(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ドライバモジュールは、前記第1のセンサ電極が容量検知のために駆動されるとき、絶対的容量検知のための前記第1のセンサ電極を駆動するように構成される、請求項1又は2に記載の処理システム。
前記ドライバモジュールは、前記ソースラインが前記復元信号を用いて動作されるとき、前記第1の表示更新信号に基づき、前記復元信号で前記ソースラインを駆動するように構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の処理システム。
複数のソースライン、複数の受信機電極、及び複数のセンサ電極を有する検知デバイスを組み込まれた表示デバイスを用いた入力検知の方法であって、各センサ電極が、1つ又は複数の共通電極を含み、前記方法が、
第1の表示更新期間中の表示更新のために第1の表示ラインを選択するステップと、
前記第1の表示ラインを更新するために、前記第1の表示更新期間中に第1の表示更新信号を用いて前記ソースラインを駆動するステップと、
非表示更新期間中の容量検知のために前記複数のセンサ電極のうちの第1のセンサ電極を駆動するステップと、
再始動期間中に復元信号を用いて前記ソースラインを動作するステップと、を含み、
前記再始動期間は前記非表示更新期間の後であり、第2の表示更新期間の前である又は前記再始動期間は前記非表示更新期間と少なくとも部分的に重なり合い、
前記非表示更新期間は、少なくとも前記第1の表示更新期間の長さである、方法。
前記復元信号を用いて前記ソースラインを動作するステップは、前記第1の表示更新信号に基づく前記復元信号で、前記ソースラインを駆動するステップを含む、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の方法。
前記復元信号を用いて前記ソースラインを動作するステップは、基準電圧を含む前記復元信号で、前記ソースラインを駆動するステップを含む、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の方法。
前記処理システムは、さらに、前記ソースラインが前記復元信号を用いて動作されるとき、前記第1の表示更新信号に基づく前記復元信号で、前記ソースラインを駆動するように構成される、請求項15又は16に記載の入力デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0015]理解を促進するために、複数の図面に共通である同一の要素を示すために、可能である場合には同一の参照符号が使用されている。一実施形態に開示されている要素は、特に記述することなく他の実施形態に有益に利用されてもよいことが企図されている。
【0010】
[0016]以下の詳細な説明は本質的に例示に過ぎず、本発明又は本発明の用途及び使用を限定するようには意図されていない。さらに、先行する技術分野、背景、簡潔な概要又は以下の詳細な説明において提示されているいかなる明示された又は暗示された理論に束縛されていることも意図されていない。
【0011】
[0017]本発明の様々な実施形態は、概して、非表示更新期間の後に(たとえば、入力検知期間の後に)表示デバイスを所望の状態に復元するために表示要素(たとえば、ソースライン、共通電極など)を駆動するためのシステム及び方法を提供する。デバイスを所望の状態に復元することは、非表示更新期間の前に表示要素に対して駆動されていた1つ又は複数の表示ライン値を用いて表示要素を駆動することを含み得る。他の実施形態において、表示要素は、基準電圧(たとえば、グランド電圧、階調電圧など)を用いて駆動されてもよく、又は、表示要素は、表示要素が放電される速度を低減するために高インピーダンス(「Hi−Z」)回路に結合されてもよい。有利には、非表示更新期間後に表示デバイスを所望の状態に復元することによって、表示アーチファクトが生成される可能性を低減することができる。
【0012】
[0018]ここで、図面を参照すると、
図1は、本発明の実施形態による、例示的な入力デバイス100のブロック図である。入力デバイス100は、容量型検知デバイスのような、組み込み検知デバイスを有する表示デバイス160を備える。入力デバイス100は、電子システム(図示せず)に入力を供給するように構成され得る。本明細書において使用される場合、「電子システム」(又は「電子デバイス」)という用語は、広範に、情報を電子的に処理することが可能な任意のシステムを指す。電子システムのいくつかの非限定例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレット、ウェブブラウザ、電子書籍リーダ、及び携帯情報端末(PDA)のような、すべてのサイズ及び形状のパーソナルコンピュータを含む。電子システムの追加の例は、入力デバイス100及び別個のジョイスティック又はキースイッチを含む物理キーボードのような、複合入力デバイスを含む。さらなる例示的な電子システムは、データ入力デバイス(遠隔コントローラ及びマウスを含む)並びにデータ出力デバイス(表示画面及びプリンタを含む)のような周辺機器を含む。他の例は、遠隔端末、キオスク、及びビデオゲーム機(たとえば、ビデオゲームコンソール、携帯ゲームデバイスなど)を含む。他の例は、通信デバイス(スマートフォンのような携帯電話を含む)、及びメディアデバイス(テレビ、セットトップボックス、音楽プレーヤ、デジタルフォトフレーム、及びデジタルカメラのようなレコーダ、エディタ、及びプレーヤを含む)を含む。加えて、電子システムは、入力デバイスに対するホスト又はスレーブであり得る。
【0013】
[0019]入力デバイス100は、電子システムの物理的部分として実装することができ、又は、電子システムから物理的に分離することができる。必要に応じて、入力デバイス100は、バス、ネットワーク、及び他の有線又は無線相互接続(直列及び/又は並列接続を含む)のいずれか1つ又は複数を使用して電子システムの部分と通信してもよい。例は、I
2C、SPI、PS/2、ユニバーサルシリアルバス(USB)、Bluetooth(登録商標)、RF、及びIRDAを含む。
