【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1)ウェブサイトの掲載日 平成29年6月23日 ウェブサイトのアドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000010744.html 2)ウェブサイトの掲載日 平成29年6月23日 ウェブサイトのアドレス http://flowfushi.com/lip38/ 3)ウェブサイトの掲載日 平成29年6月23日 ウェブサイトのアドレス https://www.excite.co.jp/News/release/20170623/Prtimes_2017−06−23−10744−34.html 4)ウェブサイトの掲載日 平成29年6月24日 ウェブサイトのアドレス https://www.fashion−press.net/news/31676
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記右側面壁部及び前記左側面壁部の厚さは、前記本体下部に近づくほど薄くなるように構成されており、かつ、前記本体中部において、前記右側面壁部及び前記左側面壁部の厚さが薄くなる程度が大きくなる減少拡大位置を有し、
前記本体中部と前記本体下部の境界部が、前記容器本体において最も壁の厚さが薄い最薄部として形成されており、
前記最薄部の内面及び外面は曲面として形成されている、
請求項1に記載の化粧品容器。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる化粧品容器の概略斜視図である。
【
図12】化粧品容器の内部を示す概略正面図である。
【
図13】容器本体に格納した化粧料の像の屈折状態を示す概略正面図である。
【
図16】リップグロスを格納した状態の実施品の正面図である。
【
図17】リップグロスを格納した状態の実施品の側面図である。
【
図18】リップグロスを格納した状態の実施品の斜視図である。
【
図19】リップグロスを格納した状態の実施品の斜視図である。
【0014】
以下、図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。
図1に示すように、化粧品容器1(以下、「容器1」という。)は、キャップ10と化粧品容器本体50(以下、「容器本体50」という。)から構成される。容器本体50は、容器本体の一例である。キャップ10は、キャップの一例である。キャップ10は螺子によって、容器本体50と着脱自在に係合する。容器本体50とキャップ10は、光透過性を有する材料を使用したインジェクションブロー成型によって、形成されている。光透過性を有する材料は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)樹脂である。なお、光透過性を有する材料は、透明の材料であってもよいし、半透明の材料であってもよい。
【0015】
容器本体50には、リップグロス、マスカラ、あるいは、液体ファンデーションなどの液体の化粧料が格納される。本明細書において、キャップ10が位置する方向を上側(上方)、容器本体50が位置する方向を下側(下方)と呼ぶ。上側にあるほど「高い位置」、下側にあるほど「低い位置」と表現する。容器本体50の内部を「内側」、外部を「外側」と呼ぶ。紙面手前側を「前側」、紙面裏側を「後側」と呼ぶ。内側及び後側と直交する方向を紙面手前側から見て「左側」、「右側」と呼ぶ。
【0016】
図1に示すように、容器1は、正面壁部52Aの面積が右側面壁部52Cの面積よりも大きい扁平形状に形成されている。背面壁部52Bと左側面壁部52D(
図8等参照)の面積の関係も同様である。そして、容器1は、正面視において、キャップ10の最上部10dを頂点として、底面壁部52Eを底辺とし、角を丸めた二等辺三角形の形状に形成されている。容器1は、前後左右方向において対称の形状に形成されており、
図1とは反対の裏面方向からの斜視図も、
図1と同様である。容器1の側面視の形状は、角を丸めた長方形の形状である(
図17参照)。
【0017】
キャップ10の正面部10aは平坦であり、曲面部10bによって、側面部10cと連続している。同様に、容器本体50の正面部52aは平坦であり、曲面部52bによって、側面部52cと連続している。
【0018】
図2及び
図3に示すように、キャップ10の底部10eには開口部が形成されており、開口部と連続して空間S1(
図3参照)が形成されている。空間S1の内面10fに、
