(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発光素子が実装された基板が一面側の基板取付面部に取り付けられるとともに、前記発光素子に点灯電力を供給する電源装置が他面側の装置取付面部に取り付けられるプレート部と、
前記電源装置に接続される電線を保持する電線保持部材であって、板状である台座部と前記台座部の端部に前記電線を保持する端部クリップ部とを有し、前記端部クリップ部を前記プレート部の端部側にして前記装置取付面部に設置される電線保持部材と
を備え、
前記端部クリップ部は、前記電線保持部材が前記装置取付面部に設置された状態で前記電線が挿入されるスリット部が形成されており、
前記電線は、前記スリット部から挿入されると前記端部クリップ部に保持される光源ユニット。
長手方向に延びており、発光素子が実装された基板が一面側の基板取付面部に取り付けられるとともに、前記発光素子に点灯電力を供給する電源装置が他面側の装置取付面部に取り付けられるプレート部と、
前記電源装置に接続される電線を保持する電線保持部材であって、長方形の板状である台座部と前記台座部の長辺方向の端部に前記電線を保持する端部クリップ部とを有し、前記台座部の長辺方向を前記プレート部の短手方向に沿う方向にして前記装置取付面部に設置される電線保持部材と
を備え、
前記端部クリップ部は、前記電線保持部材が前記装置取付面部に設置された状態で前記電線が挿入されるスリット部が形成されており、
前記電線は、前記スリット部から挿入されると前記端部クリップ部に保持される光源ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向や位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。なお、以下の説明では、天井面等のように照明器具を取り付ける取付部の方向を取付方向あるいは上方とし、光源の照射方向を下方として説明する。
【0010】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る照明装置10の斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る照明装置10の分解斜視図である。
図3は、本実施の形態に係る光源ユニット100の斜視図である。
図4は、本実施の形態に係る光源ユニット100の5面図である。
図5は、(a)は本実施の形態に係る照明装置10の上面図及び端面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
図6は、
図5の(a)のB−B断面図である。
図1から
図6を用いて、本実施の形態に係る照明装置10の構成の概要について説明する。
【0011】
本実施の形態に係る照明装置10は、天井や壁などの取付部300に取り付けられる照明装置であり、長手方向に延びた長尺状の照明装置である。この照明装置10は、長手方向に複数連結して用いられる場合がある。
照明装置10は、光源ユニット100と、光源ユニット100を着脱可能に取り付ける照明器具200とを有する。
【0012】
<光源ユニット100の説明>
図3、
図4及び
図6に示すように、光源ユニット100は、プレート部110、LEDモジュール120、カバー130、電源装置140、2つの取付具150を有する。
プレート部110は、長手方向に延びた板状であり、発光素子120aが実装された基板120bが取り付けられる基板取付面部111aを有する。また、プレート部110は、短手方向の端部であるプレート側部110aを有する。また、プレート側部110aは、光源ユニット100が照明器具200に取り付けられた状態で、照明器具200の凹部211の底面部211aに向かって立ち上がる立上部112を備える。
【0013】
プレート部110は、長尺状の平板である平面部111と、この平面部111の短手方向の両端が折り曲げられて形成される立上部112とを有し、短手方向に切る断面が略コ字形状である。プレート部110は、モジュールフレームとも称される。
基板取付面部111aには、LEDである発光素子120aが実装された基板120bを備えるLEDモジュール120が取り付けられる。また、基板取付面部111aの裏面である装置取付面部111dには、LEDモジュール120に電力を供給する電源装置140と、2つの取付具150とが取り付けられる。
【0014】
なお、光源ユニット100の光源は、LEDモジュールに限らず、有機ELあるいはレーザなどの発光素子を用いてもよい。
【0015】
電源装置140は、平面部111の長手方向中央より一方側に寄せて取り付けられている。なお、電源装置140は、平面部111の長手方向中央に取り付けられていても構わない。
2つの取付具150は、平面部111の長手方向の両端側にそれぞれ取り付けられている。取付具150は、後述する照明器具200が備えるバネ230と係合し、光源ユニット100を照明器具200に固定する。
さらに、取付具150は、光源ユニット100の形状に応じて設置される数が変更することができる。光源ユニット100の長手方向の長さが短い場合は、長手方向の一端部のみに取付具150を設置し他端部はフックなどで固定する機構としてもよい。また、光源ユニット100の長手方向の長さが長い場合は、長手方向の両端部と中央部に取付具150を設置してもよい。中央部に取付具150を設置する場合は、取付具150および取付具150に対応し照明器具200に配置され板バネ230が、電源装置140と干渉しない位置を選択する。
【0016】
カバー130は、基板120bを覆う。また、カバー130は、長手方向に延びたカバー側部131を有する。カバー130は、カバー側部131がプレート部110の短手方向の端部であるプレート側部110aを覆ってプレート部110に取り付けられる。
図6に示すように、カバー130は、プレート部110に取り付けられたLEDモジュール120を覆うようにプレート部110に取り付けられる。立上部112にはカバー130の取付側の端部が取り付けられ、カバー130がプレート部110に固定される。
【0017】
図4に示すように、電源装置140には、第1電線500cが接続される。第1電線500cは、先端部にコネクタ501が接続されたハーネスである。第1電線500cが後述する端子台240に接続されたハーネス500dと接続されることにより、電源装置140は端子台240から電力を受け取ることができる。
また、電源装置140には、電力をLEDモジュール120に供給するための第2電線500eが接続される。第2電線500eは、電源装置140からプレート部110の長手方向端部を介してLEDモジュール120まで接続される。
なお、
図4に記載されている電線保持部材160、第2電線クランプ170、第1電線クランプ180については後述する。
【0018】
<照明器具200の説明>
照明器具200は、器具本体210と、器具本体210の両端部に取り付けられる端板部220とを備える。
器具本体210は、コの字状に折り曲げられて形成され、長手方向に延びた凹部211を備える。器具本体210は、板金が折り曲げられて形成される。
【0019】
図2及び
図6に示すように、凹部211は、長手方向に延びた底面部211aと、底面部211aの短手方向の両端部を基端部として立ち上がる側面部211bとを備える。また、凹部211は、側面部211bの先端部を開口縁部211baとする開口部211cが形成される。
また、器具本体210は、開口縁部211baから取付側に向かって広がるように形成された傾斜部211dを備える。
【0020】
凹部211の底面部211aには、端子台240と、2つのバネ230が設置される。端子台240は、電源端子台である。あるいは、端子台240は信号端子台でも構わない。バネ230は、上述した光源ユニット100が備える取付具150に対応する位置に配置される。また、
図6に示すように、光源ユニット100が照明器具200に取り付けられた状態では、光源ユニット100が備える電源装置140の少なくとも一部が開口部211cから凹部211に挿入される。
なお、板バネ230は、照明器具200の形状に応じて設置される数が変更することができる。照明器具200の長手方向の長さが短い場合は、長手方向の一端部のみに板バネ230を設置し他端部はフックなどで固定する機構としてもよい。また、照明器具200の長手方向の長さが長い場合は、長手方向の両端部と中央部に板バネ230を設置してもよい。中央部に板バネ230を設置する場合は、板バネ230および板バネ230に対応する光源ユニット100が備える取付具150が、光源ユニット100に取り付けられる電源装置140と干渉しない位置を選択する。
【0021】
図示はないが、端子台240には外部電源に接続される電源電線500aが接続される。また、図示はないが、端子台240には照明器具200を長手方向に連結した場合に隣接する照明器具に電力や信号を送る送り電線500bが接続される。よって、凹部211内には、電源電線500aや送り電線500b等が配設される。
【0022】
図5の(a)に示すように、底面部211aには、電源電線500aを通過させる電源線挿入孔250、天井等から吊下げられている吊ボルト400を挿入させるボルト挿入孔251等の各種の貫通孔2501が形成されている。ここでは、底面部211aに4つのボルト挿入孔251が形成されている。
【0023】
<光源ユニット100の取り付け工程>
次に、照明器具200に光源ユニット100を取り付ける取り付け工程について説明する。照明器具200の天井等の取付部300への取り付けは、天井からつり下げられている吊ボルト400に固定する方法、ネジなどの固定具により直接天井に固定する方法などがある。
【0024】
照明器具200を取付部300に取り付ける際、天井から引き出される電源電線500a、すなわちFケーブルを、電源線挿入孔250を介して照明器具200の凹部211内に引き込み、端子台240に接続する。
