特許第6558713号(P6558713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6558713-角質軟化組成物 図000013
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6558713
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】角質軟化組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20190805BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20190805BHJP
   A61Q 3/00 20060101ALI20190805BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20190805BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20190805BHJP
   A61K 33/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   A61K8/19
   A61K8/86
   A61K8/81
   A61Q3/00
   A61Q19/00
   A61P17/00
   A61K33/00
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-173195(P2018-173195)
(22)【出願日】2018年9月18日
【審査請求日】2018年9月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518332088
【氏名又は名称】株式会社コンフェスタ
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100207491
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】許 哲
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−500404(JP,A)
【文献】 特表2007−507426(JP,A)
【文献】 特表2002−535261(JP,A)
【文献】 特開2001−302430(JP,A)
【文献】 特開2006−052154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
A61K 33/00−33/44
A61P 17/00−17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キューティクルリムーバーであって、
生体活性ガラス2重量%〜4重量%と98重量%〜96重量%からなる生体活性ガラス含有液から前記生体活性ガラスが除去されることによって得られた生体活性ガラス抽出物を含有し、
前記生体活性ガラス抽出物の含有量がキューティクルリムーバー100重量%に対して30重量%以上であり、
pHが8以上10以下である、キューティクルリムーバー。
【請求項2】
保湿剤及び増粘剤をさらに含む事を特徴とする請求項1に記載のキューティクルリムーバー。
【請求項3】
2重量%〜4重量%の生体活性ガラスを、1分以上100000時間以下の間、98重量%〜96重量%ので混合して、生体活性ガラス、及び前記生体活性ガラスからの抽出物からなる角質軟化前駆組成物を生成する抽出ステップと、
前記角質軟化前駆組成物をろ過して前記生体活性ガラスを除去し、pHを8以上10以下に調整して、前記抽出物からなるキューティクルリムーバーを生成するろ過ステップと、
を含み、
前記抽出物の含有量がキューティクルリムーバー100重量%に対して30重量%以上であることを特徴とする、キューティクルリムーバーの製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のキューティクルリムーバーを甘皮及び甘皮周辺の皮膚に室温で適用し、30秒間以上放置後に甘皮除去又は爪根元への押し上げを行う、キューティクルリムーバーの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪の甘皮及び皮膚の角質を効果的に軟化する事が出来る角質軟化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
