特許第6558900号(P6558900)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6558900
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20190805BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   G02F1/1335 510
   G02F1/1335 520
   G02B5/30
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-601(P2015-601)
(22)【出願日】2015年1月6日
(65)【公開番号】特開2015-132823(P2015-132823A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2017年11月27日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0004085
(32)【優先日】2014年1月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,デ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ドン ゴン
(72)【発明者】
【氏名】コン,ヒャン シク
(72)【発明者】
【氏名】ナム,ジュン ゴン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,グッグ レ
【審査官】 岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0100781(US,A1)
【文献】 特開2012−168531(JP,A)
【文献】 特開2010−117474(JP,A)
【文献】 特開2009−300654(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0222002(US,A1)
【文献】 特開2009−037227(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0072079(US,A1)
【文献】 特開2012−002972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の透過領域と前記複数の透過領域に隣接する遮光領域とを含む第1ベース基板と、
前記第1ベース基板と離隔されて配置された第2ベース基板と、
前記第1ベース基板と前記第2ベース基板との間に配置され、前記複数の透過領域に各々重畳する複数の画素と、
前記複数の画素を介して離隔されて配置された第1偏光子及び第2偏光子と、を含み、
前記第1偏光子と前記第2偏光子との中で少なくともいずれか1つは互いに異なる層上に配置されている複数の光学変換層を含み、前記複数の光学変換層の各々は、格子パターンをなす複数の線状パターンを含み、
前記第1偏光子は、
格子パターンをなす複数の第1線状パターンを含む第1光学変換層と、
前記複数の第1線状パターンと実質的に同一の方向に延長され、実質的に同一の方向に羅列されて格子パターンをなす複数の第2線状パターンを含む第2光学変換層と、を含み、
前記第1光学変換層及び前記第2光学変換層は、前記第1ベース基板に配置されており、
前記第1光学変換層及び前記第2光学変換層は、前記第1ベース基板の一側に配置され、
前記第1光学変換層及び前記第2光学変換層は、前記第1ベース基板の一面と前記複数の画素との間に配置されており、
前記第1光学変換層は、
前記複数の第1線状パターンを含み、前記複数の透過領域に重畳する偏光部と、
前記遮光領域をカバーする反射部とを含み、
前記第2光学変換層は、
前記複数の第2線状パターンを含み、前記複数の透過領域に重畳する偏光部を含み、
第2線状パターン(WG2)は、その両端部にて、反射部(RP)から離隔されており、画素ごとの透過領域(TA)を囲むように延びる、透過領域(TA)と遮光領域(LSA)との境界線に沿って、反射部(RP)から分離されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数の第1線状パターン及び前記複数の第2線状パターンの各々は、金属層、及び、線状パターン(WG)と直交する方向の断面にて、金属層(ML)を上方及び左右から取り囲むように配置され、金属層(ML)の表面が酸化されて形成された金属酸化物層を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の第1線状パターンと前記複数の第2線状パターンとの各々は50nm乃至150nmの高さを有することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の第1線状パターンの中で隣接する2つの線状パターン間の前記羅列された方向の離隔距離と、前記隣接する2つの線状パターンの中で1つの線状パターンの前記羅列された方向の幅の合計をピッチとして定義し、前記ピッチに対する前記1つの格子パターンの前記羅列された方向の幅は、0.3:1乃至0.6:1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の第2線状パターンは、前記複数の第1線状パターンの前記ピッチと同一のピッチを有し、前記第2線状パターンは、前記第1線状パターンの前記幅と同一の幅を有することを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1偏光子は、
前記複数の第1線状パターンと実質的に同一の方向に延長され、実質的に同一の方向に羅列された複数の第3線状パターンを含む第3光学変換層をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2偏光子は、延伸型偏光フィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2偏光子は、
複数の第3線状パターンを含む第3光学変換層と、
前記複数の第3格子パターンと同一の方向に延長され、同一の方向に羅列された複数の第4線状パターンを含む第4光学変換層と、を含み、
前記第3光学変換層及び前記第4光学変換層は、前記第2ベース基板に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項9】
