(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559154
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】電気接点を有するモノリシックな平面および同左を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20060101AFI20190805BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
A24F47/00
A61M15/06
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-555761(P2016-555761)
(86)(22)【出願日】2015年3月9日
(65)【公表番号】特表2017-513463(P2017-513463A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】EP2015054823
(87)【国際公開番号】WO2015139985
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2018年2月16日
(31)【優先権主張番号】14160681.4
(32)【優先日】2014年3月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】べルナウアー ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド フェリクス
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0268911(US,A1)
【文献】
特表2012−506263(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0190837(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0231677(US,A1)
【文献】
国際公開第2013/102615(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に作動するエアロゾル発生装置であって、
電力供給源と、
電子回路基板と、
前記電力供給源から前記電子回路基板を経由して電力を受け取るように構成された電気発熱体と、
接地面であって、
前記電源を前記電子回路基板および前記電気発熱体に電気的に結合するように、また
前記電源および前記電気的に作動するエアロゾル発生装置の複数の構成要素を構造的に保持するように構成された、細長い導電性部材を含む接地面とを含み、
前記接地面が、前記電源を受けて保持するように適合されたくぼみを形成するよう構成されている、電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記接地面が、前記電源を保持するように構成された複数の弾性要素をさらに備える、請求項1に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項3】
それぞれの弾性要素が前記接地面を前記電源に接続するように構成された電気接点である、請求項2に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記複数の弾性要素がスナップ方式を利用して前記電源を保持するよう構成されている、請求項2または3に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記接地面がさらに、前記電子回路基板を受けるように構成された複数のピンを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記接地面がその長軸方向軸について実質的に対称である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記電源と前記電子回路基板の間で約10mΩ〜約20mΩの電気抵抗を持つように構成された、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記電気発熱体が刃の形態である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記電気発熱体が少なくとも一つの外部ヒーターを備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記電気発熱体が少なくとも一つの内部ヒーター、および少なくとも一つの外部ヒーターを備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記接地面が黄銅で製造される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置。
