(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
火災監視システムは一般に、ビルや地下街等の防火対象となる建物の一室に設置されて管理者により管理され、長期間に渡って使用される。そして、長期間に渡って使用される間には、建物の増築又は改築が生じて監視エリアを拡大したい場合がある。特許文献1に記載のように複数の火災受信機が通信接続された火災監視システムでは、火災受信機同士が通信接続された受信機ネットワークを介して情報を共有できるため、通信接続される火災受信機の台数を増やすことで、火災監視システムの監視エリアを拡大することができる。
【0005】
ここで、火災受信機の開発は日々進められており、新機種の火災受信機では、旧機種に対して機能が追加又は削除されることがある。機能の追加又は削除に伴い、新機種の火災受信機が受信機ネットワークに送信するコマンドも変更される。すなわち、旧機種の火災受信機と新機種の火災受信機とでは信号の内容及び通信フレームが異なる場合があり、その場合には旧機種は新機種からの信号を受信することができない。このため、同じ受信機ネットワークに旧機種と新機種の火災受信機を混在させることができなかった。
【0006】
したがって、旧機種の火災受信機を有する火災監視システムの監視エリアを拡大する場合には、旧機種の火災受信機を新機種に置き換えた新システムを構築する必要がある。しかし、新システムを構築する間も火災監視を中断することはできないため、旧機種の火災受信機を用いたシステムを維持したまま監視を継続しつつ、新機種を用いたシステムを構築しなければならない。ところが、2つのシステムを併設する設置スペースを確保するのは困難であり、また、旧機種を新機種に置き換えたシステムの構築には多大なコストがかかってしまう。
【0007】
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、複数の火災受信機が通信接続される受信機ネットワークに、火災受信機を安価に追加することのできる火災受信機及び火災監視システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の火災受信機は、通信ネットワークを介して他の火災受信機と接続される火災受信機であって、伝送線を介して接続された火災感知器からの火災信号に基づいて火災発報処理を行う制御装置と、前記通信ネットワークを介して接続された前記他の火災受信機と通信する受信機通信装置と、前記通信ネットワークに接続された前記他の火災受信機とその火災受信機が通信に使用するコマンド種別とを対応づけて記憶する記憶装置とを備え、複数種類の前記コマンド種別が前記記憶装置に記憶されている場合には、前記受信機通信装置は、複数種類の前記コマンド種別のそれぞれに対応した信号を連続して送信する
と共に、前記通信ネットワーク上を流れる信号のうち、自機のコマンド種別と同一の信号を受信処理し、前記通信ネットワーク上を流れる信号のうち、自機のコマンド種別とは異なる信号は、その送信元の火災受信機のコマンド種別が自機と同じであれば受信処理しないものである。
【0009】
本発明の火災監視システムは、通信ネットワークを介して旧機種の火災受信機と新式の火災受信機とが接続される火災監視システムであって、前記新式の火災受信機は、前記通信ネットワークを介して接続された他の火災受信機と通信する受信機通信装置と、前記通信ネットワークを介して接続された前記他の火災受信機とその火災受信機が通信に使用するコマンド種別とを対応づけて記憶する記憶装置とを備え、前記新式の火災受信機は、複数種類の前記コマンド種別が前記記憶装置に記憶されている場合には、複数種類の前記コマンド種別のそれぞれに対応した信号を連続して送信する
と共に、前記通信ネットワーク上を流れる信号のうち、自機のコマンド種別と同一の信号を受信処理し、前記通信ネットワーク上を流れる信号のうち、自機のコマンド種別とは異なる信号は、その送信元の火災受信機のコマンド種別が自機と同じであれば受信処理しないものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の火災受信機及び火災監視システムによれば、複数の火災受信機が通信接続される受信機ネットワークに火災受信機を追加する場合でも、それ以前に設置された火災受信機を置き換える必要がない。