(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記押圧力変換部材は、前記本体部と当接して前記軸方向に沿った前記本体部側への移動を規制可能である第2規制部を有し、前記第2規制部が前記締付方向の前記本体部側に位置し、前記第1規制部が前記締付方向の前記本体部側とは反対側に位置する、
請求項1又は請求項2に記載のバッテリー端子。
前記押圧力変換部材は、前記第1テーパ面と当接する第2テーパ面を有し、前記第2テーパ面が形成された部分が前記締付方向に対して前記本体部と前記テーパ形成端部との間に位置し、
前記第1テーパ面、及び、前記第2テーパ面は、前記軸方向周りの前記締結部材の回転に伴って前記締結部材と共に前記押圧力変換部材が前記軸方向に沿って前記貫通部材側に接近した際に、前記締結部材と前記貫通部材との間に発生する前記軸方向の締結力を、前記本体部を前記締付方向に沿って前記当接部と前記押圧力変換部材との間で押圧する前記締付方向の押圧力に変換する方向に傾斜する、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のバッテリー端子。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0016】
図1〜
図4に示す本実施形態に係るバッテリー端子1は、バッテリー50のバッテリーポスト51に組み付けられるものである。バッテリー端子1は、バッテリーポスト51に組み付けられることにより、バッテリー50と、接続端子52等とを電気的に接続するための部品である。バッテリー50は、車両等に蓄電装置として搭載されるものである。バッテリー50は、バッテリー液や当該バッテリー50を構成する種々の部品を収容するバッテリー筐体53の1つの面、典型的には、バッテリー50を車両に搭載した状態で鉛直方向上側に位置する面にバッテリーポスト51が立設される。バッテリーポスト51は、バッテリー筐体53の鉛直方向上側の面から鉛直方向上側に向けて突出する。バッテリーポスト51は、円柱状、より詳細には、先端側に進むにつれて径が小さくなるようテーパが付けられた円柱状(あるいは、円筒状)に形成される。つまり、バッテリーポスト51は、先端の外径が基端の外径より小さいテーパ形状となる。バッテリーポスト51は、中心軸線Cが鉛直方向に沿うように配置される。バッテリー端子1は、このように構成されるバッテリーポスト51に締結される。また、接続端子52は、このバッテリー50が搭載される車両等の本体側の電線54の末端に設けられた接続相手部材である。
【0017】
なお、以下の説明では、バッテリーポスト51の中心軸線Cに沿った方向を軸方向Xという。またここでは、以下の説明を分かり易くするために、便宜的に当該軸方向Xと直交する2方向のうち一方を第1幅方向Yといい、他方を第2幅方向Zという。第1幅方向Y、及び、第2幅方向Zは、軸方向Xと交差する交差方向に相当する。第1幅方向Yは、後述する締付部30による本体部20の締付方向に相当する。第2幅方向Zは、後述する一対の直立部33bの対向方向に相当する。これら軸方向X、第1幅方向Y、及び、第2幅方向Zは互いに交差、ここでは直交する。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向を表すものとする。
【0018】
具体的には、バッテリー端子1は、スタッドボルト10と、本体部20と、締付部30とを備える。
【0019】
スタッドボルト10は、軸部10aと、ボルト頭部10b(特に
図4参照)とを含んで構成され、これらが導電性を有する金属等によって一体で形成される。軸部10aは、接続端子52が接続される部分である。軸部10aは、円柱状に形成されると共に外周面に螺合溝が形成されている。ボルト頭部10bは、軸部10aの一端に設けられた基部である。ボルト頭部10bは、軸部10aが立設される台座部分である。ボルト頭部10bは、軸部10aより大径の部分として形成される。ここでは、ボルト頭部10bは、略矩形状に形成される。
【0020】
本体部20は、ポスト締結部21と、ボルト保持部22とを備える。ポスト締結部21は、バッテリーポスト51に締結される部分である。ボルト保持部22は、ポスト締結部21に第2幅方向Zに隣接して接続されスタッドボルト10を保持する部分である。本体部20は、例えば、導電性を有する金属板のプレス折り曲げ加工等により、ポスト締結部21を構成する一対の環状部20a、20b、ボルト保持部22を構成する一対の保持板状部20c、20d、及び、屈曲連結部20eが一体で形成される。
【0021】
一対の環状部20a、20bは、略矩形環状に形成される。一対の環状部20a、20bは、それぞれポスト挿入孔20f、20g、及び、スリット20h、20iが形成される。ポスト挿入孔20f、20gは、バッテリーポスト51が挿入される略円形状の孔である。スリット20h、20iは、ポスト挿入孔20f、20gと連続する間隙である。ポスト挿入孔20f、20gとスリット20h、20iとは、第2幅方向Zに沿って連続する。
【0022】
一対の保持板状部20c、20dは、略矩形状に形成され、保持板状部20c側にボルト挿入孔20jが形成される。ボルト挿入孔20jは、スタッドボルト10の軸部10aが挿入される孔であり略円形状に形成される。環状部20aと保持板状部20cとは、連続するように一体で形成され、上板20Aを構成する。環状部20bと保持板状部20dとは、連続するように一体で形成され、下板20Bを構成する。
【0023】
そして、環状部20aと環状部20bとは、それぞれ保持板状部20c、20dが設けられている端部とは反対側の端部同士が屈曲連結部20eを介して連続するように一体で形成される。つまり、上板20Aと下板20Bとは、屈曲連結部20eによって連結され、当該屈曲連結部20eを介して連続するように一体で形成される。これにより、本体部20は、屈曲連結部20eを挟んで、U字状に折り返された状態に形成され、環状部20a、保持板状部20cと環状部20b、保持板状部20dとが軸方向Xに対向しそれぞれ上下に略平行に板状に積層された状態となるように形成される。つまりこの構成により、本体部20は、軸方向Xに沿って相互に対向するように上下に積層された上板20A、及び、下板20Bによって形成され、これら上板20A、下板20Bにそれぞれ上述したポスト挿入孔20f、20g、及び、スリット20h、20iが形成される。
