刻52とし、第1時刻51の時刻が、レム時間帯であれば、設定する。一方、第1起床信号51の時刻が、ノンレム時間帯であれば、第1起床信号51の時刻が、レム時間帯に入るように、第2ウインドウ62を設定する。この場合、第2ウインドウ62を早い時刻へ移動させる。この場合、第2時刻52も早い時刻へ移動する。制御部11bは、第2ウインドウ62の時刻(第1時刻51、第2時刻52)になると、発信部11cへ出力15を送る。
【0043】
結果、被起床者10は、出力15(第1起床信号51c)で、起きることができる。第1起床信号51cで起きない場合は、第2起床信号52cで起きる。
なお、発信部11cは、第1起床信号51c、第2起床信号52cを第3の機器へ送り、第3の機器が、出力(光、音など)をしてもよい。この場合、少なくとも、第1起床信号51、第2起床信号52のいずれか1つが、レム時間帯に設定できると、快適に起床できる。
【0044】
<効果>
被起床者10は、第1起床信号51cで、気持ちよく起床できる可能性が高い。ただし、最悪、第2起床信号52cで起床できる。
(実施の形態5)年齢、性別、季節などの変化、ネット
実施の形態5では、周期S、レムの初期長さR、レムの増加RZに関して、年齢、性別、季節などの影響を考慮する。
図4A〜
図4Cに実施の形態5の構成を示す。実施の形態4との違いは、データベース20aを有することである。説明しない事項は、実施の形態1〜4と同様である。
【0045】
<標準データベース>
図4Aと
図4Bは、目覚まし装置11と被起床者10との関係を示す図である。
図4Cは、
図4A、
図4B時の情報の例を示すものである。
【0046】
目覚まし装置11は、被起床者10から情報12(起きたい時刻、起床時刻)の入力を受ける。制御部11bで、情報12とデータベース20aから
図1を作成する。結果、情報13(信号を出す時刻)を設定する。情報13を発信部11cへ伝達する。起床時刻で、出力15がされる。
【0047】
データベース20aの例を
図5Aに示す。
図5Aは標準データベースである。標準的な周期S、レム初期値R、レム増加RZである。これら、周期S、レム初期値R、レム増加RZと、情報12の起床時刻とから、
図1のグラフを作成し、情報13、出力15を作成、発信する。
【0048】
なお、情報12は、起床時刻と、入力時を就寝開始時刻として、2つの時刻を含むのが好ましい。または、就寝開始時刻を別途入力してもよい。
<年齢別>
図5Bは年齢別のデータベース20aの例である。年齢別に周期S、レム初期値R、レム増加RZのデータを有する。この場合、情報12は、さらに、被起床者10の年齢を含む。または、あらかじめ、年齢を目覚まし装置11に登録しておく。
【0049】
また、データベース20aは、
図5Cのように、年齢、性別ごとにデータを有してもよい。さらに季節ごと、春、秋、夏、冬ごとにデータを有してもよい。
<ネット>
なお、データベース20aは、目覚まし装置11が所有してもよいし、ネット上に存在させてもよい。目覚まし装置11は、ネット上でデータベース20aにアクセスできる。
【0050】
また、別の被起床者10からの複数データを得て、データベース20aをネット上で、各分類ごとで平均化、最適化するとよい。
(実施の形態6)満足度、自己のデータベースで、満足度から、最適値を求める
実施の形態1〜5では、情報13として、2つの異なる信号を被起床者10へ送った。しかし、被起床者10として、快適に起床できない場合がある。そこで、ここでは、被起床者10の評価を情報14として、目覚まし装置11へ提供することをする。説明しない事項は、実施の形態1〜5と同様である。
【0051】
図6Aと
図6Bは、目覚まし装置11と被起床者10との関係を示す図である。
図6Cは、
図6A、
図6B時の情報の例を示すものである。
被起床者10は、情報12(起きたい時刻)を目覚まし装置11へ入力する。目覚まし装置11は、データベース20bにより、情報13を作成し、被起床者10へ出力15する。ここまでは、上記実施の形態と同様である。
【0052】
