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▶ ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559157
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】ネブライザ
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20190805BHJP
B65D 25/20 20060101ALI20190805BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20190805BHJP
【ＦＩ】
A61M15/00 Z
B65D25/20 P
B65D83/00 K
【請求項の数】16
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2016-566728(P2016-566728)
(86)(22)【出願日】2015年5月4日
(65)【公表番号】特表2017-515566(P2017-515566A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】EP2015000902
(87)【国際公開番号】WO2015169430
(87)【国際公開日】20151112
【審査請求日】2018年2月20日
(31)【優先権主張番号】14001603.1
(32)【優先日】2014年5月7日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】15020044.2
(32)【優先日】2015年3月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】アイヒャー ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ウィンクラー ロベルト ゲルハルト
【審査官】
竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】
特表２００９−５０５７０３（ＪＰ，Ａ）
【文献】
国際公開第２０１２／１６２３０５（ＷＯ，Ａ１）
(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）
Ａ６１Ｍ １５／００
Ａ６１Ｍ １１／００
Ｂ６５Ｄ ２５／２０
Ｂ６５Ｄ ８３／００
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体（２）のためのネブライザ（１）であって、
流体（２）を収容する取替可能又は挿入可能容器（３）と、
前記容器（３）を用いて実施されたか又は依然として可能な使用回数を計数する及び示すための表示デバイス（２５）と、
現在の容器（３）を用いた予め決められた使用回数が到達されたか又は超過された時に、ロック状態でネブライザ（１）又は容器（３）の更なる使用を阻止するようになっているロッキングデバイス（２６）と、
前記表示デバイス（２５）が前記ロッキングデバイス（２６）を制御することができるような制御デバイス（７５）と、
を含み、
前記容器（３）が、ネブライザ（１）の噴霧中及び／又は引張中にネブライザ（１）内で軸線方向に移動可能であり、
前記表示デバイス（２５）は、前記容器（３）に配置され、かつ噴霧及び／又は引張中にネブライザ（１）内で軸線方向に及び前記制御デバイス（７５）に対して該容器（３）と共に移動可能である、
ことを特徴とするネブライザ（１）。
流体（２）を収容する取替可能又は挿入可能容器（３）と、
前記容器（３）を用いて実施されたか又は依然として可能な使用回数を計数する及び示すための表示デバイス（２５）と、
現在の容器（３）を用いた予め決められた使用回数が到達されたか又は超過された時に、ロック状態でネブライザ（１）又は容器（３）の更なる使用を阻止するようになっているロッキングデバイス（２６）と、
前記表示デバイス（２５）が前記ロッキングデバイス（２６）を制御することができるような制御デバイス（７５）と、
を含み、
前記容器（３）が、ネブライザ（１）の噴霧中及び／又は引張中にネブライザ（１）内で軸線方向に移動可能であり、
前記表示デバイス（２５）は、前記容器（３）に配置され、かつ噴霧及び／又は引張中にネブライザ（１）内で軸線方向に及び前記制御デバイス（７５）に対して該容器（３）と共に移動可能である、
ことを特徴とするネブライザ（１）。
【請求項2】
ネブライザ（１）が、前記容器（３）を挿入する及び／又は取り替えるために、取り外す又は取り替える又は開くことができるハウジング部分（１８）を含むことを特徴とする請求項１に記載のネブライザ。
【請求項3】
前記制御デバイス（７５）又はその起動部材（７６）が、前記ハウジング部分（１８）に配置される又は前記ハウジング部分（１８）内で案内されることを特徴とする請求項２に記載のネブライザ。
【請求項4】
前記制御デバイス（７５）は、軸線方向に移動可能な起動部材（７６）を含むことを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか１項に記載のネブライザ。
【請求項5】
起動の前に、前記制御デバイス（７５）又はその起動部材（７６）が、保持デバイス（８６）により、噴霧及び／又は引張中に初期位置に保持されることを特徴とする請求項１から請求項４のいずれか１項に記載のネブライザ。
【請求項6】
前記保持デバイス（８６）は、前記制御デバイス（７５）又はその起動部材（７６）を前記初期位置に保持する、半径方向に可撓性の制御部分（９０）を有することを特徴とする請求項５に記載のネブライザ。
【請求項7】
前記制御デバイス（７５）は、該制御デバイス（７５）又はその起動部材（７６）が初期位置から起動位置内に移動されるように解除する又はそれを可能にするように、起動することができる制御要素（９４）を含むことを特徴とする請求項１から請求項６のいずれか１項に記載のネブライザ。
【請求項8】
前記ロッキングデバイス（２６）は、前記制御デバイス（７５）又は前記起動部材（７６）が前記起動位置にある時に、前記ロック状態にあるか又は該ロック状態に入ることを特徴とする請求項７に記載のネブライザ。
【請求項9】
前記制御デバイス（７５）は、前記容器（３）及び／又は表示デバイス（２５）を取り替える時に、自動的にリセットされることを特徴とする請求項１から請求項８のいずれか１項に記載のネブライザ。
【請求項10】
前記制御デバイス（７５）は、少なくとも１つのばね部分（８８）を用いてリセットされることを特徴とする請求項９に記載のネブライザ。
【請求項11】
前記制御デバイス（７５）は、前記ロッキングデバイス（２６）に作用する又はそれを制御するピン状の起動部分（７９）を含むことを特徴とする請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載のネブライザ。
【請求項12】
前記表示デバイス（２５）は、前記制御デバイス（７５）に対して軸線方向に作用し、又はその逆も同じであることを特徴とする請求項１から請求項１１のいずれか１項に記載のネブライザ。
【請求項13】
前記制御デバイス（７５）は、前記現在の容器（３）を用いた前記予め決められた使用回数が到達されたか又は超過された時に、前記ロッキングデバイス（２６）を起動するか又は該ロッキングデバイス（２６）を用いてネブライザ（１）の阻止を開始するために、噴霧又は引張中に前記表示デバイス（２５）の前記軸線方向移動の少なくとも一部によって駆動又は起動されることを特徴とする請求項１から請求項１２のいずれか１項に記載のネブライザ。
【請求項14】
前記制御デバイス（７５）は、前記表示デバイス（２５）を駆動する又は起動する又は回転送りするための駆動部分（５２、７７）を含むことを特徴とする請求項１から請求項１３のいずれか１項に記載のネブライザ。
【請求項15】
前記駆動部分（５２、７７）は、前記表示デバイス（２５）に対して軸線方向に作用し、又は前記表示デバイス（２５）の中に軸線方向に係合することを特徴とする請求項１４に記載のネブライザ。
【請求項16】
前記駆動部分（５２、７７）は、前記現在の容器（３）を用いた前記予め決められた使用回数が到達されたか又は超過された時に、前記表示デバイス（２５）内への軸線方向係合に対して阻止されることを特徴とする請求項１５に記載のネブライザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項１の前段部に記載のネブライザに関する。
【背景技術】
【0002】
ＷＯ ２０１２／１６２３０５ Ａ１は、ネブライザを開示している。容器は、ネブライザのハウジングの中に挿入することができる。ハウジングは、下側ハウジング部分によって閉じられる。ハウジング部分を回転させることにより、駆動バネを引張下に置くことができ、流体を圧力発生器の圧縮チャンバ内に吸い込むことができる。同時に、容器は、ネブライザ内の行程移動で下側ハウジング部分内に移動され、初めて引張された時に、容器は、下側ハウジング部分内の穿孔要素によってそのベースを通して穿孔され、容器の通気を可能にすることができる。ボタンを手動で押圧した後に、駆動バネは、流体が駆動バネによって加圧下に置かれ、かつ推進剤ガスを使用せずにエアロゾルとしてノズルを通してマウスピースの中に送出又は噴霧されるように、解除されて送出チューブを圧力チャンバの中に移動する。すなわち、容器は、噴霧される流体の搬送中及び圧力発生及び噴霧中に前後に軸線方向に移動している。
【0003】
輸送状態で容器を移動不能に保持するための輸送ロッキングを形成する固定デバイスによって、容器はハウジング部分と分離不能に接続されることができる。
【0004】
ネブライザは、実施されたか又は依然として実施可能な使用回数を計数し、及び／又は示すための表示デバイスを含む。表示デバイスは、予め決められた使用回数が現在の容器によって到達されるか又は超過された時にロック状態で更なる使用を阻止する。次に、容器は、ハウジング部分と共に取り替えることができ、ネブライザは、新しい容器と共に更に使用することができる。
【0005】
ＵＳ ７，８２３，５８４ Ｂ２は、計数デバイスをハウジング部分から分離不能である容器と共に交換可能又は取替可能であるハウジング部分に一体化することができる類似のネブライザを開示している。
【0006】
ＷＯ ２００７／１０４６９４ Ａ１は、表示要素を駆動するためのウォーム歯車を含むことができる表示デバイスを有する粉末状物質のための吸入器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ＷＯ ２０１２／１６２３０５ Ａ１
【特許文献2】ＵＳ ７，８２３，５８４ Ｂ２
【特許文献3】ＷＯ ２００７／１０４６９４ Ａ１
【特許文献4】ＷＯ ９６／０６０１１ Ａ１
【特許文献5】ＷＯ ２００９／０３７０８５ Ａ１
【特許文献6】ＷＯ ２００９／１１５２００ Ａ１
【特許文献7】ＥＰ ２，６１４，８４８ Ａ１
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、簡単及び／又はセキュアな作動及び取り扱い、及び／又は小型及び／又は信頼できる構成を可能にするネブライザを、好ましくはネブライザのいずれのハウジング部分の取替もなしに容器の取替を可能にしながら、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、請求項１によるネブライザによって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0010】
本発明は、流体、好ましくは液体薬剤を、好ましくは流体を収容する取替可能な容器から噴霧するためのネブライザに関し、かつ容器に関する。好ましくは、表示デバイスが、容器を用いて既に実施されたか又は依然として実施可能な使用回数を計数し、及び／又は示すために提供される。
【0011】
特に、表示デバイス又は関連する阻止デバイスは、容器及び／又はネブライザをロックすることができ、又はそれぞれの容器を用いて予め決められた使用回数が到達されたか又は超過された時にロック状態で更なる使用に対して容器及び／又はネブライザの阻止を引き起こすことができる。
【0012】
本発明により、表示デバイスは、容器に配置され、ネブライザの噴霧及び／又は引張中にネブライザ内で軸線方向に容器と共に移動可能である。表示デバイスは、メカニカルカップリング（mechanical coupling）又は制御デバイスを用いてロッキングデバイスを制御するようになっている。特に、メカニカルカップリング又は制御デバイスは、軸線方向に移動可能な表示デバイスが、ロッキングデバイスを制御することができることを可能にし、ロッキングデバイスは、次に、好ましくは引張及び／又は噴霧中に容器及び表示デバイスと共に軸線方向に移動できないネブライザの一部に配置される。従って、容器と関連する表示デバイスとを、特に分離不能に直接組合せて接続することが可能であり、ロッキングデバイスは、ネブライザに配置され、容器及び表示デバイスを使用後に取り替える時に再利用することができる。特に、制御デバイスは、表示デバイスとロッキングデバイスの間に機械的制御又はメカニカルカップリングを可能にする。その結果、容器及び接続された表示デバイスのみを使用後に取り替える必要があるだけであり、容易な及び／又はセキュアな作動及び取り扱いが可能である。
【0013】
