特許第6558706号(P6558706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6558706
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】撹拌機用撹拌子
(51)【国際特許分類】
   B01F 7/16 20060101AFI20190805BHJP
   B01F 15/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   B01F7/16 A
   B01F7/16 G
   B01F15/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-16167(P2017-16167)
(22)【出願日】2017年1月13日
(65)【公開番号】特開2018-111089(P2018-111089A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2017年4月17日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517033676
【氏名又は名称】會田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】會田 直樹
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/069395(WO,A1)
【文献】 実開平04−000452(JP,U)
【文献】 特開昭58−017823(JP,A)
【文献】 特開2012−139610(JP,A)
【文献】 特許第6169207(JP,B2)
【文献】 独国実用新案第29818508(DE,U1)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0030902(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 7/00− 7/32
B01F 15/00−15/06
A47J 43/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の側の中心に回転軸が接続される基部と、
前記基部の他方の側に設けられる複数の羽根部と、
該他方の側の中心に設けられ、前記羽根部を離接させる離接空間部と、を具備し、
前記羽根部は、前記離接空間部から前記基部の外周に向かって設けられ、前記基部の他方の側に立設される2つの流路形成面と、前記基部の外周に沿って立設され、前記2つの流路形成面同士を接続する外周形成面とを備え、
隣り合う前記羽根部の向かい合う前記流路形成面が平行となるように垂設され、
向かい合う前記流路形成面に挟まれた前記基部の他方の側に、前記基部の中心側から外周側に向かう溝部となる接続面が設けられ、
前記接続面は、前記基部の外周側から中心側に向かって凸となる傾斜が設けられ
前記基部の一方の側が被撹拌物の流体の液表面の側となるように設置されることを特徴とする撹拌機用撹拌子。
【請求項2】
前記離接空間部は、傾斜する前記接続面から延出され、前記基部の外周側から中心側に向かって凸となる離接空間部傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撹拌機用撹拌子。
【請求項3】
一方の側の中心に回転軸が接続される基部と、
前記基部の他方の側に設けられる複数の羽根部と、
該他方の側の中心に設けられ、前記羽根部を離接させる離接空間部と、を具備し、
前記羽根部は、前記離接空間部から前記基部の外周に向かって設けられ、前記基部の他方の側に立設される2つの流路形成面と、前記基部の外周に沿って立設され、前記2つの流路形成面同士を接続する外周形成面とを備え、
隣り合う前記羽根部の向かい合う前記流路形成面が平行となるように垂設され、
向かい合う前記流路形成面に挟まれた前記基部の他方の側に、前記基部の中心側から外周側に向かう溝部となる接続面が設けられ、
前記接続面は、前記基部の外周側から中心側に向かって凸となる傾斜が設けられ、
前記離接空間部は、傾斜する前記接続面から延出され、前記基部の外周側から中心側に向かって凸となる離接空間部傾斜部が設けられていることを特徴とする撹拌機用撹拌子。
【請求項4】
前記接続面及び前記離接空間部傾斜部は連続した平面であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の撹拌機用撹拌子。
【請求項5】
前記基部は、円板上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の撹拌機用撹拌子。
【請求項6】
前記外周形成面は、前記基部の外周から突出しないことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の撹拌機用撹拌子。
【請求項7】
