特許第6559131号(P6559131)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559131複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559131
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール
(51)【国際特許分類】
   F41F 3/04 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   F41F3/04
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-536346(P2016-536346)
(86)(22)【出願日】2014年8月18日
(65)【公表番号】特表2016-531266(P2016-531266A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】US2014051439
(87)【国際公開番号】WO2015053859
(87)【国際公開日】20150416
【審査請求日】2017年6月5日
(31)【優先権主張番号】13/970,865
(32)【優先日】2013年8月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596134851
【氏名又は名称】ロッキード・マーチン・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム カルムス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン‐ネイサン ラッセル スネディカー
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−106997(JP,A)
【文献】 米国特許第04470336(US,A)
【文献】 特開2000−168700(JP,A)
【文献】 米国防衛出願第00000213(US,I4)
【文献】 特開平10−300393(JP,A)
【文献】 特表2005−520122(JP,A)
【文献】 特開2004−226007(JP,A)
【文献】 米国特許第05837919(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00978676(EP,A1)
【文献】 米国特許第05847307(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41F 3/04
F41A 9/54
F41A 9/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のミサイル発射レールと、
全体的に平行で間隔が空いた前方構造スキン及び後方構造スキンを備えるとともに、前記前方構造スキン及び前記後方構造スキンはそれぞれ、前記複数のミサイル発射レールの少なくとも1つのミサイル発射レールを担持し、前記複数のミサイル発射レールはミサイルの担持及び前記レールからの発射を可能とするそれぞれの位置及び姿勢で担持される、共通ミサイルキャリッジ壁と、
少なくとも1つの一体的なチャンネルであり、前記チャンネルの少なくとも一部は、前記キャリッジ壁の前記前方構造スキン及び前記後方構造スキンが閉鎖しているときに、
前記キャリッジ壁の前記前方構造スキン及び前記後方構造スキンの一方の内面から一体的に延在するとともに、前記キャリッジ壁の前記前方構造スキン及び前記後方構造スキンの他方の対向する内面、又は前記対向する内面から内側に延在する対向チャンネル壁と噛み合う、第1のチャンネル壁、並びに
前記第1のチャンネル壁から横方向に間隔を開けて存在し、前記キャリッジ壁の前記前方構造スキン及び前記後方構造スキンの一方の前記内面から一体的に延在し、前記キャリッジ壁の前記前方構造スキン及び前記後方構造スキンの他方の対向する内面、又は前記対向する内面から内側に延在する対向チャンネル壁と噛み合う、第2のチャンネル壁、
によって画定される、少なくとも1つの一体的なチャンネルと、
を備える、複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項2】
前記レールが前記共通ミサイルキャリッジ壁の両側を向く前側及び後側の間に分布し、前記レールが前記前側及び前記後側によって担持される、請求項1に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項3】
前記共通ミサイルキャリッジ壁が、前記キャリッジにおいて協働してミサイルキャリッジの荷重を分散するように相互に接続される、前記前方構造スキン及び前記後方構造スキンによって画定されるキャリッジ壁コアを備える、請求項2に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項4】
前記共通ミサイルキャリッジ壁が、前記前方構造スキンと前記後方構造スキンとの間に配置されるフィラーを備える、請求項3に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項5】