【0024】
なお、ここで、上下に積層された状態とは、典型的には、バッテリー端子1がバッテリーポスト51に組み付けられた状態で、バッテリーポスト51の軸方向Xに沿って積層されるような状態に相当する。また、積層方向は、典型的には、バッテリー端子1がバッテリーポスト51に組み付けられた状態で、軸方向Xに沿った方向であり、ここではスタッドボルト10の軸部10aが突出する側を積層方向上側、反対側を積層方向下側とする。また、積層方向上側とは、バッテリーポスト51の先端側に相当し、積層方向下側とは、バッテリーポスト51の基端側に相当する。ここでは、本体部20は、環状部20a、保持板状部20cが積層方向上側、環状部20b、保持板状部20dが積層方向下側となる。つまり、本体部20は、上板20Aが積層方向上側、下板20Bが積層方向下側となる。
【0025】
具体的には、一対の環状部20a、20bは、屈曲連結部20eを介して上下に積層された状態でポスト挿入孔20fとポスト挿入孔20gとが積層方向に対向する位置関係となるように当該ポスト挿入孔20f、ポスト挿入孔20gが形成される。ポスト挿入孔20fは、板金が積層方向上側に折り返されることで内周壁面が形成される。ポスト挿入孔20gは、板金が積層方向下側に折り返されることで内周壁面が形成される。ポスト挿入孔20f、ポスト挿入孔20gは、それぞれの内周壁面に上述したバッテリーポスト51のテーパに対応したテーパを有している。ここでは、ポスト挿入孔20fとポスト挿入孔20gとは、スタッドボルト10の軸部10aが突出する側、すなわち、ポスト挿入孔20f側の内径が最小となり、反対側のポスト挿入孔20g側の内径が最大となる。ポスト挿入孔20f、ポスト挿入孔20gは、バッテリーポスト51が挿入された状態で、各内周面がバッテリーポスト51と接触する。
【0026】
また、一対の環状部20a、20bは、屈曲連結部20eを介して上下に積層された状態でスリット20hとスリット20iとが積層方向に対向する位置関係となるように当該スリット20h、スリット20iが形成される。スリット20h、20iは、屈曲連結部20eにて連続しており、全体として屈曲連結部20e及び環状部20a、20bにおいて、当該屈曲連結部20eからポスト挿入孔20f、ポスト挿入孔20gまで延在している。言い換えれば、スリット20h、20iは、ポスト挿入孔20f、20gから環状部20a、20bの一部を分断するようにして屈曲連結部20eまで延在して形成される。さらに、一対の環状部20a、20bは、それぞれポスト挿入孔20f、20gから屈曲連結部20eまでの間の部分が後述の締付部30によって締め付けられる締付端部20kを構成する。スリット20h、20iは、この締付端部20kを第2幅方向Zに沿ってポスト挿入孔20f、20gから屈曲連結部20eまで貫通する。締付端部20kは、第1幅方向Yの両側の端部に、それぞれ締付部30の一部が嵌合する略矩形状の切り欠き部20l、20mが形成されている。切り欠き部20l、20mは、それぞれ環状部20a(上板20A)、及び、環状部20b(下板20B)の双方に渡って形成される。また、締付端部20kは、切り欠き部20m内にさらに半円形状に形成されたガイド凹部20n(特に
図4参照)が形成されている。ガイド凹部20nは、環状部20a(上板20A)、及び、環状部20b(下板20B)の双方にそれぞれ形成される。また、締付端部20kは、切り欠き部20mに隣接してさらに規制突起部20o(特に
図4参照)が形成されている。規制突起部20oは、それぞれ締付部30の一部を第2幅方向Zに対して位置決めするものである。規制突起部20oは、環状部20a(上板20A)、及び、環状部20b(下板20B)の双方にそれぞれ形成される。規制突起部20oは、第2幅方向Zに対して切り欠き部20mの屈曲連結部20e側とは反対側で当該切り欠き部20mと隣接して形成される。規制突起部20oは、第1幅方向Yに沿って突出するように形成される。見方を変えれば、規制突起部20oは、第1幅方向Yに沿って突出するように形成されることで切り欠き部20mを形成している。
【0027】
一対の保持板状部20c、20dは、折り曲げ加工の前に事前にボルト挿入孔20jにスタッドボルト10の軸部10aが挿入された状態で折り曲げ加工されることで、屈曲連結部20eを介して上下に積層された状態で当該スタッドボルト10を保持する。ここでは、上述したように、保持板状部20cは、ボルト挿入孔20jが形成された上板20Aを構成する。ボルト挿入孔20jは、スタッドボルト10の軸部10aが貫通する貫通孔である。一方、保持板状部20dは、上板20Aを構成する保持板状部20cと積層方向(軸方向X)に対向し保持板状部20cとの間にスタッドボルト10のボルト頭部10bを保持する下板20Bを構成する。つまり、一対の保持板状部20c、及び、保持板状部20dは、互いに対向して積層され互いの間にボルト頭部10bを保持する。言い換えれば、ボルト保持部22は、軸方向Xに沿って相互に対向する保持板状部20c、及び、保持板状部20dを有し、スタッドボルト10のボルト頭部10bを軸方向Xに対して保持板状部20cと保持板状部20dとの間に挟み込んで保持する。
【0028】
スタッドボルト10は、保持板状部20cと保持板状部20dとの間に保持された状態で、ボルト挿入孔20jから軸部10aが軸方向Xに沿って突出するようにして露出している。スタッドボルト10は、ボルト挿入孔20jから露出した当該軸部10aに接続端子52が電気的に接続される。スタッドボルト10は、接続端子52の締結孔52aに軸部10aが挿入され、当該軸部10aにナット55が螺合されることで当該軸部10aに接続端子52が締結される。上述のボルト保持部22において、上板20Aを構成する保持板状部20cは、スタッドボルト10の軸部10aにナット55が螺合されることで、ナット55とスタッドボルト10のボルト頭部10bとの間に接続端子52と共に挟持される。
【0029】
締付部30は、ポスト挿入孔20f、20g内にバッテリーポスト51が挿入された状態で、本体部20をバッテリーポスト51に締結するものである。締付部30は、第1幅方向(締付方向)Yの両側から本体部20の一対の環状部20a、20bに当接し、当該環状部20a、20bの締付端部20kを締め付ける。これにより、締付部30は、本体部20をバッテリーポスト51に締結する。締付部30は、貫通部材としての板ナット31と、締結部材としての締結ボルト32と、押圧力変換部材としてのブラケット33とを備える。本実施形態の締付部30は、バッテリー端子1をバッテリーポスト51に締結する場合に、締結ボルト32を軸方向Xに沿って締め付けていく形式である。この場合、締付部30は、軸方向Xに沿った方向に発生する締結ボルト32による締結力F1(後述の