好ましくは、ネブライザは、容器を取り替えるためにネブライザから取り外し又は開くことができるハウジング部分を含む。
【0014】
一実施形態により、ハウジング部分は、メカニカルカップリング又は制御デバイスを形成することができる。これは、簡単な及び信頼できる構成を可能にする。
【0015】
別の好ましい実施形態により、制御デバイスは、ハウジング部分に配置され又はこれと接続される。これは、構成要素の簡単な構成又は組立を容易にする。
【0016】
好ましくは、表示デバイスは、伝達部を介して直接的に又は間接的にネブライザの起動又はチャージ／引張又は軸線方向移動時に又はその間に駆動部分との相互作用によって回転送りされ又は好ましくは段階的に移動される計数又は表示要素を収容する。
【0017】
好ましくは、現在の容器を用いて予め決められた使用回数が到達されたか又は超過された時、容器又は表示要素の又は関連する伝達部の駆動部分との相互作用は停止する。好ましくは、相互作用の終了と同時に又はネブライザの次の引張中に、制御デバイスは、ロッキングデバイスの起動を達成する。
【0018】
好ましくは、ハウジング部分は、ロック状態を開始し又はこれに入る時、メカニカルカップリング又は制御デバイスと表示デバイスの相互作用では自動的に開かない。これは、生じる力を最小にし及び／又はロック状態に入るとき又はその前にネブライザの容易な取り扱い、特に引張をもたらす。
【0019】
好ましくは、制御デバイスは、ロック状態又はその起動状態でもロックされないが、再利用することができる。この場合、制御デバイスを含むハウジング部分は、取り替える必要はないが、容器及び表示デバイスだけは、ネブライザを再利用しようとする時に取り替える必要がある。
【0020】
更に、一方の表示デバイスを有する容器及び他方の制御デバイスを有するハウジング部分は、分離不能に接続することが可能である。
【0021】
好ましくは、特にそれぞれの容器を用いて予め決められた使用回数が到達されたか又はそれが超過されたことを表示デバイスが検出した時、ネブライザ及び／又は容器は、ロック状態でもはや使用することはできない。
【0022】
表示デバイスは、更なる使用に対してネブライザ及び／又は容器のロッキングを直接的に又は間接的に阻止又は開始又はトリガすることができる。特に、表示デバイスは、阻止デバイスを直接的に起動させ又はロッキングデバイスの起動を間接的に開始することができる。
【0023】
好ましくは、ネブライザハウジング又はハウジング部分が少なくとも部分的に開放しているか又は開放されている場合、又は言い換えると、ネブライザ又はそのハウジングが（完全に）閉鎖していない時、ネブライザは、更なる使用又は引張に対しても（自動的に）阻止される。
【0024】
表示デバイスがロック状態に入る時、ネブライザが更なる使用に対して直ちに阻止されないという可能性もある。その代わりに、表示デバイスは、ロッキングデバイスが更なる使用に対してネブライザを阻止しようとしているそのロック状態で、例えば、次の起動又は引張又は同様の間に開始又は引き起こし又はトリガすることができる。従って、ロッキングデバイスは、後で、例えば、ネブライザの少なくとも部分開放及び／又はネブライザの少なくとも部分引張又はネブライザのハウジング部分又は内側部分の回転などの後、そのロック状態に入ることができる。
【0025】
従って、ネブライザの阻止（ブロッキング）は、後の例えば更なる取り扱い、作動、起動、等の間という意味で間接的に、表示デバイスによって開始又は引き起こされる場合がある。従って、表示デバイスは、好ましくは本発明の意味でも更なる使用に対してネブライザ及び／又は容器を阻止し又はその阻止を開始又は引き起こす。
【0026】
好ましくは、更なる使用に対するネブライザの阻止は、特にまだ使用されていないものに対して表示デバイスを含む容器を取り替えることによって打ち勝つことができる。
【0027】
表示デバイスは、好ましくは、容器と又は容器の容器ハウジングと分離不能に接続されるが、表示デバイスが容器と共に取替可能であるように、ネブライザ又はそのハウジングから及びハウジング部分から分離可能である。これは、ネブライザ及びハウジング部分の好ましくは別の表示デバイスを含む別の容器を有する制御デバイスの再利用を可能にする。従って、交換すべき構成要素の全体サイズは、取替パッケージのサイズを縮小して多数のパッケージの輸送を容易にするように、小さく保持される。
【0028】
好ましくは、表示デバイスは、容器の底部及び／又は容器の出口の反対側に固定的に配置される。これは、非常に小型の構成を可能にする。更に、表示デバイスは、ネブライザへの容器の流体的接続に干渉することなく、その逆もまた可能である。
【0029】
表示デバイスは、好ましくは開くための穿孔要素及び曝気開口部を含む。特に、これは、非常に小型の構成を可能にし及び／又はセキュアな作動をサポートする。
【0030】
好ましくは、表示デバイスは、表示要素及び表示要素を回転送りするための起動要素を含む。特に、表示要素は、それぞれの容器ですでに実施された又は依然として実施可能な使用回数を表示する。
【0031】
好ましくは、起動要素の線形移動は、表示要素の回転移動を引き起こす。
【0032】
なお一層好ましくは、起動要素は、表示デバイスを有する容器とネブライザのハウジング及び／又はハウジング部分の間に相対的長手方向移動によって運動に入れられる。
【0033】
表示デバイスの起動要素は、好ましくは、ロック状態の容器の更なる使用を阻止するようにも構成される。特に、これは、非常に小型の及び簡単な構成及び／又はセキュアな作動を可能にする。好ましくは、必要な部品及び構成要素の数を最小にすることができる。
【0034】
起動要素は、好ましくは、表示要素を回転送りするために第１及び第２の位置の間で前後に移動可能であり、ロック状態で容器の更なる使用を阻止する第３の位置の中に少なくとも一度又は一度だけ移動可能である。特に、これは、非常に小型の及び簡単な構成及び／又はセキュアな作動を可能にする。
【0035】
起動要素は、好ましくは、容器又はネブライザの長手方向又は小出し方向に対して、横に移動可能である。特に、これは、非常に小型の及び簡単な構成及び／又はセキュアな作動を可能にする。
【0036】
好ましくは、表示デバイスは、ロック状態の容器及び／又はネブライザの更なる使用を阻止する阻止部分を含む。これに代えて、阻止部分は、好ましくは、起動要素によって形成され又はこれと一体的に作られる。特に、これは、非常に小型の及び簡単な構成及び／又はセキュアな作動を可能にする。
【0037】
阻止部分は、好ましくは、容器又はネブライザの長手方向又は小出し方向に対して、横に移動可能である。特に、これは、非常に小型の及び簡単な構成及び／又はセキュアな作動を可能にする。好ましくは、必要な部品及び構成要素の数を最小にすることができる。
【0038】
阻止部分は、好ましくは、ロック状態のインジケータハウジングの挿入開口部を閉鎖する。特に、アンロック状態において、挿入開口部は、ネブライザのハウジング、ハウジング部分、又は制御デバイスに取り付けられた駆動部分を受け取るためのものであり、その結果、インジケータハウジング及び／又は容器とネブライザハウジングの間の相対移動により、駆動部分は、特にネブライザの使用が表示デバイスにおいて数えられ及び／又は示されるように表示デバイスを起動するようになる。特に、これは、非常に小型の及び簡単な構成及び／又はセキュアな作動を可能にする。好ましくは、必要な部品及び構成要素の数を最小にすることができる。
【0039】
阻止部分は、好ましくは、ロック状態のネブライザの制御デバイス、従って、ロッキングデバイス又はそのロッキング要素を起動する。従って、更なる使用、特に流体の更なる小出し又は噴霧をロック状態で防止又は阻止することができる。
【0040】
本発明の上記態様及び以下に説明する更に別の態様は、互いに独立にかつあらゆる組合せに実現することができる。
【0041】
本発明の更に別の利点、特徴、特性、及び態様は、特許請求の範囲及び図面を参照する好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】非引張状態の公知のネブライザの概略断面図である。
【図3】本発明の好ましい第１の実施形態による非引張状態の挿入された容器を有するネブライザの概略断面図である。
【図7】本発明の好ましい実施形態による表示デバイスの概略分解組立図である。
【図8】起動状態の表示デバイスの軸線方向断面図である。
【図9】ロック状態の表示デバイスの軸線方向断面図である。
【図10】起動状態の表示デバイスの断面斜視図である。
【図11】解除状態の表示デバイスの断面斜視図である。
【図16】部分的に開いたハウジング部分とロックしたロッキングデバイスとの次の引張後のロック状態のネブライザの概略断面図である。
【図19】修正実施形態による初期状態の表示デバイスの概略断面図である。
【図21】本発明の更なる又は第２の実施形態による非引張状態のネブライザの概略断面図である。
【図23】制御デバイスの斜視図である。
【図24】制御デバイスの分解斜視図である。
【図29】ロック状態の表示デバイス及び表示デバイスを有する制御デバイスと、部分起動状態の（ロッキングデバイスを起動する前の）制御デバイスの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図において、同じ参照番号は、同一又は類似の部品に使用され、好ましくは、関連の説明を繰り返さない場合でも対応するか又は同等の特性及び利点をもたらす。
【0044】
図１及び２は、流体２、特に、非常に有効な医薬組成物又は薬剤などを噴霧するための公知のネブライザ１を非引張状態（図１）及び引張状態（図２）で図式的に示している。ネブライザ１は、特に携帯用吸入器として構成され、好ましくは、機械的にのみ及び／又は推進剤ガスなしで作動する。
【0045】
流体２、好ましくは、液体、特に、医薬組成物を噴霧する時に、エアロゾル１４（図１）が形成又は小出しされ、これをユーザが吸い込み又は吸入することができる。一般的に、患者が罹っている症状又は病気に応じて少なくとも１日１回、特に、１日数回、好ましくは、設定された間隔で吸入を行う。
【0046】
ネブライザ１には、流体２を収容する挿入可能又は取替可能な容器３が備えられるか又はそれを含む。従って、容器３は、噴霧される流体２のためのリザーバを形成する。好ましくは、容器３は、２００までの投薬単位又は投薬量を提供し、例えば、すなわち、２００までの噴霧又は適用を可能にするのに特に十分な複数の投薬量の流体２又は活性物質を収容する。ＷＯ ９６／０６０１１ Ａ１において開示するような典型的な容器３は、例えば、約２〜２０ｍｌの容積を保持する。
【0047】
更に、容器３に収容される投与数及び／又は容器３に収容される流体２の全容積は、流体２又はそれぞれの薬剤に応じて及び／又は容器３に応じて及び／又は必要な薬物療法などに応じて異なる場合がある。
【0048】
好ましくは、容器３は、取り替える又は交換することができ、ネブライザ１の全使用回数及び従って同じネブライザ１と共に使用することができる容器３の数は、例えば、容器３の合計で４個又は５個に制限することが好ましい。ＷＯ ２０１２／１６２３０５ Ａ１は、更に、同じネブライザ１と共に使用することができる容器３の総数をそのように制限することを開示している。
【0049】
容器３は、好ましくは、実質的に円筒形又はカートリッジ形であり、ネブライザ１が開かれた状態で、容器３は、好ましくは、下からその中に挿入され、必要に応じて交換することができる。それは、剛性構造であることが好ましく、特に流体２は、容器３内の圧潰バッグ４に保持されている。特に、容器３は、最初に使用する前又は最初の使用中に開いている通気開口部又は孔２３を含む。
【0050】
ネブライザ１は、送出機構、好ましくは、特に事前設定されたかつ任意的に調節可能な投薬量の流体２を搬送及び噴霧するための圧力発生器５を含む。
【0051】
ネブライザ１又は圧力発生器５は、好ましくは、容器３を解除可能に保持するためのホルダ６、単に部分的に示すホルダ６に関連付けられた駆動バネ７、及び／又は好ましくは手動起動又は押し下げのためのボタンの形態の又はそれを有する阻止要素８を含む。阻止要素８は、ホルダ６を捕捉して阻止（ブロック）することができ、かつ手動で作動されてホルダ６を解除して駆動バネ７を拡張することを可能にすることができる。
【0052】
ネブライザ１又は圧力発生器５は、好ましくは、搬送チューブ９のような搬送要素、逆止弁１０、マウスピース１３の中に流体２を噴霧するための圧力チャンバ１１及び／又はノズル１２を含む。
【0053】
完全に挿入された容器３は、搬送要素が容器３をネブライザ１又は圧力発生器５に流体的に接続するように、ホルダ６を通じてネブライザ１に固定又は保持される。好ましくは、搬送チューブ９は、容器３内に貫通する。
【0054】
ネブライザ１又はホルダ６は、好ましくは、容器３を交換することができるように構成される。
【0055】
駆動バネ７が引張工程において軸線方向に引張された時に、容器３を有するホルダ６及び搬送チューブ９は、図面内では下向きに移動し、流体２は、容器３から吸い出されて逆止弁１０を通じて圧力発生器５の圧力チャンバ１１に入る。この状態において、ホルダ６は、駆動バネ７が圧縮されたままになるように阻止要素８によって捕捉される。そして、ネブライザ１は、引張状態にある。
【0056】
