(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0018】
(加工機の構成)
図1は、加工機の構成例を示す斜視図である。
本実施形態に係る集塵装置1は、加工機100によって加工される対象物Wから発生する粉塵等を捕獲するものである。
図1に示す加工機100は、レーザ加工機である。レーザ加工機は、レーザ光のエネルギーを利用して対象物Wの切断等の加工を行う装置である。
【0019】
加工機100は、加工機本体110と、ステージ120と、レーザ出射ヘッド130と、集塵ノズル140と、移動ユニット150と、本実施形態に係る集塵装置1と、を備える。加工機本体110には、正面にスイッチ類111が配置され、内部には図示しない電源ユニット、制御回路、負圧ポンプなどが組み込まれている。加工機本体110の近傍には、ディスプレイ115、キーボード116およびマウス117などの入出力機器が配置され、加工プログラムによる各種の加工条件の設定、読み込み、保存、加工制御を行えるようになっている。
【0020】
ステージ120は、加工機本体110の上に配置され、一方向(例えば、Y軸方向)に移動可能になっている。ステージ120の上には対象物Wが載置される。対象物Wは、ステージ120上に、例えば負圧によって吸着固定される。
【0021】
移動ユニット150は、例えば門型に構成され、ステージ120の上方に配置される。移動ユニット150には、レーザ出射ヘッド130が取り付けられる。レーザ出射ヘッド130は、移動ユニット150によって一方向(例えば、X軸方向)に移動可能になっている。なお、本実施形態では、移動ユニット150によってレーザ出射ヘッド130をX軸方向、ステージ120をY軸方向に移動させて、レーザ光と対象物WとのXY軸に沿った相対的な位置関係を設定しているが、移動ユニット150およびステージ120のいずれか一方をXY軸に沿って移動可能に構成してもよい。
【0022】
レーザ出射ヘッド130は、レーザ光を図示しない光学系によって集光して対象物Wに照射する。本実施形態において、レーザ出射ヘッド130はスキャンミラーによってレーザ光の照射角度を変化させて、レーザ光の照射範囲を走査できるようになっている。レーザ出射ヘッド130は、例えばガルバノスキャナヘッドである。加工の対象物Wとしては、例えば金属、樹脂、紙、木材など、各種の材料のものである。
【0023】
集塵ノズル140は、レーザ加工を行う際に対象物Wから発生する粉塵等を吸引して集める。本実施形態では、集塵ノズル140は、対象物Wの上方に配置され、レーザ出射ヘッド130から出射されるレーザ光の照射範囲を取り囲むような円錐台状のフードを備える。集塵ノズル140には吸引ダクト145が設けられ、集塵ノズル140で集めた粉塵等を、吸引ダクト145を介して吸い上げている。
【0024】
本実施形態に係る集塵装置1は、粉塵等を吸引して引き込むダクト(粉塵等を吸引してから排出装置へ送るまでの通路)の途中に設けられる。集塵装置1は、筒型に設けられた本体10と、本体10の内部から外部に延出する排気管30と、本体10の内部に液体キャッチャ20を形成するための液体LQを供給する供給ノズル40と、液体LQを回収する回収部50と、回収部50から供給ノズル40へ液体LQを戻すポンプ60と、を備える。なお、
図1に示す集塵装置1においては、説明の便宜上、本体10の蓋を外した状態が示される。
【0025】
この加工機100で対象物Wの加工を行うには、先ず、ステージ120上に対象物Wを載置して、吸引等によって固定する。次に、所定のプログラムによって加工手順を設定し、実行すると、レーザ出射ヘッド130から対象物Wにレーザ光が照射され、レーザ光のエネルギーによって対象物Wの加工(切断、溝加工、マーキングなど)が施される。レーザ光の照射位置は、プログラムの処理によって、レーザ光のスキャンと、ステージ120および移動ユニット150の動作によって制御される。
【0026】
集塵装置1の後段には図示しない吸引装置が接続される。加工機100による加工処理を行う間、吸引装置で発生された負圧によって粉塵等の吸引を行う。すなわち、加工によって対象物Wから発生した粉塵等は、この吸引力によって集塵ノズル140で集められ、吸引ダクト145を介して本実施形態の集塵装置1に送られる。
【0027】
集塵装置1では、本体10の内部で発生した回転気流によって吸引された粉塵等が遠心分離される。さらに、この回転気流を利用して本体10の内壁面に沿って回転する液体キャッチャ20が形成され、遠心分離した粉塵等が液体キャッチャ20で捕獲される。粉塵等の除去された空気は排気管30から排気ダクト35を介して吸引装置から排出される。
