(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの出口ポートに隣接して前記細長ボディの長さに沿って配置されたアブレーション要素であり、前記細長ボディが組織に挿入されると前記アブレーション要素を囲む組織を加熱する前記アブレーション要素をさらに備える、請求項1に記載のアブレーション器具。
前記絶縁材料は、最も遠位に位置する前記少なくとも1つのスペーサよりも遠位であり、かつ、前記細長ボディに形成された前記少なくとも1つの出口ポートよりも近位である位置において終端する、請求項4に記載のアブレーション器具。
前記少なくとも1つのスペーサは、第1スペーサと、前記第1スペーサから離れて遠位に配置された第2スペーサとを少なくとも含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のアブレーション器具。
前記少なくとも2つのワイヤの各々は、前記第1スペーサよりも近位側において絶縁材料でコーティングされている、請求項6から8のいずれか一項に記載のアブレーション器具。
前記少なくとも1つのスペーサが前記内部ルーメン内で半径方向に動くことができるように、前記少なくとも1つのスペーサは前記内部ルーメンの直径よりも小さな最大外径を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のアブレーション器具。
前記少なくとも1つのスペーサが前記内部ルーメン内で半径方向に動くことができないように、前記少なくとも1つのスペーサは前記内部ルーメンの直径に等しい最大外径を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のアブレーション器具。
前記少なくとも1つのスペーサより遠位側で前記内部ルーメン内に配置された、前記内部ルーメンを流れる前記流体の温度を測定する少なくとも1つの温度センサをさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のアブレーション器具。
前記少なくとも1つスペーサより近位側で前記内部ルーメンに配置された、前記内部ルーメンを流れる前記流体の温度を測定する第2温度センサをさらに備える、請求項14に記載のアブレーション器具。
前記少なくとも1つの温度センサは、およそ10mmの距離だけ前記少なくとも1つのスペーサから離されている、請求項14から17のいずれか一項に記載のアブレーション器具。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で開示される器具および方法の原理を全体的に理解いただけるよう特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態の1以上の例が添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書に詳細に説明され、添付の図面に示される器具および方法は、非限定的な例示的な実施形態であり、本願発明の範囲は請求項によってのみ定められることを理解されよう。1つの例示的な実施形態に関連して示される、または説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせられてもよい。そのような修正例および変形例は、本願発明の範囲に含まれるものとする。
【0022】
「1つの」および「一」といった用語は互換的に用いられ得、本願では「1以上」といった表現と同等である。「備える」、「有する」、「含む」、および「含有する」といった用語は、他に特記しない限り、非制限的な用語として捉えられるべきである(つまり、「含むが限定されない」といった意味を持つ)。数値または数的範囲に用いられる「約」および「およそ」といった用語は、要素の構成、部分、または集まりが本明細書で説明される意図される目的のために機能することを可能とする適した寸法公差を示す。これらの用語は一般的に、中央値から±10%の変動を示す。本明細書で結合されているものとして説明される部材は、直接的に結合されている、または、1以上の介在する部材を介して間接的に結合されていてもよい。本明細書で言及される数的範囲は、本明細書において他に特記しない限り、単に範囲内のそれぞれ別個の値を個別に言及することに対する簡単な方法として用いられており、別個の値はそれらが個別に言及されるのと同じように本明細書に組み込まれる。本明細書で説明される全ての方法は、本明細書で他に特記されていない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、何らかの適した順序で実施されてもよい。本明細書におけるあらゆる全ての例、または例示を示す表現(例えば「など」)は、本願発明をより明らかにするべく用いられており、他に特記しない限り本願発明の範囲を制限するものではない。本明細書中のいかなる表現も、特許請求されない要素が本願発明の実施に必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。さらに、本明細書の実施形態において「生理食塩水」という用語が用いられた場合、他に明示的に示されない限り、そのような実施形態においては他の流体ではなく「生理食塩水」の利用に限定されるというわけではない。典型的には他の流体も同様に用いることが出来る。
【0023】
流体補助アブレーションシステム
本願発明は一般的に、流体補助アブレーション器具で用いられる加熱要素に関する。上述したように流体補助アブレーションは、アブレーション要素から治療効果のあるエネルギーを供給しつつ組織へ流体を流すことと定義される。組織へ治療効果のあるエネルギーを供給することにより、組織内での異常高熱、さらには壊死が引き起こされる。この温度により引き起こされる組織の選択的な破壊を用い、腫瘍、子宮筋腫、不整脈(例えば、心室頻脈)、およびその他を含む様々な疾患の治療を行うことが出来る。
【0024】
