(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記LVT無機物は、リン酸化物、リン酸ホウ素、スズフッ化物、ニオブ酸化物及びタングステン酸化物のうち一種以上をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の無機膜転写用基板。
前記無機絶縁膜の一部は、ゲート絶縁膜であることを特徴とする、請求項8に記載の有機発光装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外部環境に対する優秀な密封特性及びフレキシブル特性を長時間維持できる薄膜密封層を備える有機発光装置の製造方法、無機膜転写用基板及び有機発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、第2基板上に、低温粘度変化(Low Temperature Viscosity Transition: LVT)無機物を含む少なくとも一つの予備無機膜を形成するステップと、第1基板上に、少なくとも一つの有機発光部を形成するステップと、前記第2基板及び前記第1基板のうち少なくとも一つのエッジに沿って、接着剤を塗布するステップと、前記予備無機膜と前記有機発光部とが互いに対向するように、前記接着剤により、前記第2基板と前記第1基板とを接合するステップと、前記予備無機膜を、前記LVT無機物の粘度変化温度以上の温度でヒーリングして、前記有機発光部を覆うように、無機膜を転写するステップと、を含む有機発光装置の製造方法が提供される。
【0007】
本発明の他の側面によれば、第2基板上に、LVT無機物を含む少なくとも一つの予備無機膜を形成するステップと、第1基板上に、少なくとも一つの有機発光部を形成するステップと、前記第1基板及び有機発光部上に、前記有機発光部を覆うように、少なくとも一層の第1有機膜を形成するステップと、前記第2基板及び前記第1基板のうち少なくとも一つのエッジに沿って、接着剤を塗布するステップと、前記予備無機膜と前記第1有機膜とが互いに対向するように、前記第2基板と前記第1基板とを前記接着剤により結合するステップと、前記予備無機膜を、前記LVT無機物の粘度変化温度以上の温度でヒーリングして、前記第1有機膜を覆うように、無機膜を転写するステップと、を含む有機発光装置の製造方法が提供される。
【0008】
前記無機膜を、前記第2基板から分離させるステップをさらに含んでもよい。
【0009】
前記第2基板は、ガラス、プラスチックまたはメタルを含んでもよい。
【0010】
前記有機膜を形成するステップ及び/または前記第1有機膜を形成するステップは、硬化性前駆体を提供するステップと、前記硬化性前駆体を硬化させるステップとを含んでもよい。
【0011】
前記硬化性前駆体を提供するステップを、フラッシュ蒸発法を利用して行ってもよい。
【0012】
前記硬化性前駆体を硬化させるステップを、UV(紫外線)硬化、赤外線硬化またはレーザ硬化を利用して行ってもよい。
【0013】
前記予備無機膜を形成するステップは、前記LVT無機物の粉末を含むペーストを、前記第2基板上に塗布するステップと、前記ペーストを焼成するステップとを含んでもよい。
【0014】
前記予備無機膜を形成するステップは、前記LVT無機物の粉末を含む分散液を、前記第2基板上にスプレー法により塗布するステップと、前記分散液を熱処理するステップとを含んでもよい。
【0015】
前記第2基板と前記第1基板とを接合するステップは、真空、減圧または水分や酸素の影響がない不活性雰囲気で行われて、前記第2基板と前記第1基板との間を真空状態にするステップであってもよい。
【0016】
前記LVT無機物の粘度変化温度は、前記LVT無機物に流動性を提供できる最小温度であってもよい。
【0017】
前記LVT無機物の粘度変化温度は、前記有機発光部に含まれた物質の変性温度のうち最小値より低くてもよい。
【0018】
前記LVT無機物は、スズ酸化物を含んでもよい。
【0019】
前記LVT無機物は、リン酸化物、リン酸ホウ素、スズフッ化物、ニオブ酸化物及びタングステン酸化物のうち一種以上をさらに含んでもよい。
【0020】
前記LVT無機物は、SnO;SnO及びP
2O
5;SnO及びBPO
4;SnO,SnF
2及びP
2O
5;SnO,SnF
2,P
2O
5及びNbO;またはSnO,SnF
2,P
2O
5及びWO
3;を含んでもよい。
【0021】
前記転写するステップは、前記LVT無機物の粘度変化温度以上ないし前記有機発光部に含まれた物質の変性温度のうち最小値未満の範囲で、前記予備無機膜を熱処理するステップを含んでもよい。
【0022】
前記転写するステップは、80℃ないし132℃の範囲で、1時間ないし3時間、前記予備無機膜を熱処理するステップを含んでもよい。
【0023】
前記転写するステップを、真空雰囲気または不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
【0024】
前記転写するステップは、前記予備無機膜にレーザを照射してスキャニングするステップを含んでもよい。
【0025】
前記第2基板と前記予備無機膜との間に介在するように、少なくとも一層の第2有機膜を形成するステップをさらに含んでもよい。
【0026】
前記無機膜を、前記第2基板から分離させるステップは、前記第2有機膜にレーザを照射して、前記第2有機膜を、前記第2基板から分離させるステップを含んでもよい。
【0027】
前記第2有機膜は、前記無機膜の少なくとも一部を覆うように形成されてもよい。
【0028】
本発明のさらに他の側面によれば、第1基板と、前記第1基板の一面に形成され、LVT無機物を含む少なくとも一層の無機膜と、を備える無機膜転写用基板が提供される。
【0029】
前記無機膜と前記第1基板との間に介在する少なくとも一層の有機膜をさらに備えてもよい。
【0030】
前記有機膜は、耐熱有機物を含んでもよい。
【0031】
前記LVT無機物の粘度変化温度は、前記LVT無機物に流動性を提供できる最小温度であってもよい。
【0032】
前記LVT無機物は、スズ酸化物を含んでもよい。
【0033】
前記LVT無機物は、リン酸化物、リン酸ホウ素、スズフッ化物、ニオブ酸化物及びタングステン酸化物のうち一種以上をさらに含んでもよい。
【0034】
前記LVT無機物は、SnO;SnO及びP
2O
5;SnO及びBPO
4;SnO,SnF
2及びP
2O
5;SnO,SnF
2,P
2O
5及びNbO;またはSnO,SnF
2,P
2O
5及びWO
3;を含んでもよい。
【0035】
前記第2基板は、ガラス、プラスチックまたはメタルを含んでもよい。
【0036】
本発明のさらに他の側面によれば、第1基板と、前記第1基板の一面に形成された有機発光部と、LVT無機物を含み、前記有機発光部を覆う無機膜と、前記無機膜と接するように、前記無機膜上に位置し、前記第1基板と対向した第2基板と、を備える有機発光装置が提供される。
【0037】
前記無機膜と前記有機発光部との間に介在する第1有機膜をさらに備えてもよい。
【0038】
前記無機膜は、前記有機発光部を覆うように、前記有機発光部上に転写されてもよい。
【0039】
前記第2基板と前記無機膜との間に介在する第2有機膜をさらに備えてもよい。
【0040】
前記第1基板と第2基板との間に介在し、前記有機発光部の外側に位置する接着剤をさらに含んでもよい。
【0041】
前記LVT無機物の粘度変化温度は、前記LVT無機物に流動性を提供できる最小温度であってもよい。
【0042】
前記LVT無機物は、スズ酸化物を含んでもよい。
【0043】
前記LVT無機物は、リン酸化物、リン酸ホウ素、スズフッ化物、ニオブ酸化物及びタングステン酸化物のうち一種以上をさらに含んでもよい。