【0028】
(集塵装置の詳細)
図2(a)および(b)は、本実施形態に係る集塵装置の詳細を示す図である。
図2(a)には集塵装置1を斜め上方からみた斜視図が表され、
図2(b)には集塵装置1を側方からみた透視図が表される。
【0029】
集塵装置1の本体10は、例えば円筒型に構成される。なお、本体10は、多角形型であってもよい。本体10は、ほぼ一定の内径を有する直胴部11を有する。直胴部11の開口端11b(本体10の他方端)には蓋12が着脱自在に設けられる。直胴部11の開口端11bとは反対側の後端11aには導入部13が設けられる。導入部13の導入パイプ131には吸引ダクト145が接続される。本実施形態では、集塵ノズル140から延びる2本の吸引ダクト145が導入部13の導入パイプ131に接続される。
【0030】
導入パイプ131は、筒状の本体10における内壁面の接線方向に延びる。2本の導入パイプ131のそれぞれは、内壁面の周において互いに180°ずれた位置で反対方向に延びるよう設けられる。
【0031】
吸引ダクト145から吸引された空気は、導入パイプ131から導入部13に送られ、ここで回転しながら本体10の内部に引き込まれることになる。導入部13で回転した空気は、本体10の内壁面に沿って旋回しながら進む回転気流となる。
【0032】
本体10の例えば導入部13には供給ノズル40が設けられる。供給ノズル40は本体10の内部に液体LQを供給する。本体10の内部で回転気流が発生している状体で供給ノズル40から液体LQを供給すると、液体LQは回転気流によって筒状の本体10の内壁面に回転しながら拡がり、液体キャッチャ20を構成する。液体キャッチャ20は回転気流に合わせて本体10の内部を回転していく。
【0033】
このように、円筒状の本体10の内部に回転する液体LQの膜を張った様な状態となり、比重の重い粉塵や煙は液体キャッチャ20で捕捉される。本体10は排気管30の開口側が上になるよう、僅かに斜めに配置されることが望ましい。本体10の下方にはドレン42が設けられる。液体LQはこのドレン42より後段の回収部50に回収される。集塵を行っている間、供給ノズル40から液体LQが連続または断続的に供給され、回転気流とともに液体キャッチャ20が構成される。また、所定量の液体LQはドレン42から回収部50に回収される。そして、液体LQはポンプ60によって回収部50から供給ノズル40に戻される。これにより、液体LQは供給ノズル40、本体10、ドレン42から回収部50、ポンプ60から供給ノズル40を循環していくことになる。
【0034】
供給ノズル40から供給する液体LQとしては、水のほか、VOC消臭液、微酸性電解水、次亜塩素酸ナトリウム水および銀イオン水のうち選択された少なくとも1つを含んでいてもよい。これにより、加工により発生した臭気を除去することができる。
【0035】
図3は、回転気流および液体キャッチャによる粉塵等の捕獲について例示する模式図である。
図4は、液体の循環について例示する模式図である。
導入部13の導入パイプ131から本体10の内部に空気が引き込まれると、本体10の内部では矢印Aに示すような回転気流が発生する。この回転気流によって空気に含まれる粉塵等は遠心分離される。また、供給ノズル40から本体10内に液体LQを供給すると、この回転気流によって液体LQが回転して液体キャッチャ20が構成される。遠心分離された粉塵等は本体10の内壁面に沿って設けられた液体キャッチャ20で捕獲される。
【0036】
ここで、供給ノズル40は、回転気流の流れの方向である矢印Aに沿って液体LQを噴射することが好ましい。これにより、液体LQを回転気流に沿って効率良く拡散させることができる。また、液体LQの粒の大きさは、回転気流によって本体10の内壁面に回転する液体キャッチャ20が構成される大きさにすることが望ましい。液体LQの粒が小さすぎると液体キャッチャ20による粉塵等の捕獲効果を十分に得られない。一方、液体LQの粒が大きすぎると回転気流による粉塵等の遠心分離の効果を十分に得られない。したがって、本体10の内容量、回転気流の流速などによって適度な液体LQの粒径が設定される。
【0037】
集塵装置1では、本体10の内部で回転気流を発生させて、その回転気流による遠心力で外側に分離する粉塵等を、本体10の内壁面側に押し付けられる力を利用して液体キャッチャ20で捕獲する。そして、粉塵等が除去された空気は、矢印Bに示すように、本体10の内部の途中、中心部分から外部に延出する排気管30を通って外部に排出される。