図7参照)を、第1幅方向Yの押圧力F2(後述の
図7参照)に変換する。そして、締付部30は、当該押圧力F2によってバッテリー端子1においてバッテリーポスト51が挿入される部分を押圧することで、本体部20をバッテリーポスト51に締結する。
【0030】
具体的には、板ナット31は、第1幅方向Yに沿って本体部20の環状部20a、20bの一端側からスリット20h、20iを挟んで本体部20の環状部20a、20bの他端側まで延在して配置される部材である。ここで上述したように、第1幅方向Yは、バッテリーポスト51の中心軸線Cに沿った軸方向Xと直交(交差)する方向であって、環状部20a、20bに形成されたスリット20h、20iを横断する方向に相当する。そして、第1幅方向Yは、典型的には、環状部20a、20bをバッテリーポスト51に締結する際に締付部30によって環状部20a、20bを締め付ける締付方向に相当する。
【0031】
より詳細には、板ナット31は、板状部31aと、当接部31bと、螺合孔31cと、テーパ形成端部31dと、第1テーパ面31eとを有して構成され、これらが導電性を有する金属等によって一体で形成される。板状部31aは、板ナット31の本体部分であり、略矩形板状に形成される。板状部31aは、第1幅方向Yに沿って環状部20a、20bの一端側からスリット20h、20iを挟んで環状部20a、20bの他端側まで延在して当該環状部20a、20bに配置される部分である。当接部31bは、板状部31aの第1幅方向Yの一端側に設けられ本体部20の環状部20a、20b、ここでは、締付端部20kと当接する部分である。さらに言えば、当接部31bは、板状部31aが第1幅方向Yに沿って環状部20a、20bの一端側から他端側まで貫通するように本体部20に組み付けられた状態で、板状部31aにおいて本体部20の切り欠き部20l側に位置する端部に設けられる。当接部31bは、当該板状部31aと一体で形成される。ここでは、当接部31bは、略矩形板状に形成される。当接部31bは、板ナット31が本体部20に組み付けられた状態で、締付端部20kに形成された切り欠き部20lと嵌合し当該切り欠き部20l内に収容され位置決めされる。当接部31bは、切り欠き部20l内に収容され位置決めされた状態で締付端部20kと当接する。螺合孔31cは、板状部31aの第1幅方向Yの他端側、すなわち、当接部31bとは反対側の端部に当該板状部31aを軸方向Xに貫通し形成された部分である。螺合孔31cは、内周面に螺合溝が形成され、締結ボルト32が螺合可能に形成される。テーパ形成端部31dは、板状部31aの第1幅方向Yの他端側、すなわち、螺合孔31cが形成される側の端部に設けられ、第1テーパ面31eが形成された部分である。さらに言えば、テーパ形成端部31dは、板状部31aが第1幅方向Yに沿って環状部20a、20bの一端側から他端側まで貫通するように本体部20に組み付けられた状態で、板状部31aにおいて本体部20の切り欠き部20m側に位置する端部に設けられる。テーパ形成端部31dは、当該板状部31aと一体で形成される。第1テーパ面31eは、ブラケット33に形成された第2テーパ面33eと対向し当接する面である。ここでは、テーパ形成端部31dは、板状部31aの端部において第2幅方向Zの両側にそれぞれ突出して形成され、それぞれの突出部分に第1テーパ面31eが形成される。つまり、第1テーパ面31eは、テーパ形成端部31dにおいて、第2幅方向Zの両側に突出して形成された部分にそれぞれ設けられ、第2幅方向Zの両側に一対で設けられる。なお、各第1テーパ面31eは、それぞれ、テーパ形成端部31dにおいて、軸方向Xの一方側(積層方向上側)の面と他方側(積層方向下側)の面との両面にそれぞれ形成されてもよい。当該第1テーパ面31eの傾斜方向については、後で詳細に説明する。
【0032】
上記のように構成される板ナット31は、テーパ形成端部31d側が上下に積層された状態の一対の環状部20a、20bの間に挿入される。このとき、板ナット31は、テーパ形成端部31d側が締付端部20kの切り欠き部20l側から当該一対の環状部20a、20bの間に挿入される。つまり、板ナット31は、スリット20h、20iを横断するような位置関係で、屈曲連結部20eにおける第1幅方向Yの一端部側、ここでは、切り欠き部20l側から挿入される。そして、板ナット31は、第1幅方向Yに沿って環状部20a、20bの一端側から他端側まで貫通させて本体部20に組み付けられる。つまり、板ナット31は、屈曲連結部20eを介して上下に積層された状態の一対の環状部20a、20bの間にスリット20h、20iを横断するように形成される空間部に挿入され、当該本体部20に組み付けられる。板ナット31は、本体部20に組み付けられた状態で、当接部31bが切り欠き部20lに嵌合し当該切り欠き部20l内に収容され位置決めされる。また、板ナット31は、本体部20に組み付けられた状態で、螺合孔31c、テーパ形成端部31dが締付端部20kを挟んで当接部31bとは反対側に位置する。そして、板ナット31は、本体部20に組み付けられた状態で、当接部31bとテーパ形成端部31dとが第1幅方向Yに対向する。板ナット31は、本体部20に組み付けられた状態で、螺合孔31cが軸方向Xに沿う。
【0033】
締結ボルト32は、板ナット31に形成された螺合孔31cと螺合し軸方向X周りの回転に伴って軸方向Xに沿って移動する部材である。締結ボルト32は、軸部32aと、ボルト頭部32bとを有して構成され、これらが導電性を有する金属等によって一体で形成される。軸部32aは、板ナット31の螺合孔31cに螺合される貫通部である。軸部32aは、円柱状に形成される。軸部32aは、外周面に、螺合孔31cの螺合溝と螺合する螺合溝が形成されている。ボルト頭部32bは、軸部32aが立設される台座部分である。ボルト頭部32bは、軸部32aの一方の端部に当該軸部32aと一体で設けられる。ボルト頭部32bは、軸部32aより大径の部分として形成され、ここでは、略六角形状に形成される。ボルト頭部32bは、締結ボルト32を軸部32a周りに回転させるために工具等によって締結トルクが付加される部分を構成する。締結ボルト32は、螺合孔31cに螺合した状態で軸方向X周りの回転に伴って螺合溝の螺合作用により、板ナット31に対して軸方向Xに沿って相対移動する。