前記基部の外周は凸部及び凹部を有しないことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の撹拌機用撹拌子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体その他の各種流体を撹拌し、混合、分散等を行うための撹拌機用撹拌子であって、特に塗料、接着剤やモルタルなどの粘性の高い流体を確実に撹拌するための撹拌機用撹拌子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2種類以上の流体を混合したり、流体中に添加した各種粉末等の固体を均一に分散させたりする撹拌では、各種のプロペラ型撹拌羽根、パドル型撹拌羽根やディスクタービン型撹拌羽根などの各種撹拌子を流体中で回転させて行っていた。
【0003】
例えば、特許文献1に開示される撹拌機では、ディスクタービン型撹拌羽根の一種である、回転する円板(ディスク)の径方向外周部に鋭利な鋸歯を持つ歯付きタービン羽根を用いている。
【0004】
この特許文献1のような撹拌機は、流体を収容する容器などに恒常的に設置されて使用されるものの他に、例えば塗料、接着剤やモルタル等を使用直前に現場で撹拌するため、作業者が手に持って使用するハンディー撹拌機もよく使用されている。このハンディー撹拌機は、一般的にハンドドリル型やハンディーミキサー型の駆動装置の駆動軸の先端に歯付きタービン羽根を設けて構成されている。そして、作業者は、駆動装置を手に持ち、先端の歯付きタービン羽根を塗料等の流体(被撹拌物)が収容された容器内に挿入して回転させることで撹拌を行う。
【0005】
また、特許文献2に開示される撹拌装置では、円板の周方向に沿って略等間隔で外周縁から中心近傍に向け複数の切り込みを設け、その切り込みのうち円板の回転方向に対し後ろ側を槽底方向に折り曲げた片羽根のブレードタービン羽根を用いて撹拌を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−170201号公報
【特許文献2】特開平8−66626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この特許文献1の歯付きタービン羽根を作業者が手に持って使用するハンディー撹拌機に取り付けて使用する場合には、鋭利な鋸歯を高速で回転させることから非常に危険であり、取り扱いに注意を要するという課題があった。
【0008】
また、鋸歯を容器にぶつけてしまった場合や歯付きタービン羽根が疲労破壊を起こした場合に、羽根や容器の一部が欠けたり削れたりすることで流体内に混入するコンタミ(コンタミネーション)の課題があった。
【0009】
また、特許文献1の歯付きタービン羽根の板状の歯は、その板面が回転する円板の径方向外周部に面するように配置されているため、円板の径方向への撹拌流(輻流と称す)及び軸方向への撹拌流(軸流と称す)を生じさせることに向いておらず、全体を撹拌するには歯付きタービン羽根を高速回転させなければならない。この結果、歯付きタービン羽根の回転方向への撹拌流(旋回流と称す)が強くなり、大きなボルテックス(水面上の渦巻き)の発生による空気等の泡の混入の課題があった。
【0010】
また、特許文献2の片羽根のブレードタービン羽根による撹拌では、円板の切り込みを折り曲げて形成した片羽根によって円板に隙間ができるため、片羽根による撹拌流が流体の液表面側にも発生する。この結果、液表面の乱れが発生して泡の混入が発生する虞があった。
【0011】
さらに、粘性の高い流体を確実に撹拌するためには、撹拌子の翼端の周速を速くして、高い粘性に抗するように撹拌流の流速を速くすると効果がある。この点において、特許文献2の片羽根のブレードタービン羽根や一般的な撹拌用のブレードタービン羽根では、羽根同士の間隔が円板の外周縁に向かって離れていくため、翼端の周速を効率よく撹拌流の流速に変換することに劣る課題があった。
【0012】
さらには、特許文献2の片羽根のブレードタービン羽根は、流体を収容する容器などに恒常的に設置されて使用されることを前提としているため、流体量の変化により羽根が液面に出てしまう場合や、撹拌の終了後に一旦、流体を容器から抜いて、再度、容器に撹拌対象の流体を入れた場合に羽根の一部(特に容器接地面に水平な面)に空気が残ってしまい、流体内に泡が混入してしまう課題があった。
【0013】
また同様に、特許文献2の片羽根のブレードタービン羽根を作業者が手に持って使用するハンディー撹拌機に取り付けて使用する場合、羽根を流体へ出し入れした際に流体内への泡の混入が起きやすい課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明の目的は、上述した事情に鑑みなされたもので、この発明の主たる目的は、粘性の高い流体を効率よく確実に撹拌することが可能な撹拌機用撹拌子を提供することである。
【0015】
また、この発明の別の目的は、被撹拌物である流体の液面にボルテックス(水面上の渦巻き)ができにくく、波立たない静かな撹拌が可能な撹拌機用撹拌子を提供することである。
【0016】
さらに、この発明の別の目的は、粘性の高い流体において除去の難しい泡の混入を少なくすることが可能な撹拌機用撹拌子を提供することである。
【0017】
またさらに、この発明のさらに別の目的は、容器や槽を傷付けることでのコンタミを防止し、用途を問わずに安全且つ効率的な撹拌を行うことが可能な撹拌機用撹拌子を提供することである。