【請求項12】
電気的に作動するエアロゾル発生装置を組み立てる方法であって、
複数の接続された細長い導電性の部分を折り畳むことにより接地面を形成する工程であって、前記接地面が細長い導電性の部分で境界を接するくぼみを持つ工程と、
前記複数の細長い部分によって構造的に保持され、かつ前記接地面に電気的に結合されるように、電力供給源を前記形成された接地面のくぼみに挿入する工程と、
電子回路基板を前記接地面に接続する工程と、
電気発熱体を前記接地面に接続する工程とを含む、方法。
【請求項13】
前記接地面を形成するために使用される複数の穿孔を提供する工程であって、前記複数の穿孔が前記電気的に作動するエアロゾル発生装置の内部表面と一貫した方法で形成される工程をさらに含む、請求項12に記載の電気的に作動するエアロゾル発生装置を組み立てる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気接点を有するモノリシックな平面および同左を製造するための方法に関連する。本開示はまた、装置構成要素をひとまとめに電気的かつ構造的に結合するよう構成された接地面を持つ、電気的に作動するエアロゾル発生装置にも関連する。本開示はまた、そうした装置のための接地面、およびその接地面を形成するための単一の層状ブランクにも関連する。モノリシックな平面を含む電気的に作動するエアロゾル発生装置を組み立てる方法も提供されている。
【背景技術】
【0002】
電気加熱式の喫煙システムは公知である。例えば、端側が点火される従来的な紙巻たばこよりも低温で作動するエアロゾル発生システムが、WO2009/118085号に開示されている。WO2009/118085号は、ヒーター要素によってエアロゾル形成基体が加熱されてエアロゾルを発生する電気式喫煙システムであるエアロゾル発生システムを開示している。電気式喫煙システムはまた、電源および電子制御回路を備える。電気式喫煙システムの構成要素は、端側に点火する従来的な紙巻たばことほぼ等しい直径のハウジング内に収容されるが、これには困難が伴うことがある。電気式喫煙システムの寸法が限定的であることで、様々な構成要素間に適切な電気的接続を施すことの困難さも増大する。
【0003】
従って、より簡単に製造可能な電気的に作動するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいといえる。また、エアロゾル発生システムの様々なシステム構成要素間に電気的接続を提供するための改良された方法および器具が提供されることも望ましいといえる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第一の態様によれば、電力供給源と、電子回路基板と、電力供給源から電子回路基板を経由して電力を受け取るように構成された電気発熱体と、接地面とを備えた、電気的に作動するエアロゾル発生装置が提供されている。接地面は、電源を電子回路基板および電気発熱体に電気的に結合するように、かつ電源および電気的に作動するエアロゾル発生装置の複数の構成要素を構造的に保持するように構成された、細長い導電性部材を備える。
【0005】
こうした接地面を提供することにより、エアロゾル発生装置のサイズおよび複雑さが低減されうる。その上、こうした接地面を提供することで、構成要素はエアロゾル発生装置のハウジングに挿入される前に電気的にも構造的にも結合されることができるため、製造工程の複雑さが低減される。
【0006】
本明細書で使用される場合、接地面という用語は、電気的に作動するエアロゾル発生装置の構成要素に対して無限の地電位として現れる導電性の面を意味する。
【0007】
本明細書で使用される場合、長さという用語はエアロゾル発生装置の長軸方向の距離である。従って、幅という用語はエアロゾル発生装置の横断方向の距離である。
【0008】
接地面は、電源を受けて保持するように適合されたくぼみを形成するよう構成されることが好ましい。くぼみは、チャネルの開放部分の幅が電源の幅よりも狭いチャネルの形態であることが好ましい。接地面の少なくともチャネルを形成する部分は、チャネルの開放部分の幅を増やすことにより電源がチャネルに挿入されうるように弾力性があることが好ましい。チャネルの内部表面は、電源を接地面に電気的に接続するように構成されることが好ましい。複数の電気接点を提供することにより、一組の平行な抵抗が提供されうる。