【0034】
ブラケット33は、締結ボルト32の軸方向Xに沿った移動に伴って当該軸方向Xに沿って移動可能で、かつ、板ナット31の第1テーパ面31eと当接しながら第1幅方向Yに沿って板ナット31に対して相対移動可能に設けられる部材である。そして、ブラケット33は、軸方向Xに沿った締結力F1を、第1幅方向Yに沿った押圧力F2に変換する部材である。ここでは、ブラケット33は、締結ボルト32の軸部32aに組み付けられた状態で締結ボルト32の軸方向Xに沿った移動に伴って当該軸方向Xに沿って移動する。そして、ブラケット33は、本体部20の環状部20a、20bの他端側、すなわち、板ナット31のテーパ形成端部31dが位置する側で当該環状部20a、20bの締付端部20kと当接し、第1幅方向Yの押圧力F2を発生させる。さらに言えば、ブラケット33は、本体部20の環状部20a、20bの他端側、すなわち、切り欠き部20m側で当該本体部20の環状部20a、20bと当接する。そして、ブラケット33は、締結ボルト32の軸方向X周りの回転に伴って締結ボルト32と板ナット31との間に発生する軸方向Xの締結力F1を、第1幅方向Yの押圧力F2に変換する。
【0035】
より詳細には、ブラケット33は、基部33aと、一対の直立部33bと、貫通部33cと、当接面33dと、第2テーパ面33eと、第1規制部33fと、第2規制部33gとを有して構成され、これらが導電性を有する金属等によって一体で形成される。
【0036】
基部33aは、軸方向Xに沿って締結ボルト32の軸部32aが挿通される部分である。基部33aは、略矩形板状に形成される。基部33aは、後述の貫通部33cが形成される。
【0037】
一対の直立部33bは、基部33aと一体で形成され当該基部33aの4辺のうち対向する2辺から軸方向Xの一方側へ延在する部分である。直立部33bは、第2幅方向Zに沿って対向して一対で設けられる。つまり、一対の直立部33bは、基部33aの第1幅方向Yに沿った2辺にそれぞれ設けられる。一対の直立部33bは、基部33aから軸方向Xに沿って突出して形成される。ブラケット33は、基部33a、及び、各直立部33bを含む全体として略コの字型に形成される。一対の直立部33bは、それぞれ本体部20及び板ナット31の第1テーパ面31eと当接可能である。一対の直立部33bは、それぞれ本体部20と当接可能である当接面33d、及び、第1テーパ面31eと当接可能である第2テーパ面33eを有する。
【0038】
貫通部33cは、締結ボルト32の軸部32aが貫通する貫通孔である。基部33aを軸方向Xに貫通するようにして基部33aに形成される。貫通部33cは、第1幅方向Yに沿って延在する略長円形状に形成される。ブラケット33は、当該貫通部33cに軸方向Xに沿って締結ボルト32の軸部32aが挿入される。これにより、ブラケット33は、軸方向Xに沿って移動可能に当該締結ボルト32に組み付けられる。また、ブラケット33は、貫通部33cが第1幅方向Yに沿って略長円形状に形成されることから、締結ボルト32の軸部32aが貫通部33cに挿入された状態で、締結ボルト32に対して第1幅方向Yに沿って相対移動可能に構成される。これにより、ブラケット33は、締結ボルト32に組み付けられ当該締結ボルト32の軸部32aが板ナット31の螺合孔31cに螺合した状態で、板ナット31に対して当該締結ボルト32を介して軸方向X、及び、第1幅方向Yに沿って相対移動可能に支持される。ブラケット33は、貫通部33cに締結ボルト32の軸部32aが挿入され、当該軸部32aが板ナット31の螺合孔31cに螺合された位置関係で支持された状態で、各直立部33bが基部33aより板状部31a側に位置する。典型的には、ブラケット33は、締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、基部33aが積層方向(鉛直方向)上側、各直立部33bが積層方向(鉛直方向)下側に位置する。
【0039】
当接面33dは、ブラケット33において本体部20と当接する部分である。当接面33dは、各直立部33bの第1幅方向Yの一方の端面にそれぞれ形成される。各当接面33dは、各直立部33bにおいて、本体部20の環状部20a、20bの他端側、すなわち、切り欠き部20m側で締付端部20kと第1幅方向Yに対向する面にそれぞれ形成され、当該締付端部20kと当接する面を構成する。すなわち、各当接面33dは、ブラケット33が締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、各直立部33bにおいて第1幅方向Yの締付端部20k側の面にそれぞれ形成される。各当接面33dは、各直立部33bの端面において、軸方向Xに沿った面として形成される。ブラケット33は、締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、当該各当接面33d側が上述の締付端部20kに形成された切り欠き部20mと嵌合し当該切り欠き部20m内に収容され位置決めされる。ブラケット33は、この状態で当該各当接面33d側が環状部20a、20bの締付端部20kと当接する。ここでは、各当接面33dは、上板20A、及び、下板20Bに対してそれぞれ当接する。また、締結ボルト32は、ブラケット33が組み付けられ、軸部32aが板ナット31の螺合孔31cに螺合した状態で当該軸部32aが切り欠き部20m内に形成されたガイド凹部20n内に嵌合し当該ガイド凹部20n内に収容され位置決めされる。
【0040】
第2テーパ面33eは、ブラケット33が締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、板ナット31のテーパ形成端部31dに形成された第1テーパ面31eと対向し当接する面である。本実施形態の第2テーパ面33eは、第1テーパ面31eと対向し当接する。第2テーパ面33eは、各直立部33bの第1幅方向Yの他方の端面にそれぞれ形成される。つまり、各第2テーパ面33eは、各直立部33bにおいて、本体部20の締付端部20kと第1幅方向Yに対向する当該締付端部20k側の面とは反対側の面にそれぞれ形成される。すなわち、各第2テーパ面33eは、第1幅方向Yに対して本体部20と当接する側の各当接面33dとは反対側の面にそれぞれ形成される。ブラケット33は、締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、各第2テーパ面33eが形成された部分、すなわち、各直立部33bが第1幅方向Yに対して締付端部20kとテーパ形成端部31dとの間に位置する。そして、ブラケット33は、各第2テーパ面33eがテーパ形成端部31d側で各第1テーパ面31eと対向し当接する。