【0014】
[0020]
図1に示す実施形態において、入力デバイス100は、検知領域120内の1つ又は複数の入力物体140によってもたらされる入力を検知するように構成されている近接センサデバイス(「タッチパッド」又は「タッチセンサデバイス」と称されることも多い)として示されている。入力物体140の例は、
図1に示すような指及びスタイラスを含む。
【0015】
[0021]検知領域120が、表示デバイス160の表示画面の上に重なっており、入力デバイス100がユーザ入力(たとえば、1つ又は複数の入力物体140によってもたらされるユーザ入力)を検出することが可能である、入力デバイス100の上、周囲、中及び/又は付近の任意の空間を含む。特定の検知領域のサイズ、形状、及びロケーションは、広く実施形態ごとに変化してもよい。いくつかの実施形態において、検知領域120は、入力デバイス100の表面から、1つ又は複数の方向において、信号対雑音比によって十分に正確な対象物検出が妨げられるまでの空間へと延在する。この検知領域が特定の方向に延在する距離は、様々な実施形態において、1ミリメートル、数ミリメートル、数センチメートル未満程度又はそれ以上であってもよく、使用される検知技術のタイプ及び所望される精度によって大きく変化してもよい。したがって、いくつかの実施形態は、入力デバイス100の任意のいずれの表面とも非接触、入力デバイス100の入力面(たとえば、タッチ面)との接触、何らかの量の力若しくは圧力が加えられることによって結合される入力デバイス100の入力面との接触、及び/又はそれらの組合せを含む入力を検知する。様々な実施形態において、入力面は、センサ電極が中に存在するケーシングの表面、センサ電極又は任意のケーシングの上に被せられている表面シートなどによって設けられてもよい。いくつかの実施形態において、検知領域120は、入力デバイス100の入力面に投影されるときに矩形形状を有する。表面シート(たとえば、LCDレンズ)は、入力物体のための有用な接触面をもたらすことができる。
【0016】
[0022]入力デバイス100は、検知領域120内でユーザ入力を検出するためにセンサ構成要素及び検知技術の任意の組合せを利用してもよい。入力デバイス100は、ユーザ入力を検出するための1つ又は複数の検知要素を備える。いくつかの実施態様は、1次元、2次元、3次元、又はより高次元の空間にわたる画像をもたらすように構成される。いくつかの実施態様は、特定の軸又は平面に沿った入力の投影をもたらすように構成される。カーソル、メニュー、リスト、及びアイテムがグラフィカルユーザインターフェースの一部として表示されてもよく、スケーリング、位置決め、選択、スクロール、又は移動されてもよい。
【0017】
[0023]入力デバイス100のいくつかの抵抗性の実施態様において、可撓性で導電性の第1の層が、1つ又は複数のスペーサ要素によって、導電性の第2の層から分離されている。動作中、第1の層及び第2の層にわたって1つ又は複数の電圧勾配が生成される。可撓性の第1の層が押されると、当該第1の層は第1の層及び第2の層の間に電気接点を生成するのに十分に屈曲し、結果として、第1の層及び第2の層の間の接触点(複数の場合もあり)を反映した電圧出力がもたらされる。これらの電圧出力は位置情報を判定するのに使用されてもよい。
【0018】
[0024]入力デバイス100のいくつかの誘導性の実施態様において、1つ又は複数の検知要素が、共鳴コイル又はコイル対によって誘導されるループ電流を取り出す。その後、その電流の振幅、位相、及び周波数の何らかの組合せが、位置情報を判定するのに使用されてもよい。
【0019】
[0025]入力デバイス100のいくつかの容量型の実施態様において、電圧又は電流が印加されて、電場が生成される。近接する入力対象物によって電場に変化が生じ、電圧、電流などの変化として検出することができる、容量結合の検出可能な変化が生成される。
【0020】
[0026]いくつかの容量型の実施態様は、電場を生成するために、センサ電極のような容量型検知要素150のアレイ又は他の規則的若しくは不規則なパターンを利用する。いくつかの容量型の実施形態において、別個の検知要素150の位置がともにオーム的に(ohmically)短絡されて、より大きなセンサ電極が形成されてもよい。いくつかの容量型の実施態様は、抵抗性が均一であり得る抵抗シートを利用する(たとえば、ITOなどのような抵抗性材料を含んでもよい)。
【0021】
[0027]いくつかの容量型の実施態様は、センサ電極と入力物体との間の容量結合の変化に基づく「自己容量」(又は「絶対的容量」)検知方法を利用する。様々な実施形態において、センサ電極付近の入力物体が、センサ電極付近の電場を変化させ、測定される容量結合を変化させる。一実施態様において、絶対的容量検知方法は、センサ電極を基準電圧(たとえば、システムグランド)に対して調節すること、及び、センサ電極と入力物体との間の容量結合を検出することによって動作する。
【0022】
[0028]いくつかの容量型の実施態様は、センサ電極間の容量結合の変化に基づく「相互容量」(又は「トランス容量」)検知方法を利用する。様々な実施形態において、センサ電極付近の入力物体が、センサ電極間の電場を変化させ、測定される容量結合を変化させる。一実施態様において、トランス容量性検知方法は、1つ又は複数の送信機センサ電極(「送信機電極」又は「送信機」とも)と、1つ又は複数の受信機センサ電極(「受信機電極」又は「受信機」とも)との間の容量結合を検出することによって動作する。送信機センサ電極は、送信機信号を送信するために、基準電圧(たとえば、システムグランド)に対して調節されてもよい。受信機センサ電極は、結果信号の受信を可能にするために、基準電圧に対して実質的に一定に保持されてもよい。結果信号は、1つ又は複数の送信機信号、及び/又は、1つ又は複数の環境干渉源(たとえば、他の電磁信号)に対応する効果(複数の場合もあり)を含んでもよい。センサ電極は、送信機若しくは受信機に専用であってもよく、又は、センサ電極は、送信及び受信の両方のために構成されてもよい。代替的に、受信機電極は、グランドに対して調節されてもよい。