このため、受信機ネットワークへの火災受信機の追加を安価に実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る火災受信機及び火災監視システムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る火災監視システムの模式図である。火災監視システム1は、受信機ネットワーク2に接続された複数の火災受信機(火災受信機10と旧火災受信機10A)を有する。火災受信機10は、本実施の形態に係る火災受信機(新式の火災受信機)である。旧火災受信機10Aは、火災受信機10よりも旧機種の火災受信機である。火災受信機10及び旧火災受信機10Aのそれぞれには、伝送線を介して端末機器群3が接続されている。
【0014】
端末機器群3は、火災感知器、警報装置、防排煙装置、及び中継器のうち任意のものを含む。火災感知器は、熱、煙、赤外線放射、紫外線放射、燃焼ガス等の火災に起因する物理現象を検出するセンサを有し、火災に起因する物理現象を検出した場合には火災信号を出力する。警報装置は、例えば、ベルやスピーカなどの音響警報を出力する装置、フラッシュライト等の視覚的な警報を出力する光警報装置である。防排煙装置は、例えば、防火扉、シャッター等である。中継器は、火災受信機10及び旧火災受信機10Aと、火災感知器、警報装置、又は防排煙装置等との間で信号を中継する。なお、ここで示した端末機器群3の具体的構成は一例であり、本実施の形態ではこれらを特に区別する必要はない。
【0015】
受信機ネットワーク2は、複数の火災受信機10及び旧火災受信機10Aを任意の有線通信又は無線通信により通信接続するLAN(Local Area Network)である。
【0016】
火災受信機10及び旧火災受信機10Aは、自機に接続された端末機器群3の中のいずれかの火災感知器からの火災信号を受信すると、警報装置及び防排煙装置を動作させるとともに自機にて火災の発生を報知する火災報知処理を行う。
【0017】
図2は、実施の形態に係る火災受信機の構成図である。火災受信機10は、制御装置11、操作入力装置14、表示装置15、印刷装置16、伝送装置17、外部通信装置18、及び受信機通信装置19を備えている。操作入力装置14は、例えばタッチパネル、ハードウェアスイッチ、ボタン等の使用者からの操作入力を受け付ける装置である。表示装置15は、火災感知器が感知した火災に関する情報、自機に接続された端末機器群3の状態を示す情報などを表示する。表示装置15は、例えば液晶表示画面やランプ等を備える。印刷装置16は、火災発報情報を印字する装置である。印刷装置16は、必要に応じて設けることができる。伝送装置17は、端末機器群3との間で伝送線を介して信号を送受信する通信インタフェースである。外部通信装置18は、例えばパソコンや設定端末などの外部機器との間で信号を送受信する通信インタフェースである。受信機通信装置19は、受信機ネットワーク2を介して他の火災受信機10又は旧火災受信機10Aとの間で信号を送受信する通信インタフェースである。
【0018】
制御装置11は、操作入力装置14、表示装置15、印刷装置16、伝送装置17、外部通信装置18、及び受信機通信装置19と内部通信線を介して接続され、火災受信機10全体の動作を制御する。制御装置11は、例えばマイクロコンピュータや制御回路で構成される演算部12と、演算部12を動作させるためのプログラム及び演算部12の演算処理に用いられるデータを保持する記憶装置13とを備える。演算部12は、記憶装置13に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述する機能を実現する。記憶装置13には、データベース20及び通信フォーマット情報21が記憶されるほか、自機に接続された端末機器群3を構成する各端末を識別するアドレス等の識別情報が格納される。記憶装置13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリのいずれかを含み、各種情報がこれらのうちいずれかに適宜記憶される。
【0019】
