(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記解除時間は、前記操作部を介して選択される調理モードの使用頻度が低い場合、前記操作部を介して選択される調理モードの使用頻度が高い場合に比べて長く設定されることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の加熱調理器の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、細かい構造および重複または類似する説明については、適宜簡略化または省略している。以下の実施の形態では、加熱調理器の一例として誘導加熱調理器について説明する。
【0010】
実施の形態1.
(加熱調理器の構成)
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器100の斜視図であり、
図2は、加熱調理器100の平面図である。
図1および
図2に示すように、加熱調理器100は、本体1と、本体1の上面に配置され、耐熱ガラスで形成された天板2とを備える。天板2の左側手前、右側手前、および中央側奥の3箇所には、加熱口14が設けられている。
【0011】
天板2の手前側には、調理モードまたは調理温度などの設定操作がなされる第1操作部11が各加熱口14に対応して配置されている。第1操作部11は、複数の静電容量式のタッチキーを備える。また、天板2上の第1操作部11の近傍には、例えば液晶ディスプレイからなる表示部15が配置されている。表示部15には、例えば「予熱中」や「適温到達」等の火力や経過状況、設定されている調理モードの内容等に関する情報が表示される。また、天板2の奥側には、本体1の内部への吸気または内部からの排気を行うための吸排気口12が配置される。
【0012】
また、天板2の手前側であって、第1操作部11の近傍には、ロック解除部20が配置される。ロック解除部20は、静電容量式のタッチキーである。ロック解除部20は、第1操作部11のロック状態を解除するために操作されるものである。ロック解除部20は、第1操作部11に比べ、加熱口14の中心からの距離が遠い位置に配置される。このように、ロック解除部20を第1操作部11よりも加熱源(加熱口14)から遠ざけて配置することで、容器10からの飛沫または吹き零れが届きにくくなり、飛沫または吹き零れによるロック解除部20の誤操作を抑制することができる。また、ロック解除部20に隣接して、ロック状態表示部21が配置される。ロック状態表示部21は、例えばLEDなどの発光体であり、第1操作部11のロック状態に応じて表示が変更される。
【0013】
本体1の前面側には、グリル部16が配置される。また、グリル部16の隣には、グリル部16および各加熱口14に対する火力などの設定操作がなされる第2操作部17が配置されている。第2操作部17は、加熱調理器100の電源をONまたはOFFするための機械式の電源スイッチ17aおよび各加熱口14の火力を調整するためのダイヤルスイッチなどを備える。
【0014】
また、本体1の前面側には、音声出力部18が設けられている。音声出力部18は、例えばスピーカーである。音声出力部18は、人の声またはブザーなどの音声で、調理工程に関する報知音、または加熱調理器100の異常に関する警告音を出力する。
【0015】
図3は、加熱調理器100の主要な構成および機能部を示す図である。なお、
図3では、1つの加熱口14に対応する加熱調理器100の構成のみが図示され、また、例えば水や食材等の被加熱物が収容された容器10が併せて図示されている。
図3に示すように、加熱調理器100の天板2に設けられた加熱口14の下部には、加熱部6が配置されている。加熱部6は、例えば誘導加熱コイルであり、略環状の内側加熱コイル6aと、その外側に設けられた略環状の外側加熱コイル6bとを備えた二重環形状である。加熱部6に高周波電流を流すことで天板2上に載置された容器10に渦電流が発生し、この発生する渦電流と容器10自体の抵抗により容器10が発熱し、加熱調理を実現する。なお、加熱部6は、電気ヒータ等の他の加熱手段であってもよい。
【0016】
また、天板2の裏面の加熱部6と対向する面には、サーミスタなどの天板温度センサ28が天板2の裏面に接触するように配置されている。天板温度センサ28は、容器10から天板2へ伝わる熱を検知する。天板温度センサ28で検知された天板温度は、天板温度検知部280に出力され、天板温度検知部280によって、温度に換算される。
【0017】
さらに、本体1の内部には、各構成要素を制御する機能部として、表示部15およびロック状態表示部21を制御する表示制御部31と、第1操作部11、第2操作部17およびロック解除部20に対する操作に基づき制御指令を生成する操作制御部32と、加熱調理器100の制御に必要なデータおよびプログラムを記憶する記憶部33と、高周波インバータ27を制御する駆動部34と、音声出力部18による音声出力を制御する音声出力制御部35と、各機能部を統括制御する制御部30と、が含まれる。上記各部は、その機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアを用いて構成されるか、またはマイコンやCPU等の演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとで構成される。
【0018】