【0018】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項1の記載によれば、一方の側の中心に回転軸が接続される基部と、前記基部の他方の側に設けられる複数の羽根部と、該他方の側の中心に設けられ、前記羽根部を離接させる離接空間部と、を具備し、前記羽根部は、前記離接空間部から前記基部の外周に向かって設けられ、前記基部の他方の側に立設される2つの流路形成面と、前記基部の外周に沿って立設され、前記2つの流路形成面同士を接続する外周形成面とを備え、隣り合う前記羽根部の向かい合う前記流通路形成面が平行となることを特徴とする。
【0019】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項2の記載によれば、前記基部の一方の側が被撹拌対象の流体の液表面の側となるように設置されることを特徴とする。
【0020】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項3の記載によれば、前記基部は、円板上に形成されていることを特徴とする。
【0021】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項4の記載によれば、前記基部の一方の側は、前記基部の外周側から中心側に向かって凸であり、前記回転軸に垂直な断面が円形となる液表面目安傾斜部を備えることを特徴とする。
【0022】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項5の記載によれば、前記基部の一方の側は、前記回転軸に垂直な断面が円形とならない凸部または凹部がないことを特徴とする。
【0023】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項6の記載によれば、前記外周形成面は、前記基部の外周から突出しないことを特徴とする。
【0024】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項7の記載によれば、前記外周形成面は、前記基部の外周側から中心側に向かって傾斜して立設されていることを特徴とする。
【0025】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項8の記載によれば、前記外周形成面は、前記基部の外周の外周縁から所定距離離間した位置に立設されていることを特徴とする。
【0026】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項9の記載によれば、前記流通路形成面は垂設されていることを特徴とする。
【0027】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項10の記載によれば、向かい合う前記流通路形成面に挟まれた前記基部の他方の側に接続面が設けられ、該接続面は平面であることを特徴とする。
【0028】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項11の記載によれば、向かい合う前記流通路形成面に挟まれた前記基部の他方の側に接続面が設けられ、該接続面は前記基部の一方の側に向かって凹んだ曲面であることを特徴とする。
【0029】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項12の記載によれば、前記接続面は、前記基部の中心側から外周側に向かう溝部であることを特徴とする。
【0030】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項13の記載によれば、向かい合う前記流通路形成面に挟まれた前記基部の他方の側は、前記基部の外周側から中心側に向かって凸となる傾斜部が設けられていることを特徴とする。
【0031】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項14の記載によれば、前記離接空間部は、前記基部の外周側から中心側に向かって凸となる離接空間部傾斜部が設けられていることを特徴とする。
【0032】
また、この発明に係わる撹拌機用撹拌子は、請求項15の記載によれば、前記2つの流路形成面と前外周形成面とで囲われる面は、前記基部の外周側から中心側に向かって凸となる傾斜面が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
この発明によれば、粘性の高い流体を効率よく確実に撹拌できる撹拌機用撹拌子を提供することが可能となる。
【0034】
また、この発明によれば、被撹拌物である流体の液面にボルテックス(水面上の渦巻き)ができにくく、波立たない静かな撹拌ができる撹拌機用撹拌子を提供することが可能となる。
【0035】
さらに、この発明によれば、粘性の高い流体において除去の難しい泡の混入を少なくできる撹拌機用撹拌子を提供することが可能となる。
【0036】
またさらに、この発明によれば、容器や槽を傷付けることでのコンタミを防止し、用途を問わずに安全且つ効率的な撹拌ができる撹拌機用撹拌子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】 本発明の撹拌機用撹拌子の第1の実施例を示す斜視図