図4に示す内キャップ20が固定される。
【0019】
図4に示すように、内キャップ20の外面22は、縦長の突条部22a及び22b、及び、横長の突条部22cが形成されており、キャップ10の空間S1の内壁10fに形成された溝部(図示せず)と係合するように構成されている。
図5に示すように、内キャップ20の底部22fには開口部が形成されており、開口部に連続して空間S2が形成されている。空間S2の内壁22gには雌螺子22aが形成されている。
【0020】
図4及び
図5に示すように、内キャップ20の底部22fの外周底面には、傾斜突起部22e及び22dが形成されている。傾斜突起部22eと22dの間(
図4参照)に、容器本体部50の係止用突起部52i(
図6参照)が着脱自在に係合するようになっている。
【0021】
図6に示すように、容器本体50は、本体部50aと本体螺子部50bで構成される。
本体螺子部50bがキャップ10と係合する。本体部50aは、本体螺子部50bの下方に連続して形成される本体上部50uと、本体上部50uの下方に連続して形成される本体中部50tと、本体中部50tの下方に連続して形成される本体下部50dから構成される。本体上部50u、本体中部50t及び本体下部50dは、化粧料100(
図13、
図16乃至
図19参照)を格納する空間S4(
図13参照)を構成する正面壁部52A、背面壁部52B、右側面壁部52C、左側面壁部52D、及び、底面壁部52Eを構成する(
図7乃至
図9参照)。
【0022】
本体螺子部50bは、円筒部52fと、円筒部52fに形成される雄螺子52gで構成される。円筒部52fの内部には、円筒状のパッキン70(
図10及び
図11参照)が配置される。本体部50aの肩部52eと円筒部52fに接して、係止用突起部52iが形成されている。
【0023】
ここで、パッキン70について説明する。
図10及び
図11に示すように、パッキン70は、全体として円筒形状に形成されており、パッキン本体部70aと拡径部70bで構成される。パッキン本体部70aはパッキン本体部の一例である。パッキン本体部70aの外周面70aaには、環状の凸部70a1及び70a2が形成されており、円筒部52fの内側へ固定しやすくなっている。
【0024】
拡径部70bは、上端部(開口端部)70ba、傾斜部70bb、外側傾斜部70bc及び下端部70bdで構成される。上端部70baは、開口端部の一例である。傾斜部70bbは傾斜部の一例である。
【0025】
パッキン70は、上端部70baの直径がパッキン本体部70aの外周面の直径よりも大きい円筒形状に構成されている。傾斜部70bbは、パッキン本体部70a内の空間70S1への入口部70abから上端部70baへ向かって、放物線状に次第に拡径する形状に構成されている。傾斜部70bbの終端部が上端部70baである。
【0026】
上端部70baは、パッキン本体部70aを構成する壁部の外面(外周面70aa)よりも外側に位置する(
図11参照)。すなわち、上端部70baの直径dBは、パッキン本体部70aの外周面70aaの最大径dAよりも大きい。
【0027】
パッキン70は、弾性を有する樹脂材料で形成される。弾性を有する材料は、例えば、ポリエチレン(polyethylene)である。キャップ10と本体部50が係合すると、パッキン70は、内キャップ20の空間S2(
図5参照)の天井部近傍に押し当てられるようにして密着する。化粧料100を外部から隔離し、容器本体50内にしっかりと格納しておくことができる。
【0028】
パッキン70の下側開口部70acの直径dCは、ブラシ26の直径よりもわずかに小さい。これにより、化粧料が付着したブラシ26をパッキン70から引き出すときに、余分な化粧料がパッキン70の下側開口部70acにおいて落とされる。すなわち、下側開口部70acは、ブラシ26に付着する化粧料の量を調整する調節機構の一例である。
【0029】
パッキン70が円筒部52fに押し入れられると、パッキン70の外周面70aaが円筒部52fの内周面に接し、固定される。パッキン70の拡径部70bの下端部70bdが、円筒部52fの開口端部に接した状態で、パッキン70は円筒部52fに固定される。
【0030】
容器1の特徴は、外側の形状に関わらず、内側の形状によって、壁の厚さ及び形状を規定し、これにより、構造上の強度を強化していることである。また、複数種類のレンズ類似の形状を組合せることによって、光学作用を奏し、使用者に対して視覚的な刺激を与えるものである。以下、詳細に説明する。