【0023】
[0029]いくつかのタッチスクリーン実施形態において、送信機電極は、表示画面の表示(たとえば、表示ライン)の更新に使用される1つ又は複数の共通電極(たとえば、「V−com電極」)を含む。これらの共通電極は、適切な表示画面基板に配置され得る。たとえば、共通電極は、有機発光ダイオードOLEDディスプレイなどを駆動するように構成されている、いくつかの表示画面の色フィルタガラス(たとえば、パターン化垂直配向(PVA)又はマルチドメイン垂直配向(MVA))の下で、いくつかの表示画面のTFTガラス(たとえば、面内スイッチング(IPS)又は面−行スイッチング(PLS))に配置されてもよい。そのような実施形態において、共通電極は、複数の機能を実施するため、「複合電極」とも称され得る。様々な実施形態において、2つ以上の送信機電極が1つ又は複数の共通電極を共有することができる。加えて、ソースドライバ、ゲート選択ライン、蓄積キャパシタなどのような他の表示要素が、容量性検知を実施するのに使用されてもよい。
【0024】
[0030]
図1において、処理システム110は、入力デバイス100の一部として示されている。処理システム110は、入力デバイス100のハードウェアを、検知領域120における入力を検出するように動作させるように構成される。検知領域120は、検知要素150のアレイを含む。処理システム110は、1つ又は複数の集積回路(IC)及び/又は他の回路構成要素の部分又はすべてを備える。たとえば、相互キャパシタンスセンサデバイスのための処理システムは、送信機センサ電極を用いて信号を送信するように構成されている送信機回路、及び/又は、受信機センサ電極を用いて信号を受信するように構成されている受信機回路を備えてもよい。いくつかの実施形態において、処理システム110は、ファームウェアコード、ソフトウェアコードなどのような、電子的に読取り可能な命令も備える。いくつかの実施形態において、処理システム110の構成要素は、入力デバイス100の検知要素(複数の場合もあり)付近などに、ともに位置している。他の実施形態において、処理システム110の構成要素は、入力デバイス100の検知要素(複数の場合もあり)に近い1つ又は複数の構成要素、及び、他の場所にある1つ又は複数の構成要素とは物理的に分離している。たとえば、入力デバイス100は、デスクトップコンピュータに結合されている周辺機器であってもよく、処理システム110は、デスクトップコンピュータの中央処理装置、及び、中央処理装置から分離している1つ又は複数のIC(場合によっては関連するファームウェアを有する)上で作動するように構成されているソフトウェアを含んでもよい。別の例として、入力デバイス100は、電話機に物理的に組み込まれてもよく、処理システム110は、電話機の基本プロセッサの一部である回路及びファームウェアを備えてもよい。いくつかの実施形態において、処理システム110は、入力デバイス100を実装するのに専用である。他の実施形態において、処理システム110は、表示画面を動作させること、触覚アクチュエータを駆動することなどのような、他の機能も実行する。
【0025】
[0031]処理システム110は、処理システム110の種々の機能を統御するモジュールのセットとして実装されてもよい。各モジュールは、処理システム110の一部である回路、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せを備えてもよい。様々な実施形態において、モジュールの種々の組合せが使用されてもよい。例示的なモジュールは、センサ電極及び表示画面のようなハードウェアを動作させるためのハードウェア動作モジュール、センサ信号及び位置情報のようなデータを処理するためのデータ処理モジュール、並びに、情報を報告するための報告モジュールを含む。さらなる例示的なモジュールは、検知要素(複数の場合もあり)を、入力を検出するように動作させるように構成されているセンサ動作モジュール、モード変更ジェスチャのようなジェスチャを識別するように構成されている識別モジュール、及び、動作モードを変更するためのモード変更モジュールを含む。
【0026】
[0032]いくつかの実施形態において、処理システム110は、1つ又は複数の動作を引き起こすことによって直接、検知領域120におけるユーザ入力(又はユーザ入力がないこと)に応答する。例示的な動作は、動作モードを変更すること、並びに、カーソル移動、選択、メニューナビゲーション、及び他の機能のような、GUI動作を含む。いくつかの実施形態において、処理システム110は、入力(又は入力がないこと)に関する情報を電子システムのある部分に(たとえば、処理システム110から分離している電子システムの中央処理システムが存在する場合には、そのような別個の中央処理システムに)提供する。いくつかの実施形態において、電子システムのある部分は、処理システム110から受信される情報を処理して、モード変更動作及びGUI動作を含む、全範囲の動作を可能にするなど、ユーザ入力を受けて動作する。
【0027】
[0033]たとえば、いくつかの実施形態において、処理システム110は、入力デバイス100の検知要素(複数の場合もあり)を、検知領域120における入力(又は入力がないこと)を示す電気信号を生成するように動作させる。処理システム110は、電子システムに提供される情報を生成するにあたって、電気信号に任意の適切な量の処理を実行してもよい。たとえば、処理システム110は、センサ電極から得られるアナログ電気信号をデジタル化してもよい。別の例として、処理システム110は、フィルタリング又は他の信号調整を実行してもよい。また別の例として、処理システム110は、情報が取得された電気信号とベースラインとの間の差を反映するように、ベースラインを減算又は他の様態で計上してもよい。さらなる例において、処理システム110は、位置情報を判定する、入力をコマンドとして認識する、手書きを認識する、などしてもよい。
【0028】