米国特許第6,328,735号に説明され上記にて参照により組み込まれるSERF(登録商標)アブレーション技術(Saline Enhanced Radio Frequency(登録商標)アブレーション)などの流体補助アブレーションは、治療効果のある温度まで加熱された流体をアブレーションエネルギーと共に組織へ供給する。加熱された流体を供給することにより、アブレーション治療が促進される。なぜなら、治療される組織の細胞外空間を流れる流体が、組織を伝達する熱を20倍以上増加させることが出来るからである。よって流れる加熱された流体は、アブレーションエネルギー源からの熱エネルギーをより深く対象の組織まで伝達することが出来る。加えて、治療効果のある温度まで流体が加熱されていることにより、組織に伝達され得るエネルギーの量が増加する。最後に、以下により詳細に説明するように、流体は組織に水分を常に与えるので、組織の焦げ、およびそれに伴うインピーダンスの上昇を防ぐことも出来る。
【0025】
図1は、例示的な流体アブレーションシステム100を示す図である。システムは、対象の組織塊へ挿入される細長ボディ102を含む。細長ボディは、対象組織の形状に応じた様々な形状およびサイズを有し得る。さらに、細長ボディの特定のサイズは、治療される組織のタイプおよび位置、治療される組織塊のサイズなど、様々な要因によって異なり得る。あくまで例示ではあるが、一実施形態において、細長ボディは、およそ16〜18ゲージ(つまり、およそ1.27〜1.65mmの外径)の、およそ25cmである長さL(例として
図2に示されている)を有する薄壁のステンレス鋼針である。細長ボディ102は、組織を穿刺し、対象の組織塊への器具の導入を促す鋭利な遠位先端部104を含み得るが、他の実施形態においては、先端部は鋭利ではなく、他の様々な構造を有していてもよい。細長ボディ102は、その長さに沿って、細長ボディの遠位部に沿って位置付けられた1以上のアブレーション要素へ電気エネルギーを伝達させられるように、導電性材料から形成されてもよい。放射電極105は、細長ボディからRFエネルギーを供給することが出来るアブレーション要素の一例である。
【0026】
いくつかの実施形態において、放射電極105は細長ボディ102の一部であってもよい。例えば、細長ボディ102は、放射電極105として機能する部分を除いてその長さ全体に亘って絶縁材料でコーティングされていてもよい。より詳細には、一実施形態において、細長ボディ102は1.5milのフッ素重合体Xylan(登録商標)8840でコーティングされる。電極105は様々な長さおよび形状構造を有し得る。一実施形態において、電極105は、周辺組織に曝される管状細長ボディの4mmの部分である。さらに、電極105は細長ボディ105の長さに沿っていずれの位置に位置付けられてもよい(また、細長ボディの長さに沿って2以上の電極が配置されてもよい)。一実施形態において、電極は遠位先端部104に隣接して位置付けられる。他の実施形態において、細長ボディは絶縁材料から形成され、電極は、細長ボディの外周、または細長ボディの部分間に配置される。
【0027】
他の実施形態において、電極は、電流を伝達するのに適した様々な他の材料から形成される。いずれかの金属または金属塩が用いられ得る。ステンレス鋼の他に、例示的な金属には、プラチナ、金、または銀が含まれ、例示的な金属塩には、銀/塩化銀が含まれる。一実施形態において、電極は、銀/塩化銀から形成され得る。金属電極を用いると、周辺組織および/または液体との間で電位差が生じることが分かっている。この電圧差に対し電流を通すことにより、電極/組織間の接点においてエネルギー散逸が起こり、電極の近くの組織の過度の加熱をさらに悪化させ得る。銀/塩化銀などの金属塩を用いることの利点としては、高い交換電流密度が得られるということがある。結果として、多量の電流を小さな電圧降下で、よって当該接点におけるエネルギー散逸を最小化しつつ、電極から組織へと流すことが出来る。よって、銀/塩化銀などの金属塩から形成された電極は、組織との接点における過度のエネルギー生成を低減することが出来、したがって、電極の近くにおいて液体の流れがない場合であっても、より所望されるものに近い治療効果のある温度プロファイルを実現することが出来る。
【0028】
電極105または他のアブレーション要素は、細長ボディ102内で延在する内部ルーメン106から周辺組織へ流体を(矢印109で示されるように)供給する1以上の出口ポート108を含み得る。代替的に、電極105は、細長ボディ102に形成された1以上の出口ポート108の近くに位置付けされる。多くの実施形態において、流れる流体の治療効果を最大にするべく、電極を1以上の出口ポートに隣接して位置付けるのが望ましい。出口ポート108は様々なサイズ、数、パターン構成で形成され得る。加えて、出口ポート108は、細長ボディ102から様々な方向に流体を方向付けてもよい。これらの方向には、
図1において矢印109で示される垂直方向(つまり、細長ボディの表面に対し垂直な方向)、並びに、細長ボディの周りに液体の円状または螺旋状の流れを生成する様々な方向を含む、細長ボディ102の長手軸に近づく方向、または離れる方向が含まれる。さらには、いくつかの実施形態において、細長ボディ102は、出口ポートとして機能する開放された遠位端を有するよう形成される。例示として、一実施形態において、およそ0.4mmの直径を有する24個の均等に配置された出口ポート108が、放電加工(EDM)を用いて電極105の周囲に形成される。当業者であれば、出口ポート108の形成に他の製造方法を用いることが出来ることを理解されよう。加えて、いくつかの実施形態において、出口ポートは電極自体に配置されるのではなく、電極に隣接して細長ボディの部分に沿って配置される。
【0029】
出口ポート108と連通する内部ルーメン106は、内部ルーメン106を通過する流体を組織に導入される直前に加熱する加熱アセンブリ110を収容してもよい。さらに、細長ボディの電極105または他のアブレーション要素より遠位側に位置する部分は、内部ルーメン106が電極105の遠位端で終端するように中空でない、または中身が詰まっていてもよい。一実施形態において、細長ボディの電極より遠位側の部分の内部は、エポキシ樹脂で接着される、または締まりばめにより固定されるプラスチックのプラグによって閉じられている。他の実施形態において、細長ボディの電極より遠位側の部分は固体金属から形成され、溶着、かしめ、または当技術分野で公知の他の何らかの技術により細長ボディの近位部に取り付けられている。
【0030】