【0044】
前記LVT無機物は、SnO;SnO及びP
2O
5;SnO及びBPO
4;SnO,SnF
2及びP
2O
5;SnO,SnF
2,P
2O
5及びNbO;またはSnO,SnF
2,P
2O
5及びWO
3;を含んでもよい。
【0045】
前記第2基板は、ガラス、プラスチックまたはメタルを含んでもよい。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、外部環境に対する優秀な密封特性及びフレキシブル特性を長時間維持できる薄膜密封層を提供できるところ、長寿命かつフレキシブルな有機発光装置を具現できる。
【0047】
また、本発明によれば、生産性をさらに向上させることができる。
【0048】
さらに、本発明によれば、有機発光装置の薄膜密封層の製造をさらに容易にすることができ、量産を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本発明の一実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図2】
図1のII部分についての部分断面図である。
【
図3】
図1のIII部分についての部分断面図である。
【
図4】本発明の他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図6A】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図6B】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図6C】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図6D】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図6E】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図6F】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図6G】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図6H】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図6I】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図6J】
図1の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図7】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図8】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図10A】
図9の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図10B】
図9の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図10C】
図9の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図10D】
図9の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図10E】
図9の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図10F】
図9の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図10G】
図9の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図10H】
図9の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図11】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図で ある。
【
図12】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図で ある。
【
図13】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図14A】
図13の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図14B】
図13の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図14C】
図13の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図14D】
図13の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図14E】
図13の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図14F】
図13の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図14G】
図13の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図14H】
図13の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図14I】
図13の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図15】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図16】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図17】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図18A】
図17の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図18B】
図17の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図18C】
図17の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図18D】
図17の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図18E】
図17の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図18F】
図17の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図18G】
図17の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図18H】
図17の有機発光装置の製造方法の一具現例を概略的に示す図面である。
【
図19】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【
図20】本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0051】
図1は、本発明の一実施形態の製造方法による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
図2は、