[0034]「位置情報」は、本明細書において使用される場合、広範に、絶対位置、相対位置、速度、加速度、及び他のタイプの空間情報を含む。例示的な「0次元」位置情報は、近接/遠隔又は接触/非接触情報を含む。例示的な「1次元」位置情報は、1つの軸に沿った位置を含む。例示的な「2次元」位置情報は、平面内の動きを含む。例示的な「3次元」位置情報は、空間内の瞬間又は平均速度を含む。さらなる例は、他の表現の空間情報を含む。たとえば、経時的な位置、動き、又は瞬間速度を追跡する履歴データを含む、1つ又は複数のタイプの位置情報に関する履歴データも判定及び/又は記憶されてもよい。
【0029】
[0035]いくつかの実施形態において、入力デバイス100は、処理システム110によって、又は何らかの他の処理システムによって動作される追加の入力構成要素を有して実装される。これらの追加の入力構成要素は、検知領域120における入力に対する冗長機能又は何らかの他の機能を提供してもよい。
図1は、入力デバイス100を使用した項目の選択を可能にするのに使用することができる、検知領域120付近のボタン130を示している。他のタイプの追加の入力構成要素は、スライダ、ボール、ホイール、スイッチなどを含む。逆に、いくつかの実施形態において、入力デバイス100は、他の入力構成要素を有さずに実装されてもよい。
【0030】
[0036]いくつかの実施形態において、入力デバイス100はタッチスクリーンインターフェースを備え、検知デバイスの検知領域120は、表示デバイス160の表示画面のアクティブ領域の少なくとも一部と重なる。たとえば、入力デバイス100は、表示画面を覆う実質的に透明なセンサ電極を備え、関連する電子システムのためのタッチスクリーンインターフェースを提供してもよい。表示画面は、ユーザに視覚インターフェースを表示することが可能な任意のタイプのダイナミックディスプレイであってもよく、任意のタイプの発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマ、エレクトロルミネセンス(EL)、又は他のディスプレイ技術を含んでもよい。入力デバイス100及び表示画面は、物理的要素を共有してもよい。たとえば、いくつかの実施形態は、表示及び検知のために同じ電気構成要素のいくつかを利用してもよい。一例として、共通電極が、表示更新期間中に表示ラインを更新するために利用され、非表示期間中に入力検知を実施するために利用されてもよい。別の例として、表示画面は、部分的に又は全体的に処理システム110によって動作されてもよい。
【0031】
[0037]本発明の多くの実施形態は、全機能を有する装置の文脈において説明されているが、本発明のメカニズムは、様々な形態のプログラム製品(たとえば、ソフトウェア)として分散されることが可能であることが理解されるべきである。たとえば、本発明のメカニズムは、電子プロセッサによって読取り可能である情報保持媒体(たとえば、処理システム110によって読取り可能な持続性コンピュータ読取り可能及び/又は記録可能/書込み可能情報保持媒体)上のソフトウェアプログラムとして実装及び分散されてもよい。加えて、本発明の実施形態は、分散を実行するのに使用される媒体の特定のタイプにかかわらず、等しく適用される。持続性の電子的に読取り可能な媒体は、様々なディスク、メモリスティック、メモリカード、メモリモジュールなどを含む。電子的に読取り可能な媒体は、フラッシュ、光学、磁気、ホログラフィック、又は任意の他のストレージ技術に基づいてもよい。
【0032】
[0038]
図2は、本発明の実施形態による、
図1の入力デバイス100の部分概略平面図である。入力デバイス100は、検知要素150のアレイ及び処理システム110を含む。検知要素150のアレイは、複数の送信機電極210(たとえば、210−1、210−2、210−3など)及び複数の受信機電極220(たとえば、220−1、220−2、220−3など)を含む。各送信機電極210は、1つ又は複数の共通電極を含んでもよい。加えて、様々な実施形態において、各受信機電極220は、1つ又は複数の共通電極を含んでもよい。処理システム110は、たとえば、1つ又は複数のルーティング配線を通じて検知要素150のアレイに結合されている。
【0033】
[0039]単一の集積回路(IC)として具現化されている処理システム110が
図2に示されているが、入力デバイス100は、処理システム110を含む任意の適切な数のICを含んでもよい。
図2に示すように、処理システム110は、ドライバモジュール240、受信機モジュール245、判定モジュール250、任意選択のメモリ260、及び/又は同期機構(
図2には示さず)を含み得る。
【0034】
[0040]受信機モジュール245は、複数の受信機電極220に結合されており、検知領域120及び/又は環境インターフェースにおける入力(又は入力が無いこと)を示す受信機電極220からの結果信号を受信するように構成されている。受信機モジュール245はまた、入力物体の存在を判定するための判定モジュール250に、及び/又は、記憶のための任意選択のメモリ260に、結果信号を通すようにも構成され得る。
【0035】
[0041]ドライバ回路を含むドライバモジュール240は、表示デバイス160の表示画面上の画像を更新するように構成され得る。たとえば、ドライバ回路は、ピクセルソースドライバ(pixel source driver)を通じて表示画素電極に1つ又は複数の画素電圧を印加するように構成され得る。ドライバ回路はまた、表示画面の1つ又は複数の表示ラインを更新するために共通電極に1つ又は複数の共通駆動電圧を印加するようにも構成され得る。加えて、処理システム110は、送信機信号を共通電極に対して駆動することによって、共通電極を入力検知のための送信機電極として動作させるように構成されている。
【0036】
[0042]処理システム110の機能は、表示モジュール要素(たとえば、共通電極)を制御し、送信機信号を駆動し、及び/又は、検知要素150のアレイから受信される結果信号を受信するために、2つ以上のICにおいて実装されてもよい。2つ以上のICがある実施形態において、処理システム110の別個のIC間の通信は、共通電極に供給される信号を配列する同期機構を通じて達成されてもよい。代替的に、同期機構は、いずれか1つのICの内部にあってもよい。