前記モジュールが、
前記共通ミサイルキャリッジ壁によって担持され、流体を放出してミサイルの排気炎を抑制する、少なくとも1つのスプリンクラノズルと、
出口端で前記スプリンクラノズルに接続されるともに、入口端で流体源に接続可能であり、流体源からキャリッジ壁コア及びキャリッジ壁の構造スキンを通って前記スプリンクラノズルに至る流体通路を提供するスプリンクラ配管と、
を含む、請求項1に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項6】
前記スプリンクラ配管が、少なくとも1つの流体チャンネルを含み、前記前方構造スキン及び前記後方構造スキンの少なくとも1つの内面から一体的に延在する配管壁を含む、請求項5に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項7】
前記共通ミサイルキャリッジ壁によって前記キャリッジ壁コアの中に担持される乾燥剤を更に備える、請求項3に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項8】
前記共通ミサイルキャリッジ壁によって担持される少なくとも1つの環境センサを更に備え、前記環境センサは前記キャリッジ壁コア内に配置されて、前記キャリッジ壁コア内の、温度、湿度、衝撃又は振動からなる状態の群から選択される1つ以上の状態を監視する、請求項3に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項9】
前記共通ミサイルキャリッジ壁が、前記キャリッジ壁コアを通ってケーブル配線を受け止める一体的なケーブルウェイを含み、前記一体的なケーブルウェイは前記少なくとも1つの一体的なチャンネルを備える、請求項3に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項10】
間隔が空いた一対の端壁を更に備え、前記一対の端壁は、前記共通ミサイルキャリッジ壁を前記一対の端壁の間で担持するとともに、モジュール支持構造の装着インタフェースによって担持されるように形成される、請求項1に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項11】
前記端壁によって担持されるとともに前記モジュールから発射されるミサイルからの排気ガスを受け入れて方向を変えるように配置されるプレナムを更に備える、請求項10に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項12】
前記モジュールは、前記共通ミサイルキャリッジ壁と前記端壁とに担持されるモジュール蓋を含み、
前記共通ミサイルキャリッジ壁とプレナムと端壁とは、前記共通ミサイルキャリッジ壁と前記プレナムと前記端壁の間で構造的剛性をもたらすとともに、荷重を前記共通ミサイルキャリッジ壁及びプレナムから前記モジュールを担持するための構造の装着インタフェースに移すように、相互に接続される、請求項11に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項13】
前記端壁が、前記モジュール蓋と、前記プレナムと、前記共通ミサイルキャリッジ壁の側縁とに接続される、請求項12に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項14】
前方モジュール開口部及び後方モジュール開口部のそれぞれを着脱可能に横切って配置されるとともに前記前方モジュール開口部及び前記後方モジュール開口部のそれぞれを閉鎖する、前方シェルカバー及び後方シェルカバーを更に備え、
前記前方モジュール開口部は、モジュール蓋の前縁と端壁とプレナムとによって画定され、前記後方モジュール開口部は、前記モジュール蓋の後縁と前記端壁と前記プレナムとによって画定される、請求項10に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。
【請求項15】
前記シェルカバーはそれぞれ、
着脱可能にモジュール開口部を横切って配置されて前記モジュール開口部を閉鎖するように形成される、主要カバーパネルと、
前記主要カバーパネルから一体的に延在するとともに間隔を空けて存在し、前記共通ミサイルキャリッジ壁と噛み合うとともに、前記共通ミサイルキャリッジ壁と前記シェルカバーとの間の空間を、前記レールによって担持されるミサイルを収納するための小室に分割するように構成される、複数のミサイル分離パネルと、
を備える、請求項14に記載の複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュール。






【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
不適用
【0002】
<連邦政府資金による研究開発の記載>
不適用
【0003】
本願は一般的に、キャリッジを支持するとともに複数のミサイルの発射を誘導するための、複数のミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0004】