図2】 第1の実施例を示す斜視図
図3図1の正面図
図4図1の上面図
図5図1の底面図
図6図1のA−A断面図
図7】 本発明の撹拌機用撹拌子の使用状態参考図
図8】 第2の実施例を示す正面図
図9図8の側面図
図10図8の上面図
図11図8の底面図
図12】 第3の実施例を示す正面図
図13図12の上面図
図14図12の底面図
図15】 第4の実施例を示す斜視図
図16】 第4の実施例を示す別の斜視図
図17】 第5の実施例を示す斜視図
図18】 第6の実施例を示す斜視図
図19】 第7の実施例を示す斜視図
図20】 第8の実施例を示す斜視図
図21】 第9の実施例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0038】
<第1の実施例>
図面を用いて本発明の第1の実施例としての撹拌機用撹拌子1の構造について説明する。図1及び図2は本発明の撹拌機用撹拌子の第1の実施例を示す斜視図、図3図1の正面図、図4図1の上面図、図5図1の底面図、図6図1のA−A断面図、図7はこの第1の実施例の撹拌機用撹拌子1及び後述するその他の撹拌機用撹拌子1の使用状態参考図となっている。なお、図1の側面図及び背面図は、図3と同一につき図示を省略している。
【0039】
図1乃至図7によれば、撹拌機用撹拌子1は、一方の側の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される基部10と、基部10の他方の側に設けられる4カ所の羽根部20a、20b、20c、20dと、該他方の側の中心に平面として設けられ、4カ所の羽根部20a、20b、20c、20dを離接させる離接空間部30と、を概略具備している。なお、図1は、第1の実施例の撹拌機用撹拌子1において基部10の一方の側から見た斜視図で、図2は基部10の他方の側から見た斜視図となっている。
【0040】
この第1の実施例における基部10は、円板状に形成され一方の面の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される回転軸接続部12を備えており、撹拌機52の作動によって回転するシャフト50を回転軸として撹拌機用撹拌子1が回転するように構成されている。なお、本実施例において、貫通穴となっている回転軸接続部12へのシャフト50の接続は嵌め合いとなっているが、これに限定されるものではなく、例えば、シャフト先端に雄ネジを設けて複数のナットで基部10を挟み込んで接続したり、貫通穴となっている回転軸接続部12を凹み穴にすると共に該凹み穴に雌ネジを設けると共にシャフト50の先端部に雄ネジを設けてねじ込んで接続したり、基部10の一方の面から突出するボス部に回転軸接続部12を設けてシャフト50を横からとめる止めネジ、イモネジやセットスクリューを使用したりする等、既知のいずれの方法であってもよい。
【0041】
また、基部10は、シャフト50の軸方向の長さよりシャフト50の断面(垂直)方向の長さが長い、幅広の形状となっているため、同じ回転数で基部10の周速(外周の速度)を上げやすく、撹拌力の向上に寄与している。
【0042】
なお、基部10の一方の面は、被撹拌対象の流体の液表面の側となるように設置されている。また、該一方の面はシャフト50の断面方向に突起物(凸部)や穴(凹部)がない平板状で撹拌機用撹拌子1の液表面の側で旋回流が発生しにくい構成のため、液表面の渦(ボルテックス)が防止されて空気等の気体の巻き込みが防止されたり、液表面の乱れや暴れが防止されて泡立ちが抑制されたりする効果が得られる。
【0043】
4カ所の羽根部20a、20b、20c、20dは、基部10の他方の面に設けられる基部10の回転方向に所定の厚みを有する柱状の部材となっている。具体的には、基部10の他方の側に立設され、離接空間部30から基部10の外周に向かって設けられる2つの流路形成面21aと21b、21cと21d、21eと21f、及び21gと21h、と、基部10の外周に沿って立設され、2つの流路形成面21aと21b、21cと21d、21eと21f、及び21gと21h同士を接続する外周形成面22a、22b、22c、22dとを備える略角柱形状となっている。
【0044】
なお、2つの流路形成面21aと21b、21cと21d、21eと21f、及び21gと21hを離接空間部30の側で接続する箇所は、直接、該2つの流路形成面を接続しても良いし、本実施例のように、流路形成面接続面23a、23b、23c、23dのように面で接続してもよい。
【0045】
2つの流路形成面21aと21b、21cと21d、21eと21f、及び21gと21hと外周形成面22a、22b、22c、22dの先端側(基部10への接続箇所の反対側)にはこれらを閉じるように先端面24a、24b、24c、24dが設けられている。
【0046】
また、これらの4カ所の羽根部20a、20b、20c、20dのうち、隣り合う羽根部において向かい合う流通路形成面、具体的には21aと21h、21bと21c、21dと21e、及び21fと21gに挟まれた基部10の他方の側で接続する接続面25a、25b、25c、25dは、基部10の一方の側に向かって凹んだ曲面に形成されている。また、該凹んだ曲面となっている接続面25a、25b、25c、25dは、基部10の中心側から外周側に向かう溝部となっている。