【0038】
また、液体キャッチャ20が本体10内で回転する際、液体キャッチャ20を構成する液体LQの一部は本体10の下方に設けられたドレン42から少しずつ排出され、回収部50に蓄積される。回収部50にはポンプ60が設けられる。このポンプ60によって回収部50に回収された液体LQは供給ノズル40に戻される。これによって、集塵を行っている間、液体LQは循環して連続的に液体キャッチャ20を構成することができる。
【0039】
液体LQの循環にあたり、ポンプ60と供給ノズル40との間にフィルタ70を設けておくことが望ましい。フィルタ70は、例えば中空糸フィルタを含む。回収部50に回収される液体LQには粉塵等が含まれている。このフィルタ70を通過させることで液体LQに含まれる粉塵等を除去し、綺麗な液体LQを供給ノズル40に戻しノズルの目詰まりを防止することができる。
【0040】
本実施形態に係る集塵装置1のように、本体10内で回転気流とともに液体キャッチャ20を形成することで、吸引した空気に含まれる粉塵等を回転気流で遠心分離しつつ、液体キャッチャ20で捕獲することができる。これにより、フィルタを通して集塵する装置に比べてフィルタによる圧力損失を受けることなく空気を排出することができ、集塵効率の低下を抑制することができる。また、集塵作用によって浄化された空気を排出する際、空気に湿気を含ませることができる。したがって、この集塵装置1では、集塵効果とともに加湿効果を得ることができる。また、液体キャッチャ20によって粘性の高い煙やヤニであっても液体LQに付着させて効果的に除去することが可能となる。
【0041】
図5は、排気管および吸引装置の接続について例示する模式図である。
図5に示すように、排気管30は排気ダクト35によって引き延ばされており、後端には後端開口部30aが設けられる。排気ダクト35は回収部50内に挿入され、後端開口部30aは回収部50の内側に配置される。
【0042】
一方、吸引装置200には空気を吸い込む吸引口200aが設けられる。吸引口200aは回収部50の内側に配置される。すなわち、後端開口部30aおよび吸引口200aは、回収部50内で互いに離間して配置される。
【0043】
このような構成によって吸引装置200の吸引口200aから吸引を行うと、回収部50内の上部に設けられる空間が負圧となり、同じ空間に配置された後端開口部30aから排気ダクト35を介して排気管30内が負圧となる。これにより、本体10内に配置された排気管30の開口から本体10内の空気が吸い込まれる。この吸引力によって集塵ノズル140から粉塵等を含む空気が引き込まれる。そして、本体10内では回転気流とともに液体キャッチャ20が構成されることになる。
【0044】
このような集塵動作において、液体キャッチャ20として本体10内で回転する液体LQの一部は吸引される空気に混じって排気管30から吸い込まれることになる。排気管30から吸い込まれた空気は排気ダクト35を介して後端開口部30aから回収部50内に送られ、吸引口200aから吸引装置200に引き込まれる。
【0045】
この際、回収部50内において後端開口部30aおよび吸引口200aが互いに離間しているため、空気が後端開口部30aから吸引口200aまで引き込まれる間、回収部50内の上部の空間内で図中矢印Cに示すような気流が発生する。この気流によって排気管30から吸い込まれた空気に含まれる液体LQは分離され、吸引口200aよりも吸引口200aよりも下に振り落とされる。これによって吸引口200aから吸い込まれる液体LQの量を抑制することができる。
【0046】
図6および
図7は、本実施形態に係る集塵装置を筐体に組み込んだ例を示す模式図である。
図6には正面図、
図7には側面図が示される。なお、説明の便宜上、筐体500は二点鎖線で示される。また、
図6において吸引装置200は省略されている。
本体10およびフィルタ70は筐体500の上部に配置される。また、回収部50は筐体500の下部に配置される。
【0047】
本体10の下方から延出するドレン42は筐体500の下部に設けられた回収部50内に引き込まれている。また、排気管30から延びる排気ダクト35は筐体500の上部から下部の回収部50内に引き込まれている。
【0048】
筐体500に設けられた回収部50の上部には開口部50aが設けられ、この開口部50aに吸引装置200の吸引口200aが接続される。これにより、回収部50の上部空間の空気を吸引口200aから引き込むことができる。