流体は、流体容器112から内部ルーメン106および加熱アセンブリ110へ供給されてもよい。流体容器112は流体導管114を介して内部ルーメン106へ接続されていてもよい。流体導管114は例えば、一定の長さの柔軟性のあるプラスチックの管である。また流体導管114は、剛性の管、または剛性の管と柔軟性の管との組み合わせであってもよい。
【0031】
流体は、ポンプ116により流体容器112から内部ルーメン106へ流されてもよい。ポンプ116は、プランジャー(図示せず)の進行と共に一定の流量を生成するシリンジタイプのポンプであってもよい。そのようなポンプの例には、米国イリノイ州シカゴのCole−Palmer Corporationが販売するModel 74900がある。ダイヤフラムポンプなど他のタイプのポンプを用いてもよい。
【0032】
ポンプ116は、電源/制御器118により制御され得る。電源/制御器118は、電気制御信号をポンプ116へ送り、所望される流量の流体の流れをポンプに生成させ得る。電源/制御器118は電気接続120を介してポンプ116に接続されていてもよい。電源/制御器118は、接続122を介して細長ボディ102に、および接続126を介して集電極124に電気的に接続されていてもよい。加えて、以下に説明するように、電源/制御器118は、同様の電気接続を介して、加熱アセンブリ110に接続されていてもよい。
【0033】
集電極124は、様々な形態のものであってもよい。例えば、集電極124は患者の体の外部に位置付けされている大型の電極であってもよい。他の実施形態において、集電極124は、細長ボディ102の他の場所に位置付けされた対極板であってもよく、または、治療部位の近くで患者の体に導入される第2細長ボディに位置付けされていてもよい。
【0034】
動作において、電源/制御器118はその駆動により、所望される流量での組織への流体の供給、所望される治療効果のある温度への流体の加熱、および、電極105などの1以上のアブレーション要素を介した治療効果のあるアブレーションエネルギーの供給を行う。これらを行うために、電源/制御器118自体は、要求される電気制御を行い、治療効果のあるエネルギーを生成する信号を生成、調整、および供給するための複数の部材を含んでいてよい。例えば、電源/制御器118は、任意の振幅および周波数を有する1以上のRF信号を生成する1以上の周波数発生器を含み得る。これらの信号は、1以上のRF電力増幅器により、例えば1アンペア、50ボルトなど比較的高い電圧であり高いアンペア数である信号へ増幅されてもよい。RFエネルギーが放射電極105と、患者の体で離れて位置付けられ得る集電極124との間で伝達されるよう、これらのRF信号は、1以上の電気接続122および細長ボディ102を介してアブレーション要素へ供給されてもよい。細長ボディが非導電性材料から形成される実施形態において、細長ボディの内部ルーメン内、または細長ボディの外部表面に沿って1以上の電気接続122が延在し、電流を放射電極105へ供給する。アブレーション要素と集電極124との間でRFエネルギーが伝達されることにより、組織の内在する電気抵抗によって細長ボディ102を囲む組織が加熱され得る。また電源/制御器118は、例えば電力モニタへ1以上のRF信号の一部を供給し、所望される治療レベルへのRF信号電力の調整を可能とする方向性結合器も含んでよい。
【0035】
図1に示す細長ボディ102は、様々なやり方で患者の体に挿入され得る。
図2は、器具200の一実施形態を示す。器具200は、その遠位端に結合された、組織の対称部位へ腹腔鏡挿入、または直接挿入される細長ボディ202を有する。細長ボディ202に加えて、器具200は、オペレータによる器具200の操作を可能とするハンドル204を含み得る。ハンドル204は、細長ボディの様々な部材(例えば加熱アセンブリおよびアブレーション要素205)を、例えば上述したような電源/制御器118へ接続する1以上の電気接続206を含み得る。またハンドル204は、流体源を器具200へ接続するための少なくとも1つの流体導管208も含み得る。
【0036】
器具200は流体補助アブレーションで用いるべく適合され得る医療器具の1つの例示的な実施形態であり、他の多くの器具を用いることも可能である。例えば、心室頻脈など不整脈の治療には非常に小さな細長ボディが必要とされ得る。そのような場合、適切なサイズの細長ボディが、例えば、循環系を介して心臓まで挿入されるカテーテルの遠位端に配置されてもよい。一実施形態において、およそ20〜25ゲージ(つまり、およそ0.5〜0.9mmの外径)のステンレス鋼針のボディをカテーテルの遠位端に配置してもよい。カテーテルは様々なサイズを有し得るが、いくつかの実施形態においては、長さがおよそ120cm、直径がおよそ8フレンチ(「フレンチ」は、カテーテルの分野で用いられている、カテーテルのサイズを表し、ミリメートルで表されるカテーテルの直径の3倍に等しい測定単位である)である。
【0037】
流体補助アブレーションを用いた治療
一般的にアブレーションは、組織の選択的な壊死および/または除去を行うために高温または低温での治療を伴う。アブレーションにより実現される組織の熱破壊には時間と温度との間の関係が知られている。一般的に、組織に対して不可逆的な熱損傷を引き起こす閾値温度は、およそ摂氏41度(℃)であると認められている。また、治療温度が41℃を超えてさらに上昇すると特定のレベルの細胞壊死を引き起こすのに必要とされる時間は短くなることも知られている。細胞のタイプごとに正確な時間/温度の関係は異なるが、多くの異なる細胞のタイプに関して、所望される熱量レベルを判断するのに用いられ得る一般的な関係があるものと理解されている。この関係は43℃での等価時間と一般的に呼ばれ、以下のように表される。
【数1】