前記遮光領域に重畳するブラックマトリックスと、
前記複数の透過領域に重畳する複数のカラーフィルターと、をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、より詳細には光学変換層を具備する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のような非発光型表示装置は外部の光を利用して画像を生成する。液晶表示装置は液晶表示パネルとバックライトユニットとを含む。液晶表示パネルはバックライトユニットから提供された光を利用して画像を生成する。
【0003】
液晶表示パネルは2つの表示基板とその間に配置された液晶層とを含む。2つの表示基板上に2つの偏光フィルムが各々配置される。2つの偏光フィルムはバックライトユニットから提供された光を偏光させる。液晶層の配列が変化されることにしたがってバックライトユニットから提供された光は液晶表示パネルを透過するか、或いは透過しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開第2013/0033662号明細書
【特許文献2】米国特許公開第2012/0206580号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明は表示品質及び光効率が向上された表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による表示装置は、第1ベース基板、第2ベース基板、複数の画素、第1偏光子及び第2偏光子を含む。前記第1ベース基板と前記第2ベース基板とは、互いに離隔されて配置される。前記第1ベース基板は、複数の透過領域と前記複数の透過領域に隣接する遮光領域とを含む。
【0007】
前記複数の画素は、前記第1ベース基板と前記第2ベース基板との間に配置される。前記複数の画素は、前記複数の透過領域に各々重畳する。前記第1偏光子及び第2偏光子は、前記複数の画素を介して離隔されて配置される。
【0008】
前記第1偏光子と前記第2偏光子との中で少なくともいずれか1つは、互に異なる層上に配置された複数の光学変換層を含むことができる。前記複数の光学変換層の各々は、複数の格子パターンを含むことができる。
【0009】
前記第1偏光子は、第1光学変換層と第2光学変換層とを含むことができる。前記第1光学変換層は、複数の第1格子パターンを含み、前記第2光学変換層は、前記複数の第1格子パターンと実質的に同一の方向に羅列された複数の第2格子パターンを含む。前記第1光学変換層と前記第2光学変換層は、他の層上に配置される。
【0010】
前記第1偏光子の前記第1光学変換層及び前記第2光学変換層は、前記第1ベース基板に配置されてもよい。前記第1偏光子の前記第1光学変換層及び前記第2光学変換層は、前記第1ベース基板を介して配置されてもよい。前記第1偏光子の前記第1光学変換層及び前記第2光学変換層は、前記第1ベース基板と前記複数の画素間に配置されてもよい。
【0011】
前記第1偏光子の前記第1光学変換層及び前記第2光学変換層の中で少なくともいずれか1つは、偏光部と反射部を含むことができる。前記偏光部は、前記複数の第1格子パターンと前記複数の第2格子パターンとの中で対応する格子パターンを含む。前記偏光部は、前記複数の透過領域に重畳する。前記反射部は、前記遮光領域をカバーする。
【0012】
前記偏光部と前記反射部は、同一の物質を含むことができる。
【0013】
前記画素の各々は、薄膜トランジスター及び画素電極を含む。前記薄膜トランジスターは、前記第1ベース基板上に配置された複数のゲートラインの中で対応するゲートライン及び複数のデータラインの中で対応するデータラインに連結される。前記画素電極は、前記薄膜トランジスターに連結される。
【0014】
前記偏光部は、前記画素電極に重畳し、前記反射部は、前記薄膜トランジスターに重畳することができる。
【0015】
前記第2偏光子は、延伸型偏光フィルムであってもよい。
【0016】
前記複数の第1格子パターンの各々は、アルミニウム層及び前記アルミニウム層をカバーするアルミニウム酸化物層を含むことができる。
【0017】
前記複数の第1格子パターンと前記複数の第2格子パターンは、実質的に同一の方向に延長される。
【0018】
前記複数の第1格子パターンと前記複数の第2格子パターンの各々は、50nm乃至150nmの高さを有することができる。
【0019】
前記複数の第1格子パターンの中で2つの格子パターンの間の前記羅列された方向の離隔距離及び前記2つの格子パターンの中で1つの格子パターンの前記羅列された方向の幅の合計をピッチとして定義される。前記ピッチに対する前記1つの格子パターンの前記羅列された方向の幅は0.3:1乃至0.6:1であり得る。
【0020】
前記第2格子パターンは、前記第1格子パターンの前記ピッチと同一のピッチを有し、前記第2格子パターンは、前記第1格子パターンの前記幅と同一の幅を有することができる。
【発明の効果】
【0021】
上述したことによれば、重畳して配置された複数の光学変換層は、偏光子を通過する光の偏光性を向上させる。第1光学変換層と第2光学変換層との中でいずれか1つが損傷されても、その他の1つは偏光子に入射された光を偏光させることができる。
【0022】
第1光学変換層と第2光学変換層との中で少なくともいずれか1つに具備された反射部は、バックライトユニットから提供された光を吸収せず、反射させる。反射された光は、バックライトユニットに具備された光学フィルム等によって再反射された後、最終的に液晶表示パネルに入射される。消滅する光量が減少し、液晶表示パネルに入射する光量が増加することによって光効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態による表示装置のブロック図である。
図2図1に図示された表示パネルの部分斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による画素の平面図である。
図4図3のI−I’に対応する断面図である。
図5図4のAA領域を拡大した図面である。
図6図5の格子パターンを拡大した図面である。
図7A】本発明の一実施形態による第1光学変換層の平面図である。
図7B】本発明の一実施形態による第2光学変換層の平面図である。
図8】第1格子パターンと第2格子パターンとの配置関係を示した図面である。