【0009】
接地面はさらに電源を保持するように複数の弾性要素を含むことが好ましい。それぞれの弾性要素は、接地面を電源に接続するように構成された電気接点であることが好ましい。接地面は、電源の負端子に接続されることが好ましい。
【0010】
多数の弾性要素は、スナップ式装着を使用して電源を保持するよう構成されていることが好ましい。弾性要素は、第一の位置から第二の位置へ移動可能なように構成される。第二の位置には、電源を受けるのに適切な弾性要素の間にギャップが提供されている。第一の位置では、弾性要素が電源に作用し、それを接地面内に形成されたくぼみ内に保持する。
【0011】
すなわち、電源が弾性要素内の接地面上に位置付けられるように、電源は複数の弾性要素間に強制的に置かれうる。この過程中、弾性要素は、電源がそれらの間を通過する際に当初は強制的に隔てられ、いったん電源の最も広い部分が弾性要素を通して通過すると、弾性要素は電源を接地面内に保持する元の位置にすぐに戻る。
【0012】
接地面は、多面的に構成されることが好ましい。接地面の面の数は、接地面の長軸方向軸に沿って一定でなくてもよい。くぼみを形成する接地面の部分は、7つの面を含むことが好ましい。この場合には、面のうち2つは弾性要素によって形成される。接地面の残りの部分は、3つの面を含むことが好ましい。長軸方向軸に沿って面の数を変化させることにより、エアロゾル発生器の構成要素はより簡単に接地面に結合されうる。
【0013】
接地面は、さらに電子回路基板を受けるように構成されている複数のピンを含むことが好ましい。複数のピンは、相互に平行であることが好ましい。複数のピンは、接地面の長軸方向軸について対称であることが好ましい。接地面が3つの面を持つ部分を含む場合、ピンは、3つの面のうち第一および第三の面の長軸方向の端に接続されていることが好ましい。電力を電池から回路基板に伝達するという文脈で本明細書で考察したが、ここでの考察は電力の移動に限定されるものではないことが当業者には明らかである。任意の電気的な信号、例えば、データ信号は、適切な追加的電子回路との組み合わせで提供されている時にピンを経由して送信することもできる。
【0014】
接地面は、その長軸方向軸について実質的に対称であることが好ましい。従って、有利なことに、組立前に接地面が特定の方向を向く特定の面に向いている必要がないため、接地面はより簡単に製造できる。
【0015】
接地面は、電源と電子回路基板の間に約10ミリオーム(mΩ)〜約20ミリオーム(mΩ)の電気抵抗を与えるように構成されることが好ましい。有利なことに、こうした抵抗を与えることで、電源が効率良く利用されるようになる。
【0016】
接地面は、導電性材料の単一の層状シートから製造されることが好ましい。材料は金属であることが好ましいが、黄銅が好ましい。接地面が要求される形状に折り畳まれるように適切に打ち延ばしができること、電源を保持するのに適切な弾力性があること、はんだ付けができ、回路基板を接続できることから、接地面の製造に黄銅を利用することは有利である。さらに、黄銅の使用により、適切な電気抵抗がエアロゾル発生装置の構成要素間に与えられるようにできる。別の方法として、材料は銅合金、銅ニッケル合金、または銅ベリリウム合金を含みうる。材料は約0.05mm〜約1.0mmの厚さを持ちうるが、好ましくは約0.2mmの厚さを持ちうる。ここで、剛軟度、使用する材料の厚さ、および要求される保持に応じてその他の適切な厚さを決定できることが当業者にとって明らかであろう。
【0017】
電源は、電池であることが好ましく、再充電可能電池であることがより好ましい。電源が再充電可能電池である場合、エアロゾル発生装置はさらに外部電源に接続するように構成された複数の電気的接続を含むことが好ましい。外部電源は、再充電可能電池を再充電するように構成される。
【0018】
エアロゾル発生装置はさらに、電気的なヒーターにより加熱した時に、エアロゾルを形成するよう構成されたエアロゾル形成基体を備えうる。
【0019】
電気ヒーターは、少なくとも一つの内部ヒーターを備えうる。内部ヒーターは刃の形態であることが好ましい。刃は、エアロゾル形成基体に挿入可能なように構成されることが好ましい。
【0020】
内部ヒーターに加えて、またはその代わりに、電気発熱体は少なくとも一つの外部ヒーターを備えうる。少なくとも一つの外部ヒーターは、使用時にエアロゾル形成基体が外部ヒーターによって加熱されうるように、少なくとも部分的にエアロゾル形成基体を囲むように構成されることが好ましい。よって、電気発熱体は、少なくとも一つの内部ヒーター、および少なくとも一つの外部ヒーターを備えうる。
