(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6558984
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】水田作業機
(51)【国際特許分類】
B60K 13/04 20060101AFI20190805BHJP
B60K 5/04 20060101ALI20190805BHJP
F01N 1/00 20060101ALI20190805BHJP
F01N 13/00 20100101ALI20190805BHJP
A01C 11/02 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
B60K13/04 D
B60K5/04 C
F01N1/00 D
F01N13/00 C
A01C11/02 311T
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-135511(P2015-135511)
(22)【出願日】2015年7月6日
(65)【公開番号】特開2017-13759(P2017-13759A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】大西 哲平
【審査官】
稲垣 彰彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−100939(JP,A)
【文献】
特開2010−121562(JP,A)
【文献】
特開2013−116692(JP,A)
【文献】
実開平7−35149(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/02
B60K 1/00− 6/00
6/08− 8/00
11/00−16/00
F01N 1/00− 1/24
5/00− 5/04
13/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランク軸が走行機体の横幅方向に延びる状態に配置されたエンジンと、
前記エンジンの走行機体横側方に設けられたエンジン用の排気マフラーと、
前記エンジンの前側及び後側に走行機体の横幅方向に延びる状態で連結され、エンジン搭載フレームに支持される前及び後のエンジンブラケットと、
前記排気マフラーを支持するマフラー支持部材と、
前の前記エンジンブラケットから走行機体横外向きに延出された延長ブラケット部と、を備え、
前記マフラー支持部材が、前記延長ブラケット部から走行機体の後方向きに延出されるように、前記延長ブラケット部に支持されて、
前の前記エンジンブラケットと前記延長ブラケット部とが一体的に形成され、
前記エンジンの排気部と前記排気マフラーとを接続する接続管を支持する管支持部が、前記延長ブラケット部において、前記マフラー支持部材が支持される部分と、前の前記エンジンブラケットの前記エンジンが連結される部分との間に設けられている水田作業機。
【請求項2】
前の前記エンジンブラケットと前記延長ブラケット部とが一体的に鋳造されている請求項1に記載の水田作業機。
【請求項3】
前記マフラー支持部材が鋳造製である請求項1又は2に記載の水田作業機。
【請求項4】
前記マフラー支持部材に、前記排気マフラーが載置されるマフラー支持部、及び、前記排気マフラーを前記マフラー支持部に固定する固縛具のための装着部が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の水田作業機。
【請求項5】
前記マフラー支持部材の前端部に、前記延長ブラケット部に対する連結部が設けられ、
前記マフラー支持部材の後端部に、前記装着部が設けられている請求項4に記載の水田作業機。
【請求項6】
前記エンジンブラケットが前記エンジン搭載フレームに緩衝材を介して支持されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の水田作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの走行機体横側方に設けられたエンジン用の排気マフラーと、前記エンジンに走行機体の横幅方向に延びる状態で連結され、エンジン搭載フレームに支持されるエンジンブラケットと、を備えた水田作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した水田作業機として、従来、例えば特許文献1に示される乗用型田植機がある。