図9】損傷された光学変換層のSEMイメージである。
図10】光学変換層の構造と格子パターンとの損傷にしたがう消光比(extinction ratio)を比較したグラフである。
図11】本発明の一実施形態による第1偏光子に提供される光の進行方向を示した断面図である。
図12】本発明の一実施形態による第2光学変換層の平面図である。
図13A】本発明の一実施形態による表示パネルの断面図である。
図13B】本発明の一実施形態による表示パネルの断面図である。
図13C】本発明の一実施形態による表示パネルの断面図である。
図13D】本発明の一実施形態による表示パネルの断面図である。
図13E】本発明の一実施形態による表示パネルの断面図である。
図14A】本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。
図14B】本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。
図14C】本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。
図14D】本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。
図14E】本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。
図14F】本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。
図14G】本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。
図14H】本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。
図14I】本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態による表示装置のブロック図である。図2図1に図示された表示パネルの部分斜視図である。本実施形態で表示装置は液晶表示装置を例として説明される。但し、これに制限されず、本発明は偏光子を含む他の表示装置に変形されて実施できる。
【0026】
図1に示したように、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、液晶表示パネルDP、信号制御部100、ゲート駆動部200、データ駆動部300、バックライトユニットBLU、及び図示されない2つの偏光子を含む。
【0027】
液晶表示パネルDPは、複数の信号配線及び複数の信号配線に連結された複数の画素PX11〜PXnmを含む。複数の信号配線は、複数のゲートラインGL1〜GLn及び複数のデータラインDL1〜DLmを含む。複数のゲートラインGL1〜GLnは、第1方向DR1に延長され、第2方向DR2に配列される。複数のデータラインDL1〜DLmは、複数のゲートラインGL1〜GLnと絶縁されるように交差する。別途に図示しなかったが、複数の信号配線は複数のゲートラインGL1〜GLnに対応するように具備された複数の共通ラインをさらに含んでもよい。
【0028】
複数の画素PX11〜PXnmはマトリックス状に配列される。複数の画素PX11〜PXnmの各々は、複数のゲートラインGL1〜GLn及び複数のデータラインDL1〜DLmの中で対応するゲートライン及び対応するデータラインに連結される。
【0029】
液晶表示パネルDPは、VA(Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、IPS(in−plane switching)モード又はFFS(fringe−field switching)モード、及びPLS(Plane to Line Switching)モード等の中でいずれか1つのパネルである。本実施形態で液晶表示パネルDPは特定なモードのパネルに制限されない。
【0030】
信号制御部100は、入力画像信号RGBを受信し、入力画像信号RGBを液晶表示パネルDPの動作に相応しい画像データ(R’G’B’)に変換する。また、信号制御部100は、各種制御信号CS、例えば垂直同期信号、水平同期信号、メーンクロック信号、及びデータイネーブル信号等を受信し、第1及び第2制御信号CONT1、CONT2を出力する。また、信号制御部100は、バックライトユニットBLUを制御する第3制御信号CONT3を出力する。第3制御信号CONT3は調光信号(dimming signal)を含む。
【0031】
ゲート駆動部200は、第1制御信号CONT1に応答して複数のゲートラインGL1〜GLnにゲート信号を出力する。第1制御信号CONT1は、ゲート駆動部200の動作を開始する垂直開始信号、ゲート電圧の出力時期を決定するゲートクロック信号、及びゲート電圧のオンパルス幅を決定する出力イネーブル信号等を含む。
【0032】
データ駆動部300は、第2制御信号CONT2及び画像データR’G’B’を受信する。データ駆動部300は、画像データR’G’B’をデータ電圧に変換して複数のデータラインDL1〜DLmに提供する。
【0033】
第2制御信号CONT2は、データ駆動部300の動作を開始する水平開始信号、データ電圧の極性を反転させる反転信号、及びデータ駆動部300からデータ電圧が出力される時期を決定する出力指示信号等を含む。
【0034】
バックライトユニットBLUは、第3制御信号CONT3に応答して液晶表示パネルDPに光を提供する。バックライトユニットBLUは、光を生成する発光素子を含む。バックライトユニットBLUは直下型又はエッジ型の中でいずれか1つであり得る。エッジ型バックライトユニットBLUは導光体を含み、直下型バックライトユニットBLUは導光体を含まない。エッジ型バックライトユニットBLU及び直下型バックライトユニットBLUの各々は光学フィルムを含む。
【0035】
図2に示したように、液晶表示パネルDPは、第1表示基板DS1と第2表示基板DS2とを含む。第1表示基板DS1と第2表示基板DS2とは、厚さ方向DR3(以下第3方向)に互いに離隔されて配置される。第1表示基板DS1と第2表示基板DS2とは、シーラント(図示せず)によって第1表示基板DS1と第2表示基板DS2との枠において結合される。第1表示基板DS1と第2表示基板DS2との間に液晶層LLが配置される。
【0036】
