(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マット組成物を半導体基板の表面上に配置することであって、前記マット組成物は、第一のアクリレート単位および第二の単位を含むランダムコポリマーを含み、前記コポリマーはポリスチレンおよびポリエポキシドを含まないこと、
前記ランダムコポリマーを架橋すること、
ブラシバックフィル組成物を前記基板上に、前記ブラシバックフィル組成物およびマット組成物が交互となるように、配置すること、こここで、前記ブラシバックフィル組成物はその上に配置されるブロックコポリマーのうちの少なくとも1つの成分と実質的に同様のエッチング特性を持ち、
前記ブラシバックフィル組成物上および前記マット組成物上に、自己組織化するブロックコポリマーを配置すること、および
前記ブロックコポリマーをエッチングし、前記半導体基板中に均一に間隔のあいたチャネルを形成すること、
を含む方法。
前記第二の単位が2−(1,2−ジヒドロシクロブタベンゼン−1−イルオキシ)エチルメタクリレートの重合により生じる、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【背景技術】
【0002】
ブロックコポリマーは、系の自由エネルギーを下げるため自己組織化ナノ構造を形成する。ナノ構造は100ナノメートル未満の平均最大深さまたは厚みを持つものである。この自己組織化により、自由エネルギーの低下の結果として周期的構造が形成される。周期的構造は、ドメイン、ラメラまたはシリンダー形態をとり得る。これらの構造に起因して、ブロックコポリマーの薄膜は空間的な化学コントラストをナノメートルスケールで形成し、それゆえ、周期的ナノスケール構造を生成する新たな低コストナノパターニング材料として使用されている。この周期的構造を得る方法は、誘導自己組織化(DSA)と呼ばれる。誘導自己組織化において、自己組織化ブロックコポリマーを用い、リソグラフィによって基板をパターニングすることによって、細ピッチが得られる。
【0003】
誘導自己組織化において最初に用いられるコポリマーは、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマーおよびポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ランダムコポリマーであり、それらはブロックコポリマーをその上に配置する基板の表面エネルギーを制御するブラシとして用いられる。よく用いられる誘導自己組織化法は、
図1に示すように、架橋ポリスチレンマット104を基板102上に配置すること、を含む。ポリスチレンマット104の架橋の後、フォトレジストを用いた従来のリソグラフィを用い、ポリスチレンマット104上にライン106を並べる。ライン106は次に、寸法を小さくトリミングし、ライン106の間のポリスチレンマット104を取り除くためのエッチング工程に進む。次に、ライン106の間の空間はポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ランダムコポリマー108(以降、バックフィル108という)でバックフィルされ、ブラシコーティグを形成する。その後、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマー110はバックフィル108およびポリスチレンマット104からなる細片上に配置される。
図1に示すように、ポリスチレンマット細片104およびブラシバックフィル108はポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマー110のドメインを固定するのに役立つ。
図1より、ポリスチレンマット細片104は、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマー110のポリスチレンドメインに対して垂直に配列していると見ることができる。
【0004】
誘導自己組織化の際には、
図1または
図2に示すように、ポリスチレンマット細片104のサイズを、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマー110のポリスチレンドメインのサイズと合わせることが望ましい。
図2は、リソグラフィ、エッチングおよびトリミング、次いでブラシバックフィルならびに結果として生じる誘導自己組織化のステップを示す
図1の拡大版である。
図2は、望ましい誘導自己組織化工程の最終結果を示す。特に、誘導自己組織化後に起きるエッチングにより、等しく間隔のあいたチャネル112が基板102に形成されると見ることができる。しかしながら、
図3において下に詳述されるように、マットとして架橋ポリスチレンが使用される場合は、異なることが起きる。
【0005】
特に、
図3に見られるように、組み合わせ(すなわち、ポリスチレンマットおよびフォトレジスト)は、架橋ポリスチレンマットはフォトレジストよりずっとエッチング耐性が高いという制限を受ける。これにより、ポリスチレンマット細片104がポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマー110のポリスチレン(ラメラまたはシリンダー)ドメインと同じサイズになることが阻害される。架橋ポリスチレンとフォトレジストのエッチング速度の差により、不均一ドメイン(すなわち、台形状架橋ポリスチレンドメイン)が架橋ポリスチレンマット中に形成される。この不均一ドメイン形成の結果として、基板内の最終的にエッチングされたチャネルは2峰性分布を示し、望ましくない。
【0006】
それゆえ、誘導自己組織化の際に基板において均一なチャネル形成を促進する系(すなわち、マット組成物およびブラシ組成物)が望ましい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