ここでTは組織の温度であり、Rは、Sapareto S.A.and W.C.Dewey,Int.J.Rad.Onc.Biol.Phys.10(6):787−800(1984)で説明される0〜5の範囲(典型的には43℃以上の温度に関しては2、41℃未満の温度に関しては0、41〜43℃の温度に関しては4)の治療効果に関する単位のない指標である。この数式およびパラメータのセットは、熱量を計算するための多くの公知の方法のうち単なる一例であり、本願発明の方法および器具にはいずれの方法であっても用いることが可能である。上記の数式(1)を用いると、43℃=20分〜1時間の範囲の熱量が一般的には治療効果があるものとして認められているが、組織を壊死させるのに必要な熱量は組織のタイプによるとの考えもある。よって、治療効果のある温度は、41℃を超えるいずれかの温度であるが、伝達される熱量、さらには治療効果は、その時点における温度に関する前歴(つまり、組織が以前に耐えることが出来た熱量)、加熱される組織のタイプ、および数式(1)によって決まる。例えば、Nath,S.and Haines,D.E.,Prog.Card.Dis.37(4):185−205(1995)(Nath et al.)はR=2での43℃、128分の等価時間と同等である50℃、1分を治療効果のあるものとして提案している。加えて、効率性を最大化すべく、熱量が均一に供給されるよう、治療効果のある温度は、治療される組織全体に亘り均一であるべきである。
【0038】
図3は、電極105などアブレーション要素からの距離の関数として得られるシミュレーションにより得られる温度プロファイルを示すことにより、いくつかのアブレーション技術の性能プロファイルを示す。第1のプロファイル302は、流体補助を利用しないRFアブレーションの性能を示す。図面に示すように、組織の温度は電極からの距離が長くなるにつれ非常に急激に低下する。このことが意味するのは、アブレーション要素から10mmの距離の範囲内において、組織の温度はまだ体温(37℃)とおよそ同じであり、上述した50℃の治療効果のある温度よりもはるかに低いということである。さらに、アブレーション要素に非常に近い位置において、温度は非常に高く、組織からさらに早く水分が奪われ、つまり組織が乾燥し、焦げてしまう。このことが発生すると、組織のインピーダンスが急激に上昇し、アブレーション要素から離れた位置の組織にエネルギーを伝達させるのが困難になる。
【0039】
第2の組織温度プロファイル304は、米国特許第5,431,649号に説明されるものと同様の従来技術の第2のシステムに関連する。この第2のシステムにおいては、組織へ電極が挿入され、およそ525mA、400kHzのRF電流が流され、組織を加熱する。10ml/分の流量で、体温(37℃)の食塩溶液が同時に組織へと注入される。その結果得られる組織温度プロファイル304は、プロファイル302よりも均一ではあるが、全体での最高温度はおよそ50℃である。よって温度プロファイル304は、組織の僅かな部分のみでしか、1分間の治療に関して組織に損傷を引き起こすものと一般的に認められる温度の閾値を超えない。上述したように、そのような僅かな温度の上昇では、治療的に意義のある結果を得るには非常に長い治療時間が必要とされる。
【0040】
第3の組織温度プロファイル306は、本願発明の教示を用いて得られたものである。示される実施形態において、銀/塩化銀から形成される電極が組織に挿入され、525mA、480kHzのRF電流が流され、組織を加熱する。10ml/分の流量で、50℃まで加熱された食塩溶液が同時に組織に注入される。その結果得られる温度プロファイル306は均一かつ、電極から15mm離れた位置においても50℃の治療効果のある閾値を優に超えている。さらに、組織塊内で温度が均一であるので、供給される熱量も組織塊全体において均一である。
【0041】
図3に見られる均一な温度プロファイルは、アブレーションエネルギーを加える間に加熱された流体を対象組織に導入することにより得られる。流体により熱が組織の深い位置まで伝えられ、プロファイル302に見られるようにアブレーション要素の近くで発生する組織の焦げおよびインピーダンスの変化を低減できる。さらに、流体が治療効果のあるレベルまで加熱されるので、流体は、プロファイル304に見られるような周辺組織の温度を引き下げるヒートシンクとしての働きをしない。よって、同時に行われるRFエネルギーの適用と、加熱された食塩溶液の組織への灌流とにより、電極に隣接する組織の乾燥および/または水分の蒸発がなくなり、組織のインピーダンスが有効なまま維持され、RFエネルギーにより加熱されている組織内の熱伝導が促される。よって、例えば41℃超などの治療効果のある温度まで加熱され得る組織の全体量が増加する。例えば実験テストでは、本明細書で説明される流体補助アブレーション技術を用いると、およそ8cmの直径を有する組織塊(つまり、およそ156cm
3の球積)を、5分で治療可能であることが示された。比較すると、従来のRF技術では、同じ5分間ではおよそ3cmの直径を有する組織塊(つまり、14cm
3の球積)のみしか治療出来ない。
【0042】
加えて、本願発明に係る流体補助アブレーション器具は、治療される組織に応じて治療プロファイルの形状を調整するべく変更され得るパラメータの数が多い。例えば、SERF(登録商標)アブレーション技術を用いる場合、オペレータまたは制御システムは、温度プロファイル306を調整すべく、生理食塩水の温度(例えば、およそ40〜80℃)、生理食塩水の流量(例えば、およそ0〜20ml/分)、RF電力(例えば、およそ0〜100W)、および治療時間の長さ(例えば、およそ0〜10分)などのパラメータを変更することが出来る。加えて、治療に修正を加えるべく、異なる電極構成を用いてもよい。例えば、
図1に示される放射電極105は、単極の電流に適合させ連続的な円柱状の帯として構成されているが、電極は、連続的な表面積を形成する球状または螺旋状の他の形状で形成されてもよく、または、電極は複数の独立した部分を有していてもよい。また電極は、1つの電極(または電極の一部)が陰極として働き、他方の電極(またはその一部)が陽極として働く二極の動作のために構成されてもよい。
【0043】
SERF(登録商標)アブレーション技術で用いるのに好ましい流体は、無菌の(塩を含有する溶液として定義される)食塩溶液である。しかし、Ringerの溶液、または濃縮された食塩溶液を含む他の液体を用いてもよい。流体は、対象組織に適用された時に所望される治療効果のある、また物理的な特性を得るべく選択されてもよく、無菌の流体が組織の感染を防ぐ目的で推奨される。
【0044】
デュアルワイヤ加熱アセンブリ
上述したように、細長ボディの内部ルーメン内を流れる生理食塩水または他の流体は、内部ルーメン内に配置された加熱アセンブリにより治療効果のある温度まで加熱され得る。