次に、バネ230を光源ユニット100の取付具150と係合させ、光源ユニット100と照明器具200との間に作業空間が存在する状態で、端子台240のハーネス500dのコネクタ502と、電源装置140の第1電線500cのコネクタ501とを接続する等の作業が行われる。その後、光源ユニット100を照明器具200に向かって押し上げ、光源ユニット100が照明器具200に取り付けられる。
【0025】
<装置内部の空気の流路の構成について>
図7は、本実施の形態に係る照明装置10における装置内部の空気の流路を示す図である。
図8は、本実施の形態に係る照明装置10の6面図である。
図7及び
図8を用いて、本実施の形態に係る照明装置10における装置内部の空気の流路について説明する。
【0026】
図7は、本実施の形態に係る照明装置10の断面図において、装置内部の空気の流路の説明に必要な構成を簡易的に示した模式図である。
図7に示すように、光源ユニット100は、基板取付面部111aの裏面である装置取付面部111dを凹部211の底面部211aに対向させて凹部211に取り付けられる。また、光源ユニット100は、カバー側部131を開口縁部211baに対向させて凹部211に取り付けられる。
このとき、カバー側部131と開口縁部211baとは所定の距離を隔てて配置される。つまり、カバー側部131と開口縁部211baとの間に隙間部190が形成される。
図8に示すように、隙間部190は、照明器具200とカバー130との長手方向の境界部分に形成される。
【0027】
図7に示すように、カバー130は、発光素子120aに対向するカバー前面部132を備える。カバー前面部132は、短手方向両側のカバー側部131の下端部から連続して形成される。
カバー側部131は、カバー係合部1311とカバー側面部1313とを備える。また、カバー側面部1313はカバー突出部1312を備える。
カバー係合部1311は、立上部112を覆って立上部112と係合する。カバー側面部1313は、カバー前面部132の短手方向の端部から連続して基板取付面部111aに向かって形成される。カバー突出部1312は、カバー係合部1311とカバー側面部1313との間に形成され、凹部211の中央部から離れる向きに突出する。
隙間部190は、カバー突出部1312と開口縁部211baとの間に形成される。
【0028】
カバー係合部1311は、カバー側面部1313の上部の内側に立上部112に沿って形成される。
カバー側面部1313は、カバー係合部1311の外側部に上端部が接合され、カバー前面部132の短手方向端部に下端部が接合される。
カバー突出部1312は、光源ユニット100が照明器具200に取り付けられた状態で、カバー側面部1313がカバー係合部1311の外側部に接合された部分から開口縁部211baに向かって突出する。
【0029】
カバー側部131と開口縁部211baとを隔てる距離、つまり隙間部190は、意匠性を損なうことなく空気などの気体が通過できる寸法であり、数ミリ程度が好ましく、1mmから5mm程度が好ましい。2mmから4mmが特に好ましい。なお、隙間部190は、上記の数値以外でも構わない。
【0030】
図8に示すように、凹部211の底面部211aには、電源線挿入孔250、ボルト挿入孔251等の、底面部211aを貫通する貫通孔2501が形成される。これらの貫通孔2501は空気などの気体が通過できる寸法である。
隙間部190を通過して凹部211の内部に流入した空気は底面部211aに形成された貫通孔2501を通過して凹部211の外部に流出する。つまり、
図7の矢印に示すように、凹部211の内部には、空気の流路が形成される。
照明装置10は、光源ユニット100が動作すると光を発する(点灯する)発光素子120aと点灯電力を生成する電源装置140とからは動作熱が発生し凹部211の内部の空気の温度が上昇する。温度が上昇した空気は上方へ移動し底面部211aに形成された貫通孔2501を通過して凹部の外部に流出する。そして、温度が低い空気が隙間部190を通過して凹部211の内部に流入する。このようにして、光源ユニット100から発生する熱は照明装置の外部に排出される。
なお、凹部211の底面部211aには、電源線挿入孔250、ボルト挿入孔251等の貫通孔2501が形成されているが、電源線挿入孔250、ボルト挿入孔251以外にも、空気の流路を形成する目的で貫通孔を形成してもよい。
【0031】
図7に示すように、開口縁部211baは、凹部211の中央部から離れる向きに滑らかに湾曲した湾曲部211bbを有する。湾曲部211bbは、凹部211の側面部211bが外側に湾曲されて形成されている。
また、カバー突出部1312は、湾曲部211bbに向かって突き出す曲面を形成する。
このように、隙間部190は、短手方向の両側が曲面により構成されているので、空気が通過し易い形状となっている。
【0032】
また、
図1及び
図2に示すように、光源ユニット100の長手方向の端部であるユニット端部260は、凹部211の長手方向の端部である凹部端部2111と当接する。
図1及び
図8に示すように、照明装置10において、ユニット端部260と凹部端部2111とが当接する部分を当接部191とする。
当接部191ではユニット端部260と凹部端部2111とが接触している。また、隙間部190では、光源ユニット100の長尺の側部と照明器具200の開口縁部211baとが接触せずに隙間を有している。すなわち、隙間部190は、光源ユニット100の両側の長尺の側部にスリット状に存在する。
【0033】
***本実施の形態に係る効果の説明***
【0034】
本実施の形態に係る照明装置によれば、光源ユニットのカバー側部と照明器具の開口縁部との間に隙間部が形成されるので、器具外の空気を器具本体の凹部内部に取り入れることができる。よって、装置内部の熱循環を促進することが可能となり、直流電源やLEDモジュール等の電子部品の長寿命化を実現すると共に、不要な熱の拡散を防止することができる。
【0035】
また、本実施の形態に係る照明装置によれば、凹部の底面部に貫通孔が形成され、隙間部から凹部の内部に流入した空気が底面部に形成された貫通孔から流出する空気の流路を構成することができる。よって、器具本体凹部背面の配線穴等の貫通孔を経由して、隙間部から流入した空気を天井裏へ循環させることができるので、より効果的に装置内部の熱循環を促進することができる。
【0036】
また、本実施の形態に係る照明装置によれば、凹部の中央部から離れる向きに突出したカバー突出部と開口縁部との間に隙間部が形成されるので、照明装置を下方から見た場合でも隙間部がカバー突出部により見え難くなり、意匠性を高くすることができる。また、光源ユニットが照明器具に取り付けられた状態で、カバー突出部の上端部は凹部の内部に位置するので、照明装置の隙間部部分を水平方向から見た場合でも隙間部が存在することが分かり難く、意匠性を高くすることができる。
【0037】
また、本実施の形態に係る照明装置によれば、開口縁部は凹部の中央部から離れる向きに滑らかに湾曲した湾曲部を有し、カバー突出部は湾曲部に向かって突き出す曲面を形成するので、より空気が流入し易い形状となり、空気の流出入を促進することができる。
【0038】
また、本実施の形態に係る照明装置によれば、光源ユニットの長手方向端部の当接部において光源ユニットと照明器具とが当たっており、光源ユニットの短手方向の両側の側部のみに隙間部が存在する。したがって、照明装置の光源ユニットに下方から不測の押力が加わった場合でも、光源ユニット自体が凹部内部に陥没し難い丈夫な照明装置を実現することができる。
【0039】
また、本実施の形態に係る照明装置によれば、隙間部は光源ユニットの両側に長手方向にスリット状に形成されているので、ほこりなどで隙間部全体が詰まることはなく、長期的に空気が流入し易い構造を実現することができる。
【0040】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
本実施の形態は、実施の形態1で説明した光源ユニット100において、電源装置140に接続された第1電線500c、第2電線500e等の電線500を装置取付面部111dにおいて適切な位置に配設することができる構成について説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
***構成の説明***
図9は、本実施の形態に係る照明装置10の断面図において、吊ボルト400と電線保持部材160との構成を表した模式図である。
図10は、本実施の形態に係る電線保持部材160の別例である電線保持部材160aを示す図であり、(a)は電線保持部材160aの6面図、(b)及び(c)は電線保持部材160aの取り付け状態を示す図である。
図11は、本実施の形態に係る第1電線クランプ180を示す図であり、(a)は第1電線クランプ180の6面図、(b)は第1電線クランプ180の分解斜視図、(c)は電線の取り付け状態を示す図である。
図12は、本実施の形態に係る第2電線クランプ170の6面図である。
図13は、本実施の形態に係る電線保持部材160のバリエーションを示す図であり、(a)は電線保持部材160の使用状態を示す断面図、(b)は電線保持部材160の別例である電線保持部材160bの使用状態を示す断面図である。
図9から
図13を用いて、本実施の形態に係る照明装置10において、電源装置140に接続される電線500を適切な位置で固定する構成について説明する。
【0042】
図9は、本実施の形態に係る照明装置10の断面図において、吊ボルト400と電線保持部材160とを説明するために必要な構成を簡易的に示した模式図である。
プレート部110は、上述したように、発光素子120aが実装された基板120bを一面側の基板取付面部111aに取り付けるとともに、発光素子120aに電力を供給する電源装置140を基板取付面部111aの裏面である他面側の装置取付面部111dに取り付ける。
【0043】
電線保持部材160は、電源装置140に接続される電線500を保持する。電線保持部材160は、長方形の板状である台座部166を備える。電線保持部材160は、台座部166の長辺方向が装置取付面部111dの短手方向に沿うように設置される。電線保持部材160は、台座部166の長辺方向の端部に、電線500を保持する端部クリップ部162を有する。
