(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記算出部は、複数の単位期間を含む管理期間の各単位期間において前記換算使用容量と前記第1通信方式の使用容量とを加算することにより、単位期間毎の使用容量を算出し、前記複数の単位期間のうちの最新単位期間の使用容量と前記最新単位期間以外の単位期間の平均使用容量とを用いて平均処理を行うことにより、前記予測使用容量を算出する、
請求項2記載の制御装置。
前記制御部は、前記充電制御対象装置の通信量が閾値を超えた場合、前記第1通信方式の機能をオフにすると共に、前記予測使用容量の代わりに、前記第2通信方式の平均使用容量に応じた前記充電容量パラメータを設定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の制御装置の一例を示す図である。
図1において制御装置10は、算出部11と、制御部12とを有する。制御装置10は、充電可能な電池(つまり、二次電池)を有している、モバイルルータやモバイル端末等の電子機器(以下では、「充電制御対象装置」と呼ばれることがある)に搭載されて用いられる。
【0014】
算出部11は、充電制御対象装置の使用実績データを取得する。そして、算出部11は、充電制御対象装置の使用実績に基づいて、二次電池で消費されたと予測される「予測使用容量」を算出する。
【0015】
制御部12は、算出部11において算出された予測使用容量に応じた「充電容量パラメータ」を設定する。「充電容量パラメータ」は、例えば、充電制御対象装置の充電制御部に対して設定される。
【0016】
以上のように第1実施形態によれば、制御装置10において算出部11は、充電制御対象装置の使用実績に基づいて、二次電池で消費されたと予測される予測使用容量を算出する。そして、制御部12は、算出部11において算出された予測使用容量に応じた充電容量パラメータを設定する。
【0017】
この制御装置10の構成により、充電制御対象装置の使用実績に基づいて算出された予測使用容量に応じた充電容量パラメータを設定することができるので、充電制御対象装置の二次電池が過剰に充電されて満充電状態になることを回避することができる。これにより、二次電池の容量劣化を抑制することができる。さらに、ユーザによるスケジュール登録が不要となるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0018】
<第2実施形態>
<通信システムの概要>
図2は、第2実施形態の通信システムの一例を示す図である。
図2において通信システム1は、電子機器20と、電子機器40とを有する。ここでは、電子機器20が第1実施形態で説明した制御装置10を含んでいる。すなわち、電子機器20が、第1実施形態で言及した、充電制御対象装置である。以下では、電子機器20を第1電子機器と呼び、電子機器40を第2電子機器と呼ぶことがある。
【0019】
電子機器20及び電子機器40は、それらの間において、例えば共に近距離通信方式である第1通信方式及び第2通信方式を用いて通信可能に構成されている。第2通信方式の消費電力は、第1通信方式よりも消費電力が小さい。第1通信方式は、例えば、無線LAN(Local Area Network)通信方式であり、第2通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)通信方式である。また、電子機器20は、例えば長距離通信方式である第3通信方式を用いて通信可能に構成されている。第3通信方式は、例えば、LTE(Long Term Evolution)通信方式である。すなわち、ここでは、電子機器20及び電子機器40は、いずれも通信装置である。
【0020】
電子機器20は、電子機器40から第1通信方式又は第2通信方式によって送信された信号を受信し、受信した信号を、第3通信方式を用いて転送する。すなわち、ここでは、電子機器20は、電子機器40との間で第1通信方式及び第2通信方式を用いて電子機器40の通信を中継する中継装置であり、例えば、モバイルルータである。一方、電子機器40は、例えば、モバイル端末である。なお、以下では、第1通信方式、第2通信方式、及び第3通信方式が、それぞれ、無線LAN通信方式、Bluetooth(登録商標)通信方式、及びLTE通信方式であるものとして、説明する。
【0021】
<第1電子機器の構成例>
図3は、第2実施形態の第1電子機器の一例を示すブロック図である。
