特許第6559124号(P6559124)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リフラクトリー・インテレクチュアル・プロパティー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲーの特許一覧

特許6559124冶金容器の摺動閉鎖部上の注出ノズルを自動的に取り替える方法及びその装置
<>
  • 特許6559124-冶金容器の摺動閉鎖部上の注出ノズルを自動的に取り替える方法及びその装置 図000002
  • 特許6559124-冶金容器の摺動閉鎖部上の注出ノズルを自動的に取り替える方法及びその装置 図000003
  • 特許6559124-冶金容器の摺動閉鎖部上の注出ノズルを自動的に取り替える方法及びその装置 図000004
  • 特許6559124-冶金容器の摺動閉鎖部上の注出ノズルを自動的に取り替える方法及びその装置 図000005
  • 特許6559124-冶金容器の摺動閉鎖部上の注出ノズルを自動的に取り替える方法及びその装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559124
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】冶金容器の摺動閉鎖部上の注出ノズルを自動的に取り替える方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   B22D 41/56 20060101AFI20190805BHJP
   B22D 11/10 20060101ALI20190805BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   B22D41/56
   B22D11/10 330N
   B25J15/08 K
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-524710(P2016-524710)
(86)(22)【出願日】2014年5月7日
(65)【公表番号】特表2016-525452(P2016-525452A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】EP2014059353
(87)【国際公開番号】WO2015003829
(87)【国際公開日】20150115
【審査請求日】2017年4月13日
(31)【優先権主張番号】01249/13
(32)【優先日】2013年7月11日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】314016535
【氏名又は名称】リフラクトリー・インテレクチュアル・プロパティー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】インファンガー,イーヴォ
(72)【発明者】
【氏名】フーゲナー,ブルーノ
【審査官】 池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−254670(JP,A)
【文献】 特表2010−501359(JP,A)
【文献】 特開平09−085429(JP,A)
【文献】 特開平10−058124(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/136159(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/00−11/22
B22D 41/22−41/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整備ステーションにおいて、適切な器具で冶金容器上の摺動閉鎖部(3)を操作するデバイスを用いて前記摺動閉鎖部(3)の注出ノズル(7)を自動的に取り替える方法において、
前記注出ノズル(7)は、保持リング(6)によって前記摺動閉鎖部(5)の摺動板又は摺動ユニット(5)に対し締着でき、前記保持リング(6)は、回転により解放でき、
前記交換手順の間、前記保持リング(6)を規定のトルクで回転させ、前記規定のトルクにより、新しい前記注出ノズル(7)は、前記摺動板又は前記摺動ユニット(5)に対し締着でき、
そして、前記注出ノズルの中で前記注出ノズルを把持する把持器(27、28)を有する把持ランス(26)を使用して前記注出ノズル(7)の保持と解放をし、