液晶表示パネルDPは、複数の透過領域TAと複数の透過領域TAに隣接する遮光領域LSAとに区分される。複数の透過領域TAは、バックライトユニットBLUから生成された光を通過させる。遮光領域LSAは、バックライトユニットBLUから生成された光を遮断させる。
【0037】
図1に図示された複数のゲートラインGL1〜GLn、及び複数のデータラインDL1〜DLmは、第1表示基板DS1と第2表示基板DS2との中でいずれか1つに配置される。複数のゲートラインGL1〜GLn及び複数のデータラインDL1〜DLmは、遮光領域LSAに重畳するように配置される。複数の画素PX11〜PXnmは、複数の透過領域TAに各々対応するように配置される。後述するように、複数の画素PX11〜PXnmの各々は、複数の透過領域TAの中で対応する透過領域に部分的に重畳する。
【0038】
図3は本発明の一実施形態による画素の平面図である。図4は本発明の一実施形態による表示パネルの断面図である。図3はPLSモードの画素PXijを例示的に図示したが、画素PXijの構成はこれに制限されない。図4図3のI−I’に対応する断面を図示した。
【0039】
図3及び図4に示したように、第1表示基板DS1は、第1ベース基板SUB1、ゲートラインGLi、データラインDLj、共通ラインCLi、及び複数の絶縁層10乃至50を含む。第2表示基板DS2は、第2ベース基板SUB2、ブラックマトリックスBM、及びカラーフィルターCFを含む。
【0040】
図4に示したように、第2表示基板DS2は、第1表示基板DS1の上側に配置される。本発明の一実施形態で第1表示基板DS1が上側に配置され、第2表示基板DS2は下側に配置されてもよい。
【0041】
第1ベース基板SUB1と第2ベース基板SUB2との間に画素PXijが配置される。図3及び図4に示したように、画素PXijは第1ベース基板SUB1上に配置されてもよい。画素PXijは薄膜トランジスターTFT、共通電極CE、及び画素電極PEを含む。
【0042】
第1偏光子PL1と第2偏光子PL2とは、画素PXijを介して離隔されて配置される。第1偏光子PL1と第2偏光子PL2との中で少なくともいずれか1つは、互に異なる層上に配置された複数の光学変換層を含む。複数の光学変換層の各々は入射される光を偏光させる。
【0043】
図4に示したように、第1偏光子PL1は、第1光学変換層LCL1及び第2光学変換層LCL2を含む。第1光学変換層LCL1上に第2光学変換層LCL2が配置される。第1光学変換層LCL1及び第2光学変換層LCL2の各々は入射光を偏光させる複数の格子パターン(図示せず)を含む。
【0044】
第1光学変換層LCL1及び第2光学変換層LCL2の中でいずれか1つは反射部と偏光部とを含む。反射部は入射光を反射させる部分である。偏光部は入射光を偏光させる部分に対応し、実質的に格子パターンに対応する。図4に示したように、第2光学変換層LCL2は反射部RPと偏光部PPとを含む。
【0045】
本発明の一実施形態で第1偏光子PL1は第3光学変換層をさらに含んでいてもよい。また、第2光学変換層LCL2のみでなく、第1光学変換層も反射部RPと偏光部PPとを含んでもよい。
【0046】
本実施形態による液晶表示パネルの第2偏光子PL2は延伸型偏光フィルムであり得る。延伸型偏光フィルムは、ヨウ化物系化合物又は二色性偏光物質が吸着配向され、一方向に延伸されたポリビニールアルコール系偏光子と、偏光子を保護するトリアセチルセルロース保護フィルムとを含む。
【0047】
第1偏光子PL1と第2偏光子PL2とは、各々光学軸(例えば、透過軸)を有する。第1偏光子PL1の光学軸と第2偏光子PL2の光学軸は互いに直交するか、或いは互いに平行になる。本発明の一実施形態で第2偏光子PL2は複数の光学変換層を含んでもよい。
【0048】
以下、第1偏光子PL1及び画素PXijに対してさらに詳細に説明する。本実施形態によれば、第1ベース基板SUB1の一面、即ち図4を基準に第1ベース基板SUB1の上面上に第1偏光子PL1及び画素PXijが配置される。
【0049】
第1ベース基板SUB1は、ガラス基板、プラスチック基板、シリコン基板等のような透明な基板である。第1ベース基板SUB1の一面上に第1光学変換層LCL1が配置される。第1光学変換層LCL1上に第1絶縁層10が配置される。第1ベース基板SUB1の一面と第1光学変換層LCL1との間にバッファ層が配置される。
【0050】
第1絶縁層10は1.5以下の屈折率を有することが望ましい。また、第1絶縁層10は300nm以下の厚さを有することが望ましい。第1絶縁層10は300nm以下の厚さであることが好ましい理由は、第2光学変換層LCL2に到達するまで、第1光学変換層LCL1を通過した光の偏光性が変化されることを最小化するためである。
【0051】
第1絶縁層10は有機物又は無機物を含む。第1絶縁層10は多層構造を有していてもよい。第1絶縁層10はシリコン無機物を含み得る。シリコン無機物はシリコン酸化物及びシリコンナイトライドの中で少なくともいずれか1つを含み得る。
【0052】
第1絶縁層10上に第2光学変換層LCL2が配置される。反射部RPは遮光領域LSAに重畳し、偏光部PPは透過領域TAに重畳する。反射部RPは遮光領域LSAをカバーする。言い換えれば、平面上で反射部RPと遮光領域LSAとは実質的に同一の形状を有する。
【0053】
第2光学変換層LCL2上に第2絶縁層20が配置される。第2絶縁層20は第1絶縁層10と同一の層構造及び/又は同一の物質を含む。第2絶縁層20上にゲートラインGLi及び共通ラインCLiが配置される。
【0054】
薄膜トランジスターTFTのゲート電極GEがゲートラインGLiから分岐される。ゲート電極GEは、ゲートラインGLiと同一の物質で構成され、同一の層構造を有する。ゲート電極GEとゲートラインGLiは銅(Cu)、アルミニウム(Al)、これらの合金、又は各々の合金を含む。ゲート電極GEとゲートラインGLiとはアルミニウム層と他の金属層とを含む多層構造を有する。共通ラインCLiはゲートラインGLiと同一の物質で構成され、同一の層構造を有する。
【0055】
第2絶縁層20上にゲートラインGLi及び共通ラインCLiをカバーする第3絶縁層30が配置される。第3絶縁層30は有機物又は無機物を含む。第3絶縁層30は多層構造を有し得る。
【0056】
第3絶縁層30上にゲート電極GEと重畳する半導体層ALが配置される。第3絶縁層30の上には、図示されないオーミックコンタクト層がさらに配置されてもよい。第3絶縁層30上にデータラインDLjが配置される。