【0031】
図7は、容器本体50の本体部50aの内部を示す。右側面壁部52C及び左側面壁部52Dの厚さは、本体螺子部50b(
図6参照)側の位置から本体中部50t側の位置に向かって徐々に薄くなるように構成されており、本体上部50uにおける厚さが本体中部50tにおける厚さよりも厚くなっている。これにより、本体上部50uの構造上の強度が強化されている。
【0032】
上述のように、容器1の正面視の外形は角を丸めた二等辺三角形の形状に形成されており、壁の厚さは、容器50の内側の形状によって規定される。このことは、容器本体50の外側の形状と内側の形状が相似形状ではないことを意味し、本体中部50t及び本体下部50dにおいても同様である。
【0033】
本体螺子部50b側の左側面壁部52D(52C)の厚さt1aは、本体上部50uと本体中部50tの境界部50p1の壁の厚さt1bよりも厚く構成されている。
【0034】
図7に示すように、本体下部50dにおいて、最低部の壁の厚さt1eは、本体中部50t側(後述の位置50p3側)の壁の厚さよりも厚く構成されている。これにより、本体下部50dの構造上の強度が強化されている。
【0035】
また、本体下部50dは、内面の曲率半径が外面の曲率半径よりも小さい湾曲部として形成されており、本体中部50t側の位置から本体下部50dの最低部に向かって、徐々に厚くなるように構成されている。すなわち、本体中部50tと本体下部50dの境界部50p3から底面壁部52Eの平坦形状が開始する位置50p4までの間は、凹メニスカスレンズに類似の形状に構成されている。
【0036】
図8は、
図7の容器本体50のA−A線概略断面図(
図8(a))、B−B線概略断面図(
図8(b))、C−C線概略断面図(
図8(c))及びD−D線概略断面図(
図8(d))である。本体上部50uの断面における正面壁部52A及び背面壁部52Bの内面52s1は平坦である。これに対して、本体中部50tの内面52s2及び52s3、及び、本体下部50dの内面52s4は、右側面壁部52C及び左側面壁部52Dと接続する側方の部分が中央部よりも薄く構成されている。すなわち、本体中部50tの内面52s2及び52s3、及び、本体下部50dの内面52s4は、内側に向かって凸状の曲面である。これにより、本体中部50t及び本体下部50dの構造上の強度が強化されている。
【0037】
本体中部50tの内面52s2及び52s3、及び、本体下部50dの内面52s4において、正面壁部52Aと右側面壁部52C及び左側面壁部52Dとの接続部E1及びE2、背面壁部52Bと右側面壁部52C及び左側面壁部52Dとの接続部E3及びE4は、凹状の曲面として構成されている。また、四隅の部分E1乃至E4においては、内面の曲率半径が外面の曲率半径よりも小さく構成されている。これにより、凹メニカスレンズ類似の形状を形成している。この形状によって、内部に格納された化粧料100の像は、正面及び裏面から側方に拡散し、あたかも、右側面壁部52C及び左側面壁部52Dが存在しないかのような像を形成する(
図16参照)。
【0038】
本体下部50dの内面は、正面視(
図7参照)においても側面視(
図9参照)においても、中央の最低部50qを除き、曲面として形成されている。すなわち、位置50p3から位置50p4にかけて、正面視と側面視の双方において曲面として形成されている。
【0039】
図7に示すように、右側面壁部52C及び左側面壁部52Dの厚さは、本体下部50dに近づくにつれて薄くなるように構成されており、かつ、本体中部50tの壁の厚さが減少していく程度が大きくなる減少率増加位置50p2(以下、「位置50p2」ともいう。)が形成されている。本体上部50uと本体中部50tにおいて、下方に向かって、一定の減少率の壁が薄くなっているのであるが、位置50p2において、減少率が変わり、減少率が大きくなる。これにより、本体下部50dの内面を形成する曲面と一体の曲面を形成することができ、容器1に化粧料100を格納したときに、自然な曲線の像として、使用者の視覚に映るようになっている。
【0040】