阻止要素８の起動又は押圧後の噴霧工程におけるその後の弛緩中に、圧力チャンバ１１中の流体２は、この時点で閉じたその逆止弁１０を有する搬送チューブ９が、駆動バネ７の弛緩又は力によってここでは図面で上方に圧力チャンバ１１に移動して戻り、かつこの時点で押圧ラム又はピストンとして作用する時に加圧下に置かれる。この圧力が流体２をノズル１２を通じて強制的に送り出すと直ちに、それは、図１に示すようにエアロゾル１４の中に噴霧され、従って、小出しされる。
【0057】
一般的に、ネブライザ１は、流体２に対して５〜２００ＭＰａ、好ましくは、１０〜１００ＭＰａのバネ圧で及び／又は１行程当たり１０〜５０μｌ、好ましくは、１０〜２０μｌ、最も好ましくは、約１５μｌの送出される流体２の容積で作動する。流体２は、エアロゾル１４に変換されるか又はエアロゾル１４として噴霧され、その液滴は、２０μｍまで、好ましくは、３〜１０μｍの空気動力学的直径を有する。好ましくは、発生するジェット噴霧は、２０°〜１６０°、好ましくは、８０°〜１００°の角度を有する。それらの値はまた、特に適切な値として本発明の教示によるネブライザ１にも当て嵌まる。
【0058】
ユーザ又は患者（図示せず）は、好ましくは、供給空気を少なくとも１つの任意的な供給空気開口部１５を通じてマウスピース１３内に吸い込みながらエアロゾル１４を吸入することができる。
【0059】
ネブライザ１は、好ましくは、ハウジング２４及び／又は（上側）ハウジング部分１６、及び好ましくはそれに対して回転可能であり（図２）及び／又は上側部分１７ａ及び下側部分１７ｂ（図１）を有する任意的な付勢又は内側部分１７を含む。
【0060】
ネブライザ１又はハウジング２４は、好ましくは、（下側）ハウジング部分１８を含む。この部分１８は、好ましくは、保持要素１９を使用して特に手動で作動可能及び／又は解除可能に固定され、特に内側部分１７の上に装着又は保持される。
【0061】
好ましくは、ハウジング部分１６及び１８及び／又は他の部分は、ネブライザ１のハウジング２４を形成する。
【0062】
容器３を挿入及び／又は取え替るために、好ましくは、ハウジング２４を開くことができ、及び／又はハウジング部分１８は、ネブライザ１、内側部分１７、又はハウジング２４から取り外すことができる。
【0063】
一般的にかつ好ましくは、容器３は、ハウジング２４を閉じる前及び／又はハウジング部分１８をハウジング２４に接続する前に挿入することができる。容器３は、ハウジング部分１８をハウジング２４／ネブライザ１に（完全に）接続する時及び／又はハウジング２４／ネブライザ１を（完全に）閉じる時に、自動で又は同時に送出機構に挿入され、開かれ、及び／又は流体的に接続することができる。好ましくは、容器３は、現在の容器を用いて最初にネブライザ１を引張する時に開かれるか又は流体的に接続される。
【0064】
好ましくは、ネブライザ１又は駆動バネ７は、特に、チャージ又は把持部材の起動により、ここでは好ましくはハウジング部分１８又はいずれかの他の構成要素を回転させることにより、手動で起動又は引張又は装填又はチャージすることができる。
【0065】
チャージ又は把持部材、好ましくは、ハウジング部分１８は、起動させて、ここでは上側ハウジング部分１６に対して回転させてそれを担持するか又は内側部分１７を駆動することができる。内側部分１７は、歯車又は伝達部に作用して回転を軸線方向移動に変換する。その結果、内側部分１７、特にその上側部分１７ａとホルダ６の間に形成されてホルダ６に作用する歯車又は伝達部（図示せず）を使用して、駆動バネ７を軸線方向に引張する。引張中に、容器３は、図２に示すように、容器３が端部位置を有するまで軸線方向下向きに移動する。この起動又は引張状態において、駆動バネ７は引張下にあり、阻止要素８によって捕捉又は保持することができる。噴霧工程中に、容器３は、駆動バネ７（の力）によって移動してその元の位置（図１に示す非引張位置又は状態）に戻る。従って、容器３は、引張工程中及び噴霧工程中に持ち上げ又は行程（ストローク）移動を実行する。
【0066】
ハウジング部分１８は、好ましくは、キャップ状下側ハウジング部分を形成し、及び／又は容器３の下側自由端部分の周り又はその上に適合する。駆動バネ７を引張すると、容器３は、その端部部分と共に（更に）ハウジング部分１８の中に又はその端面に向けて移動するが、ハウジング部分１８に配置された軸線方向に作用するバネ２０のような曝気手段は、容器３のベース２１と接触状態になり、容器３がそれと最初に接触する時に、容器３又はその上のベースシール又はホイル５０を穿孔要素２２で穿孔し、好ましくは、通気孔２３を開放又は穿孔することによって空気進入又は曝気を可能にする。通気孔２３は、ネブライザ１の起動中に容器３から流体２を引き込む時に、容器３の内側の圧力補償を可能にする。
【0067】
ネブライザ１は、好ましくはネブライザ１の引張又は上側部分１６又はハウジング２４に対する内側部分１７の引張又は回転を検出することにより、特にネブライザ１の起動を計数する表示デバイス２５を含むことが好ましい。好ましくは、計数デバイス２５又は関連のロッキングデバイス２５は、（更なる）起動又は使用に対してネブライザ１をロックし、例えば、ハウジング部分１８／内側部分１７の更なる回転、従って、ネブライザ１又はその駆動バネ７の引張を阻止し、及び／又はある一定数の起動又は作動又は放出投薬量が到達されるか又は超過された時に、ロック状態で阻止要素８の起動を阻止する。
【0068】
以下の更に別の図においてかつそれらを参照すると、ネブライザ１、容器３、表示デバイス２５、及び／又はロッキングデバイス２６の好ましい実施形態が、本発明により説明されかつ図示されており、最も重要な態様及び差異を以下に説明し、以前の態様、特徴、及び説明は、好ましくは、繰り返さなくてもそれに加えて又は相応に適用される。
【0069】
図３は、完全に閉じたネブライザハウジング２４、従って、閉じたハウジング部分１８と共に概略断面（長手方向断面）に非引張状態の本発明の第１の実施形態による容器３及び表示デバイス２５を有するネブライザ１を示し、提案する表示デバイス２５を含む容器３は、ネブライザ１及び／又はハウジング２４に挿入されるか又はその内部に受け入れられる。
【0071】
ネブライザ１は、好ましくは、軸線方向及び／又は主小出し方向及び／又は引張及び小出し中の容器３の行程移動に対応する細長い形態又は軸線を有する。
【0072】
図示の非引張状態において、ネブライザ１又はそのマウスピース１３は、好ましくは、マウスピースカバー２７によって閉じられる。マウスピースカバー２７は、好ましくは、ピボット回転可能であり、ネブライザ１を使用するためのマウスピース１３の開口を可能にする。
【0073】
好ましくは、表示デバイス２５は、容器３に直接に及び／又は解除不能に取りつけられるか又はそれに接続される。特に、表示デバイス２５は、それぞれの容器３に関連付けられる。ネブライザ１の容器３が取り替えられる場合に、表示デバイス２５も必ず又は能動的に取り替えられる。
【0074】
好ましくは、表示デバイス２５は、容器３の底部又は容器ベース２１に、及び／又は容器３の出口又はヘッド２８の反対側に固定的に配置される。
【0075】
好ましい実施形態において、表示デバイス２５は、好ましくは、容器３の外側ケース又は好ましくは剛性のハウジング２９に直接に接続されるか又はそこに当接される。
【0076】
好ましくは、表示デバイス２５及び容器３は、形状適合により及び／又はスナップ式に接続される。
【0077】
特に、表示デバイス２５は、容器３の（下側又は底部）縁部３０及び／又はいずれかの他の突起などにわたって取り囲み及び／又は把持する。本発明の実施形態において、縁部３０は、それが、容器３／容器ハウジング２９の側壁の本質的に円筒形の外形にわたって半径方向に突出するように僅かに広い直径である。
【0078】
表示デバイス２５の直径は、好ましくは、容器３又はその縁部３０の直径に少なくとも本質的に等しいか又は僅かにこれよりも大きい。
【0079】
縁部３０は、好ましくは、容器３又は容器ハウジング２９の側壁と底部又はベース２１との間に形成される。好ましくは、縁部３０は、フランジをつけるか、境界を付けるか、曲げるか、又は圧着することによって又はいずれかの他の適切な材料変形工程によって形成される。
【0080】
表示デバイス２５は、ハウジング３１を含み、及び／又は好ましくは少なくとも本質的に円筒形形態を有する。
【0081】
表示デバイス２５又はそのハウジング３１は、好ましくは、少なくとも本質的に平坦及び／又は軸線方向側で容器３又はそのベース２１又はハウジング２９に取りつけられる。
【0082】
表示デバイス２５又はそのハウジング３１は、好ましくは、表示デバイス２５を容器３と接続するための保持又は把持セクション３２を含む。好ましくは、把持セクション３２は、縁部３０を取り囲み、及び／又は縁部３０の周り又はそれにわたって把持する。
【0083】
本実施形態において、把持セクション３２は、好ましくは、環状であり、及び／又は縁部３０又は容器３の円周にわたって配置された位置で縁部３１にわたって把持する。
【0084】
好ましくは、表示デバイス２５及び容器３は、互いにスナップ式又はクリック接続によって接続される。好ましくは、容器３及び表示デバイス２５は、一方の部品を他方の上に軸線方向にスナップ結合することによって互いに接続される。
【0085】
好ましくは、把持セクション３２は、容器３がその縁部３０と共に軸線方向に入ることができるように半径方向に十分に弾性である。本発明の実施形態において、把持セクション３２は、好ましくは、それぞれ傾斜した挿入面を含み、環状把持セクション３２の中に又は周方向に配置された把持セクション３２の間への縁部３０の挿入を容易にする。
【0086】
他の構成的ソリューションが容器３又はそのハウジング２９を表示デバイス２５又はそのハウジング３１と接続するために実施可能であり、又はその逆も可能であることに注意しなければならない。特に、２つの部品は、これ加えて又はこれに代えて、溶接、ろうつけ、接着、ねじ込み、クランピング、又はホットプレスなどによって互いに接続することができる。
【0087】
図７は、本発明の好ましい実施形態による表示デバイス２５を概略分解組立図に示している。
【0088】
表示器又はそのハウジング３１は、好ましくは、上側部分３３及び下側部分３４を含む。
【0089】
好ましくは、上側部分３３は、把持セクション３２を保持又は形成する。
【0090】
表示デバイス２５は、好ましくは、表示要素３５及び関連の起動要素３６、及び／又は表示要素３５を回転送り（インデクシング、indexing）するために又は表示要素３５の回転送りを引き起こすための伝達部４０又は歯車４１を含む。
【0091】
表示デバイス２５は、それぞれの又は関連の容器３を用いて実施されたか又は依然として実施可能な使用回数を計数し、及び／又はそれを示すためのものである。好ましくは、表示要素３５は、それぞれの容器３を用いて既に実施されたか又は依然として実施可能な使用回数を少なくとも略示するために、１又は２以上の記号、数字、着色、又は陰影区域などのいずれかのマーキング３７を含む。本発明の実施形態において、表示要素３５は、好ましくは、回転可能であり、及び／又は少なくとも１つのマーキング３７を有する周方向壁又は外面を含む。
【0092】
表示器ハウジング３１は、好ましくは、窓３１ａを含み、特に関連付けられたマーキング３７を通じて周方向壁において、好ましくは、特に透明なハウジング部分１８を通じてユーザ又は患者に見える。
【0093】
起動要素３６は、好ましくは、起動アーム３８を含み、これは、次に、好ましくは、表示要素３５の直接又は間接起動又は回転送りのための自由又は起動端３９を含む。回転送りは、表示要素３５が一定分又は段階的に前方に移動されることを意味する。
【0094】
好ましいのは、起動要素３６又はそのアーム３８が伝達部４０を通じて表示要素３５を起動又は駆動するような間接起動又は駆動である。本発明の実施形態において、伝達部４０は、減速をもたらし、及び／又はウォームデバイスとして実現される。
【0095】
表示デバイス２５又は伝達部４０は、好ましくは、歯車４１及び／又はウォーム４２を含む。最も好ましくは、ウォーム４２は、歯車４１が、ウォーム歯車を形成し、好ましくは、ウォーム４２の少なくとも１つの回旋を形成する半径方向に突出した歯４３を含むように、歯車４１によって直接に形成される（図８及び９に示す装着された表示デバイス２５の水平又は軸線方向断面と比較されたい）。
【0096】
歯車４１は、好ましくは、心棒、特に、本発明の実施形態で実現するような軸線方向に両側に突出することができる１又は２以上の心棒セクション４４を含む。
【0097】
起動要素３６は、好ましくは、起動要素３６の移動方向に垂直な軸線の周りの歯車４１の回転を引き起こし、軸線は、好ましくは、起動要素３６の移動によって与えられる平面と同一又はそれと平行の水平面に配置される。
【0098】
歯車４１は、好ましくは、ハウジング３１又は下側ハウジング部分３４により、好ましくは、下側部分３４の２つの軸受セクション４５によって回転可能に保持される。好ましくは、軸受セクション４５は、心棒セクション４４を回転可能に保持するための凹部を含む。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0099】
ハウジング３１又は下側部分３４は、好ましくは、表示要素３５をそれが回転することができるように担持する。好ましい実施形態において、下側部分３４は、好ましくは、半径方向両側に配置され、表示要素３５を回転可能に担持するために軸線方向に突出した２つの軸受部分４６を含む。起動要素３５及び／又は伝達部４０は、好ましくは、少なくとも本質的には軸受部分４６の間に配置される。