図3において第1電子機器としての電子機器20は、通信部21と、通信監視部22と、充電インタフェース23と、充電制御部24と、二次電池25と、電源回路26と、記憶部27と、制御装置10とを有している。通信部21は、無線LAN回路21Aと、Bluetooth回路21Bと、LTE通信回路21Cとを有する。なお、制御装置10の構成は、第1実施形態と同様であるため、
図1を参照して説明する。
【0022】
無線LAN回路21Aは、無線LAN通信方式によって電子機器40との間で信号を送受信可能に構成されている。また、Bluetooth回路21Bは、Bluetooth通信方式によって電子機器40との間で信号を送受信可能に構成されている。また、LTE通信回路21Cは、LTE通信方式によってLTE基地局(図示せず)との間で信号を送受信可能に構成されている。
【0023】
通信監視部22は、無線LAN通信方式、Bluetooth(登録商標)通信方式、及びLTE通信方式のそれぞれについて、「単位期間」毎の通信時間を測定する。「単位期間」は、例えば、1日(24時間)である。通信監視部22は、例えば、集積回路(Integrated Circuit)によって実現される。
【0024】
充電インタフェース23は、ACアダプタと接続するためのインタフェースであり、例えば、microUSB Bコネクタである。
【0025】
充電制御部24は、充電インタフェース23を介して受け取る電力によって二次電池25に対する充電を制御する。充電制御部24は、例えば、集積回路(Integrated Circuit)によって実現される。この二次電池25に対する充電は、制御装置10によって設定される「充電容量パラメータ」に基づいて制御される。この「充電制御」については後に詳しく説明する。
【0026】
また、充電制御部24は、二次電池25の電池残量(RC:Remaining Capacity)を測定(監視)する。また、充電制御部24は、二次電池25から出力される電流、つまり「消費電流(CC:Consumption Current)」を測定する。例えば、充電制御部24は、無線LAN通信方式の使用時の「瞬時消費電流」を測定すると共に、上記「単位期間」における無線LAN通信方式の「平均消費電流」を測定する。
【0027】
電源回路26は、電子機器20の各機能部に対して電力を供給する。
【0028】
記憶部27は、電子機器20の使用実績データを記憶する。使用実績データは、例えば、「使用実績テーブル」として記憶されている。
図4は、第2実施形態の使用実績テーブルの一例を示す図である。
図4に示される使用実績テーブルには、直近7日分の使用実績が管理(記録)されている。すなわち、
図4の例では、直近7日が「管理期間」となっている。使用実績テーブルは、例えば、日付が変わった時点で記録データが1日分ずらされて更新される。また、使用実績テーブルでは、項目として、「使用容量」、「実使用時間」、「無線LAN通信時間」、「無線LAN通信の平均消費電流」、「Bluetooth通信時間」、及び「見なし無線LAN通信使用容量」が管理されている。また、使用実績テーブルの「平均欄(平均列)」では、「管理期間」における「平均使用容量」及び「平均実使用時間」が管理されている。
【0029】
制御装置10は、上述の通り、算出部11と、制御部12とを有している。
【0030】
第2実施形態において制御部12は、第1実施形態と同様に、算出部11によって算出された予測使用容量に応じた充電容量パラメータを、充電制御部24に対して設定する。制御部12は、さらに、記憶部27に記憶される「使用実績テーブル」を作成及び管理する。例えば、制御部12は、算出部11で算出された「使用実績テーブル」における各管理項目の値を、「使用実績テーブル」に記録(保存)する。
【0031】
また、制御部12は、無線LAN通信方式とBluetooth通信方式との間の切替制御を行う。例えば、制御部12は、「所定条件」が満たされた場合、無線LAN通信方式からBluetooth通信方式へ切り替える。「所定条件」については、後に詳しく説明する。
【0032】
算出部11は、第1実施形態と同様に、電子機器20の使用実績に基づいて、二次電池25で消費されたと予測される予測使用容量を算出する。例えば、算出部11は、Bluetooth通信方式の使用時間(つまり、通信時間)と無線LAN通信方式の平均消費電流とに基づいて、Bluetooth通信方式の使用容量が無線LAN通信方式の使用容量に換算された「換算使用容量」を算出し、算出された換算使用容量に基づいて、上記の予測使用容量を算出する。「換算使用容量」は、使用実績テーブルにおける「見なし無線LAN通信使用容量」に相当する。
【0033】
