特許第6558999号(P6558999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6558999-中空粒子及び断熱塗膜用フィラー材 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6558999
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】中空粒子及び断熱塗膜用フィラー材
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20190805BHJP
   C01B 39/02 20060101ALI20190805BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20190805BHJP
【FI】
   C09D201/00
   C01B39/02
   C09D7/61
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-149123(P2015-149123)
(22)【出願日】2015年7月29日
(65)【公開番号】特開2017-31235(P2017-31235A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 広樹
(72)【発明者】
【氏名】梅津 基宏
(72)【発明者】
【氏名】増田 賢太
(72)【発明者】
【氏名】一坪 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】若林 恭子
【審査官】 緒形 友美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−083532(JP,A)
【文献】 特開2003−089519(JP,A)
【文献】 特開2005−126309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 201/00
C01B 39/02
C09D 7/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空室を区画する殻を有するアルミノシリケート中空粒子であって、平均円形度が0.85以上、殻の厚みが500nm以下、平均粒子径が1〜20μmであり、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置にて少なくとも2つ以上のピーク山を有する多峰性の粒度分布を有し、最大ピークの山の極大粒子径が2〜30μm、二番目に大きいピークの山の極大粒子径が最大のピークの山の極大粒子径の1/10以下、二番目に大きいピークの山の粒子が全粒子中の5〜30重量%であるアルミノシリケート中空粒子。
【請求項2】
請求項1記載のアルミノシリケート中空粒子を含有する断熱塗膜用フィラー材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱塗膜用フィラー材として有用な中空粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
断熱性材料のフィラーとして無機物中空粒子や無機物多孔質材料が使用されている。そのようなフィラー用粒子としては、微小中空ガラス球状体、高分子中空微小球体等が知られている(特許文献1又は2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−172031号公報
【特許文献2】特開2002−309180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、中空粒子として粒度分布がシャープな粒子(特許文献1)を用いた場合、塗膜の平滑性が悪く塗装面にピンホールが発生し、そこを起点に剥離が生じるという問題がある。また、中空粒子を、被塗装物の表地面から塗膜表面に向かって中空粒子の密度が粗から密になるように配置した場合(特許文献2)には、塗膜中の断熱効果が均一にならず、用途によっては使用できないという問題があった。また、断熱塗膜の高機能化に伴い、塗膜の薄層化が望まれており、薄膜においては十分な断熱効果を確保できないという問題がある。
【0005】
従って、本発明の課題は、薄膜にした場合であっても十分な断熱効果が得られ、かつ塗膜の平滑性及び密着性に優れた断熱塗膜を形成できるフィラーとして有用な中空粒子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、前記課題を解決すべく、中空粒子の円形度、粒子径、粒度分布等について種々検討したところ、特定の円形度、殻の厚み、平均粒子径及び粒度分布を有する中空粒子が、塗膜を形成したときの断熱性、平滑性及び密着性に優れたものとなることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕を提供するものである。