爪の生え際にある薄い皮膚は甘皮又はキューティクルと呼ばれる。甘皮は爪を作り出す部分を保護するための組織だが、必要以上にあると爪に必要な水分を奪ってしまったり、爪・指先の美しさを損なったり、美爪料をきれいに塗布することの妨げとなる。そのため、美爪料をきれいに塗布するために甘皮の除去や爪根元への押し上げが行われ、その際にキューティクルリムーバーが用いられる。キューティクルリムーバーは液状またはクリーム状の組成物であり、短時間で甘皮を軟化させ甘皮の除去や爪根元への押し上げ操作が容易になる。
【0003】
また、足裏やかかとは体重を支えるために、圧力や摩擦が負荷されており、古い皮膚が蓄積されやすい場所である。そのため定期的に角質の除去が必要であり、角質の除去を怠ると足裏やかかとの美的外観を損なうだけでなく、皮膚の表面が乾燥して肌荒れを起してしまう場合がある。足裏やかかとの角質の除去においても、液状またはクリーム状、シート状の角質軟化剤が用いられ、柔らかくなった角質をファイル(やすり)等で除去する操作が行われる。
【0004】
特許文献1には甘皮除去効果を有するネイルケア用組成物が開示されている。詳しくは、アルカリ剤、アミノ酸、及び水溶性高分子を含むことを特徴とするネイルケア用組成物であり、アルカリ材剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機アルカリ剤が挙げられている。しかし、当該アルカリ材は甘皮除去及び皮膚軟化効果は優れている一方で、皮膚刺激性、腐食性を有する事が問題である。
【0005】
特許文献2には甘皮を除去する高いpHを長期間維持するキューティクルリムーバーが開示されている。詳しくは、POE・POPアルキルエーテル、及び炭酸アルカリ金属塩を含有し、pHが10以上である、キューティクルリムーバーである。炭酸アルカリ金属塩を用いることにより皮膚刺激性、腐食性を低減することが可能であるが、甘皮除去及び皮膚軟化効果は低下する事が問題である。
【0006】
近年、ネイルサロン等では指先や足指の美粧としてネイルポリッシュやジェルネイルの施術以外にも爪の生え際や指先及び、足裏のケアが重要視されており、より効果的な甘皮除去及び皮膚軟化性能を有し、皮膚刺激性、腐食性の低減された角質軟化組成物が求められている。
【0007】
近年、医療分野において人体の健康を損ねることなく体液・人体組織に作用するという特性から生体活性材料に注目が集まっている。特に、外科手術の分野では人体組織の置換・修復用素材として多用されており、生体活性材料の主な原材料は、セラミック、ガラス、ガラスセラミックス、およびそれらの混合物(複合材料)などである。ここで、生体活性ガラスは生体活性材料の重要なカテゴリーのひとつで、生体の健康や組織に影響を及ぼすことなく体液や組織と相互作用することを通して自然治癒を促進する。生体活性ガラスは、シリコン、カルシウム、ナトリウム、およびリンで構成されており、整形外科分野で広く使用されており、次いで歯科分野や化粧品産業にも応用されており、粉末やナノパウダーといった形態で販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−52154号
【特許文献2】特開2018−2636号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、爪の生え際や指先及び、足裏のケアにおいてより効果的な甘皮除去及び皮膚軟化性能を有し、皮膚刺激性、腐食性の低減された角質軟化組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の角質軟化組成物は生体活性ガラス抽出物を含むことを特徴とし、当該生体活性ガラス抽出物は水中で適切な時間反応させることによって製造される溶液を意味する。