図4は、そのようなアセンブリの一実施形態を示す。近位端および鋭利な遠位端404を有する細長ボディ402は、内部ルーメン406を含む。また細長ボディ402は細長ボディ402を囲む組織へRFエネルギーを供給する、放射電極405などの少なくとも1つのアブレーション要素も含む。また電極405は、内部ルーメン406から周辺組織へ流体を供給する1以上の出口ポート408も含む。
【0045】
内部ルーメン406内には、1以上のスペーサ414、414'により一定距離だけ離して懸架された2つのワイヤ410、412を含む加熱アセンブリが配置されている。ワイヤ410、412は、内部ルーメン406内を流れる流体を介してワイヤ間で電気エネルギーが伝達されるよう電源に接続されていてもよい。内部ルーメン406内での流体を介した電気(例えばRF)エネルギーの伝達により、RFエネルギーを用いて細長ボディを囲む組織を加熱することが出来る上述したメカニズムと同様に、流体固有の電気抵抗に起因して流体の温度の上昇が起こる。電極105に関連して上述した材料と同様に、ワイヤ410、412は、いずれの導電性材料から形成されていてもよい。しかし一実施形態において、ワイヤ410、412は、銀のワイヤから形成され、スペーサ414、414'の間に、またはそれらに隣接して、露出された塩化物からなる表面を有する。上述したように、これらの材料は、ワイヤと流体との接点に亘り電圧降下を最小化するイオン交換処理に関与し得、周囲の流体の過度の加熱を防ぐことが出来る。
【0046】
内部ルーメン406内を流れる流体を介して効果的にエネルギーを伝達させるべく、例示的な実施形態において、ワイヤ410、412(または少なくともワイヤの露出部分)は、短絡を引き起こし得る互いの接触が生じないようさせられる。スペーサ414、414'は様々な形態をとり得るが、一実施形態において、ワイヤ410、412の互いの幾何学的関係を一定に維持する、つまり互いに一定距離離れ、かつ一定の空間方向を向くよう維持する円盤状部材である。いくつかの実施形態において、ワイヤ410、412は、電極405および出口ポート408より僅かに近位側の位置において短い距離だけ露出させられる。
図4に示すように、ワイヤは、ワイヤの遠位部の近位端および遠位端に位置付けられた2つのスペーサ414、414'の間で距離d1だけ露出させられる。スペーサ414より近位側において、ワイヤ410、412を電気絶縁材料418で被覆し、ワイヤ410、412の間での電気エネルギーの通過を防いでもよい。加えて、ワイヤ410、412が直接細長ボディ402に接触することを防ぐことにより、ワイヤ410、412の両方が同時に導電性の細長ボディに接触することにより起こり得る短絡を防いでもよい。したがって、いくつかの実施形態において、細長ボディ402は、細長ボディ402の内壁に配置されるプラスチック管、ライナー、またはコーティングなどの絶縁材料420で裏打ちされる。
【0047】
さらに、スペーサ414、414'は、細長ボディ402の内径を全体的に占めるよう、或いは、細長ボディの内部ルーメン406の直径未満の最大外径を有することにより、内部ルーメン406内で浮いた状態となるよう構成されてもよい。このような構成により、スペーサ414、414'は、内部ルーメン406の中心長手軸に対して半径方向に動くことが可能となる。スペーサ414、414'の位置は、細長ボディ402または絶縁材料420の内壁間で締まりばめにより固定されるようにスペーサを構成することにより、接着剤などを用いて細長ボディの一部へスペーサ414、414'を接着することにより、或いは、スペーサから半径方向に外側に向かって延在し、内部ルーメンの内壁に係合するスポーク、アーム、または他の表面特徴を用いることにより、固定され得る。したがって、スペーサ414、414'はワイヤ410、412と細長ボディ402との幾何学的関係を実質的に一定に維持し得る。
【0048】
ワイヤ410、412の互いの位置関係、および/または細長ボディ402との位置関係を一定に維持するのに必要なスペーサ414の数は、ワイヤの露出部分の長さ、細長ボディ402の内径、ワイヤ410、412の直径、用いられるワイヤの剛性、および細長ボディ402のサイズを含む多くの要因に応じて異なり得る。
図4に示す実施形態において、ワイヤ410、412を距離d1だけ互い離すべく2つのスペーサ414、414'が用いられている。距離d1は異なる距離であり得るが、一実施形態においてはおよそ5mmである。さらに、スペーサ414の厚さも、細長ボディ402およびワイヤ410、412の特定の構造に応じて必要となる機械的な要求に従って調整され得る。
【0049】
また内部ルーメン406は、内部ルーメン内を流れる流体の加熱をモニタリングし、その制御を補助すべく、1以上の温度センサを収容してもよい。
図4に示す実施形態では、スペーサ414'から距離d2だけを置いて流体内で浮いているクロメルコンスタンタン細線熱電対が含まれる。当業者であれば、熱電対は、流れる流体の温度を計測するのに用いられ得る温度センサの一例に過ぎず、サーミスタおよびダイオードを含む様々なセンサも用い得ることを理解されるであろう。さらに、距離d2は異なる値であってもよく、一実施形態においてはおよそ10mmである。また熱電対422は、電極405および出口ポート408より近位側に距離d3を置いて配置され得る。この距離d3も異なる値であってよく、一実施形態においてはおよそ2mmである。距離d1、d2、d3(および対応する、スペーサ414、414'の位置)は、内部ルーメン406を流れる流体の十分な加熱を可能とし、出口ポート408を流れる前に加熱された流体が十分に混合されることを可能とすることにより、細長ボディ402を囲む組織へ注入される流体の温度が均一となるよう選択され得る。しかし、内部ルーメン406内を流れる流体の加熱が可能な限り出口ポート408の近くで行われるよう距離d2、d3は出来るだけ小さくすべきである。この構成により、加熱された流体を患者の体から離れた位置から搬送することに関する熱の損失、および環境の意図されない加熱を最小化することが出来る。
【0050】
図5A〜
図5Cはそれぞれ、
図4の器具の位置A、B、Cにおける断面を示す。
図5Aは、細長ボディ402の加熱アセンブリより近位側の部分を示す。図面に示されるように、細長ボディ402は絶縁材料420で裏打ちされていてもよく、ワイヤ410、412のそれぞれも、絶縁材料418でコーティングされていてもよい。当業者であれば、絶縁材料420で裏打ちされる部分は必ずしも、ワイヤ410、412が絶縁材料418でコーティングされる部分でなくてもよいことを理解されよう。よって、絶縁材料420は、