【0049】
開口部50aと吸引装置200との間にフィルタ部220が設けられている。本実施形態では、液体キャッチャ20によって多くの粉塵等が捕獲されるため、吸引装置200に引き込まれる粉塵等の量を少なくすることができる。したがって、フィルタ部220のメンテナンス頻度を低くすることができる。
【0050】
回収部50内において開口部50aの下側から横方向に延出する分離プレート50bを設けてもよい。分離プレート50bを設けることで吸引口200aから空気を吸引する際、回収部50に回収された液体LQが吸引力で開口部50aへ直接向かうことを防止することができる。
【0051】
また、回収部50内に引き込まれた排気ダクト35の後端開口部30aは、開口部50aとは反対側に向くよう設けられていてもよい。例えば、排気ダクト35の後端を斜めにカットする。これにより、後端開口部30aの向きが開口部50aとは反対側になる。また、後端開口部30aの向きが液体LQ側を向かないようになる。このようにすることで、後端開口部30aから吸引口200aに向かう空気の流れに長い経路が構成され、回収部50の上部の空間で気流を発生させやすくなる。この気流によって空気に含まれる液体LQが分離され、回収部50での液体LQの回収率が高まるとともに、吸引口200aから吸引される液体LQの量を減少させることができる。
【0052】
上記のように、本体10、フィルタ70および回収部50が筐体500に組み込まれていることで、集塵装置1の設置や移動が容易となる。なお、フィルタ70を外から見える位置に配置し、透光性を有するケースで構成しておくことで、フィルタ70の汚れ具合を容易にチェックすることができる。また、フィルタ70の交換作業が容易となる。また、回収部内に液体の供給口、排出ドレン、および液面センサを備えることにより回収部内の液体量の把握および液体の定期的な交換を行うことができる。
【0053】
図8および
図9は、本実施形態に集塵装置を筐体に組み込んだ他の例を示す模式図である。
図8には正面図、
図9には側面図が示される。なお、説明の便宜上、筐体500は二点鎖線で示される。また、
図8において吸引装置200は省略されている。
この例においては、筐体500の下部に設けられた回収部50の上方から筐体500の外部へ延びる排出ダクト38が設けられる。排出ダクト38は吸引装置200のフィルタ部220に接続される。
【0054】
排出ダクト38の筐体500内の一端である吸引口38aは斜めに設けられていてもよい。例えば、排出ダクト38の後端を斜めにカットする。吸引口38aは、後端開口部30aとは反対向きに開口することが好ましい。吸引口38aの下側には分離プレート50bが設けられていてもよい。
【0055】
吸引口38aの高さは、後端開口部30aの高さよりも高くすることが好ましい。このようにすることで、後端開口部30aから吸引口38aに向かう空気の流れに長い経路が構成され、回収部50の上部の空間で気流を発生させやすくなる。この気流によって空気に含まれる液体LQが分離され、回収部50での液体LQの回収率が高まるとともに、吸引口38aから吸引される液体LQの量を減少させることができる。
【0056】
この例では、回収部50と吸引装置200とが排出ダクト38で接続されるため、排出ダクト38を取り回すことで吸引装置200の配置の自由度が高まる。
【0057】
(導入パイプの角度)
ここで、本体10に接続される導入パイプ131の角度について説明する。
図10は、導入パイプの角度を例示する模式図である。
図10には、本体10を正面からみた模式図が示される。
本体10に対して導入パイプ131が側方から接続される場合、導入パイプ131を水平に配置してもよいが、上から斜め下に向けて接続してもよい。
【0058】
図10に示す例では、導入パイプ131は本体10の斜め上から斜め下に向けて本体10に接続される。すなわち、導入パイプ131は、本体10との接続位置から離れる方向に斜め上に傾斜している。水平に対する導入パイプ131の接続角度をθとした場合、θは5°以上90°未満、好ましくは5°以上45°未満、より好ましくは10°以上30°未満となっていっている。
【0059】
このように導入パイプ131が本体10に対して傾斜して接続されていることで、本体10の回転気流に合わせて液体LQが回転する場合、液体LQが導入パイプ131に逆流することを抑制できる。すなわち、本体10内で液体LQが回転すると遠心力によって外側に押し付けられ、導入パイプ131に逆流しようとする。特に、吸引ダクト145が本体10の下方から導入パイプ131に接続される構成の場合、導入パイプ131に液体LQが逆流すると吸引ダクト145へ入り込みやすくなる。このような構成でも上記のように導入パイプ131を傾斜させることで、回転する液体LQが導入パイプ131から吸引ダクト145へ逆流することを効果的に抑制できる。