さらに、詳しくは生体活性ガラスを水中で反応後、反応溶液を濾過し製造された生体活性ガラス抽出物、保湿剤及び増粘剤からなる角質軟化組成物である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の角質軟化組成物は、手指及び足指の爪根元に生じる甘皮を柔らかくし、除去又は爪根元への押し上げをする事を助けるとともに、手指及び足指の爪周辺、かかと及び足裏の角質化された皮膚を柔らかくし、除去する事を助ける化粧料である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態にかかる角質軟化組成物の(a)使用前と(b)使用後の爪周辺の角質の様子を比較した図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる角質軟化組成物の(a)使用前と(b)使用後の足裏(かかと)周辺の角質の様子を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明には種々の代替形態が可能であるが、本明細書では本発明の特定の態様について詳述する。しかしながら、本明細書における特定の態様の記述は、本発明を特定の形態に限定しようと意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に規定した本発明の真意および範囲に含まれる全ての代替形を包含できる。
【0014】
本発明の角質軟化組成物とは、手指及び足指の爪根元に生じる甘皮を柔らかくし、除去又は爪根元への押し上げをする事を助けるとともに、手指及び足指の爪周辺、かかと及び足裏の角質化された皮膚を柔らかくし、除去する事を助ける化粧料である。
【0015】
本発明の角質軟化組成物とは、生体活性ガラスからの抽出物を含む事を特徴とする。
本発明の角質軟化組成物は、保湿剤及び増粘剤をさらに含んでいてもよい。
【0016】
本発明における生体活性ガラスとは、二酸化ケイ素及び酸化ナトリウム、酸化カルシウム、五酸化リンを含む粉末状ガラス物質である。生体活性ガラスは水分により活性化され、高い生物学的利用能を有する構成成分のイオン(生体活性ガラスからの抽出物)が放出される、特に本発明の角質軟化組成物においてはナトリウムイオン及びカルシウムイオンが角質軟化効果に効果的である。
【0017】
生体活性ガラスは、アルカリイオンを徐放する崩壊性を有するガラスであれば特に制限されないが、例えば、歯科材料で用いられるフルオロアルミノシリケートガラスや、SCHOTT社のVitryxxなどが挙げられる。
【0018】
生体活性ガラスの平均粒子径は、特に制限されないが、例えば、2.0μm、3.0μm、5.0μm、8.0μm、10.0μm、15.0μmなどでもよく、これらの数値のいずれかの範囲でもよい。
【0019】
本発明における生体活性ガラスからの抽出物とは、一例として生体活性ガラスを適切な溶媒(水またはtris緩衝液)の中で適切な時間混合することによって製造される溶液を意味することを意図しており、そしてその溶液は次いで濾過されて生体活性ガラス抽出物となる。また、さらに増粘剤、有機溶剤等を混合し適切な粘性や揮発性を付与した、角質軟化組成物である
【0020】
本発明の角質軟化前駆組成物とは、生体活性ガラス及び水を含むものである。
すなわち、生体活性ガラスを水系溶媒に混合させている状態の組成物のことである。
【0021】
本発明の角質軟化組成物の製造方法は、生体活性ガラスを1分以上100000時間以下の間水中で混合して、生体活性ガラス、前記生体活性ガラスからの抽出物、及び水を含む角質軟化前駆組成物を生成する抽出ステップと、前記角質軟化前駆組成物をろ過して前記生体活性ガラスを除去し、前記抽出物及び前記水を含む角質軟化組成物を生成するろ過ステップと、を含むものである。
【0022】
生体活性ガラスを水中で混合する時間は、生体活性ガラスからイオンが十分に抽出できる時間であれば特に制限されないが、例えば、1分以上100000時間以下であり、2分以上5000時間以下であり、3分以上3000時間以下であり、5分以上1000時間以下であり、6分以上500時間以下であり、7分以上300時間以下であり、8分以上200時間以下であり、10分以上100時間以下である。
安定的に生体活性ガラスからイオンを抽出するためには、8分以上200時間以下であることが好ましく、10分以上100時間以下であることがさらに好ましい。
【0023】
生体活性ガラスを混合する方法は、特に制限されないが、例えば、超音波発振器、シェーカー、ミキサー、スターラーなどの機器を用いて混合することができる。
【0024】