この乗用型田植機には、エンジンブラケットとしての横板部材が備えられ、排気マフラーとしてのマフラーが備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−39889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排気マフラーを支持するマフラー支持部材を設け、マフラー支持部材をエンジンブラケットに連結することで、エンジンをエンジン搭載フレームに支持させるために優れた強度を備えるエンジンブラケットを支持部材に活用して、排気マフラーをしっかり支持できる。
排気マフラーをエンジンブラケットに支持するのには、エンジンブラケットとマフラー支持部材との間に介在する連結部材によってエンジンブラケットとマフラー支持部材とを連結する必要がある。連結部材をエンジンブラケットとは別の部材に形成した場合、連結部材とエンジンブラケットとを連結する特別な連結手間が必要になる。また、連結部材とエンジンブラケットとを連結する連結ボルトなどの連結手段に泥水が掛かり易く、耐久性の問題が発生し易い。
【0005】
本発明は、排気マフラーをエンジンブラケットに支持させるのに有利にできる水田作業機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による水田作業機は、
クランク軸が走行機体の横幅方向に延びる状態に配置されたエンジンと、前記エンジンの走行機体横側方に設けられたエンジン用の排気マフラーと、前記エンジン
の前側及び後側に走行機体の横幅方向に延びる状態で連結され、エンジン搭載フレームに支持される
前及び後のエンジンブラケットと、前記排気マフラーを支持するマフラー支持部材と、
前の前記エンジンブラケットから走行機体横外向きに延出され
た延長ブラケット部と、を備え、
前記マフラー支持部材が、前記延長ブラケット部から走行機体の後方向きに延出されるように、前記延長ブラケット部に支持されて、前の前記エンジンブラケットと前記延長ブラケット部とが一体的に形成さ
れ、前記エンジンの排気部と前記排気マフラーとを接続する接続管を支持する管支持部が、前記延長ブラケット部において、前記マフラー支持部材が支持される部分と、前の前記エンジンブラケットの前記エンジンが連結される部分との間に設けられている。
【0007】
本構成によると、
前のエンジンブラケットに一体的に形成された延長ブラケット部にマフラー支持部材が支持されるので、
前のエンジンブラケットとマフラー支持部材との間に介在する連結部材としの延長ブラケット部を
前のエンジンブラケットに連結する特別な手間が不要である。また、
前のエンジンブラケットと延長ブラケットとを連結する連結ボルトなどの特別な連結手段が不要である。
【0008】
従って、
前のエンジンブラケットとマフラー支持部材との連結部材としての延長ブラケット部を
前のエンジンブラケットに連結する特別な手間が不要なので、排気マフラーを
前のエンジンブラケットに操作簡単に支持させられる。
また、
前のエンジンブラケットとマフラー支持部材との連結部材としての延長ブラケット部を
前のエンジンブラケットに連結する特別な連結手段が不要なので、排気マフラーを
前のエンジンブラケットに支持させる連結構造に泥水が付着することによる問題が発生し難くなり、耐久性を向上できる。
本構成によると、接続管の支持部材に延長ブラケット部を活用した簡単な支持構造によって接続管を配管位置に保持できる。
【0009】
本発明において、
前の前記エンジンブラケットと前記延長ブラケット部とが一体的に鋳造されていると好適である。
【0010】
本構成によれば、
前のエンジンブラケットと延長ブラケット部とを強固に連結させつつコンパクトに得られる。また、
前のエンジンブラケット及び延長ブラケット部を、板金で作製するのに比べ、泥水が付着しても劣化し難い状態で得られる。
【0011】
本発明において、前記マフラー支持部材が鋳造製であると好適である。
【0012】
本構成によれば、マフラー支持部材を、板金で作製するのに比べ、泥水が付着しても劣化し難い状態で得られ、耐久性を向上できる。
【0013】
本発明において、前記マフラー支持部材に、前記排気マフラーが載置されるマフラー支持部、及び、前記排気マフラーを前記マフラー支持部に固定する固縛具のための装着部が設けられていると好適である。
【0014】
本構成によると、マフラー支持部に載置した排気マフラーと装着部とにわたって固縛具を装着するだけで操作簡単に排気マフラーをマフラー支持部材に固定できる。
【0015】
本発明において、前記マフラー支持部材の前端部に、前記延長ブラケット部に対する連結部が設けられ、前記マフラー支持部材の後端部に、前記装着部が設けられていると好適である。
【0016】
本構成によると、マフラー支持部材を延長ブラケット部に連結する連結手段と、装着部に装着する固縛具とがマフラー支持部材の前端部と後端部とに分散し、マフラー支持部材と延長ブラケット部とを連結する操作も、排気マフラーをマフラー支持部材に固定する操作も行い易い。