【0060】
(他の実施形態)
次に、集塵装置1の他の実施形態について説明する。
図11は、他の実施形態に係る集塵装置を例示する斜視図である。
図12は、他の実施形態に係る集塵装置を例示する断面図である。
なお、説明の便宜上、
図11では本体10の部分について透視した図が示される。
【0061】
他の実施形態に係る集塵装置1において、回収部50は本体10の内部における排気管30とは反対側に設けられる。すなわち、回収部50は本体10と一体構造になっている。回収部50に液体LQが回収されることから、本体10は回収部50を下にして配置される。
【0062】
排気管30は、内筒301と外筒302とを有する。外筒302は内筒301の外側に配置される。内筒301および外筒302はほぼ同軸上に配置されており、内筒301の外周面と外筒302の内周面との間に隙間が設けられる。
【0063】
外筒302の回収部50側の一端302aは、内筒301の回収部50側の一端301aよりも回収部50側に延出している。また、外筒302の他端302bと内筒301の外周面301sとの間には隙間Gが設けられる。さらに、内筒301の他端301bは、本体10から外部に延出している。
【0064】
供給ノズル40はリング状になっており、外筒302の他端302bの上側で内筒301の外周面302sに沿って配置される。供給ノズル40と隙間Gとの間には網状体80が設けられていてもよい。
【0065】
本体10の下方に設けられた回収部50には、筒状の内壁51が設けられる。内壁51の上端51aは、外筒302の下端である一端302aよりも高くなっている。すなわち、外筒302の一端302aは、内壁51の筒の内側に入り込むように配置される。このような内壁51があることで、回収部50に回収された液体LQの高さが内壁51の上端51aまで達することになる。これにより、外筒302の一端302aは、内壁51の内側で液体LQに浸かる状態となる。一方、内筒301の下端である一端301aは内壁51の上端51aよりも高い位置に配置される。したがって、内筒301の一端301aと液体LQとの間には隙間が構成される。
【0066】
このような集塵装置1において、集塵ノズル140から吸い込んだ粉塵等が含まれる空気は、2本の吸引ダクト145を介して吸い上げられ、導入パイプ131から本体10内に引き込まれる。2本の導入パイプ131のそれぞれは、互いに本体10の180°ずれた位置に取り付けられるため、本体10内に引き込まれた空気は外筒302の外周に沿って旋回して回転気流となる。
【0067】
回転気流となった空気は外筒302に沿って上昇し、隙間Gから内筒301と外筒302との隙間に進んでいく。内筒301と外筒302との隙間に進んだ空気はこの隙間で回転気流となって下降していく。そして、内筒301の一端301aから内筒301の内側に入って再び上昇し、本体10の外へ排出される。
【0068】
このような空気の吸い込みに加え、供給ノズル40から液体LQを供給すると、内筒301の外側において回転気流に液体LQが拡散される。網状体80が設けられている場合には、供給ノズル40から網状体80に向けて液体LQを噴射することで、網状体80を通過する際に液体LQが拡散され、効率良く回転気流に液体LQを含ませることができる。網状体は上部より常に液体が噴射されていることから常に洗浄されている状態と等しくなり、目詰まりは発生しにくい。
【0069】
液体LQは、外筒302の外側で発生する回転気流とともに内筒301と外筒302との隙間で発生する回転気流にも含まれる。したがって、これらの回転気流に合わせて本体10内に2つの液体キャッチャ20が構成される。そして、回転気流によって遠心分離された粉塵等は液体キャッチャ20の液体LQに捕獲される。粉塵等を捕獲した液体LQは徐々に本体10の下方の回収部50に回収される。そして、回収部50に溜まった液体LQは、ポンプ60によってフィルタ70に送られ、濾過された後、再び供給ノズル40に戻される。
【0070】
このような集塵装置1によれば、回収部50が本体10と一体化されているため装置構成を小型化することができる。また、内筒301および外筒302に沿って下方の回収部50に液体LQが回収されるため、ドレン42などの配管が不要となる。これによって装置構成を簡素化することができる。