半導体の開発において、マットのエッチング耐性は、半導体のパターニングに用いられるフォトレジストと近いことが望ましい。加えて、バックフィルされる中性のブラシ物質のエッチング耐性は、半導体基板のパターニングの前にその基板上に配置されるブロックコポリマーの少なくとも1つの相と近いことが望ましい。ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマーを含む誘導自己組織化コポリマー系においては、(通常、ポリスチレンおよびポリメチルメタクリレートのランダムコポリマーを含む)ブラシ物質は、(ブロックコポリマーの)ポリメチルメタクリレートと合ったエッチング耐性を示すことが望ましい。ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマーにおけるポリメチルメタクリレートのエッチング耐性が、マットのそれと実質的に近い場合、均一なパターン間隔が半導体において得られる。しかし、ブラシバックフィル組成物におけるポリスチレンの存在により、ブロックコポリマーにおけるポリメチルメタクリレートより、エッチング耐性が高くなる。これがパターンに不均一な間隔をもたらす。したがって、その上に配置されるブロックコポリマーの少なくとも1つの相と近いエッチング特性を持つブラシ物質が望ましい。
【0011】
本明細書に開示されるのは、パターニングされた半導体において均一なチャネル間間隔を生じさせるために効果的に使用され得る、マット組成物およびブラシバックフィル組成物の組み合わせを含む組成物である。マット組成物は、フォトレジストおよびブラシバックフィル組成物内に存在する少なくとも1つの成分と近いエッチング耐性を持つ、少なくとも1つの高分子成分を含む。マット組成物とブラシバックフィル組成物のエッチング速度の一致は、その上にマット組成物およびブラシバックフィル組成物を配置する、パターニングされた基板における均一なチャネル間隔の形成を促進する。エッチング耐性の一致に加えて、フォトレジスト、マット組成物およびブラシバックフィル組成物の表面エネルギーも一致させるのが望ましい。
【0012】
ある態様において、マットはアクリレートを含み、ポリスチレンを含まず、マット材料をパターニングするフォトレジストと近いエッチング耐性を示し、それゆえ、ブロックコポリマーのドメインの寸法により一致したマット材料による線を与えるエッチトリミングが可能となる。要するに、フォトレジストと近いおよびブラシバックフィル組成物と近いエッチング耐性(または逆にエッチング速度)を持つマットの少なくとも1成分は、アクリレートである。この特徴により、ブロックコポリマードメインの位置合わせ(registration)がより良くなり、パターン移動の問題が解決し、改善された限界寸法均一性(CDU)を有する最終的なエッチングパターンがもたらされる。
【0013】
ある例示的な態様において、マット組成物は2以上のアクリレートのコポリマーを含む。ブラシバックフィル組成物もアクリレートを含み、マット組成物中のアクリレートのエッチング速度は実質的にブラシバックフィル組成物中のアクリレートのエッチング速度と近い。
【0014】
マット組成物は、第二のブロックと共重合する第一のブロックを含むコポリマーを含む。ある例示的な態様において、第一のブロックは第一のポリアクリレートであり、第二のブロックは第二のポリアクリレートである。コポリマーはブロックコポリマー(例えば、ジブロックコポリマーまたはトリブロックコポリマー)、星状ブロックコポリマー、イオン性ブロックコポリマー等であり得て、少なくとも1つのブロックはアクリレートであり、少なくとも1つ以上のブロックは物理的にまたは化学的に架橋可能なものである。ある例示的な態様において、マット組成物はブロックコポリマーを含む。別の例示的な態様において、マット組成物は2つのアクリレートによるランダムコポリマーを含み、少なくとも1つ以上のアクリレートは物理的にまたは化学的に架橋可能なものである。
【0015】
ランダムコポリマーの第一のポリマーは、アクリレートモノマーの重合により生じる。一態様において、第一の繰り返し単位(すなわち、アクリレートモノマー)は式(1)で表される構造を持つ。
【化1】
式中、R
1は水素または炭素数1〜10のアルキル基である。第一の繰り返し単位のモノマーの例は、α−アルキルアクリレート類、メタクリレート類、エタクリレート類、プロピルアクリレート類、ブチルアクリレートなどのアクリレート類およびアルキルアクリレート類、または前述のアクリレート類の少なくとも1つを含む組み合わせである。
【0016】
一態様において、第一の繰り返し単位は、式(2)で表される構造を持つモノマーの重合により生じる構造を持つ。
【化2】
式中、R
1は水素または炭素数1〜10のアルキル基であり、R
2はC
1−10アルキル基、C
3−10シクロアルキル基またはC
7−10アラルキル基である。アルキル(α−アルキル)アクリレート類の例としては、メタクリレート、エタクリレート、プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルエチルアクリレート、メチルプロピルアクリレート、エチルエチルアクリレート、メチルアリールアクリレートなど、または前述のアクリレート類の少なくとも1つを含む組み合わせである。用語「(α−アルキル)アクリレート」は、他に指定のない限り、アクリレートまたは(α−アルキル)アクリレートのいずれかであることを意味する。
【0017】
ランダムコポリマーの第二の単位もまたポリマーであり、架橋し得る部位を含む。架橋性の部位は高分子であり、以下の式I−1からI−20に示される。
【化3】
【化4】
【0018】
好適な架橋性部位は、以下の式M−1〜M−27に示されるようなアリールシクロブテンモノマー類である。