(加熱調理器100の動作)
次に、本実施の形態における加熱調理器100の加熱動作について説明する。使用者によって第1操作部11または第2操作部17を介して加熱開始の操作がなされると、操作制御部32は、加熱開始の制御指令を生成し、制御部30に出力する。制御部30は、操作制御部32からの制御指令に基づき、使用者によって設定された調理モード、調理温度または火力に従って、駆動部34に対して高周波電力指令(火力情報)を送信する。駆動部34は、制御部30からの指令に基づき、高周波インバータ27を制御して加熱部6に流れる高周波電流を調整する。また、制御部30は、目標温度が設定された自動調理モードを有しており、第1操作部11または第2操作部17を介して自動調理モードを選択する操作がなされた場合、天板温度センサ28によって検知した温度が目標温度となるように加熱制御を行う。
【0019】
本実施の形態の第1操作部11は、静電容量式のタッチキーによって構成される。そのため、使用者が第1操作部11上を布巾で拭いた場合、または第1操作部11上に水滴などの飛沫が付着した場合に、誤って反応することがある。このような場合、使用者の意図しない加熱の開始または火力の上昇が発生してしまう。そこで、本実施の形態の操作制御部32は、通常は第1操作部11の操作を無効とするロック状態とし、ロック解除部20が操作された場合に、ロック解除状態に切り替えて、第1操作部11からの操作を受け付ける。なお、第1操作部11以外にも静電容量式の操作部を備える場合、操作制御部32は、通常はロック解除部20以外の静電容量式の操作部による操作を無効とするロック状態とし、ロック解除部20が操作された場合に、ロック解除状態に切り替えて、全ての操作部からの操作を受け付けるよう制御する。
【0020】
これにより、第1操作部11の誤操作によって、使用者が意図していない加熱動作が実施されることを抑制できる。また、加熱中にも第1操作部11をロック状態とすることにより、例えば湯沸かし時の沸騰に至る前に、飛沫による水滴が第1操作部11に付着しても、使用者の意図に反して火力が勝手に低下または上昇してしまうことを抑制できる。さらに、ロック解除状態に切り替えた場合には、使用者の意図した短押しまたは長押しなどの任意の操作が可能となるため、使い勝手を向上させることができる。
【0021】
なお、ロック状態において「第1操作部11の操作を無効とする」とは、第1操作部11が通電された状態であり、操作制御部32において第1操作部11の操作を検知できるものの、検知した操作を無効として制御部30への制御指令の出力を行わないことをいう。なお、別の実施の形態では、操作制御部32は、ロック状態において、第1操作部11への通電を停止し、操作の検知自体を行わないようにしてもよい。
【0022】
また、操作制御部32は、ロック状態時に、ロック解除部20と、第1操作部11とが同時に操作された場合、すなわち同時にON状態となった場合、第1操作部11の操作を無効とする。ロック解除部20が静電容量式のタッチキーの場合、ロック解除部20の上に吹き零れなどが残っていると、使用者にロック解除の意図がないにもかかわらず、ロック解除部20が操作された状態となる。この状態で、第1操作部11を布巾で拭くなどした場合、使用者の意図に反する加熱動作が実施されてしまう。そこで、ロック解除部20が操作された状態のままで第1操作部11が操作された場合には、操作を無効とすることで、使用者の意図に反した加熱動作を抑制することができる。
【0023】
また、操作制御部32は、ロック解除中に、第1操作部11のうち、何れか2つ以上のキーが同時に操作された場合は、操作を無効とする。これにより、ロック解除中に、何れかのキーの上に吹き零れが発生した場合の誤操作を防ぐことができる。
【0024】
また、操作制御部32は、ロック状態からロック解除状態へ切り替えた後、所定の解除時間taが経過した場合、再びロック状態に切り替え、その後の第1操作部11の操作を無効とする。このように、解除時間taを限定することで、誤操作を抑制することができる。
【0025】
ロック状態が解除される解除時間taは、予め定められた固定時間でもよく、または第1操作部11を介して選択される調理モードごとに設定される時間であってもよい。例えば、操作制御部32は、操作の階層が深い調理モードの場合には、解除時間taを長く設定してもよい。具体的には、例えば、火力および時間などを設定する必要があるグリルモードが操作される場合には、単なる火力変更が操作される場合に比べて解除時間taを長く設定する。これにより、操作の途中で、ロック状態へ切り替えられることを防ぐことができる。また、調理モードごとに解除時間taが設定される場合、操作制御部32は、調理モードが選択されるまでは解除時間taを暫定時間とし、調理モードが選択された時点で、調理モードごとに設定した解除時間taに変更する。これらの解除時間taは、記憶部33に記憶される。
【0026】
また、操作制御部32は、解除時間ta内に、第1操作部11が新たに操作された場合、解除時間taを延長してもよい。これにより、操作の途中でロック状態に切り替えられてしまうことを防止できる。
【0027】
また、記憶部33に調理モードの使用頻度を記憶しておき、操作制御部32は、操作される調理モードの使用頻度に応じて、解除時間taを設定してもよい。具体的には、例えば使用頻度の低い調理モードが選択された場合の解除時間taを、使用頻度の高い調理モードが選択された場合の解除時間taより長く設定する。これにより、慣れない調理モードの操作に時間がかかっても、操作の途中でロック状態に切り替えられてしまうことを防止できる。