図1のII部分についての部分断面図であり、
図3は、
図1のIII部分についての部分断面図である。
【0052】
図1ないし
図3に示したように、第1基板1の一面に、有機発光部2が形成されており、該有機発光部2を、有機膜3と無機膜4の積層体が覆うように、前記積層体が第1基板1上に形成される。
【0053】
前記第1基板1は、ガラスで形成された基板であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、金属またはプラスチックで形成された基板であってもよい。前記第1基板1は、ベンディング可能なフレキシブル基板であるが、この時、ベンディング半径が10cm以下となる基板である。
【0054】
第1基板1上に形成された有機発光部2は、
図2に示したように、第1電極21、第2電極22、及び第1電極21と第2電極22との間に介在する有機発光膜23の積層体を備える。
【0055】
図示していないが、前記有機発光部2は、各画素当たり一つの画素回路を備え、前記画素回路は、少なくとも一つの薄膜トランジスタ(図示せず)及びキャパシタ(図示せず)を備える。
【0056】
前記第1電極21は、前記薄膜トランジスタと電気的に連結される。
【0057】
前記第1電極21と第2電極22は互いに対向しており、有機発光膜23により互いに電気的絶縁が維持される。前記第1電極21は、そのエッジが画素定義膜24により覆われ、画素定義膜24及び第1電極21の上部に、有機発光膜23及び第2電極22が形成される。少なくとも前記第2電極22は、全体の画素をいずれも覆うように、共通電極として形成され、前記第1電極21は、画素ごとに独立した構造で形成される。
【0058】
前記第1電極21は、第1基板1の上部に、第1電極用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などを利用して提供することによって形成される。前記第1電極21がアノードである場合、正孔の注入が容易であるように、第1電極用物質は、高い仕事関数を有する物質のうち選択される。前記第1電極21は、反射型電極、半透過型電極または透過型電極である。第1電極用物質としては、透明かつ伝導性に優れた酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO
2)、酸化亜鉛(ZnO)などを利用できる。または、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム・リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム・インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを利用すれば、前記第1電極21を反射型電極として形成することも可能である。
【0059】
前記第1電極21は、単一層または二層以上の多層構造を有する。例えば、前記第1電極21は、ITO/Ag/ITOの三層構造を有するが、これに限定されるものではない。
【0060】
前記第1電極21の上部には、有機発光膜23が備えられている。
【0061】
前記有機発光膜23は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入機能と正孔輸送機能とを同時に有する機能層、バッファ層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち一層以上を備える。
【0062】
前記有機発光膜23には、例えば、下記のような化合物301,311及び321のうち一つ以上が含まれている。
【化1】
【0063】
有機発光膜23の上部には、第2電極22が備えられている。前記第2電極22は、 電子注入電極のカソードであるが、この時、前記第2電極形成用金属としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びそれらの混合物を使用できる。具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム・リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム・インジウム(Mg−In)、マグネシウム・銀(Mg−Ag)などを薄膜として形成して、反射型、半透過型電極または透過型電極が得られる。一方、前面発光装置を得るために、ITO,IZOを利用した透過型電極を形成するなど多様な変形が可能である。
【0064】
第1基板1の方向に画像が具現される背面発光型構造の場合、前記第2電極22の厚さを相対的に厚く形成して、第1基板1の方向への発光効率を向上させることができる。
【0065】
第2電極22の方向に画像が具現される前面発光型構造の場合、前記第2電極22の厚さを薄く形成して、第2電極22を半透過反射膜にするか、または第2電極22を、前述した物質以外にも透明な導電体で形成する。もちろん、その場合には、第1電極21が、反射膜をさらに備える。
【0066】
図1ないし
図3には示していないが、前記第2電極22の上部には、保護層が備えられる。前記保護層は、有機発光部2上に、第1有機膜31及び/または無機膜4のようにある膜を形成する時、第2電極22が損傷することを防止するためのものである。例えば、LiF、リチウムキノレート、Alq3などの物質を利用できる。
【0067】
図1ないし
図3による実施形態において、前記有機発光部2は、第1有機膜31、無機膜4及び第2有機膜32が順次に積層された積層体により覆われ、該積層体によって、前記有機発光部2は、外気から遮断されるように密封される。
【0068】
この時、前記積層体は、
図3に示したように、少なくとも一つの環境性要素51または51′のエッジを取り囲むように、前記環境性要素51または51′と接して備えられる。
【0069】
前記環境性要素51または51′は、本発明の有機発光表示装置の形成工程で必然的に付着した粒子であるが、有機物及び/または無機物を含む。例えば、外部環境から流入した微細粒子(例えば、外部環境に存在するほこり、塵など)、有機発光部2の形成時に使われた物質として、有機発光部2上に残留する微細粒子(例えば、第2電極22の成膜後に残留する第2電極22の形成用物質からなる微細粒子)などであるが、前記環境性要素51または51′の成分は、各種の有機物、無機物、有無機/複合体など非常に多様である。
【0070】
図3において、前記環境性要素51または51′は、第2電極22上に位置する。
図3には示していないが、第2電極22内にまたは下部に位置することもあり、これによって、有機発光部2の上面が所定の屈曲を有する。また、
図3には示していないが、前記環境性要素は、第1有機膜31の上部面301に位置することもある。
【0071】
前記環境性要素51または51′は、有機発光部2が形成された後には、洗浄のようなウェット工程により除去できない。
【0072】
前記環境性要素51または51′は、サイズが1ないし5μmであるが、小さい環境性要素51′は、第1有機膜31により埋め込まれ、大きい環境性要素51は、第1有機膜31上に露出される。
図3において、環境性要素51または51′は、便宜上、異なるサイズの二つの球形粒子として示されている。
【0073】
前記無機膜4は、第1有機膜31の厚さより厚く位置するため、第1有機膜31により埋め込まれず、第1有機膜31上に露出された環境性要素51を覆う。
【0074】
前記第1有機膜31は、ポリマー物質で形成される。前記ポリマー物質は、アクリルを含む。
図2に示したように、前記第1有機膜31の上部面301は、平坦に形成される。