【化5】
【化6】
【0019】
ある例示的な態様において、第二の単位は、以下の式(3)に示される2−(1,2−ジヒドロシクロブタベンゼン−1−イルオキシ)エチルメタクリレートの重合から生じるポリマーである。
【化7】
式中、R
3はC
1−10アルキル基、C
3−10シクロアルキル基またはC
7−10アラルキル基である。
【0020】
一態様において、架橋前のマットは、以下の式(4)に示される構造を持つランダムコポリマーである。
【化8】
式中、コポリマーは、数平均分子量でモルあたり5,000〜1,000,000グラム、好ましくはモルあたり10,000〜100,000グラムであり、1〜90モル%、好ましくは2〜10モル%の架橋官能性組成物を持つ。
【0021】
ランダムコポリマーの末端基(「付着基」ともいう)は、任意選択で、基板と共有結合を形成し得る、またはポリマー膜中で架橋を誘発し得る反応性官能基を含む基であり得る。末端基は、ヒドロキシ、チオールまたは1級もしくは2級アミンで置換された直鎖または分岐C
1−30アルキル、C
3−30シクロアルキル、C
6−30アリール、C
7−30アルカリル、C
7−30アラルキル、C
1−30ヘテロアルキル、C
3−30ヘテロシクロアルキル、C
6−30ヘテロアリール、C
7−30ヘテロアルカリル、C
7−30ヘテロアラルキル、またはこれらの基の少なくとも1つを含む組み合わせであり得る。本明細書で使用される接頭辞「ヘテロ」は、任意の非炭素、非水素原子を指し、例えば、他に規定のない限り、ハロゲン類(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ホウ素、酸素、窒素、ケイ素、またはリンを含む。
【0022】
一態様において、末端基は、3−アミノプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、または4−ヒドロキシフェニルを含む。これらの官能基の代わりに、または加えて、酸感受性コポリマーと基板表面との結合を促進するために、他の反応性官能基が含まれ得る。
【0023】
別の態様において、末端基は、3−プロピルトリメトキシシランなどのモノ−、ジ−およびトリアルコキシシラン基(他のモノマーとトリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートとの共重合により得られる)、またはグリシジル基(グリシジル(メタ)アクリレートとの共重合により得られる)を含む。加えて、ベンゾシクロブテン、アジド、アクリロイル、グリシジルなどの架橋可能な基、または他の架橋性基が使用され得る。エポキシ含有付着基をもたらす有用なモノマーは、グリシジルメタクリレート、2,3−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(2,3−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、5,6−エポキシノルボルネン(メタ)アクリレート、エポキシジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートからなる群から選択されるモノマー、および上述のうち少なくとも1つを含む組み合わせを含む。
【0024】
例示的な末端基は、ヒドロキシル基、カルボン酸基、エポキシ基、シラン基、または上述のうち少なくとも1つを含む組み合わせである。
【0025】
マット組成物を製造する一方法において、第一のアクリレートモノマーは、第二のアクリレートモノマーおよび第一の反応器内の溶媒と混合され、反応溶液を形成する。濃縮器および撹拌器に合わせた第二の反応器においては、独自の溶媒量が用いられる。第二の反応器内の溶媒は、不活性雰囲気下で、60〜200℃、好ましくは70〜140℃に加熱される。開始剤を別途溶媒に溶解させ、開始剤溶液を形成する。次に、開始剤溶液および反応溶液を第二の反応器に加える。反応溶液は第二の反応器にゆっくりと加えることができ、その間、第二の反応器の内容物は撹拌され、不活性雰囲気下に置かれる。反応を2〜4時間継続し、反応完了後30分〜2時間、第二の反応器およびその内容物を保持する。重合されたアクリレート類(ここではポリアクリレート・ランダムコポリマーの形状)を室温まで冷却する。ポリアクリレート・ランダムコポリマーを別の溶媒中で沈殿させ、次いで精製する。
【0026】
マット組成物を製造するための反応に用いられる溶媒を以下に列挙する。例示的な溶媒は、エチレングリコール(例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA))である。
【0027】
ポリマーは、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−カルボニトリル)(ACHN)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(AAPH)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、別名4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、ジ−tert−ブチルペルオキシド(tBuOOtBu)、ベンゾイルペルオキシド((PhCOO)
2)、メチルエチルケトンペルオキシド、tert−アミルペルオキシベンゾエート、ペルオキシ二炭酸ジセチルなどのフリーラジカル開始剤、または上述の開始剤のうち少なくとも1つを含む組み合わせ、を用いて作製し得る。第一の開始剤はラジカル光開始剤であってもよい。例としては、ベンゾイルペルオキシド、ベンゾインエーテル類、ベンゾインケタール、ヒドロキシアセトフェノン、メチルベンゾイルギ酸塩、アントロキノン、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、IRGACURE(登録商標)2100および2022(BASFより販売)などのホスフィンオキシド化合物、または上述のラジカル開始剤のうち少なくとも1つを含む組み合わせ、である。