【0041】
そして、各第1テーパ面31eと各第2テーパ面33eとは、互いに対向して当接すると共に、軸方向Xに対して傾斜した面として形成される。より具体的には、各第1テーパ面31e、及び、各第2テーパ面33eは、軸方向X周りの締結ボルト32の回転に伴って締結ボルト32と共にブラケット33が軸方向Xに沿って板ナット31側に接近した際に、締結力F1を押圧力F2に変換する方向に傾斜する。ここで、締結力F1は、締結ボルト32と板ナット31との間に発生する軸方向Xに沿った力である。一方、押圧力F2は、本体部20の環状部20a、20bにおける締付端部20kを第1幅方向Yに沿って当接部31bとブラケット33との間で押圧する第1幅方向Yに沿った力である。ここでは、各第2テーパ面33eは、ブラケット33が締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、基部33a側から軸方向Xに沿って離間するのにしたがって徐々に締付端部20k側に接近するような傾斜面として形成される。言い換えれば、各第2テーパ面33eは、各当接面33dが軸方向Xに沿って平行に形成された各直立部33bにあって、軸方向Xの基端側(基部33a側)から先端側に向かうにしたがって第1幅方向Yに沿った幅が徐々に狭まるような傾斜面として形成される。そして、各第1テーパ面31eは、ブラケット33が締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、各第2テーパ面33eと対向し当該各第2テーパ面33eに沿う傾斜面として形成される。すなわち、各第1テーパ面31eは、各第2テーパ面33eと当接した状態で、当該各第2テーパ面33eとほぼ平行な傾斜面として形成される。この構成により、各第1テーパ面31eと各第2テーパ面33eとは、相互に適正な接触状態を維持することができるように形成される。つまり、各第1テーパ面31eは、板ナット31が本体部20に組み付けられた状態で、締結ボルト32、ブラケット33が位置する側(積層方向上側)から軸方向Xに沿って当該締結ボルト32、ブラケット33とは反対側(積層方向下側)に離間するのにしたがって徐々に締付端部20k側に接近するような傾斜面として形成される。言い換えれば、各第1テーパ面31eは、締結ボルト32、ブラケット33が位置する側から軸方向Xに沿って当該締結ボルト32、ブラケット33とは反対側に離間するのにしたがってテーパ形成端部31dの第1幅方向Yに沿った幅が徐々に広くなるような傾斜面として形成される。
【0042】
第1規制部33fは、軸方向Xに対して予め定められた位置で板ナット31と当接して、ブラケット33の軸方向Xに沿った板ナット31側への移動を規制可能な部分である。本実施形態の第1規制部33fは、基部33aと一体で形成され当該基部33aの第2幅方向Zに沿った2辺のうち第2テーパ面33e側に位置する辺から軸方向Xの一方側へ延在する部分である。第1規制部33fは、基部33aから軸方向Xに沿って突出して形成される。第1規制部33fは、第2幅方向Zに対して一対の直立部33bの間に位置し、軸方向Xに対して直立部33bと同じ側に突出して形成される。すなわち、第1規制部33fは、ブラケット33が締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、板ナット31の板状部31a側に向かって突出するように形成される。第1規制部33fは、締結ボルト32に対して予め定められた締結トルクが付加された状態で板ナット31と当接することで、締結ボルト32の軸方向X周りの回転に伴った軸方向Xに沿ったブラケット33の移動を予め定められた位置で規制する。ここで、第1規制部33fと板ナット31とが当接する予め定められた位置は、軸方向Xの締結力F1、ひいては、第1幅方向Yの押圧力F2が適正な範囲の大きさであり過剰とならない程度の位置である。言い換えれば、予め定められた締結トルクは、典型的には、軸方向Xの締結力F1、ひいては、第1幅方向Yの押圧力F2が適正な範囲の大きさであり過剰とならない程度のトルクである。第1規制部33fは、例えば、締結力F1、押圧力F2が適正な範囲の下限値である状態では第1規制部33fが板ナット31と当接せず、締結力F1、押圧力F2が適正な範囲の上限値である状態で第1規制部33fが板ナット31と当接するように形成されてもよい。
【0043】
第2規制部33gは、本体部20と当接してブラケット33の軸方向Xに沿った本体部20側への移動を規制可能な部分である。第2規制部33gは、基部33aにおいて一対の直立部33bが設けられた辺にそれぞれ設けられる。すなわち、第2規制部33gは、基部33aにおいて第1幅方向Yに沿った2辺にそれぞれ設けられる。本実施形態の第2規制部33gは、基部33aの当該2辺から軸方向Xの一方側へ延在する部分である。第2規制部33gは、基部33aから軸方向Xに沿って突出して形成される。第2規制部33gは、軸方向Xに対して直立部33b、第1規制部33fと同じ側に突出して形成される。すなわち、第2規制部33gは、ブラケット33が締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、本体部20側に向かって突出するように形成される。つまり、ブラケット33は、締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、基部33aが積層方向(鉛直方向)上側、各直立部33b、第1規制部33f、各第2規制部33gが積層方向(鉛直方向)下側に位置する。各第2規制部33gは、それぞれ、第1幅方向Yに対して各直立部33bの本体部20側に位置する。そして、各第2規制部33gは、それぞれ、当該各直立部33bと第1幅方向Yに沿って連続するように形成される。つまりここでは、ブラケット33は、第2規制部33gが第1幅方向Yの本体部20側に位置し、第1規制部33fが第1幅方向Yの本体部20側とは反対側に位置する。