データベース20は、受信機ネットワーク2に接続された他の火災受信機(火災受信機10又は旧火災受信機10A)と、その火災受信機が通信に使用するコマンド種別とが対応付けられて格納される。本実施の形態の例では、データベース20は、火災受信機10及び旧火災受信機10Aそれぞれに固有に割り当てられた識別情報であるノードID201と、受信機ネットワーク2を介した通信に使用する通信コマンドを特定する情報であるコマンド種別情報202とを含んでいる。火災受信機10と旧火災受信機10Aとでは、コマンド種別情報202の内容が異なっている。なお、本実施の形態において機種が異なるというときには、火災受信機が受信機ネットワーク2に送信するコマンド種別が異なることを意味する。
【0020】
通信フォーマット情報21は、火災受信機10及び旧火災受信機10Aが受信機ネットワーク2に送信する信号を定義する情報であり、データベース20に格納されたコマンド種別情報202のそれぞれと対応付けられて記憶装置13に記憶される。本実施の形態のように受信機ネットワーク2に火災受信機10と旧火災受信機10Aというコマンド種別の異なる2つの機種が接続される場合には、それぞれの機種の通信フォーマット情報21が記憶装置13に記憶される。通信フォーマット情報21は、火災受信機10及び旧火災受信機10Aが送信する信号のフレーム構成のほか、そのフレーム構成を用いて送信されるコマンドの一覧を含む。ここでコマンドとは、火災受信機10及び旧火災受信機10Aが備える機能及び制御内容を示す情報である。機種の異なる火災受信機10と旧火災受信機10Aとでは、有する機能が異なるため、使用できるコマンドも異なる。
【0021】
データベース20及び通信フォーマット情報21は、操作入力装置14を介して入力されるほか、外部通信装置18を介してパソコンや設定端末から入力され、記憶装置13に格納される。また、受信機通信装置19を介して受信機ネットワーク2内の他の火災受信機10又は旧火災受信機10Aからの入力を受け付けるようにしてもよい。
【0022】
図3は、実施の形態に係る火災受信機の通信フォーマットの例を示す図である。
図3に示す火災受信機10の通信フォーマット30は、信号の送信元を特定する情報である送信元情報301、信号の送信先を特定する情報である送信先情報302、機種識別情報303、コマンド304、及びメッセージ305を含む。送信先情報302は、受信機ネットワーク2内の特定の火災受信機10又は旧火災受信機10Aのアドレスであってもよいし、すべての火災受信機を対象とするブロードキャストアドレスであってもよい。機種識別情報303は、この通信フォーマット30が対象とする機種を特定する情報であり、本実施の形態では火災受信機10の機種(コマンド種別)を特定する情報である。コマンド304は、機能又は制御内容を特定する情報である。メッセージ305は、コマンド304に付随する付加情報である。
【0023】
なお、
図3に示す通信フォーマット30は一例であり、火災受信機10の機種(コマンド種別)を特定する情報及び送信元を特定する情報を含んでいれば、その他のフレーム構成及びその信号内容は
図3のものに限定されない。例えば
図3では、火災受信機10の機種を特定する情報として、機種識別情報303というフレームを設けた例を説明したが、機種識別情報303というフレームを設けず、例えば、送信元情報301又はコマンド304の内容自体に機種を特定する符号を付加してもよい。
【0024】
図4は、旧火災受信機の通信フォーマットの例を示す図である。旧火災受信機10Aが送信する通信フォーマット40は、信号の送信元を特定する情報である送信元情報401、信号の送信先を特定する情報である送信先情報402、コマンド403、及びメッセージ404を含む。火災受信機10の通信フォーマット30とは異なり、機種識別情報を有していない。また、コマンド403の内容も、火災受信機10の通信フォーマット30のコマンド304とは異なる。
【0025】
火災受信機10の記憶装置13には、通信フォーマット情報21として、火災受信機10の通信フォーマット30及び旧火災受信機10Aの通信フォーマット40が格納されている。また、記憶装置13には、自機(火災受信機10)の機種、すなわちコマンド種別が記憶されている。
【0026】
なお、旧火災受信機10Aは、受信機ネットワーク2を介して同じ機種の旧火災受信機10Aと通信できるものであれば、その具体的構成は限定されない。本実施の形態では、火災受信機10の制御装置11とは演算部12の制御処理及び記憶部(記憶装置13)に格納される情報は異なるが、その他の構成は火災受信機10と同様であるものとして説明する。旧火災受信機10Aの記憶部には、自機が送信する通信フォーマット40に関する情報が格納されており、火災受信機10の通信フォーマット30は格納されていない。