【0028】
いくつかの態様において、分子量および組成の分布が狭いことが好ましい。これらの場合、可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)、ニトロキシドを介したラジカル重合(NMP)、原子移動ラジカル重合(ATRP)などを含む、リビングまたは制御されたフリーラジカル重合方法を用いてポリマーを生成することができる。RAFT重合では、ジチオエステル、チオカルバミン酸塩、およびキサントゲン酸塩などのチオカルボニルチオ化合物が用いられ、可逆的連鎖移動工程を通じて重合を媒介する。モノマーをジチオエステル連鎖移動剤およびポリマー形成開始剤と反応させることによって、ポリマーが形成される。
【0029】
RAFT重合における好適な連鎖移動試薬は、ジチオエステル、チオカルバメートおよびキサントゲン酸塩などのチオカルボニルチオ化合物であり、2−シアノ−2−プロピルベンゾジチオエート、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボナート、4−シアノ−4−[(ドデシルサルファニルチオカルボニル)サルファニル]ペンタン酸、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸、シアノメチルドデシルトリチオカルボナート、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオアート、ビス(チオベンゾイル)ジサルファイド、ビス(ドデシルサルファニル−チオカルボニル)ジサルファイドなどを含む。
【0030】
ニトロキシドを介したラジカル重合、またはNMPは、開始剤として安定なニトロキシドラジカルまたはアルコキシアミンを用いるが、ポリマーの作製にも用いられる。NMPにおける好適な開始剤の例は、N−tert−ブチル−N−(2−メチル−1−フェニルプロピル)−O−(1−フェニルエチル)ヒドロキシルアミン、N−tert−ブチル−O−[1−[4−(クロロメチル)フェニル]エチル]−N−(2−メチル−1−フェニルプロピル)ヒドロキシルアミン、2,2,5−トリメチル−4−フェニル−3−アザヘキサン−3−ニトロキシド、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)などである。
【化9】
【0031】
ポリマーは、原子移動ラジカル重合、またはATRPによっても作製される。ATRPにおける好適な開始剤は、tert−ブチルα−ブロモイソブチラート、α−ブロモイソブチリルブロマイド、ドデシル2−ブロモイソブチラート、エチルα−ブロモイソブチラート、メチルα−ブロモイソブチラート、オクタデシル2−ブロモイソブチラートなどを含む。ATRPにおける好適な触媒は、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)などを含む。ATRPにおける好適なリガンドは、トリス(2−ピリジルメチル)アミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン、4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンなどを含む。
【0032】
開始剤は、連鎖移動剤に対して、モル比で0.05〜0.2で用いられる。ある例示的な態様において、開始剤は、連鎖移動剤に対して、モル比で0.07〜0.18で用いられる。
【0033】
上述の通り、ブラシバックフィル組成物は、マット組成物と同じエッチング耐性を持つことが望ましい。したがって、ブラシバックフィル組成物は、マット組成物に含まれているのと同じ化学的、構造的分子的特徴を含むことが望ましい。
【0034】
ポリマーのエッチング耐性は、それぞれのOhnishiの数(Ohnishi number)を計算することによって比較することができる。Ohnishiにより発見された経験式によると、ポリマーのエッチング速度はOhnishiの数、O.N.、の関数であり、それは以下の方程式に従って計算される。
[式1]
O.N.=N/(N
C−N
O)
式中、Nは繰り返し単位中の原子の総数、N
Cは繰り返し単位中の炭素原子数、N
Oは繰り返し単位中の酸素原子数である。高O.N.ポリマーほど酸素エッチング速度が速い。
【0035】
コポリマーについては、O.N.は要素モノマーのO.N.の平均として、組成から見積もられる。例えば、AおよびBモノマーからなるコポリマーのO.N.は、次の方程式で表される。
[式2]
O.N.
AB=f
AO.N.
A+f
BO.N.
B
式中、fはモル比、O.N.は各モノマーのOhnishiの数である。ブラシおよびマットは、近いOhnishiの数を持つことが望ましい。さらにブラシおよびマットは、誘導自己組織化において現在用いられているP(S−r−MMA)コポリマーより大きなOhnishiの数を持つことが望ましい。
【0036】
ある態様において、ブラシバックフィル組成物は、反応性の高い官能基でエンドキャップしたポリアクリレートを含む。反応性基は基板表面と共有結合し、分子鎖骨格が基板表面に平行に配置され、式(4)の構造に見られるようなブラシ様の外観をもたらす。 ブラシバックフィル組成物は、ポリマーまたはその代わりにブロックまたはランダムコポリマーを含み得る。ポリマーブラシは、モルフォロジーにおいて草原に似ており、その場合ポリマーが草であり基板(草が成長する土に似ている)上に配置される。ブラシバックフィル組成物は、以下の式(4a〜4f)に示す1つ以上の高分子構造を含むことができる。