具体的には、算出部11は、「管理期間」の各「単位期間」において上記「換算使用容量」と無線LAN通信方式の使用容量とを加算することにより、単位期間毎の使用容量を算出し、管理期間に含まれる複数の単位期間のうちの「最新単位期間」の使用容量と最新単位期間以外の単位期間の平均使用容量とを用いて「平均処理」を行うことにより、予測使用容量を算出する。「最新単位期間」は、使用実績テーブルの「本日」に対応する。より詳細には、算出部11は、上記「平均処理」として、最新単位期間の使用容量と最新単位期間以外の単位期間の平均使用容量との重み付け平均を算出する。
【0034】
また、算出部11は、無線LAN通信方式による通信時において二次電池25の残量を無線LAN通信方式の消費電流によって除算することにより、無線LAN通信方式の「推定使用可能時間」を算出する。また、算出部11は、無線LAN通信方式及びBluetooth通信方式の「平均実使用時間」から最新単位期間における「既使用時間」を減算することにより、最新単位期間における「残り使用時間」を算出する。
【0035】
<第1電子機器の動作例>
以上の構成を有する電子機器20の処理動作例について説明する。
【0036】
〈充電制御処理〉
図5は、第2実施形態の充電制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0037】
制御装置10の制御部12は、ACアダプタが充電インタフェース23に接続されたことを検知すると(ステップS101)、予測使用容量を充電容量として充電制御部24に設定する(ステップS102)。具体的には、制御部12は、使用実績テーブルの平均列の使用容量を参照して、これを予測使用容量として取得する。そして、制御部12は、取得した予測使用容量を充電容量として充電制御部24に設定する。
【0038】
充電制御部24は、二次電池25に対する充電制御を開始する(ステップS103)。
【0039】
充電制御部24は、充電開始タイミングからの充電量を測定しており、該充電量が設定された充電容量に達したか否かを判定する(ステップS104)。
【0040】
二次電池25に対する充電制御は充電量が設定された充電容量に達するまで行われ(ステップS104NO)、充電制御部24は、充電量が設定された充電容量に達すると(ステップS104YES)、二次電池25に対する充電を停止する(ステップS105)。
【0041】
〈通信方式の切り替え処理〉
図6は、第2実施形態の通信方式の切り替え処理の一例を示すフローチャートである。
【0042】
制御装置10の制御部12は、通信が開始されるまで待ち(ステップS201NO)、通信が開始されると(ステップS201YES)、開始された通信が無線LAN通信であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0043】
開始された通信が無線LAN通信である場合(ステップS202YES)、制御部12は、充電制御部24から「電池残量(RC)」に関する情報を取得する(ステップS203)。
【0044】
次いで、制御部12は、充電制御部24から、無線LAN通信方式の使用時の瞬時消費電流である「消費電流(CC)」に関する情報を取得する(ステップS205)。
【0045】
次いで、制御部12は、通信監視部22から無線LANの通信時間を取得すると共に、使用実績テーブルの平均列から「平均実使用時間」を取得する(ステップS205)。通信監視部22から取得された、無線LANの通信時間は、制御部12によって、使用実績テーブルの本日列の項目「無線LAN通信時間」に保存される。
【0046】
次いで、制御部12は、「推定使用可能時間」が「残り使用時間」よりも小さいか否かを判定する(ステップS206)。ここで、「推定使用可能時間」は、算出部11がステップS203で取得された「電池残量(RC)」をステップS205で取得された「消費電流(CC)」で除算することにより、算出される。すなわち、RC/CCが算出される。また、「残り使用時間」は、算出部11が使用実績テーブルの平均列における項目「実使用時間」の値である「平均実使用時間」からステップS205で取得された無線LAN通信時間(つまり、既使用時間)を減算することにより、算出される。
【0047】
「推定使用可能時間」が「残り使用時間」よりも小さい場合(ステップS206YES)、制御部12は、無線LANで通信していた間の平均消費電流を充電制御部24から取得し(ステップS207)、無線LAN通信方式からBluetooth通信方式へ切り替える(ステップS208)。すなわち、通信方式が切り替えられる上記「所定条件」は、「推定使用可能時間が残り使用時間よりも小さいこと」である。この所定条件が満たされた場合には、無線LAN通信を維持できないと判定されたことになる。この通信方式の切り替えシーケンスについては後述する。なお、ステップS207で取得された無線LAN通信の平均消費電流は、制御部12によって、使用実績テーブルの本日欄の項目「無線LAN通信平均消費電流」に保存される。