電線保持部材160は、電線500等の配線材をクリップする配線クリップとも称される。
【0044】
端部クリップ部162は、電線保持部材160が装置取付面部111dに設置された状態で、装置取付面部111dの短手方向の中央部P0と装置取付面部111dの短手方向の端部P1との中心部P2より、装置取付面部111dの短手方向の端部P1の側に配置される。
図9に示すように、端部クリップ部162は中心部P2近傍であり、かつ端部P1寄りに端部クリップ部162の少なくとも一部が位置していればよい。あるいは、端部クリップ部162全体が中心部P2と端部P1との間に位置していてもよい。また、端部クリップ部162は、端部P1近傍に位置していてもよい。
すなわち、電線保持部材160の両側の端部クリップ部162は、上記のように配置されることにより、保持する電線500を装置取付面部111dの短手方向の中央部P0近傍から離すことができ、電線500が吊ボルト400と干渉することを防ぐことができる。
【0045】
上述したように、光源ユニット100は、長手方向に延びた底面部211aを備える凹部211を有する照明器具200に、装置取付面部111dを底面部211aに対向させて取り付けられる。また、照明器具200の底面部211aには、吊ボルト400を凹部211に挿入させるボルト挿入孔251が形成される。
電線保持部材160は、長辺方向の中央部の側に台座部166を基端部として立ち上がる支持部165と、支持部165の先端部に形成され短手方向の端部P1側に張り出す張出部161とを備える。支持部165の先端部または張出部161が、ボルト挿入孔251を介して凹部211に挿入される吊ボルト400の先端部401と当接し、凹部211内部への吊ボルト400の侵入を規制する。つまり、支持部165の先端部または張出部161が、ボルト止め部として機能する。
【0046】
図9に示すように、天井などの取付部300に形成されたボルト孔301から突出する吊ボルト400は、ボルト挿入孔251を介して凹部211の内部に挿入される。
図5の(a)では、照明器具200の長手方向の中央部の両側に2つずつのボルト挿入孔251が形成されている。なお、ボルト挿入孔251の数や位置は、照明器具の大きさや長さによって適宜選択される。
電線保持部材160は、
図4に示すように、吊ボルト400が挿入される位置、すなわち光源ユニット100が照明器具200に取り付けられた状態で、ボルト挿入孔251に対応する位置に配置される。
好ましくは、電線保持部材160は、少なくとも支持部165の先端部または張出部161のどちらかが、ボルト挿入孔251と重なる位置に配置される。すなわち、電線保持部材160は、照明器具200に対する光源ユニット100の取付方向を法線方向とする断面において、支持部165の先端部または張出部161が、ボルト挿入孔251と重なる位置に形成される。
【0047】
図10に示すように、張出部161は、台座部166に対向する板状である。張出部161は、板状の上面部で吊ボルト400の先端部401を止める。
電線保持部材160は、張出部161の板状の下面側と台座部166との間に、電源装置140に接続される電線500を保持する中央クリップ部164を備える。
図13の(a)(b)に示すように、電線保持部材160,160bは、この中央クリップ部164にも電線500を保持することができる。中央クリップ部164に保持された電線500は、吊ボルト400の先端部401を止める張出部161の直下に保持されるので、吊ボルト400が張出部161に遮られて電線500に干渉することを防止できる。
【0048】
電線保持部材160は、台座部166における装置取付面部111dの側の面に突出する取付片163を備える。装置取付面部111dには、取付片163と係合する部材取付孔111cが形成される。取付片163が部材取付孔111cに挿入されることにより、電線保持部材160が装置取付面部111dに固定される。
具体的には、例えば、取付片163を装置取付面部111dと交わる向きに押し込み取付片163に設けられた係止爪を装置取付面部111dに引掛ける方法、取付片163を装置取付面部111dに沿って直線方向または回転方向にスライドさせて装置取付面部111dに設けられた係止突起(図示省略)で係止する方法などを、用いることができる。
図10の(b)及び(c)では、取付片163が部材取付孔111cに挿入された後に、台座部166が係止突起167を乗り越えてP10方向にスライドされることにより、電線保持部材160が装置取付面部111dに固定される。
【0049】
なお、本実施の形態では、形状の異なる3種類の電線保持部材160,160a,160bを示しているが、これらの電線保持部材では、端部クリップ部162の形状と、装置取付面部111dに嵌め込まれる取付片163の形状とが異なっている。その他の部分の形状は、略同一である。
電線保持部材160の端部クリップ部162の形状は、内部に電線500を通過させる部分の形状は略三角形状であり、上部に電線500を挿入するためのスリット1621が形成されている。また、電線保持部材160の取付片163は、端部クリップ部162の外側面から下方に向かって形成される。取付片163の下端部には、装置取付面部111dの部材取付孔111cを通過した後、取付片163が部材取付孔111cから抜けないように部材取付孔111cの縁部に引っ掛ける引掛け部1631を備える。
電線保持部材160aの端部クリップ部162の形状は、内部に電線500を通過させる部分の形状は略正方形状であり、上面に電線500を挿入するためのスリット1621が形成されている。また、電線保持部材160の取付片163は、端部クリップ部162の下側面から下方に向かってL字形状、カギ形状に形成される。電線保持部材160の取付片163は、このL字形状により部材取付孔111cから抜けないような構造となっている。
電線保持部材160bの端部クリップ部162の形状は、内部に電線500を通過させる部分の形状は略長方形状であり、電線保持部材160bの中央側から電線500を挿入する構成となっている。また、電線保持部材160bの取付片163は、電線保持部材160の取付片163と同様の構成である。
【0050】
なお、
図10に示すように、支持部165は、台座部166の両側の長辺から外側に突き出るように壁状(板状)に形成される。このように支持部165を台座部166の両側の長辺から突き出すように形成することにより、張出部161が補強され、電線500と吊ボルト400とが干渉することを確実に防止することができる。なお、ボルト止め部として機能する支持部165の先端部および張出部161の底面部211aに対向する対向面積は、好ましくは、当接する吊ボルト400の先端部401の面積を基準にして決められる。さらに好ましくは、凹部211の内部に挿入される吊ボルト400ボルトの挿入傾きを考慮して、ボルト挿入孔251の開口面積を考慮して決められる。例えば、電線保持部材160は、照明器具200に対する光源ユニット100の取付方向を法線方向とする断面において、張出部161の底面部に対向する対向面積がボルト挿入孔251の開口面積以上であってもよい。また、電線保持部材160は、照明器具200に対する光源ユニット100の取付方向を法線方向とする断面において、張出部161の底面部に対向する対向面積が吊ボルト400の先端部401の面積以上であってもよい。また、電線保持部材160は、照明器具200に対する光源ユニット100の取付方向を法線方向とする断面において、張出部161の底面部に対向する対向面積が吊ボルト400の先端部401の面積未満であってもよい。そして、支持部165は、壁状の態様の他、例えば棒状、筒状などの態様であってもよい。
【0051】
図4に示すように、装置取付面部111dには、電源装置140に接続される電線500のうち吊ボルト400と干渉しない位置に配設された第1電線500cが存在する。この第1電線500cは、例として電源装置140に接続されたハーネスがあり、電線保持部材160には届かない長さである。
図4に示すように、電源装置140は、装置取付面部111dにおいて吊ボルト400と干渉しない位置に配置される。
すなわち、電源装置140は、装置取付面部111dの、照明器具200に対する光源ユニット100の取付方向を法線方向とする断面における吊ボルト400と重ならない位置に配置される。
また、光源ユニット100は、電源装置140に接続される電線のうち吊ボルト400と干渉しない位置に配設された第1電線500cを、装置取付面部111dの短手方向の端部で保持する第1電線クランプ180を備える。第1電線クランプ180は、ハーネスをクランプするハーネスクランプとも称される。
【0052】
図11に示すように、第1電線クランプ180は、上面が略正方形状の平たい直方体形状である。対向する一対の側面にそれぞれ取付片部181を備える。下面には複数の第1電線500cを蛇行クランプさせる電線保持部182が形成されている。電線保持部182は、下面に起立した複数の起立壁183によって形成されている。電源装置140に接続される第1電線500cは施工性を考慮した余長を有しており、電線保持部182に沿って蛇行させてクランプすることによって、第1電線500cの余長が調整される。取付片部181が装置取付面部111dに形成された電線クランプ取付孔(図示省略)に挿入されることにより、第1電線クランプ180が装置取付面部111dに固定される。
図4に示すように、第1電線クランプ180は、吊ボルト400と干渉しない位置であって装置取付面部111dの短手方向の端部の位置に配置され、第1電線500cをクランプする。
【0053】
また、
図4に示すように、装置取付面部111dには、電源装置140と装置取付面部111dの裏面の基板取付面部111aに取り付けられたLEDモジュール120とを接続する第2電線500eが配設される。この第2電線500eは、装置取付面部111dの長手方向の端部を介してLEDモジュール120に接続される。