【化10】
式中、OHは反応性の高い種である。ブラシポリマー上の反応性基は、アルコキシ基、カルボキシル基、チオール基、フェノール、ヒドロキシル芳香族、ヒドロキシヘテロ芳香族、アリールチオール、ヒドロキシアルキル、1級ヒドロキシアルキル、2級ヒドロキシアルキル、3級ヒドロキシアルキル、アルキルチオール、ヒドロキシアルケン、メラミン、グリコールウリル、ベンゾグアナミン、エポキシ、尿素、またはそれらの組み合わせ、とすることができる。
【0037】
ある態様において、ブラシバックフィル層は、式(5)または(6)の構造を持つポリマーを含む。
【化11】
式中、R4〜R9は、上に列挙した反応性の高い種の1つとすることができる。
【0038】
ブラシバックフィルポリマーの例は、ポリエチルアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ(1,1,1−トリフルオロエチルメタクリレート)等のポリ(アルキルアクリレート)類、または上述のポリ(アルキルアクリレート)のうち少なくとも1つを含む組み合わせである。
【0039】
例示的なブラシバックフィル組成物は、以下の式(7)に示すヒドロキシエチルでエンドキャップされたポリエチルメタクリレートを含む。
【化12】
式中、n
3は25〜1000、好ましくは50〜400である。
【0040】
末端機能性ブラシポリマーは、アニオン重合またはリビングフリーラジカル重合などのリビング重合方法を用いて製造することができ、ATRP、RAFTおよびNMPが含まれる。ATRPについての好適な開始剤としては、tert−ブチルα−ブロモイソブチラート、α−ブロモイソブチリル臭化物、ドデシル2−ブロモイソブチラート、エチルα−ブロモイソブチラート、メチルα−ブロモイソブチラート、オクタデシル2−ブロモイソブチラートなどが挙げられる。
【0041】
開始剤可逆的付加開裂連鎖移動重合(RAFT)を用いて末端機能性ポリマーを作製するための開始剤の例としては、式(8)〜(12)の構造が挙げられる。
【化13】
【0042】
ニトロキシドを介したラジカル重合(NMP)を用いて末端機能性ポリマーを作製するための開始剤の例としては、式(13)〜(15)の構造が挙げられる。
【化14】
【0043】
一態様において、ブラシバックフィル組成物を製造するための1つの方法において、アクリレートモノマー(例えば、エチルメタクリレート)を精製し、次いでアニソール、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、開始剤および溶媒とともに反応器に流し込んだ。反応器の温度を90〜130℃に上げ、開始剤を反応器に加えた。窒素雰囲気生成装置下で、反応混合物を撹拌した。ポリマーの分子量が望ましい値に達したら重合を止める。次にポリマーを別の溶媒中で沈殿させ、精製してブラシバックフィル組成物を形成する。精製には、遠心分離、蒸留、デカンテーション、蒸発、イオン交換ビーズによる処理などが含まれる。
【0044】
一態様において、マット組成物およびブラシバックフィル組成物を用いて半導体をパターニングする1つの方法において、半導体基板表面は任意選択で清浄され、その後、ポリアクリレート・ランダムコポリマーを含むマット組成物がその上に配置される。マット組成物は、第一の溶媒および開始剤とともに混合されてよく、スピンコート、スプレー塗装、含浸法などにより表面上に配置されてよい。基板は、残った微量の第一の溶媒を取り除くため、真空下でアニーリングされてよい。次に、このマットは照射を用いてまたは加熱によって架橋させる。マット組成物への照射は、紫外線、X線、電子線、赤外線およびマイクロ波を用いて行われ得る。
【0045】
マット組成物を架橋する場合、ポリ(2−(1,2−ジヒドロシクロブタベンゼン−1−イルオキシ)エチルメタクリレート)は自身と反応しマットを架橋する。架橋されたマット組成物を製造するための反応は以下の反応(8)に示される。
【化15】
【0046】
次に、フォトレジストをマット上に配置し、ナノリソグラフィを行う。フォトレジストの一部分が次いでエッチング除去され、基板表面にマット組成物の細片ができる。フォトレジストの残りおよびマットが次いでエッチング除去され、細片ができる(
図1を参照)。マットは、ある深さ「w」を持つ細片の形状で基板上に存在する。ブラシバックフィル組成物は、上記で詳述されるポリ(アルキルアクリレート)を含む。ポリスチレンおよびポリアクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート)を含むランダムコポリマーは、ブラシバックフィル組成物および細片上に配置される。
【0047】
任意に選択できる触媒を共に用いたブラシ組成物は、第二の溶媒に溶解され、基板上に配置され得る。任意に選択できる触媒は、ブラシ組成物を基板と反応させるために用いられる。触媒はまた、スピンコート、スプレー塗装、含浸法などにより基板上に配置され得る。マット組成物(ここでは細片の形状)およびブラシバックフィル組成物の付いた基板は、第二の溶媒を取り除くため真空下でアニーリングされ得る。加熱もブラシバックフィル組成物および基板の間の反応を促進し、基板表面上にブラシを形成する。
【0048】
ブラシおよびマットポリマーを、基板上に配置する前に、精製ステップを経てもよい。精製は、遠心分離、蒸留、デカンテーション、蒸発、イオン交換ビーズによる処理などを含み得る。本発明のブラシおよびマットポリマーは、任意選択で、さらに添加剤を含み得る。添加剤は、ポリマー(ホモポリマーおよびランダムコポリマーを含む)、界面活性剤、酸化防止剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、クエンチャー、硬化剤、接着促進剤、溶解速度調整剤、光硬化剤、光増感剤、酸増幅剤、および架橋剤を含む。好ましい添加剤は、界面活性剤および酸化防止剤を含む。