<37 CFR 1.97及び1.98により開示する情報を含む関連技術の説明>
艦対艦ミサイル発射システムが既知であり、当該システムはキャニスターに格納されたミサイルを含む。図2は、甲板の発射ベイドアが開いており、水上艦艇の発射ベイに受け入れられるミサイルキャリッジ及び発射モジュールによって担持されるキャニスターに収納された(キャニスターに格納された)ミサイルが見える、水上艦艇に設置されたそのようなシステムを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それぞれのミサイルのキャニスターは、収納したミサイルを支持し、当該ミサイルと通信し、及び当該ミサイルの環境を制御するための独自のシステムを備えるため、キャニスターは発射システムの質量の大部分を占める。このことは、戦闘システムが担持できる、又は再補給のために陸上輸送、空中輸送若しくは海上輸送で積載できる、ミサイルの総数を減少させる点で不利になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ミサイルを担持するとともにミサイルの発射を誘導するようにそれぞれが構成される複数のミサイル発射レールを備える、複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュールを提供する。共通ミサイルキャリッジ壁は、ミサイル発射レールを、ミサイルの担持及びレールからの発射を可能とする、それぞれの位置及び姿勢で担持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】2つの艦対艦ミッションシステムを含む艦対艦ミッションモジュールを担持する船の斜視図である。
図2】3つの従来技術のキャリッジ及び発射誘導モジュールを含む、従来技術の艦対艦ミッションモジュールの斜視図である。
図3図1の艦対艦ミッションモジュールの平行投影図を切り取って、2つの艦対艦ミッションシステムを示す図である。
図4図3の艦対艦ミッションシステムの1つの平行投射図である。
図5図3の艦対艦ミッションシステムの3つのキャリッジ及び発射誘導モジュールの1つの平行投射図を部分的に切り取った図である。
図6図5のキャリッジ及び発射誘導モジュールの平行投影図において、シェルカバーとモジュール蓋とを取り外して、モジュールによって内部で担持されるミサイルを表す部分分解図である。
図7】ミサイルとシェルカバーとモジュール蓋とを取り除いた、図5のキャリッジ及び発射誘導モジュールの平行投影図である。
図8図7のキャリッジ及び発射誘導モジュールの平行投影図において、モジュールのミサイルキャリッジ壁の前方及び後方の構造スキン部を分離して、キャリッジ壁の内部を表す部分分解図である。
図9】シェルカバーが分離した、キャリッジ及び発射誘導モジュールを部分的に切り取った部分平面図である。
図10図9の丸で囲まれた領域10の拡大図であり、発射誘導モジュールのシェルカバーとミサイルキャリッジ壁との間の直線状ウェッジシールインタフェースを示す図である。
図11図10の直線状ウェッジシールの等角図である。
図12図10の直線状ウェッジシールの嵌合していない位置を示す側面図である。
図13図10の直線状ウェッジシールの、図12の線13−13に沿って切断した断面図であり、直線状ウェッジシールが嵌合していない位置に配置されたときのウェッジシールの直線状フックを示す図である。
図14図10の直線状ウェッジシールの断面図であり、直線状ウェッジシールが嵌合している位置に配置されたときの直線状フックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の1つ以上の実施形態の以下の詳細な説明及び図面に関連して、これらの構成、他の構成及び利点が当業者に明らかになるであろう。
【0009】
複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュールを一般的に図1及び図3図8の10で示す。モジュール10は、図7に最良に示される8つの全体的に平行なミサイル発射レール12を備えることができるが、他の実施形態では、モジュール10は任意の数のレール12を備えることができる。レール12は例えば、ミサイル発射システムM299で使用される種類とすることができる。図5及び図6に示すように、それぞれのレール12を、例えばAGM−114Lロングボウヘルファイアミサイル等のミサイル14を担持するとともにミサイル14の発射を誘導するように構成することができる。
【0010】
図7及び図8に最良に示すように、モジュール10は、ミサイル発射レール12を、ミサイルの担持及びレール12からの発射を可能とする、それぞれの位置及び姿勢で担持する共通ミサイルキャリッジ壁16も備えることができる。共通ミサイルキャリッジ壁16は、キャニスターに格納されたミサイルを個々に収容する必要性を取り除き、例えば沿海域戦闘艦の垂直発射装置LCSVLSでの応用において、ミサイル14の実装密度を増加させることによって、ミサイル14のモジュールの重量及び設置面積を削減する。
【0011】