前記注出ノズル(7)の保持・解放時には、把持ランス(26)を注出ノズル(7)の鋳造路(30)内に挿入し、前記注出ノズル7を保持、解放するために、前記把持ランスの把持器(27、28)を格納、拡張することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記操作デバイスは、前記交換手順の間、前記保持リング(6)を保持する保持リング留め具(20)と、注出ノズルを把持する把持ランス(26)を別々に操作できるロボット(2)の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記交換手順の間、前記ロボット(2)は、取り外した前記保持リング(6)を貯蔵庫内に置き、古い前記注出ノズル(7)の処分及び新しい前記注出ノズル(7)の取替え部品在庫からの引出しは、自動的に行うことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法を実施する装置であって、前記装置は、前記保持リング(6)の取付け・取外し手段(9)を有し、前記保持リング(6)の取付け・取外し手段(9)は、保持リング留め具(20)を有する把持リング(12)、及び前記把持リングを回転させる液圧回転シリンダ(14)から構成することを特徴とする、装置。
【請求項5】
請求項に記載の方法を実施する装置であって、前記装置は、把持ランス(26)の形態である、前記注出ノズル(7)の取付け・取外し手段(10)を備え、前記把持ランス(26)は、前記注出ノズルの中で前記注出ノズルを把持する把持器(27、28)を有し、把持器は格納、拡張でき、前記把持器(27、28)は、圧縮空気により格納、拡張できることを特徴とする、装置。
【請求項6】
前記把持ランス(26)は、前記把持器(27、28)である前後に連なって配置した二つ以上の把持器パケットを備えることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項7】
様々な内径の前記注出ノズル(7)は、前記把持器パケットにより保持できることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記各把持器パケットは、外周部周りに均等に分散配置した3つの保持顎部(29)から構成することを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整備ステーションにおいて、摺動閉鎖部を適切な器具で操作するロボットを用いて冶金容器の摺動閉鎖部上の注出ノズルを自動的に取り替える装置であって、注出ノズルは、保持リングによって摺動閉鎖部の摺動板に対して保持し、保持リングは、回転によって解放できる、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の摺動閉鎖部は、例えばEP2056983により詳細に記載されている。摺動閉鎖部は、基本的に、容器のスリーブに対して載置した閉鎖板、及び閉鎖板に対して変位できる摺動板から構成し、摺動板に対して、注出ノズルを保持リングによって押圧する。摺動閉鎖部の上述の構成要素は、耐火材料製部品であることが公知であり、これらの部品は、鋳造作業時にかなりの損耗を受ける。したがって、これらの部品は、定期的に監視し、必要な場合取り替えなければならない。
【0003】
現代の連続鋳造工場において、ここで行う整備及び点検作業は、最近、工場の整備ステーションで、この工場に設置したロボットにより自動的に実施している。時折、空の容器、例えば鋼鉄取鍋を、上記容器に締結した摺動閉鎖部と共に整備ステーションに運び、この整備ステーションで、損耗している耐火部品を詳細に観察、洗浄し、必要な場合、新しい取替え部品と取り替える。
【0004】
この作業はロボットにより実施し、このロボットは、ここでは、とりわけ器具箱、取替え部品の在庫、接着剤塗布ステーション、廃棄物コンテナ及び1つ又は複数の貯蔵庫又は中間貯蔵庫によって包囲され、電気接続点、圧縮空気、酸素、液圧油等を有する。ロボットは、ロボットが個々のケースにおいて器具箱から選び取る適切な器具を用いて整備及び点検作業を自動的に実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許登録第2056983号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の基礎をなす目的は、摺動閉鎖部の注出ノズルを自動的に取り替える方法を考案することであり、これにより、交換後、注出ノズル領域における摺動閉鎖部の完全な動作信頼性を保証する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、交換手順の間、保持リングを規定のトルクで回転し、この規定のトルクにより、新しい注出ノズルを摺動閉鎖部の摺動板に対して同様に規定した張力で締着するという本発明によって達成する。
【0008】