【0049】
ポリアクリレート・コポリマー(ポリスチレン無)を含むマット組成物の使用およびポリ(アルキルアクリレート)ブラシバックフィル組成物の使用により、自己組織化が起きる際に均一な細片がランダムコポリマー内に形成される。ブロックコポリマーの誘導自己組織化とともに、ランダムコポリマー中のポリ(アルキルアクリレート)からなるラメラおよび/またはシリンダードメインは、マット中の非架橋ポリアクリレートドメインに対して垂直に配列する。
【0050】
一態様において、BCPの一ドメインは湿潤細片と優先的に反応し、例えば、細片がPMMA−BCBマットから作製される場合、PS−PMMAのPMMAドメインは細片の上に整列する。次に、バックフィルブラシは、その表面エネルギーをブラシ領域の上のBCPドメインの整列を促進するように調製する必要があり、それはマット細片によって固定されていないBCPの他のブロック(この実施例においてはPS)に対して中立であるかやや優先的であるように、ブラシ表面エネルギーを適切に選択することによって得られる。
【0051】
ラメラおよびシリンダードメインもまた深さ「w」を持つ。ランダムコポリマー中のポリアクリレートドメインのエッチング耐性は、実質的にマット組成物およびブラシバックフィル組成物中のポリアクリレートのエッチング耐性と近いため、半導体基板におけるチャネルを均一にパターニングすることができる。
【0052】
第一の溶媒は、マット組成物の溶媒和において使用され、第二の溶媒はブラシバックフィル組成物の溶媒和において使用され得る。一態様において、第一の溶媒は、第二の溶媒と同じでも異なっていてもよい。有用な溶媒は、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、ケトン類(トルエン、アセトンなど)、アルキレンカーボネート類(例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなど)、ブチロラクトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベンゼン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、トルエン、水、エチレングリコール類(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カルビトールセロソルブ、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなど)、テトラヒドロフランなど、または上述の溶媒のうち少なくとも1つを含む組み合わせである。
【0053】
ある例示的な態様において、マットおよびブラシ組成物のための溶媒はグリコールエーテルである。
【0054】
マット組成物については、マット組成物の溶媒に対する重量比は、1:1000〜1:10、好ましくは1:200〜1:50とすることができる。ブラシバックフィル組成物については,ブラシバックフィル組成物の溶媒に対する重量比は、1:1000〜1:5、好ましくは1:100〜1:20とすることができる。
【0055】
ブロックコポリマーにおいて望ましい自己組織化モルフォロジーの形成を促進する方法がいくつか開発されてきた。移動勾配熱加熱(moving gradient thermal heating)の使用により、ブロックコポリマーにおける望ましい自己組織化モルフォロジーの形成が促進されるとされている。常温または加熱条件下で、膜を溶媒蒸気(単独溶媒の蒸気もしくは混合溶媒の蒸気、またはその組成が経時変化する蒸気)と接触させるという手法が、ブロックコポリマーにおける望ましい自己組織化モルフォロジーの形成が促進されるとさらに注目されている。例えば、JungおよびRossは、溶媒蒸気のアニーリングを行い、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)を配列し、また米国特許出願公開第2011/0272381号においてMillward, et al.は、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)などのジブロックコポリマー膜の処理のための溶媒アニーリング方法を開示している。
【0056】
ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマーのエッチングは、イオンビームエッチング、プラズマエッチング、マイクロ波プラズマエッチングまたは化学エッチングを用いて実施することができる。好ましいエッチング方法は酸素プラズマエッチングである。エッチングは、ポリメチルメタクリレートドメインを除去し、その下のブラシ層をエッチングするために行われる。
【0057】
マット組成物のエッチング速度はフォトレジストと近く、またブラシバックフィル組成物のエッチング速度とも近いため、基板内のチャネルは均一に間隔があく。ある例示的な態様において、マット組成物のエッチング速度は1秒あたり1ナノメートルより大きく、好ましくは1秒あたり1.5ナノメートルより大きい。ブラシおよびマットのOhnishiの数は、エッチング速度の見積もりに用いることができ、2より大きく、好ましくは4より大きい。
【0058】
上述の組成物を使用することにより、均一な、100ナノメートル未満、好ましくは50ナノメートル未満、さらに好ましくは20ナノメートル未満の周期的な構造を形成することができる。またこの使用により、100ナノメートル未満、好ましくは50ナノメートル未満、さらに好ましくは20ナノメートル未満の平均最大深さまたは厚みを持つ構造を形成することができる。
【0059】
以下の実施例は、制限的であることを意図しておらず、本明細書に開示のマット組成物およびブラシバックフィル組成物を実証することを意図している。