【0057】
データラインDLjは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、これらの合金、又は各々の合金を含む。データラインDLjは、アルミニウム層と他の金属層(例えば、クロム又はモリブデン)とを含む多層構造を有する。データラインDLjから薄膜トランジスターTFTのソース電極SEが分岐される。ソース電極SEはデータラインDLjと同一な物質で構成され、同一の層構造を有する。
【0058】
第3絶縁層30上に、ソース電極SEと離隔されたドレーン電極DEが配置される。ソース電極SEとドレーン電極DEとは半導体層ALに各々重畳する。
【0059】
第3絶縁層30上にソース電極SE、ドレーン電極DE、及びデータラインDLjをカバーする第4絶縁層40が配置される。第4絶縁層40は平坦面を提供する。第4絶縁層40上に共通電極CEが配置される。共通電極CEは、第3絶縁層30及び第4絶縁層40を貫通する第1貫通ホールCH1を通じて共通ラインCLiに連結される。本発明の一実施形態で、共通電極CEは、画素PXijの動作モードにしたがって第2ベース基板SUB2上に配置されてもよい。
【0060】
第4絶縁層40上に共通電極CEをカバーする第5絶縁層50が配置される。第5絶縁層50上に共通電極CEに重畳する画素電極PEが配置される。画素電極PEは、第4絶縁層40及び第5絶縁層50を貫通する第2貫通ホールCH2を通じてドレーン電極DEに連結される。第5絶縁層50の上には画素電極PEを保護する保護層(図示せず)及び配向層(図示せず)がさらに配置されてもよい。
【0061】
画素電極PEは複数のスリットSLTを含む。画素電極PEは第1横部P1、第1横部P1と離隔されて配置された第2横部P2、及び第1横部P1と第2横部P2を連結する複数の縦部P3を含む。複数の縦部P3の間に複数のスリットSLTが配置される。一方、画素電極PEの形状はこれに制限されない。本発明の一実施形態で、複数のスリットSLTは、画素電極PEではなく、共通電極CEに形成されてもよい。
【0062】
薄膜トランジスターTFTは、ゲートラインGLiに印加されたゲート信号に応答してデータラインDLjに印加されたデータ電圧を出力する。共通電極CEは、共通電圧を受信し、画素電極PEはデータ電圧に対応する画素電圧を受信する。共通電極CEと画素電極PEとは横電界を形成する。横電界によって液晶層LLに含まれた方向子の配列が変化される。
【0063】
第2ベース基板SUB2は、ガラス基板、プラスチック基板、シリコン基板等のような透明な基板であってもよい。第2ベース基板SUB2上にカラーフィルターCF及びブラックマトリックスBMが配置される。
【0064】
カラーフィルターCFは、少なくとも透過領域TAに重畳するように配置される。カラーフィルターCFは平面上で透過領域TAをカバーし、遮光領域LSAにも一部重畳する。カラーフィルターCFは、レッド、グリーン、又はブルーカラーを有する。図4には1つの画素PXijに対応する1つのカラーフィルターCFが図示されたが、液晶表示パネルDPは複数の画素PX11〜PXnmにしたがって互いに異なるカラーを有する複数個グループのカラーフィルターを含む。
【0065】
ブラックマトリックスBMは、遮光領域LSAに重畳するように配置される。実質的に遮光領域LSAはブラックマトリックスBMが配置された領域に、透過領域TAはブラックマトリックスBMが配置されない領域に定義される。
【0066】
ブラックマトリックスBMの形状によって遮光領域LSAの範囲は変更されることができる。図3及び図4に示したように、薄膜トランジスターTFTは遮光領域LSAに重畳しているが、本発明の一実施形態で、薄膜トランジスターTFTもやはり透過領域TAに重畳してもよい。
【0067】
図5図4のAA領域を拡大した図面である。図6図5の格子パターンを拡大した図面である。図7A及び図7Bそれぞれは、本発明の一実施形態による第1光学変換層と第2光学変換層との平面図である。図8は第1格子パターンと第2格子パターンとの配置関係を示した図面である。図7A及び図7B図3に図示された画素PXijに重畳する領域を図示する。
【0068】
図5に示したように、第1偏光子PL1は第1光学変換層LCL1と第2光学変換層LCL2とを含む。第1光学変換層LCL1は複数の第1格子パターンWG1を含む。第2光学変換層LCL2は反射部RPと偏光部PPとを含む。偏光部PPは複数の第2格子パターンWG2を含む。
【0069】
図6は、基底層SUB上に配置された2つの格子パターンWGを図示する。2つの格子パターンWGは複数の第1格子パターンWG1の一部を構成する。第2格子パターンWG2は、第1絶縁層10上に形成されるが、その他の構成は第1格子パターンWG1と同様の構成であるので、説明を省略する。つまり、複数の第2格子パターンWG2の一部もまた、図6の2つの格子パターンWGと同様に構成され得る。
【0070】
格子パターンWGの各々は所定の高さH10を有する。格子パターンWGは互いに同一の高さH10を有するか、或いは互いに異なる高さH10を有する。高さH10は50nm乃至150nmである。
【0071】
格子パターンWGの各々は所定の幅W10を有する。また、格子パターンWGは所定の距離L10ぐらい離隔されて配置される。幅W10と離隔距離L10との合計はピッチPTとして定義される。ピッチPTは100nm乃至150nmである。ピッチPTに対する離隔距離L10は0.3:1乃至0.6:1である。
【0072】
格子パターンWGの各々は、金属層MLと、金属層MLを囲む金属酸化物層MOLとを含む。例えば、金属層MLはアルミニウムであり、金属酸化物層MOLは酸化アルミニウムを含む。
【0073】
格子パターンWGはインプリント方式によって形成されるが、金属酸化物層MOLは格子パターンWGが製造される過程で形成される。インプリントされた金属層MLの表面が酸化されて金属酸化物層MOLが形成される。金属酸化物層MOLは数nmの厚さを有する。
【0074】
図6には、断面形状が長方形である格子パターンWGが例示的に図示される。格子パターンWGの形状はこれに制限されない。格子パターンWGの断面は正方形状又は台形状等に変形され得る。
【0075】