図5Aに示されるように細長ボディの全長に亘って存在してもよく、或いは、
図5Cに関して以下で説明するように、ワイヤ410、412が露出させられる部分のみに亘って位置付けられてもよい。さらに、以下により詳細に説明されるように、いくつかの実施形態においては、ワイヤ410、412とアブレーション要素405とに接続される独立した電源を分離することにより、絶縁材料は全く存在する必要がなくなる。ワイヤ410、412が絶縁材料418でコーティングされた細長ボディのいずれの部分に亘っても、ワイヤ410、412は内部ルーメン406内で自由に浮いた状態とされてもよい。代替的に、ワイヤ410、412の互いの位置関係、および細長ボディ402との位置関係を維持するべく、細長ボディ402の長さに沿って1以上のスペーサ414が配置されてもよい。
【0051】
図5Bは、細長ボディ402がスペーサ414を有する部分を示す。図面に示されているのは、細長ボディ402、内部ルーメン406、絶縁材料420、スペーサ414、およびワイヤ410、412である。この図面においては、スペーサ414は、スペーサ414が細長ボディ402の直径全体を占めた際に流体がスペーサ414を通過して流れられる2つの穴、および少なくとも1つの中央ルーメン502を有する円盤状、または円柱状の部材として示されている。他の実施形態において、特に、スペーサが細長ボディ402の内径全体を占めず、流体がスペーサの周りを流れることが出来る実施形態において、スペーサは中央ルーメンを有する必要がない。一実施形態において、3つのルーメンが押出形成された単一の管を、所望の厚さを有するスペーサとなるよう切断することによりスペーサ414、414'を形成してもよい。ワイヤ410、412はスペーサ414に形成された2つの穴を通され(
図5Bにおいてはワイヤ410、412と同一場所に位置するものと示されている)、例えば、締まりばめまたはエポキシ系接着剤により一定の位置に維持され得る。
【0052】
図5Cは、細長ボディ402の、スペーサ414に隣接し、スペーサ414、414'の間である部分を示す。この部分においてワイヤ410、412は露出されており、流体は、ワイヤ410、412の間を流れて加熱される。細長ボディ402内のこのような位置において、ワイヤ410、412は絶縁されておらず、絶縁材料420、および隣接するスペーサ414、414'の拘束力によって細長ボディ402との接触が妨げられる。
【0053】
図6は、
図4および5A〜5Cに示されるものと同様の加熱アセンブリの分解図を示す。図面に示されるように、ステンレス鋼の細長ボディ602の内部ルーメンは、プラスチック管など絶縁材料604で裏打ちされていてもよい。2つのワイヤ606、608と1以上のスペーサ610とを備える加熱アセンブリは、ワイヤ606、608の互いの接触、および細長ボディ602との接触が妨げられるよう内部ルーメン内に配置されてもよい。
【0054】
図7は、細長ボディ402を囲む組織と、細長ボディ402の内部ルーメン406を流れる流体との両方へRFエネルギーを供給するための例示的な電気回路を示す。示される実施形態において、2つの独立した電源702、704を用いて、例えばRFエネルギーを含む電気エネルギーを供給する。電源702は、細長ボディ402の内部ルーメン406を通される2つのワイヤ410、412と接続されてもよい。ワイヤを介して電流を流すことにより、ワイヤ410、412の露出された部分の間で、内部ルーメン406を流れる流体を介してエネルギーが伝達され得る。
【0055】
電源704は、細長ボディ402と集電極124との両方に接続されてもよい。集電極は、患者の体で離れて、例えば、手術台上の患者の背中の下に配置されてもよい。上述したように、他の実施形態において、集電極124は細長ボディ402上に同一の場所に位置付けられてもよく、或いは、細長ボディ402の近くに位置付けられた第2の細長ボディに位置付けられてもよい。当業者であれば、細長ボディ402上に集電極124を位置付けるには、放射電極405を集電極から絶縁する必要があることを理解されよう。このことは、例えば細長ボディ402を非導電性材料から形成する、2つの電極を細長ボディ402の表面上に載置するなどを含む様々なやり方により実現され得る。そのような実施形態において、電源704は、細長ボディ402の内部ルーメン内で延在する、または細長ボディ402の外面に沿って延在するワイヤなど、何らかの適した電気接続により2つの電極へ接続され得る。
【0056】
再び図面を参照すると、電源704は、細長ボディ402に電流を流すことにより、電極405から集電極124へRFエネルギーを伝達させられる。2つの電源702、704は共通の電気接地を共有していないので、互いに電気的に絶縁されたままである。このことにより、電源702からの電力は、細長ボディ402内を流れる生理食塩水だけを加熱し、一方電源704からの電力は、細長ボディ402を囲む組織のみを加熱することが可能となる。上述したスペーサおよび絶縁材料を用いて、2つのワイヤ410、412が互いに接触すること、または細長ボディ402に同時に接触することにより引き起こされ得る2つのワイヤ410、412間の短絡を防ぐ。当業者であれば、スペーサと、ワイヤおよび/または細長ボディの内壁を被覆する絶縁材料との様々な組み合わせを用いて、そのような短絡を防ぎ得ることを理解されよう。
【0057】