この時、第1有機膜31の下部面302は、画素定義膜24により形成された屈曲に沿って形成されるため、平坦でない部分を有する。このように、前記第1有機膜31は、上部面301の平坦な部分と、下部面302の平坦でない部分とが互いに対向する。
【0075】
前記第1有機膜31は、このように上部面301が平坦に形成されているため、
図3に示したように、前記環境性要素51と接する境界での厚さt31が、前記環境性要素51と離隔した部分での厚さt32とほぼ同一になる。これは、下部面302に
図2のような屈曲がある部分を除いては、均一な厚さに形成されるということを意味する。したがって、有機発光部2を全体の面積にわたって均一に保護することができる。
【0076】
前記無機膜4は、第1有機膜31上に成膜されるが、これによって、前記無機膜4は、前記第1有機膜31と面方向に互いに接して備えられる。
【0077】
前記無機膜4は、低温粘度変化(Low Temperature Viscosity Transition: LVT)無機物を含む。前記無機膜4は、後述するように、溶けた後で凝固されて形成される。
【0078】
前記LVT無機物は、粘度変化温度の低い無機物である。
【0079】
本明細書において、粘度変化温度は、前記LVT無機物の粘度が固体から液体に完全に変わる温度を意味するものではなく、前記LVT無機物に流動性を提供できる最小温度、すなわち、前記LVT無機物の粘度が変化する最小温度を意味する。
【0080】
LVT無機物の粘度変化温度は、前記有機発光部2に含まれた物質の変性温度より低い。例えば、前記LVT無機物の粘度変化温度は、前記有機発光部2に含まれた物質の変性温度のうち最小値より低い。
【0081】
前記有機発光部に含まれた物質の変性温度とは、前記有機発光部に含まれた物質の化学的及び/または物理的変性をもたらす温度を意味するものであって、有機発光部に含まれた物質の種類及び個数によって、複数個存在する。
【0082】
例えば、前記LVT無機物の粘度変化温度、及び有機発光部に含まれた物質の変性温度は、LVT無機物、及び有機発光部2の有機層23に含まれた有機物のガラス転移温度Tgを意味する。前記ガラス転移温度は、LVT無機物、及び有機発光部2の有機層23に含まれた有機物に対して、熱重量分析法(Thermo Gravimetric Analysis: TGA)又は熱機械分析法(Thermo Mechanical Analysis: TMA)を行うことによって測定される。
【0083】
前記ガラス転移温度は、例えば、有機発光部2に含まれた物質に対して、TGA又はTMA及び示差走査熱量測定法(Differential Scanning Calorimetry: DSC)を利用した熱分析(N
2雰囲気、温度区間:常温ないし600℃(10℃/min)−TGA又はTMA、常温ないし400℃−DSC、Pan Type:単回使用Al Pan内のPt Pan(TGA又はTMA)、単回使用Al pan(DSC))を行った結果から導出され、これは、当業者が容易に認識できるものである。
【0084】
前記有機発光部2に含まれた物質の変性温度は、例えば、130℃を超えるが、これに限定されるものではなく、有機発光部2に含まれた物質に対して、前述したようなTGA又はTMA分析を通じて容易に測定できればよい。
【0085】
前記有機発光部2に含まれた物質の変性温度のうち最小値は、例えば、130℃ないし140℃である。例えば、前記有機発光部2に含まれた物質の変性温度のうち最小値は、132℃であるが、これに限定されるものではなく、前記有機発光部2に含まれた物質の変性温度のうち最小値は、有機発光部2に含まれた物質に対して、前述したようなTGA又はTMA分析を通じてTgを求めた後、多様なTgのうち最小値を選択することによって決定される。
【0086】
例えば、前記LVT無機物の粘度変化温度は、80℃以上、例えば、80℃以上132℃未満の範囲であるが、これに限定されるものではない。例えば、前記LVT無機物の粘度変化温度は、例えば、80℃ないし120℃、または100℃ないし120℃であるが、これらに限定されるものではない。例えば、前記LVT無機物の粘度変化温度は、110℃である。
【0087】
前記LVT無機物は、一種の化合物であっても、二種以上の化合物からなる混合物であってもよい。
【0088】
前記LVT無機物は、スズ酸化物(例えば、SnOまたはSnO
2)を含む。
【0089】
前記LVT無機物がSnOを含む場合、前記SnOの含量は、20重量%ないし100重量%である。
【0090】
例えば、前記LVT無機物は、リン酸化物(例えば、P
2O
5)、リン酸ホウ素(BPO
4)、スズフッ化物(例えば、SnF
2)、ニオブ酸化物(例えば、NbO)及びタングステン酸化物(例えば、WO
3)のうち一種以上をさらに含むが、これらに限定されるものではない。
【0091】
例えば、前記LVT無機物は、
−SnO;
−SnO及びP
2O
5;
−SnO及びBPO
4;
−SnO,SnF
2及びP
2O
5;
−SnO,SnF
2,P
2O
5及びNbO;または
−SnO,SnF
2,P
2O
5及びWO
3;を含むが、これらに限定されるものではない。
【0092】
例えば、前記LVT無機物は、下記の組成を有するが、これらに限定されるものではない。
【0093】
1)SnO(100wt%);
2)SnO(80wt%)及びP
2O
5(20wt%);
3)SnO(90wt%)及びBPO
4(10wt%);
4)SnO(20ないし50wt%),SnF
2(30ないし60wt%)及びP
2O
5(10ないし30wt%)(ここで、SnO,SnF
2及びP
2O
5の重量和は、100wt%である);
5)SnO(20ないし50wt%),SnF
2(30ないし60wt%),P
2O
5(10ないし30wt%)及びNbO(1ないし5wt%)(ここで、SnO,SnF
2,P
2O
5及びNbOの重量和は、100wt%である);または
6)SnO(20ないし50wt%),SnF
2(30ないし60wt%),P
2O
5(10ないし30wt%)及びWO
3(1ないし5wt%)(ここで、SnO,SnF
2,P
2O
5及びWO
3の重量和は、100wt%である)。
【0094】
例えば、前記LVT無機物は、SnO(42.5wt%),SnF
2(40wt%),P
2O
5(15wt%)及びWO
3(2.5wt%)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0095】
かかる組成で無機膜4を形成する場合、粘度変化温度を、前記有機発光部2に含まれた物質の変性温度より低く維持することができるので、後述する無機膜に対するヒーリング工程で、無機膜4に形成される多様な形態の欠陥をヒーリングすることができる。
【0096】
前記無機膜4は、
図3に示したように、成膜性要素52を含む。前記成膜性要素52は、無機膜4の成膜工程で、第1有機膜31上に蒸着された無機物パーティクルであるが、これは、後述するように、ヒーリング工程でヒーリングされて、無機膜4の一部分を構成する。
【0097】
前記無機膜4は、
図3に示したように、前記環境性要素51上に設けられるため、その下部面402が平坦でない屈曲を有する。この時、無機膜4の上部面401が平坦に形成される。これは、後述するように、無機膜についてのヒーリング工程で、無機膜が流動性を有する後で凝固されるためである。したがって、前記無機膜4は、上部面401の平坦な部分と、下部面402の平坦でない部分とが互いに対向する。
【0098】
前記無機膜4は、このように上部面401が平坦に形成されているため、
図3に示したように、前記環境性要素51と接する境界での厚さt31が、前記環境性要素51と離隔した部分での厚さt32と同一になる。これは、下部面402に