【0027】
次に、本実施の形態に係る火災監視システム1の火災監視及び火災発報処理に係る基本的な動作を説明する。火災受信機10及び旧火災受信機10Aにそれぞれ接続された火災感知器は、設置された場所において火災に起因する物理現象の有無を監視しており、火災の発生を検出すると火災信号を伝送線に出力する。火災受信機10及び旧火災受信機10Aは、火災感知器からの火災信号を受信すると、火災発報処理を行う。ここで、火災発報処理は、火災の発生を知らせる処理の総称であり、警報装置に警報を出力させる処理、防排煙装置を動作させる処理、及び火災を検出した火災感知器の識別情報や設置場所等の情報を表示装置15に表示させる処理を含む。さらに、火災受信機10及び旧火災受信機10Aは、火災検出に関する情報を、受信機通信装置19を介して受信機ネットワーク2に送出する。これにより、受信機ネットワーク2に接続された他の火災受信機10及び旧火災受信機10Aは、他の火災受信機が監視するエリアで検出された火災に関する情報を取得することができ、火災受信機10及び旧火災受信機10Aの間で情報が共有される。
【0028】
次に、本実施の形態の火災受信機10の受信機ネットワーク2を介した信号の送信処理を説明する。火災受信機10の演算部12は、受信機ネットワーク2へ信号を送信する前に、記憶装置13のデータベース20に格納された他のすべての火災受信機(火災受信機10又は旧火災受信機10A)の機種を確認する。そして、記憶装置13に格納された自機の機種とは異なる他の機種がデータベース20に格納されている場合、すなわち、受信機ネットワーク2に自機とは機種の異なる火災受信機(本実施の形態では旧火災受信機10A)が接続されている場合には、記憶装置13に格納された通信フォーマット情報21に基づいて、自機とは機種の異なる旧火災受信機10Aに対応した通信フォーマットで信号を送信するとともに、その後、続けて、自機に対応した通信フォーマットで信号を送信する。
【0029】
図5は、実施の形態に係る火災受信機の送信処理を説明する図であり、異なる機種が受信機ネットワーク内に混在している場合の例である。すなわち、火災受信機10の記憶装置13のデータベース20に、自機とは異なる機種が登録されている場合である。
図5に示すように火災受信機10は、まず、旧火災受信機10A宛の信号として、旧火災受信機10Aの通信フォーマット40で信号を送信する。続けて火災受信機10は、自機と同機種の他の火災受信機10宛の信号として、通信フォーマット30で信号を送信する。なお、通信フォーマット30の機種識別情報303には、例えば火災受信機10(自機)の機種(コマンド種別)が格納される。
【0030】
図6は、実施の形態に係る火災受信機の送信処理を説明する図であり、異なる機種が受信機ネットワークに存在しない場合の例である。すなわち、火災受信機10の記憶装置13のデータベース20に、自機と同じ機種のみが登録されている場合である。受信機ネットワーク2に信号を送信する前に他の機種が記憶装置13のデータベース20に格納されていないことを確認すると、火災受信機10の演算部12は、自機と同機種の他の火災受信機10宛の信号として、通信フォーマット30で信号を送信する。なお、通信フォーマット30の機種識別情報303には、例えば火災受信機10(自機)の機種(コマンド種別)が格納される。
【0031】
図5及び
図6のいずれの場合でも、通信エラーを考慮して同じ通信フレームの信号を連続して送ってもよい。
【0032】
次に、火災受信機10の受信機ネットワーク2を介した信号の受信動作を説明する。
図7は、実施の形態に係る火災受信機の受信動作を説明するフローチャートである。火災受信機10の受信機通信装置19が、受信機ネットワーク2を流れる信号を取得すると(S101)、制御装置11の演算部12は、受信機通信装置19が取得した信号が自機と同じ通信フォーマットか否かを判断する(S102)。この判断は、信号内の機種識別情報303の有無に基づいて行われる。
【0033】
ステップS102において、取得した信号が自機とは異なる通信フォーマットである場合には(S102:No)、制御装置11の演算部12は、その信号の送信元の機種が、自機と同じ機種であるか否かを判断する(S103)。この判断は、取得した信号に含まれる送信元情報(送信元情報301又は送信元情報401)と、記憶装置13のデータベース20に格納された情報と、記憶装置13に格納された自機の機種の情報とに基づいて行われる。