本発明の角質軟化組成物のpHは、角質軟化作用を発揮することができれば特に制限されないが、例えば、7、8、9、10、11、12などでもよく、これらの数値のいずれかの範囲でもよい。
本発明の角質軟化組成物のpHは、皮膚へのダメージを低減する観点から、弱アルカリ性であることが好ましく、8以上11以下であることがより好ましく、9以上11以下であることがさらに好ましく、9.5以上10.5以下であることが特に好ましい。
【0025】
pHが8以上11以下とは、日用品の石鹸水やアルカリ温泉と同等のpHである。これらは、室温・短時間では角質軟化効果は通常は認められませんが、本発明の角質軟化組成物は、角質への浸透効果を高めるアルカリイオン成分(ミネラル成分)を含むため、室温・短時間でも角質軟化効果を発揮することができる。
【0026】
従来の角質軟化剤は、pHが11よりも大きい強アルカリ性のものが主流であった。これらの角質軟化剤は、高い角質軟化効果を発揮する一方で、皮膚刺激性、腐食性が高く、皮膚にダメージを与えてしまうという問題があった。
しかしながら、本発明の角質軟化剤は、pHを弱アルカリ性に抑えたとしても、高い角質軟化効果を発揮することから、高い角質軟化効果と、皮膚へのダメージの低減を両立することができるものである。
【0027】
その他、本発明の角質軟化組成物は、従来の角質軟化剤にはない下記のような効果を発揮することができる。
1. 皮膚の赤みを抑制する効果
生体活性ガラスからの抽出物を含むことにより、紫外線処理や化学皮膚バリアの損傷によって生じる赤みが抑えられることなどが明らかになっている。
2. しわを目立たなくする効果
生体活性ガラスからの抽出物を含むことにより、短期間でしわの長さと深さが目に見える形で大幅に減少することが明らかになっている。
3. 抗酸化効果
生体活性ガラスからの抽出物を含むことにより、生体外タンパク質カルボニルアッセイやその他の試験環境において明確な抗酸化効果を発揮することが明らかになっている。
【0028】
増粘剤とは、角質軟化組成物の粘度を向上させて、ゲル状やクリーム状にするために用いる添加物である。増粘剤は、例えば、クラリアントジャパン社「アリストフレックスHMB」、カルボキシビニルポリマーに代表される合成ポリマー、ペクチンやキサンタンガム等に代表される天然ポリマー、微粒子シリカやベントナイト、ヘクトナイトなどが挙げられる。
【0029】
湿潤剤・保湿剤とは、角質軟化組成物を使用して角質を除去した後に、角質を除去した患部を保湿する目的で用いる添加物である。湿潤剤・保湿剤は、例えば、ポリエチレングリコール600(略号:PEG600)、グリセリン、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖葵質、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビットなどの多価アルコール類などが挙げられる。
【0030】
本発明の角質軟化組成物は、上述した成分以外のその他成分を含むことができる。その他成分としては、例えば、有機溶剤、防腐剤、界面活性剤、香料、オイル、着色剤などが挙げられる。
【0031】
本発明の角質軟化組成物は、爪の生え際や指先及び、足裏のケアにおいてより効果的な甘皮除去及び皮膚軟化性能を有するものである。本発明の角質軟化組成物は、いわゆるキューティクルリムーバーに好適である。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態にかかる角質軟化組成物の(a)使用前と(b)使用後の爪周辺の角質の様子を比較した図である。
図1の(a)使用前の図に示すように、主に丸枠で囲った部位において、甘皮が付着していることが観察できる。図1の(b)使用後の図に示すように、この爪に対して本発明の角質軟化組成物を使用すると、甘皮をきれいに除去することができている。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態にかかる角質軟化組成物の(a)使用前と(b)使用後の足裏(かかと)周辺の角質の様子を比較した図である。
図2の(a)使用前の図に示すように、かかとの表面の角質が白く溝状に(ひび割れ)なっていることが観察できる。図2の(b)使用後の図に示すように、このかかとに対して本発明の角質軟化組成物を使用すると、白い溝状のひび割れを除去することができている。