図3のような屈曲がある部分を除いては、均一な厚さに形成されるということを意味する。したがって、有機発光部2を全体の面積にわたって均一に保護することができる。
【0099】
前記無機膜4は、
図1に示したように、第1有機膜31より広い面積で形成されて、そのエッジがいずれも第1基板1と接することが望ましい。したがって、第1有機膜31は、無機膜4により完全に覆われた構造となり、この時、無機膜4が第1基板1と接しているため、無機膜4の第1基板1との接合特性が向上し、外気の有機発光部2への浸透をさらに堅固に遮断することができる。図示していないが、前記有機発光部2は、前述したように、薄膜トランジスタを備える画素回路をさらに備えるので、前記無機膜4は、前記画素回路を構成する膜、例えば、薄膜トランジスタを構成する層のうちいずれの絶縁膜とも接する。例えば、薄膜トランジスタを構成する層のうち、ゲート絶縁膜の延びた部分と前記無機膜4とが接することも可能である。この場合にも、薄膜トランジスタを構成する絶縁膜が、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンのような無機絶縁膜であるため、無機膜4が第1基板1と接する場合と同一及び/または類似した特性を表すことができる。
【0100】
前記無機膜4の少なくとも一部は、第2有機膜32により覆われる。
【0101】
前記第1有機膜31と第2有機膜32は、同一な有機物である。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、前記第2有機膜32は、耐熱性有機物を使用してもよい。もちろん、この場合にも、前記耐熱性有機物の基本組成は、前記第1有機膜31の組成と同一及び/または類似している。
【0102】
前記第2有機膜32の構造は、
図1に示したように、無機膜4の上部面を覆うように形成されるが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、
図4に示したように、第2有機膜32′が無機膜4の全体を覆うように形成されてもよい。この時、
図4のように、第2有機膜32′が無機膜4のエッジの一部を覆わないが、必ずしもこれに限定されるものではなく、無機膜4をそのエッジまで含めて完全に覆ってもよい。
【0103】
また、
図5に示したように、第2有機膜32″が無機膜4の上部面を含む側面の一部を覆うように形成されてもよい。
【0104】
図1、
図4及び
図5に示した構造の第2有機膜32,32′,32″は、無機膜4を外部衝撃などから保護し、前述したように無機膜4のベンディング特性を補完する。
【0105】
図示していないが、前記第2有機膜32,32′,32″を覆うように、別途の無機膜及び/または無機膜/有機膜の積層体を少なくとも一つ以上さらに成膜する。この時の無機膜は、前述したLVT無機物を利用したヒーリング工程により形成されたものであるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、シリコン系酸化物及び/またはシリコン系窒化物及び/またはアルミニウム系酸化物及び/またはアルミニウム系窒化物のように、無機膜4とは異なる成分の無機物も適用可能である。
【0106】
次いで、
図6Aないし
図6Jを参照して、
図1の有機発光装置の製造方法の一例を説明する。
【0107】
まず、第2基板11上に、第2有機膜32を少なくとも一つ以上形成する。
図6Aには、第2基板11上に第2有機膜32が三つ形成されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、少なくとも一つ以上形成されていればよい。第2基板11上に、第2有機膜32が複数形成される場合には、同時に複数の有機発光装置を製造できるので、生産性が向上する。
【0108】
前記第2基板11は、透明なガラス基板が使われるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、プラスチック基板も適用可能である。
【0109】
第2有機膜32は、前記第2基板11の既定の領域上に形成されるが、スクリーン印刷またはスリットコーティング工程を経て形成される。前記第2有機膜32は、透明アクリルまたは耐熱性高分子物質などで、1ないし100μmの厚さに形成されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、前述したように第1有機膜31と同じ物質で形成されてもよい。
【0110】
前記第2有機膜32は、後述するように、無機膜4を第2基板11から剥離させるための機能及び/または第2基板11の平坦化機能を有する。レーザによる第2基板11との剥離時に損傷されないように、耐熱性有機物を含む。
【0111】
前記第2有機膜32は、例えば、1ないし100μmの厚さに形成されるが、
図6Aに示したように、部分的にコーティングされてパターニングされているため、エッジが、後述する第1有機膜31とは異なり、第2基板11の表面から直角に延びる。
【0112】
前記第2有機膜32の面積は、後述する無機ペースト4′の面積より大きく、無機ペースト4′をいずれも覆い包む。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、前記第2有機膜32の面積は、無機ペースト4′の面積より小さく、無機ペースト4′が第2有機膜32をいずれも覆ってもよい。
【0113】
図6Aでは、前記第2有機膜32が偏平な膜として形成されるが、これば、
図1の有機発光装置を製造するためのものであって、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、
図4及び/または
図5に示した有機発光装置を製造する場合には、第2有機膜32の中央が凹むように形成してもよい。
【0114】
次いで、
図6Bに示したように、前記各第2有機膜32上に、LVT無機物を含む無機ペースト4′を印刷する。
【0115】
前記無機ペースト4′は、前述したLVT無機物を含むが、一例によれば、SnO−SnF
2−P
2O
5−WO
3組成のLVT無機物を含む。前記LVT無機物を粉末状によく混ぜて、500℃、1時間の間溶融させた後で常温急冷して、均質のガラス質の物質を確保する。該ガラス質の物質を粉末状に用意する。この粉末を、バインダー及びソルベントなどと適量混ぜて、一定の粘度の無機ペースト4′を生成する。前記バインダーとしては、エチルセルロースが使われ、ソルベントとしては、テルピネオールが使われる。無機ペースト4′の粘度は、約10,000ないし100,000CPとなる。
【0116】
かかる無機ペースト4′を、通常約20,000ないし100,000CPの粘度で、約3ないし10μmの厚さに印刷する。印刷は、スクリーンプリンティング法またはスリットコーティング法が使われる。スリットコーティング法では、部分的にスリットがオープンされて、所望の領域のみを部分的にコーティングする。
【0117】
次いで、
図6Cに示したように、印刷した無機ペースト4′を、窒素雰囲気、真空雰囲気、またはアルゴン雰囲気で焼成して、無機ペースト4′内に混合していたソルベントとバインダーとを除去した後、温度を上げて焼結させて、予備無機膜4″にする。焼結後の予備無機膜4″は、表面がある程度の均質性を有するガラス質となる。
【0118】
前記無機ペースト4′は、前記LVT無機物の粉末を含む分散液を、前記第2有機膜32上にスプレーコーティングして形成した膜である。この場合、前記分散液で形成された無機ペースト4′の焼成及び/または焼結の代わりに、熱処理工程を通じて予備無機膜4″を形成する。
【0119】
図6B及び