【0028】
さらに、解除時間taは、使用者の加熱調理器100の操作に関する習熟度に応じて設定してもよい。具体的には、記憶部33に、少なくとも2段階以上に区分けされた習熟度と、各習熟度における解除時間taとを記憶する。解除時間taは、習熟度が低いほど長く設定される。そして、操作制御部32は、使用者の操作に要する時間を計測し、操作に要する時間から習熟度を判定する。そして、操作制御部32は、判定された習熟度に対応する解除時間taを設定する。これにより、習熟度の低い初心者は、操作を受け付ける時間が長く設定されるため、操作に時間がかかっても、操作の途中にロック状態に切り替えられてしまうことを防止できる。
【0029】
また、操作制御部32は、ロック解除状態に切り替えた後に、第1操作部11による操作が終了したと判断された場合に、再びロック状態に切り替えてもよい。詳しくは、操作制御部32は、第1操作部11が最後に操作されてから所定の時間が経過した場合に、第1操作部11による操作が終了したと判断する。または、人感センサを備え、人を検知しなくなった場合に、第1操作部11による操作が終了したと判断する。これにより、実際に第1操作部11が操作されている場合にのみロック解除することで、誤操作を抑制することができる。
【0030】
また、表示制御部31は、ロック解除部20が操作され、ロック解除状態となった場合、
図2に示すロック状態表示部21を例えば赤く点灯させる。これにより、使用者に操作が可能であることを認識させることができる。また、ロック状態に切り替えられた場合は、ロック状態表示部21を消灯させ、ロック状態であることを使用者に認識させる。
【0031】
なお、ロック状態表示部21の表示は、上記に限定されるものではなく、ロック状態とロック解除状態とを識別可能なものであればよい。例えば、ロック解除状態およびロック状態の何れも点灯させ、ロック解除状態とロック状態とで色を変える、またはロック解除中は点滅させてもよい。さらに、解除時間taの残時間が少なくなると、点滅間隔を短くしてもよい。
【0032】
また、ロック状態表示部21は、
図2に示すものに限定されるものではない。例えば、ロック解除部20自体に表示部を設け、ロック状態とロック解除状態で、表示部の表示を異ならせてもよい。または、ロック状態表示部21を背面から発光させることで文字の表示が可能な液晶ディスプレイとし、ロック状態とロック解除状態の背面の発光色を異ならせる、またはロック解除状態の場合は、背面の発光を点滅させてもよい。さらに、解除時間taの残時間が少なくなると、点滅間隔を短くしてもよい。
【0033】
また、ロック状態においては、ロック解除部20と、第1操作部11とが識別可能に表示されるようにしてもよい。例えば、ロック状態においては、ロック解除部20のみを点灯させてもよい。これにより、使用者がどこを押せばロック状態を解除できるのかを認識することができる。また、ロック解除時は、次の操作を受け付け可能なキーと、受け付け不可のキーとの表示を異ならせてもよい。
【0034】
また、音声出力制御部35は、音声出力部18からロック解除状態となったことを報知する音声を出力してもよい。または、音声出力制御部35は、ロック解除時およびロック状態切替時の両方において、音声出力部18からそれぞれ異なる報知音を出力してもよい。
【0035】
さらに、表示制御部31は、表示部15にロック解除された時の解除時間taを数字で表示するとともに、ロック解除してからの解除時間taのカウントダウンを表示させてもよい。
図4は、ロック解除時の表示部15の表示例を示す図である。
図4に示すように、ロック解除部20が操作されると、表示部15に解除時間taが表示される。そして、その後、解除時間taがカウントダウンされ、残時間が少なくなると点滅表示される。これにより、使用者に解除時間taの残時間を認識させることができ、解除時間ta内の操作を促すことができる。また、ロック解除された時に、音声出力部18から、音声によって解除時間taを報知してもよい。
【0036】
また、ロック状態中に、第1操作部11が操作された場合、表示制御部31または音声出力制御部35は、操作が無効であることを音声または表示、もしくはその両方で報知してもよい。これにより、操作を受け付けないロック状態であることを使用者に認識させることができる。また、このとき、操作制御部32は、ロック状態とロック解除状態とで、第1操作部11の感度を変えてもよい。例えば、ロック状態の場合は感度を低く、ロック解除状態の場合は感度を高くすることで、ロック状態の場合の誤操作の検知頻度を減らすとともに、ロック解除状態の場合の使用者による操作の反応を良くすることができる。また、これにより、ロック状態の場合の誤操作による表示部15または音声出力部18からの報知の回数を減らすこともできる。
【0037】
さらに、操作制御部32は、加熱中と、加熱停止中とで、第1操作部11の感度を変えてもよい。例えば、加熱停止中の場合は、加熱中の場合よりも感度を低くすることで、加熱中の飛沫による水滴が第1操作部11に付着した場合の誤検知を減らすことができる。
【0038】