第2規制部33gは、第1規制部33fと同様に、軸方向Xに対して予め定められた位置で本体部20と当接してブラケット33の軸方向Xに沿った本体部20側への移動を規制する。すなわち、第2規制部33gは、締結ボルト32に対して予め定められた締結トルクが付加された状態で板ナット31と当接することで締結ボルト32の軸方向X周りの回転に伴った軸方向Xに沿ったブラケット33の移動を予め定められた位置で規制する。本実施形態の第2規制部33gは、本体部20の締付端部20k、ここでは、上板20Aを構成する環状部20aと当接する。また、本実施形態のブラケット33は、第1規制部33fが板ナット31と当接する軸方向Xの位置と第2規制部33gが本体部20と当接する軸方向Xの位置とがほぼ同等の位置となるように各部が形成される。言い換えれば、ブラケット33は、締結ボルト32の軸方向X周りの回転に伴って軸方向Xに沿って移動した際に、第1規制部33fが板ナット31と当接するタイミングと第2規制部33gが本体部20と当接するタイミングとがほぼ同等となるように各部が形成される。
【0044】
上記のように構成されるブラケット33は、例えば、
図5、
図6に示すように、成形前ブラケット33Aを折り曲げ成形することにより各部が立体的に一体で形成される。ここでは、成形前ブラケット33Aは、例えば、繋ぎ部としてのキャリア33Bによって複数が一体に連結されることで集合体33Cを構成する。そして、ブラケット33は、当該集合体33Cから適宜キャリア33Bの一部が切断され、各成形前ブラケット33Aが相互に分離されると共に当該分離された各成形前ブラケット33Aが折り曲げ成形されることで形成される。より詳細には、集合体33Cは、一枚の板金を複数の成形前ブラケット33A、及び、複数のキャリア33Bの各部に対応した形状でプレス成形することで、複数の成形前ブラケット33Aと複数のキャリア33Bとが一体の状態で形成される。このとき、集合体33Cにおける各成形前ブラケット33Aは、基部33a、一対の直立部33b、貫通部33c、当接面33d、第2テーパ面33e、第1規制部33f、一対の第2規制部33g等の各部に対応した形状で板状に成形される。また、集合体33Cにおける各キャリア33Bは、基部33aが並ぶようにして隣接する成形前ブラケット33Aの当該基部33a同士を相互に連結するように帯状に成形される。各キャリア33Bは、基部33aの第2幅方向Zに沿った一方側の辺(第1規制部33fが位置する側の辺)と、隣接する基部33aの第2幅方向Zに沿った他方側の辺(第1規制部33fが位置する側とは反対側の辺)とを連結する。各キャリア33Bは、基部33aの連結方向(言い換えれば、成形前ブラケット33Aの並び方向)の略中央位置にパイロット孔33D等も形成されている。パイロット孔33Dは、例えば、製造装置を使ってブラケット33を製造する際に、成形前ブラケット33Aの集合体33Cを製造装置によって所定の方向に送り出す際の送り調節のために利用される孔である。パイロット孔33Dは、それぞれ各キャリア33Bを貫通するようにして形成されている。そして、各キャリア33Bは、各成形前ブラケット33Aの分割後に、その一部分が第1規制部33fを構成する。つまり、本実施形態の第1規制部33fは、キャリア33Bの一部が兼用されて構成される。集合体33Cは、各キャリア33Bが所定の切断位置33Eで切断されることで、各成形前ブラケット33Aが相互に分離されて切り出される。ここでは、切断位置33Eは、基部33aにおいて第1規制部33fが位置する端部と第1幅方向Yに対向する端部と各キャリア33Bとの連結位置、及び、第1規制部33fの先端位置に相当する。上述したように、第1規制部33fは、軸方向Xに沿ったブラケット33の移動に伴って予め定められた位置で板ナット31と当接する。このため、各キャリア33Bは、当該予め定められた位置に応じた長さ分が基部33aと連結された状態で残るように上記各切断位置33Eで切断される。これにより、各キャリア33Bは、当該基部33aと連結された状態で残された部分が第1規制部33fを構成する。このように構成された第1規制部33fは、上記のように軸方向Xに沿ったブラケット33の移動に伴って予め定められた位置で板ナット31と当接することとなる。また、このように構成された第1規制部33fは、板ナット31と当接する側の端部、すなわち、切断位置33Eとなる先端部に切断痕33hが形成されている。切断痕33hは、キャリア33Bを切断し、各成形前ブラケット33Aを相互に分離し切り出す際に形成されて残った加工痕である。そして、ブラケット33は、上記のように集合体33Cから切り出された成形前ブラケット33Aにおいて、基部33a、一対の直立部33b、第1規制部33f、一対の第2規制部33g等の各部が折り曲げ成形されることで各部が立体的に一体で形成される。
【0045】
上記のように構成されるバッテリー端子1は、板ナット31が本体部20に組み付けられ、ブラケット33が締結ボルト32の軸部32aに装着されると共に当該軸部32aが板ナット31の螺合孔31cに螺合することで各部が相互に組み付けられる。この場合、バッテリー端子1は、板ナット31が本体部20に組み付けられる際には、テーパ形成端部31dの各第1テーパ面31eが積層方向上側を向くように組み付けられる。そして、バッテリー端子1は、軸方向Xに対して、締結ボルト32のボルト頭部32bと板ナット31との間にブラケット33が介在するような位置関係でブラケット33と締結ボルト32とが板ナット31に組み付けられる。バッテリー端子1は、板ナット31が本体部20に組み付けられ、ブラケット33が締結ボルト32を介して板ナット31に組み付けられた状態で、板ナット31の当接部31bが切り欠き部20lと嵌合し切り欠き部20l内に収容され位置決めされる。また、バッテリー端子1は、この状態でブラケット33の各当接面33d側が切り欠き部20mと嵌合し切り欠き部20m内に収容され位置決めされ、締結ボルト32の軸部32aがガイド凹部20n内に嵌合し当該ガイド凹部20n内に収容され位置決めされる。さらに、バッテリー端子1は、この状態で各規制突起部20oがブラケット33に対して屈曲連結部20eとは反対側で当該ブラケット33と当接し当該ブラケット33の屈曲連結部20eとは反対側への移動を規制する。そして、バッテリー端子1は、スタッドボルト10の軸部10aが積層方向上側に露出するような位置関係でポスト挿入孔20f、20gにバッテリーポスト51が挿入されることで、バッテリーポスト51に組み付けられる。そして、バッテリー端子1は、ポスト挿入孔20f、20gの内周面とバッテリーポスト51の外周面とが接触した状態で、締結ボルト32が軸方向Xの一方側、ここでは、積層方向(鉛直方向)上側から締め付けられる。これにより、バッテリー端子1は、スリット20h、20iを挟んで環状部20a、20bの締付端部20kの両側が第1幅方向Yに締め付けられ、これにより、バッテリーポスト51に締結される。