【0100】
表示デバイス２５は、特に、起動要素３６を好ましい方向に付勢するために及び／又は表示要素３５を駆動するために、好ましくは、起動バネ４７を含む。
【0101】
図８は、起動状態の装着された表示デバイス２５を水平又は軸線方向断面に示し、ここで起動要素３６は、横向きに、つまり図３〜６に示す第１の位置から始まって図８に示す第２の位置の中に左側に向けて移動するか又は押されている。
【0103】
表示要素３５（図８及び９には示さず）の突起６０が軸線方向に延びることは図８及び９から分かり、少なくとも１つの突起６０は、常に、ウォームドライブが歯車４１と表示要素３５の間に形成されるようにウォーム４２に捕捉される。従って、歯車４１のあらゆる回転は、表示要素３５の減速回転に変換される。更に、歯車４１と表示要素３５の間、より正確には少なくとも１つの突起６０とウォーム４２の間で恒久的係合が保証される。しかし、他の構成的ソリューション又は歯車４１と表示要素３５の間の結合が実施可能である。
【0104】
図１０は、初期の第１の位置及び状態の装着された表示デバイス２５を斜視断面に示している。図１１は、類似の斜視断面であるが、解除された起動要素３６、すなわち、ロック状態が到達される直前の表示デバイス２５を示している。
【0105】
好ましくは、伝達部４０又は歯車４１は、表示要素３５の又はいずれかの他の伝達部構成要素の少なくとも１つの係合要素、特に内向きに又は軸線方向に突出する突起６０が常にウォーム４２において係合するように、少なくとも１つの回旋で、好ましくは、約１．５又はそれよりも多くの回旋でウォーム（螺旋状溝）４２を形成する。従って、その好ましくは横断軸線の周りの歯車４１の回転は、その好ましくは長手方向に向けられた回転軸の周りに表示要素３５の回転をもたらす。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0106】
好ましくは、歯４３は、突起が歯４３の間でウォーム４２の回旋内に確実に案内され、起動部分３９が望ましい方式で歯車４１を起動又は回転させるように、ウォーム４２の中に係合する突起６０と歯車４１の間で半径方向に依然として移動することができるように比較的長く及び／又は半径方向に十分に延びる。この目的のために、起動部分３９は、それぞれの突出部６０の下を移動することができるように、歯４３の間でそれぞれ深い切欠き部の中に係合することができる。
【0107】
表示デバイス２５は、好ましくは、穿孔部分４８を含む（図３〜６と比較されたい）。
【0108】
穿孔部分４８は、表示デバイス２５又はそのハウジング３１内に配置される。
【0109】
穿孔部分４８は、好ましくは、軸線方向に移動可能である。
【0110】
穿孔部分４８は、特に、通気孔２３を覆うホイル５０を破断又は穿孔することにより、それが容器３に向けて突出することができ及び／又は容器３の曝気開口部、好ましくは、通気孔２３を開くことができるように移動可能であることが好ましい。
【0111】
本発明の実施形態において、穿孔要素４８は、好ましくは、容器ベース２１を覆うホイル５０を開放又は穿孔することができる開放端又は先端４９、特に、容器３又はそのベース２１に形成された窪み５１を含む。好ましくは、窪み５１は、通気孔２３を形成する突破口を含む。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0113】
ネブライザ１又はハウジング部分１８は、好ましくは、ネブライザ１を使用する時に表示デバイス２５を駆動又は起動するために、特に、ネブライザ１のあらゆる引張及び／又は容器３のあらゆる（軸線方向又は行程状）移動に応答して表示デバイス２５を起動するための駆動部分５２を含む。
【0114】
好ましくは、駆動部分５２は、ハウジング部分１８に、特に、ハウジング部分１８の軸線方向端面又は底部５３上に配置又は形成される。
【0115】
好ましくは、駆動部分５２は、中心に配置され、及び／又は軸線方向に延びる。
【0116】
好ましくは、駆動部分５２は、少なくとも実質的に円筒形及び／又はピン状又はボルト状である。
【0117】
好ましくは、駆動部分５２は、ハウジング部分１８によって保持され、及び／又はハウジング部分１８によって一体的に形成される。
【0118】
好ましい実施形態において、容器３の移動、従って、引張（図面では下向き移動）中及び／又は加圧及び小出し（図面では上方移動）中の表示デバイス２５の移動、及び／又はそれぞれ非引張状態及び引張状態のそれぞれの端部位置の一方又は両方の移動は、表示デバイス２５を起動するために、すなわち、計数するために使用することができる。
【0119】
好ましくは、ネブライザ１内の容器３及び／又は表示デバイス２５の相対移動、より好ましくは、小出し中の移動は、表示デバイス２５を起動又はトリガ及び／又は計数するために使用される。
【0120】
ネブライザ１を引張し、及び／又は表示デバイス２５を下向きに移動する時に、駆動部分２５は、表示デバイス２５又はそのハウジング３１の挿入開口部５４を通じて、特に軸線方向に入り、又は係合する。
【0121】
好ましくは、駆動部分５２及び挿入開口部５４は、中心に配置され、及び／又は軸線方向に位置合わせされる。
【0123】
好ましくは、起動バネ４７は、起動要素３６を第１の位置へと付勢する。
【0124】
本発明の実施形態において、起動要素３６は、表示要素３５を回転送りするために、特に、それぞれ表示要素３５を駆動するように一方向に歯車４１を段階的に回転させるために第１及び第２の位置の間で前後に移動可能である。歯車４１のいずれかの回転が表示要素３５の減少回転に変換される時に、第１から第２の位置へ又はその逆の起動要素３６の全ての移動は、従って、表示要素３５の移動をもたらす。
【0125】
本発明の実施形態において、起動要素３６は、容器３又はネブライザ１の長手方向又は小出し方向に及び／又は容器３及び／又は表示デバイス２５の行程移動に対して横断方向に、好ましくは、垂直に移動可能である。
【0126】
好ましくは、起動要素３６は、より中心の第１の位置から第２の位置まで半径方向外向きに、特に、反対方向に起動要素３６を付勢する関連の好ましくは螺旋状起動バネ４７の力に対して移動する。
【0127】
第２の位置で、起動要素３６は、図８及び１２に示すように、歯車４１との係合から出てその起動アーム３８又は起動部分３９と共に移動している。
【0129】
（完全）引張状態において、容器３、より正確には曝気開口部又は通気孔２３は、少なくともネブライザ１が初めて容器３を用いて引張された時に開かれる。
【0130】
好ましくは、曝気のための容器３又は通気孔２３の開放は、特にホイル５０の穿孔又は破断によって実現される。
【0131】
開口又は穿孔は、駆動部分５２によって直接に達成することができる。これに代えて、開口又は穿孔は、駆動部分５２とは独立に、例えば、図２に示す実施形態と類似の穿孔要素２２を有する曝気バネ２０を使用して達成することができる。これに代えて、本発明の実施形態におけるように、開口又は穿孔は、好ましくは、駆動部分５２によって起動されることが好ましい穿孔部分４８を通じて間接的に達成することができる。
【0132】
好ましくは、穿孔部分４８は、個別の部品として形成され、及び／又は表示デバイス２５によって提供され、及び／又は表示デバイス２５内に配置される。
【0133】
好ましい実施形態において、穿孔部分４８は、図１０及び１１に概略的に示すように、表示デバイス２５、ハウジング３１、上側部分３２、及び／又は表示要素３５の支持構造５５によって軸線方向に移動可能に保持される。
【0134】
好ましくは、穿孔部分４８及び／又は支持構造５５は、表示デバイス２５の更に別の部品、例えば、表示要素３５又は表示器ハウジング３１、特に表示器ハウジング３１の上側部分３３との一体構成である。
【0135】
好ましくは、穿孔部分４８、支持構造５５、及び表示デバイス２５の更に別の部品は、射出成形工程でプラスチックで作られる。
【0136】
好ましくは、支持構造５５は、穿孔部分４８を軸線方向に移動可能に保持するための可撓性アーム又はリブを含む。
【0137】
これに代えて、穿孔部分４８は、個別の軸線方向に移動可能な部品として構成することができ、これは、穿孔先端４９が容器３から非引張状態で後退するように、任意的に容器３から離れて長手方向又は軸線方向に付勢するバネである。
【0138】
穿孔部分４８又はその先端４９は、好ましくは、表示デバイス２５又はそのハウジング３１内に受け入れられるが、起動状態において外向きに突出することができることに注意しなければならない。
【0139】
開口又は穿孔は、ネブライザ１を引張する度に、すなわち、容器３が引張状態でその端部位置が到達される度に繰り返すことができる。
【0140】
穿孔部分４８は、図３〜６に示すその後退又は初期位置に、特に、好ましくは、一体的に形成された付勢アーム又はバネなどにより、好ましくは、支持構造５５によって付勢することができる。
【0141】
穿孔部分４８は、軸線方向のあらゆる公差を補償するために可撓性アーム５６のような補償部分を含むことができる。そのような公差は、特に、製造中の変動、特に容器３及び／又は他の構成要素の長さの変動、表示デバイス２５と容器３の接続の変動、表示デバイス２５又はそのハウジング３１の長さの変動、ホルダ６内の容器３の軸線方向位置の変動などにより起こる可能性がある。従って、駆動部分５２の自由端と穿孔部分４８のカウンター面との間に様々な距離が得られる場合がある。この構成は、駆動部分５２及び穿孔部分４８が、望ましい穿孔を保証するようにあらゆる場合に協働するようなものである。
【0142】
補償部分は、容器３及び／又はネブライザ１のいずれかの他の構成要素のあらゆる損傷を回避するために、ここではアーム５６の半径方向屈曲により、予め決められた軸線方向力を超える時に軸線方向圧縮を可能にする。従って、好ましい実施形態において、駆動部分５２は、最初に穿孔部分４８を容器ベース２１に向けて穿孔位置の中に移動し、駆動部分５２の更なる軸線方向移動は、補償部分により、好ましくは、半径方向外向きに広がっている可撓性アーム５６によって補償され、穿孔部分４８の中心凹部（穿孔先端４９の反対側）に入るために駆動部分５２の先端に取って代わられる。
【0143】
穿孔部分４８は、たとえ穿孔部分４８がホイル５０又は穿孔位置に詰まり又は留まる場合でも曝気又は通気を阻止しないことを保証するために、好ましくは、少なくとも１つの軸線方向チャネル、特に先端４９の円周回りに周方向に配置された１又は２以上の軸線方向に延びる溝５７を含む。
【0144】
図１４は、図４、１２、及び１３と同様の拡大図で、加圧又は小出し工程の中間状態、すなわち、容器３が再度部分的に上方に移動した時を示している。この状態において、駆動部分５２は、起動要素３６が起動バネ４７の力によりその初期又は第１の位置に戻り始めるように、部分的に表示デバイス２５から又は挿入開口部５４を通じて引き戻されている。最後に、駆動部分５２の十分な引き戻しの後に、起動要素３６は、戻り移動が完了した時に図３〜６に示す第１の位置に戻る。
【0145】
容器３及び／又は起動要素３６の戻り移動は、好ましくは、表示デバイス２５又は歯車４１を起動させ、及び／又は検出又は計数される。特に、起動要素３６又はそのアーム３８又は起動部分３９は、戻り移動又は第２から第１の位置への移動を伝達部４０に伝達する。特に、この移動は、歯車４１の段階的回転を引き起こす。
【0146】
従って、本発明の実施形態において、小出し中のネブライザ１内の容器３及び／又は表示デバイス２５の移動は、好ましくは、表示デバイス２５を起動又はトリガするために及び／又は計数するために使用される。
【0147】
本発明の実施形態において、起動アーム３８又はその部分３９は、戻り移動中に歯車４１の１つの歯４３に対して当接し、従って、更に１段階の戻り移動により、時計回り方向に図面内で歯車４１を回転させる。
【0148】
好ましくは、表示デバイス２５は、伝達部４０又は歯車４１のあらゆる反回転を防止するラチェット５８を含む。本発明の実施形態において、ラチェット５８は、ハウジング３１、特に下側ハウジング部分３４から延び、及び／又は歯車４１又はその歯４３と噛み合うか又はその中に係合する可撓性アームによって形成される。
【0149】
端部位置において、すなわち、非引張状態において、駆動部分５２は、好ましくは、図３〜６に示すように、表示デバイス２５、表示器ハウジング３１、及び／又は挿入開口部５４から更に又は完全に後退する。
【0150】
伝達部４０又は歯車４１は、起動、特に、起動要素３６又はそのアーム３８／起動部分３９の（後方）移動を表示要素３５の回転送りに変換する。伝達部４０又は歯車４１の伝達比又は伝達関数は、減速又は非線形駆動又は回転送りを達成するように設計又は構成することができる。本発明の実施形態において、伝達部４０又は歯車４１は、好ましくは、望ましい減速を達成するためにウォームドライブを形成する。
【0151】
特に第１の位置から第２の位置への起動要素３６の移動は、起動アーム３８又はその起動部分３９が歯車４１との係合から出て移動するという結果をもたらし、特に、次の歯４３の上に引くことができる。それによって、アーム３８は、外に屈曲される。反対方向のその後の移動、すなわち、戻り移動又は第２から第１の位置への移動は、起動アーム３８又はその起動部分３９が次の歯４１と接触し、アーム３８の少なくとも本質的線形移動、より正確には、好ましくは、起動要素３６の線形移動を歯車４１の回転へと、より正確には、好ましくは、１つの歯４３による歯車４１の回転送りに伝達することができるという結果をもたらす。