このようにして、新しい注出ノズルは常に、交換したとき、あらゆる寸法公差、及び例えば接着剤塗布の程度又はわずかな不純物の存在等、他の変化し得る要因とは無関係に、信頼できる動作となるように取り付けられることを保証する。
【0009】
ロボットの作業を促進するために、本発明は更に、ロボットが交換手順の間注出ノズル及び保持リングを互いに個別に操作することを提供する。このようにして、ロボットは、整備ステーション内の2つの構成要素を互いに別々に搬送でき、これにより、例えば、最初に保持リングを位置決めし、次に、損耗した注出ノズルをコンテナ内に廃棄し、次に、新しいノズルを予備部品の在庫から持ち出し、接着剤塗布ステーションで接着剤を塗布する。
【0010】
本方法を実施する装置は、装置が保持リングの取付け・取外し手段を備え、この保持リングの取付け・取外し手段は、保持リング留め具を有する把持リング、及び把持リングを回転させる液圧回転シリンダから構成することを特徴とする。正確に制御可能な回転シリンダの効果は、交換手順の間、把持リング留め具が保持リングを正確に規定したトルクで回転できることである。したがって、保持リングは、同様に正確に規定した張力で締着できる。
【0011】
本発明によれば、交換装置は、把持ランスの形態である、注出ノズルの取付け・取外し手段も備え、把持ランスは、把持器により格納、拡張でき、把持器は、空気圧、液圧又は電気により格納、拡張できる。このようにして、単純な構造の手段により、ロボットは、古い注出ノズル及び新しい注出ノズルの両方をこれらの正確な内径とは無関係に確実に把持できる。
【0012】
本文脈において、把持ランスが、前後に連なって配置するが、互いに離れたいくつかの把持器パケットを備え、把持器パケットが上への移動によって様々な直径を採り得る場合、有利であり、把持器パケットは、有利には、外周部の周りに均等に分散配置した3つの締着顎部から構成する。
【0013】
以下、例示的実施形態により、図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】注出ノズルを自動的に取り替える装置を用いる、摺動閉鎖部のための整備設備の斜視図である。
図2図1による摺動閉鎖部の拡大詳細図である。
図3図1による交換装置の分解図である。
図4図2による交換装置の組立て状態における図である。
図5図3及び図4による交換装置の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、連続鋳造工場の整備ステーションの部分領域を示し、ここで、鋼鉄取鍋又は同様の容器上の摺動閉鎖部の整備及び点検を自動的に行う。取鍋1が空になった後、既に空の取鍋1を整備ステーションに移動させ、整備ステーションでは、ロボット2は、プログラムに従って、水平に位置決めした取鍋の摺動閉鎖部を適切な器具により操作する。図1による動作位置において、本発明による、摺動閉鎖部の注出ノズルを交換する装置4は、ロボット2に結合する。
【0016】
図2から明らかであるように、摺動閉鎖部3は、見えない摺動板及び摺動板に締着した注出ノズル7を挿入した摺動ユニット5を有する。この注出ノズルは、保持リング6によってしっかりと締着され、保持リング6は、摺動ユニット5内で格納、拡張できる。保持リング6を回転させるために、保持リング6は、外周部回りに分散した凹部8を有し、交換手順の間、凹部8内に交換装置4の把持要素を係合できる。
【0017】
交換装置4は、互いに中で移動する一連の構成要素から構成され、これらの構成要素は、組立て状態では、小型で空間を節約する構造を可能にする一方で、整備及び修繕目的では個々の構成要素の取付け及び取外しを単純にする。これらの構成要素は、注出ノズル7の取付け・取外し手段10として部分的に働き、保持リングの取付け・取外し手段9として部分的に働く。保持リングの取付け・取外し手段9は、前側筐体11を有し、前側筐体11内に、把持リング12、中間部品13及び液圧回転シリンダ14を取り付ける。液圧回転シリンダ14は、液圧ユニット15上にフランジを付けられ、液圧ユニット15の側は、後側筐体16内に取り付ける。
【0018】
前側筐体11は、互いに正反対に付着する2つのトルク回収部17を備え、トルク回収部17は、交換手順の間、摺動閉鎖部3の側部支持細長部18に対して支持できる。整備デバイスのロボット2に交換装置4を連結する適合器19も、筐体11に取り付ける。
【0019】
交換装置は、好ましくはロボットの軸と平行に位置合わせする。このようにして、トルク回収部17と側部支持細長部18との間に遊びがあれば補償でき、そのため、保持リング12の回転による力は、ロボット上に作用しない。
【0020】