【0037】
[0043]送信機電極210及び受信機電極220は、送信機電極210を受信機電極220から分離し、送信機電極210及び受信機電極220が互いに電気的に短絡することを防止する1つ又は複数の絶縁体によって、互いからオーム的に分離されている。電気絶縁材料は、電極が交差する交差領域において送信機電極210と受信機電極220とを分離する。そのような一構成において、送信機電極210及び/又は受信機電極220は、同じ電極の複数の異なる部分を接続するジャンパを用いて形成される。他の構成において、送信機電極210及び受信機電極220は、下記により詳細に説明するように、1つ又は複数の電気絶縁材料層によって、又は、1つ又は複数の基板によって分離される。また他の構成において、送信機電極210及び受信機電極220は、任意選択的に、単一層の入力デバイス100に配置される。
【0038】
[0044]送信機電極210と受信機電極220との間の局在化された容量結合の領域は、「容量性ピクセル」と称され得る。送信機電極210と受信機電極220との間の容量結合は、送信機電極210及び受信機電極220と関連付けられる検知領域120内の入力物体の近接性及び動きによって変化する。
【0039】
[0045]いくつかの実施形態において、センサパターンは、電極間の容量結合を判定するために「走査」される。すなわち、送信機電極は、送信機信号を送信するように駆動される。送信機は、一度に1つの送信機電極が送信するか、又は、同時に複数の送信機電極が送信するように動作されてもよい。複数の送信機電極が同時に送信する場合、当該複数の送信機電極は、同じ送信機信号を送信して、実際上より大きな送信機電極を実際上形成してもよく、又は、当該複数の送信機電極は、異なる送信機信号を送信してもよい。たとえば、複数の送信機電極が、1つ又は複数のコード化方式に従って異なる送信機信号を送信してもよく、1つ又は複数のコード化方式は、受信機電極の結果信号に及ぼす送信機信号の複合効果が、独立して判定されることを可能にする。
【0040】
[0046]受信機センサ電極は、結果信号を取得するために単独で又は複数で動作されてもよい。結果信号を使用して、容量性ピクセルにおける容量結合の測定値を求めることができる。
【0041】
[0047]容量性ピクセルの測定値のセットが、ピクセルにおける容量結合を表す「容量画像」(「容量フレーム」とも)を形成する。複数の容量画像を複数の期間にわたって取得することができ、検知領域における入力に関する情報を導出するのに使用されるそれらの容量画像の間の差。たとえば、連続した期間にわたって取得された、連続した容量画像を使用して、検知領域に入る1つ又は複数の入力物体、検知領域を出る1つ又は複数の入力物体、及び検知領域内にある1つ又は複数の物体の動き(複数の場合もあり)を追跡することができる。
非表示更新期間中の入力検知
【0042】
[0048]様々な実施形態において、共通電極及び/又は他の表示要素(たとえば、ゲート選択ライン、ソースライン、蓄積キャパシタなど)は、表示の更新と入力検知の実施の両方に使用され得る。表示更新プロセスと入力検知プロセスとの間の干渉の可能性を低減するために、表示更新及び入力検知は、別個の期間中に実施されてもよい。
【0043】
[0049]一例において、入力検知は、「ブランキング」時間又は「分散ブランキング」時間と称される非表示更新期間(たとえば、検知期間、入力検知期間又は容量性検知期間)中に実施されてもよい。水平ブランキング期間、長水平ブランキング(「長h−ブランク」)期間、垂直ブランキング期間、フレーム内ブランキング期間などとも称されるこれらの非表示更新期間は、表示ライン及び/又は表示フレーム更新の間に発生する。たとえば、水平ブランキング期間は、表示ラインNを更新した後であるが、表示ライン(N+1)を更新する前に発生する非表示更新期間を参照し得、この非表示更新期間中、表示要素は表示ライン(N+1)を更新するために変更され得る。さらに、複数の水平ブランキング期間、垂直ブランキング期間の少なくとも一部分、又は、これら2つの期間の何らかの組合せを再分配し、これらの期間を単一の非表示更新期間に組み合わせることによって、長水平ブランキング期間が生成され得る。たとえば、長水平ブランキング期間は、複数の表示ライン更新の間に発生し得る非表示更新期間を削除し、これらの非表示更新期間を単一の非表示更新期間に組み合わせることによって生成されてもよい。一実施形態において、長水平ブランキング期間(又は検知期間)は、少なくとも表示ライン更新期間の継続時間の長さである非表示更新期間であってもよい。別の実施形態において、長水平ブランキング期間は、表示ライン更新期間の継続時間よりも長い非表示更新期間(検知期間)であってもよい。
【0044】
[0050]
図3は、本発明の実施形態による、表示更新期間中に入力デバイス100の選択ライン(ゲート選択ラインとして示す)及びソースラインを駆動し、非表示更新期間中に入力検知を実施するための技法を示す。特定の表示ライン(たとえば、ピクセル列)を更新のために選択するために、各選択ラインが駆動され得る。単一の選択ラインによって、ピクセル列全体が更新のために選択されてもよい。表示ラインが選択されると、表示ラインを更新するためにソースラインデータを用いて駆動される複数のソースラインを通じて、選択された表示ラインと関連付けられるピクセルに対して、ピクセルデータが駆動される。表示ラインが更新された後、その表示ラインは選択解除され、次いで次の表示ラインが選択され、ソースラインを通じて、次のピクセル列に対して、次の表示ラインと関連付けられるピクセルデータが駆動される。このプロセスは、表示デバイス160のすべてのラインの更新が完了するまで繰り返される。
【0045】
[0051]上述したように、各表示ライン更新後に発生し得る非表示更新期間が再分配及び/又は組合せされて、検知期間320が形成され得る。例示的な検知期間320が
図3に示されている。検知期間320中、表示更新は停止され、入力検知が実施され得る。検知期間320後、たとえば、追加の表示ライン(たとえば、ライン5、6、7など)を更新のために連続して選択及び駆動することによって、表示更新が再開され得る。