【0017】
【0018】
【0019】
本発明において、前記エンジンブラケットが前記エンジン搭載フレームに緩衝材を介して支持されていると好適である。
【0020】
本構成によると、エンジン搭載フレームに緩衝材を介して支持されるエンジンにエンジンブラケット、延長ブラケット部及びマフラー支持部材を介して排気マフラーが連結されるので、エンジン振動及び走行振動に起因するエンジンと排気マフラーとの相対振動を発生し難くできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図4】エンジン支持構造及び排気マフラー支持構造を示す斜視図である。
【
図5】分解状態の排気マフラー支持構造を示す斜視図である。
【
図6】エンジンブラケットの全体を示す斜視図である。
【
図7】エンジンブラケットの全体を示す正面図である。
【
図8】エンジンブラケットの全体を示す平面図である。
【
図11】別の実施構造を備えた原動部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明に係る水田作業機の実施の形態を説明する。本発明の実施例に係る水田作業機を乗用型田植機に適用した場合について説明する。
図1は、乗用型田植機の全体を示す側面図である。
図2は、乗用型田植機の全体を示す平面図である。
図1及び
図2に示すFを走行機体の「前」、Bを走行機体の「後」、Lを走行機体の「左」、Rを走行機体の「右」と定義する。
【0023】
図1及び
図2に示すように、乗用型田植機は、左右一対の前車輪1及び左右一対の後車輪2が装備された走行機体を備えている。走行機体の前部に原動部3が設けられている。
原動部3には、エンジン4が設けられている。エンジン4が出力する駆動力がミッションケース5に入力され、ミッションケース5から前輪駆動ケース6及び後輪駆動ケース7に伝達されることで、左右の前車輪1及び左右の後車輪2が駆動される。走行機体には、運転部8が設けられている。運転部8には、運転座席9及びステアリングホイール10が装備されている。走行機体は、運転部8に搭乗して操縦するように乗用型に構成されている。
【0024】
走行機体の後部にリンク機構12を介して苗植付装置13が連結されている。リンク機構12に昇降シリンダ12aが装備されている。昇降シリンダ12aを伸縮操作することで、リンク機構12を走行機体に対して上下に揺動操作でき、苗植付装置13を下降作業姿勢と上昇非作業姿勢とにわたって昇降操作できる。苗植付装置13は、下降作業姿勢に操作されると、接地フロート14が圃場面に接地した状態になり、走行機体の横幅方向に並ぶ複数の苗植付機構15による苗植付けが可能になる。苗植付装置13は、上昇非作業姿勢に操作されると、接地フロート14が圃場面から高く上昇した状態となり、移動走行をできる。
【0025】
苗植付装置13を下降作業姿勢にした状態で走行機体を走行させることで、苗植付装置13がエンジン4からの駆動力によって駆動され、複数条植えの苗植え作業をできる。すなわち、複数の苗植付機構15の夫々が苗載台16から苗を取出し、取出した苗を圃場に植付けていく。
【0026】
原動部3について説明する。
図3に示すように、原動部3には、エンジン4及び変速伝動装置18が設けられている。本実施例では、エンジン4は、ディーゼルエンジンに構成されている。ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンに構成してもよい。
【0027】
エンジン4は、クランク軸が走行機体の横幅方向に延びる状態の搭載姿勢でエンジン搭載フレーム20に支持されている。エンジン4の走行機体左横側の部位に出力プーリ4aが装備されている。出力プーリ4aは、出力軸4bに相対回転不能に支持されており、出力軸4bの走行機体横幅方向に延びる軸芯を回転中心として回転駆動される。
【0028】
変速伝動装置18は、エンジン4の後方で、ミッションケース5に支持されている。変速伝動装置18の走行機体左横側の部位に入力プーリ18aが支持されている。入力プーリ18aと出力プーリ4aとは、伝動ベルト19によって連動連結されている。本実施例では、変速伝動装置18は、静油圧式の無段変速装置によって構成されている。変速伝動装置18は、静油圧式に限らず、コーン式の無段変速装置によって構成してもよい。また、変速伝動装置18は、無段変速装置に限らず、ギヤ式の有段変速装置によって構成してもよい。
【0029】
エンジン搭載フレーム20は、
図3、
図4及び