【0071】
(導入口)
図13(a)および(b)は、導入口を示す断面図である。
導入パイプ131から本体10内に空気が流れ込む際、空気の流速を高めることで回転気流の回転速度を高めることができる。
【0072】
図13(a)に示す例では、本体10の導入パイプ131の内径d1よりも排気管30と本体10との隙間d2が狭くなるよう、排気管30の直径を大きくしている。これにより、導入パイプ131から本体10へ流れる空気の流路が狭くなり、排気管30の外側で発生する回転気流の回転速度が高まる。
【0073】
また、
図13(b)に示す例では、導入パイプ131の本体10の入口側にプレート132が設けられている。プレート132によって導入パイプ131から本体10へ流れる空気の流路が徐々に狭くなり、本体10に入る際の空気の流速を高めて回転気流の回転速度を高めることができる。
【0074】
いずれの例においても、本体10内で発生させる回転気流の回転速度を高めることで、遠心分離の効率を向上させることができる。
【0075】
(集塵ノズル)
図14は、集塵ノズルの例を示す断面図である。
本願発明者は、
図14に示す集塵ノズル140を創出し、特許に至った(特許第5729739号)。
【0076】
すなわち、この集塵ノズル140は、レーザ出射ヘッド130から出射されるレーザ光の回りを取り囲むことができる回転対称の形状を有する。集塵ノズル140は、レーザ光の走査エリア21を形成するために必要な錐状の空間23を取り囲む。
【0077】
この集塵ノズル140の下縁29と対象物Wとの間には隙間31が設けられ、周囲の空気を集塵ノズル140内へ供給する。加えて、集塵ノズル140の下端には、圧縮空気供給口33が接続され、圧縮空気を集塵ノズル140内へ供給し、これによっても集塵ノズル140内に旋回流を生じさせる。
【0078】
集塵ノズル140のスカート部25には吸引ダクト145が接続される。この吸引ダクト145は、スカート部25の水平断面において接線方向へ接続し、図示しない蛇腹管などにより連通する吸引ポンプの負圧により、排気をおこなう。これにより集塵ノズル140内に旋回流36を生じさせる。
【0079】
この集塵ノズル140によれば、集塵ノズル140の下縁29と対象物Wとの間に設けられた隙間31から集塵ノズル140内へ供給された空気41、および、集塵ノズル140の下端の圧縮空気供給口33から集塵ノズル140内へ供給された空気は、レーザ加工部位の近傍の空気をほぼ巻き込んで、上昇流となり、集塵ノズル140の回転対称の形状に沿って旋回流36となり、回転対称の形状の接線方向へ、吸引ダクト145を通って排気される。さらに昇降部27の上縁とレーザ出射ヘッド130との隙間32から供給される空気45は、下降流となって旋回流36に合流し、吸引ダクト145を通って排気される。
【0080】
このような集塵ノズル140を用いることで、加工機100における加工の際の粉塵等を効率良く吸引することができる。このような吸引効率の高い集塵ノズル140を用いた場合、通常のフィルタを用いた集塵機では、短時間でフィルタの目詰まりを起こしてしまう。そこで、本実施形態に係る集塵装置1を適用することで、粉塵等の効率のよい吸引から、目詰まりを発生させずに効果的な集塵を実現することができる。また、集塵ノズル140は2本の吸引ダクト145によって吸引していることから、2本の吸引ダクト145を集塵装置1の2つの導入パイプ131に1対1で接続することができる。このため、集塵ノズル140および集塵装置1は互いの接続マッチングに優れている。
【0081】
以上説明したように、実施形態に係る集塵装置1によれば、粉塵等をフィルタを用いることなく効率良く分離して除去することが可能になる。
【0082】
なお、上記に本実施形態およびその具体例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、集塵装置1に2本の導入パイプ131が本体10に取り付けられている例を示したが、導入パイプ131は本体10に1本または3本以上取り付けられていてもよい。また、レーザ出射ヘッド130は一軸方向に移動する移動ユニット150に設けられる場合のほか、多関節アームに設けられていてもよい。また、複数の集塵装置1を並列または直列に配置することで、より集塵効率の高い集塵システムを構成してもよい。また、前述の各実施形態またはその具体例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。