【0048】
次いで、制御部12は、Bluetooth通信が終わったときに、Bluetooth通信が開始してから終了するまでの時間を取得する(ステップS209)。このBluetooth通信時間は、制御部12によって、使用実績テーブルの本日列の項目「Bluetooth通信時間」に保存される。
【0049】
一方、開始された通信が無線LAN通信でない場合、つまりBluetooth通信である場合(ステップS202NO)、処理ステップは、ステップS209へ進む。また、「推定使用可能時間」が「残り使用時間」以上である場合(ステップS206NO)、処理ステップは、ステップS203に戻る。
【0050】
ここで、通信方式の切り替えシーケンスについて説明する。
図7は、第2実施形態の通信方式の切り替えシーケンスの一例を示す図である。
【0051】
電子機器20の制御部12は、無線LAN通信方式を用いて、Bluetooth通信切替通知を電子機器40に向けて送信する(ステップS301)。これに対して、電子機器40は、無線LAN通信方式を用いて、Bluetooth動作完了通知を電子機器20に向けて送信する(ステップS302)。そして、電子機器20の制御部12は、無線LAN通信方式を用いて、Bluetooth通信可能通知を電子機器40に向けて送信する(ステップS303)。これにより、電子機器20と電子機器40との間の無線LAN通信が停止され、代わりに、Bluetooth通信が開始される。そして、電子機器40は、Bluetooth通信方式を用いて、Bluetooth通信開始通知を電子機器20に向けて送信する(ステップS304)。そして、電子機器20の制御部12は、Bluetooth通信方式を用いて、Bluetooth通信受信完了通知を電子機器40に向けて送信する(ステップS305)。
【0052】
〈平均実使用時間の算出処理〉
図8は、第2実施形態の平均実使用時間の算出処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
制御装置10の制御部12は、使用実績テーブルの本日列の「無線LAN通信時間」及び「Bluetooth通信時間」を取得する(ステップS401)。
【0054】
次いで、制御部12は、ステップS401で取得した無線LAN通信時間とBluetooth通信時間とが算出部11によって足し合わされた時間を、使用実績テーブルの本日列の項目「実使用時間」に保存する(ステップS402)。
【0055】
次いで、制御部12は、使用実績テーブルに7日分すべてのデータが保存されているか否かを判定する(ステップS403)。
【0056】
使用実績テーブルに7日分すべてのデータが保存されている場合(ステップS403YES)、算出部11は、過去6日分(つまり、1日前から6日前まで)の実使用時間の平均をとって、平均実使用時間を算出する(ステップS404)。すなわち、
図4の例を用いると、次のような計算が実行される。
(5[h]+6.25[h]+5[h]+4[h]+7[h]+5[h])/6=5.38[h]
【0057】
次いで、算出部11は、ステップS404で算出された過去6日分の平均実使用時間を10倍する(ステップS405)。すなわち、
図4の例を用いると、次のような計算が実行される。
5.38[h]×10=53.8[h]
【0058】
次いで、算出部11は、ステップS405で算出された値と使用実績テーブルの本日列の実使用時間との加算結果を11で除算することで、7日分の平均値を算出する(ステップS406)。ここで算出された7日分の平均値が、7日分の(つまり、管理期間における)「平均実使用時間」である。
図4の例を用いると、次のような計算が実行される。
53.8[h]+6[h])/11=5.43[h]
【0059】
次いで、制御部12は、ステップS406で算出された7日分の平均値を、使用実績テーブルの平均列の項目「実使用時間」に保存する(ステップS407)。
【0060】
一方、使用実績テーブルに7日分のデータが揃っていない場合(ステップS403NO)、制御部12は、予め定められた時間値(ここでは、6時間)を、使用実績テーブルの平均列の項目「実使用時間」に保存する(ステップS408)。ここで、予め定められた時間値は、例えば、設計時に開発者が任意で決められる時間である。
【0061】
ここで、上記のステップS406及びステップS407では、最新単位期間(つまり、本日)の実使用時間と最新単位期間以外の単位期間の平均実使用時間との「重み付け平均」が算出されている。これにより、本日列の影響が小さくされている。