図7A及び図7Bに示したように、複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2とは実質的に同一の方向に延長される。図7A及び図7Bは、第2方向DR2に沿って延長された、複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2とを例示的に図示した。複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2との延長された方向が、複数のデータラインDL1〜DLmが延長された方向と必ず一致する必要はない。
【0076】
図7Bに示したように、複数の第2格子パターンWG2は反射部RPから離隔される。複数の第2格子パターンWG2は、反射部RPと透過領域TAの遮光領域LSAとの境界線に沿って反射部RPから分離される。
【0077】
複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2とは実質的に平行になる。ここで、実質的に平行であることは図8に示したように、第1格子パターンWG1と第2格子パターンWG2との間角(θ)が0.1°以下であることを意味する。
【0078】
再び図5を参照すれば、複数の第1格子パターンWG1及び複数の第2格子パターンWG2の中で対応するパターンは、互いに完全にオーバーラップされる。この時対応するパターンは同一のピッチPT及び幅W10を有する。対応するパターンは同一の高さH10を有してもよい。
【0079】
本発明の一実施形態で、複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2は、互いに異なるピッチPT、高さH10、及び幅W10を有してもよい。複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2の各々のピッチPT、高さH10、及び幅W10は、図6を参照して説明した範囲を有すれば、十分である。
【0080】
バックライトユニットBLUから生成された光BL1、BL2は、第1光学変換層LCL1に入射される。バックライトユニットBLUから生成された光BL1、BL2の中で、複数の第1格子パターンWG1が延長された第2方向DR2に振動する光は反射され、複数の第1格子パターンWG1が羅列された第1方向DR1に振動する光は透過する。
【0081】
バックライトユニットBLUから生成された光BL1、BL2の中で一部の光BL1は、第1光学変換層LCL1で偏光された後、第2光学変換層LCL2の偏光部PPに入射される。バックライトユニットBLUから生成された光BL1、BL2の中で他の一部の光BL2は、第1光学変換層LCL1で偏光された後、第2光学変換層LCL2の反射部RPに入射される。
【0082】
偏光部PPに入射された光は、第1光学変換層LCL1を通過した状態の偏光性を維持しながら、第2光学変換層LCL2を通過する。複数の第1格子パターンWG1及び複数の第2格子パターンWG2のピッチPTに対する離隔距離L10の比率が同一である時、透過率が減少されながら、偏光性は維持される。
【0083】
反射部RPに入射された光は、バックライトユニットBLUに反射される。バックライトユニットBLUに反射された光RLは、バックライトユニットBLUに含まれた光学部材(図示せず)等で再反射される。再反射された光は最終的に偏光部PPに入射される。即ち、再反射された光は、画素PXij(図3参照)に入射される。反射部RPの上述した機能によってバックライトユニットBLUから生成された光は、画素PXijに到達するまで他の構成に吸収されない。反射部RPで反射された光が画素PXijに提供されることによって、液晶表示装置の光効率が向上される。
【0084】
図9は損傷された光学変換層のSEMイメージである。図10は光学変換層の構造と格子パターンとの損傷に伴う消光比(Extinction ratio)を比較したグラフである。図10には4つの棒グラフが図示されている。第1グラフGP1は損傷されない単一層の光学変換層を含む偏光子の消光比を図示し、第2グラフGP2は損傷された単一層の光学変換層を含む偏光子の消光比を図示する。第3グラフGP3は損傷された光学変換層と損傷されない光学変換層とを含む偏光子の消光比を図示し、第4グラフGP4は損傷されない2層の光学変換層を含む偏光子の消光比を図示する。
【0085】
図9に示したように、複数の第1格子パターンWG1及び複数の第2格子パターンWG2の製造過程でいずれか1つは損傷されることもある。インプリント過程で格子パターンが完全に印刷されず、印刷装置を分離する過程で格子パターンの一部分が印刷装置に付着される。それによって、図9の点線円に表示されたように、格子パターンの一部分が損傷される。
【0086】
本発明の一実施形態による偏光子は、複数の第1格子パターンWG1及び複数の第2格子パターンWG2の中で一部が損傷されても、光学的に互いに補完することによって画素PXijに正常的に偏光された光を提供することができる。例えば、複数の第1格子パターンWG1の中で一部分が図9のように損傷されても、損傷されていない複数の第2格子パターンWG2は偏光子に入射される光を偏光させることができる。
【0087】
図10に図示された第2グラフGP2に示したように、単一層の光学変換層が損傷されれば、偏光子は基準値以下の消光比を有する。ここで、基準値は第1グラフGP1の消光比である。
【0088】
第3グラフGP3に示したように、いずれか1つの光学変換層が損傷されても、偏光性は他の1つの光学変換層で補償されるので、偏光子は基準値以上の偏光性を有する。第4グラフGP4に示したように、2層の光学変換層が全て損傷されなければ、偏光子は高い偏光性を有する。
【0089】
図11は本発明の一実施形態による第1偏光子に提供される光の進行方向を示した断面図である。図12は本発明の一実施形態による第2光学変換層の平面図である。図11図5に対応し、図12図7Bに対応する。以下、図11及び図12を参照して本発明の一実施形態による液晶パネルに対して説明する。但し、図1乃至図10を参照して説明した構成と同一の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0090】
図11に示したように、第1偏光子PL1は第1光学変換層LCL1と第2光学変換層LCL2とを含む。複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2とは同一のピッチPT、高さH10、幅W10を有する(図6)。複数の第1格子パターンWG1の幅W10は離隔距離L10と同一である。複数の第2格子パターンWG2の幅W10は離隔距離L10と同一である。この時、複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2とは同一の幅W10を有する。