【0008】
〔1〕中空室を区画する殻を有する中空粒子であって、平均円形度が0.85以上、殻の厚みが500nm以下、平均粒子径が1〜20μmであり、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置にて少なくとも2つ以上のピーク山を有する多峰性の粒度分布を有し、最大ピークの山の極大粒子径が2〜30μm、二番目に大きいピークの山の極大粒子径が最大のピークの山の極大粒子径の1/10以下、二番目に大きいピークの山の粒子が全粒子中の5〜30重量%である中空粒子。
〔2〕スプレーノズルで原料溶液を噴霧する噴霧分解法で得られる〔1〕記載の中空粒子。
〔3〕〔1〕又は〔2〕記載の中空粒子を含有する断熱塗膜用フィラー材。
【発明の効果】
【0009】
本発明の中空粒子をフィラーとして用いれば、薄膜にした場合であっても十分な断熱効果が得られ、かつ塗膜の平滑性及び密着性に優れた断熱塗膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】参考例1の微小アルミノシリケート中空粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す図である。
図2】参考例1の微小アルミノシリケート中空粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す図である。
図3】本発明中空粒子の粒度分布の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の中空粒子は、中空室を区画する殻を有する中空粒子であって、(a)平均円形度が0.85以上、(b)殻の厚みが500nm以下、(c)平均粒子径が1〜20μmであり、(d)レーザー回折散乱式粒度分布測定装置にて少なくとも2つ以上のピーク山を有する多峰性の粒度分布を有し、最大ピークの山の極大粒子径が2〜30μm、二番目に大きいピークの山の極大粒子径が最大のピークの山の極大粒子径の1/10以下、二番目に大きいピークの山の粒子が全粒子中の5〜30重量%であるという特徴を有する。
【0012】
本発明の中空粒子は、中空室を区画する殻を有する粒子でり、単なる多孔質とは相違する。本発明の粒子が、このような構造を有することは、図1図2のTEM像及びSEM像から明らかである。 また、本発明の中空粒子の殻は無気孔である。本発明の中空粒子の殻が無気孔であることは、透過型電子顕微鏡(TEM)像により確認できる。本発明の中空粒子は、殻が無気孔であることにより、優れた断熱性、遮熱性を有する。
【0013】
本発明の中空粒子は、無機酸化物中空粒子であればよいが、例えばアルミノシリケート中空粒子、アルミナ中空粒子、シリカ中空粒子、ムライト中空粒子、フライアッシュバルーン等が挙げられ、特にアルミノシリケート中空粒子が好ましい。
【0014】
本発明の中空粒子の形状は、図1図2から明らかなように、球状であり、(a)平均円形度は0.85以上である。このような形状は、例えば噴霧熱分解法により製造することにより達成される。
ここで、円形度は、走査型電子顕微鏡写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)とすると、その粒子の円形度はA/Bとして表される。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、周囲長はPM=2πr、面積はB=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、この粒子の円形度は、円形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出される。100個の粒子について円形度を測定し、その平均値でもって平均円形度とする。なお、本発明の中空粒子は、各種フィラーとして混合したときの分散性、混合性など点から、平均円形度は、0.85以上、好ましくは0.90以上である。
【0015】
本発明の中空粒子の(b)殻の厚みは、500nm以下であり、50〜500nmが好ましく、50〜450nmがより好ましく、50〜400nmがさらに好ましい。殻の厚みが500nmを超えると、空気で満たされた中空室の容積が十分でなく、熱伝導率が十分に小さい粒子とならない。また、殻の厚みが小さすぎる場合には、粒子の強度が十分でない可能性がある。殻の厚みは透過型電子顕微鏡(TEM)像から測定できる。
【0016】