【0047】
さらに、該流通路形成面は基部10の他方の側に垂設されると共に、これらの4カ所の羽根部20a、20b、20c、20dのうちの隣り合う羽根部において向かい合う流通路形成面、具体的には21aと21h、21bと21c、21dと21e、21fと21gは平行となっている。
【0048】
なお、本実施例において、撹拌機用撹拌子1を構成する材質は、特に限定されるものではなく、例えば金属やセラミックス、樹脂、ゴム、木材等、使用条件に応じた適宜の材質を採用することができる。
【0049】
ここで、改めて、撹拌機用撹拌子1の作動について図7を用いて概略説明する。本発明の撹拌機用撹拌子1は、被撹拌物である流体64内において、シャフト50に駆動されてシャフトの中心軸を中心に回転することにより流体64を撹拌する。
【0050】
具体的には、撹拌機用撹拌子1は、シャフト50の一方の側で基部10を回転させる回転機構としての撹拌機52に接続され、他方の側で基部10の一方の面の中心に設けられた回転軸接続部12に接続され、撹拌機用撹拌子1が槽62内に収容された流体64内に浸漬された状態で使用される。
【0051】
なお、本発明で使用される撹拌機52は、図7の通り、作業者が手に持って使用する撹拌機または図示しない据え付け型の撹拌機で使用される。
【0052】
流体64中に撹拌機用撹拌子1を浸漬して回転させると、隣り合う羽根部において向かい合う流通路形成面の間に存在する流体64が、該向かい合う流通路形成面によって基部10の外周に向かって吐き出され、該吐き出しに伴い、離接空間部30に流体64が吸い込まれる。撹拌機52の回転を継続することで、流体64の撹拌機用撹拌子1の外周から吐き出しと離接空間部30への吸い込みが連続し、槽内62で流体64の移動が継続することとなる。
【0053】
この流体64の移動の継続により、撹拌機用撹拌子1の周囲には、撹拌機用撹拌子1の外周から放射状に広がる流動と、離接空間部30に向かう流動が継続し、流体64全体が撹拌されることとなる。
【0054】
また、槽62の槽底に滞留している滞留物を分散させる場合には、撹拌機用撹拌子1の先端部を層底に近づければよい。このようにすることで、吸入口12から滞留物を吸い上げて吐出口14から噴出し、滞留物を槽62内に十分に分散させることができる。
【0055】
なお、本発明の撹拌機用撹拌子1では、隣り合う羽根部において向かい合う流通路形成面が平行となっている、即ち、特許文献2の片羽根のブレードタービン羽根のように外周になるほど羽根の間の間隔が広くなっていないため、撹拌機用撹拌子1の周速が効率よく各々の一組の流通路形成面の間に存在する流体64に伝わるので、外周から吐き出される流体64の流速を速くすることが可能となっている。これは、特に粘性の高い流体を効率よく確実に撹拌する際に有利であり、本発明の特徴となっている。
【0056】
また、本発明の撹拌機用撹拌子1では、羽根部の流通路形成面が流体64に対して露出している、即ち特開2011−5349号公報に開示の撹拌体と比して流体64を掻き混ぜるたり練り混ぜたりするのに必要なせん断力を付与する構成を有しているため、粘性の高い流体の撹拌に適している。
【0057】
さらに、本発明の撹拌機用撹拌子1では、羽根部は板状でなく柱状であるため、粘性の高い流体に対する耐空性が高く、掻き混ぜや練り混ぜが容易となっている。
【0058】
またさらに、本発明の撹拌機用撹拌子1の柱状の羽根部では、板状の羽根と比して羽根の回転方向後ろ側での負圧が起こりにくく、高速回転が必要な撹拌でのキャビテーションによる泡立ち防止効果に効果がある。
【0059】
さらにまた、本実施例における撹拌機用撹拌子1は、隣り合う羽根部において向かい合う流通路形成面に挟まれた基部10の他方の側で接続する接続面が基部10の一方の側に向かって凹んだ曲面に形成されていることと、該曲面が特開2011−5349号公報に開示の撹拌体とは異なり露出しているので、流体(特に粘性の高い流体)が残りにくく撹拌後の洗浄が容易となっている。
【0060】
また、本発明の撹拌機用撹拌体1の基部10の一方の面は、シャフト50の断面方向に突起物(凸部)や穴(凹部)がない平板状で撹拌機用撹拌子1の液表面の側で旋回流が発生しにくい構成のため、液表面の渦(ボルテックス)が防止されて空気等の気体の巻き込みの防止と、液表面の乱れや暴れが抑えられて泡立ちの抑制が可能である。
【0061】
さらに、本発明の撹拌機用撹拌体1は、基部10の外周から羽根部が突出していないので、液表面の渦の防止、液表面の乱れや暴れの抑制が可能であると共に、図7のような作業者が手に持って使用する撹拌機では、作業中に槽62の槽壁にぶつけてしまった場合においても容器や槽を傷付けることが少なく、用途を問わずに安全且つ効率的な撹拌が可能である。
【0062】
以上、詳細に説明した通り、本発明の撹拌機用撹拌子1は、液表面の渦防止と泡立ち抑制が可能であり、粘性の高い流体において除去の難しい泡の混入を可能な限り排除することができる。
【0063】