【0091】
複数の第1格子パターンWG1及び複数の第2格子パターンWG2は互いにオーバーラップされない。上面視において、複数の第2格子パターンWG2は複数の第1格子パターンWG1と交互に配置される。複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2とがオーバーラップされなくとも、第1偏光子PL1を通過する光は図5に図示された第1偏光子PL1を通過した光と同一の偏光性を有する。
【0092】
本発明の一実施形態で、実質的に平行になる複数の第1格子パターンWG1と複数の第2格子パターンWG2との中で対応するパターンは、互いに部分的にオーバーラップされてもよい。そのような場合にも第1偏光子PL1を通過する光は図5に図示された第1偏光子PL1を通過した光と同一の偏光性を有する。
【0093】
図12に示したように、第2光学変換層LCL2は、互いに連結された反射部RPと偏光部PPとを含む。複数の第2格子パターンWG2の両側末端は反射部RPに各々連結される。反射部RPと偏光部PPとは一体の形状を有する。一体の形状を有する反射部RPと偏光部PPとはスリットSLT10をパターニングすることによって形成される。
【0094】
図13A乃至図13Eは本発明の一実施形態による表示パネルの断面図である。図13A乃至図13E図4に対応する。以下、図13A乃至図13Eを参照して本発明の一実施形態による液晶パネルに対して説明する。但し、図1乃至図10を参照して説明した構成と同一である構成に対する詳細な説明は省略する。
【0095】
図13Aに示したように、液晶表示パネルの第1偏光子PL10は、第1光学変換層LCL10と第2光学変換層LCL20とを含む。第1光学変換層LCL10と第2光学変換層LCL20とは、第1ベース基板SUB1の一面上に配置される。
【0096】
第1光学変換層LCL10上に第2光学変換層LCL20が配置される。第1光学変換層LCL10は反射部RPと偏光部PPとを含む。図13Aに図示された第1光学変換層LCL10と第2光学変換層LCL20とは、図4に図示された第2光学変換層LCL2と第1光学変換層LCL1とに各々対応する。
【0097】
本実施形態による液晶表示パネルは、第1光学変換層LCL10と第2光学変換層LCL20との中でいずれか1つが損傷されても第1偏光子PL10に入射された光を偏光させることができる。また、第1光学変換層LCL10の反射部RPは入射される光を吸収せず、反射させる。反射部RPで反射された光は最終的に液晶表示パネルに入射される。消滅される光量が減少され、液晶表示パネルに入射される光量が増加されることによって光効率が向上される。
【0098】
図13Bに示したように、液晶表示パネルの第1偏光子PL10−1は、第1光学変換層LCL10−1と第2光学変換層LCL20−1とを含む。図13Bに図示された第1光学変換層LCL10−1と第2光学変換層LCL20−1とは、図4に図示された第1光学変換層LCL1と第2光学変換層LCL2とに各々対応する。
【0099】
第1光学変換層LCL10−1は第1ベース基板SUB1の下面上に配置され、第2光学変換層LCL20−1は第1ベース基板SUB1の上面上に配置される。第1ベース基板SUB1は図4に図示された第1絶縁層10の機能を有する。第1光学変換層LCL10−1と第2光学変換層LCL20−1との位置は互いに置き換えられる。別に図示しなかったが、第1ベース基板SUB1の下表面上には、第1光学変換層LCL10−1を保護する絶縁層又は保護フィルムがさらに配置されることもある。
【0100】
図13Cに示したように、液晶表示パネルの第1偏光子PL10−2は、2つの第1光学変換層LCL10−2、LCL10−20と、1つの第2光学変換層LCL20−2を含む。図13Cに図示された2つの第1光学変換層LCL10−2、LCL10−20は、図4に図示された第1光学変換層LCL1に各々対応する。第2光学変換層LCL20−2は、図4に図示された第2光学変換層LCL2に各々対応する。即ち、第2光学変換層LCL20−2は反射部RPと偏光部PPとを含む。
【0101】
第1ベース基板SUB1の上面上に1つの第1光学変換層LCL10−2、第2光学変換層LCL20−2、及び他の1つの第1光学変換層(LCL10−20、以下、第3光学変換層に該当する)が順次的に積層される。第1光学変換層LCL10−2と第2光学変換層LCL20−2との間に配置された第1絶縁層10と、第2光学変換層LCL20−2と第3光学変換層LCL10−20との間に配置された第1絶縁層10’とは同一の物質を含む。第1光学変換層LCL10−2、第2光学変換層LCL20−2、及び第3光学変換層LCL10−20の積層順序は変更されてもよい。
【0102】
第3光学変換層LCL10−20をさらに具備する第1偏光子PL10−2の偏光性はさらに向上される。3つの光学変換層の中でいずれか1つが損傷されても他の変換層が入射される光を偏光させることができるためである。
【0103】
本発明の一実施形態で、偏光子は、1つの第1光学変換層LCL1と、2つの第2光学変換層LCL2とを含む。また、3つの光学変換層が全て第1光学変換層LCL1と同一であるか、或いは第2光学変換層LCL2と同一である。
【0104】
図13Dに示したように、液晶表示パネルの第2偏光子PL20は、第3光学変換層LCL3と第4光学変換層LCL4とを含む。図13Dに図示された第3光学変換層LCL3と第4光学変換層LCL4とは、図4に図示された第2偏光子PL2に各々対応する。図13Dに図示された前記第3光学変換層LCL3の構造は図4に図示された前記第1光学変換層LCL1の構造と同一でありえる。図13Dに図示された前記第4光学変換層LCL4の構造は図4に図示された前記第1光学変換層LCL1の構造と同一でありえる。本実施形態によれば、図4に図示された延伸型偏光フィルムタイプの第2偏光子PL2が複数の光学変換層を有する偏光子で代替された。第1偏光子PL1の構成は図4と同様である。
【0105】