【0062】
〈予測使用容量(つまり、平均実使用容量)の算出処理〉
図9及び
図10は、第2実施形態の予測使用容量の算出処理の一例を示すフローチャートである。
図10には、
図9の続きが示されている。
【0063】
制御装置10の制御部12は、本日に無線LAN通信を行ったか否かを判定する(ステップS501)。すなわち、制御部12は、使用実績テーブルを参照して、本日列の無線LAN通信時間にゼロでない値が保存されているか否かを確認している。
【0064】
本日に無線LAN通信が行われていない場合、つまり使用実績テーブルの本日列の無線LAN通信時間に値が無くBluetooth通信のみが行われていた場合(ステップS501NO)、制御部12は、使用実績テーブルの本日列のBluetooth通信時間を取得する(ステップS502)。
【0065】
次いで、制御部12は、使用実績テーブルにおける無線LAN通信平均消費電流の最大値を取得する(ステップS503)。
【0066】
次いで、制御部12は、算出部11がステップS502で取得されたBluetooth通信時間とステップS503で取得された無線LAN通信平均消費電流の最大値とを掛け合わせることによって得られた見なし無線LAN通信使用容量を、使用実績テーブルの本日列の項目「見なし無線LAN通信使用容量」及び項目「使用容量」に保存する(ステップS504)。そして、処理ステップは、ステップS512へ進む。
【0067】
本日に無線LAN通信が行われていた場合(ステップS501YES)、算出部11は、制御部12によって取得された、使用実績テーブルの本日列の無線LAN通信時間と無線LAN通信平均消費電流とを用いて、無線LAN通信の使用容量を算出する(ステップS505)。
図4の例を用いると、6[h]×200[mA]=1200[mAh]が計算される。
【0068】
次いで、制御部12は、ステップS505で算出された使用容量を、使用実績テーブルの本日列の使用容量に保存する(ステップS506)。
【0069】
次いで、制御部12は、本日にBluetooth通信が行われたか否かを判定する(ステップS507)。すなわち、制御部12は、使用実績テーブルを参照して、本日列のBluetooth通信時間にゼロでない値が保存されているか否かを確認している。
【0070】
本日にBluetooth通信が行われている場合(ステップS507YES)、制御部12は、使用実績テーブルから本日列のBluetooth通信時間を取得する(ステップS508)。
【0071】
次いで、制御部12は、使用実績テーブルから本日列の無線LAN通信平均消費電流を取得する(ステップS509)。
【0072】
次いで、制御部12は、算出部11がステップS508で取得されたBluetooth通信時間とステップS509で取得された無線LAN通信平均消費電流とを掛け合わせることによって得られた見なし無線LAN通信使用容量を、使用実績テーブルの本日列の項目「見なし無線LAN通信使用容量」に保存する(ステップS510)。例えば、本日のBluetooth通信時間が1時間で無線LAN通信平均消費電流が200[mAh]である場合、1[h]×200[mA]=200[mAh]が計算される。
【0073】
次いで、制御部12は、ステップS506で保存された値とステップS510で算出された値とが算出部11によって加算された加算値を、使用実績テーブルの本日列の使用容量に改めて保存する(ステップS511)。例えば、
図4の例を用いると、本日列の使用容量が1200[mAh]なので、1200[mAh]+200[mAh]=1400[mAh]が計算されて、上記加算値が算出される。そして、処理ステップは、ステップS512へ進む。なお、本日にBluetooth通信が行われていない場合(ステップS507NO)、上記ステップS508からステップS511の処理が行われることなく、処理ステップは、ステップS512へ進む。
【0074】
次いで、制御部12は、使用実績テーブルに7日分すべてのデータが保存されているか否かを判定する(ステップS512)。
【0075】
使用実績テーブルに7日分すべてのデータが保存されている場合(ステップS512YES)、制御部12は、使用実績テーブルの実使用時間に“ゼロ”があるか否かを判定する(ステップS513)。
【0076】
使用実績テーブルの実使用時間に“ゼロ”がある場合(ステップS513YES)、算出部11は、使用実績テーブルの実使用時間がゼロ以外の過去データ分より平均使用容量を算出する(ステップS514)。すなわち、過去6日のうちの2日において実使用時間がゼロである場合、実使用時間がゼロでない残りの4日について平均使用容量を算出することになる。