【0034】
ステップS103において、取得した信号の送信元情報の機種が自機と同じである場合には(S103:Yes)、その取得した信号については受信処理を行わず、次に送信されてくる信号を待つ。すなわち、火災受信機10とは機種の異なる通信フォーマットの信号(ここでは旧火災受信機10Aの通信フォーマット40の信号)が、自機と同じ機種から送信されたということは、続けてその送信元の火災受信機10から自機と同じ通信フォーマット30で信号が送信されるということであるので(
図5参照)、自機と同じ通信フォーマット30の信号を待つのである。
【0035】
一方、ステップS103において、取得した信号の送信元情報の機種が自機と異なる場合には(S103:No)、制御装置11の演算部12は、取得した信号の受信処理を行う(S104)。つまり、自機と異なる通信フォーマットである通信フォーマット40の信号の送信元は旧火災受信機10Aであり、この旧火災受信機10Aは新しい通信フォーマット30での信号を送信できないことから、取得した通信フォーマット40の信号の受信処理を行うのである。制御装置11の演算部12は、通信フォーマット40の信号の受信処理を、記憶装置13の通信フォーマット情報21に保存された情報に基づいて行う。
【0036】
また、ステップS102において、取得した信号が自機と同じ通信フォーマットであれば(S102:Yes)、制御装置11の演算部12は、取得した信号の受信処理を行う(S104)。
【0037】
このように本実施の形態の火災受信機10は、受信機ネットワーク2に接続された他の火災受信機10及び旧火災受信機10Aとその火災受信機が通信に使用するコマンド種別とを対応付けて記憶する記憶装置13を備え、複数種類のコマンド種別が記憶装置13に記憶されている場合には、それぞれのコマンド種別に対応した信号を連続して受信機ネットワーク2に送信する。このため、火災受信機10とは機種の異なる旧火災受信機10Aが受信機ネットワーク2に接続されている場合でも、各火災受信機は互いに信号をやり取りして情報を共有することができる。したがって、コマンド種別の異なる旧機種の旧火災受信機10Aが接続された受信機ネットワーク2に、新式の火災受信機である火災受信機10を安価に追加することのできる火災受信機10及び火災監視システム1を得ることができる。
【0038】
なお、受信機ネットワーク2に接続された信号の中継装置を設け、この中継装置が機種の異なる火災受信機同士の通信を仲介してもよい。具体的には、中継装置の記憶部に、受信機ネットワーク2に接続された火災受信機とそのコマンド種別を対応付けたデータベース(データベース20と同等のもの)を格納しておく。そして、受信機ネットワーク2に接続された火災受信機は、自機に設定された一種類の通信フォーマットで信号を送信する。一方、中継装置は、火災受信機から送信された信号を取得すると、受信機ネットワーク2内に機種の異なる複数の火災受信機が接続されている場合には、取得した信号を他の機種の通信フォーマットに変換して受信機ネットワーク2に送信する。このようにすることで、他の各火災受信機は、自機の通信フォーマットに則った信号を受信することができる。
【0039】
なお、上記説明では、通信フォーマット30に、火災受信機10の機種(コマンド種別)を特定する情報及び送信元を特定する情報を含んでいればよいものとし、一例として通信フォーマット30を示した。その他の具体例としては、例えば、次のようなものも考えられる。すなわち、火災受信機10は、受信機ネットワーク2に接続されているすべての火災受信機(火災受信機10、旧火災受信機10A)について、火災受信機を特定する識別番号(ノード番号)とそれに対応する機種(型名あるいはコマンド種別など)をデータベースに格納しておく。そして、他の火災受信機からの通信フォーマットを受信した際、火災受信機10は、受信した信号に含まれる送信元情報から火災受信機を特定する識別番号(ノード番号)を判別し、データベースを参照して機種(型名あるいはコマンド種別など)を判別する。このようにすることで、通信フォーマット30に機種識別情報303のような機種を特定する直接的な情報を含まなくても、通信フォーマット30に含まれる送信元情報が間接的に機種(コマンド種別)を特定する情報として機能し、火災受信機10は信号の送信元の機種(コマンド種別)を特定できる。