ここで、被起床者10は、この出力15で起床した時の評価を情報14としてデータベース20bへ送る。情報14は、例えば、気持ちよく起れた(○)。起きにくかった(×)などである。制御部11bは、○の情報14から、気持ちよく起きれた複数の時刻である第1時刻51を求める。複数の時刻の平均から、周期S,初期値R、増加量RZを求める。それらの値から、以降、情報12から情報13(出力15)を作成する。自分にあった周期S,初期値R、増加量RZから、気持ちよく起れるようになる。
【0053】
なお、季節ごとに、自分の平均周期S,平均初期値R、平均増加量RZを作成してもよい。
(実施の形態7)目覚まし装置11がいくつかの起床時刻の提案をする。それを選択する
実施の形態7では、実施の形態1〜6と異なり、目覚まし装置11がいくつかの時刻を提案するものである。説明しない事項は、実施の形態1〜6と同様である。
【0054】
図7Aと
図7Bは、目覚まし装置11と被起床者10との関係を示す図である。
図7Cは、
図7A、
図7B時の情報の例を示すものである。
被起床者10は、情報12を目覚まし装置11へ入力する。目覚まし装置11は、情報12を元に、上記の実施の形態と同様に、制御部11bで情報23を計算する。ただし、この実施の形態では、この出力の時刻と、その前または後の時刻とを、案1,2の情報23として、目覚まし装置11へ返す。被起床者10は、この案1,2から、起きたい時刻の案を選択する。この選択を情報22として目覚まし装置11へ送る。目覚まし装置11は、情報22の時刻の出力15をする。
【0055】
ここで、前後の時刻とは、実施の形態4で説明した第1ウインドウ61、第2ウインドウ62である。または、第1時刻51が、近傍のレム時間帯の端部となる2つの時刻である。
この実施の形態により、より起きやすい、より都合のよい時刻での起床ができる。
【0056】
(実施の形態8)第3機器へつなげる
実施の形態8では、目覚まし装置11だけでなく、他の装置も含む。説明しない事項は、実施の形態1〜7と同様である。
図8は、実施の形態8の情報のやり取りを示す図である。
【0057】
目覚まし装置11は、情報12を受け、出力15だけでなく、情報16を外部サーバ25へ送る。情報16は、第3機器91へ送られる。
情報16は、たとえば、出力15と同様、2つの時刻に出力する情報である。出力自体は以下で説明する。
【0058】
第3機器91は、照明機器、カーテン、専用機器などである。出力15により、照明機器の場合、1つ目の出力(第1起床信号51c)で半分点灯する。2つ目の出力(第2起床信号52c)で、全部点灯する。カーテンの場合、1つ目の出力で半分開く。2つ目で、全部開くようにする。
【0059】
なお、外部サーバ25を介せず、直接、第3機器91へデータ送るしくみとしてもよい。
<応用例1>
第3機器91として、アイパッチを用いてもよい。アイパッチは、仮眠、睡眠時に、目を覆う眼帯のようなものである。このアイパッチにLEDなどの光源を配置し、上記起床信号により、光源を光らせ、被起床者の目に光りを照射してもよい。
【0060】
<応用例2>
目覚まし装置11として、スマートホンを使用して、ケーブル、または、Bluetoothなどの通信で、起床信号を第3機器91へ送ってもよい。
<応用例3>
目覚まし装置11に光ファイバーを取り付け、その光ファイバーの端部を被起床者の目に光が入るようにしてもよい。起床信号で光を目に照射する。
【0061】
<応用例3>
目覚まし装置11にイヤホンを取り付け、そのイヤホンを被起床者の耳につけ、音が入るようにしてもよい。起床信号で音が耳に入るようにしてもよい。
(全体として)
上記方法、機器により、従来と比較して、人はレム状態でおきることができる確率が非常に高くなり、快適に起きことができる。
【0062】
ここで、短時間で目覚まし音を発信するスヌーズ機能がある。しかし、スヌーズ機能の場合、ノンレム時間帯なら、無理やり起こすこととなる。レム時間帯であっても、大きな音で、無理やり起こす。また、音の間隔もせまい。このため、本願発明のように、小さな起床信号で、快適に起こすことはできない。
【0063】
各実施の形態はそれぞれ組み合わせることができる。