【実施例】
【0034】
以下、具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。
【0035】
[本発明に使用した原材料]
1.生体活性ガラス SCHOTT社「Vitryxx(登録商標)」粉末状、平均粒子径2.0μm
2.蒸留水
3.湿潤剤・保湿剤 ポリエチレングリコール600(略号:PEG600)、グリセリン
4.無水エタノール
5.増粘剤 クラリアントジャパン社「アリストフレックスHMB」
【0036】
[生体活性ガラス抽出物の製造]
生体活性ガラス抽出物A:蒸留水98重量%、生体活性ガラス(Vitryxx)2重量%からなる混合物1000gをガラス瓶に調製し、24時間震盪させた後、1時間以上静置し生体活性ガラスを沈殿させた。次いで、親水性PTFEフィルター(細孔径:0.5μm)を使用して上澄み液を吸引濾過し、生体活性ガラス抽出物を製造した。
【0037】
生体活性ガラス抽出物B:蒸留水96重量%、生体活性ガラス(Vitryxx)4重量%からなる混合物1000gをガラス瓶に調製し、24時間震盪させた後、1時間以上静置し生体活性ガラスを沈殿させた。次いで、親水性PTFEフィルター(細孔径:0.5μm)を使用して上澄み液を吸引濾過し、生体活性ガラス抽出物を製造した。
【0038】
[角質軟化組成物の製造及び評価]
以下の実施例および比較例の角質軟化組成物は、pHが9〜11程度の弱アルカリ性になっている。
【0039】
表 1 角質軟化組成物の配合表1
【0040】
【表1】
【0041】
表 2 角質軟化組成物の配合表2
【0042】
【表2】
【0043】
[実施例1、比較例1]
表1、2記載の配合表1、2に従って、各成分を計量し震盪混合し、角質軟化組成物を得た。
【0044】
[実施例2−6、比較例2−6]
表1、2記載の配合表1、2に従って、各成分を計量しホモミキサーを使用して液温60℃で6時間混合し角質軟化組成物を得た。
【0045】
実施例4−6及び比較例4−6の角質軟化組成物をPE性ボトル容器(20mL、中栓ノズル容器)に充填し、手指及び足指の爪根元に生じる甘皮処理用化粧料として使用した。実施例4−6の角質軟化組成物を甘皮及び甘皮周辺の皮膚に適用し、30秒間放置後に甘皮除去又は爪根元への押し上げを実施した結果、短時間で甘皮が軟化されており容易に除去又は爪根元への押し上げが可能であった。一方、比較例4−6の角質軟化組成物は、適用後30秒間及び60秒間放置しても甘皮及び皮膚角質の軟化は認められなかった。
【0046】
実施例1−3及び比較例1−3の角質軟化組成物をPE性ボトル容器(20mL、スプレータイプ容器)に充填し、足裏及びかかとの角質除去用化粧料として使用した。実施例1−3の角質軟化組成物を足裏及びかかとに噴霧し、30秒間放置後に足裏及びかかとの角質をフットファイル(足裏用やすり)にて除去した結果、短時間で角質が軟化されており容易に除去可能であった。一方で、比較例1−3の角質軟化組成物は、適用後30秒間及び60秒間放置しても角質の軟化は認められなかった。
【0047】
表 3 角質軟化組成物の配合表3
【0048】
【表3】
【0049】
表 4 角質軟化組成物の配合表4
【0050】
【表4】
【0051】
[実施例7、比較例7]
表3、4記載の配合表3、4に従って、各成分を計量し震盪混合し、角質軟化組成物を得た。
[実施例8−12、比較例8−12]
表3、4記載の配合表3、4に従って、各成分を計量しホモミキサーを使用して液温60℃で6時間混合し角質軟化組成物を得た。
【0052】
実施例10−12及び比較例10−12の角質軟化組成物をPE性ボトル容器(20mL、中栓ノズル容器)に充填し、手指及び足指の爪根元に生じる甘皮処理用化粧料として使用した。実施例10−12の角質軟化組成物を甘皮及び甘皮周辺の皮膚に適用し、30秒間放置後に甘皮除去又は爪根元への押し上げを実施した結果、短時間で甘皮が軟化されており容易に除去又は爪根元への押し上げが可能であった。一方、比較例10−12の角質軟化組成物は、適用後30秒間及び60秒間放置しても甘皮及び皮膚角質の軟化は認められなかった。
【0053】