第2ベース基板SUB2の上面上に第3光学変換層LCL3が配置される。第3光学変換層LCL3上に第6絶縁層60が配置される。第6絶縁層60は図4に図示された第1絶縁層10と同一である。第6絶縁層60上に第4光学変換層LCL4が配置される。第4光学変換層LCL4上に第7絶縁層70が配置される。第7絶縁層70は図4に図示された第2絶縁層20と同一である。第7絶縁層70上に第4光学変換層LCL4を保護する保護フィルムPMが配置される。
【0106】
本発明の一実施形態で、第3光学変換層LCL3と第4光学変換層LCL4との中で少なくともいずれか1つは、第2ベース基板SUB2の下面上に配置されてもよい。本発明の一実施形態で、第3光学変換層LCL3と第4光学変換層LCL4との中で少なくともいずれか1つは、図4に図示された第2光学変換層LCL2と同一であることもある。また、第2偏光子PL20は3つ以上の光学変換層を含んでもよい。
【0107】
図13Eに示したように、液晶表示パネルの第1偏光子PL10−3は、第1光学変換層LCL10−3と第2光学変換層LCL10−30とを含む。液晶表示パネルの第2偏光子PL20は、第3光学変換層LCL3と第4光学変換層LCL4とを含む。第1光学変換層LCL10−3、第2光学変換層LCL10−30、図4に図示された第1光学変換層LCL1に対応する。第3光学変換層LCL3、及び第4光学変換層LCL4は図4に図示された第2偏光子PL2に各々対応する。図13Eに図示された前記第3光学変換層LCL3の構造は図4に図示にされた前記第1光学変換層LCL1の構造と同一でありえる。図13Eに図示された前記第4光学変換層LCL4の構造は図4に図示された前記第1光学変換層LCL1の構造と同一でありえる。
【0108】
図14A乃至図14Iは本発明の一実施形態による偏光子の製造方法を示した斜視図である。図14A乃至図14H図4乃至図7Bを参照して説明した第1偏光子の製造方法を図示する。
【0109】
先ず図14Aに示したように、基底層SUB上に第1金属層ML1を積層する。第1金属層ML1上に第1犠牲層SL1を積層する。第1犠牲層SL1上に第1マスク層MP1を形成する。
【0110】
基底層SUBは、第1ベース基板SUB1(図4参照)又は第1ベース基板SUB1上に配置されたバッファ層である。第1金属層ML1はスパッタリング方式によって形成され、アルミニウムを含んでもよい。第1犠牲層SL1は蒸着方式によって形成され、無機物質を含む。第1マスク層MP1は、複数のスリットMP1−SLTが定義されたマスクパターンを含む。第1マスク層MP1はインプリント方式によっても形成される。第1マスク層MP1はレジン(樹脂)を含む。
【0111】
図14Bに示したように、第1犠牲層SL1をパターニングする。ドライエッチング方式を利用して、第1マスク層MP1から露出された第1犠牲層SL1の一部分を除去する。それによって、第1犠牲層SL1に複数のスリットSL1−SLTが形成される。
【0112】
図14Cに示したように、第1金属層ML1をパターニングする。ドライエッチング方式を利用して、第1犠牲層SL1のスリットSL1−SLTから露出された第1金属層ML1の一部分を除去する。パターニングされた第1金属層ML1は複数の第1格子パターンWG1(図7A参照)を構成する。
【0113】
図14Dに示したように、第1犠牲層SL1と第1マスク層ML1とを除去した後、第1格子パターンWG1上に第1絶縁層IL1を積層する。第1絶縁層IL1は図4に図示された第1絶縁層10に対応する。第1絶縁層IL1は第1格子パターンWG1上に平坦面を提供する。第1絶縁層IL1は第1格子パターンWG1の間のスリットSL1−SLTを充填させることもある。
【0114】
図14Eに示したように、第1絶縁層IL1上に第2金属層ML2、第2犠牲層SL2、及び第2マスク層MP2を形成する。第2マスク層MP2は複数のスリットMP2−SLTが定義されたマスクパターンを含む。
【0115】
図14Fに示したように、第2犠牲層SL2をパターニングする。図14Bで説明したことと同一の方式で第2犠牲層SL2のスリットSL2−SLTを形成する。
【0116】
図14Gに示したように、第2マスク層MP2上に第2マスク層MP2を部分的にカバーする保護層PRを形成する。保護層PRは以後の工程で第2金属層ML2の一部分がエッチングされることを防止する。保護層PRは図7Bに図示された反射部RPが配置された領域に重畳する。
【0117】
図14Hに示したように、保護層PRから露出された第2金属層ML2をパターニングする。ドライエッチング方式を利用して、第2犠牲層SL2のスリットSL2−SLTから露出された第2金属層ML2の一部分を除去する。パターニングされた第2金属層ML2は複数の第2格子パターンWG2(図7B参照)と反射部RP(図7B参照)とを構成する。
【0118】
図14Iに示したように、パターニングされた第2金属層ML2上に第2絶縁層IL2を形成する。第2絶縁層IL2は図4に図示された第2絶縁層20に対応する。以後、通常の表示装置製造方法によって薄膜トランジスターTFT、共通電極CE、及び画素電極PEを形成することができる。
【0119】
本発明の一実施形態で第2絶縁層IL2上に図14A乃至図14Dを参照して説明した工程を1回さらに遂行すれば、図14Iに図示された偏光子が形成される。また、図14A乃至図14Dを参照して説明した工程と図14E乃至図14Iを参照して説明した工程の順序を変更すれば、偏光子の層構造を変形できる。
【0120】
以上では本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者又は該当技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述される特許請求の範囲に記載された本発明のマッピング及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変形できることは理解できる。
【0121】
したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されることではなく、特許請求の範囲によって定まれなければならない。
【符号の説明】
【0122】
DP・・・表示パネル
100・・・信号制御部
200・・・ゲート駆動部
300・・・データ駆動部
PL1・・・第1偏光子
PL2・・・第2偏光子
LCL1・・・第1光学変換層
LCL2・・・第2光学変換層
PP・・・偏光部
RP・・・反射部
WG1・・・第1格子パターン
WG2・・・第2格子パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H
図14I