図5に示すように、走行機体の前後方向に延びる左右一対のメインフレーム21と、走行機体の横幅方向に延びる前の搭載フレーム22と、走行機体の横幅方向に延びる前の連結フレーム23と、走行機体の横幅方向に延びる後の搭載フレーム24と、を備えている。前の搭載フレーム22は、板金部材によって構成され、左右のメインフレーム21の前部にわたって連結されている。前の連結フレーム23は、左右のメインフレーム21の前端部を連結している。後の搭載フレーム24は、板金部材によって構成され、左右のメインフレーム21の後部にわたって連結されている。
【0030】
後の搭載フレーム24の後部に連結ブラケット25が設けられている。後の搭載フレーム24及び連結ブラケット25がミッションケース5に連結されていることで、エンジン搭載フレーム20がミッションケース5に支持されている。
【0031】
エンジン4をエンジン搭載フレーム20に支持するエンジン支持構造は、
図3、
図4及び
図5に示すように、前後一対のエンジンブラケット26,27を備えている。前のエンジンブラケット26は、エンジン4の前側の下部に走行機体の横幅方向に延びる状態で設けられている。前のエンジンブラケット26が前の搭載フレーム22に複数の緩衝材28を介して連結されている。
【0032】
具体的には、前のエンジンブラケット26には、
図6、
図7、
図8及び
図10に示すように、走行機体の横幅方向に並ぶ左右一対のエンジン連結部26a、及び、走行機体の横幅方向に並ぶ左右一対の搭載フレーム連結部26bが設けられている。左右のエンジン連結部26aの夫々がエンジン4に連結ボルトによって連結されている。左右の搭載フレーム連結部26bの夫々が緩衝材28及び連結ボルトを介して前の搭載フレーム22に連結されている。
【0033】
後のエンジンブラケット27は、エンジン4の後側の下部にエンジン4の全幅に亘る状態で設けられている。後のエンジンブラケット27とエンジン4とは、複数本の連結ボルトによって連結されている。後のエンジンブラケット27が後搭載フレーム24に複数の緩衝材28を介して連結されている。本実施例では、前の緩衝材28及び後の緩衝材28の夫々は、ゴム材によって構成されている。
【0034】
図4に示すように、エンジン4の走行機体左側の横側方箇所のうち、出力プーリ4aよりも走行機体横外側に位置する箇所に、エンジン用の排気マフラー30が設けられている。排気マフラー30は、走行機体の前後方向に延びる軸芯を有した円筒形状となるように構成されている。排気マフラー30の前部に入口が設けられ、この入口とエンジン4の排気部とが接続管31によって接続されている。排気マフラー30の後部から排気管32が走行機体後方向きに延出されている。
【0035】
排気マフラー30は、
図4に示す支持構造Kに基づいて前のエンジンブラケット26に支持されている。エンジン4をエンジン搭載フレーム20に支持させるべく優れた強度を備えるエンジンブラケット26を排気マフラー30の支持部材に活用して、排気マフラー30をしっかり支持できる。
【0036】
支持構造Kは、
図4に示すように、前のエンジンブラケット26から走行機体の左横外側に延出した延長ブラケット部35と、延長ブラケット部35に支持されつつ排気マフラー30を支持するマフラー支持部材36とを備えている。
【0037】
エンジンブラケット26と延長ブラケット部35とは、
図5乃至
図8に示す如く一体的に形成されている。本実施例では、エンジンブラケット26と延長ブラケット部35とを、鋳造によって一体的に形成している。エンジンブラケット26と延長ブラケット部35とは、鋳造に限らず、板金部材によって一体的に形成してもよい。
【0038】
図4乃至
図8に示すように、延長ブラケット部35に、複数本のボルト孔37aを有した支持部37が設けられている。マフラー支持部材36の前端部に、複数本のボルト孔38aを有した連結部38が設けられている。マフラー支持部材36は、連結部38が支持部37に複数本の連結ボルト39によって連結されることで、延長ブラケット部35に支持される。マフラー支持部材36は、支持部37から走行機体の後方向きに延出する状態で延長ブラケット部35に支持される。本実施例では、3本の連結ボルト39を設けているが、3本に限らず、2本又は4本以上の連結ボルトを設けてもよい。
【0039】
図5及び
図6に示すように、マフラー支持部材36の上部にマフラー支持部40が設けられている。マフラー支持部材36の後端部に装着部41が設けられている。排気マフラー30をマフラー支持部40に載置し、固縛具42を排気マフラー30と装着部41とに亘って取り付けて、排気マフラー30を固縛具42によってマフラー支持部40に固縛することで、排気マフラー30をマフラー支持部材36に支持できる。
【0040】