また、操作制御部32は、ロック解除中に、再度ロック解除部20が操作された場合は、ロック状態に切り替えてもよい。これにより、使用者が誤ってロック解除してしまった場合でも、解除時間taの経過を待つことなく、すぐにロック状態に切り替えられる。また、表示制御部31または音声出力制御部35は、表示部15または音声出力部18に、ロック解除中に再度ロック解除部20が操作することでロック状態に切り替え可能である旨を報知させてもよい。
【0039】
次に、本実施の形態の加熱調理器100における加熱開始処理の流れについて説明する。
図5は、本実施の形態の加熱調理器100における加熱開始処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、制御部30を含む各機能部によって実行される。本処理は、電源スイッチ17aがONされることにより開始される(S1)。このとき、第1操作部11はロック状態とされる(S2)。本実施の形態の電源スイッチ17aは、機械式のスイッチであるため、吹き零れ等による誤操作でONされることはなく、使用者の意図による操作が可能である。そのため、電源スイッチ17aは、ロック解除することなく操作可能とすることで、ロック解除部20を操作する煩わしさを軽減できる。
【0040】
そして、ロック解除部20が操作されたか否かが判断される(S3)。ここで、ロック解除部20が操作されない場合は(S3:NO)、ロック解除部20が操作されるまで、ロック状態が維持される。そして、ロック解除部20が操作されると(S3:YES)、ロック状態からロック解除状態に切り替えられ(S4)、経過時間の計測が開始される(S5)。そして、加熱開始操作がなされたか否かが判断される(S6)。ここで、加熱開始の操作がなされていない場合(S6:NO)、解除時間taが経過したか否かが判断される(S7)。そして、解除時間taが経過していない場合は(S7:NO)、ステップS6に戻り、以降の処理が繰り返される。一方、解除時間taが経過した場合(S7:YES)、計測時間がリセットされ(S8)、ステップS2に戻って、ロック状態に切り替えられる(S2)。この場合は、電源がONされ、ロック解除状態となったものの、加熱が開始されることなくロック状態に戻る。
【0041】
一方、加熱開始の操作がなされた場合(S6:YES)、駆動部34によって高周波インバータ27が制御され、加熱部6による加熱が開始される(S9)。そして、解除時間taが経過したか否かが判断され(S10)、解除時間taが経過していない場合は(S10:NO)、ステップS6に戻り、以降の処理が繰り返される。一方、解除時間taが経過した場合(S10:YES)、計測時間がリセットされ(S11)、ロック状態に切り替えられて(S12)、本処理を終了する。
【0042】
次に、
図6は、本実施の形態の加熱調理器100における加熱開始処理の別の例を示すフローチャートである。本処理では、
図5と同様のステップS1〜S5が実施される。そして、第1操作部11が操作されたか否かが判断される(S21)。ここで、第1操作部11が操作されていない場合(S21:NO)、解除時間taが経過したか否かが判断される(S22)。そして、解除時間taが経過していない場合は(S22:NO)、ステップS21に戻り、以降の処理が繰り返される。一方、解除時間taが経過した場合(S22:YES)、計測時間がリセットされ(S23)、ステップS2に戻って、ロック状態に切り替えられる(S2)。この場合は、電源がONされ、ロック解除状態となったものの、第1操作部11が操作されることなくロック状態に戻る。
【0043】
一方、第1操作部11が操作された場合(S21:YES)、計測時間がリセットされ、再び経過時間の計測が開始される(S24)。これにより、解除時間taが延長される。そして、加熱開始操作であるか否かが判断され(S25)、加熱開始操作でない場合は(S25:NO)、ステップS21に戻って以降の処理が繰り返される。一方、加熱開始操作である場合は(S25:YES)、計測時間がリセットされ(S26)、ロック状態に切り替えられる(S27)。そして、駆動部34によって高周波インバータ27が制御され、加熱部6による加熱が開始され(S28)、本処理を終了する。
【0044】
以上のように、本実施の形態によれば、ロック解除部20が操作された場合にのみ第1操作部11の操作を受け付けることで、第1操作部11の誤操作によって、使用者が意図していない加熱動作が実施されることを抑制できる。さらに、ロック解除をした場合には、短押しまたは長押しなど、使用者の意図した操作を自由に行うことができるため、使い勝手を向上させることができる。
【0045】
また、操作制御部32は、第1操作部11に対する操作が終了したと判断した場合、またはロック状態からロック解除状態へ切り替えてから解除時間taが経過した場合、ロック解除状態からロック状態へ切り替える。これにより、第1操作部11の誤操作を抑制することができる。
【0046】
また、解除時間taは、第1操作部11を介して選択される調理モードに応じて設定されてもよい。調理モードにおける操作の階層が深いものの場合には、解除時間taを長く設定することで、操作の途中で、ロック状態へ切り替えられることを防ぐことができる。
【0047】
また、解除時間taは、第1操作部11を介して選択される調理モードの使用頻度が低い場合、第1操作部11を介して選択される調理モードの使用頻度が高い場合に比べて、長く設定されてもよい。これにより、慣れない調理モードの操作に時間がかかっても、操作の途中でロック状態に切り替えられてしまうことを防止できる。