【0046】
[0052]検知期間320は、低速スイッチングトランジスタを利用したディスプレイ及び高速スイッチングトランジスタを利用したディスプレイを含む、様々なディスプレイタイプとともに使用されてもよい。一実施形態において、低速スイッチングトランジスタは、表示ラインのためのゲート選択ラインにおいて利用される場合、ソースラインが表示ラインを更新するために駆動されるときに、完全に「開」かず、「作動」しない任意のタイプのトランジスタである。1つの例示的なタイプの低速スイッチングトランジスタが、非晶質シリコンすなわち「a−Si」トランジスタである。1つの例示的なタイプの高速スイッチングトランジスタが、低温多結晶シリコン(LTPS)トランジスタである。いくつかの実施形態においては、1つの表示デバイスの高速スイッチングトランジスタが、別の表示デバイスでは低速スイッチングトランジスタと考えられ得る。しかしながら、表示ラインが相対的に迅速に選択及び更新されることを可能にする高速スイッチングトランジスタディスプレイとは対照的に、低速スイッチングトランジスタディスプレイは、表示ラインを選択するために選択信号が最初に駆動される時刻と、表示ラインに対してピクセルデータが駆動され得るように、対応するトランジスタ列が十分な電圧レベル(V
on)に達する時刻との間の時間遅延(T
turn−on)を経験し得る。したがって、低速スイッチングトランジスタディスプレイを選択及び駆動するときに、様々な手法が使用されてもよい。「パイプライン方式」と称される1つのそのような手法が、後述する
図4に示されている。
【0047】
[0053]
図4は、本発明の実施形態による、表示更新のために低速スイッチングトランジスタを選択及び駆動するための技法を示す。
図4に示すように、各表示ラインと関連付けられるトランジスタ(複数の場合もあり)は、選択電圧を用いて選択ラインが駆動される時刻と、ゲート電圧がターンオン電圧に達する時刻との間の時間遅延を経験し得る。ゲート電圧がターンオン電圧に達すると、ピクセルデータを用いてソースラインを駆動することによって、表示ライン更新が実施され得る。さらに、図示のように、選択ラインに対して駆動された信号がパイプライン化され得る。すなわち、トランジスタターンオン時間遅延(T
turn−on)を補償するために、選択ラインは連続して重なり合うように駆動され得る。
【0048】
[0054]検知期間320のような検知期間を挿入することによって、様々な電極及び表示要素(たとえば、共通電極、選択ライン、ソースラインなど)が入力検知のために動作されることが可能になるが、表示パネルはそのように使用されるようには意図されていない。結果として、表示更新のプロセスを繰り返し中断することは、表示アーチファクトをもたらすおそれがある。たとえば、入力検知を実施するために表示更新のプロセスを停止することによって、表示要素(たとえば、電極、配線、キャパシタなど)が検知期間中に放電するようになり、これによって、表示更新が再開されると、システムが異常状態に陥る場合がある。したがって、検知期間を抜けた後に更新される表示ラインは、表示要素が適切なレベルまで再充電されるまで、アーチファクト(たとえば、バンディング)を呈する場合がある。
非表示更新期間後の表示アーチファクトの低減
【0049】
[0055]分散ブランキング期間の後、1つ又は複数の表示要素(たとえば、ソースライン、共通電極など)は、表示デバイス160及び/又は入力デバイス100を所望の状態に復元するために駆動され得る。デバイスを所望の状態に復元することは、検知期間の前に表示要素に対して駆動されていた1つ又は複数の信号に基づく信号を用いて表示要素を駆動することを含み得る。たとえば、検知期間の後、ソースラインは、表示ラインを更新するために以前使用された1つ又は複数のデータ値(たとえば、ピクセル値)を用いて駆動され得る。他の実施形態において、ソースラインのような表示要素は、基準電圧(たとえば、グランド電圧、階調電圧など)を用いて駆動されてもよく、又は、表示要素は、たとえば、表示要素が放電される速度を低減するために高インピーダンス(「Hi−Z」)回路に結合されてもよい。その上、上述した技法の任意の組み合わせが使用されてもよい。たとえば、検知期間の後、ソースラインは、高インピーダンス回路に結合され、その後、以前のデータ値及び/又は基準電圧を用いて駆動され得、その後、新たな表示ラインが更新のために駆動される。
【0050】
[0056]以前使用されたデータ値、以前使用されたデータ値に基づく信号、及び/又は基準電圧(複数の場合もあり)を用いて表示要素を駆動することによって、入力デバイス100を、デバイスが分散ブランキング期間の前にあった状態と同様である状態におくことができ、表示更新が再開されると、表示アーチファクトの可能性が低減する。入力デバイス100を所望の状態に復元するための例示的な技法を、
図5A〜
図7Dに関連して下記に説明する。
【0051】
[0057]
図5A及び
図5Bは、本発明の実施形態による、
図3の検知期間320の後に入力デバイス100の表示要素を所望の状態に復元するための技法を示す。
図5A及び
図5Bに示す技法は、低速スイッチング表示デバイスに関連して説明されているが、本技法は、他の表示技法(たとえば、高速スイッチング表示デバイス)にも等しく適用可能である。たとえば、
図5A及び
図5Bに示す技法は、更新のための表示ラインをパイプライン方式で選択しない高速スイッチング表示デバイスとともに使用されてもよい。
【0052】
[0058]
図5Aに示すように、第1の表示更新期間中にソースラインデータを用いて表示ライン4を選択及び駆動した後、入力デバイス100は非表示更新期間(たとえば、検知期間320)に入ることができ、その非表示更新期間中、1つ又は複数の送信機電極210及び受信機電極220は入力検知のために動作され得る。検知期間320の後、入力デバイス100は再始動期間510に入ることができる。再始動期間510中、ソースラインは、非表示更新期間の前に更新されていた表示ライン(複数の場合もあり)に送信された信号に基づく、又はその信号と実質的に同一である信号を用いて駆動され得る。たとえば、ソースラインは、1つ又は複数の表示ラインに対して以前駆動された1つ又は複数のソースラインデータ値を用いて駆動されてもよい。