図8及び図9に示すように、キャリッジ壁16は、全体的に平行で間隔が空いた、キャリッジ壁16の前方構造スキン18と後方構造スキン20とで画定されるキャリッジ壁コア17を含むことができる。スキン18、20を、それぞれの周縁部周りでファスナー22によって継ぎ合わせることができ、また、一方又は両方の構造スキンの周縁部周りに形成されるチャンネル26に受け入れられる、ゴム製のOリングガスケット24を備えることができる。ガスケット24を、スキン18、20の周縁部の間に挟んで、キャリッジ壁コア17を閉鎖及び密封することができる。キャリッジ壁のスキン18、20を、キャリッジにおいて協働してミサイルキャリッジの荷重を分散するように構成することができる。キャリッジ壁の構造スキン18、20を、アルミニウムのスラブから機械加工で作ることができ、又は他の実施形態では、任意の適切な材料から任意の適切な手段で製造することができる。
【0012】
図7及び図8に示すように、レール12を、キャリッジ壁16の前方構造スキン18と後方構造スキン20との間で分布させることができ、前方構造スキン18と後方構造スキン20とで担持することができる。キャリッジ壁16の前方スキン18は、8つのレール12のうち4つを担持することができるとともに、キャリッジ壁16の後方スキン20は、残りの4つのレール12を担持することができる。複数の発射レール12同士を互いに、キャリッジ壁16の前方スキン18及び後方スキン20上に、横方向に間隔を開けかつ全体的に平行に向けて配置することができる。
【0013】
キャリッジ壁16に構造的剛性をもたらすために、前方構造スキン18及び後方構造スキン20を、図8に示すようにスキン18、20の内面から一体的に突出するハードポイント28を残すように機械加工することができる。スキン18、20を互いに近付けた際に、ハードポイント28が互いに噛み合うように構成することができる。ハードポイント28に代えて、又はハードポイント28とともに、キャリッジ壁16は、前方構造スキン18と後方構造スキン20との間に配置されて剛性を加えるフィラー29を備えることができる。フィラー29は例として、アルミニウムのハニカム又は耐熱性材料(例えばノーメックス(登録商標)を含む)を備えることができる。
【0014】
図8に示すように、モジュール10は、キャリッジ壁16の前方構造スキン18及び後方構造スキン20の間で担持されて分布するスプリンクラノズル30を含むことができる。本実施形態では、前方構造スキン18及び後方構造スキン20の間に、そのような16のノズル30が分布しているが、他の実施形態では、任意の適切な数のスプリンクラノズル30を用いることができる。それぞれのスプリンクラノズル30を、流体源33に接続できるスプリンクラ配管32に接続することができる。キャリッジ壁コア17及びキャリッジ壁の構造スキン18、20を通る、火炎抑制流体等の流体のための流体通路を提供するように、スプリンクラ配管32を構成することができる。流体は、スプリンクラノズル30を通って搬送され分注される。スプリンクラノズル30を、ミサイルの排気炎を抑制する方向及び挙動で流体を分注するように構成することができる。モジュール10が担持してモジュール10から発射されるどんな種類のミサイル14に対しても安全要求事項を満たすような方法で動作するように、スプリンクラノズル30を選択、構成及び/又は配置することができる。例えば、ノズル30を、レール12が担持するミサイル14の弾頭及び/又は圧力容器部等の重要要素を湿らせて冷却するようなパターンで、流体を散布するように構成することができる。ノズル30を同様に又は代わりにキャリッジ壁16の比較的高所に設置して、重力に散布パターンへの指向を促進させて、所望の領域及び要素の大部分を覆うことができる。
【0015】
図8に示すように、スプリンクラ配管32は、流体源33からキャリッジ壁16まで延在する外部部分34と、キャリッジ壁コア17を通って延在する内部部分36とを含むことができる。内部部分36は、構造スキン18、20の少なくとも1つの内面から一体的に延在する、機械加工された配管壁を含むことができるとともに、対向する内面又は配管壁に対してゴム製のシールストリップ38を圧縮して構造スキン18、20の間で流体チャンネルを画定することができる。
【0016】
スプリンクラ配管32は、キャリッジ壁の構造スキン18、20の周縁部の間に配置された貫通インタフェース(図示せず)を更に備えることができる。キャリッジ壁の構造スキン18、20の周縁部の間の密封を維持しながら、外部スプリンクラ配管部分34と内部スプリンクラ配管部分36との間で流体連通できるように、貫通インタフェースを構成することができる。貫通インタフェースは、例えばキャリッジ壁の構造スキン18、20の間で延在しグランドナットによって密封される流体チューブケーブル等の、当該技術で既知の任意の適切なインタフェースを含むことができる。あるいは、貫通インタフェースは、永続的コネクタ又はクイックディスコネクトコネクタを備えるとともにキャリッジ壁の構造スキン18、20の一方又は両方に装着されて当該構造スキンを密封する、バルクヘッドインタフェースを含むことができる。
【0017】
モジュール10は、長期保存乾燥剤をキャリッジ壁コア17内に保有して、キャリッジ壁コア17内の乾燥環境を維持するように構成されるデシカントホルダ構造42を含むことができる。図8に示すように、キャリッジ壁の構造スキン18、20の内面にデシカントホルダ構造42を機械加工で作り、コア17内の有利な位置でデシカント材を支持することができる。