【0048】
また、操作制御部32は、第1操作部11を介して選択されるときの操作時間に基づいて、第1操作部11の操作に関する使用者の習熟度を判定するものであり、解除時間taは、習熟度が低い場合、習熟度が高い場合に比べて長く設定されてもよい。これにより、習熟度の低い初心者は、操作を受け付ける時間が長く設定されるため、操作に時間がかかっても、操作の途中にロック状態に切り替えられてしまうことを防止できる。
【0049】
また、ロック解除部20は、静電容量式のタッチキーであり、ロック解除部20は、第1操作部11よりも加熱部6から離れて配置される。これにより、ロック解除部20に容器10からの飛沫または吹き零れが届きにくくなり、飛沫または吹き零れによるロック解除部20の誤操作を抑制することができる。
【0050】
また、操作制御部32は、ロック解除状態において、ロック解除部20が操作された場合、ロック状態に切り替えてもよい。これにより、使用者が誤ってロック解除してしまった場合でも、すぐにロック状態に切り替えられる。
【0051】
さらに、ロック状態およびロック解除状態を識別可能に表示するロック状態表示部21をさらに備えてもよい。これにより、使用者が現在のロック状態を容易に認識できる。
【0052】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2の加熱調理器100Aは、電源スイッチ17aが静電容量式のタッチキーである点において、実施の形態1と相違する。加熱調理器100Aのその他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一の符号を付する。
【0053】
図7は、本実施の形態における加熱調理器100Aの平面図である。
図7に示すように、加熱調理器100Aの天板2上の手前側の端部には、静電容量式のタッチキーからなる電源スイッチ17aが配置される。また、電源スイッチ17aは、加熱口14の中心線を挟んでロック解除部20とは反対側に配置される。ここで、ロック解除部20と電源スイッチ17aとが近い位置に配置されると、天板2上を濡れた布巾で拭いた場合や、吹き零れが残っている場合に、ロック解除部20および電源スイッチ17aが反応し、使用者の意図に反して電源がONまたはOFFされる可能性がある。ロック解除部20と電源スイッチ17aとを離れて配置することにより、このような誤操作を抑制することができる。
【0054】
また、操作制御部32は、ロック解除部20と電源スイッチ17aとが同時に操作された場合は、電源操作を無効とする。ロック解除部20が静電容量式のタッチキーの場合、ロック解除部20の上に吹き零れなどが残っていると、使用者はロック解除の意図がないのに、ロック解除部20が操作された状態となる。この状態で、電源スイッチ17aを布巾で拭くなどした場合、使用者の意図に反した電源操作がなされてしまう。そこで、ロック解除部20が操作された状態のままで電源スイッチ17aが操作された場合には、操作を無効とすることで、使用者の意図に反した電源操作を抑制することができる。
【0055】
次に、本実施の形態の加熱調理器100Aにおける加熱開始処理の流れについて説明する。
図8は、本実施の形態の加熱調理器100Aにおける加熱開始処理の一例を示すフローチャートである。
図8において、
図5に示す実施の形態1と同じ処理については同じ符号を付す。本処理は、制御部30を含む各機能部によって実行される。本処理の開始時において、第1操作部11および電源スイッチ17aは、ロック状態とされる(S101)。本実施の形態の電源スイッチ17aは静電容量式のスイッチであるため、電源スイッチ17aの誤検知を防ぐために、ロック解除部20が操作されるまで、電源スイッチ17aの操作も無効とされる。
【0056】
そして、ロック解除部20が操作されたか否かが判断される(S102)。ここで、ロック解除部20が操作されない場合は(S102:NO)、ロック解除部20が操作されるまで、ロック状態が維持される。そして、ロック解除部20が操作されると(S012:YES)、操作制御部32がロック状態からロック解除状態に切り替えられ(S103)、経過時間の計測が開始される(S104)。そして、電源スイッチ17aのON操作がなされたか否かが判断される(S105)。ここで、電源スイッチ17aのON操作がなされていない場合(S105:NO)、解除時間taが経過したか否かが判断される(S106)。そして、解除時間taが経過していない場合は(S106:NO)、ステップS105に戻り、以降の処理が繰り返される。一方、解除時間taが経過した場合(S106:YES)、計測時間がリセットされ(S107)、ステップS101に戻って、ロック状態に切り替えられる(S101)。この場合は、ロック解除されたものの、電源がONされることなく、ロック状態に戻る。
【0057】
一方、電源スイッチ17aのON操作がなされた場合(S105:YES)、加熱調理器100Aの電源がONされ(S108)、加熱開始操作がなされたか否かが判断される(S6)。ここで、加熱開始の操作がなされていない場合(S6:NO)、解除時間taが経過したか否かが判断される(S7)。そして、解除時間taが経過していない場合は(S7:NO)、ステップS6に戻り、以降の処理が繰り返される。一方、解除時間taが経過した場合(S7:YES)、計測時間がリセットされ(S8)、ステップS101に戻って、ロック状態に切り替えられる(S101)。この場合は、ロック解除され、電源がONされたものの、加熱動作が開始されることなくロック状態に戻る。