図5Aに示す実施形態において、3つの以前のソースラインデータ値(たとえば、表示ライン2、3及び4に対して以前駆動されたデータ値に基づく信号)が繰り返される。その後、再始動期間510後、表示ライン5、6、及び7が第2の表示更新期間中に選択及び更新される。
【0053】
[0059]この実施形態では、3つの以前のデータ値と関連付けられる信号が再始動期間510中に繰り返されているが、任意の数のソースラインデータ値が再始動期間510中に繰り返されてもよい。しかしながら、当業者には理解されるように、検知期間の後に繰り返されるソースラインデータ値の数は、データ値が記憶及び/又は変換されるレジスタ、バッファ、及び/又はデジタル−アナログ変換器(複数の場合もあり)(DAC)の特性によって制限され得る。加えて、繰り返されるソースラインデータ値の数は、選択ラインが結合されているトランジスタのスイッチング速度に応じて決まり得る。たとえば、より遅いトランジスタスイッチング速度は、表示ラインが表示更新のために完全に選択されて利用可能になる前により多くのソースラインデータ値に関する時間が繰り返されることを可能にし得る。さらに、再始動期間510の継続時間は、各表示フレーム更新期間及び検知フレーム更新期間に割り当てられる時間並びに/又は表示更新を実施するために必要とされる時間によって制限され得る。
【0054】
[0060]上記で
図4に関連して説明したように、表示ライン(たとえば、表示ライン5、6及び7)の選択は、パイプライン化されてもよい、すなわち、表示ラインは、
図5Aに示すように、連続して重なり合うように選択されてもよい。たとえば、表示ライン5、6及び7は、これらの表示ラインに対応するトランジスタが異なる時点において「オン」状態に達し、各表示ラインが、ソースラインに結合されているソースドライバによって別個に更新されることを可能にするように、遅延されるように選択されてもよい。この技法は、
図5A及び
図5Bに示されている。再始動期間510後、表示ライン5と関連付けられるゲート選択ラインが最初に駆動され、その後、表示ライン6と関連付けられるゲート選択ラインが駆動され、その後、表示ライン7と関連付けられるゲート選択ラインが駆動される。次いで、表示ライン5と関連付けられるトランジスタが「オン」状態に達すると、ソースラインが表示ライン5のためのソースラインデータを用いて駆動される。次いで、表示ライン5が選択解除され、表示ライン8と関連付けられるゲート選択ライン(図示せず)が駆動され得る。パイプライン方式プロセスは、すべての表示ラインが更新されるまで、又は、別の検知期間320が発生するまで繰り返され得る。
【0055】
[0061]
図5A及び
図5Bにおいて非表示更新期間及び再始動期間510は別個の期間として示されているが、これらの期間は重なり合ってもよい。たとえば、表示ラインは非表示更新期間(たとえば、検知期間320)中に選択されてもよい。加えて、ソースラインは、非表示更新期間の全体又は一部分の間に高インピーダンス回路に結合され、及び/又は、基準電圧を用いて駆動されてもよい。本技法の一実施形態が、後述する
図5Bに示されている。
【0056】
[0062]
図5Bは、入力デバイス100の表示要素を所望の状態に復元するための別の技法を示す。しかしながら、
図5Aに関連して説明した技法とは対照的に、検知期間320の前に選択され、検知期間320の後に更新されるようにスケジュールされている1つ又は複数の表示ラインは、検知期間320中に選択されたままであり得る。たとえば、検知期間320の前に、表示ライン5及び6と関連付けられるゲート選択ラインが選択信号を用いて駆動されている。これらの表示ラインは、検知期間320中に選択されたままであり得、選択された表示ラインと関連付けられるピクセル値が、検知期間320及び/又は再始動期間510中にソースラインに印加される信号によって影響を受け得る。
【0057】
[0063]一実施形態において、検知期間320及び再始動期間510中、ソースラインは、検知期間320に入る前に更新された最後の表示ラインと関連付けられるソースラインデータ値(たとえば、
図5Bにおける表示ライン4のためのソースラインデータ)を用いて駆動される。別の実施形態において、検知期間320中、ソースラインは、最後に更新された表示ラインのソースラインデータ値を用いて駆動され、検知期間320後、表示更新は次の表示ライン(たとえば、
図5Bにおける表示ライン5)において開始して再開される。したがって、この実施形態において、表示要素は検知期間320中に充電されたままであり、再始動期間510は観測されず、表示更新は検知期間320後に再開される。
【0058】
[0064]上述した実施形態において、検知期間320の後に更新されることになる次の表示ライン(たとえば、
図5Bにおける表示ライン5)と関連付けられるソースラインデータは、検知期間320に入る前に変換及び記憶され得る。たとえば、ソースラインは、検知期間320中に表示ラインNと関連付けられるソースラインデータを用いて駆動されてもよく、表示ライン(N+1)と関連付けられるソースラインデータが記憶されてもよい。したがって、検知期間320の後、表示ライン(N+1)は、データ変換遅延(たとえば、デジタル−アナログ変換遅延)を待つことなく駆動され得る。しかしながら、検知期間320の長さに起因して、表示ライン(N+1)と関連付けられるサブピクセルが、予測値の上又は下にドリフトする場合がある。たとえば、検知期間320及び/又は再始動期間510中に表示ライン(N+1)と関連付けられるサブピクセルに正電圧が印加されると、電圧がサブピクセルに蓄積し得る。結果として、検知期間320後、サブピクセルは、予測値の上にドリフトしている場合があり、表示ライン(N+1)が更新されると表示アーチファクトが生成される。様々な実施形態において、表示ライン(N+1)と関連付けられるサブピクセルが、検知期間320が発生しなかった場合に予測される電圧付近となるように、ソースラインを(たとえば、検知期間320及び/又は再始動期間510中に)駆動することによって、そのようなドリフトの状況下で表示アーチファクトが生成される可能性を低減することができる。他の実施形態において、表示ラインN(すなわち、検知期間320の前に更新するために駆動される表示ライン)を更新するときに駆動される信号の反転したバージョンに基づく信号を用いてソースラインを駆動することによって、そのようなドリフトの状況下で表示アーチファクトが生成される可能性を低減することができる。