光源ユニット100は、電源装置140に接続される電線500のうち基板取付面部111aに取り付けられた基板120bに接続される第2電線500eを、装置取付面部111dの長手方向の端部で保持する第2電線クランプ170を備える。
第2電線クランプ170は、スリット状の電線保持部172が形成されたゴム等の弾性体により形成される。第2電線クランプ170は、ハーネス保持ゴムとも称される。なお、第2電線クランプ170はゴム等の弾性体以外のものであってもよい。
【0054】
図12に示すように、第2電線クランプ170は、上面が略長方形状の平たい直方体形状である。対向する一対の長辺面のうちの一方の下面に取付片部171を備える。取付片部171がプレート部110の長手方向の端部に差し込まれることにより、第2電線クランプ170が装置取付面部111dに固定される。
第2電線クランプ170には、第2電線500eを挿入するスリット状の電線保持部172が形成される。第2電線クランプ170は、第2電線500eを電線保持部172のスリットに沿って挿入させ、電線保持部172の両側の弾性体の弾性力により第2電線500eを保持する。
図4に示すように、第2電線クランプ170は、装置取付面部111dの長手方向の端部に配置される。第2電線クランプ170は、装置取付面部111dにおいて短手方向の端部に沿って配設される第2電線500eを、装置取付面部111dの長手方向の端部において短手方向中央部に誘導する。
【0055】
***本実施の形態に係る効果の説明***
本実施の形態に係る照明装置によれば、長方形の平板である台座部の長辺方向が装置取付面部の短手方向に沿って設置され、台座部の長辺方向の端部に電線を保持する端部クリップ部を有する電線保持部材を備えるので、電線を装置取付面部の短手方向の中央部近傍から離すことができる。
【0056】
本実施の形態に係る照明装置によれば、端部クリップ部は装置取付面部の短手方向の中央部と装置取付面部の短手方向の端部との中心部より、装置取付面部の短手方向の端部の側に配置されるので、電線をより確実に装置取付面部の短手方向の中央部近傍から離すことができ、電線が吊ボルトと干渉することを防ぐことができる。
【0057】
本実施の形態に係る照明装置によれば、電線保持部材は、支持部の先端部に形成され、吊ボルトの先端部を止める張出部を備えるので、電線が吊ボルトと干渉することをより確実に防ぐことができる。
【0058】
本実施の形態に係る照明装置によれば、電線保持部材が張出部の下面部と台座部との間に中央クリップ部を備えるので、電線が吊ボルトと干渉することを確実に防ぎつつ、短手方向中央部においても電線を保持することができる。
【0059】
本実施の形態に係る照明装置によれば、吊ボルトと干渉しない位置に配設された第1電線を装置取付面部の短手方向の端部で保持する第1電線クランプを備えるので、電線保持部材が設置されていない部分の電線を保持し、電線の余長を調整し遊びを少なくすることができる。このため、光源ユニットを照明器具に取り付ける際に余長部分を光源ユニットと照明器具との間に挟みこんでしまうおそれがなくなり施工性を向上させる。また、第1電線500cは電源装置140と干渉するおそれもなくなる。さらに、粘着テープなどの保持構成と比較して、組立性、対環境性能および長期信頼性に優れた構成である。
【0060】
本実施の形態に係る照明装置によれば、基板取付面部に取り付けられた基板に接続される第2電線を装置取付面部の長手方向の端部で保持する第2電線クランプを備えるので、装置取付面部111dにおいて短手方向の端部に沿って配設される第2電線500eを、装置取付面部111dの長手方向の端部において短手方向中央部に誘導することができる。よって、第2電線500eを傷めずに、装置取付面部111dから基板取付面部111aに引き回すことができる。また、電線の余長を調整し遊びを少なくすることができるので、光源ユニットを照明器具に取り付ける際に余長部分を光源ユニットと照明器具との間に挟みこんでしまうおそれがなくなり施工性を向上させる。さらに、粘着テープなどの保持構成と比較して、組立性、対環境性能および長期信頼性に優れた構成である。
【0061】
以上のように、本実施の形態に係る照明装置によれば、電線保持部材、第1電線クランプ、第2電線クランプを備えているので、電線が吊ボルトと干渉することを防止しつつ、電線を適切な位置に配設することができる。また、電線の遊びを少なくし、電線が照明器具と光源ユニットとの間に挟まったりすることを防ぎ、電線の配線の引き回しをすっきりと整理することができる。
【0062】
実施の形態3.
本実施の形態では、主に、実施の形態1,2と異なる点について説明する。
本実施の形態は、実施の形態1,2で説明した照明装置10のバリエーションである照明装置10A,10B,10C,10D,10E,10Fについて説明する。
本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
本実施の形態に係る照明装置10A,10B,10C,10D,10E,10Fでは、実施の形態1,2で説明した光源ユニット100と同一の光源ユニット100を備える。
本実施の形態に係る照明装置10A,10B,10C,10D,10E,10Fにおいて実施の形態1と異なる点は、照明器具200の形状である。ただし、照明器具200の凹部211の構成は、実施の形態1,2で説明した凹部211の構成と同一である。よって、光源ユニット100と凹部211との取付構造は、実施の形態1,2で説明した取付構造と同一であり、実施の形態1,2で説明した構成及び効果は本実施の形態に係る照明装置10A,10B,10C,10D,10E,10Fについても適用することができる。
なお、本実施の形態に係る照明装置10A,10B,10C,10D,10E,10Fにおいて、実施の形態1,2で説明したものと形状は異なるが機能が同一の構成については、実施の形態1,2で用いた符号に添え字A,B,C,D,E,Fを付して説明する。
【0064】
実施の形態1,2で説明した照明装置10は、
図5の(a)に示す器具本体210の上面部2101を、天井面等の取付部300に直付けする直付けタイプの照明装置である。
図6に示す器具本体210の短手方向の幅Lは、例えば、150mmである。また、照明装置10の傾斜部211dは、水平面から角度θ傾斜している。
【0065】
図14は、本実施の形態に係る照明装置10Aの斜視図である。また、
図15は、
図14に示す照明装置10AのB−B断面図である。
照明装置10Aは、直付けタイプである。照明装置10Aは、照明器具200Aの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。照明装置10Aの短手方向の幅LAは、照明装置10の短手方向の幅Lの1.4〜1.7倍である。照明装置10Aの短手方向の幅LAは、例えば、230mmである。
傾斜部211dAの水平面からの角度θAは、
図6に示す傾斜部211dの水平面からの角度θよりも小さい。
【0066】
図16は、本実施の形態に係る照明装置10Bの斜視図である。また、
図17は、
図16に示す照明装置10BのB−B断面図である。
照明装置10Bは、直付けタイプである。照明装置10Bは、照明器具200Bの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。また、照明装置10Bは、照明器具200Bが光を反射させる構成を備えていないトラフタイプの照明装置である。
【0067】
図18は、本実施の形態に係る照明装置10Cの斜視図である。また、
図19は、
図18に示す照明装置10CのB−B断面図である。
照明装置10Cは、直付けタイプである。照明装置10Cは、照明器具200Cの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。また、照明装置10Cは、照明器具200Cの傾斜部211dCが凹部211の開口縁部211baから下方に向かって広がるように形成された反射笠タイプの照明装置である。
【0068】
図20は、本実施の形態に係る照明装置10Dの斜視図である。また、
図21は、
図20に示す照明装置10DのB−B断面図である。
照明装置10Dは、天井面等の取付部300に形成された取付孔に埋め込まれて取り付けられる埋込タイプの照明装置である。照明装置10Dは、照明器具200Dの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。照明装置10Dの短手方向の幅LDは、例えば150mmである。
【0069】
図22は、本実施の形態に係る照明装置10Eの斜視図である。また、
図23は、
図22に示す照明装置10EのB−B断面図である。
照明装置10Eは、埋込タイプの照明装置である。照明装置10Eは、照明器具200Eの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。照明装置10Eの短手方向の幅LEは、照明装置10Dの短手方向の幅LDの0.6〜0.7倍である。照明装置10Eの短手方向の幅LEは、例えば、100mmである。
【0070】
図24は、本実施の形態に係る照明装置10Fの斜視図である。また、
図25は、
図24に示す照明装置10FのB−B断面図である。
照明装置10Fは、埋込タイプの照明装置である。照明装置10Fは、照明器具200Fの形状が照明装置10の照明器具200と異なる。照明装置10Fは、Cチャンネル回避型の照明装置である。照明装置10Fは、埋め込まれる照明器具200Fの高さHFが、
図21に示す照明器具200Dの高さHDや
図23に示す照明器具200Eの高さHEよりも低い。照明装置10Fの短手方向の幅LFは、照明装置10Eの短手方向の幅LEの1.8〜2.2倍である。照明装置10Fの短手方向の幅LFは、例えば、220mmである。
【0071】
上述したように、光源ユニット100と凹部211との取付構造は、実施の形態1,2で説明した取付構造と同一であり、実施の形態1,2で説明した構成及び効果は本実施の形態に係る照明装置10A,10B,10C,10D,10E,10Fについても適用することができる。
【0072】
実施の形態4.
