特許第6558994号(P6558994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6558994-上衣 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6558994
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】上衣
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/22 20180101AFI20190805BHJP
   A41B 1/08 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   A41D1/22 Z
   A41B1/08 Z
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-146121(P2015-146121)
(22)【出願日】2015年7月23日
(65)【公開番号】特開2017-25441(P2017-25441A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】515201811
【氏名又は名称】吉武 ますみ
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】吉武 ますみ
【審査官】 姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3134522(JP,U)
【文献】 特開2011−256507(JP,A)
【文献】 特開2015−052182(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3044581(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 1/22
A41B 1/08
A41D 1/00
A41C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上半身に着る服である上衣であって、
襟ぐり部と、
前記襟ぐり部周辺に位置する部位であって、当該上衣の下に着用したブラジャーの肩紐を上から覆い隠す襟ぐり周辺部と、
着用者の胸の上方、かつ、前記着用者の腋の下方の高さに位置し、前記着用者の胸囲方向に伸び縮みする伸縮部材によって、前記着用者の体と当該上衣との間に隙間が出来ることを防ぐ胸部上方伸縮部と、を有し、
前記伸縮部材が、ゴム紐であることを特徴とする上衣。
【請求項2】
前記胸部上方伸縮部において前記伸縮部材が、当該上衣の周囲全体に配置されることを特徴とする請求項1に記載の上衣。
【請求項3】
タンクトップであることを特徴とする請求項1又は2に記載の上衣。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
上半身に着る被服上衣の技術に関し、特にカットソー(Tシャツ、タンクトップ等)で、襟ぐりが幅広又は深い被服上衣の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
生活の基本的要件「衣食住」の一つである「衣」については、装飾性、機能性など様々な観点のニーズが存在し、それらに応ずるべく研究・開発の活動が盛んに行われている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1乃至4では、各特許文献において設定された課題を解決するために、伸縮部材を特定の位置に配置した被服に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−302810号公報
【特許文献2】実用新案登録第3164846号公報
【特許文献3】特開2002−138302号公報
【特許文献4】特開2011−47095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術においては、「女性用下着であるブラジャーを着用したとき該ブラジャーの肩紐を他人に見られたくない」、「襟ぐりが幅広又は深い上衣を着用し前屈みの姿勢になったとき襟ぐり(首穴)が開き、そこから胸元を他人にのぞかれたくない」という2つのニーズを同時に解決できないという問題点を有する。
【0006】