【0058】
一方、加熱開始の操作がなされた場合(S6:YES)、駆動部34によって高周波インバータ27が制御され、加熱部6による加熱が開始される(S9)。そして、解除時間taが経過したか否かが判断され(S10)、解除時間taが経過していない場合は(S10:NO)、ステップS6に戻り、以降の処理が繰り返される。一方、解除時間taが経過した場合(S10:YES)、計測時間がリセットされ(S11)、ロック状態に切り替えられて(S12)、本処理を終了する。
【0059】
以上のように、本実施の形態によれば、ロック状態において電源スイッチ17aの操作も無効とし、ロック解除部20が操作された場合にのみ電源スイッチ17aの操作を受け付けることで、実施の形態1の効果に加え、電源スイッチ17aの誤操作によって、使用者の意図に反して電源がONまたはOFFされることを抑制できる。
【0060】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3の加熱調理器100Bは、複数のロック解除部20を備える点において実施の形態1と相違する。加熱調理器100Bのその他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一の符号を付する。
【0061】
図9は、本実施の形態における加熱調理器100Bの平面図である。
図9に示すように、加熱調理器100Bの天板2上には、3箇所の加熱口14にそれぞれ対応する第1操作部11が設けられている。そして、各第1操作部11の近傍には、ロック解除部20a、20b、20cおよびロック状態表示部21a、21b、21cがそれぞれ配置される。各第1操作部11は、各ロック解除部20a、20bまたは20cによって、個別にロック解除される。このように、使用する第1操作部11の近くにロック解除部20を設けることで、使用者が直感的にどのロック解除部がどの第1操作部11に対応しているのかが判るようになり、操作がしやすくなる。
【0062】
また、ロック解除部20a、20b、20cはそれぞれ、第1操作部11に比べ、加熱口14の中心からの距離が遠い位置に配置される。このように、ロック解除部20を第1操作部11よりも加熱源(加熱口14)から遠ざけて配置することで、容器10からの飛沫または吹き零れが届きにくくなり、飛沫または吹き零れによるロック解除部20の誤操作を抑制することができる。
【0063】
以上のように、本実施の形態によれば、各第1操作部11に対応するロック解除部20a、20bおよび20cを設け、各第1操作部11のロック状態およびロック解除状態を個別に切り替えることで、実施の形態1の効果に加え、使用者による使い勝手をさらに向上させることができる。
【0064】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4の加熱調理器100Cは、ロック解除部20の周辺における天板温度を検知する周辺温度センサ29をさらに備え、操作制御部32は、周辺温度センサ29の検知温度に基づいてロック状態の切り替えを行う点において実施の形態1と相違する。加熱調理器100Cのその他の構成については、実施の形態1と同様であり、同一の符号を付する。
【0065】
図10は、本実施の形態における加熱調理器100Cの平面図である。
図10に示すように、加熱調理器100Cの天板2上の、ロック解除部20の近傍には、ロック解除部20周辺の天板2の温度を検知する周辺温度センサ29が設けられている。周辺温度センサ29は、天板2から放射される赤外線を検知して、天板2の温度を測定する赤外線温度センサである。ここで、周辺温度センサ29として、天板温度センサ28のような接触式の温度センサを用いてもよいが、接触式の温度センサの場合、反応速度が遅いため、高温の吹き零れが天板2に付着しても、天板2の裏面に到達するのに時間がかかる。そして、その間に放熱されてしまい、高温状態を検出できない可能性がある。これに対し、反応の早い赤外線温度センサを用いることで、天板2上の高温状態を素早く検知することができる。また、周辺温度センサ29は、ロック解除部20よりも加熱口14の近くに配置される。これにより、吹き零れをより早く検知することができる。
【0066】
本実施の形態の操作制御部32は、周辺温度センサ29による検知温度Tが所定温度T1以上の場合には、ロック解除部20が操作された場合にも、ロック解除状態への切り替えを行わない。なお、所定温度T1は50℃以上の任意の温度であり、例えば50℃に設定することで、火傷を防止できる。周辺温度センサ29による検知温度Tが所定温度T1以上の場合は、天板2に吹き零れが発生していること、または容器10がずれて載置されていることなどが考えられる。そのため、周辺温度センサ29による検知温度Tが所定温度T1以上の場合のロック解除部20の操作を吹き零れなどによる誤操作と判断することで、使用者の意図しない加熱動作を抑制することができる。さらに、吹き零れの有無を検知する周辺温度センサ29は、ロック解除部20に対してのみ設ければよいため、第1操作部11の各キーに対して当該センサを設ける場合に比べ、部品点数および製品コストの削減にもつながる。
【0067】