本実施の形態では、主に、実施の形態2と異なる点について説明する。
本実施の形態は、実施の形態2で説明した第2電線クランプ170の変形例である第2電線クランプ170aについて説明する。
本実施の形態において、実施の形態1〜3と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
***第2電線クランプ170aの構成の説明***
図26は、本実施の形態に係る第2電線クランプ170aを示す図であり、(a)は上面部173の側から見た斜視図、(b)は下面部174の側から見た斜視図である。
図27は、本実施の形態に係る第2電線クランプ170aを示す図であり、(c)は側面部177bの側から見た側面図、(d)は上面図、(e)は側面部177aの側から見た側面図、(f)は下面図である。
図26及び
図27を用いて、本実施の形態に係る第2電線クランプ170aの構成について説明する。
【0074】
まず、第2電線クランプ170aの構成の概要について説明する。
第2電線クランプ170aは、弾性変形する弾性体により形成され、上面部173と、上面部173の反対側の下面部174とを有する。
上面部173には、電線を内部に保持する配線溝172aが形成される。上面部173は、配線溝172aの両側の開口縁部1721を有する。開口縁部1721は開口端とも称される。
下面部174は、装置取付面部111dに当接すると共に、装置取付面部111dに固定される。
第2電線クランプ170aは、両側の開口縁部1721の少なくとも一部が塞がる方向に変形する。
【0075】
下面部174は、第1下面部1741と、第1下面部1741と境界線である境界部175により分けられた第2下面部1742とを有する。第1下面部1741と第2下面部1742とは、90度より大きく180度より小さい角度θを成す。
第2電線クランプ170aは、この角度θが180度となるように下面部174が広げられて装置取付面部111dに固定されることにより、両側の開口縁部1721の少なくとも一部が塞がる方向に変形する。
【0076】
次に、第2電線クランプ170aの構成について詳しく説明する。
第2電線クランプ170aは、上面部173、上面部173の反対側の下面部174、上面部173と下面部174との間の側面部177a,177b,177c,177dを備える。
上面部173には、実施の形態2で説明した電線保持部172に相当する配線溝172aが2本形成されている。配線溝172aは、上面部173に形成された溝であり、溝の壁面を用いて第2電線500e等の電線を挟持する。なお、上面部173は、電線を保持する電線保持面とも称される。
側面部177aには、第2電線500eの配線溝172aへの挿入をガイドする保持ガイド部1722が形成される。
図26の(b)に示すように、配線溝172aの保持ガイド部1722の部分は上面部173から下面部174まで貫通している。
図27の(c)に示すように、配線溝172aの保持ガイド部1722以外の部分は、上面部173に形成された底部をする溝である。
第2電線クランプ170aは、第2電線500eを配線溝172aに保持する機能を有するとともに、第2電線500eを配線溝172aに挿入し易いように形成されている。
【0077】
第2電線クランプ170aは、プレート部110に貼り合わされる下面部174が2つの面から構成されている。なお、下面部174は、プレート部110に貼り合わされる貼合面とも称される。
下面部174は、第1下面部1741と、第2下面部1742と、第1下面部1741と第2下面部1742との境界線である境界部175とを有する。
境界部175は、配線溝172aに沿う方向に形成される。また、境界部175は、配線溝172aに対応する下面部174の部分と直交しないように形成される。
【0078】
図27の(c)に示すように、第1下面部1741と第2下面部1742とは、境界部175を挟んで角度θをなして向かい合う。角度θは、90°より大きく180°より小さい角度である。角度θは、配線溝172aの形状や大きさ、配線溝172aと境界部175との距離、相対角度等を考慮して決定される。
【0079】
第2電線クランプ170aは、可撓性、すなわち弾性変形の性質を有する弾性体で形成される。第2電線クランプ170aは、例えば、シリコーンゴムなどの樹脂材料が第2電線クランプ170aを形成する材料として選択可能である。シリコーンゴムなどの樹脂材料の硬度は概ね20度から50度程度のものが好ましい。
【0080】
図27の(f)に示すように、下面部174には、第2電線クランプ170aをプレート部110に接着するための接着部1743が配置される。接着部1743は、例えば、硬化性の接着剤、粘着テープ等である。第2電線クランプ170aをプレート部110に接着することができれば、接着部1743は接着剤、粘着テープ以外の構成でも構わない。なお、本実施の形態では、接着部1743は粘着テープであるものとする。
接着部1743は、配線溝172aの保持ガイド部1722部分を除いた下面部174に敷設される。接着部1743は、第1下面部1741と第2下面部1742とのいずれかに敷設されていればよい。接着部1743が粘着シートの場合、粘着テープ表面の剥離シート(図示省略)をはがして粘着テープがプレート部110に接着されると第2電線クランプ170aがプレート部110に固定される。
【0081】
***本実施の形態の作用効果の説明***
図28は、本実施の形態に係る第2電線クランプ170aの作用効果を示す図である。
図28の(a)(b)(c)は、配線溝172aに第2電線500eが保持された状態で、境界部175を横切る方向で第2電線クランプ170a及びプレート部110を切った断面図である。
図28の(a)(b)(c)の上段は、第2電線クランプ170aがプレート部110に接着される前の状態、下段は第2電線クランプ170aがプレート部110に接着された後の状態の図である。
【0082】
図28の(a)(b)(c)に示すように、配線溝172aが形成されることにより、上面部173には配線溝172aの開口縁部1721により開口が形成される。
図28の(a)(b)(c)の上段のように、第2電線クランプ170aがプレート部110に取り付けられていない状態での開口縁部1721の開口幅を、それぞれL1a,L1b,L1cであるものとする。また、
図28の(a)(b)(c)の下段のように、第2電線クランプ170aがプレート部110に取り付けられた状態での開口縁部1721の開口幅を、それぞれL2a,L2b,L2cであるものとする。
【0083】
図28の(a)では、接着部1743は第1下面部1741の側のみに敷設されている。接着部1743は第2下面部1742の側のみに敷設されていてもよい。これにより、接着部1743に用いる粘着テープなどの材料費を削減することができる。
図28の(a)では、第2電線クランプ170aがプレート部110に取り付けられると、第2電線500eが保持されている配線溝172aの開口縁部1721が塞がる方向に変形する。つまり、L1a>L2aとなる。このように、
図28の(a)では、第2電線クランプ170aがプレート部110に取り付けられると、配線溝172aと交差する向きに開口縁部1721が塞がる方向に変形する。
【0084】
図28の(a)に示す第2電線クランプ170aによれば、第2電線500eが変形により縮められた配線溝172aの開口縁部1721から外れることがない。また、第2電線500eは変形した配線溝172aの両側壁に押圧されて安定的に固定される。よって、
図28の(a)に示す第2電線クランプによれば、第2電線500eが配線溝172aに安定して保持される。
【0085】
図28の(b)では、接着部1743は第1下面部1741と第2下面部1742とに跨って敷設されている。