例示的な実施形態において、ポンプ式で食塩溶液を細長ボディの内部ルーメン406に流すことにより、電源702を用いて生理食塩水を体温より高い温度、好ましくは、50〜70℃の温度まで加熱することが出来る。このことは、内部ルーメン406内の流体へワイヤ410、412を介してRFエネルギーを伝達することにより実現可能である。例えば、典型的な流体補助アブレーション療法における動作パラメータは、ワイヤ410、412への20ボルト以上の電圧の印加を伴う。いくつかの実施形態において、印加される電圧は120ボルトもの高い電圧であり、いくつかの実施形態においては、およそ30ボルト(例えば、一実施形態においては31.25ボルト)である。加熱された、流れる食塩溶液は、続いて細長ボディ402を囲む組織へ、出口ポート408を介して様々な流量で注入され得る。例えば、いくつかの実施形態において、流体は細長ボディ402からおよそ10ml/分の流量で注入され得る。加熱された流体の供給は、電源704からのアブレーションエネルギーの供給とは独立して、またはその供給と関連して行われ得る。流体補助アブレーション療法における動作パラメータは、所望される治療効果、治療対象である組織塊の形状および組織特性などを含む多数の要因に応じて異なり得る。例として一実施形態において、患者の肝臓に対して行われるアブレーション療法では、40ワットの電力を用いて生理食塩水を50℃まで加熱し、およそ5分間、10ml/分の流量で生理食塩水を供給し得る。さらに他の例として、これらと同じパラメータを用いた心臓組織に対するアブレーション療法では、およそ90秒間だけ、治療が行われ得る。最終的には治療対象部位の特定の特性に基づいて動作パラメータが選択されるが、流体補助アブレーション療法では、典型的にはおよそ0〜20ml/分の間の流量で生理食塩水が供給される。生理食塩水は、典型的には〜80ワットの電力、および〜120ボルトの電圧を用いて、およそ50〜80℃まで加熱される。これらの例示的な動作パラメータに従って加熱された流体は、組織へ直接供給される電気エネルギーと組み合わさって、アブレーション療法を行い得る。いくつかの実施形態において、例えば放射電極から、〜100ワットの電力が組織に対して加えられ得る。
【0058】
シングルワイヤ加熱アセンブリ
図8は、加熱アセンブリ110の第2実施形態を示す。本実施形態においては、導電性の細長ボディ、または細長ボディ内に配置された導電性管と組み合わせて単一のワイヤが用いられ、細長ボディの内部ルーメン内を流れる流体へRFエネルギーが供給される。このような加熱設計を用いると、例えば心室頻脈など不整脈の治療において患者の心臓部位に到達するために小さなサイズの細長ボディが用いられる実施形態において有利であり得る。さらに、このような構成により、以下に説明するように、細長ボディの内部ルーメンを流れる流体をより均一に加熱可能となる。さらには、当業者であれば、デュアルワイヤアセンブリ、およびシングルワイヤアセンブリは、それぞれの実施形態に関して本明細書において説明される特徴のいずれの組み合わせも含み得ることを理解されよう。
【0059】
図面に示されるように、細長ボディ802は、近位端、および、鋭利な遠位先端部804を含み、細長ボディ802の長さに沿って配置された電極805などの少なくとも1つのアブレーション要素を含む。また細長ボディ802は、電極805に形成された1以上の出口ポート808と流体連通している内部ルーメン806も含む。細長ボディ802は、上述した細長ボディ102と同様の材料、つまり、電源から電極805へ電流を流すことのできる導電性材料から形成され得る。
【0060】
細長ボディ802の内部ルーメン806内には、2つのスペーサ要素812、812'間で距離d1だけ延在する露出部分を介して内部ルーメン内を流れる流体にRFエネルギーを供給するワイヤ810が配置されている。スペーサ要素812、812'は、ワイヤ810と細長ボディ802との幾何学的関係を実質的に一定に維持することが出来、プラスチックなどの絶縁材料から形成され得る。幾何学的関係を実質的に一定に維持することにより、スペーサ812、812'は、ワイヤ810の露出部分が細長ボディ802に直接接触し、短絡を引き起こすことを防ぐことが出来る。なお、ワイヤ810は、スペーサ812より近位側のいずれかの部分に沿って、絶縁材料418と同様の絶縁材料(図示せず)でコーティングされていてもよい。
【0061】
スペーサ812、812'を分け隔てる距離d1は、特定の実施形態における、所望される加熱力、電源、ワイヤの直径、および細長ボディのサイズに応じて異なり得る。一実施形態において、細長ボディはおよそ0.4mmの直径を有する、25ゲージの薄壁の針である。細長ボディの内径未満の外径を有するワイヤは、距離d1がおよそ2mmである露出部分を有し得る。一実施形態において、ワイヤは、およそ.125mmの外径を有し得る。ワイヤ810の露出部分は、電極805およびその出口ポート808より近位側の直ぐ隣に位置付けられ得るが、ワイヤ810により加熱される流体が細長ボディを囲む組織に導入される前に十分に混ぜ合わさり、温度がより均一になるための十分な時間が確保されるよう、それの部材間を分け隔てるいくらかの距離が置かれるべきである。
【0062】
上述した第1実施形態と同様に、内部ルーメン806を流れる流体の加熱の制御を補助すべく、1以上の温度センサ814も内部ルーメン806内に配置され得る。例えば、温度センサ814は、ワイヤ810の遠位端と、電極805の近位端との間に位置付けられ得る。つまり、温度センサ814はワイヤ810の遠位端を超えて距離d2を置いて、電極805の近位端の手前に距離d3を置いて位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、距離d2はおよそ1mmであり得、距離d3はほぼ0mmであり得る。温度センサは、様々なセンサのうちいずれであってもよく、いくつかの実施形態において、当技術分野で公知のクロメルコンスタンタン細線熱電対である。
【0063】
図9Aおよび9Bはそれぞれ、
図8の細長ボディの位置A、Bにおける断面を示す。
図9Aに示すように、スペーサ812、812'間でワイヤ810は露出させられ、電気エネルギーは自由に細長ボディ802へと伝わり内部ルーメン806内の流体を加熱することが出来る。なお、細長ボディ802は上述したように絶縁材料で裏打ちされていない。むしろ、本実施形態において細長ボディ802は、ワイヤ810からエネルギーを受け取る第2電極として機能する。しかし、いくつかの実施形態において、細長ボディ802はスペーサ812よりも近位側において絶縁材料で裏打ちされる。
【0064】