【0021】
エアロゾル発生装置の接地面は、ハウジング内に取り付けられることが好ましい。接地面の断面形状の一部は、ハウジングの断面形状と同等な部分に実質的に類似したものであることが好ましい。ハウジングの断面形状は多角形であることが好ましく、また10個の側を備えうる、すなわち、ハウジングが多面的になるように10個の面を備えうる。ハウジングの断面形状が10個の側(面)を含む場合、接地面は7つの側を含み、3つの側(面)は存在しないことが好ましい。このように、接地面の断面形状の存在しない3つの側(面)によって、ハウジング内に正の電気的接続が提供されるようになる。さらに、存在しない3つの側により、エアロゾル発生装置の構成要素が接地面内に挿入されるようになる。
【0022】
本開示のさらなる態様によれば、細長い導電性部材を含む電気的に作動するエアロゾル発生装置用の接地面が提供されている。細長い導電性部材は、電源を電気的に作動するエアロゾル発生装置の複数の構成要素に電気的に結合するように、かつ電源および電気的に作動するエアロゾル発生装置の複数の構成要素を構造的に保持するように構成される。
【0023】
有利なことに、こうしたモノリシックな接地面を提供することで、構成要素はエアロゾル発生装置のハウジングに挿入される前に電気的にも構造的にも結合されることができるため、製造工程の複雑さが低減される。
【0024】
細長い導電性部材は、多数の細長い部分を含むことが好ましく、ここで、接地面が少なくとも一つの側が存在しない多角形の断面を持つものとして形成されうるように、第一の細長い部分は一方の長軸方向の端に沿ったさらに細長い部分に接続され、第二の細長い部分は一方の長軸方向の端に沿ったさらに細長い部分に接続され、また残りの細長い部分は両方の長軸方向の端に沿って接続される。
【0025】
接地面は、さらに電源を構造的に保持するように構成された2組の弾性要素を含むことが好ましいが、ここで、第一の組の弾性要素は第一の細長い部分に接続され、第二の組は第二の細長い部分に接続される。それぞれの組の弾性要素は複数の弾性要素を含むことが好ましい。それぞれの組は、2、3、4、5、最も好ましくは6つ以上の弾性要素を備えうる。
【0026】
本開示のなおさらなる態様によれば、本明細書で説明した通り接地面を形成するための単一の層状ブランクが提供されている。単一の層状ブランクは、細長い導電性部材を形成するよう構成された接地面の複数の細長い部分を含む。細長い部分は、長軸方向の折り目に沿って接続される。有利なことに、こうした単一の層状ブランクを提供することで、接地面はより簡単に形成されうる。
【0027】
単一の層状ブランクはスタンピング作業を利用して形成されることが好ましい。別の方法として、単一の層状ブランクは、エッチング、機械加工、レーザー切断または適切なその他任意の製造工程によって形成されうる。
【0028】
折り目は、細長い部分を折り畳んで接地面を形成するために必要な力を減少させるように構成された複数の穿孔を含むことが好ましい。
【0029】
細長い部分の1つは、単一の層状ブランクが折り畳み機械内に位置付けられるように構成された複数のスルーホールをさらに含むことが好ましい。こうしたスルーホールを提供することで、有利なことに、単一の層状ブランクが折り畳み機械内により迅速に位置付けられるようになる。多数のスルーホールは、単一の層状ブランクが折り畳み機械内に一方向にのみ位置付けられうるように、単一の層状ブランクの横断中央線について非対称であることが好ましい。
【0030】
本開示のまたさらなる態様によれば、本明細書に説明されている通り、電気的に作動するエアロゾル発生装置を組み立てる方法が提供されている。方法は、複数の接続された細長い導電性要素を折り畳むことにより接地面を形成する工程と、複数の細長い部分によって構造的に保持されかつ接地面に電気的に結合されるように、電力供給源を形成された接地面に挿入する工程と、電子回路基板を接地面に接続する工程と、電気発熱体を接地面に接続する工程とを含む。
【0031】
方法はさらに、複数の接続された細長い導電性要素を折り畳む前に、接地面を折り畳み機械内で整列する工程を含むことが好ましい。接地面は、折り畳み機械内の対応する突起と係合する接地面内の複数のスルーホールを利用して整列されることが好ましい。
【0032】
折り畳まれた接地面の一部は細長い要素と境界を接するくぼみを形成することが好ましい。くぼみを形成する反対側にある少なくとも2つの細長い要素は、電源を保持するために構成された弾性要素である。方法はさらに、弾性要素を第一の位置から第二の位置に移動することにより電源をくぼみに挿入する工程を含むことが好ましい。電源がくぼみ内にある時に第二の位置に戻る弾性要素が電源を保持する。