【0152】
好ましくは、歯４３は、非対称であり、すなわち、起動アーム３８の前後移動及び係合によって１回転方向の段階的起動及び移動を容易にし、及び／又は保証するために、一方側及び他方側に別々に傾斜した肩部を含む。
【0153】
好ましくは、起動要素３６は、線形に移動可能であり、及び／又は摺動キャリッジを形成する。
【0154】
好ましくは、起動要素３６は、ハウジング３１、特にハウジング３１の下側部分３４によって移動可能に支持され及び／又は保持される。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0155】
起動バネ４７は、好ましくは、一方でハウジング３１又は下側部分３４と他方で起動要素３６との間で作用する。
【0156】
本発明の実施形態において、バネ４７は、好ましくは、それが少なくとも部分的に挿入開口部５４を閉鎖又は阻止するように、第１の位置で既に圧縮され及び／又は付勢され、及び／又は起動要素３６を付勢する。
【0157】
好ましくは、起動要素３６は、第１の位置の挿入開口部３２の中又はその上を保護するその部分に傾斜滑走面５９を含む。この面５９は、駆動部分５２の挿入、すなわち、その軸線方向移動又は当接が、起動要素３６の横断方向又は半径方向移動に変換されるように傾斜している。
【0158】
代替的に又は追加的に、そのような面５９はまた、斜面を使用して横断方向又は半径方向移動への軸線方向移動の望ましい変換を達成するように駆動部分５２に形成することができる。
【0159】
従って、伝達部４０又は歯車４１の起動又は回転は、好ましくは、起動バネ４７の力又はいずれかの他の圧力又はエネルギ貯蔵又はバネ手段によって達成することができる。これは、表示デバイス２５又はその表示要素３５を駆動するのに追加の力を必要としないという利点をもたらす。その結果、加圧及び小出し工程を妨げない。
【0160】
更に、伝達部４０／歯車４１の計数又は起動のトリガは、好ましくは、加圧又は小出し工程又は移動により、すなわち、流体２の実際の小出し中、すなわち、一般的に実際の使用又は吸入中に達成される。
【0161】
起動バネ４７は、好ましくは、挿入開口部５４の閉鎖に向けて起動要素３６を付勢する。
【0162】
通常、起動要素３６の移動は、ロック状態に到達される前にそれが挿入開口部５４を完全に閉鎖しないように制限される。この制限は、本発明の実施形態において、好ましくは、制御部６３が特に第１の位置で起動要素３６の戻り移動を制限するように当接する制御手段又は部分６２を通じて実現される。
【0163】
当接は、特に図１０に示されている。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0164】
容器３とのネブライザ１の使用回数に達するか又は表示デバイス２５によって検出又は表示される時の予め決められた使用回数が超過された後に、ロック状態に入り、ネブライザ１は、現在の容器３との更なる使用に対してロックされることになり、及び／又は容器３は、ネブライザ１との更なる使用に対してロックされることになる。
【0165】
特に、表示デバイス２５は、図４及び１２〜１４と類似の部品を示す図１５の概略的拡大で概略的に示すように、容器３の更なる使用を阻止し、及び／又はロック状態で挿入開口部５４を閉鎖又は阻止する阻止部分６１を含む。この図示の状態において、容器３は、その非引張位置に戻っており、駆動部分５２は、表示デバイス２５から後退している。最後の小出し又は加圧工程中に、表示デバイス２５は、表示要素３５を更に１段階移動し、予め決められた使用回数が到達されるか又は超過されたこと、従って、ロック状態に入るべきであることを検出又は表示している。
【0166】
本発明の実施形態において、表示要素３５は、好ましくは、更なる使用に対してネブライザ１又は現在の容器３のロッキングをもたらすロック状態の検出に対して起動要素３６を解除する制御部分６２を含む。
【0167】
好ましくは、制御部分６２は、阻止位置への阻止部分６１の移動を可能にするか又は開始する切欠き部又は凹部を含む。好ましくは、阻止部分６１は、阻止位置で、すなわち、ロック状態で挿入開口部５４を阻止又は閉じる。好ましくは、制御部分６２は、回転可能な表示要素３５の内側の壁又は隆起部である。
【0168】
好ましくは、阻止部分６１は、表示デバイス２５又はそのハウジング３１に一体化される。
【0169】
阻止部分６１は、好ましくは、容器又はネブライザ１の長手方向又は小出し方向に対して及び／又は容器３の行程移動の方向に対して横断方向又は垂直に移動可能である。
【0170】
好ましくは、阻止部分６１は、駆動部分５２の起動又は挿入移動を特に表示デバイス２５及び／又は駆動部分５２の（十分な）挿入に対して阻止する。
【0171】
好ましくは、阻止部分６１は、直線的に移動可能であり、及び／又は摺動キャリッジによって形成される。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0172】
好ましくは、阻止部分６１は、本発明の実施形態では、好ましくは、起動バネ４７又はいずれかの他の適切な付勢手段によってその阻止位置へと付勢される。
【0173】
好ましくは、阻止部分６１は、流体２の最後の投薬量が小出しされた後かつロック状態に入るか又は検出された時に、表示デバイス２５の挿入開口部５４を閉鎖又は阻止する。この検出は、好ましくは、阻止部分６１又は制御部６３のようなあらゆる関連の構成要素を最も好ましくはバネ力により、特に図１１に概略的に示すような起動バネ４７などの力により、制御部分６２を通じてロック状態にすることができるということで達成される。
【0174】
好ましくは、阻止部分６１は、起動要素３６と接続されるか又はそれによって形成され、又はその逆も可能である。最も好ましくは、阻止部分６１は、起動要素３６の壁又は側面、好ましくは、平坦側面を形成する。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0175】
本発明の実施形態において、起動要素３６は、ロック状態で第１の位置から第３の位置まで、すなわち、好ましくは、移動とは反対方向に第２の位置まで移動することができる。
【0176】
本発明の実施形態において、起動要素３６は、好ましくは、第３の位置（阻止位置）で完全に挿入開口部５４を閉じることができる。
【0177】
言い換えると、阻止部分６１の阻止位置は、好ましくは、起動要素３６の第３の位置に対応する。
【0178】
ロック状態又は第３の位置では、起動要素３６は、起動部分３９が、図１５に示すように歯車４１の回転方向に以前の歯４３を通過するように、起動アーム３８又はその部分３９と共に起動方向に更に移動している。
【0179】
好ましくは、起動要素３６は、ロック状態又は第３の位置（阻止位置）で容器３の更なる使用を阻止するように構成される。
【0180】
好ましくは、起動要素３６は、表示要素３５を回転送りするために第１及び第２の位置の間で前後に移動可能であり、ロック状態で容器３の更なる使用を阻止するように第３の位置まで移動可能である。
【0181】
特に、閉じた表示デバイス２５又は阻止部分６１は、特に、容器３が、上述のようなかつ通常の使用を防止するように通常の又は更なる使用の必要に応じて行程様式でネブライザ１の閉じたハウジングの内側で移動することができないという結果をもたらす。
【0182】
特に、表示デバイス２５又は挿入開口部５４のロッキングは、ネブライザ１及びハウジング部分１８が、ネブライザ１がもう一度引張された時又はそれが部分的に引張された時に少なくとも部分的に開かれるという結果をもたらす。図１６は、ネブライザ１のこの状態（部分的に開いたハウジング部分１８を有する部分的に引張されたネブライザ１）を概略的な長手方向断面に示している。引張工程中に、容器３は、表示デバイス２５と共に下向きに移動している。非引張状態（容器３の上側位置）から始まって、表示デバイス２５は、更なる通常の下向き移動が可能ではないように、通常は表示デバイス２５、ここでは駆動部分５２を起動する部材に対してその阻止部分６１／起動要素３６によって間もなく当接する。
【0183】
特に、阻止部分６１は、好ましくは、駆動部分５２が表示デバイス２５に挿入するのを防止し、又はロック状態でその挿入を制限することにより、ロック状態でネブライザ１の容器３の軸線方向可動性を制限する。ネブライザ１が引張された時に加わる力により、及び容器３の移動において生じた軸線方向力により、ハウジング部分１８は、ロック状態で軸線方向の更なる引張移動中に容器３及び表示デバイス２５と共に、外側に又はネブライザ１、内側部分１７、又は上側部分１６に対して移動することになる。
【0184】
容器３、表示デバイス２５、及びハウジング部分１８の上記共通下向き移動は、ネブライザ１においてハウジング部分１８のそれぞれ構成された締結により可能である。特に、保持力は、それを容器３の下向き移動によって打ち勝つことができるように選択又は設定される。
【0185】
本発明の実施形態において、保持要素１９は、ハウジング部分１８のそれぞれの保持凹部６５において保持ノーズ６４と係合し、その逆も可能である。従って、実質的に刻み目又は窪みを実現することができる。しかし、一方でノーズ６４及び他方で凹部６５の少なくとも本質的に半径方向に延びる当接肩部は、保持要素１９が半径方向に屈曲して保持係合に打ち勝つように、引張工程の軸線方向力がノーズ６４の係合によって凹部６５の中に提供される保持力に打ち勝つことができるように半径方向平面に対して好ましくは約１°〜５°だけ僅かに傾斜している。その結果、ハウジング部分１８は、下向きにも移動し、従って、少なくとも部分的にネブライザ１から押されるか又は上側ハウジング部分１６から分離され、及び／又は内側部分１７から押される。
【0186】
ハウジング部分１８のこの押すか又は軸線方向の変位又はネブライザ１のいずれかの他の開放は、好ましくは、ロッキングデバイス２６を使用して更なる使用に対してネブライザ１をロックするという結果をもたらす。従って、表示デバイス２５又はその阻止部分６１は、ロック状態でのネブライザ１の望ましいロッキングをネブライザ１の開放を通じて間接的に達成する。好ましくは、ハウジング部分１８は、ロッキングデバイス２６を起動又は制御するために機械的接続又はメカニカルカップリング（の一部）を形成する。
【0187】
しかしながら、ロッキングの、特に、ロッキングデバイス２６の（より）直接的起動もまた可能である。例えば、表示デバイス２５又はその起動要素３６又は阻止部分６１は、ロッキングデバイス２６、特に、ハウジング部分１８とは独立して起動する制御デバイス７５を介して、ロック状態に入るための又はロック状態のロッキングデバイス２６に直接作用するか又はこれを起動することができ、これは、図２１〜３０に示す第２の実施形態を参照して後で説明する。
【0188】
好ましくは、ロッキングデバイス２６は、ロック状態でネブライザ１の引張を阻止する。
【0189】
好ましくは、ロッキングデバイス２６は、移動可能なロッキング要素６６及び関連のロッキングバネ６７を含む。ロッキング要素６６は、好ましくは、ロック位置とアンロック位置の間で軸線方向に移動可能である。ロッキング要素６６は、好ましくは、ロッキングバネ６７によってロックされた位置へと付勢される。
【0191】
ロック位置では、ロッキング要素６６は、外側部分１６に対して内側部分１７の回転を阻止し、従って、ネブライザ１の（更なる）引張を阻止する。これは、好ましくは、ロッキング要素６６が、上述の相対回転を阻止するように上側部分１６に形成されたそれぞれのポケット６８の中に軸線方向に移動又は係合するということで本発明の実施形態において達成される。特に、ロッキング要素６６は、あらゆる更なる回転及び／又は戻り回転を防止するように、それぞれの凹部又はポケット６８の中に係合部分６９と係合する。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0192】
ロッキングデバイス２６、特にロッキング要素６６及びロッキングバネ６７は、好ましくは、内側部分１７に配置され及び／又は内側部分１７によって支持され及び／又は内側部分１７と上側部分１６の間を延びる。
【0193】
ネブライザ１、内側部分１７、又はロッキングデバイス２６は、好ましくは、ユーザ又は患者によるロッキングデバイス２６又はロッキング要素６６のあらゆる望ましくない操作を防止又は少なくとも複雑にするために、内側部分１７の下側部分１７ｂの少なくとも周囲でロッキングデバイス２６を覆うカバー７０を含む。
【0194】
図１８は、図１６と類似の概略断面であるが、ロッキングデバイス２６がアンロック位置に、すなわち、ロッキング要素６６が上側位置にあるネブライザ１を示している。ロッキングデバイス２６又はロッキング要素６６は、この位置にもたらされ、又は好ましくは単にネブライザ１を閉じることにより、特に、完全に取り付けられた又は閉じた位置にあるハウジング部分１８によってアンロックされる。
【0195】
図示の実施形態において、ハウジング部分１８は、図１８に示すように、ロッキングデバイス６６の中に及び／又はカバー７０の中に延び、及び／又はロッキング要素６６に軸線方向に当接し、及び／又はそれをそのアンロック位置（上側位置）に押し込む好ましくは指状及び／又は軸線方向に延びるアクチュエータ７１を含む。従って、完全に閉じたネブライザ１又はハウジング部分１８だけが、ロッキングデバイス２６をアンロックし、従って、ネブライザ１をアンロックする。