図28の(b)では、
図28の(a)と同様に、第2電線クランプ170aがプレート部110に取り付けられると、第2電線500eが保持されている配線溝172aの開口縁部1721が塞がる方向に変形する。つまり、L1b>L2bとなる。
【0086】
図28の(b)に示す第2電線クランプ170aによれば、第1下面部1741と第2下面部1742との両方に接着部1743を敷設しているので、第2電線クランプ170aはより強固にプレート部110に固定される。よって、
図28の(b)に示す第2電線クランプによれば、配線溝172aは、より安定して変形状態が維持される。
【0087】
図28の(c)では、配線溝172aの開口縁部1721に保持爪1721bが設けられている例を示している。保持爪1721bは、配線溝172aの両側の開口縁部1721の各々から、配線溝172aの開口を塞ぐように突き出している。
【0088】
図28の(c)に示す第2電線クランプ170aによれば、保持爪1721bにより、第2電線クランプ170aがプレート部110に取り付けられていない状態でも配線溝172aの開口幅L1cを狭くすることができる。また、第2電線クランプ170aがプレート部110に取り付けられると、第2電線500eが保持されている配線溝172aの開口縁部1721が完全に塞がれる。つまり、L2c=0となる。
【0089】
図28の(c)に示す第2電線クランプ170aによれば、断面直径が小さい第2電線500eであっても安定して確実に配線溝172aに保持することができる。
【0090】
上述したように、境界部175は、配線溝172aに沿う方向に形成される。なお、第2電線クランプ170aでは、境界部175が、下面部174において配線溝172aに対向する部分と交差するが直交はしないように形成されている。
第2電線クランプ170aは、上面部173に形成された配線溝172aと、下面部174に形成された第1下面部1741と第2下面部1742との境界部175とが、直交しない場合に
図28の(a)(b)(c)で説明した作用効果を得ることができる。
【0091】
***他の構成***
図29は、本実施の形態に係る第2電線クランプ170aの変形例を示す図であり、(a)は第2電線クランプ170aa、(b)は第2電線クランプ170ab、(c)は第2電線クランプ170acを示す図である。
また、
図30は、本実施の形態に係る第2電線クランプ170aの変形例を示す図であり、(d)は第2電線クランプ170ad、(e)は第2電線クランプ170aeを示す図である。
【0092】
図29の(a)(b)に示すように、第2電線クランプ170aa及び第2電線クランプ170abは、貼合面である下面部174の形状が第2電線クランプ170aとは異なる。
【0093】
図29の(a)の第2電線クランプ170aaでは、下面部174に滑らかに凹んだ曲面形状部1746を有する。
第2電線クランプ170aaは、曲面形状部1746が平面になるように広げられて装置取付面部111dに固定されることにより、両側の開口縁部1721の少なくとも一部が塞がる方向に変形する。
第2電線クランプ170aaの下面部174は、滑らかに凹んだ曲面のみ、または滑らかに凹んだ曲面と平面とを組合せた形状でもよい。特に、下面部174は、電線保持部である配線溝172aと対向する部分の少なくとも一部に滑らかに凹んだ曲面形状部1746が形成される。
第2電線クランプ170aaでは、下面部174の凹んだ部分に接着部1743が敷設されている。第2電線クランプ170aaをプレート部110に接着することにより、配線溝172aの開口縁部1721が塞がる方向に変形し、
図28で説明したと同様の効果が得られる。
【0094】
図29の(b)の第2電線クランプ170abでは、下面部174に凹状に窪ませた形状の凹み部1747であって、凹み底面部17471を有する凹み部1747を備える。
第2電線クランプ170abは、凹み底面部17471の少なくとも一部が装置取付面部111dと当接するように装置取付面部111dに固定されることにより、両側の開口縁部1721の少なくとも一部が塞がる方向に変形する。
第2電線クランプ170abの下面部174は、電線保持部である配線溝172aと対向する部分の少なくとも一部を凹状に窪ませた形状である。
第2電線クランプ170abでは、下面部174の凹んだ部分の凹み底面部17471に接着部1743が敷設されている。第2電線クランプ170abをプレート部110に接着することにより、配線溝172aの開口縁部1721が塞がる方向に変形し、
図28で説明したと同様の効果が得られる。
【0095】
図29の(c)の第2電線クランプ170acでは、下面部174は、凹み底面部17471から突き出した突起部1762を備える凹み部1747を有する。また、装置取付面部111dには、突起部1762と係合する貫通孔1761が形成される。
第2電線クランプ170acは、凹み底面部17471の少なくとも一部が装置取付面部111dと当接するように突起部1762を貫通孔1761に係合させることにより、両側の開口縁部1721の少なくとも一部が塞がる方向に変形する。
第2電線クランプ170acでは、
図29の(b)の第2電線クランプ170abを貼合ではない方法でプレート部110に取り付け可能とした態様である。
図29の(c)では、突起部1762を貫通孔1761と係合させることにより、プレート部110に第2電線クランプ170acを取り付ける。第2電線クランプ170abをプレート部110に取り付けることにより、配線溝172aの開口縁部1721が塞がる方向に変形し、
図28で説明したと同様の効果が得られる。
【0096】
図30の(d)(e)では、プレート部110の装置取付面部111dが、第2電線クランプ170aを両側の開口縁部1721の少なくとも一部が塞がる方向に変形させる形状を成す態様について説明する。
図30の(d)は、第2電線クランプ170adを取り付けるプレート部110に凹みであるプレート凹部1112aが形成されている態様である。
図30の(d)の態様は、第2電線クランプ170adがプレート部110に接着されることにより、配線溝172aに交わる方向において、配線溝172aに向かって側方側から押圧されて第2電線クランプ170aが変形する。第2電線クランプ170aが変形することにより、配線溝172aの開口縁部1721が塞がる方向に変形し、
図28で説明したと同様の効果が得られる。
なお、接着部1743は、第2電線クランプ170adが取り付けられるプレート部110の側に敷設されてもよい。
【0097】
図30の(e)では、プレート部110を、第2電線クランプ170aeを収納する断面凹形状に形成した態様である。プレート部110は、断面凹形状におけるプレート側壁部1113とプレート底部1114とを有する。
図30の(e)では、第2電線クランプ170aeの上面部173の幅L3と、プレート部110の断面凹形状の底部の幅L5とが略等しい。また、プレート部110の断面凹形状の開口部の幅L4は、プレート部110の断面凹形状の底部の幅L5よりもやや狭い。
第2電線クランプ170aeがプレート部110に収納されることにより、第2電線クランプ170aeの上面部173が両側のプレート側壁部1113により、押圧される。第2電線クランプ170aeの上面部173は、配線溝172aに交わる方向において、配線溝172aに向かって側方側から押圧され、第2電線クランプ170aが変形する。第2電線クランプ170aが変形することにより、配線溝172aの開口縁部1721が塞がる方向に変形し、
図28で説明したと同様の効果が得られる。
図30の(e)では、第2電線クランプ170aeは、図示した態様に限定されず、金属材料を用いて形成されたバネ構造などで第2電線500eを保持する構成であってもよい。
【0098】
実施の形態5.