【0033】
本開示のなおさらなる態様によれば、電源を電気装置の多数の構成要素に電気的に結合するように、かつ電源および電気装置の複数の構成要素を構造的に保持するように構成された細長い導電性部材を含む、電気装置のための接地面が提供されており、ここで、細長い導電性部材は、電源を保持するように構成された第一の位置から第二の位置へ移動可能な多数の弾性要素を含み、それぞれの弾性要素は、接地面を電源に接続するように構成された電気接点であり、またここで第二の位置には電源を受けるのに適切な弾性要素間にギャップが提供され、および第一の位置では弾性要素が電源に作用し、それが接地面内に形成されたくぼみ内に保持される。
【0034】
有利なことに、こうした接地面を提供することで、電気装置がより簡単に製造されるようになる。
【0035】
本開示のなおもさらなる態様によれば、第一の側に電子構成要素を含み、第二の側に外部の電気的接続を含む電子回路基板が提供されている。使用時、電子回路基板の第一の側はハウジングの内部に提供され、電子回路基板の第二の側はハウジングの外側に提供される。有利なことに、こうした電子回路基板を提供することで、外部接続を必要とする装置の複雑さが低減される。電子回路基板の第二の側は、ハウジングの外部面に適合されることが好ましい。
【0036】
第二の側は、ハウジングの外部面となるように適合されることが好ましい。第二の側の曲げパターンは、ハウジングの内部形状と一貫した形状に構成されうる。
【0037】
本明細書で説明されている通り、電気的に作動するエアロゾル発生装置はこうした電子回路基板を備えうる。この実施形態において、外部接続を持つ電子回路基板は、エアロゾル発生装置の回路基板と外部装置の間のインターフェイスとしての役目を果たすことが好ましい。インターフェイスは、エアロゾル発生装置内の再充電可能電池を充電をできるようにする電力のための接続を提供することができ、またインターフェイスは、外部装置とエアロゾル発生装置回路基板との間のデータ通信のための接続を提供することができる。外部接続を持つ電子回路基板は、エアロゾル発生装置の接地面に電気的に結合されるよう構成されることが好ましい。
【0038】
本開示は、本明細書において添付の図面に関して説明されるものと実質的に同じ方法および装置にも拡大される。
【0039】
本明細書に使用される場合、「手段プラス機能」の特徴は、これらの対応する構造に関する別の方法として表現されうる。
【0040】
本開示で説明した一態様における任意の特徴は、本明細書で考察したその他の特徴に適切な任意の組み合わせで適用されうる。特に、方法の態様は装置の態様に適用でき、その逆もまた可である。さらにまた、1つの態様における任意の一部またはすべての特徴は、任意の適切な組み合わせにおいて、任意のその他の態様の任意の一部またはすべての特徴に適用されうる。
【0041】
当然ながら、本発明の任意の様々な特徴において説明および定義された様々な特徴の特定の組み合わせを独立して実施、供給または使用できる。
【0042】
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するための接地面の斜視図を示す。
【
図2】
図2(a)は、電気的に作動するエアロゾル発生装置の構成要素が所定位置に位置付けられた
図1の接地面の上面図を示す。
図2(b)は、接地面に挿入されている電源を示す。
【
図3】
図3は、
図1および
図2の接地面を形成するように構成された単一の層状ブランクを示す。
【
図4】
図4は、接地面を利用する装置の内部表面と装置の間の関係を図示したものである。
【
図5】
図5は、接地面、エアロゾル発生器、および主要ユニットを持つエアロゾル発生装置を備えたシステムを図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するための接地面100の斜視図を示す。エアロゾル発生装置については下記にさらに詳細に説明する。接地面は、
図3を参照しながら下記にさらに詳細に説明されている細長い導電性要素の形態の複数の面を含む。複数の細長い要素は、接地面の一部分に沿ったくぼみ102を形成するように構成されている。くぼみ102は、複数の細長い要素、および弾性要素104と境界を接している。くぼみは、エアロゾル発生装置のための電力供給源を受けるように構成される。接地面は、さらに電子回路基板(PCBなど)を受けるように構成されている複数のピン106を含む。部分108は、エアロゾル発生装置の電気発熱体を接続するよう提供される。最後に、部分110は、エアロゾル発生装置と外部装置(充電ユニットなど)との間のインターフェイスとしての役目を果たすよう構成された回路基板を接続するために提供される。