【0077】
一方、使用実績テーブルの実使用時間に“ゼロ”がない場合(ステップS513NO)、算出部11は、過去6日間の平均使用容量を算出する(ステップS515)。すなわち、
図4の例を用いると、次のような計算が実行される。
(2000[mAh]+2500[mAh]+1500[mAh]+1000[mAh]+2380[mAh]+1400[mAh])/6=1797[mAh]
【0078】
次いで、算出部11は、ステップS514又はステップS515で算出された平均使用容量を10倍する(ステップS516)。ステップS515で算出された平均使用容量が用いられる場合、1797[mAh]×10=17970[mAh]が計算されることになる。
【0079】
次いで、算出部11は、ステップS516で算出された値と使用実績テーブルの本日列の使用容量との加算結果を11で除算することで、7日分の平均値を算出する(ステップS517)。ここで算出された7日分の平均値が、7日分の(つまり、管理期間における)「平均使用容量」、つまり、「予測使用容量」である。
図4の例を用いると、次のような計算が実行される。
17970[mAh]+1200[mAh])/11=1743[mAh]
【0080】
次いで、制御部12は、ステップS406で算出された7日分の平均値を、使用実績テーブルの平均列の項目「使用容量」に保存する(ステップS518)。
【0081】
一方、使用実績テーブルに7日分のデータが揃っていない場合(ステップS712NO)、制御部12は、予め定められた充電容量(例えば、満充電容量)を、使用実績テーブルの平均列の項目「実使用時間」に保存する(ステップS519)。満充電容量は、例えば、2600[mAh]である。
【0082】
ここで、上記のステップS516及びステップS517では、最新単位期間(つまり、本日)の使用容量と最新単位期間以外の単位期間の平均使用容量との「重み付け平均」が算出されている。これにより、本日列の影響が小さくされている。
【0083】
以上のように第2実施形態によれば、制御装置10において算出部11は、無線LAN通信方式による通信時において二次電池25の残量を無線LAN通信方式の消費電流によって除算することにより、無線LAN通信方式の「推定使用可能時間」を算出する。そして、制御部12は、「所定条件」が満たされた場合、無線LAN通信方式からBluetooth通信方式へ切り替える。「所定条件」は、最新単位期間における推定使用可能時間が最新単位期間における残り使用時間よりも小さいこと、である。
【0084】
この制御装置10の構成により、無線LAN通信を維持できないと予測される場合に、より消費電力の小さいBluetooth通信方式へ切り替えることができるので、ユーザが意図していないタイミングで電子機器の電源がOFFしてしまうことを回避することができる。
【0085】
また、制御装置10において算出部11は、Bluetooth通信方式の使用時間と無線LAN通信方式の平均消費電流とに基づいて、Bluetooth通信方式の使用容量が無線LAN通信方式の使用容量に換算された換算使用容量を算出し、算出された換算使用容量に基づいて、予測使用容量を算出する。
【0086】
この制御装置10の構成により、無線LAN通信方式及びBluetooth通信方式の両方を考慮した予測使用容量を算出することができる。
【0087】
また、制御装置10において算出部11は、複数の単位期間を含む管理期間の各単位期間において上記換算使用容量と無線LAN通信方式の使用容量とを加算することにより、単位期間毎の使用容量を算出し、複数の単位期間のうちの最新単位期間の使用容量と最新単位期間以外の単位期間の平均使用容量とを用いて平均処理を行うことにより、予測使用容量を算出する。
【0088】
この制御装置10の構成により、管理期間の複数の単位期間の使用容量を用いて予測使用容量を算出することができるので、予測使用容量の精度を向上させることができる。
【0089】
<第3実施形態>
第3実施形態は、充電制御対象装置の通信量が閾値を超えた場合、第1通信方式の機能をオフにすると共に、予測使用容量の代わりに、管理期間における第2通信方式の平均使用容量に応じた充電容量パラメータを設定する、実施形態に関する。なお、第3実施形態の制御装置、電子機器、及びシステムの基本構成は、第2実施形態の制御装置10、電子機器20、及び通信システム1と同じなので、
図2,3を参照して説明する。
【0090】
<第1電子機器の構成例>
第3実施形態の電子機器20において通信監視部22は、第2実施形態と同様に通信時間を測定することに加えて、電子機器20の通信量を測定する。