本実施の形態では、主に、実施の形態2と異なる点について説明する。
本実施の形態は、実施の形態2で説明した第1電線クランプ180の変形例である第1電線クランプ180aについて説明する。
本実施の形態において、実施の形態1〜4と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
***第1電線クランプ180aの構成の説明***
図31は、本実施の形態に係る第1電線クランプ180aを示す図であり、(a)は第1電線クランプ180aの分解斜視図及び斜視図、(b)は第1電線クランプ180aの分解端面図及び端面図、(c)は第1電線クランプ180aの断面図である。
【0100】
第1電線クランプ180aは、第1電線500c等の電線をクランプする。
第1電線クランプ180aは、電線を支持するクランプ本体1802と、クランプ本体1802に被せられるクランプ蓋体1801とを備える。
第1電線クランプ180aは、クランプ本体1802とクランプ蓋体1801とにより電線を挟むことにより、電線を上下方向に湾曲させて保持する。
【0101】
クランプ本体1802は、直方体形状であり、上面の長辺方向に沿って第1電線500cを載置する。クランプ本体1802の上面には、第1電線500cを載置するための凹みである電線載置部18022が形成される。
電線載置部18022は、短辺方向に電線載置部18022の底部である支持面から突き出た第1凸部18023を備える。
図31の(c)に示すように、クランプ本体1802は、第1凸部18023により電線載置部18022に載置された第1電線500cがずれるのを防止すると共に、第1電線500cを第1凸部18023に沿わせて変形させることにより上下方向に湾曲させる。
【0102】
クランプ本体1802は、長辺方向の両端部に、プレート部110に取り付けるための取付片部181が形成される。また、クランプ本体1802は、短辺方向の両端の側面にクランプ蓋体1801を取り付けるための取付爪18021を備える。取付爪18021は、電線載置部18022の両側の側面に形成されている。
【0103】
クランプ蓋体1801は、第1電線500cが載置されたクランプ本体1802に、蓋をするように取り付けられる。クランプ蓋体1801は、断面コの字形状であり、蓋板部18014と、蓋板部18014の短辺方向の両端に形成された長辺方向に沿った蓋側面部18014aとを有する。
蓋板部18014の内側面は、第1電線500cの形状に沿うように曲面部18012が形成される。なお、曲面部18012は無くてもよい。
【0104】
また、クランプ蓋体1801は、クランプ本体1802に支持された第1電線500cを覆う板状の蓋天面から突出した第2凸部18013を備える。すなわち、蓋天面である蓋板部18014の内側面には、蓋板部18014の内側面から短辺方向に渡って突き出た第2凸部18013を備える。
図31の(c)に示すように、クランプ蓋体1801は、第2凸部18013により第1電線500cを上方から押さえて第1電線500cがずれるのを防止すると共に、第1電線500cを第2凸部18013に沿わせて変形させることにより、第1電線500cを上下方向に湾曲させる。
【0105】
クランプ蓋体1801は、蓋側面部18014aにおいてクランプ本体1802の取付爪18021に対応する位置に、取付爪18021と係合する取付孔18011が形成される。
図31(a)に示すように、クランプ本体1802の取付爪18021がクランプ蓋体1801の取付孔18011の縁部と係合し、クランプ蓋体1801がクランプ本体1802に取り付けられる。
【0106】
なお、本実施の形態では、クランプ蓋体1801に取付孔18011を形成しクランプ本体1802に取付爪18021を形成したが、クランプ蓋体1801に取付爪を形成しクランプ本体1802に取付孔を形成してもよい。また、取付孔は貫通孔でなくてもよく、取付爪が引っ掛かる凹みでもよい。
【0107】
なお、本実施の形態では、第1電線クランプ180aは、電線方向に長い略直方体であるものとして説明したが、略立方体でも構わない。また、略円柱形、略楕円柱形、略多角形柱形、あるいは電線に直交する方向に長い略直方体系でも構わない。
【0108】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る第1電線クランプ180aによれば、第1電線500cをクランプ本体1802に載置し、クランプ蓋体1801で蓋をするだけで、電線をクランプすることができる。よって、本実施の形態に係る第1電線クランプ180aは、光源ユニット100を組立てる工程で配線を行う製造方法において好適な構成であり、作業性がよく製造コストを抑制し工程品質を向上させる。
【0109】
また本実施の形態に係る第1電線クランプ180aによれば、電線500が第1凸部18023と第2凸部18013とにより、上下方向に湾曲させることができる。よって、電線500の余長を吸収することができる。
【0110】
実施の形態6.
本実施の形態では、主に、実施の形態5と異なる点について説明する。
本実施の形態は、実施の形態5で説明した第1電線クランプ180aの変形例である第1電線クランプ180bについて説明する。
本実施の形態において、実施の形態1〜5と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0111】
***第1電線クランプ180bの構成の説明***
実施の形態5では、クランプ本体1802とクランプ蓋体1801とが分離している構成での第1電線クランプ180aについて説明した。
本実施の形態では、クランプ本体1802bとクランプ蓋体1801bとが連結した一体構成の第1電線クランプ180bについて説明する。
【0112】
図32は、本実施の形態に係る第1電線クランプ180bが開いた状態を示す斜視図である。
図33は、本実施の形態に係る第1電線クランプ180bに電線500をクランプする工程を示す図である。
【0113】
図32に示すように、第1電線クランプ180bは、クランプ本体1802bとクランプ蓋体1801bとを連結する連結部1803を備える。クランプ蓋体1801bは、連結部1803を支点としてP方向に回動する。
【0114】
クランプ本体1802bは、電線500を載せる本体台部18024と、電線に沿った電線方向に沿って形成された本体壁部18025と、本体壁部18025と直交する短辺方向に沿って形成された第1凸部18026とを備える。
【0115】
本体壁部18025は、本体台部18024から立ち上がる壁部であり、本体台部18024の短辺方向の両端の位置と、短辺方向の両端の中間の位置とに形成されている。
第1凸部18026は、本体台部18024の短辺方向の両端の本体壁部18025同士を連結するように本体台部18024から立ち上がる板部である。第1凸部18026は、実施の形態4で説明した第1凸部18023と同様の機能を有する。第1凸部18026は、電線500の滑りを抑制して、電線500がずれるのを防ぐと共に、電線500を第1凸部18026に沿わせて変形させることにより上下方向に湾曲させる。
【0116】
本体台部18024の短辺方向の両端の本体壁部18025のうち、
図32において奥側の本体壁部18025が連結部1803に接続される。
また、本体台部18024の短辺方向の両端の本体壁部18025のうち、
図32において手前側の本体壁部18025には、クランプ蓋体1801bが備える取付爪18016と係合する取付孔18027が形成される。
【0117】
クランプ蓋体1801bは、クランプ本体1802bに支持された電線を覆う板状の蓋天面である蓋板部18014、蓋板部18014の電線方向の両端に形成された第2凸部18015、クランプ本体1802bの取付孔18027と係合する取付爪18016を備える。第2凸部18015は、蓋板部18014から突出する板部である。
第2凸部18015は、蓋板部18014の電線方向の両端に、短辺方向に沿って形成された板部であり、電線500を上方から押さえて電線500がずれるのを防ぐと共に、電線500を第2凸部18015に沿わせて変形させる。第2凸部18015には、スリット部18017が形成されている。第2凸部18015は、スリット部18017により変形し易いように形成されているため、電線500を必要以上に押さえつけてしまうことが無い。
【0118】
図33では、第1電線クランプ180bが3本の電線500をクランプする工程を示している。3本の電線500は、本体壁部18025により1本と2本とに分離され、第1凸部18026に沿って湾曲するように変形されてクランプ本体1802bに載置される。そして、クランプ蓋体1801bが電線方向の周りを回転するように回動し、取付爪18016がクランプ本体1802bの取付孔18027の縁部に引っ掛かるまでクランプ蓋体1801bがクランプ本体1802bに押し込まれる。
【0119】
なお、本実施の形態では、クランプ蓋体1801bに取付爪18016を形成し、クランプ本体1802bに取付孔18027を形成したが、クランプ蓋体1801に取付孔を形成し、クランプ本体1802に取付爪を形成してもよい。また、取付孔は貫通孔でなくてもよく、取付爪が引っ掛かる凹みでもよい。
【0120】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る第1電線クランプ180bによれば、第1電線クランプ180bは、クランプ本体1802bとクランプ蓋体1801b、及びこれらを連結する連結部1803を備える。よって、光源ユニット100を組立てる工程で配線を行う製造方法において好適な構成であるので、作業性がよく製造コストを抑制し工程品質を向上させる。また、第1電線クランプ180bを1部品構成としたことによって、クランプ蓋体の取付位置を確認する必要がなく組立作業性が更に向上する。よって、部品の調達、在庫管理などの管理を省力化が可能となる。
【0121】
また本実施の形態に係る第1電線クランプ180bによれば、電線500が第1凸部18026により湾曲すると共に第2凸部18015により湾曲するので、電線500を上下方向に大きく蛇行させることができる。よって、電線500の余長が大きい場合であってもその余長を吸収、調整することができる。
【0122】
実施の形態7.