本体中部50tと本体下部50dの境界部50p3(以下、「位置50p3」ともいう。)が、容器本体50において最も右側面壁部52C及び左側面壁部52Dの壁の厚さが薄い最薄部として形成されている。最薄部の厚さは厚さt1dである。位置50p3を中心とする部分(位置50p2から位置50p4にかけての位置)の内面及び外面は曲面として形成されている。内面の曲面の曲率半径は外面の曲面の曲率半径よりも小さい。すなわち、外面は、内面の曲面との相対的関係において、平坦に近く、凹メニスカスレンズに類似の形状を形成している。曲率半径の相違は、位置50p3から位置50p4にかけての部分において、より大きい。このため、内部に格納した化粧料の像が外部に投影するときに、凹メニスカスレンズに類似の光学的作用を奏し、この効果は、位置50p3から位置50p4にかけての部分において、顕著に現れるようになっている。
【0041】
図9は、本体容器50の本体部50aの側面視における断面図である。
図9に示すように、本体上部50uから本体中部50tの位置50p2までは、正面壁部52A及び背面壁部52Bの壁の厚さが、徐々に薄くなっており、本体上部50uの部分における厚さt2aは、本体中部50tの部分における厚さt2bよりも厚い。そして、本体中部50tの位置50p2から位置50p3にかけて、正面壁部52A及び背面壁部52Bの内面は凹状の曲面を形成し、位置50p3における壁の厚さt2cが、最も薄く構成されている。本体下部50dの内面は、位置50p3から、本体下部50dの位置50p4にかけて、曲面を形成している。
【0042】
容器1において、以上のように構成された、キャップ10、容器本体50、パッキン70及び内キャップ20は、
図12に示すように配置される。
【0043】
以下、容器1に化粧料100が格納された状態を説明する。
図13に示すように、容器1の内部空間S4に格納された化粧料100の像を示す光は、本体下部50d近傍において、本体下部50dが上記の曲面形状に構成されていることによって、矢印L1に示す方向から矢印L2に示す方向(特に下方)に拡散する。使用者の視点を容器1の正面から側面に移動させていくと、
図14に示すように、化粧料100の像の最下部は正面の位置50qから、位置50q1、50q2、50q3というように下方に移動し、
図15に示すように、側面視において、底面壁部50Eの最低部に極めて近い位置50qxに移動する。
【0044】
次に、
図16乃至
図19を参照して、容器1に化粧料を格納した実施例について説明する。
図16に示す容器本体50の正面視において、本体上部50u及び本体中部50tは、透明の壁が容器本体50の上側から下側へ向かって、徐々に薄くなり、右側面壁部52C及び左側面壁部52Dが細長い逆三角形のように使用者の視覚に映る。逆三角形の頂点が、本体中部50tの位置50p2近傍になる。そして、本体中部50tと本体下部50dの位置50p3において、使用者の視覚には化粧料100が拡散して映り、右側面壁部52C及び左側面壁部52Dが存在しないかのように映るという効果を奏する。化粧料100は底面壁部52Eの内面の最低部50qの位置まで使用者の視覚に映り、位置50p4までは、厚さt1eの底面壁部52Eが透明の部分として使用者の視覚に映る。
【0045】
図17に示す容器本体50の側面視において、透明の正面壁部52A及び背面壁部52Bは、徐々に薄くなり、細長い逆三角形のように使用者の視覚に映る。細長い逆三角形の頂点は閉じないように見える。他方、使用者の視覚に映る化粧料100は、本来化粧料の入っている底面壁部52Eの内面の最低部50qを超えて、位置50p4の近傍位置50qxまで見える。この視覚的効果は、化粧料100の像として上述の本体下部50dの形状によるものである。
【0046】
続いて、構造上の強化、及び、光学的作用以外の作用について説明する。
図14に示すように、本体下部52dの内面は、最低部50qを除き、正面視においても側面視においても曲面として形成され、かつ、角になっている隅がないから、内部に格納した化粧料100の量が少なくなってきた場合であっても、容器1を立てておくと、化粧料100は、隅に残ってしまうようなことなく、重力の作用によって底面壁部52Eの最低部50qに移動する。そして、使用者によって容器1が傾けられると、化粧料100は本体下部52dの曲面を介して、上方に移動するから、化粧料100を無駄なく使用することができる。
【0047】
また、容器1において右側面壁部52C及び左側面壁部52Dの面積が小さいことによって、化粧ポーチなどに格納するときに嵩張ることはない。さらに、容器1が二等辺三角形の形状であり、底面壁部52Eの最下部の面は平坦であり、自立するから、化粧料100が少なくなってきた場合においても、倒れることなく、立てておくことがきできる。
【0048】
なお、本発明の化粧品容器は、上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。