【0091】
第3実施形態の電子機器20において記憶部27は、電子機器20の使用実績データを記憶する。
図11は、第3実施形態の使用実績テーブルの一例を示す図である。
図11の第3実施形態の使用実績テーブルは、第2実施形態の使用実績データと比べて、Bluetooth通信用の列が追加されている。Bluetooth通信用の列の使用容量[mAh]には、平均列の実使用時間でBluetooth通信を行ったときの使用容量[mAh]が自動で保存される。
【0092】
第3実施形態の制御装置10において制御部12は、電子機器20の通信量(CT:Communications Traffic)が閾値を超えた場合、電子機器20のLAN通信機能をオフにすると共に、予測使用容量の代わりに、管理期間におけるBluetooth通信方式の平均使用容量に応じた充電容量パラメータを設定する。
【0093】
<第1電子機器の動作例>
以上の構成を有する電子機器20の処理動作例について説明する。
図12は、第3実施形態の電子機器の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0094】
制御装置10の制御部12は、ACアダプタが充電インタフェース23に接続されたことを検知すると(ステップS601)、通信監視部22から電子機器20の通信量CT1に関する情報を取得する(ステップS602)。
【0095】
次いで、制御部12は、取得した通信量TC1が閾値CT未満であるか否かを判定する(ステップS603)。
【0096】
取得した通信量TC1が閾値CT未満である場合(ステップS603YES)、制御部12は、予測使用容量を充電容量として充電制御部24に設定する(ステップS604)。具体的には、制御部12は、使用実績テーブルの平均列の使用容量(
図11の例では、1743[mAh])を参照して、これを予測使用容量として取得する。そして、制御部12は、取得した予測使用容量を充電容量として充電制御部24に設定する。
【0097】
取得した通信量TC1が閾値CT以上である場合(ステップS603NO)、制御部12は、電子機器20のLAN通信機能をオフにすると共に、予測使用容量の代わりに、管理期間におけるBluetooth通信方式の平均使用容量(
図11の例では、1560[mAh])を充電容量として設定する(ステップS605,S606)。ここで、近年のLTE通信サービスの特徴は、通信量が一定値を超えると通信速度を絞るサービスプランが一般化されている点である。そこで、制御部12は、このサービスプランに合わせて、電子機器20の通信量が閾値を超えた場合、電子機器20の無線LAN通信機能をオフにすると共に、予測使用容量の代わりに、管理期間におけるBluetooth通信方式の平均使用容量に応じた充電容量パラメータを設定している。
【0098】
次いで、充電制御部24は、二次電池25に対する充電制御を開始する(ステップS607)。
【0099】
充電制御部24は、充電開始タイミングからの充電量を測定しており、該充電量が設定された充電容量に達したか否かを判定する(ステップS608)。
【0100】
二次電池25に対する充電制御は充電量が設定された充電容量に達するまで行われ(ステップS608NO)、充電制御部24は、充電量が設定された充電容量に達すると(ステップS608YES)、二次電池25に対する充電を停止する(ステップS609)。
【0101】
以上のように第3実施形態によれば、制御装置10において制御部12は、電子機器20の通信量が閾値を超えた場合、無線LAN通信方式の機能をオフにすると共に、予測使用容量の代わりに、Bluetooth通信方式の平均使用容量に応じた充電容量パラメータを設定する。
【0102】
この制御装置10の構成により、電子機器20は電子機器40との間で消費電力の小さいBluetooth通信方式によってのみ通信することになるので、充電容量を減らすことができ、結果として、二次電池25の劣化を抑制することができる。
【0103】
<第4実施形態>
第4実施形態は、モバイル端末の登録情報及びモバイル端末において動作しているアプリの種別に応じた通信速度を、モバイル端末及びアプリに対して割り当てる、実施形態に関する。なお、第4実施形態の制御装置、電子機器、及びシステムの基本構成は、第2実施形態の制御装置10、電子機器20、及び通信システム1と同じなので、
図2,3を参照して説明する。ただし、第4実施形態の通信システム1では、電子機器40が複数存在することを前提としている。
【0104】
<第1電子機器の構成例>