本実施の形態では、主に、実施の形態2と異なる点について説明する。
本実施の形態は、実施の形態2で説明した電線保持部材160の変形例である電線保持部材160cについて説明する。
本実施の形態において、実施の形態1〜6と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0123】
図34は、本実施の形態に係る電線保持部材160cを示す図であり、(a)は電線保持部材160cの斜視図、(b)は電線保持部材160cの正面図である。
本実施の形態に係る電線保持部材160cにおいて、実施の形態2で説明した電線保持部材160と異なる点は、張出部161c、端部クリップ部162c、支持部165cである。
【0124】
***端部クリップ部162cの構成及び作用効果の説明***
本実施の形態に係る電線保持部材160cは、端部クリップ部162cに、外壁部1624、内壁部1625、下クリップ部1622、上クリップ部1623を備える。
外壁部1624は、台座部166の端部から立ち上がる外壁立部16242と、外壁立部16242から第1の高さH1で台座部166の台座中央部1661の側に屈曲した外壁屈曲部16243とを備える。
内壁部1625は、台座部166において外壁部1624と台座中央部1661との間の位置から立ち上がる内壁立部16252と、内壁立部16252から第1の高さH1より高い第2の高さH2で外壁部1624の側に屈曲した内壁屈曲部16253とを備える。
【0125】
下クリップ部1622は、台座部166と、外壁立部16242と、外壁屈曲部16243の下側面と、内壁立部16252の下方部分とで囲まれる。
上クリップ部1623は、外壁屈曲部16243の上側面と、内壁立部16252の上方部分と、内壁屈曲部16253とで囲まれる。
【0126】
外壁部1624は第1の高さH1まで起立し途中で支持部165cの側に屈曲されている。外壁部1624が屈曲した先の外壁先端部16241と内壁部1625との間には、第2スリット部1626が設けられている。すなわち、第2スリット部1626は、外壁屈曲部16243の先端部である外壁先端部16241と内壁部1625との間に形成される隙間である。
【0127】
上クリップ部1623は、外壁部1624と内壁部1625の上部とに囲まれている。内壁部1625は台座部166の端部から起立している。内壁部1625は第2の高さH2まで起立し途中で台座部166の端部の側に屈曲されている。第2の高さH2の寸法は第1の高さH1の寸法より大きい。具体的には、高さH2は高さH1の約2倍である。内壁部1625が屈曲した先の内壁先端部16251と外壁部1624との間には、第1スリット部1621cが設けられている。すなわち、第1スリット部1621cは、内壁屈曲部16253の先端部である内壁先端部16251と外壁屈曲部16243との間に形成された、第2スリット部1626より広い隙間である。
【0128】
端部クリップ部162cは、第3電線500fと第3電線500fより線径の大きい第4電線500gとを電線として保持する。
下クリップ部1622は、台座部166の端部側から第1スリット部1621cに挿入され、第2スリット部1626を経由して挿入される第3電線500fを保持する。
また、上クリップ部1623は、台座部166の端部側から第1スリット部1621cに挿入され、第2スリット部1626を通過できない線径の第4電線500gを保持する。
【0129】
図34の(b)に示すように、内壁部1625は、第2の高さH2の寸法が張出部161cの高さH3の寸法よりも高くなるように形成される。内壁部1625は、高さH3が高さH2の1/2から3/4となる程度に形成されることが好ましい。
【0130】
下クリップ部1622は、第2スリット部1626を通過できる比較的線径が小さい電線500、すなわち比較的細い電線500を保持する。比較的細い電線500は、第3電線500fの例である。比較的線径が小さい電線500は、電線保持部材160cの端部側から、第1スリット部1621c、上クリップ部1623、第2スリット部1626を経由して下クリップ部1622へ挿入されて保持される。比較的線径が小さい電線500は、光源ユニット100の組立工程で配線される。
内壁部1625は、光源ユニット100の組立工程において、比較的線径が小さい電線500が下クリップ部1622へ挿入される際に誤って中央側へ配置してしまうことを防護する。すなわち、内壁部1625は、光源ユニット100の組立工程において、比較的線径が小さい電線500の防護壁となる。
このため、端部クリップ部162cでは、比較的線径が小さい電線500は、電源装置140や吊ボルト400と干渉することがない。
また、端部クリップ部162cでは、電線保持部材160cの端部側から比較的線径が小さい電線500を挿入する。よって、電線500の挿入時に、電源装置140や吊ボルト400と干渉することがない。
【0131】
上クリップ部1623は、第1スリット部1621cを通過でき第2スリット部1626を通過できない比較的線径が大きい電線500、すなわち比較的太い電線500を保持する。比較的線径が大きい電線500は、第4電線500gの例である。比較的線径が大きい電線500は、電線保持部材160cの端部側から、第1スリット部1621cを経由して上クリップ部1623へ挿入されて保持される。比較的線径が大きい電線500は、光源ユニット100を照明器具200に取り付ける施工工程で配線される。比較的線径が大きい電線500は、具体的には、照明器具200と光源ユニット100とを電気的に繋ぐ調光線材である。
【0132】
光源ユニット100の施工工程では、必ずしも必要充分な視界、すなわち良好な視界が確保できない。そこで、内壁部1625により、比較的線径が大きい電線500が上クリップ部1623へ挿入される際に誤って中央側へ配置してしまうことを防護する。すなわち、内壁部1625は、光源ユニット100の施工工程において、比較的線径が大きい電線500の防護壁となる。
よって、比較的線径が大きい電線500は、電源装置140や吊ボルト400と干渉することがない。
【0133】
また、端部クリップ部162cでは、比較的線径が大きい電線500を光源ユニット100の短手方向の端部寄りに配線できるため、比較的良好な視界を確保し易く、作業性に優れる。さらに、光源ユニット100の施工工程で配線される比較的線径が大きい電線500は、既に光源ユニット100の組立工程で配線された比較的線径が小さい電線によって、配線作業が妨げられることがない。
また、端部クリップ部162cでは、電線保持部材160cの端部側から比較的線径が大きい電線500を挿入する。よって、電線500の挿入時に、電源装置140や吊ボルト400と干渉することがない。
【0134】
電線保持部材160cは、比較的線径が小さい電線または比較的線径が大きい電線500を挿入可能な柔らかさを有する。そして、電線保持部材160cは、比較的線径が小さい電線500または比較的線径が大きい電線500を保持可能な硬さを有する。
なお、本実施の形態では、電線保持部材160cは樹脂材料を用いて形成されているが、樹脂材料に限定されず、例えば、バネ性を有した金属材料を絶縁材料で覆う構成としてもよい。
【0135】
***張出部161c及び支持部165cの構成及び作用効果の説明***
まず、張出部161c及び支持部165cの構成の概要について説明する。
電線保持部材160cは、台座部166を基端部として立ち上がる支持部165cと、支持部165cの先端部から台座部166に対向して広がるように形成された張出部161cとを備える。
照明装置10は、装置取付面部111dに対向するボルト挿入孔251を備える(
図9参照)。
張出部161cは、ボルト挿入孔251に対向する位置に配置される。張出部161cは、全周方向に広がる円形状である。
支持部165cは、台座部166の長辺方向に沿う第1支持部1651と、第1支持部1651と交差する第2支持部1652とを備える。
【0136】
次に、張出部161c及び支持部165cの構成及び作用効果について詳しく説明する。
電線保持部材160cは、天井などの取付部300に形成されたボルト孔301から突出し、ボルト挿入孔251を介して凹部211の内部に挿入する吊ボルト400の想定経路の領域全体に張り出した張出部161cを有する。
本実施の形態では、張出部161cは、台座部166から起立した支持部165cの先端に台座部166と対向して略円形の板状に形成されている。張出部161cの形状は、略円形の他、楕円形、多角形などの板状でもよい。また、板状の張出部161の周縁部に周壁を設けることによって、張出部161cから吊ボルト400が脱落して電線500と干渉してしまうリスクをさらに低減させることができる。さらに、周壁を設けた張出部161cに替えて、環状、椀状、擂鉢状の張出部161d(図示省略)としてもよい。
【0137】
張出部161cの大きさと形状は、ボルト挿入孔251の大きさや形状、ボルト挿入孔251と張出部161との距離などを考慮して決定され、ボルト挿入孔251を含む大きさと形状であることが望ましい。張出部161cの大きさと形状をボルト挿入孔251を含む大きさと形状にすることで、吊ボルト400が傾いた状態で凹部211の内部に挿入された場合であっても、張出部161cが、吊ボルト400と電線500との干渉を確実に防ぐことができる。吊ボルト400の傾きは、例えば、最大25°程度を想定することができる。
【0138】
本実施の形態に係る支持部165cは、台座部166から台座部166の短手方向に沿って板状に立ち上がる第2支持部1652と、台座部166から台座部166の長手方向に沿って板状に立ち上がる第1支持部1651とを備える。第1支持部1651と第2支持部1652とは、略十文字に交差している。
【0139】
本実施の形態に係る支持部165cは、略十文字に交差している第1支持部1651と第2支持部1652とを備えているので、全周方向に広がった円形状の張出部161cであっても確実に支持することができる。吊ボルト400が傾いた状態で凹部211の内部に挿入された場合であっても、張出部161cを長手方向及び短手方向から支持し、吊ボルト400と電線500との干渉を確実に防ぐことができる。
【0140】
以上、本発明の実施の形態1〜7について説明したが、これらの実施の形態の2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。その他、これらの7つの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
なお、上記の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
なお、上述した光源ユニット、照明器具、および照明装置は、いずれも長手形状の例であるが、これ限らず、正方形、円形、多角形など他の形状であっても本願発明が適用できる。