【0045】
接地面は、単一の層状ブランクのスタンピングによって製造される。次に、単一の層状ブランクは単一の工程で折り畳まれ、多面的な接地面100を形成する。接地面のための複数の面を利用することで、単純な折り畳み工程が使用されるようになる。ところが、代替的な曲げ工程を使用して、曲面の断面プロフィールを形成してもよい。接地面は黄銅で製造される。黄銅を利用することで、接地面は簡単に折り畳めるようになり、また必要に応じて構成要素を接地面にはんだ付けできる。
【0046】
図2(a)は、エアロゾル発生装置の構成要素が取り付けられた接地面100を示す。図に示す通り、再充電可能電池の形態の電源200はくぼみ102内に取り付けられ、電子回路基板202はピン106上に取り付けられ、電気ヒーター204は取付部分108に取り付けられ、インターフェイス回路基板206は取付部分110に取り付けられる。電気ヒーター204は、発熱体208を備える場合がある。
【0047】
電源200は、弾性要素104によってくぼみ102内に保持される。図に示す通り、弾性要素104は、くぼみ内にある時に電源に対して作用するよう構成された2組のフィンガーの形態である。組立時に、電源200は、
図2(b)に示す通りくぼみ102に押し込まれる。弾性要素104は、電源が弾性要素に作用すると
図2(b)に示す位置から移動し、また電源が弾性要素間の開口部を通過した時、
図2(b)に示す位置に移動して戻り、接地面100のくぼみ102内に電源を保持する。この様に弾性要素を利用することで、エアロゾル発生器を製造する複雑さが低減される。
【0048】
さらに、弾性要素は、電源の負端子を接地面に電気的に結合するように構成される。電源と接地面の間の電気コネクターとしての役割を果たす複数の弾性要素を利用することで、装置の効率を増やす並列抵抗の経路を提供する。
【0049】
図2(a)に示す通り、電子回路基板202はピン106にある接地面に取り付けられる。ピン106上に配置されると、電子回路基板202は所定位置にはんだ付けされる。ピン106はまた、回路基板202を接地面100に電気的に結合する。電気ヒーター204は接地面100にも取り付けられる。電気ヒーターは、取付部分108によって接地面に取り付けられる。取付部分はまた、ヒーターを接地面100に電気的に結合する。最後に、インターフェイス回路基板206は、取付部分110によって接地面により取り付けられる。取付部分110はまた、インターフェイス回路基板206を接地面100に電気的に結合する。
【0050】
上記の説明から理解される通り、電源、電子回路基板、電気ヒーター、およびインターフェイス回路基板は、接地面によってすべてまとめて電気的に結合される。
【0051】
また
図2(a)に示す通り、インターフェイス回路基板206は外部コネクター210、および内部回路212を含む。外部コネクター210は、回路基板206の一つの側に直接取り付けられる。同様に、回路212は回路基板206の他方の側に直接取り付けられる。外部コネクター210は、回路基板206を通した接続を介して回路212に接続される。インターフェイス回路基板の動作については、下記にさらに詳細に説明する。
【0052】
電源200、回路基板202、電気ヒーター204およびインターフェイス回路基板206を含む接地面100は、外部ハウジング(図示せず)内に取り付けられ、電気的に作動するエアロゾル発生装置を形成する。エアロゾル発生装置のすべての構成要素をモノリシックな下部構造上に提供することにより、装置はより簡単に製造できる。接地面は、外部コネクター210が装置の一方の端で露出するように、装置のハウジングに挿入される。装置のハウジングは、ヒーター208を囲むように構成されたくぼみを組み込む。ヒーターのくぼみは、エアロゾル形成基体を受けるように適合される。
【0053】
ハウジングは、10個の側を含む正多角形の断面形状を持ち、また図示されている通り、接地面は同等な断面形状を持つが、電源の領域には3つの側が存在しない。
【0054】
使用時、発熱体は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するために、電源から回路基板を経由して電力供給を受ける。
【0055】