本実施例では、マフラー支持部40の載置面は、排気マフラー30の下部が入り込むように凹入形の湾曲面に形成されている。本実施例では、装着部41がマフラー支持部材36の後端部に設けられているが、後端部に限らず、前端部又は中間部に設けもよい。本実施例では、固縛具42をUボルトによって構成され、装着部41がボルト孔によって構成されている。固縛具42は、U字形ボルトに限らず、ベルトによって構成してもよい。本実施例では、マフラー支持部材36を鋳造によって作製しているが、板金によって作製してもよい。
【0041】
図4乃至
図8に示すように、延長ブラケット部35の基部に管支持部44が設けられ、この管支持部44に接続管31が支持されている。具体的には、接続管31のうちのエンジン側の接続管部31Eと、マフラー側の接続管部31Mとが夫々の接続フランジ31a,31bによって接続されている。エンジン側の接続管部31Eが備える接続フランジ31aと管支持部44とが連結ボルト45によって連結されていることで、接続管31が管支持部44に支持されている。
【0042】
〔別実施例〕
(1)
図11は、別の実施構造を備えた原動部3を示す側面図である。別の実施構造を備えた原動部3では、ガソリン仕様のエンジン4が設けられている。排気マフラー30の前部から排気管49が延出されている。排気マフラー30の後部に入口が設けられ、この入口とエンジン4の排気部とが接続管50によって接続されている。
【0043】
接続管50は、
図11及び
図12に示すように、排気マフラー30の入口から走行機体後方向きに入力プーリ18aの機体前方側箇所まで延出したマフラー側管部51と、マフラー側管部51の後端部から走行機体横内側向きに伝動ベルト19の環状経路の内側を通って伝動ベルト19よりも走行機体内側の箇所まで入ったベルト超え管部52と、ベルト超え管部52の機体内側端部からエンジン4の排気部に至るエンジン側管部53とを備えている。
【0044】
走行機体の側面視において、マフラー側管部51は、排気マフラー30の入口に接続する部位からベルト超え管部52に接続する部位まで直線形状となるように構成されている。
【0045】
図12に示すように、接続管50は、伝動ベルト19のうち、出力プーリ4a及び入力プーリ18aの上部どうしに亘る上側部分19Uと、出力プーリ4a及び入力プーリ18aの下部どうしに亘る下側部分19Dとを通る仮想平坦面Sに対してベルト超え管部52が傾斜するように構成されている。すなわち、走行機体の前後方向視において、ベルト超え管部52は、マフラー側管部51に接続する部位からエンジン側管部53に接続する部位まで直線形状となるように形成され、かつ、エンジン側管部53に接続する部位に至るほど上方に位置すると共に機体横内側に位置する傾斜状態となるように配管されている。
接続管50を、伝動ベルト19の環状経路の内側を通るものでありながら、排気マフラー30の入口に接続する部位からエンジン側管部53に接続する部位までにおける屈曲箇所が少ない簡素な形状の接続管にできる。
【0046】
ベルト超え管部52は、伝動ベルト19の環状経路の内側のうち、テンションプーリ19aと入力プーリ18aとの間の部位を通っている。出力プーリ4aよりも入力プーリ18aが大径であるので、ベルト超え管部52が位置する箇所では、伝動ベルト19の下側部分19Dと上側部分19Uとの間隔が広くなり、ベルト超え管部52を伝動ベルト19に触れ難くできる。
【0047】
図12に示すように、排気マフラー30のうちのマフラー側管部51が連結する壁板部30aと、マフラー側管部51の外周部とにわたり、複数の補強リブ54が連結されている。複数の補強リブ54は、マフラー側管部51の周方向に並んでいる。本実施例では、2枚の補強リブ54を設けている。2枚に限らず、3枚以上の補強リブ54を設けてもよい。
【0048】
(2)上記した実施例では、排気マフラー30をエンジン4の走行機体左横側の側方に設けた例を示したが、エンジン4の走行機体右横側の側方に設けて実施してもよい。
【0049】
(3)上記した実施例では、前のエンジンブラケット26に延長ブラケット部35を介してマフラー支持部材36を支持する例を示したが、前のエンジンブラケット26に代えて、後のエンジンブラケット27に延長ブラケット部を形成し、後のエンジンブラケット27に延長ブラケット部を介してマフラー支持部材を支持するよう構成して実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、田植機に限らず、播種機など、各種の水田作業機に適用できる。
【符号の説明】
【0051】
4 エンジン
20 エンジン搭載フレーム
26
前のエンジンブラケット
27 後のエンジンブラケット
28 緩衝材
30 排気マフラー
31 接続管
35 延長ブラケット部
36 マフラー支持部材
38 連結部
40 マフラー支持部
41 装着部
42 固縛具
44 管支持部