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、肩紐付きブラジャーを気兼ねなく着用でき、前屈みの姿勢になっても着用者の胸部が外から見え難い上衣を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する上衣は、上半身に着る服である上衣であって、襟ぐり部と、前記襟ぐり部周辺に位置する部位であって、当該上衣の下に着用したブラジャーの肩紐を上から覆い隠す襟ぐり周辺部と、着用者の胸の上方、かつ、前記着用者の腋の下方の高さに位置し、前記着用者の胸囲方向に伸び縮みする伸縮部材によって、前記着用者の体と当該上衣との間に隙間が出来ることを防ぐ胸部上方伸縮部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する上衣は、肩紐付きブラジャーを気兼ねなく着用でき、前屈みの姿勢になっても着用者の胸部が外から見え難い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る上衣の正面図である。
図2】本実施の形態に係る上衣の背面図である。
図3】本実施の形態に係る上衣の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る上衣の構造)
【0011】
図1乃至3を用いて、本実施の形態に係る上衣1の構造について説明する。図1は上衣1の正面図であり、図2は上衣1の背面図であり、図3は着用者14が上衣1を着用した状態を表す図である。
【0012】
図1乃至3で示すように、上衣1は、上半身に着る、襟ぐりが幅広又は深い被服であり、例えばカットソー(Tシャツ、タンクトップ等)が典型的な例であるが、袖の有無は特に限定しない。上衣1は、襟ぐり部2、襟ぐり周辺部4、胸部上方伸縮部6を有する。
【0013】
襟ぐり部2は、着用者14が上衣1を着用するときに首を通す部位であり、首穴、ネックホールとも呼ばれる部位である。襟ぐり部2は、幅広又は深い形状を成している。
【0014】
襟ぐり周辺部4は、襟ぐり部2の周辺に位置する部位であり、着用者14が上衣1の下に着用したブラジャー10の肩紐12を上から覆い隠す部位である。従って、襟ぐり周辺部4の幅は、肩紐12を上から覆い隠すことができる程度の広さを備える必要がある。
襟ぐり周辺部4が肩紐12を覆い隠すため、上衣1は、着用者14が肩紐付きブラジャーを気兼ねなく着用することができる状況を提供することができる。
【0015】
胸部上方伸縮部6は、着用者14の胸部の上方、かつ、着用者14の腋部の下方の高さに位置し、胸囲方向(横方向、周囲方向)に配置される部位である。胸部上方伸縮部6は、着用者14の胸囲方向に伸び縮みする伸縮部材8を備え、伸縮部材8の伸縮機能に基づいて、着用者14の体(胸部上方位置)と上衣1との間に隙間が形成されることを防ぐ部位である。「着用者14の体と上衣1との間に隙間が形成されることを防ぐ」とは、胸部上方伸縮部6の位置において上衣1を着用者14の体に密着させることである。伸縮部材8は、ゴム等の伸縮性を備えるものを材料とし紐状の細長い部材であることが好適である。
【0016】
胸部上方伸縮部6は、着用者14の胸囲方向全体に一様に配置される形態であっても良く、例えば前方部位、後方部位、脇下部位など上衣1周囲の一部に配置される形態であっても良い。また伸縮部材8も、着用者14の胸囲方向全体に一様に配置される形態であっても良く、例えば前方部位、後方部位、脇下部位など上衣1周囲の一部に配置される形態であっても良い。
【0017】
例えば着用者14が前屈み姿勢になったときであっても、胸部上方伸縮部6によって着用者14の胸元には隙間が出来ないため、上衣1は、前屈みの姿勢になっても着用者14の胸部が外から見え難い状況を提供する。
【0018】
上衣1は、襟ぐり部2が形成する開口部を小さくすることによって胸元に隙間を生成させ難くするというアプローチを採用しない。上衣1は、デザイン性を高めるため、襟ぐり部2のデザインは自由にさせ、襟ぐり部2より下方に位置する、襟ぐり部2とは別部位である胸部上方伸縮部6に胸元の隙間を生成させ難くするという役割を持たせている。こうすることによって、上衣1は、デザイン性と機能性を両立させる。
(本実施の形態に係る上衣の使用方法)
【0019】
図3で示すように、着用者14は、一般的な上衣と同様に、上衣1の襟ぐり部2に頭部を通し、上衣1の腕部又は袖部に手を通して、上衣1を着用する。着用者14は、ブラジャー10の肩紐12が襟ぐり周辺部4で隠れるように肩紐12及び襟ぐり周辺部4の配置を適宜調整する。
【0020】
図3で示すように、着用者14は、胸部上方伸縮部6がブラジャー10のカップ部に掛からないように、胸部上方伸縮部6及びブラジャー10の配置を適宜調整する。
【0021】
このようにすることで、着用者14は、前屈み姿勢になったときであっても、下に垂れた襟ぐり部2の隙間から自身の胸元を見られ難い状況とすることができる。また着用者14は、自身の着用するブラジャー10の肩紐12を隠すことができているため、肩紐付きブラジャー10を気兼ねなく着用することができる。
【0022】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0023】
1 上衣
2 襟ぐり部(首穴(ネックホール))
4 襟ぐり周辺部
6 胸部上方伸縮部
8 伸縮部材
10 ブラジャー
12 ブラジャーの肩紐
14 着用者

図1
図2
図3