【0059】
[0065]
図6は、本発明の実施形態による、非表示更新期間の後に入力デバイス100の表示要素を所望の状態に復元するための方法600の流れ図である。方法600は
図1〜
図5Bと関連して説明されるが、本方法を任意の適切な順序で実施するように構成されている任意のシステムが本発明の範囲内に入ることを、当業者は理解しよう。
【0060】
[0066]方法600はステップ610において開始し、1つ又は複数の表示ラインが、第1の表示更新期間中の表示更新のために選択される。ステップ615において、1つ又は複数の表示ラインに対応する1つ又は複数のゲート選択ラインが、第1の表示更新期間中に選択ラインを用いて駆動される。次に、1つ又は複数の表示ラインが選択されると、1つ又は複数の表示ラインを更新するために、ステップ620においてソースラインが表示更新信号(たとえば、ピクセル値)を用いて駆動される。
図4、
図5A及び
図5Bに関連して上述したように、表示ラインは、パイプライン方式技法を使用して選択されてもよい。そのため、第1の表示更新期間中、ゲート選択ラインは、連続して重なり合うように、選択信号を用いて駆動されてもよく、ソースラインは、連続するように、表示更新信号を用いて駆動されてもよい。
【0061】
[0067]ステップ625において、1つ又は複数の送信機電極210が、非表示更新期間(たとえば、検知期間320)中に入力検知のために駆動される。次いで、ステップ630において、結果信号が受信機電極220を用いて受信され、検知領域120における入力物体140の存在(又は不在)を検出するのに利用される。
【0062】
[0068]最後に、ステップ635において、非表示更新期間の後、1つ又は複数のタイプの表示要素(たとえば、ソースライン)が、再始動期間510中に復元信号を用いて駆動される。
図5A及び
図5Bに関連して上述したように、復元信号は、ステップ620においてソースラインに対して駆動される表示更新信号に基づいてもよい。すなわち、復元信号は、システムを、非表示更新期間の前にシステムがあった状態と同様か又は実質的に同一である状態に置くように構成されてもよい。加えて、復元信号は、基準電圧を含んでもよく、又は、ソースラインが、非表示更新期間及び/又は再始動期間510中に高インピーダンス回路に結合(たとえば、電気的にフローティング)されてもよい。
【0063】
[0069]非表示更新期間及び再始動期間510後、ステップ610、615及び620に従って、第2の表示更新期間中に1つ又は複数の追加の表示ラインが選択及び更新されてもよい。
【0064】
[0070]
図7A〜
図7Dは、本発明の実施形態による、検知期間320及び再始動期間510中のソースラインデータ値の変換及び記憶を示す。ソースラインデータ値は、たとえば、サイクリックDAC、抵抗器網(たとえば、抵抗列)、又はデルタシグマDACのような、デジタル−アナログ変換器(DAC)を使用して変換、記憶、及び/又はソースラインに対して駆動されてもよい。DACは、1度に1つの表示ラインのためのピクセルデータを変換し得、変換された値を記憶するために2つ以上のキャパシタを含み得る。各アナログ値の変換時間は固定であり、表示ライン更新期間よりも短くなり得る。変換時間が短すぎる場合、不正確なアナログ値が生成されるおそれがある。したがって、ソースラインデータ値の変換及び記憶は、十分な変換時間が観測され、表示ラインデータが必要なときに利用可能であるように構成され得る。
【0065】
[0071]
図7Aは、ソースラインが、検知期間320及び/又は再始動期間の一部分中に高インピーダンス回路に結合され、及び/又は基準電圧(たとえば、V−com電圧)を用いて駆動される一実施形態を示す。その後、ソースラインは、再始動期間510中の最後の3つの表示ラインについてソースラインデータを用いて駆動される。加えて、図示のように、表示ライン2と関連付けられるソースラインデータの変換が、検知期間0中に開始し得、それによって、データは再始動期間510の開始時に利用可能になる。
【0066】
[0072]
図7Bは、検知期間320中にソースラインが表示ラインN(すなわち、検知期間320の前に駆動される最後の表示ライン)と関連付けられるソースラインデータを用いて駆動される一実施形態を示す。その後、ソースラインは、再始動期間510中の最後の3つの表示ラインについてソースラインデータを用いて駆動される。図示のように、表示ライン2と関連付けられるソースラインデータの変換は、検知期間320中に開始し得る。
【0067】
[0073]
図7C及び
図7Dは、検知期間320中にソースラインが表示ラインN(すなわち、検知期間320の前に駆動される最後の表示ライン)と関連付けられるソースラインデータを用いて駆動される実施形態を示す。その後、ソースラインは、再始動期間510中の最後の3つの表示ラインについてソースラインデータを用いて駆動され、及び/又は高インピーダンス回路に結合される。両方の実施形態において、表示ライン2と関連付けられるソースラインデータの変換は、検知期間320中に開始し得る。
【0068】
[0074]このように、本明細書に記載の実施形態及び例は、本発明及びその特定の用途を最良に説明し、それによって当業者が本発明を為して使用することを可能にするために提示された。しかしながら、上記の記載及び例は解説及び例示のみを目的として提示されていることを当業者は認識しよう。記載されているような説明は、排他的であることも、本発明を開示された正確な形態に限定することも意図されてはいない。