【0196】
アクチュエータ７１は、好ましくは、いずれの操作も可能ではなく又は少なくとも複雑であるようにハウジング部分１８内に配置される。
【0197】
ネブライザ１がロック状態にある時に、好ましくは、ネブライザ１又はそのハウジング部分１８が最終の引張工程によって部分的に開いている時に、容器３及び表示デバイス２５を有するネブライザ１のそのロック状態におけるあらゆる更なる使用は、可能ではない。ロッキングデバイス２６は、好ましくは、自動でロックする。好ましくは、ロッキングバネ６７は、ロッキング要素６６をロック位置内に付勢し、従って、ネブライザ１の少なくとも部分開放又はそのハウジング部分１８の（軸線方向）変位時に、ロッキングデバイス２６又はそのロッキング要素６６は、ロック位置内に移動することができ、又は移動する。
【0198】
好ましくは、ロッキング要素６６は、軸線方向に移動可能である（本質的に又は単に）。
【0199】
新しいか又はリセットされた表示デバイス２５を含む新しい容器３に対してそのロックした表示デバイス２５（阻止位置の阻止部分６１）を有する現在の容器３の交換後に、ネブライザ１又はそのハウジング部分１８は、再度完全に閉じることができる。従って、ネブライザ１又はそのロッキングデバイス２６は、再度アンロックすることができ又はアンロックされる。好ましくは、アクチュエータ７１は、ロッキング要素６６をそのアンロック位置に押し込んで戻す。
【0200】
従って、ロッキングデバイス２６は、好ましくは、ネブライザ１、そのハウジング２４、又はハウジング部分１８を（完全に）閉じることによって再度リセット又はアンロックされ、ネブライザ１は、以前のように新しい容器３と共に使用することができる。
【0201】
好ましくは、中心に配置され、及び／又は軸線方向に開き、及び／又はアクチュエータ要素、特に、上述の実施形態の駆動部分５２の軸線方向挿入を可能にする挿入開口部５４は、凹部、溝、又は窪みなどとしても形成することができ、及び／又はあらゆる向きに表示デバイス２５内のあらゆる位置又は場所に配置することができることに注意しなければならない。
【0202】
これに代えて、挿入開口部５４又はその閉鎖は省略することもできる。これに代えて、表示デバイス２５、起動要素３６、又は阻止部分６１は、更なる使用に対してネブライザ１又は容器３の直接又は間接ロッキングを引き起こすために、多かれ少なかれロッキングデバイス２６又は例えば保持要素１９又は阻止要素８と直接に連通するか又はそれを起動することができる。
【0204】
以下では、上述の説明及び態様がこれに加えて特に繰り返すことなく同じか又は類似の方式で適用されるように、関連の差異のみを説明する。
【0205】
修正実施形態において、起動アーム３８及び起動部分３９は、ウォームドライブの間、すなわち、歯車４１と従動部分（ここではつまり表示要素３５）の係合突起６０との間では係合しないが、ここでは好ましくは上からではなくて下からの図１９において、別の側又はウォームドライブの反対側で歯車４１と係合するか又はそれを起動する。特に、起動アーム３８は、多かれ少なかれ半径方向平面に、及び／又は起動バネ４７及び／又は阻止部分６１又は起動要素３６の摺動キャリッジ部分と多かれ少なかれ共通の平面に延びる。
【0206】
好ましくは、起動アーム３８又は部分３９は、容器３又は把持セクション３２の反対側で歯車４１と係合する。
【0207】
修正実施形態において、表示デバイス２５は、本発明の最初の実施形態で提供されている通り、好ましくはネブライザ１が引張された時に、すなわち、引張工程中に計数し、小出し工程中には計数しない。
【0208】
特に、起動要素３６又はそのアーム３８は、駆動部分５２が、表示デバイス２５、そのハウジング３１、又はその挿入開口部５４に挿入される時、及び／又は起動要素３６が、第１の位置から第２の位置まで移動する時、及び／又は起動要素３６が、駆動部分５２によって横断方向に押される時に伝達部４０又は歯車４１を駆動又は回転させる。反対方向に、起動アーム又はその起動部分３９は、歯車４１の次の歯４３を通過し、すなわち、歯車４１を駆動しない。
【0209】
修正実施形態において、表示デバイス２５又は計数は、起動バネ４７又はいずれかの他のバネ又はエネルギ貯蔵の力によるのではなく、ネブライザ１内の表示デバイス２５の相対移動によって又は駆動部分５２のような起動要素の挿入によって駆動される。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0210】
修正実施形態において、第３又はロッキング位置へのキャリッジ／起動要素３６／ロッキング部分６１の移動の阻止は、予め決められた使用回数が到達されるか又はそれを超えた時に引張中に解除される。次に、キャリッジ／起動要素３６／阻止部分６１は、計数が引張中に行われるので駆動部分５２に対して当接する。ネブライザ１が起動された時又は阻止要素８を押し下げる時に、ネブライザ１がトリガされ、流体２の（最後の）投薬量が噴霧される。この噴霧中に、キャリッジ／起動要素３６／阻止部分６１が、起動バネ４７又はいずれかの他のバネ手段の力により第３又はロッキング位置内に自由に移動するように、駆動部分５２は、表示デバイス２５又は挿入開口部５４から取り外される。
【0211】
次の引張中に、ネブライザ１又はそのハウジング２４又はハウジング部分１８は、駆動部分５２が、閉じた表示デバイス２５に対して、特に、挿入開口部５４を制限するか又は閉じる、キャリッジ／起動要素３６／阻止部分６１に対して当接する時に、部分的に開かれることになる。
【0212】
上述の実施形態において、表示デバイス２５の計数又は起動は、流体を小出しする時に、すなわち、駆動部分５２を挿入開口部５４から引き戻す時に起こるか又は行われる。そこでは、キャリッジ／起動要素３６／阻止部分６１は、キャリッジ／起動要素３６／／阻止部分６１が、第３又はアンロッキング位置に直接に更に移動することができるように、ネブライザ１の最後の使用又は小出し中、すなわち、第２の位置から第１の位置まで移動する時に解除される。従って、後のあらゆる小出しは可能ではない。
【0213】
いずれの場合にも、すなわち、上述の実施形態及び修正実施形態において、表示デバイス２５は、ロック状態でネブライザ１内の容器３の全軸線方向又は行程可動性を阻止し、及び／又はロック状態で少なくとも部分的にネブライザハウジング２４及び／又はハウジング部分１８の開放を特にネブライザ１が少なくとも部分的に最後に現在の容器３を用いて引張される時に引き起こす。
【0214】
更に、ネブライザ１又はそのハウジング２４又はハウジング部分１８の少なくとも部分開放によりネブライザ１は阻止（ブロック）され、特に、現在の容器３でこれ以上引張又はそれ以上使用することはできない。
【0215】
図１９及び２０は、非起動又は初期状態の及び／又は起動要素３６が第１の位置にある本発明による表示デバイス２６を示している。好ましくは、上方に及び／又は軸線方向に延びる制御部６３は、好ましくは、表示要素３５によって又はそこに形成された好ましくはリング状制御部分６２に対して当接する。好ましくは、制御部分６２は、制御部６３が中間を移動することができ、起動要素３６が第１及び第２の位置の間を自由に移動するように、表示要素３５の外壁までの半径方向距離を有するが、制御部分６２に対する制御部６３の当接は、第１の位置から更に第３の位置に向けて及び／又は更に挿入開口部５４の（完全）閉鎖までの起動要素３６の移動を防止する。
【0216】
好ましくは、突起６０は、歯状であり、及び／又はその自由端に向けて先細にされる。
【0217】
好ましくは、突起６０は、制御部分６２上に形成されるか又はそれと接続される。
【0218】
一般的に、挿入開口部５４には、好ましくは、円錐面又は縁部が設けられ、駆動部分５２などの挿入を容易にする。
【0219】
好ましくは、支持構造５５は、穿孔部分４８を好ましくは表示デバイス２５又はそのハウジング３１又はハウジング３１のそれぞれの開口部の中心に移動可能に保持するために１又は２以上の可撓性アームを形成するか又はそれを含み、その結果、穿孔部分４８は、通常は表示デバイス２５の内側に保持されるが、曝気を開放又は穿孔するために移動し、特に、外向きに及び／又は容器３に向けて突出することができる。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0220】
一般的に、表示デバイス２５及び容器３は、使用後に、特に、ロック状態に達した後に完全に取り替える必要がある分離不能なアセンブリ又はユニットを形成する。しかし、容器３及び表示デバイス２５は、ユーザ又は患者が組み立てることができるキットとして供給又は提供することも可能である。
【0221】
一般的に、表示デバイス２５は、それを再使用することができないように、ロック状態に達した後はリセットすることはできない。しかし、表示デバイス２５は、それをリセットして再使用することができるように修正することも可能である。この場合に、表示デバイス２５は、現在の容器３から分離して新しい（未使用）容器３と接続しなければならない。最も好ましくは、そのような容器交換は、自動で表示デバイス２５をリセットする。
【0222】
一般的に、起動要素３６又は阻止部分６１は、好ましくは、直線的に、特に、摺動キャリッジのように移動可能である。特に、摺動キャリッジが形成される。
【0223】
好ましくは、摺動キャリッジは、起動要素３６又は阻止部分６１のベース部分を形成する。
【0224】
好ましくは、摺動キャリッジ、起動要素３６、又は阻止部分６１は、図８及び９に概略的に示すように、両側に、好ましくは、挿入開口部５４の両側に摺動ガイド７２によって移動可能に保持される。好ましくは、ガイド７２は、起動要素３６又は阻止部分６１のそれぞれの縁部又はベース部分７３にわたって把持するハウジング３１又はその下側部分３４のそれぞれのレールなどによって形成され、望ましい摺動案内を形成する。しかし、他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0225】
好ましくは線形又はスレッド状の移動可能起動要素３６及び／又は阻止部分６１の代わりに、いずれかの他の運動、特に、半径方向及び／又はピボット回転移動が、特に挿入開口部５４を部分的に又は完全に閉じるために可能である。
【0226】
これに代えて、起動要素３６及び／又は阻止部分６１は、少なくとも１つの係合可能性をロックし、及び／又はロック状態でいずれかの他の構成要素を起動するために、又はネブライザ１及び／又は容器３をロックするために、表示デバイス２５又はそのハウジング３１から外向きに、好ましくは、横断方向に及び／又は表示器ハウジング３１の片側に移動することができる。
【0227】
代替的に又は追加的に、起動要素３６及び／又は阻止部分６１は、ロック状態でネブライザ１及び／又は容器３の更なる使用を阻止するようにロック状態で作動又は移動を制限又は防止するために、ハウジング部分１８及び／又はネブライザハウジング２４などの断面又は輪郭の中に係合又はそれに対して当接することができる。
【0228】
起動要素３６及び／又は阻止部分６１は、特に同じく半径方向に作用する時に、好ましくは、バネ４７又はいずれかの他のバネ手段によって付勢される。バネ又はバネ手段は、一体的に及び／又はプラスチック部品又はプラスチック部分によって形成することができる。これに代えて、螺旋又は時計バネ、又は螺旋バネ４７などのようないずれかの他のバネは、起動要素３６及び／又は阻止部分６１を好ましくはロック状態に付勢するために使用することができると考えられる。
【0229】
駆動部分５２が、直接に歯車４１を駆動又は起動することも可能である。この場合に、駆動部分５２は、好ましくは、ハウジング１８により、特にバネ手段（図示せず）を通じて、特に、軸線方向公差を補償し及び／又は駆動部分５２の半径方向又は横断方向屈曲を可能にするために弾性的に支持される。代替的に又は追加的に、駆動部分５２は、歯車４１に対する相対軸線方向移動の一方向にのみ歯車４１と係合するための横断方向屈曲が、一回転方向にのみ歯車４１を回転することを可能にするように、可撓性とすることができる。
【0230】
表示デバイス２５は、特に本明細書に引用によって組み込まれているＷＯ ２００９／０３７０８５ Ａ１の４ページの１９行〜１０ページの１３行に説明するようにいずれかの他の計数機構を含むことができる。そのような計数機構はまた、起動要素３６及び／又は阻止部分６１をトリガ、解除、又は起動することができる。この計数機構を使用する時に、回転可能な表示要素３５はまた、ロック状態でキャリッジ、起動要素３６、又は阻止部分６１を解除するか又はその解除を制御し、第３又はロッキング位置へ移動するか又は挿入開口部５４を閉じることができる。
【0231】
キャリッジ又は阻止部分６１は、計数とは独立していることも可能である。特に、駆動部分５２は、ＷＯ ２００９／０３７０８５ Ａ１などに示す計数機構のハブと係合し、及び／又はキャリッジ又は阻止部分６１を起動することなく表示デバイス２５又は計数を駆動又は起動することができる。この場合に、機能は、分離される。キャリッジ及び／又は阻止部分６１は、好ましくは、ロック状態で挿入開口部５４を制限又は閉じるためにのみ使用されるが、その計数機構又は伝達部４０の表示デバイス２５、又は表示要素３５などを起動又は駆動するためには使用されるものではない。
【0232】
容器３又は表示デバイス２５又は挿入開口部５４には、特に最初に使用する前に挿入開口部５４を覆う図１９にのみ概略的に示す任意的な保護体７４を備えることができる。