【0046】
より詳細には、バッテリー端子1は、締結ボルト32が工具等によって軸方向X(軸部32a)周りに回転されることで、螺合作用により、締結ボルト32が軸方向Xの他方側、ここでは、積層方向(鉛直方向)下側に移動する。バッテリー端子1は、締結ボルト32の軸方向Xの他方側(積層方向下側)への移動に伴ってブラケット33も軸方向Xの他方側へ移動し、板ナット31のテーパ形成端部31d側に接近する。このとき、ブラケット33は、各当接面33dが環状部20a、20bの締付端部20kに当接すると共に当該締付端部20kに形成された切り欠き部20m、及び、各規制突起部20oによって軸方向X周りの回転が規制されつつ軸方向Xに沿った移動が案内される。そして、バッテリー端子1は、ブラケット33の軸方向Xの移動に伴って当該ブラケット33に形成された各第2テーパ面33eが板ナット31のテーパ形成端部31dに形成された各第1テーパ面31eに当接する。バッテリー端子1は、各第2テーパ面33eと各第1テーパ面31eとが当接した状態で、締結ボルト32の軸方向Xに沿ったさらなる移動に伴って、ブラケット33が軸方向Xに沿って移動する。そして、バッテリー端子1は、ブラケット33の各第2テーパ面33eが各第1テーパ面31eと当接しながら第1幅方向Yに沿って板ナット31に対して相対移動しつつ、当該板ナット31を第1幅方向Yに沿ってテーパ形成端部31d側に引き付ける。これにより、バッテリー端子1は、
図7に示すように、締結ボルト32の軸方向X周りの回転に伴って締結ボルト32と板ナット31との間に発生する軸方向Xの締結力F1を、第1幅方向Yの押圧力F2に変換することができる。ここで、第1幅方向Yの押圧力F2は、板ナット31の当接部31bとブラケット33の各当接面33dとの間で第1幅方向Yに沿って本体部20のスリット20h、20iの間隔を縮小する方向に当該本体部20の環状部20a、20bにおける締付端部20kを押圧する力である。つまり、バッテリー端子1は、締結ボルト32の回転に伴って当該締結ボルト32と共にブラケット33が軸方向Xに沿って板ナット31側に接近すると、相互に対向して当接する各第1テーパ面31eと各第2テーパ面33eとの作用によって、締結ボルト32と板ナット31との間に発生する軸方向Xの締結力F1が、第1幅方向Yに沿った押圧力F2に変換される。この結果、バッテリー端子1は、押圧力F2によって、環状部20a、20bの締付端部20kがスリット20h、20iの間隔を縮小する方向に押圧され、当該スリット20h、20iの間隔が狭まる。
【0047】
したがって、バッテリー端子1は、締結ボルト32の回転に伴って各第1テーパ面31e、各第2テーパ面33eが変換、発生させる押圧力F2によって、スリット20h、20iの間隔が狭められるように押圧される。この結果、バッテリー端子1は、ポスト挿入孔20f、20gの内周面とバッテリーポスト51の外周面とが接触した状態でポスト挿入孔20f、20gの径が縮小され、バッテリーポスト51に締結される。
【0048】
このとき、バッテリー端子1は、締結ボルト32に対して予め定められた締結トルクが付加されると、
図8に示すように、第1規制部33fが軸方向Xに対して予め定められた位置で板ナット31と当接する。これにより、バッテリー端子1は、ブラケット33の軸方向Xに沿った板ナット31側への相対移動が適正な位置で規制される。この構成により、バッテリー端子1は、ブラケット33の軸方向Xに沿った移動が適正な位置で規制され、軸方向Xの締結力F1、ひいては、第1幅方向Yの押圧力F2が適正な大きさで規制される。
【0049】
さらにここでは、バッテリー端子1は、第1規制部33fが板ナット31と当接するタイミングとほぼ同時のタイミング、あるいは、場合によってはそれよりもやや早いタイミングで、
図9に示すように、第2規制部33gが本体部20と当接する場合もある。この場合であっても、バッテリー端子1は、ブラケット33の軸方向Xに沿った板ナット31側への相対移動が適正な位置で規制される。この構成により、バッテリー端子1は、ブラケット33の軸方向Xに沿った移動が適正な位置で確実に規制され、軸方向Xの締結力F1、及び、第1幅方向Yの押圧力F2が適正な大きさで確実に規制される。
【0050】
そして、バッテリー端子1は、スタッドボルト10の軸部10aに電線54の末端に設けられた接続端子52が電気的に接続される。
【0051】
一方、バッテリー端子1は、締結ボルト32が逆回転に回転されることで、押圧力F2が弱まり、スリット20h、20iの間隔が広がり、ポスト挿入孔20f、20gの径が拡大され、バッテリーポスト51から取り外し可能な状態となる。
【0052】
以上で説明したバッテリー端子1は、本体部20に形成されたポスト挿入孔20f、20gにバッテリーポスト51が挿入された状態で、板ナット31、締結ボルト32、及び、ブラケット33の作用によって、本体部20をバッテリーポスト51に対して締結することができる。すなわち、バッテリー端子1は、締結ボルト32の軸方向Xに沿った移動に伴ってブラケット33が当該軸方向Xに沿って移動し、かつ、当該ブラケット33が板ナット31の第1テーパ面31eと当接しながら第1幅方向Yに沿って板ナット31に対して相対移動する。この構成により、バッテリー端子1は、ブラケット33の作用によって、締結ボルト32と板ナット31との間に発生する軸方向Xの締結力F1を、スリット20h、20iの間隔を縮小するように本体部20を押圧する第1幅方向Yの押圧力F2に変換することができる。この結果、バッテリー端子1は、本体部20をバッテリーポスト51に対して締結することができる。
【0053】
このとき、バッテリー端子1は、ブラケット33の第1規制部33fが軸方向Xに対して予め定められた位置で板ナット31と当接することでブラケット33の軸方向Xに沿った板ナット31側への相対移動が規制される。この構成により、バッテリー端子1は、締結ボルト32、及び、ブラケット33の軸方向Xに沿った移動を適正な位置で規制することができるので、締結ボルト32と板ナット31との間に発生する軸方向Xの締結力F1を適正な大きさに規制することができる。したがって、バッテリー端子1は、本体部20を押圧する第1幅方向Yの押圧力F2を適正な大きさに規制することができるので、バッテリーポスト51に対して適正に締結することができる。