【0018】
モジュール10は、図8に示すようにキャリッジ壁コア17内に配置される環境センサ44を備えることができる。環境センサ44を、コア17内の状態(温度、湿度、衝撃及び振動等)を監視して保守及び安全要求事項を監視するように構成することができる。
【0019】
図8は、構造スキン18、20の少なくとも1つの内面から一体的に延在するとともに、ゴム製のシールストリップ38を対向する内面又はケーブルウェイ壁に対して圧縮して、構造スキン18、20の間にケーブルチャンネルを画定する、ケーブルウェイ壁48を備える一体的なケーブルウェイ46を、キャリッジ壁16が含むことができることを示す。ケーブルウェイ壁48は、キャリッジ壁コア17を通ることができるとともに、ケーブルウェイ壁48同士が協働して、レール12に装着されるミサイル14をランチャー電子アセンブリに接続するケーブル配線(図示せず)を受け入れるように構成されるチャンネルを形成することができる。ケーブル配線は例えばミサイルのアンビリカルケーブル配線であり、ランチャー電子アセンブリは例えばM299ミサイル発射システムからのM299のランチャー電子アセンブリ(LEA)である。ミサイルのアンビリカルケーブル配線は、弾薬制御及び監視に関する信号を伝達する事ができる。一体的なケーブルウェイ46は、環境センサ44及び/若しくは他のシステムを制御するため、並びに/又は環境センサ44及び/若しくは他のシステムに動力を供給するために、レール12をランチャー電子アセンブリに接続するレールのケーブル配線を同様に又は代わりに受け入れることができる。他のシステムとは例えば、アクセス/侵入センサ及び/又はレールに関連する電子機械装置である。
【0020】
図3図9に示すように、モジュール10は、全体的に平行で間隔が空いた一対の端壁50を備えることができ、端壁50は端壁50の間で共通キャリッジ壁16を担持する。図3に示すように、端壁50が、モジュール支持構造52(例えばミサイルキャリッジ及び発射モジュール10を担持するように構成される船載用の構造)の装着インタフェースによって担持されるように構成されることができる。そのような船載用の構造52は、取付位置のハードウェア(例えば基礎船体構造(BSS)又は当該構造をわずかに変更したバージョン)を担持できるシーチャンネル又はアイビームのセットを含むことができる。
【0021】
図5図8に示すように、モジュール10は、端壁50の間に端壁50によって担持されるプレナム54を備えることができる。プレナム54を、モジュール10から発射されるミサイル14から排気ガスを受け入れて方向を変えるように構成し配置することができる。図6に示すように、プレナム54は、モジュール10が装着される船の甲板と同じ高さの取込ハッチ58を通る上方向へガスを向けるように構成される、排出シュート56へ排気ガスを向けることができる。プレナム54は、ミサイルの排気が衝突するプレナム54の内表面領域にシリコーン処理されたアブレーティブを含むことができるとともに、他の内表面の領域に他の種類のアブレーティブを含むことができる。
【0022】
図3−6に示すように、任意の適切な手段によってキャリッジ壁16の上端によって担持され、キャリッジ壁16の上端に接続され、キャリッジ壁16の上端と密封する、モジュール蓋60(又は甲板インタフェース)を、モジュール10は備えることができる。モジュール蓋60を、任意の適切な手段によって端壁50の上端に接続することができるとともに、端壁50の上端と密封することができる。図3に示すように、モジュール蓋60は、甲板と同一平面に装着され、ミサイル14が発射される際に破けて開いてミサイル14が通るように構成される、軟性の膜を支持することができる硬性長方形状開口格子を備えることができる。キャリッジ壁16、モジュール蓋60、プレナム54及び端壁50を、これらの要素の間で構造的剛性をもたらすとともに、荷重をキャリッジ壁16及びプレナムからモジュール10を担持するための構造(例えば船載用の構造)の装着インタフェースに移すように、相互に接続することができる。
【0023】
図7及び図8に最良に示すように、複数の端壁50を任意の適切な手段で、それぞれの上端において又は当該上端に隣接して、モジュール蓋60に接続することができる。複数の端壁50のそれぞれの下端において又は当該下端に隣接して、端壁50を、プレナム54に接続することができる。端壁50を、内側の垂直な中央領域に沿って、キャリッジ壁16のそれぞれの側縁に接続することができる。端壁50はこのように、モジュール10から発射されるミサイル14からの排気ガスを受け入れて方向を変えるとともにキャリッジ壁16とモジュール蓋とモジュール10を担持する構造の装着インタフェースとの間に構造的剛性をもたらす位置で、プレナム54を支持することができる。
【0024】