図6Cでは、前記予備無機膜4″を、無機ペースト4′を利用した印刷法を例示したが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、LVT無機物を、スパッタリング、真空蒸着法、低温蒸着法、プラズマ化学気相蒸着法(Plasma Chemical Vapor Deposition: PCVD)、プラズマイオン支援蒸着法(Plasma-ion Assisted Deposition: PIAD)、フラッシュ蒸着法、電子ビームコーティング法、またはイオンプレーティング法などにより、前記第2有機膜32上に成膜してもよい。もちろん、この場合、マスクを利用して、特定の領域、例えば、第2有機膜32の上部にのみ形成されてもよい。
【0120】
図6Dに示したように、第2基板11のエッジに接着剤12を塗布する。接着剤12は、閉ループ状に形成され、閉ループの内側には、前述した第2有機膜32と予備無機膜4″とが位置する。
【0121】
次いで、
図6Eに示したように、有機発光部2及び第1有機膜31が形成されたマザー基板1′を用意する。有機発光部2は、前述した通りである。
【0122】
前記第1有機膜31を形成するステップは、前記第1有機膜31に含まれた硬化性前駆体を提供するステップと、前記硬化性前駆体を硬化させるステップとを含む。
【0123】
前記前駆体は、常温で1ないし100cpの粘度を有し、300℃ないし500℃の沸点を有する前駆体であって、熱硬化性または光硬化性の前駆体である。例えば、前記前駆体は、アクリレート系前駆体(モノアクリレート、ジメタクリレート、トリアクリレートなど)を含むが、これらに限定されるものではない。前記硬化性前駆体は、一種の化合物であっても、二種以上の異なる化合物の混合物であってもよい。
【0124】
前記硬化性前駆体を有機発光部2に提供するステップは、フラッシュ蒸発法を利用して行うが、これに限定されるものではない。
【0125】
次いで、有機発光部2に提供された硬化性前駆体を、公知の硬化方法を利用して硬化させる。例えば、前記前駆体は、UV(紫外線)硬化、赤外線硬化、レーザ硬化などによって硬化されて、第1有機膜31として成膜されるが、これらに限定されるものではない。
【0126】
前記第1有機膜31の厚さは、1μmないし10μmである。前記第1有機膜31の厚さが、前述したような範囲を満足する場合、前記有機膜31内に、
図3に示したような環境性要素51または51′の一部以上が埋め込まれ、無機膜4のベンディング特性の向上に寄与できる。
【0127】
一例によれば、有機発光部2上に、硬化性前駆体として、モノアクリレート、ジメタクリレート及びトリアクリレートが適正の割合で配合された硬化性前駆体混合物(常温で約1ないし100cpの粘度を有し、沸点は300ないし500℃である)を、フラッシュ蒸着法(成膜速度:約200Å/s、成膜時間:3ないし4分)を利用して提供する。この時、前記硬化性前駆体混合物は、有機発光部2に提供されればすぐに凝縮されて、液状に存在するので、前記環境性要素51または51′との間に空いている空間なしに、前記環境性要素51または51′の表面の一部以上は、前記硬化性前駆体により取り囲まれる。次いで、有機発光部2上に提供された硬化性前駆体混合物を、すぐにUV硬化装置(紫外線波長:390nm、光量:500mJ)を利用して硬化させて、第1有機膜31を形成する。
【0128】
次いで、マザー基板1′と第2基板11とを互いに対向させて、各第1有機膜31と予備無機膜4″とを互いに対向させる。
【0129】
そして、
図6Fに示したように、マザー基板1′と第2基板11とを互いに接合させる。接合工程は、真空または減圧状態で行われることが望ましく、これによって、マザー基板1′と第2基板11との空間を、真空または減圧状態にする。例えば、かかる真空接合は、20Kpa以下の圧力で行われる。この時、前記各第1有機膜31と前記各予備無機膜4″とが互いに接している。
【0130】
前記接合工程は、前記接着剤12にUVを照射して、接着剤12を硬化させるステップを含む。
【0131】
図6Gに示したように、かかるマザー基板1′と第2基板11の組立体を裏返しにした後、予備無機膜4″に対してヒーリング工程を行うことによって、前記予備無機膜4″を第1有機膜31上に転写して、第1有機膜31を覆うように、無機膜4を形成する(
図6Hを参照)。前記ヒーリングステップは、第1ヒーリングステップと第2ヒーリングステップとを含む。
【0132】
前記第1ヒーリングステップは、前記LVT無機物の粘度変化温度以上の温度で行われる。例えば、前記第1ヒーリングステップは、前記LVT無機物の粘度変化温度以上、かつ前記有機発光部に含まれた物質の変性温度未満の範囲で、前記予備無機膜4′を熱処理することによって行われる。他の例として、前記第1ヒーリングステップは、前記LVT無機物の粘度変化温度以上、かつ前記有機発光部に含まれた物質の変性温度のうち最小値未満の範囲で、前記予備無機膜4″を熱処理することによって行われる。さらに他の例として、前記第1ヒーリングステップは、LVT無機物の粘度変化温度で行われる。
【0133】
前記LVT無機物の粘度変化温度は、前記LVT無機物の組成によって異なり、有機発光部に含まれた物質の変性温度、及び有機発光部に含まれた物質の変性温度の最小値は、前記有機発光部2に含まれた物質によって異なるが、LVT無機物の組成及び有機発光部2に含まれた物質の成分によって、当業者が容易に認識(例えば、有機発光部2に含まれた物質に対するTGA又はTMA分析結果から導出されるTg温度評価など)できるものである。
【0134】
例えば、前記第1ヒーリングステップは、80℃以上132℃未満の範囲(例えば、80℃ないし120℃、または100℃ないし120℃の範囲)で、1時間ないし3時間(例えば、110℃で2時間)、前記予備無機膜を熱処理することによって行われるが、これに限定されるものではない。前記第1ヒーリングステップの温度が、前述したような範囲を満足することによって、前記予備無機膜4″のLVT無機物の流動化が可能になり、有機発光部2の変性が防止される。
【0135】
前記第1ヒーリングステップは、真空雰囲気または不活性ガス雰囲気(例えば、N
2雰囲気、Ar雰囲気など)下のIRオーブンで行われる。
【0136】
前記第1ヒーリングステップによって、前記予備無機膜4″に含まれたLVT無機物は流動化される。流動化されたLVT無機物は、流動性を有する。したがって、前記第1ヒーリングステップにおいて、予備無機膜4″の流動化されたLVT無機物が流れて、第1有機膜31を取り囲む。これによって、第1有機膜31を完全に取り囲み、マザー基板1′に接合された無機膜4が形成される。前記第2基板11とマザー基板1′との間は、真空状態であるので、無機膜4は、ボイドなしに前記マザー基板1′に密着される。
【0137】
そして、この過程で、
図3に示したように、無機膜4が前記環境性要素51を取り囲むように密着され、無機膜4内のピンホールや間隙などの欠陥に、前記流動化されたLVT無機物が流れて充填されて、この欠陥が除去された、第1ヒーリングされた無機膜4が形成される。
【0138】
前記第1ヒーリングされた無機膜4には、環境性要素とLVT無機物との結合力、またはLVT無機物間の結合力の弱い領域が存在する。前記環境性要素とLVT無機物との結合力、またはLVT無機物間の結合力の弱い領域は、外部環境、例えば、水分及び酸素の移動通路となるので、有機発光装置の保管及び駆動時に進行性暗点の発生の原因となるところ、有機発光装置の寿命短縮の原因となる。
【0139】
したがって、環境性要素とLVT無機物との活発な置換反応、及びLVT無機物間の活発な置換反応を加速化させ、第1ヒーリングされた無機膜4の耐熱性及び機械的強度などを強化させることによって、前記環境性要素とLVT無機物との結合力、またはLVT無機物間の結合力の弱い領域を除去できる第2ヒーリングステップを行う。
【0140】