また、本発明の撹拌機用撹拌子1は、粘性の高い流体の掻き混ぜや練り混ぜも可能であり、粘性の高い流体に限らず各種の流体を効率よく確実に撹拌することができる。
【0064】
さらに、本発明の撹拌機用撹拌子1は、槽壁に衝突しても槽62の破片や削りカス等が発生しにくく、槽壁保護とコンタミ防止が可能であると共に、安全且つ効率的な撹拌を行うことができる。
【0065】
<第2の実施例>
図面を用いて第2の実施例としての撹拌用回転体1について説明する。図8は第2の実施例を示す正面図、図9図8の側面図、図10図8の上面図、図11図8の底面図となっている。なお、背面図は図8と同一につき図示を省略している。また、第1の実施例と構成が同じ箇所には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0066】
図8乃至図11によれば、撹拌機用撹拌子1は、一方の側の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される基部10と、基部10の他方の側に設けられる6カ所の羽根部20a、20b、20c、20d、20e、20fと、該他方の側の中心に設けられ、6カ所の羽根部を離接させる離接空間部30と、を概略具備している。
【0067】
この第2の実施例における基部10は、円板状に形成され一方の面の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される回転軸接続部12を備えており、撹拌機52の作動によって回転するシャフト50を回転軸として撹拌機用撹拌子1が回転するように構成されている。
【0068】
なお、この第2の実施例と第1の実施例との違いは、羽根部が6個になっただけで、その他の構成及び作用効果は第1の実施例と同様である。
【0069】
<第3の実施例>
図面を用いて第3の実施例としての撹拌用回転体1について説明する。図12は第3の実施例を示す正面図、図13図12の上面図、図14図12の底面図となっている。なお、側面図及び背面図は図12と同一につき図示を省略している。また、第1及び第2の実施例と構成が同じ箇所には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0070】
図12乃至図14によれば、撹拌機用撹拌子1は、一方の側の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される基部10と、基部10の他方の側に設けられる8カ所の羽根部20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20hと、該他方の側の中心に設けられ、8カ所の羽根部を離接させる離接空間部30と、を概略具備している。
【0071】
この第3の実施例における基部10は、円板状に形成され一方の面の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される回転軸接続部12を備えており、撹拌機52の作動によって回転するシャフト50を回転軸として撹拌機用撹拌子1が回転するように構成されている。
【0072】
なお、この第3の実施例と第1の実施例との違いは、羽根部が8個になっただけで、その他の構成及び作用効果は第1の実施例と同様である。
【0073】
また、第2の実施例及び第3の実施例の通り、本発明の撹拌機用撹拌子の羽根部の個数は、向かい合う流路形成面が平行となるのであれば、偶数、奇数を問わず何か所でも良い。
【0074】
<第4の実施例>
図面を用いて第4の実施例としての撹拌用回転体1について説明する。図15は第4の実施例を示す斜視図で基部10の一方の側から見た図、図16は第4の実施例を示す別の斜視図で基部10の他方の側から見た図となっている。なお、第1及乃至第3の実施例と構成が同じ箇所には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0075】
図15及び図16によれば、撹拌機用撹拌子1は、一方の側の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される基部10と、基部10の他方の側に設けられる4カ所の羽根部20と、該他方の側の中心に平面で設けられ、4カ所の羽根部20を離接させる離接空間部30と、を概略具備している。
【0076】
この第4の実施例における基部10は、円板状に形成され一方の面の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される回転軸接続部12を備えており、撹拌機52の作動によって回転するシャフト50を回転軸として撹拌機用撹拌子1が回転するように構成されている。
【0077】
なお、基部10の一方の面は、被撹拌対象の流体の液表面の側となるように設置されている。また、基部10の一方の面は外周側から中心側に向かって凸であると共にシャフト50に垂直な面で断面をとると、どの箇所でも円形となる液表面目安傾斜部14を備えている。
【0078】
また、この第4の実施例の撹拌機用撹拌子1では、基部10の一方の側はシャフト50に垂直な面で断面をとった際に、その断面方向に突起物(凸部)や穴(凹部)がない形状となっている。
【0079】