本発明の中空粒子の(c)平均粒子径は、1μm〜20μmであり、好ましくは2μm〜20μmであり、より好ましくは2μm〜15μmである。20μmを超える場合は、一部が球状でなくなることがあり、好ましくない。なお、平均粒子径の調整は、噴霧に使用するスプレーノズルのノズル径あるいは霧化方式を変えることによって行うことができ、2流体ノズル、4流体ノズル、超音波霧化方式などが利用できる。ここで粒子径は、電子顕微鏡の解析によって測定でき、その平均は、JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」、レーザー回折・散乱法による粒径分布測定装置として、例えばマイクロトラック(日機装株式会社製)などによって計算できる。
【0017】
本発明の中空粒子は、(d)レーザー回折散乱式粒度分布測定装置にて少なくとも2つ以上のピーク山を有する多峰性の粒度分布を有し、最大ピークの山の極大粒子径が2〜30μm、二番目に大きいピークの山の極大粒子径が最大のピークの山の極大粒子径の1/10以下、二番目に大きいピークの山の粒子が全粒子中の5〜30重量%であるという粒度分布を有する。
【0018】
本発明の中空粒子は、少なくとも2つ以上のピーク山を有するという多峰性の粒度分布を有するが、そのピーク山は2〜4個が好ましく、2〜3個がより好ましく、2個がさらに好ましい。粒度分布において2つのピーク山を有する例を図3に示す。ピーク山が1個の中空粒子では、塗膜を形成したときの熱伝導率が大きくなり、また塗膜表面が平滑にならず、基材との密着性も十分でない。
【0019】
これらの複数のピーク山のうち最大のピークの山の極大粒子径は2〜30μmであり、3〜25μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。複数のピーク山のうち最大のピーク山とは、ピークの高さが最も高いピーク山を言う。また、この最大のピーク山は、塗膜の高い断熱性を保持する点から、粒度分布のうち粒子径が大きい側にあるのが好ましい。すなわち、最大のピーク山が粒子径の大きい側にあり、二番目に大きいピーク山が粒子径の小さい側にあるのが好ましい。
最大のピーク山の極大粒子径が2μm未満の中空粒子は、全体の粒子径が小さすぎて十分な断熱性を奏さないとともに、平滑性や密着性も低下する。また、最大のピーク山の極大粒子径が30μmを超える中空粒子は、平均粒子径が20μm以下であることから、調製が困難である。
【0020】
二番目に大きいピークの山の極大粒子径は、最大のピークの山の極大粒子径の1/10以下であり、1/10〜1/30が好ましく、1/10〜1/20がより好ましい。二番目に大きい山の極大粒子径が最大ピーク山の極大粒子径の1/10を超えると、塗膜の断熱性、平滑性、密着性が十分でなくなる。
【0021】
二番目に大きいピークの山の粒子は、全粒子中の5〜30重量%であるのが、塗膜の断熱性、平滑性及び密着性の点で好ましい。より好ましくは、10〜30重量%であり、さらに好ましくは10〜20重量%である。
また、最大ピークの山の粒子は、全粒子中の30〜85重量%であるのが、塗膜の断熱性、平滑性及び密着性の点で好ましく、より好ましくは35〜80重量%であり、さらに好ましくは40〜80重量%である。
【0022】
本発明の中空粒子の熱伝導率は、0.005〜0.1W/m・Kが好ましく、0.005〜0.08W/m・Kがより好ましく、0.01〜0.06W/m・Kがさらに好ましい。本発明の中空粒子は熱伝導率が小さいため、断熱材料、遮熱材料として優れている。ここで、熱伝導率は、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業社製)を用いた非定常熱線法により測定できる。
【0023】
本発明の中空粒子の圧縮強度は、1〜800MPaであるのが好ましく、1〜700MPaであるのがより好ましく、1〜500MPaであるのがさらに好ましい。ここで圧縮強度は、微小圧縮試験機 MCT−510(株式会社島津製作所製)により測定できる。
【0024】
本発明の中空粒子は、例えば噴霧熱分解法により製造することができる。具体的には、2流体ノズルや4流体ノズル等の流体ノズルで原料化合物含有溶液を噴霧する噴霧熱分解法により製造することができる。
【0025】
用いられる原料としては、例えばアルミノシリケート中空粒子の場合には、中空粒子を形成したときの組成がアルミノシリケートの組成になるアルミニウム塩及びケイ酸塩やアルミナやシリカの分散液及びゾル溶液であればよい。
【0026】
原料化合物含有溶液は、超音波式の噴霧装置、流体ノズルによる噴霧装置など一般的な液滴を形成する装置を使用することができる。生産性の観点から、流体ノズルによる噴霧装置を使用するのが好ましく、具体的には、2流体ノズルや4流体ノズルで噴霧するのが、粒子径の調整、生産性の点で好ましい。ここで流体ノズルの方式には、空気と原料化合物含有溶液とをノズル内部で混合する内部混合方式と、ノズル外部で空気と原料化合物含有水溶液を混合する外部混合方式があるが、いずれも採用できる。