【0233】
好ましくは、保護体７４は、容器３及び／又は表示デバイス２５をネブライザ１又はハウジング部分１８内に挿入することができる前に取り外す必要がある。
【0234】
好ましくは、保護体７４は、表示デバイス２５又はそのハウジング３１にわたって及び／又は容器３にわたって横断方向に延び、及び／又は特にそれがネブライザ１又はハウジング部分１８内に嵌合しないように表示デバイス２５及び／又は容器３よりも大きい直径を有する。
【0235】
好ましくは、保護体７４は、不可逆的にのみ取り外すことができ、すなわち、取り外した後で再接続することはできない。
【0236】
好ましくは、保護体７４は、挿入開口部５４及び／又は表示デバイス２５を覆うか又は閉じる。
【0237】
好ましくは、保護体７４は、形状適合又は押込により、及び／又はスナップ装着で又はクリック装着で表示デバイス２５又は容器３に接続される。
【0238】
以下では、図２１〜図３０を参照して本発明によるネブライザ１の更なる又は第２の実施形態を説明するが、主として新しい特徴及び態様のみを説明し、前の説明は、特にたとえそれぞれの繰り返しを省略しても追加的に又はそれに対応して適用される。
【0239】
更なる実施形態において、ネブライザ１は、表示デバイス２５とロッキングデバイス２６の間で作用し又はこれらを結合し、ハウジング部分１８とは独立して働く制御デバイス７５を含み、特に、ロッキングデバイス２６を起動するため又はその間にネブライザ１の少なくとも部分的開放を要求又は開始しない。言い換えると、ネブライザ１は、ハウジング部分１８の部分的取り外し又は開放なしに制御デバイス７５を用いて（現在の）容器３で更なる使用に対してロックすることができる。従って、ネブライザ１のハウジングは、ロック状態で閉鎖され、内側は、ロック状態でも汚れ又は汚染物質の侵入から保護される。
【0240】
更なる実施形態において、制御デバイス７５又はそのあらゆる部品は、前述の実施形態において提供するように、駆動部分５２の機能を提供し及び／又は穿孔部分４８を駆動又は起動することができる。これに代えて、駆動部分５２に加えて制御デバイス７５を提供することができる。
【0242】
制御デバイス７５は、好ましくは、ネブライザ１の通常使用中（すなわち引張及び噴霧中、そしてネブライザ１の引張及び非引張状態）に維持される２つの異なる状態、つまり初期状態又は非起動状態を有する。更に、制御デバイス７５は、ロッキングデバイス２６を起動し又は解除し、又はネブライザ１のロック状態に入ろうとする時に起動状態を回復することができる。
【0244】
好ましくは、制御デバイス７５は、ハウジング部分１８に又はその中に位置する。特に、ハウジング部分１８はカップ状であり、制御デバイス７５は、少なくとも部分的にはハウジング部分１８内、好ましくは少なくとも部分的にはハウジング部分１８の底部に又はその近くに位置する。
【0245】
好ましくは、制御デバイス７５は、表示デバイス２５及び／又はロッキングデバイス２６、特にそのロッキング要素６６と協働又は係合するための起動部材７６を含む。
【0246】
図示の実施形態において、起動部材７６は、好ましくは、駆動部分７７、保持部分７８、及び／又は起動部分７９を含む。
【0247】
起動部材７６は、ハウジング部分１８に軸線方向に移動可能に、特に、リブ又はノーズ８０及び／又は凹部又は切り込み８１又は同様のものなどのそれぞれの案内手段を用いて保持又は装着される。この可動性は、メカニカルカップリングによってロッキングデバイス２６を起動してロック状態に入る時、そのロック状態の表示デバイス２５と駆動部分７７の間に生じる力の低減をもたらす。これはまた、表示デバイス２５の駆動のためのロバストな構成をもたらす。
【0248】
好ましくは、駆動部分７７は、保持部分７８の中心に配置され及び／又は容器３及び／又はネブライザ１の中心軸線と位置合わせされている。
【0249】
好ましくは、駆動部分７７は、容器３及び／又は表示デバイス２５に対して同軸に配置される。
【0250】
駆動部分７７は、好ましくは、保持部分７８から及び／又は容器３又は表示デバイス２５に向かって軸線方向に突出する。
【0251】
駆動部分７７は、好ましくはチューブ又はスリーブ状である。
【0252】
駆動部分７７は、好ましくは中心貫通開口部８２及び／又は自由端８３を含む。
【0253】
好ましくは、保持部分７８は、少なくとも本質的には板状であり及び／又は軸線方向又は行程（ストローク）方向に対して横に延びる。
【0254】
好ましくは、保持部分７８は、少なくとも本質的には板状であり及び／又は軸線方向又は行程（ストローク）方向に対して横に延びる。
【0255】
好ましくは、起動部材７６又は保持部分７８は、好ましくは円周上に及び／又は両側に位置する切欠き部８４、及び／又は１又は２以上の係合部分８５を含む。
【0256】
起動部分７９は、好ましくはアーム状であり及び／又は好ましくは軸線方向に又はネブライザ１の中心軸線又は容器３の移動の軸線と平行に延びる。
【0257】
好ましくは、起動部材７６又は起動部分７９は、容器３とネブライザ１の外壁の間及び／又は好ましくはカップ形下側ハウジング部分１８と内側部分１７の間及び／又は少なくとも初期状態で内側部分１７の中に延びる。
【0258】
好ましくは、制御デバイス７５、起動部材７６、又は起動部分７９は、表示デバイス２４の下側底部又は自由端からネブライザ１の内側部分１７及び／又は上側ハウジング部分１６に位置するロッキングデバイス２６に向けて上方に延びる軸線方向カップリングを形成することができる。
【0259】
制御デバイス７５は、好ましくは、制御デバイス７５の初期状態に対応する上側又は初期位置において起動部材７６又は保持部分７８を保持するための保持手段又はデバイス８６を含む。
【0260】
好ましくは、保持デバイス８６は、金属で、一体及び／又は型打ち部分によって形成される。
【0261】
好ましくは、保持デバイス８６は、初期状態で起動部材７６を保持及び／又は付勢するために、少なくとも１つの保持部分８７、ここでは複数の又は４つの保持部分８７、及び／又はばね部分、好ましくは複数のばね部分８８を含む。
【0262】
好ましくは、保持部分８７は、アーム状であり及び／又は保持デバイス８６の中心部分８９から上向き及び／又は軸線方向に突出する。
【0263】
好ましくは、保持部分８７は、特にその自由端で起動部材７６を保持し又は初期位置のその保持部分７８の上を把持し及び／又は係合部分８５又は保持部分７８に係合する。
【0264】
好ましくは、保持部分８７は、起動部材７６の上向き移動を制限し、すなわち軸線方向ストップを形成する。
【0265】
１又は２以上のばね部分８８は、起動部材７６を軸線方向上向きに及び／又は保持部分８７によって形成された軸線方向ストップに対して及び／又は初期位置の中に付勢する。
【0266】
特に、ばね部分８８は、下面に対して又は起動部材７６又は保持部分７８に対して下から当接する。
【0267】
好ましくは、ばね部分８８は、上向きに又は軸線方向に、特に起動部材７６又は保持部分７８に対して付勢される。
【0268】
好ましくは、ばね部分８８は、好ましくは大きな半径を有する少なくとも本質的にはＳ字形であり、及び／又は端部が付勢又は押圧される面の上を、滑らかに滑る湾曲した自由端を含む。
【0269】
ばね部分８８は、好ましくはアーム状であり及び／又は中心ベース部分８９によって保持される。
【0270】
保持デバイス８６は、好ましくは上側又は初期位置に及び／又は下側又はロックした位置に起動部材７６又は保持部分７８を固定するために、好ましくは制御部分９０を含む。
【0271】
好ましくは、制御部分９０はアーム状であり及び／又は中心部分８９によって保持される。好ましくは、中心部分８９は平坦なベースを形成する。
【0272】
好ましくは、制御部分９０は、図２２、２３、及び２６に概略的に示すように、固定部分９１、ここでは２つの固定部分９１を含み、下の又はあらゆる他の係合からの当接によって初期位置に保持部分７８を固定する。
【0273】
制御部分９０は、好ましくはアーム状であり及び／又はベース部分８９によって保持される。
【0274】
制御部分９０は、好ましくは上向きに及び／又は少なくとも本質的には軸線方向に延びる。
【0275】
好ましくは、制御部分９０は、制御面９２及び／又は案内面９３を含み又は形成する。ここで、面９２及び９３は、好ましくは制御部分９０の異なる傾斜を有する部品によって形成される。
【0276】
保持デバイス８６又は中心部分８９は、好ましくはネブライザ１のハウジング部分１８に、好ましくは軸端に及び／又はハウジング部分１８の底部に隣接して固定される。
【0277】
好ましくは、制御デバイス７５又は起動部材７６は、保持デバイス８６を制御するために、特に、起動部材７６が軸線方向に、特に初期位置からロックした位置に移動し又は押されるように、初期位置での保持又は固定を解除するための制御要素９４を含む。
【0278】
図示の実施形態において、制御要素９４は、好ましくは、特に図２４に示すように、中心又はシャフト部分９５、端部９６、及び／又はベース９７を含む。
【0279】
制御要素９４は軸線方向に移動可能であり、起動部材７６又は保持部分７８によって好ましくは保持され、特に、貫通開口部８２のそのシャフト部分９５で受け入れられて軸線方向に移動可能である。
【0280】
制御要素９４は上側位置へと、特に保持デバイス８６の好ましくは追加のばね部分９８によって軸線方向に付勢される。
【0281】
好ましくは、制御要素９４は、表示デバイス２５に向かって及び／又は駆動部分７７又はその自由端８３の上に軸線方向にその端部９６で突出する。
【0282】
好ましくは、追加のばね部分９８は、アーム状であり及び／又は中心部分８９によって保持される。
【0283】
すでに述べたように、保持デバイス８６は、好ましくは、型打ち及び曲げ部分として金属で作られる。これは、必要に応じて付勢又は上向き力を、特に２つのかなり異なる力で、一方でばね部分８８により、他方で追加のばね部分９８で提供することを容易にする。
【0284】
ベース９７は、図２１〜２３に詳細に示すように、制御要素９４が、起動部材７６において定められた軸線方向位置に保持され及び／又はその突き出た位置において付勢されるように、制御要素９４が好ましくは横に延び及び／又は更なる軸線方向（上向き）移動に対して軸線方向ストップを形成する。
【0285】
好ましくは、駆動部分７７にわたって外向きに又は軸線方向上向きに突き出た端部９６は、駆動部分７７又はその自由端８３が起動要素３６に作用できるように、及び／又は前に詳細に説明した駆動部分５２に類似した表示デバイス２５を起動／駆動することができるように、縮径する。これは、好ましくは、面５９のそれぞれの傾斜によって達成又はサポートされる。
【0286】
更に、表示デバイス２５の穿孔部分４８は、好ましくは駆動部分７７又はその自由端８３との軸線方向当接によってのみ軸線方向に起動及び／又は押し出されるが、制御要素９４に対する軸線方向当接はない。これは、好ましくは、穿孔部分４８が中空であるということ及び／又は制御要素９４の端部９６は、穿孔部分４８の可撓性アーム５６の間で係合することができるということで、達成され又は促進される。
【0287】
図示の実施形態において、ロッキングデバイス２６又はそのロッキング要素６６は、図１６〜１８に示すものとわずかに異なるように設計されるが同様に機能する。
【0288】
初期状態において、制御デバイス７５、特に起動部材７６又はその起動部分７９は、図２１及び２５に示すように、ロッキングデバイス２６又はロッキング要素６６に作用し又はこれを押して、特にそれをその非阻止又は上側位置に保持する。
【0289】
図２５は、図２１と類似の概略的断面であるが引張状態のネブライザ１を示す。この状態において、起動部材７６又は駆動部分７７は、本発明による第１の実施形態に対して前述のように、挿入開口部５４及び／又は表示デバイス２５と係合し又はその中に延びる。
【0290】
第２の実施形態において、制御デバイス７５又はその起動部材７６又はその駆動部分７７は、好ましくは駆動部分５２と同様に作用し又は働き、特に、表示デバイス２５又はその起動要素４６を駆動し又は起動し、及び／又は容器３の穿孔及び／又は穿孔部分４８の起動を開始する。
【0291】
ネブライザ１又は現在の容器３の予め決められた使用回数が到達されたか又はそれが超過された後、表示デバイス２５は、制御デバイス７５又はその起動部材７６を用いてロッキングデバイス２６を起動する。
【0292】
特に、制御デバイス７５は、容器３と共に噴霧及び引張中に軸線方向に移動可能な表示デバイス２５と、好ましくは、ネブライザ１の一部、ここでは噴霧及び／又は引張中に軸線方向に移動できない上側ハウジング部分１６内又はそこに配置されたロッキングデバイス２６との間にメカニカルカップリングを形成し又は可能にする。
【0293】
ロック状態において又はロック状態に入るために、表示デバイス２５又はその起動要素３６又はその阻止部分６１は、挿入開口部５４を閉鎖する。これは、特に、制御デバイス７５又は起動部材７６又は駆動部分７７及び／又は制御要素９４が、表示デバイス２５又はそのハウジング３１から及び／又は挿入開口部５４から外に引き戻された後又はその時、特に容器３が図２１に示すようにその上側軸線方向位置にある時に起こる。
【0294】
次の引張中に、表示デバイス２５は、制御デバイス７５又はその起動部材７６が、駆動部分７７を介して初期位置から図２７に示すロック位置の中に移動するように、制御デバイス７５に作用する。