このように、基部10の一方の面をシャフト50に垂直な面で断面をとるとどの箇所でも円形となる構成により、撹拌機用撹拌子1の液表面の側で旋回流が発生しにくく、液表面の渦(ボルテックス)が防止されて空気等の気体の巻き込みが防止されたり、液表面の乱れや暴れが防止されて泡立ちが抑制されたりする効果が得られる。
【0080】
4カ所の羽根部20は、基部10の他方の側に立設され、離接空間部30から基部10の外周に向かって設けられる2つの流路形成面21aと21bの4組と、基部10の外周に沿って立設され2つの流路形成面21aと21b同士を接続する4カ所の外周形成面22とを備える略角柱形状となっている。
【0081】
また、2つの流路形成面21aと21bと外周形成面22の先端側(基部10への接続箇所の反対側)にはこれらを閉じるように4カ所の先端面24が設けられている。
【0082】
さらに、これらの4カ所の羽根部20のうち、隣り合う羽根部20において向かい合う流通路形成面21a、21bに挟まれた基部10の他方の側で接続する4カ所の接続面25は、離接空間部30と面を同一とする平面となっている。
【0083】
さらに、該流通路形成面は基部10の他方の側に垂設されると共に、これらの4カ所の羽根部20のうちの隣り合う羽根部20において向かい合う流通路形成面21a、21bは平行となっている。
【0084】
このような構成を有する第4の実施例においては、第1乃至第3の実施例の効果を有するとともに、4カ所の接続面25が平面となっていることにより、撹拌力の向上が見込まれる。
【0085】
また、基部10の一方の面は外周側から中心側に向かって凸となり、かつ、シャフト50に垂直な断面が円形となる液表面目安傾斜部14により、第1乃至第3の実施例と同様に、液表面の渦(ボルテックス)が防止されて空気等の気体の巻き込みの防止と、液表面の乱れや暴れが抑えられて泡立ちの抑制が可能である。
【0086】
さらに、この液表面目安傾斜部14は、撹拌中に液量が変化する撹拌や、業者が手に持って使用する撹拌機を用いた撹拌では、羽根部20が液表面や液晶面状に露出することでの泡立ちを防止することが可能となるので、粘性の高い流体において除去の難しい泡の混入を防止可能で、各種の流体を効率よく確実に撹拌することができる。
【0087】
<第5の実施例>
図面を用いて第5の実施例としての撹拌用回転体1について説明する。図17は第5の実施例を示す斜視図であり、基部10の他方の側からの図となっている。なお、第1及乃至第4の実施例と構成が同じ箇所には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0088】
図17によれば、撹拌機用撹拌子1は、一方の側の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される基部10と、基部10の他方の側に設けられる6カ所の羽根部20と、該他方の側の中心に平面で設けられ、6カ所の羽根部20を離接させる離接空間部30と、を概略具備している。
【0089】
この第5の実施例において、外周形成面22は、基部10の外周側から中心側に向かって傾斜して立設されている。この結果、外周形成面22は基部10の外周から突出しないだけではなく、外周形成面22の先端面24の側で基部10の内側に引き込まれた構成となっている。
【0090】
この結果、特に作業者が手に持って使用する撹拌機を用いて撹拌する際に槽壁に衝突しにくく、槽壁保護とコンタミ防止が可能となっている。
【0091】
<第6の実施例>
図面を用いて第6の実施例としての撹拌用回転体1について説明する。図18は第6の実施例を示す斜視図であり、基部10の他方の側からの図となっている。なお、第1及乃至第5の実施例と構成が同じ箇所には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0092】
図18によれば、撹拌機用撹拌子1は、一方の側の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される基部10と、基部10の他方の側に設けられる6カ所の羽根部20と、該他方の側の中心に平面で設けられ、6カ所の羽根部20を離接させる離接空間部30と、を概略具備している。
【0093】
この第6の実施例において、外周形成面22は基部10の外周の外周縁から所定距離離間した位置に立設されている。この結果、外周形成面22は、基部10の外周から突出しないだけではなく、外周形成面22全体が基部10の内側に引き込まれた構成となっている。
【0094】
この結果、特に作業者が手に持って使用する撹拌機を用いて撹拌する際に槽壁に衝突しにくく、槽壁保護とコンタミ防止が可能となっている。
【0095】
<第7の実施例>
図面を用いて第7の実施例としての撹拌用回転体1について説明する。図19は第7の実施例を示す斜視図であり、基部10の他方の側からの図となっている。なお、第1及乃至第6の実施例と構成が同じ箇所には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0096】
図19によれば、撹拌機用撹拌子1は、一方の側の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される基部10と、基部10の他方の側に設けられる4カ所の羽根部20と、該他方の側の中心に平面で設けられ、4カ所の羽根部20を離接させる離接空間部30と、を概略具備している。