【実施例】
【0060】
誘導自己組織化において通常用いられるポリスチレンマットは、例えばNealey et alによりMacromolecules,2011,44,1876−1885に記載されているように、スチレンおよび4−ビニルベンゾシクロブタン(VBCB)によるランダムコポリマーであり、2〜10%のVBCBを含む。このコポリマーのOhnishiの数は2である(表1)。
【化16】
【0061】
バックフィルブラシとして通常用いられるコポリマーは、Nealey et alによりMacromolecules,2011,44,1876−1885に記載されているように、スチレンおよびメチルメタクリレートによるランダムコポリマーであり、分子鎖末端にヒドロキシル基を持つ。このコポリマーは通常30〜70モル%がスチレンであり、Ohnishiの数は2.9〜4.1の範囲である(表1)。
【表1】
【0062】
比較例1
本実施例は、ポリスチレンおよび2−(1,2−ジヒドロシクロブタベンゼン−1−イルオキシ)エチルメタクリレート(BCBMA)によるランダムコポリマーを含む組成物の製造を実演するために行われた。16.028gのスチレンおよび3.972gの2−(1,2−ジヒドロシクロブタベンゼン−1−イルオキシ)エチルメタクリレート(BCBMA)を30.000gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解した。20分間窒素通気することによって、モノマー溶液を脱気した。PGMEA(14.964グラム(g))を、濃縮器および機械的撹拌器に備えられた250mLの三つ口フラスコに加え、20分間窒素通気することによって脱気した。次いで、反応フラスコ内の溶媒の温度を80℃まで引き上げた。V601(ジメチル−2,2−アゾジイソブチレート)(0.984g)を4.000gのPGMEAに溶解し、開始剤溶液も20分間窒素通気することによって脱気した。開始剤溶液を反応フラスコに加え、次いでモノマー溶液を厳しい撹拌および窒素環境のもとで3時間かけて反応器に滴下した。モノマーの供給完了後、重合混合物をさらに1時間、80℃で保持した。合計4時間の重合時間(供給3時間、供給後の撹拌1時間)の後、重合混合物を室温まで冷えるままにした。メタノール/水(80/20)で沈殿させた。沈殿したポリマーをろ過によって回収し、一晩空気乾燥させ、THFに再溶解し、メタノール/水(80/20)で再沈殿させた。最終ポリマーをろ過し、一晩空気乾燥させ、さらに真空下、25℃で48時間乾燥し、以下に示すポリマーAを得た。
【化17】
【0063】
実施例1
本実施例は、マット組成物において用いられる、本明細書に開示のポリアクリレート・ランダムコポリマーの製造方法を明らかにする。15.901gのメチルメタクリレート(MMA)および4.099gの2−(1,2−ジヒドロシクロブタベンゼン−1−イルオキシ)エチルメタクリレート(BCBMA)を、30.000gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解した。20分間窒素通気することによって、モノマー溶液を脱気した。PGMEA(15.037g)を、濃縮器および機械的撹拌器に備えられた250mLの三つ口フラスコに加え、20分間窒素通気することによって脱気した。次いで、反応フラスコ内の溶媒の温度を80℃まで引き上げた。V601(ジメチル−2,2−アゾジイソブチレート)(1.016g)を4.000gのPGMEAに溶解し、開始剤溶液も20分間窒素通気することによって脱気した。開始剤溶液を反応フラスコに加え、次いでモノマー溶液を厳しい撹拌および窒素環境のもとで3時間かけて反応器に滴下した。モノマーの供給完了後、重合混合物をさらに1時間、80℃で保持した。合計4時間の重合時間(供給3時間、供給後の撹拌1時間)の後、重合混合物を室温まで冷えるままにした。メタノール/水(80/20)で沈殿させた。沈殿したポリマーをろ過によって回収し、一晩空気乾燥させ、THFに再溶解し、メタノール/水(80/20)で再沈殿させた。最終ポリマーをろ過し、一晩空気乾燥させ、さらに真空下、25℃で48時間乾燥し、以下に示す構造を持つマット組成物(ポリマーBとする)を得た。Ohnishiの数は4.8である。
【化18】
【0064】
実施例2
この実施例は、ポリマーマットのエッチング速度測定を実演するために行われた。
【0065】
ポリマーAおよびBをPGMEA(3.0wt%)に溶解し、ベアシリコンウェハ上に3000rpmでスピンコートし、次に150℃で2分間ソフトベークし、約45ナノメートルの初期膜厚を得た。ポリマーAおよびポリマーB両方のマット組成物にO
2プラズマを種々の時間当て、残った厚みを測定し、時間の関数として
図5にプロットした。
図5より、ポリマーBマット(ポリアクリレート・コポリマーを含むマット)のエッチング速度は、
図5中の表の条件の下では、ポリマーAマット(ポリスチレンマット)よりほぼ2倍速いと見ることができる。
【0066】
比較例3
この比較例は、ブラシバックフィル組成物を形成する、ポリスチレンおよびポリメチルメタクリレート(ポリ(スチレン−r−メチルメタクリレート)−OH(61.4/38.6))を含むランダムコポリマーの製造およびエッチングを実演するために行われた。スチレンおよびメチルメタクリレート(MMA)を塩基性アルミナに通した。250mLの反応器(隔壁付き)に、スチレン(20.000g)、MMA(13.314g)、CuBr(0.191g)およびアニソール(54ml)を加え、窒素を用いて45分間パージした。リガンド(PMDETA、0.4615g)(ATRP反応を可能にする)を、窒素パージの下さらに15分間、シリンジを介して反応混合物に注入した。温度を95℃に引き上げた。10分後、開始剤を反応器に注入した。次に窒素パージを中止した。分子量がモルあたり10,000グラムに到達した時点で重合を止めた。重合混合物を塩基性アルミナに通し、次にメタノール中に沈殿させた。沈殿物をテトラヒドロフランに溶解し、再度塩基性アルミナ、次いで陽イオン交換樹脂に通し、メタノールを用いて再沈殿させた。白色粉末をろ過し、一晩50℃で乾燥し、以下に示す構造を持ち、61.4モル%がスチレンおよび38.6モル%がメチルメタクリレートであり、Ohnishiの数が3.2であるポリマーCを得た。