また、制御部30は、第1操作部11のロック状態にかかわらず、加熱中に周辺温度センサ29の検知温度Tが所定温度T1以上の状態が、所定の許容時間tp以上継続した場合は、加熱部6を制御し、火力を制限もしくは停止してもよい。この場合、吹き零れが続いている、または容器10がずれて載置されていると判断し、火力を制限もしくは停止することで、より安全に動作させることができる。
【0068】
図11は、本実施の形態の加熱調理器100Cにおける加熱中の動作の一例を示すフローチャートである。本処理は、制御部30を含む各機能部によって実行される。本処理では、まず、ロック解除部20が操作されたか否かが判断される(S201)。ここで、ロック解除部20が操作されていない場合は(S201:NO)、ロック解除部20が操作されるまで、ロック状態が維持される。そして、ロック解除部20が操作されると(S201:YES)、周辺温度センサ29の検知温度Tが所定温度T1以上であるか否かが判断される(S202)。
【0069】
ここで、周辺温度センサ29の検知温度Tが所定温度T1以上である場合(S202:YES)、表示部15または音声出力部18により、吹き零れまたは容器10のずれが発生していることが報知される(S203)。そして、許容時間tpが経過したか否かが判断され(S204)、許容時間tpが経過していない場合は(S204:NO)、ステップS202に戻り、以降の処理が繰り返される。一方、許容時間tpが経過した場合は(S204:YES)、加熱が停止され(S205)、本処理を終了する。
【0070】
また、周辺温度センサ29の検知温度Tが所定温度T1未満である場合(S202:NO)、第1操作部11がロック状態からロック解除状態に切り替えられ(S206)、経過時間の計測が開始される(S207)。そして、第1操作部11の操作がなされたか否かが判断される(S208)。ここで、操作がなされた場合は(S208:YES)、操作を受け付け(S209)、操作に従って加熱制御が実施される。また、ステップS209での操作を受け付けた後、または第1操作部11の操作がなされていない場合は(S208:NO)、解除時間taが経過したか否かが判断される(S210)。そして、解除時間taが経過していない場合は(S210:NO)、ステップS208に戻り、以降の処理が繰り返される。一方、解除時間taが経過した場合(S210:YES)、計測時間がリセットされ(S211)、ロック状態に切り替えられて(S212)、本処理を終了する。
【0071】
以上のように、本実施の形態によれば、周辺温度センサ29によってロック解除部20が誤操作されているか否かを判断することで、実施の形態1の効果に加え、ロック解除部20の誤操作を抑制することができる。その結果、第1操作部11の誤操作によって、使用者が意図していない加熱動作が実施されることをさらに抑制することができる。
【0072】
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について説明する。実施の形態5の加熱調理器100は、ロック状態における第1操作部11の操作時間に応じて吹き零れの有無を判断する点において実施の形態1と相違する。加熱調理器100の構成については、実施の形態1と同様であり、同一の符号を付する。
【0073】
本実施の形態の操作制御部32は、ロック状態時に、第1操作部11が操作された場合、第1操作部11の操作時間を計測する。ここで、操作時間は、第1操作部11が連続して押されている(すなわちON状態となっている)時間である。そして、操作時間が所定の許容時間tp未満の場合は、第1操作部11が誤操作されたと判断し、操作時間が許容時間tp以上の場合は、吹き零れと判断する。表示制御部31または音声出力制御部35は、操作制御部32の判断結果を、音声または表示、もしくはその両方で報知する。具体的には、操作時間が許容時間tp以上の場合は、「鍋が吹き零れている可能性があります。火傷にご注意下さい。」等の報知を音声や表示で行い、使用者に注意を促す。一方、操作時間が許容時間tp未満の場合は、「ロック中のため、操作できません。操作を行う場合は、ロックを解除してから行って下さい。」等の報知を音声や表示で行い、使用者に注意を促す。
【0074】
また、制御部30は、操作制御部32によって、吹き零れと判断された場合、加熱部6を制御して、火力を抑制するかまたは停止させる。これにより、吹き零れたまま加熱が継続されることを抑制することができる。また、火力を抑制、または停止させた場合、その状態に応じた音声または表示、もしくはその両方で報知してもよい。具体的には、火力を抑制した場合は、「吹き零れを検知したため、火力を下げました。」等の報知を音声や表示で行い、使用者に認識させる。また、火力を停止した場合は、「吹き零れを検知したため、火力を停止しました。」等の報知を音声や表示で行い、使用者に認識させる。
【0075】
また、操作制御部32は、吹き零れと判断した場合でも、前面に配置される第2操作部17による火力の調整等の操作は有効とする。これにより、吹き零れで天板2が熱くなり、第1操作部11による操作ができない場合でも、第2操作部17によって操作を行うことができる。
【0076】
図12は、本実施の形態の加熱調理器100における吹き零れ検知処理を示すフローチャートである。本処理は、制御部30を含む各機能部によって実行される。本処理では、まず、第1操作部11が操作されたか否かが判断される(S301)。ここで、第1操作部11が操作されていない場合は(S301:NO)、第1操作部11が操作されるまで待機する。そして、第1操作部11が操作されると(S301:YES)、第1操作部11がロック状態であるか否かが判断される(S302)。