第4実施形態の制御装置10において制御部12は、電子機器40の登録情報及び電子機器40において動作しているアプリの種別に応じた通信速度(つまり、通信モード)を、電子機器40及びアプリに対して割り当てる。割り当て情報は、通信部21を介して電子機器40へ送信される。
【0105】
上記制御部12による通信速度の割り当ては、例えば、記憶部27に記憶されている、通信モード管理テーブル、アプリ優先順位管理テーブル、及び登録端末管理テーブルを用いて行われる。
図13は、通信モード管理テーブルを示す図である。
図14は、アプリ優先順位管理テーブルを示す図である。
図15は、登録端末管理テーブルを示す図である。
【0106】
図13に示す通信モード管理テーブルにおいて、高速モードは、通信速度を1Mbps以上確保するように通信できるモードである。また、中速モードは、0.1Mbps以上1Mbps未満で通信できるモードである。低速モードは、0.1Mbps未満で通信するモードである。
【0107】
図14に示すアプリ優先順位管理テーブルでは、複数のアプリと各アプリの通信モードとが対応づけられている。例えば、SNSアプリは、中速モードに対応づけられており、通信速度が中速に制限されている。
【0108】
図15に示す登録端末管理テーブルでは、各登録端末(つまり、各電子機器40)のMACアドレスと各登録端末の通信モードとが対応づけられている。なお、未登録の端末が電子機器20に接続されたときのために、未登録端末は低速モードに対応づけられている。
【0109】
<第1電子機器の動作例>
以上の構成を有する電子機器20の処理動作例について説明する。
図16は、第4実施形態の電子機器の処理動作の一例を示すフローチャートである。このフローは、例えば、
図6のステップS208で通信方式がBluetooth通信方式へ切り替えられた後にスタートする。
【0110】
制御装置10の制御部12は、電子機器20に複数の通信端末(つまり、電子機器40)が通信接続されているか否かを判定する(ステップS701)。
【0111】
電子機器20に複数の通信端末が通信接続されている場合(ステップS701YES)、制御部12は、通信モード管理テーブル及び登録端末管理テーブルに基づいて、各通信端末へ通信速度を割り当てる(ステップS702)。具体的には、MACアドレスがそれぞれ「AA:BB:CC:DD:EE:FF」及び「GG:HH:MM:NN:OO:PP」である第1通信端末及び第2通信端末が電子機器20に通信接続されている場合、第1通信端末には高速の通信速度が割り当てられ、第2通信端末には中速の通信速度が割り当てられる。
【0112】
電子機器20に1つの通信端末だけが通信接続されている場合(ステップS701NO)、制御部12は、通信モード管理テーブル及びアプリ優先順位管理テーブルに基づいて、その端末の各アプリへ通信速度を割り当てる(ステップS703)。
【0113】
次いで、制御部12は、追加の通信端末が電子機器20に通信接続されるまで待つ(ステップS704NO)。そして、追加の通信端末が電子機器20に通信接続されると(ステップS704YES)、処理ステップはステップS701へ戻る。
【0114】
以上のように第4実施形態によれば、制御装置10において制御部12は、通信端末の登録情報及び通信端末において動作しているアプリの種別に応じた通信速度を、通信端末及びアプリに対して割り当てる。
【0115】
この制御装置10の構成により、一部の通信端末及びアプリの通信速度を遅くして他の通信端末及びアプリの通信速度を速くすることができるので、例えば無線LAN通信方式に比べて通信速度の遅いBluetooth通信方式へ切り替えられた状態であっても通信速度が遅くなることでユーザが感じる違和感を軽減することができる。
【0116】
<他の実施形態>
<1>第1実施形態から第4実施形態では、制御装置10が電子機器20に搭載される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電子機器40に搭載されてもよい。すなわち、第1実施形態2から第4実施形態において電子機器40は電子機器20と同じ構成を有していてもよい。
【0117】
<2>第1実施形態から第4実施形態の制御装置10は、次のようなハードウェア構成を有していてもよい。
図17は、制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0118】
図17において、制御装置100は、プロセッサ101と、メモリ102とを有する。
【0119】
第1実施形態から第4実施形態で説明した制御装置10の算出部11及び制御部12は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。