図3は、上述の通り接地面100を形成するための単一の層状ブランク300を示す。単一の層状ブランクは、単一のスタンピング工程によって製造される。図示した通り、ブランクはその長軸方向軸について実質的に対称であり、ブランクはどちらを上にしても折り畳み機械に挿入できる。ブランクは、それらのそれぞれの長軸方向の端に沿ってまとめて接続された一連の細長い導電性要素を含む。穿孔302は、ブランクがより簡単に折り畳まれるようにするために、接続する端に沿って提供される。3つの穴304は、ブランクが折り畳み機械内で方向付けられるように中央の細長い要素に提供される。穴は折り畳み機械にある対応した突起に係合するように構成される。図示されている通り、穴304は、ブランクが機械内に一方向にのみ配置できるようにブランクの横断軸について非対称である。
【0056】
接地面100は、折り畳み機械内でブランク300を折り畳むことにより形成される。上述した通り、接地面を受けるように構成されたハウジングは10個の側がある正多角形の断面形状を持ち、そのため、折り畳む作業においては、それぞれの細長い要素は隣接した細長い要素に対して36度だけ折り畳まれる。ピン106および取付部分108は、それらが相互に実質的に平行であり、かつ穴304を含む中央の細長い要素と直角をなすように折り畳まれる。接地面は、オフライン、またはオンラインで形成されうる。すなわち、接地面は、折り畳んでから、第二の機械に移動してエアロゾル発生装置構成要素を組み込んでもよく、また接地面は、単一の作業で折り畳んで構成要素を挿入してもよい。
【0057】
図4は、接地面100と接地面を受ける装置400の間の関係を図示したものである。ここで、当業者にとって接地面100は様々な形状に形成されうることは明らかである。さらにここで、当業者にとってこの形状は装置400の内部表面402に基づき画定されうることは明らかである。
図4に図示した通り、穿孔302の穿孔パターンは、内部表面402および接地面100の共通点404が一致するように選択されうる。装置400は、例えば、内部表面を持つエアロゾル発生装置としうるが、こうしたエアロゾル発生装置については、
図5を参照しながら下記にさらに詳細に説明する。穿孔302の穿孔パターンは、接地面100に曲がりが形成されるようにブランク300のために選択されうるが、ここで曲がりは共通点404に対応する。従って、パターンがブランク300のために選択され、また接地面100の適切な形状が装置400の内部面と一致するように形成されるような方法で、接地面穿孔パターンを選択することが可能である。
【0058】
図5に図示した電気的に作動する喫煙システムは、電気的に作動するエアロゾル発生装置400を受けるように構成された主要充電ユニット500を含む。主充電ユニットは、電源502(再充電可能電池など)、充電用制御電子回路504、および装置400を制御電子回路504を介して電池502に結合するよう構成された電気コネクター506を含む。装置は主要充電ユニットのくぼみ内で受けられる。
【0059】
図2に関連して上述した通り、エアロゾル発生装置400は内部発熱体208を備える。発熱体208は、エアロゾル発生装置400の喫煙物品受入れチャンバ内に取り付けられる。使用時、ユーザーは、内部発熱体208が喫煙物品510のエアロゾル形成基体に挿入されるように、エアロゾル発生装置400の喫煙物品受入れチャンバに喫煙物品510を挿入する。
図2および
図5に示した実施形態において、エアロゾル発生装置400の内部発熱体208は、ヒーターブレードである。
【0060】
エアロゾル発生装置400は、内部発熱体208を作動させることができる電源および電子機器を含む。このような作動は手動でもよく、またはエアロゾル発生装置400の喫煙物品受け入れチャンバの中に挿入される喫煙物品510をユーザーが吸うことに応答して自動的に起こってもよい。複数の開口部(図示せず)が、空気が喫煙物品510に流れ込むようにエアロゾル発生装置に提供される。
【0061】
使用時に、エアロゾル発生装置の内部発熱体は、エアロゾルを形成するのに十分な温度まで喫煙物品510のエアロゾル形成基体を加熱し、これが喫煙物品510を介して下流に引き出され、ユーザーによって吸入される。
【0062】
エアロゾル発生装置400の電源200には、単一の喫煙物品510が完全にエアロゾル化されるように十分な容量が提供される。その後、装置400は、主要充電ユニット500によって再充電されなければならない。使用時、ユーザーは、装置400を主要ユニット500を受けるためのくぼみに挿入し、スイッチを起動するか主要ユニット500のリッド(図示せず)を閉じることによって自動的に、のいずれかの方法によって充電プロセスを起動させる。
【0063】
上述の例示的な実施形態は限定するものではない。上述の模範的実施形態と一貫性のあるその他の実施形態が、当業界の当業者にとって明らかとなる。