モジュール10は、前方モジュール開口部及び後方モジュール開口部のそれぞれを着脱可能に横切って配置されるとともに当該モジュール開口部を閉鎖する、全体的に長方形状の前方シェルカバー62及び後方シェルカバー62を備えることができる。前方モジュール開口部を、モジュール蓋60の前縁、端壁50及びプレナム54によって画定することができる。後方モジュール開口部を、モジュール蓋60の後縁、端壁50及びプレナム54によって画定することができる。シェルカバー62を着脱可能として、レール12へのアクセス及び/又はレール12によって担持されるミサイル14へのアクセスをもたらすことができる。
【0025】
図5及び図6に最良に示すように、それぞれのシェルカバー62は、着脱可能にモジュール開口部65を横切って配置されモジュール開口部65を閉鎖するように形成される、主要カバーパネル64と、主要カバーパネル64から一体的に延在する3つのミサイル分離パネル66とを備えることができる。複数のミサイル分離パネル66は、間隔を空けて存在することができるとともに、キャリッジ壁16と噛み合い、キャリッジ壁16とシェルカバー62との間の空間を、レール12によって担持されるミサイル14を個々に収納してそのようなミサイル14を発射の間に互いの排気から保護するための小室に分割するように構成されることができる。図5及び図6は、1つのシェルカバー62につき、4つのミサイル14を分離するために使用される3つのミサイル分離パネル66を示しているが、他の実施形態では、当該実施形態に含まれる様々な数のレール12、ミサイル14等に対応して、より多数又はより少数の分離パネル66を備えるように構成されるシェルカバー62を用いることができる。
【0026】
図9図14に示すように、分離パネル66を、例えば直線状嵌合フック76を受け止めるとともに直線状嵌合フック76と噛み合うように構成される直線状ウェッジシール68によって、キャリッジ壁の構造スキンの外面に対して密封することができる。直線状ウェッジシール68は、摺動クランプ72と、ブレース70と、摺動クランプ72をブレース70に取り付けるように構成される装着ボルト74とを備えることができる。摺動クランプ72は、装着ボルト74を受け入れるように構成される斜めスロットを含むことができ、図11及び図12に示すように、摺動クランプ72は、装着ボルト74の近くの、ブレース70に近づいたりブレース70から離れたりできる軌道に沿って摺動することができる。直線状ウェッジシール68を、ブレース70と摺動クランプ72との間に直線状嵌合フック76を受け入れるように構成することができる。また直線状ウェッジシール68は、図14に示すように、摺動クランプ72がブレース70及び直線状フック76とともに圧縮シールを確立するまで、摺動クランプ70を斜めスロット76が可能にする軌道に沿って摺動させることによって、直線状フック76をブレース70と摺動クランプ72との間で閉鎖するように構成されることができる。図9に示すように、直線状フック76又は直線状ウェッジシール68の1つを、キャリッジ壁16、端壁50及び/又は主要カバー64若しくは分離パネル66のいずれかによって担持することができ、カバーパネル64が設置される時に、それぞれの直線状フック76は直線状ウェッジシール68と噛み合うことができる。図9−14では、カバーパネルの直線状フック76をキャリッジ壁16及び端壁60に設置されるウェッジシール68内へ端を先に向けて摺動させることによって、それぞれのカバーパネル64を設置できるように、ウェッジシール68及び直線状フック76を構成する。言い換えれば、モジュール10の上部を通ってカバーパネル64を垂直方向に設置することができる。しかしながら、他の実施形態では、モジュール10の側部からそれぞれのモジュール開口部65内へ、又は任意の他の障害の無い方向から、シェルカバー62を設置できるように、ウェッジシール68の向きを合せることができる。
【0027】
例示的な沿海域戦闘艦の垂直発射装置の構成は例えば、2つの艦対艦ミサイルシステム(SSMS)を備える艦対艦ミッションモジュール(SSMM)を含むことができる。それぞれのSSMSは、3つのミサイル発射モジュール10と、M299 LMA等のランチャー管理アセンブリ(LMA)とを含むことができる。それぞれのLMAを、3つの発射モジュール10をモジュール10のSSMSにおいて制御するように構成することができる。それぞれのモジュール10をモジュール10のSSMSから個々に着脱可能とすることができ、使用済みミサイル14を有するモジュール10のミサイル14を取り除いてミサイル14を再装填することができ、又は予め装填されたモジュール10と交換することができる。
【0028】
上述したように、複数ミサイルキャリッジ及び発射誘導モジュールは、ミサイルを安全に格納し、監視し及び発射することができる、スペース及び重量効率が良いプラットフォームを提供する。この明細書は、発明の限定を記述するのではなく、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態を説明するだけのものである。したがって本明細書の文面は、説明のみを行うものであり、限定的なものではない。明らかに、この発明を本明細書が教示する事項から変更することができる。特許請求の範囲の範囲内で、上述したものとは異なる発明を実施することができる。



図1
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図14