【0027】
噴霧されたミストは、例えば100〜1000℃の乾燥ゾーン、次いで800〜1650℃の熱分解ゾーンを通過させることにより、熱分解され、中空粒子となる。なお、乾燥ゾーンの温度は熱分解ゾーンの温度よりも低温でなくてはならない。乾燥ゾーンの温度は、中空性を保つための点から250〜750℃が好ましく、300〜700℃がより好ましい。この乾燥ゾーンによりミストの外側が、乾燥されて無機化合物の膜を形成し、それを起点に内部液が乾燥されるため、粒子が中空形状に形成される。
熱分解ゾーンの温度は、800〜1500℃が好ましく、800〜1300℃がより好ましい。この熱分解ゾーンでは、高温で急激に熱分解反応を進めることで、乾燥ゾーンにて形成された中空構造を強固にすることにより、中空室を区画する殻を有する中空粒子であって、殻の厚さの一定な中空粒子が得られる。
【0028】
得られた中空粒子は、フィルターを通過させるなど分級して、粒子径の調整をしてもよい。得られた中空粒子は、組成や熱分解ゾーンの温度などにより無気孔化が不十分となる場合があるので、無気孔化をするために、必要に応じて中空粒子を700℃以上、好ましくは700〜1650℃に加熱してもよい。この加熱処理をすることにより、殻の表面の酸化物が溶融して孔が閉塞し、前記組成からなる無気孔の殻を有する中空粒子が得られる。
【0029】
本発明の中空粒子は、前記のように無気孔の殻を有する中空構造を有し、熱伝導率が低く、かつ特定の粒度分布を有することにより塗膜を形成した時の平滑性、密着性が優れていることから、断熱材料用フィラー、遮熱材料用フィラーとして有用である。また、平均粒径1μm〜20μmという微細な粒子であることから、薄膜状の断熱材料用フィラー、遮熱材料用フィラーとして特に有用である。従って、断熱性、遮熱性が要求される各種容器、隔壁、床、屋根等に薄膜状の断熱材、遮熱材を形成するのに有利である。
【実施例】
【0030】
次に実施例を挙げて本発明を説明する。
【0031】
実施例1〜21及び比較例1〜8
原料化合物として、オルトケイ酸テトラエチル、硝酸アルミニウム九水和物を蒸留水に溶解し、0.4mol/L原料水溶液を作製した。噴霧熱分解装置の溶液ポンプに投入し、2流体ノズルを介してミスト状に噴霧し、乾燥ゾーン(約750℃)、次いで熱分解ゾーン(1000℃)を通過させることで中空粒子の前駆体を作製した。得られた中空粒子の前駆体はバグフィルターを用いて回収し、700℃で焼成することでアルミノシリケート中空粒子を得た。得られたアルミノシリケート中空粒子のTEM像を図1に、SEM象を図2に示す。なお、ミスト径の異なる2本のスプレーノズルを使用して、第一粒子と第二粒子をそれぞれ製造し、所定の重量比(表1)で混合した。
【0032】
得られた中空粒子の諸特性を測定した。その結果を表1に示す。なお、表1中の第一粒子粒子径は最大ピークの山の極大粒子径、第二次粒子粒子径は二番目に大きいピークの山の極大粒子径、第二次粒子重量比は二番目に大きいピークの山の粒子の全粒子中の重量比を示す。
(1)平均円形度
走査型電子顕微鏡
(2)平均粒子径、粒度分布
マイクロトラック
(3)殻の厚み
透過型電子顕微鏡
【0033】
(4)熱伝導性
非定常熱線法
熱伝導性はJIS R 2616に準拠して、非定常熱線法により測定した。
◎:熱伝道率が0.01W/m・K以下
○:熱伝導率が0.1W/m・K以下
×:熱伝導率が0.1W/m・K超
【0034】
(5)平滑性、密着性
平滑性、密着性の評価は塗膜試験材を作製して実施した。
AC9Aアルミニウム合金板上(50mm×50mm、厚さ1mm)に、シリコーン樹脂とアルミノシリケート中空粒子を8:2の割合で攪拌・混合することで作製した塗料を、刷毛を用いて厚さ100μmとなるように塗布することで塗膜試験材を得た。
平滑性:平滑性を表す算術平均粗さ(Ra)はJIS B 0601-2001に準拠して測定した。算術平均粗さ(Ra)の測定はTaylor Hobson製のtalysurfを用いることで測定した。
◎:Raが0.1μm以下
○:Raが0.3μm以下
×:Raが0.3μm超
密着性:密着性を表す90度剥離強度は、JIS B 6854−1に準拠して測定した。
◎:90度剥離強度が7N/m超
○:90度剥離強度が5N/m超
×:90度剥離強度が5N/m以下
【0035】
【表1】
【0036】
表1に示すように、本発明の条件を満たす円軽度、殻の厚み、平均粒子径、粒度分布を有する実施例1〜21は、塗膜の平滑性及び密着性に優れた断熱塗膜を形成できるフィラーとして有用な中空粒子であった。一方、本発明の条件を満たさない比較例1〜8は、熱伝導性、平滑性、密着性が低下した。
図1
図2
図3