【0295】
制御デバイス７５は、表示デバイス２５をロッキングデバイス２６と結合し、表示デバイス２５がロッキングデバイス２６を起動し又はその起動を開始することができ、又はロッキングデバイス２６がロック状態に入るのを開始することができるようにする。
【0296】
特に、制御デバイス７５は、挿入開口部５４が閉鎖し及び／又は起動要素３６がその第３又はロックした位置の中に移動した時、表示デバイス２５の軸線方向移動をロッキングデバイス２６の起動又は解除へと、伝達又は変換する。
【0297】
特に、表示デバイス２５（容器３と共に）の軸線方向移動の少なくとも一部は、起動部材７６も軸線方向に駆動又は移動させる。
【0298】
本発明の実施形態において、起動部材７６又は起動部分７９が初期位置からそのロックした位置に移動する時、起動部材７６又はその起動部分７９は、ロッキングデバイス２６から離れ又は内側部分１７の外に又はロッキング要素６６との係合から出て、軸線方向に移動する。
【0299】
次いで、ロッキングデバイス２６又はそのロッキング要素６６は、特にロッキングばね６７又は同様のものの力により、ロックした位置へと移動して（現在の容器３による）更なる使用に対してネブライザ１をロックする。この状況は、図２７及び図２８に示された図２７の丸で囲まれた区域の部分拡大で示されている。この状態は、特に、これらの説明が好ましくは追加的に又はそれに対応して適用されるように、図１６及び１７に関連して説明された状態に基本的に類似している。
【0300】
ロック状態において、ロッキングデバイス２６又はそのロッキング要素６６は、上側ハウジング部分１６に対する内側部分１７のあらゆる（更なる）回転、従ってネブライザ１又は駆動ばね７のあらゆる更なる引張を阻止する。その結果、ネブライザ１は、ネブライザがその完全な引張状態に達しているならば、すなわち、ロッキングデバイス２６がこの状態に達する前に引張をロックしていないならば、最後の一回だけ使用することができる。
【0301】
図２９は、初期状態と起動状態の間の中間位置に表示デバイス２５及び制御デバイス７５を概略拡大で示す。表示デバイス２５は、そのロック状態、すなわち挿入開口部５４が閉鎖している状態を回復している。表示デバイス２５は、制御要素９４がすでに起動されているように、すでに軸線方向に又は部分的に下向きに移動している。特に、制御要素９４又はシャフト部分９５の端部９６は、表示デバイス２５が下向きに移動している時、表示デバイス２５又はその起動要素３６又は阻止部分６１に対して突出して最初に当接する。従って、制御要素９４もまた、下向きに又は軸線方向に、特に、起動部材７６又は駆動部分７７又は保持デバイス８６又はその制御部分９０に対して移動する。
【0302】
制御要素９４は、好ましくは、保持デバイス８６又はその制御部分９０を制御する。
【0303】
好ましくは、制御要素９４の起動又は軸線方向（下向き）移動は、保持デバイス８６又はその制御部分９０の解除又は阻止解除を開始する。
【0304】
好ましくは、制御要素９４は、そのベース９７で制御部分９０又はその制御面９２に対して作用し、制御要素９４の下向き移動が、半径方向及び／又は外向きに制御部分９０の屈曲をもたらすようにする。
【0305】
好ましくは、制御要素９４は、そのベース９７で制御部分９０又はその制御面９２に対して作用し、制御要素９４の下向き移動が、制御部分９０の屈曲をもたらして起動部材７６のあらゆる軸線方向下向き移動が固定部分９１によってもはや阻止されないようにする。
【0306】
図２９は、部分起動位置にある制御要素９４、すなわち、すでに下向きに押された制御要素９４、及び阻止解除位置にある制御部分９０、ここでは外向きに屈曲し及び／又は切欠き部８４と一直線になって側方にその固定部分９１と共に移動した制御部分９０、を示し、その結果、起動部材７６又はその保持部分７８は、表示デバイス２５の（更なる）軸線方向移動によって軸線方向及び／又は下向きに自由に移動する。
【0307】
好ましくは、制御要素９４を起動して制御デバイス７５を阻止解除し、又は起動部材７６が初期位置からハウジング部分１８の下端にある位置に向かって移動できるようにする。
【0308】
起動部材７６は、好ましくは表示デバイス２５により、特にその行程状移動によって初期位置からハウジング部分１８の下端にある位置に移動する。特に、表示デバイス２５は、その起動要素３６又は阻止部分６１で、駆動部分７７の自由端８３に対して当接し、従って、ここでは軸線方向に及び／又は下向きに、ロッキングデバイス２６を起動する状態に起動部材７６を移動し又は押す。ロッキングデバイス２６は、起動部材７６が（下側）端部又は完全起動位置に達する前にすでに起動部材７６によって起動することができることは注目する必要がある。これは、端部部分に達する前、すなわち、ネブライザ１がその（完全）引張状態に達する前に容器３又は表示デバイス２５の下向きに移動する間にすでにネブライザ１の阻止を可能にしている。
【0309】
図３０は、制御デバイス７５又は起動部材７６が、特に、起動部分７９をロッキングデバイス２６又はロッキング要素６６との係合から出て移動させることによって、ロッキングデバイスが起動された位置に達した時の状況を、図２９に類似した概略断面で示す。
【0310】
表示デバイス２５による下向き押し出しにより、起動部材７６は、ハウジング部分１８の下側（閉鎖）端部に向かって移動する。起動部材７６のこの下向き又は軸線方向移動は、制御部分９０又はその案内面９３によってサポートされるのがよい。特に、制御部分９０は、起動部材７６が完全起動位置又はハウジング部分１８の下端の位置に達した時に、特に図２９に示す起動位置から後方又は内向きに屈曲する。
【0311】
部分又は完全起動位置において、起動部材７６又はその起動部分７９は、好ましくは、ロッキングデバイス２６又はそのロッキング要素６６から離れて引き戻され又は軸線方向に移動し、ロッキングデバイス２６が、直接的に又は自動的に、ここではロッキング部分６６をロッキング位置へと付勢するロッキングばね６７により、又は上側部分１６に対する内側部分１７の回転による次の可能性が生じる時、上側部分１６に対する内側部分１７のあらゆる更なる回転を阻止することによる更なる使用に対してネブライザ１をロックし、従って、ネブライザ１のあらゆる更なる引張をロックする。
【0312】
第１の実施形態と同様に、ロッキングデバイス２６又はそのロッキング要素６６は、新しい表示デバイス２５を有する新しい容器３と、現在の容器３及びその表示デバイス２５とを取り替えた後、ネブライザ１の再利用のために再び解除又はアンロックすることができる。制御デバイス７５は、好ましくは自動的にリセットされ、又は制御デバイス７５は、好ましくは、容器３の取替時に初期位置に自動的に戻される。
【0313】
好ましくは、制御デバイス７５は、再利用することができる。この場合、起動部材７６は、初期又は上側位置に戻ることができる。
【0314】
好ましくは、制御デバイス７５又はその起動部材７６は、ネブライザ１を開放し又はハウジング部分１８を自動的に取り外す時に、特に、少なくとも１つのばね部分８８により初期位置又は上側位置に戻る。他の構成的ソリューションも同様に可能である。
【0315】
これに代えて、第３の実施形態（図示せず）において、制御デバイス７５はまた、それ自体がロック状態にロックされ、すなわち再利用することはできない。この場合、ネブライザを新しい又は取り替えた容器と共に再利用しようとするときは、容器３及び表示デバイス２５とともに、制御デバイス７５を含むハウジング部分１８を取り替える必要がある。
【0316】
第３の実施形態において、制御デバイス７５又は起動部材７６は、再利用又は解除に対してロックした位置又は起動位置にロックされる。特に、起動部材７６は、初期位置への戻りに対して阻止される。従って、すでに使用され又はロックしている制御デバイス７５を用いてネブライザ１を再利用するために、ロッキングデバイス２６又はそのロッキング要素６６をアンロックすることはできない。その代わり、ネブライザ１を再利用しようとする場合、未使用又は新しい制御デバイス７５は、関連する表示デバイス２５を有するすでに使用された容器３の取替後に、特に新しいハウジング部分１８と共に使用する必要がある。
【0317】
ロックした位置又は起動位置における起動部材７６の任意的なロッキングは、好ましくは、制御部分９０によって又は保持デバイス８６上に形成された柔軟な指部（図示せず）によって達成される。指部は、起動部材７６の下向き移動によって半径方向外向きに屈曲し、戻り移動に関して当接を形成することができる。例えば、起動部材７６のロッキングは、ロックした位置に起動部材７６を保持する制御部分９０又はその保持面９３によって、又は図２４及び３０に示す初期位置への起動部材７６の（完全な）軸線方向戻りを阻止する制御部分９０の１つ又は２つの阻止部分９９（図２１〜３０とは異なる形に成形された、例えば、滑走湾曲なしの）によって達成又は実現することができる。特に、制御部分９０は、起動部材７６がロックした位置又は起動位置に達した時に、特に図２９に示す起動位置から後方又は内向きに屈曲することができる。
【0318】
第３の実施形態において、ロッキングデバイス２６又はそのロッキング要素６６は、表示デバイス２５を有する現在の容器３と、新しい表示デバイス２５を有する新しい容器３とを取り替えた後、かつ制御デバイス７５と、初期状態の新しい制御デバイス７５とを取り替えた後に、ネブライザ１の再利用のために再度解除又はアンロックすることができる。
【0319】
上述のように、説明する実施形態の個々の特徴、態様、及び／又は原理は、必要に応じて互いに組み合わせることもでき、図示したネブライザ１において特に使用することができるが、類似の又は異なるネブライザにおいても使用することもできる。
【0320】
様々な実施形態の特徴は、組み合わせるか又は交換することができる。
【0321】
独立型機器などとは異なり、提案するネブライザ１は、好ましくは、携帯式であるように設計され、特に移動式手動デバイスである。
【0322】
しかし、提案するソリューションは、本明細書で具体的に説明するネブライザ１だけではなく、他のネブライザ又は吸入器、例えば、粉末吸入器又はいわゆる計量式投薬吸入器に使用することもできる。
【0323】
好ましくは、流体２は、上述のような液体、特に、水性医薬製剤又はエタノール医薬薬剤である。しかし、それはまた、何らかの他の医薬薬剤又は懸濁液などである場合がある。
【0324】
代替実施形態により、流体２はまた、粒子又は粉末を含むことができる。この場合に、排出ノズル１２の代わりに、何らかの他の種類の供給デバイス、特に、流体を粉末などに供給するための排出開口部（図示せず）又は供給チャネル（図示せず）をマウスピース１３の中に設けることができる。任意的な空気供給開口部１５は、次に、マウスピース１３を通して呼吸又は吸入するのに十分な容積の空気流を発生又は可能にするために、好ましくは、並行して周囲空気を供給するように機能する。
【0325】
必要に応じて、流体２は、推進剤ガスを使用して噴霧化することもできる。
【0326】
好ましい薬液２の好ましい原料及び／又は製剤は、特に、本明細書に引用によって組み込まれているＷＯ ２００９／１１５２００ Ａ１、好ましくは２５〜４０ページに、又はＥＰ ２，６１４，８４８ Ａ１、段落００４０〜００８７に列挙されている。特に、それらは、水性又は非水性溶液、混合液、又はエタノール含有又はいかなる溶剤も含まない製剤などである場合がある。
【0327】
参照番号のリスト１ ネブライザ
２ 流体
３ 容器
４ バッグ
５ 圧力発生器
６ ホルダ
７ 駆動バネ
８ 阻止要素
９ 搬送チューブ
１０ 逆止弁
１１ 圧力チャンバ
１２ ノズル
１３ マウスピース
１４ エアロゾル
１５ 空気供給開口部
１６ 上側ハウジング部分
１７ 内側部分
１７ａ 内側部分の上側部分
１７ｂ 内側部分の下側部分
１８ ハウジング部分（下側部分）
１９ 保持要素
２０ 曝気バネ
２１ 容器ベース
２２ 穿孔要素
２３ 通気孔
２４ ネブライザハウジング
２５ 表示デバイス
２６ ロッキングデバイス
２７ マウスピースカバー
２８ ヘッド
２９ 容器ハウジング
３０ 容器縁部
３１ 表示器ハウジング
３１ａ 窓
３２ 把持セクション
３３ 上側部分
３４ 下側部分
３５ 表示要素
３６ 起動要素
３７ マーキング
３８ 起動アーム
３９ 起動部分
４０ 伝達部
４１ 歯車
４２ ウォーム
４３ 歯
４４ 心棒セクション
４５ 軸受セクション
４６ 軸受部分
４７ 起動バネ
４８ 穿孔部分
４９ 穿孔先端
５０ ホイル
５１ 窪み
５２ 駆動部分
５３ 底部
５４ 挿入開口部
５５ 支持構造
５６ 可撓性アーム
５７ 溝
５８ ラチェット
５９ 面
６０ 突起
６１ 阻止部分
６２ 制御部分
６３ 制御部
６４ 保持ノーズ
６５ 保持凹部
６６ ロッキング要素
６７ ロッキングバネ
６８ ポケット
６９ 係合部分
７０ カバー
７１ アクチュエータ
７２ 摺動ガイド
７３ ベース部分
７４ 保護体
７５ 制御デバイス
７６ 起動部材
７７ 駆動部分
７８ 保持部分
７９ 起動部分
８０ ノーズ
８１ 切り込み
８２ 貫通開口部
８３ 自由端
８４ 切欠き部
８５ 係合部分
８６ 保持デバイス
８７ 保持部分
８８ ばね部分
８９ 中心部分
９０ 制御部分
９１ 固定部分
９２ 制御面
９３ 案内面
９４ 制御要素
９５ シャフト部分
９６ 端部
９７ ベース
９８ 追加のばね部分
９９ 阻止部分