前記第2ヒーリングステップは、化学的処理法、プラズマ処理法、酸素含有高温チャンバー処理法、酸素及び水分含有高温チャンバー処理法を利用して行われる。
【0141】
例えば、前記第2ヒーリングステップは、前記第1ヒーリングされた無機膜4を、酸溶液、アルカリ溶液及び中性溶液のうち一種以上と接触させる化学的処理法を利用して行われる。ここで、前記アルカリ溶液は、硝酸塩(例えば、硝酸カリウム液)である。
【0142】
他の例として、前記第2ヒーリングステップは、前記第1ヒーリングされた無機膜4を、真空下でO
2プラズマ、N
2プラズマ及びArプラズマのうち一種以上により処理するプラズマ処理法を利用して行われる。
【0143】
さらに他の例として、前記第2ヒーリングステップは、前記第1ヒーリングされた無機膜4を、大気圧下でO
2プラズマ、N
2プラズマ及びArプラズマのうち一種以上により処理するプラズマ処理法を利用して行われる。
【0144】
さらに他の例として、前記第2ヒーリングステップは、前記第1ヒーリングされた無機膜4を、2%ないし100%の酸素分圧(例えば、大気雰囲気で酸素分圧)及び25℃ないし150℃の温度を有するチャンバー内に露出させることによって行われる。
【0145】
さらに他の例として、前記第2ヒーリングステップは、前記第1ヒーリングされた無機膜4を、2%ないし100%の酸素分圧(例えば、大気雰囲気で酸素分圧)、10%ないし100%の相対湿度、及び25℃ないし150℃の温度を有するチャンバー内に露出させることによって行われる。
【0146】
前記酸素分圧は、チャンバー内の圧力100%に対する圧力を表したものである。
【0147】
前記のようなヒーリングステップは、必ずしも二つのステップを含む必要はなく、第1ヒーリングステップのみを行ってもよい。
【0148】
一方、前記転写ステップは、その他にも、前記予備無機膜4″に対してレーザを照射し、それをスキャニングすることによって行われる。すなわち、予備無機膜4″にレーザを照射して、予備無機膜4″の温度を高め、これによって、予備無機膜4″に流動性を付与することによって、転写ステップを行う。
【0149】
次いで、
図6Hに示したように、第2基板11の外側から、第2有機膜32にレーザを照射して、第2基板11から第2有機膜32を分離させる。レーザは、第2基板11と第2有機膜32との間にフォーカスされるように、深さを調節して、第2基板11の上部の全面で照射される。例えば、シリコン結晶化工程であるELA(Eximer Laser Annealing)工程で使われる308nmレーザが使われる。この時、前記第2有機膜32と第2基板11との界面で、第2有機膜32の表面のレーザ吸収が起こりつつ、表面の一部が焼け、これによって、第2基板11と第2有機膜32とが分離される。
【0150】
第2基板11と第2有機膜32の分離過程で発生するエッジ欠陥や、分離時の欠陥をなくすために、前記レーザの照射後に、熱処理をさらに行う。
【0151】
次いで、
図6Iに示したように、カッティングライン13に沿って、第2基板11とマザー基板1′とをカットして、
図6Jのように個別素子に分離させる。
【0152】
次いで、図示していないが、前記無機膜4及び/または第2有機膜32を覆うように、別途の有機膜をさらに形成する。このように、無機膜4及び/または第2有機膜32を覆うように有機膜を形成した場合、有機発光装置のベンディング特性が向上し、機構的強度も改善される。前記有機膜を形成する工程は、第2基板11のみを分離させた状態のマザー基板1′に対して適用しても、個別素子に分離された後に適用してもよい。使われる有機物は、透明または不透明のアクリル系有機物またはポリイミドとなる。
【0153】
このように、前記第2基板11を使用して無機膜4を形成する方式は、無機膜4を直接成膜するものではなく、転写する方式であるため、成膜工程に比べて生産効率をさらに向上させることができる。すなわち、前述したように、予備無機膜が形成されている第2基板11を、有機発光部が形成されたマザー基板1′とは異なる工程及び/または別途の場所で製作して、互いに結合させて転写させるものであるため、予備無機膜を、有機発光部が形成されたマザー基板1′に直接成膜させることに比べて、生産効率を向上させ、及び/または工程時間をさらに短縮させる。かかる効果は、以下の実施形態でも同様である。
【0154】
一方、前述した実施形態では、第2基板11とマザー基板1′とを分離させたが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、場合によっては、第2基板11をマザー基板1′と接合させた状態を維持する。
【0155】
例えば、
図7に示したように、有機発光部2を取り囲むように、接着剤12が位置して、第1基板1と第2基板11とを固定させた状態となる。この場合、第2基板11は、第2有機膜32と接合状態を維持する。かかる実施形態は、密封効果をさらに向上させ、第2基板11によって強度を補完する。
【0156】
他の例として、
図8に示したように、第2基板11が切断されて、第2有機膜32に接合された状態を維持する。この場合、第2基板11によって強度を補完する。
【0157】
このように、第2基板11とマザー基板1′とを分離させる必要がない場合には、前記第2基板11は、レーザが透過する必要がないので、必ずしも透明である必要はなく、不透明なガラス基板、プラスチック基板、またはメタル基板が使われてもよい。
【0158】
図9は、本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【0159】
図9の有機発光装置は、
図1による実施形態と異なり、第2有機膜を備えず、有機発光部2を覆う第1有機膜31と、前記第1有機膜31を覆う無機膜4とを備える。
【0161】
まず、
図10Aに示したように、第2基板11上に、少なくとも一つ以上の予備無機膜4″を形成する。前記予備無機膜4″は、前述した通りである。この時、前記予備無機膜4″は、後述するように、第2基板11との脱着のために、レーザ吸収特性を有する物質をさらに含む。第2基板11がガラス材質である場合には、第2基板11とは異なる波長帯の吸収特性を有する。
【0162】
次いで、
図10Bに示したように、第2基板11のエッジに沿って、接着剤12を形成する。
【0163】
そして、
図10Cに示したように、有機発光部2及び第1有機膜31が形成されたマザー基板1′を用意した後、前記マザー基板1′を前記第2基板11と対向させる。
【0164】
次いで、
図10Dに示したように、真空雰囲気で、前記マザー基板1′と前記第2基板11とを互いに接合させた後、UVを照射して、接着剤12を硬化させる。この時、前記各第1有機膜31と前記各予備無機膜4″が互いに接している。
【0165】
次いで、
図10Eに示したように、転写ステップを通じて流動性を有する予備無機膜4″が第1有機膜31を覆って、マザー基板1′の表面に接合して、無機膜4を形成する。
【0166】
図10Fに示したように、レーザを、第2基板11と無機膜4との界面に照射して、無機膜4を第2基板11から分離させる。
【0167】
図10Gに示したように、カッティングライン13に沿って、第2基板11とマザー基板1′とをカットして、
図10Hのように個別素子に分離させる。
【0168】
次いで、図示していないが、前記無機膜4を覆うように、有機膜をさらに形成する。この場合、形成された有機発光装置の形態は、
図4の通りである。このように、無機膜4を覆うように有機膜を形成した場合、有機発光装置のベンディング特性が向上し、機構的強度も改善される。前記有機膜を形成する工程は、第2基板11のみを分離させた状態のマザー基板1′に対して適用しても、個別素子に分離された後に適用してもよい。使われる有機物は、透明または不透明のアクリル系有機物またはポリイミドとなる。