【化19】
【0067】
実施例3
この実施例は、本開示のポリ(アルキルメタクリレート)を含むブラシバックフィル組成物の製造を実演するために行われた。この特定の実施例においては、ブラシ組成物は、ポリ(エチルメタクリレート)を含む。エチルメタクリレート(EMA)を塩基性アルミナに通した。250mLの反応器(隔壁付き)にEMA(20.000g)、CuBr(0.114g)およびアニソール(60g)を加え、窒素を用いて45分間パージした。リガンド(PMDETA、0.277g)を、窒素パージの下さらに15分間、シリンジを介して反応混合物に注入した。温度を95℃に引き上げた。10分後、開始剤を反応器に注入した。次に窒素パージを中止した。分子量がモルあたり約10,000グラムに到達した時点で重合を止めた。重合混合物を塩基性アルミナに通し、次にメタノール中に沈殿させた。沈殿物をテトラヒドロフランに溶解し、再度塩基性アルミナに通し、次いで陽イオン交換樹脂処理(塩およびイオン除去のため)ならびにメタノールからの再沈殿を行った。白色粉末をろ過し、一晩50℃で乾燥し、Ohnishiの数が4.5であるポリマーDを得た。
【化20】
【0068】
実施例4
この実施例は、中性ブラシポリマーの評価(指紋状モルフォロジー形成による)を行うために行われた。ポリマーCおよびDをPGMEA(1.3wt%)に溶解し、ベアシリコンウェハ上に3000rpmでスピンコートし、次に250℃で20分間ベークした。未反応のブラシを、PGMEAで2回すすぐことにより除去した。次に、PS−b−PMMAのPGMEA溶液をスピンコートし、次いで250℃で2分間ベークすることにより、ポリスチレン−ブロック−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマー(PS−b−PMMA)の薄膜をブラシコートされた基板上に配置した。モルフォロジーは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて撮像された。
図6は、ベアSiウェハにグラフトされた、PS−r−PMMAブラシ(A)およびPEMA−OH(B)上のPS−b−PMMAで生成された指紋状パターンを示す。PEMA−OHブラシ(B)上に生成した指紋状パターンにより、PS−b−PMMAのいずれのブロックにも非選択的な中性表面という望ましい特徴が明示された。しかしながら、このブラシは、そのOhnishiの数が4.5であり3.2と比べてより大きく(表1)、
図7に明示されるようにエッチング速度が速いことから、PS−r−PMMAブラシに対して優位である。
【0069】
実施例5
この実施例により、比較例3および実施例3のポリマーBブラシを用いた時のエッチング速度が実証される。ポリマーCおよびDをPGMEA(1.3wt%)に溶解し、ベアシリコンウェハ上に3000rpmでスピンコートし、次に150℃で2分間ソフトベークし、約35ナノメートルの初期膜厚を得た。PS−r−PMMA−OH(ポリマーC)およびPEMA−OH(ポリマーD)の両方の中性ブラシにO
2プラズマを種々の時間当て、残った厚みを測定し、時間の関数として
図7にプロットした。アクリレートをベースにした中性ブラシ(PEMA−OH)のエッチング速度は、
図7中の表の条件の下では、PS−r−PMMA−OHブラシよりほぼ2倍速い。
【0070】
上述の実施例より、ポリアクリレート・コポリマーを含むマット組成物およびポリ(アルキルアクリレート)を含むブラシバックフィル組成物のエッチング速度は、ポリスチレンを含むマット組成物およびブラシバックフィル組成物のエッチング速度の少なくとも2倍と見ることができる。
【0071】
一態様において、ポリアクリレート・コポリマーを含むマット組成物およびポリ(アルキルアクリレート)類を含むブラシバックフィル組成物のエッチング速度は、ポリスチレンを含むマット組成物およびブラシバックフィル組成物のエッチング速度の少なくとも1
.2倍、好ましくは少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍である。
また本発明のブラシバックフィル組成物には以下の(1)〜(4)の態様が含まれる:
(1)半導体の製造で使用するためのブラシバックフィル組成物であって、
半導体基板に対して反応し得る官能基を持つポリ(アルキルアクリレート)であって、前記ブラシバックフィル組成物はマット組成物からなる細片の間に配置され、前記ブラシバックフィル組成物およびマット組成物は半導体基板上に配置され、また前記ブラシバックフィル組成物はその上に配置されるブロックコポリマーのうちの少なくとも1つの成分と実質的に同様のエッチング特性を持つポリ(アルキルアクリレート)、を含むブラシバックフィル組成物:
(2)前記ブラシバックフィル組成物が4より大きいOhnishiパラメータを持つ、前記(1)に記載のブラシバックフィル組成物:
(3)前記ポリ(アルキルアクリレート)がエチルメタクリレートの重合より生じるモノマー単位を含む、前記(1)または(2)のいずれか1つに記載のブラシバックフィル組成物:並びに、
(4)前記ポリ(アルキルアクリレート)が式(5)に示す構造を含む、前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のブラシバックフィル組成物。
【化21】
(式中、n3は75〜125)。