【0097】
この第7の実施例において、向かい合う流通路形成面21a、21bに挟まれた基部10の他方の側は、基部10の外周側から中心側に向かって凸となる傾斜部としての接続面傾斜部25sが設けられた構成となっている。
【0098】
この結果、作業者が手に持って使用する撹拌機を用いて撹拌する場合に、撹拌機用撹拌子を流体64に頻繁に出し入れしても基部10の他方の側に空気等の気体が残りにくく、流体64内への泡の混入を防止が可能となっている。
【0099】
また同様に、流体64の液量の変化により羽根が液面に出てしまう場合や、撹拌の終了後に一旦、流体64を容器62から抜いて、再度、容器62に流体64を入れた場合に、基部10の他方の側に容器接地面に水平な面が少なくために空気等の気体が残りにくく、流体64内への泡の混入を防止が可能となっている。
【0100】
<第8の実施例>
図面を用いて第8の実施例としての撹拌用回転体1について説明する。図20は第8の実施例を示す斜視図であり、基部10の他方の側からの図となっている。なお、第1及乃至第7の実施例と構成が同じ箇所には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0101】
図20によれば、撹拌機用撹拌子1は、一方の側の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される基部10と、基部10の他方の側に設けられる4カ所の羽根部20と、該他方の側の中心に設けられ、4カ所の羽根部20を離接させる離接空間部30と、を概略具備している。
【0102】
この第8の実施例において、離接空間部30が基部10の外周側から中心側に向かって凸となる離接空間部傾斜部30sが設けられた構成となっている。
【0103】
この結果、作業者が手に持って使用する撹拌機を用いて撹拌する場合に、撹拌機用撹拌子を流体64に頻繁に出し入れしても基部10の他方の側に空気等の気体が残りにくく、流体64内への泡の混入を防止が可能となっている。
【0104】
また同様に、流体64の液量の変化により羽根が液面に出てしまう場合や、撹拌の終了後に一旦、流体64を容器62から抜いて、再度、容器62に流体64を入れた場合に、基部10の他方の側に容器接地面に水平な面が少なくために空気等の気体が残りにくく、流体64内への泡の混入を防止が可能となっている。
【0105】
また、図20においては、図19で説明した向かい合う流通路形成面21a、21bに挟まれた基部10の他方の側にも基部10の外周側から中心側に向かって凸となる傾斜部としての接続面傾斜部25sが設けられた構成となっているので、さらに確実に流体64内への泡の混入を防止が可能となっている。
【0106】
なお、図19図20においては、基部10の外周側から中心側に向かって凸となる傾斜部としての接続面傾斜部25sは平面状となっているが、半球等の曲面でも良い。
【0107】
<第9の実施例>
図面を用いて第9の実施例としての撹拌用回転体1について説明する。図21は第9の実施例を示す斜視図であり、基部10の他方の側からの図となっている。なお、第1及乃至第8の実施例と構成が同じ箇所には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0108】
一方の側の中心に回転軸としてのシャフト50が接続される基部10と、基部10の他方の側に設けられる6カ所の羽根部20と、該他方の側の中心に設けられ、6カ所の羽根部20を離接させる平面の離接空間部30と、を概略具備している。
【0109】
この第9の実施例において、2つの流路形成面21a、21bと外周形成面22とで囲われる先端面24は、基部10の外周側から中心側に向かって凸となる傾斜面24sが設けられた構成となっている。
【0110】
この結果、特に作業者が手に持って使用する撹拌機を用いて撹拌する際に槽壁に衝突しにくく、槽壁保護とコンタミ防止が可能となっている。
【0111】
以上、本実施形態について説明したが、本発明の撹拌機用撹拌子1は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0112】
1・・撹拌機用撹拌子、10・・基部、12・・回転軸接続部、14・・液表面目安傾斜部、20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h・・羽根部、21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h・・流路形成面、22、22a、22b、22c、22d・・外周形成面、23a、23b、23c、23d・・流路形成面接続面、24、24a、24b、24c、24d・・先端面、24s・・傾斜面、25a、25b、25c、25d・・接続面、25s・・接続面傾斜部、30・・離接空間部、30s・・離接空間部傾斜部、50・・シャフト、52・・撹拌機、62・・容器、64・・流体、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21