【0077】
ここで、第1操作部11がロック状態でない場合、すなわちロック解除状態である場合は(S302:NO)、本処理を終了し、第1操作部11の操作に基づく加熱制御が実施される。一方、第1操作部11がロック状態である場合(S302:YES)、経過時間の計測が開始される(S303)。そして、許容時間tpが経過したか否かが判断される(S304)。ここで、許容時間tpが経過していない場合は(S304:NO)、第1操作部11の誤操作と判断され、表示部15または音声出力部18から誤操作である旨が報知される(S305)。そして、第1操作部11の操作が継続しているか否かが判断され(S306)、継続している場合は(S306:YES)、ステップS304に戻る。一方、第1操作部11の操作が継続していない場合は(S306:NO)、ステップS309へ進む。
【0078】
一方、第1操作部11が操作された状態で許容時間tpが経過した場合(S304:YES)、吹き零れと判断され、表示部15または音声出力部18から吹き零れが発生している旨が報知される(S307)。そして、加熱部6による加熱が停止される(S308)。その後、計測時間がリセットされ(S309)、本処理を終了する。
【0079】
以上のように、本実施の形態によれば、第1操作部11の操作時間から吹き零れの有無を判断することがで、実施の形態1の効果に加え、吹き零れのための温度センサなどを別途設ける必要がないため、部品点数および製品コストを削減できる。
【0080】
なお、本実施の形態では、第1操作部11の操作時間に基づいて吹き零れを検知する構成としたが、天板2に第1操作部11とは別に、吹き零れを検知するための電極からなる吹き零れ検知部を配置してもよい。そして、操作制御部32は、ロック状態においては、第1操作部11への通電を停止して操作無効とし、ロック解除部20と吹き零れ検知部のみを検知可能とする。これにより、ロック状態において、最低限の電極のみ通電させるため、消費電力を少なくすることができる。また、人感センサをさらに加え、加熱中は、人感センサによって人を検知した場合と、人を検知しない場合とで、吹き零れ検知部の感度を変えてもよい。加熱中であって、かつ人がそばにいない場合に吹き零れ検知部の感度を上げることで、より安全に制御することができる。
【0081】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して説明したが、本発明の具体的な構成はこれに限られるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、上記実施の形態では、容器10を誘導加熱する加熱調理器100の場合を説明したが、本発明はこれに限らず、ガス式加熱調理器や電気ヒータ式加熱調理器でも同様に本発明を適用することが可能である。
【0082】
また、上記実施の形態では、ロック解除部20を静電容量式のタッチキーとする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ロック解除部20は、機械式スイッチであってもよい。
図13は本発明の変形例における加熱調理器100Dの斜視図である。
図13に示すように、機械式スイッチのロック解除部20およびロック状態表示部21を本体1の前面側に設けられた第2操作部17を配置してもよい。また、
図14は別の変形例における加熱調理器100Eの斜視図である。
図14に示すように、カンガルーポケット形態の第2操作部17Aを備え、カンガルーポケット内にロック解除部20およびロック状態表示部21を配置してもよい。カンガルーポケット形態とは、下方に設けられた回動軸を中心として第2操作部17Aの上方が前面側に倒れ、ロック解除部20等が配置される操作パネルが上方側に向かって露出する構成をいう。
図13および
図14に示すように、ロック解除部20を機械式スイッチとすることで、使用者の意図によりロック解除部20が操作されるため、誤操作によるロック解除を防止することができる。
【0083】
さらに、第1操作部11の何れかをロック解除部20として用いてもよい。詳しくは、第1操作部11の何れかのキーを、ロック状態においてはロック解除部20とし、ロック解除状態においては操作部として機能させてもよい。また、加熱調理器100に、マイクなどの音声入力部および音声認識部をさらに備え、音声操作によるロック解除の指示を受け付けてもよい。
【0084】
また、上記実施の形態では、ロック解除中に、再度ロック解除部を押した場合は、ロック状態に切り替わるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、ロック解除中に、再度ロック解除部20が操作された場合は、設定中の操作を保持したまま、解除時間taを延長してもよい。この場合、ロック状態表示部21の表示を点滅などに変更していた場合は、変更前の表示状態に戻す。このように、再度ロック解除部20を操作して解除時間taを延長することで、使用者が焦らずに操作を行うことができる。また、ロック解除中に、再度ロック解除部20が長押しされた場合はロック状態に切り替えられ、ロック解除中に、再度ロック解除部20が短押しされた場合は解除時間taが延長されるようにしてもよい。