実施例7−9及び比較例7−9の角質軟化組成物をPE性ボトル容器(20mL、スプレータイプ容器)に充填し、足裏及びかかとの角質除去用化粧料として使用した。実施例7−9の角質軟化組成物を足裏及びかかとに噴霧し、30秒間放置後に足裏及びかかとの角質をフットファイル(足裏用やすり)にて除去した結果、短時間で角質が軟化されており容易に除去可能であった。一方で、比較例7−9の角質軟化組成物は、適用後30秒間及び60秒間放置しても角質の軟化は認められなかった。
【0054】
表 5 角質軟化組成物の配合表5
【0055】
【表5】
【0056】
表 6 角質軟化組成物の配合表6
【0057】
【表6】
【0058】
表 7 角質軟化組成物の配合表7
【0059】
【表7】
【0060】
[実施例13、19]
表5、6記載の配合表5、6に従って、各成分を計量し震盪混合し、角質軟化組成物を得た。
【0061】
[実施例14−18、20−30]
表5、6、7記載の配合表5、6、7に従って、各成分を計量しホモミキサーを使用して液温60℃で6時間混合し角質軟化組成物を得た。
【0062】
実施例16−18、22−30の角質軟化組成物をPE性ボトル容器(20mL、中栓ノズル容器)に充填し、手指及び足指の爪根元に生じる甘皮処理用化粧料として使用した。実施例16−18、22−30の角質軟化組成物を甘皮及び甘皮周辺の皮膚に適用し、30秒間放置後に甘皮除去又は爪根元への押し上げを実施した結果、短時間で甘皮が軟化されており容易に除去又は爪根元への押し上げが可能であった。
【0063】
実施例13−15、19−21の角質軟化組成物をPE性ボトル容器(20mL、スプレータイプ容器)に充填し、足裏及びかかとの角質除去用化粧料として使用した。実施例13−15、19−21の角質軟化組成物を足裏及びかかとに噴霧し、30秒間放置後に足裏及びかかとの角質をフットファイル(足裏用やすり)にて除去した結果、短時間で角質が軟化されており容易に除去可能であった。
【0064】
表 8 角質軟化組成物の配合表8
【0065】
【表8】
【0066】
[実施例31−36]
表8記載の配合表8に従って、各成分を計量し震盪混合し、角質軟化組成物を得た。
【0067】
実施例31−36の角質軟化組成物をPE性ボトル容器(20mL、中栓ノズル容器)に充填し、手指及び足指の爪根元に生じる甘皮処理用化粧料として使用した。実施例31−36の角質軟化組成物を甘皮及び甘皮周辺の皮膚に適用し、30秒間放置後に甘皮除去又は爪根元への押し上げを実施した結果、短時間で甘皮が軟化されており容易に除去又は爪根元への押し上げが可能であった。さらに、実施例31−36の角質軟化組成物をPE性ボトル容器(20mL、スプレータイプ容器)に充填し、足裏及びかかとの角質除去用化粧料として使用した。実施例31−36の角質軟化組成物を足裏及びかかとに噴霧し、30秒間放置後に足裏及びかかとの角質をフットファイル(足裏用やすり)にて除去した結果、短時間で角質が軟化されており容易に除去可能であった。
【0068】
表 9 角質軟化組成物の配合表9
【0069】
【表9】
【0070】
表 10 角質軟化組成物の配合表10
【0071】
【表10】
【0072】
表 11 角質軟化組成物の配合表11
【0073】
【表11】
【0074】
[実施例37-48、比較例13−18]
表9−11記載の配合表9−11に従って、各成分を計量しホモミキサーを使用して液温60℃で6時間混合し角質軟化組成物を得た。
【0075】
実施例37-48、比較例13−18の角質軟化組成物をPE性ボトル容器(20mL、中栓ノズル容器)に充填し、手指及び足指の爪根元に生じる甘皮処理用化粧料として使用した。実施例37-48の角質軟化組成物を甘皮及び甘皮周辺の皮膚に適用し、30秒間放置後に甘皮除去又は爪根元への押し上げを実施した結果、短時間で甘皮が軟化されており容易に除去又は爪根元への押し上げが可能であった。一方、比較例13−18の角質軟化組成物は、適用後30秒間及び60秒間放置しても甘皮及び皮膚角質の軟化は認められなかった。
【要約】      (修正有)
【課題】爪の甘皮及び皮膚の角質を効果的に軟化することが出来る、皮膚刺激性、腐食性の低減された角質軟化組成物の提供。
【解決手段】生体活性ガラス及び水を含む、角質軟化前駆組成物。生体活性ガラスからの抽出物を含む、角質軟化組成物。該角質軟化組成物は、保湿剤及び増粘剤をさらに含むことができる。生体活性ガラスから放出されたナトリウムイオン及びカルシウムイオンの効果により爪の甘皮及び皮膚の角質を効果的に軟化することが出来る。
【選択図】図1
図1
図2