【0169】
前述した実施形態では、第2基板11とマザー基板1′とを分離させたが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、場合によっては、第2基板11をマザー基板1′と接合させた状態を維持する。
【0170】
例えば、
図11に示したように、有機発光部2を取り囲むように、接着剤12が位置して、第1基板1と第2基板11とを固定させた状態となる。この場合、第2基板11は、無機膜4と接合状態を維持する。かかる実施形態は、密封効果をさらに向上させ、第2基板11によって、強度を補完する。
【0171】
他の例として、
図12に示したように、第2基板11が切断されて、無機膜4に接合された状態を維持する。この場合、第2基板11によって、強度を補完する。
【0172】
図13は、本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【0173】
図13の有機発光装置は、
図1による実施形態と異なり、第1有機膜を備えず、有機発光部2を覆う無機膜4と、前記無機膜4を覆う第2有機膜32とを備える。
【0175】
まず、
図14Aに示したように、第2基板11上に、少なくとも一つ以上の第2有機膜32を形成する。そして、各第2有機膜32上に、
図14Bに示したように、予備無機膜4″を形成する。前記予備無機膜4″は、前述した通りである。
【0176】
次いで、
図14Cに示したように、第2基板11のエッジに沿って、接着剤12を形成する。
【0177】
そして、
図14Dに示したように、有機発光部2が形成されたマザー基板1′を用意した後、前記マザー基板1′を前記第2基板11と対向させる。
【0178】
次いで、
図14Eに示したように、真空雰囲気で、前記マザー基板1′と前記第2基板11とを互いに接合させた後、UVを照射して、接着剤12を硬化させる。この時、前記各有機発光部2と前記各予備無機膜4″とが互いに接している。
【0179】
次いで、
図14Fに示したように、転写ステップを通じて流動性を有する予備無機膜4″が有機発光部2を覆って、マザー基板1′の表面に接合して、無機膜4を形成する。
【0180】
図14Gに示したように、レーザを、第2基板11と第2有機膜32との界面に照射して、第2有機膜32を第2基板11から分離させる。
【0181】
図14Hに示したように、カッティングライン13に沿って、第2基板11とマザー基板1′とをカットして、
図14Iのように個別素子に分離させる。
【0182】
次いで、図示していないが、前記無機膜4及び/または第2有機膜32を覆うように、別途の有機膜をさらに形成する。このように、無機膜4及び/または第2有機膜32を覆うように、有機膜を形成した場合、有機発光装置のベンディング特性が向上し、機構的強度も改善される。前記有機膜を形成する工程は、第2基板11のみを分離させた状態のマザー基板1′に対して適用しても、個別素子に分離された後に適用してもよい。使われる有機物は、透明または不透明のアクリル系有機物またはポリイミドとなる。
【0183】
一方、前述した実施形態では、第2基板11とマザー基板1′とを分離させたが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、場合によっては、第2基板11をマザー基板1′と接合させた状態を維持する。
【0184】
例えば、
図15に示したように、有機発光部2を取り囲むように、接着剤12が位置して、第1基板1と第2基板11とを固定させた状態となる。この場合、第2基板11は、第2有機膜32と接合状態を維持する。かかる実施形態は、密封効果をさらに向上させ、第2基板11によって、強度を補完する。
【0185】
他の例として、
図16に示したように、第2基板11が切断されて、第2有機膜32に接合された状態を維持する。この場合、第2基板11によって、強度を補完する。
【0186】
このように、第2基板11とマザー基板1′とを分離させる必要がない場合には、前記第2基板11は、レーザが透過する必要がないので、必ずしも透明である必要はなく、不透明なガラス基板、プラスチック基板、またはメタル基板が使われてもよい。
【0187】
図17は、本発明のさらに他の実施形態による有機発光装置を概略的に示す断面図である。
【0188】
図17の有機発光装置は、
図7による実施形態と異なり、第1有機膜を備えず、有機発光部2を覆う無機膜4を備える。
【0190】
まず、
図18Aに示したように、第2基板11上に、少なくとも一つ以上の予備無機膜4″を形成する。前記予備無機膜4″は、前述した通りである。この時、前記予備無機膜4″は、後述するように、第2基板11との脱着のために、レーザ吸収特性を有する物質をさらに含む。第2基板11がガラス材質である場合には、第2基板11とは異なる波長帯の吸収特性を有する。
【0191】
次いで、
図18Bに示したように、第2基板11のエッジに沿って、接着剤12を形成する。
【0192】
そして、
図18Cに示したように、有機発光部2が形成されたマザー基板1′を用意した後、前記マザー基板1′を前記第2基板11と対向させる。
【0193】
次いで、
図18Dに示したように、真空雰囲気で、前記マザー基板1′と前記第2基板11とを互いに接合させた後、UVを照射して、接着剤12を硬化させる。この時、前記各有機発光部2と前記各予備無機膜4″とが互いに接している。
【0194】
次いで、
図18Eに示したように、転写ステップを通じて流動性を有する予備無機膜4″が各有機発光部2を覆って、マザー基板1′の表面に接合して、無機膜4を形成する。
【0195】
図18Fに示したように、レーザを、第2基板11と無機膜4との界面に照射して、無機膜4を第2基板11から分離させる。
【0196】
図18Gに示したように、カッティングライン13に沿って、第2基板11とマザー基板1′とをカットして、
図18Hのように個別素子に分離させる。
【0197】
次いで、図示していないが、前記無機膜4を覆うように、有機膜をさらに形成する。このように、無機膜4を覆うように、有機膜を形成した場合、有機発光装置のベンディング特性が向上し、機構的強度も改善される。前記有機膜を形成する工程は、第2基板11のみを分離させた状態のマザー基板1′に対して適用しても、個別素子に分離された後に適用してもよい。使われる有機物は、透明または不透明のアクリル系有機物またはポリイミドとなる。
【0198】
一方、前述した実施形態では、第2基板11とマザー基板1′とを分離させたが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、場合によっては、第2基板11をマザー基板1′と接合させた状態を維持する。
【0199】
例えば、
図19に示したように、有機発光部2を取り囲むように、接着剤12が位置して、第1基板1と第2基板11とを固定させた状態となる。この場合、第2基板11は、無機膜4と接合状態を維持する。かかる実施形態は、密封効果をさらに向上させ、第2基板11によって、強度を補完する。
【0200】
他の例として、
図20に示したように、第2基板11が切断されて、無機膜4に接合された状態を維持する。この場合、第2基板11によって、強度を補完する。
【0201】
このように、第2基板11とマザー基板1′とを分離させる必要がない場合には、前記第2基板11は、レーザが透過する必要がないので、必ずしも透明である必要はなく、不透明なガラス基板、プラスチック基板、またはメタル基板が使われてもよい。
【0202】
本発明は、添付された図面に示した一実施形態を参考にして説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によってのみ決まらねばならない。