把持リング12は、外周部の周りに分散配置した3つの保持リング留め具20を有し、保持リング留め具20は、交換手順の間、保持リング6の凹部8内に係合できる。この目的で、保持リング留め具20は、ばね21による事前応力を加えられる。一方で、保持リング留め具20の自由度は、保持リング留め具20を囲む停止リング22の付属器によって制限され、停止リング22は、把持リング12に対して回転し得ない。把持リング12の側の液圧回転シリンダ14は、交換手順の間、把持リング12をそれぞれの所望の回転方向に回転させるように働く。
【0021】
把持リング12は、中間部品13によって回転シリンダ14に結合し、中間部品13は、回転シリンダ14に締結し、3つの駆動ピン23を有し、駆動ピン23は、把持リング12の対応する受け24に弾性的に案内される深さ補償器としても働く。後部筐体16に位置する液圧ユニット15は、回転シリンダ14を作動するために使用する。前側筐体11内のトルク回収部17は、前側筐体11の側で、回転シリンダ14の生成するトルクが把持リング12の保持リング留め具20上に完全に効力を及ぼすことを保証する。
【0022】
注出ノズル7の取付け・取外し手段10として働くのは、回転シリンダ14を通じて案内される把持ランス26であり、この把持ランス26には、前側に前後に連なって配置した2つの把持器パケット27、28を取り付ける。把持器パケットはそれぞれ、外周部周りに分散させた3つの締着顎部29を備え、締着顎部29は、様々な直径を採ることができ、交換手順の間、交換する注出ノズルの鋳造路30内に及ぶことができる。締着顎部29を伸ばす又は引き込むための軸方向に変位可能な作動棒は、把持ランス26に取り付ける。回転シリンダ14に締結する空気圧シリンダ31は、棒を作動するように働く。
【0023】
本発明による交換装置の動作様式は、以下の通りである。
【0024】
まず、ロボット2に結合した交換装置4は、保持リング留め具20において保持リング6を包囲する一方で、把持ランス26は、取り替えられる注出ノズル7の鋳造路30内に到達する。
【0025】
次に、把持リング12を回転シリンダ14で回転させ、それにより、留め具20は、停止リング22の付属器を後ろに残して保持リング6の凹部8内に係合し、保持リング6が保持リング6の対応部品から解放されるまで保持リング6と摺動ユニット5内で共伴する。
【0026】
これと同時に、把持ランス26の把持器パケット27、28を旋回させ、注出ノズル7をしっかりと保持する一方で、ロボット2は、交換装置4を後退させ、保持リング6及び古い注出ノズル7を順に貯蔵庫又は廃棄物コンテナ内に置く。
【0027】
この後、ロボット2は、摺動板が前に取り替えられていなければ、新しい注出ノズルのために摺動板上の支持部を洗浄する。次に、ロボット2は、把持ランス26を用いて取替え部品の在庫から新しい注出ノズルを取り出し、この新しい注出ノズルをデバイスの接着剤塗布ステーションに運び、接着剤塗布ステーションで、適切な器具を用いて注出ノズルに接着剤を塗布する(この接着剤塗布は、ロボット又は手作業により実施できる)。次に、ロボット2は、接着剤塗布の間置いてあった保持リング6を、把持リング12を用いて取り出し、新しい注出ノズル7と一緒に保持リング6を摺動ユニット5に対する元の開始位置内に運ぶ。元の開始位置において、保持リング留め具20は、保持リング7を包囲する一方で、把持ランス26は、新しい鋳造ノズル7を設置位置でしっかりと保持する。この設置位置において、鋳造ノズル7の鋳造路30は、対向する摺動板と面一である。あらゆる軸方向の公差及び接着剤の異なる厚さを一定にできるように把持リングを弾性的に組み付ける場合、有利である。
【0028】
保持リング6は、ここで、把持リング12の保持リング留め具20を用いて正確に規定したトルクで更に回転させ、その結果、新しい注出ノズル7は、あらゆる寸法公差とは無関係に、同様に正確に規定した張力で摺動板に対し締着される。ここで、筐体12のトルク回収部17は、把持リング12が回転シリンダ14の生成したトルクを保持リング6に完全に伝達することを保証する。次に、保持リング留め具20及び把持ランス26を再度解放し、ロボット2をその待機位置内に後退させる。
【0029】
本発明による交換装置は、堅固な構成要素を有する小型構造を特徴とし、これらの構成要素は、整備が容易であり、過酷な作業の間でさえ、交換装置の動作信頼性を保証するものである。
【0030】
更に、上記したようにロボット2が保持リング7及び注出ノズル8を互いに個別に操作することは、本発明による交換装置の利点である。このことにより、ロボットがそれぞれ実施する作業順序を最適にすることを可能にする。
【0031】
ロボット2ではなく、補助装置のみを交換装置4の操作デバイスとして提供することもでき、この補助装置を用いるこの交換装置は、摺動閉鎖部に手作業で結合できる。
図1
図2
図3
図4
図5