【0054】
ここでは、バッテリー端子1は、締結ボルト32に対して予め定められた締結トルクが付加された状態で第1規制部33fが予め定められた位置で板ナット31と当接する。この構成により、バッテリー端子1は、例えば、作業員による締結ボルト32の締付作業の際にブラケット33の第1規制部33fが板ナット31と当接すると、締結ボルト32の締め付けによる反力が顕著に大きくなる。このため、バッテリー端子1は、例えば、作業員に対して締結ボルト32の締め付け状態を感覚的に認識させ易くすることができるので、適正な締付作業を実現させ易くすることができ、作業性を向上することができる。
【0055】
さらに、以上で説明したバッテリー端子1は、第1規制部33fが基部33aから軸方向Xに沿って突出して形成されると共に第2幅方向Zに対して一対の直立部33bの間に位置する。この構成により、バッテリー端子1は、第1規制部33fを確実に予め定められた位置で板ナット31と当接させることができると共に当該第1規制部33fを基部33aにおける梁部のように機能させることもできる。この結果、バッテリー端子1は、ブラケット33の基部33aの強度を向上することができるので、例えば、締結ボルト32の締め付けに応じた当該基部33aの変形、ひいてはブラケット33全体の変形を抑制することができる。この点でも、バッテリー端子1は、締結力F1、及び、押圧力F2を適正な大きさとすることができるので、バッテリーポスト51に対してより適正に締結することができる。
【0056】
さらに、以上で説明したバッテリー端子1は、第1規制部33fが板ナット31と当接するタイミングとほぼ同時のタイミング、あるいは、場合によってはそれよりもやや早いタイミングで、第2規制部33gが本体部20と当接する場合もある。この場合であっても、バッテリー端子1は、ブラケット33の軸方向Xに沿った板ナット31側への相対移動を適正な位置で規制することができる。この構成により、バッテリー端子1は、第1規制部33fが板ナット31と当接すること、又は、第2規制部33gが本体部20と当接すること、あるいはその両方によって、確実にブラケット33の軸方向Xに沿った移動を適正な位置で規制することができる。また、バッテリー端子1は、第1規制部33fと第2規制部33gとによってブラケット33の第1幅方向Yの両側で、確実にブラケット33の軸方向Xに沿った移動を適正な位置で規制することができる。この結果、バッテリー端子1は、締結力F1、及び、押圧力F2をより確実に適正な大きさに規制することができるので、バッテリーポスト51に対してより適正に締結することができる。
【0057】
さらに、以上で説明したバッテリー端子1は、第1規制部33fとしてブラケット33の製造時のキャリア33Bが兼用され、第1規制部33fにおいて板ナット31と当接する側の端部に切断痕33hが形成されている。すなわち、バッテリー端子1は、ブラケット33の製造の過程で用いられるキャリア33Bを兼用して第1規制部33fを構成することができるので、例えば、製造効率を向上することができ、製造コストを抑制することができる。
【0058】
さらに、以上で説明したバッテリー端子1は、ブラケット33が各第2テーパ面33eを介してテーパ形成端部31dの各第1テーパ面31eと適正な接触状態を維持しながら当接することができる。そして、バッテリー端子1は、当該各第1テーパ面31eと各第2テーパ面33eとの作用によって締結ボルト32と板ナット31との間に発生する軸方向Xの締結力F1を、第1幅方向Yに沿った押圧力F2に変換することができ、本体部20をバッテリーポスト51に対して締結することができる。この場合、バッテリー端子1は、各第1テーパ面31eと各第2テーパ面33eとが当接した状態で、締結ボルト32の軸方向Xに沿った移動に伴って、ブラケット33が軸方向Xに沿って移動する。そして、バッテリー端子1は、ブラケット33の各第2テーパ面33eが第1テーパ面31eと当接しながら第1幅方向Yに沿って板ナット31に対して相対移動しつつ、当該板ナット31を第1幅方向Yに沿ってテーパ形成端部31d側に引き付けることができる。これにより、バッテリー端子1は、締結ボルト32の軸方向X周りの回転に伴って締結力F1を第1幅方向Yの押圧力F2に変換し、本体部20をバッテリーポスト51に対して適正に締結することができる。
【0059】
なお、上述した本発明の実施形態に係るバッテリー端子は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0060】
以上の説明では、本体部20は、導電性を有する金属板のプレス折り曲げ加工等により、一対の環状部20a、20b、一対の保持板状部20c、20d、及び、屈曲連結部20eが一体で形成されるものとして説明したがこれに限らない。本体部20は、例えば、屈曲連結部20eを備えず、軸方向Xに対して、上板20Aを構成する上側分割体(環状部20a、保持板状部20c)と下板20Bを構成する下側分割体(環状部20b、保持板状部20d)との2層分割構造とし、別体に構成される上側分割体と下側分割体とを一体化する構成を有するものであってもよい。また、本体部20は、上板20Aと下板20Bとによって構成されなくてもよく、いずれか一方によって構成されていてもよい。
【0061】
以上の説明では、第1テーパ面31eは、テーパ形成端部31dにおいて、第2幅方向Zの両側に一対で設けられるとしたがこれに限らず、1つであってもよい。
【0062】
以上の説明では、ブラケット33は、第2規制部33gを含んで構成されるものとして説明したがこれに限らず、第2規制部33gを含まない構成であってもよい。また、以上の説明では、ブラケット33は、当該集合体33Cから適宜キャリア33Bの一部が切断され、各成形前ブラケット33Aが分離されると共に当該分離された各成形前ブラケット33Aが折り曲げ成形されることで形成されるものとして説明したがこれに限らない。つまり、第1規制部33fは、板ナット31と当接する側の端部、すなわち、切断位置33Eとなる先端部に切断痕33hが形成されているものとして説明したがこれに限らない。