図9Bは、細長ボディを、ワイヤ810がスペーサ812により細長ボディ802との接触から保護されている位置において示す。スペーサ812は、ワイヤ810を、細長ボディの長手軸と実質的に同軸となる位置に維持することが出来る。図面に示されるように、スペーサ812は内部ルーメン806の直径全体を占める必要はない。むしろ、スペーサ812は、様々なサイズで形成され得、いくつかの実施形態において、内部ルーメン806の利用可能な空間の全体を実質的に占めてもよく、また他の実施形態において、非常に小さなサイズであってもよい。スペーサ812が内部ルーメン806の全体を実質的に占める実施形態において、上述したスペーサ414の中央ルーメン502と同様に、スペーサの周りを流体が流れられるよう、スペーサに1以上の通路を形成することも必要となり得る。当業者であれば、スペーサ812を、スペーサ414と同様に押出形成された管として形成してもよいことを理解されるであろう。このように押出形成される部材には、流体の通路として機能し得る1以上のルーメンを形成してもよい。加えて、エネルギーの伝搬が望まれない部分においてワイヤ810は、絶縁材料でコーティングされていてもよい。例えば、スペーサ812から近位側に延在する部分においてワイヤ810は、絶縁材料でコーティングされていてもよい。
【0065】
図10は、細長ボディ802の内部ルーメン806内を流れる流体、および細長ボディを囲む組織へRFエネルギーを個別に供給するための電気回路の一実施形態を示す。図面に示されるように、2つの電源1002、1004を用いて、
図7に示される回路と同様に、内部ルーメン806内の流体、および細長ボディ802を囲む組織へエネルギーが供給される。しかし、示される実施形態において、各電源1002、1004により形成される回路は、共通電極として細長ボディ802を共有する。言い換えると、内部ルーメン806内を流れる流体へRFエネルギーを供給する電源1002は、内部ルーメン806内に配置されたワイヤ810と、細長ボディ802自体とに接続されている。そして細長ボディ802は、電源1002の電極として機能する。他方、電源1004は、細長ボディ802と集電極124とに接続されている。したがって、電源1004は、電極805から細長ボディ802を囲む組織へRFエネルギーを供給できる。2つの電源1002、1004が細長ボディ802を介してのみ接続(つまり、電流が戻るための接続がない単一の点でのみ接続)されていることにより、電源は互いの間に電流が流れることなく独立して、かつ、同時に動作することが出来る。
【0066】
図11A、11B、および12は、スペーサ812の代替的な実施形態を示す。上述したように、スペーサ812は、押圧ツールによるオーバージャケッティング押出を用いて、または接着剤を用いてワイヤ810へ固定されることになる、ポリマー材料などの絶縁材料の押出により形成される部材であり得る。スペーサ812は内部ルーメン806の円柱形状に適合するよう円柱形状であり得、非円柱形上の細長ボディが用いられる実施形態において、スペーサ812は、内部ルーメン806に対応する何らかの形状に形成され得る。しかしスペーサ812は、他の構造であってもよい。例えば、スペーサ812は、ワイヤ810の長さに沿ってワイヤ810へ取り付けられる1以上の要素として形成されてもよい。
図11Aはそのようなスペーサの一実施形態を示す。導電性のワイヤ1102には、絶縁材料から形成された長手方向に延在する複数の突起、またはリッジ1104が形成され得る。突起1104はスペーサ812と同様に機能し、ワイヤ1102が細長ボディ802に直接接触するのを防ぐ。スペーサ812と異なりこれらの突起は、ワイヤ1102を完全には囲んでいないので、ワイヤに沿って流れる流体を介して電気エネルギーが伝達されるのを妨げることなく、ワイヤ1102の露出部分全体に亘って延在し得る。その結果、ワイヤ1102の露出部分の位置を維持する個々のスペーサ要素(例えば、スペーサ812、812')を必要とせず、ワイヤ1102と細長ボディ802との間で所望される長さに亘ってエネルギーを伝達させられる。
【0067】
図11Bは、形成された4つの突起1104をよりはっきり分かるように示す、ワイヤ1102の断面図である。当業者であれば、任意の数の突起またはリッジがワイヤ1102の周囲に形成され得るが、その数は、ワイヤ1102の表面領域を完全に覆うことなく細長ボディ802との直接的な電気接触を防ぐのに十分な数であるべきであることを理解されよう。さらに、突起は様々なサイズで形成され得る。例えば、突起は、細長ボディ802の内壁に到達する高さで形成され、これにより、ワイヤ1102の内部ルーメン806内での動きが妨げられ得る。他の実施形態において、突起は、ワイヤ1102の内部ルーメン806内での半径方向の動きを可能とし、かつ、ワイヤの露出部分と、細長ボディ802の内壁との間の接触が妨げられるより低い高さを有し得る。
【0068】
突起1104は様々なやり方によりワイヤ1102上に形成され得る。例えば、突起は押出形成され得、その後、ワイヤ1102の表面に適用され得る。代替的に、ワイヤは当技術分野で公知のように絶縁コーティングされ得、絶縁材料の突起1104のみが残るようにアブレーション処理によりコーティングが選択的に取り除かれ得る。代替的に、ワイヤが形成され、その後、オーバージャケッティング押出を用いて絶縁性の突起が適用される。加えて、突起1104は、
図11Aおよび11Bに示される長手方向に延在するリッジの他に、様々な形状に形成され得る。例えば、
図12は、オーガーまたはコルク栓抜きの形状の絶縁材料コーティング1204を有するワイヤ1202の例を示す。このような形状は、例えば、上述した選択的なアブレーション処理を用いて、ワイヤ1202上に形成された絶縁性のコーティングの部分を取り除くことにより形成され得る。
【0069】
設計上の利点
本明細書で説明される加熱アセンブリ110の様々な実施形態は、流体補助アブレーションシステムに関して多くの利点を提供する。例えば、スペーサが1以上のワイヤと第2のワイヤと、および/または細長ボディとの幾何学的関係を実質的に一定に維持できることにより、流体補助アブレーション器具またはシステムの製造の信頼性が高まる。その理由は、RFエネルギーを細長ボディの内部ルーメン内を流れる流体に供給するのに用いられる電源が、限られた範囲の抵抗のみを効果的に加熱すればよくなるからである。よって、一貫性のある動作を実現するには、電源が電力を流すことになる抵抗は、当該電源の加熱可能な範囲内に居続けなければならない。構造体の電気抵抗は一般的には、当該構造体を構成する材料の特定の抵抗値と、その配置との両方に依存する。細長ボディ102内を流れる流体の特定の抵抗値、並びに、細長ボディおよびヒーター110を形成するのに用いられる材料の特定の抵抗値は既に知られている。このことは、抵抗に関して知られていない残りの可変要素は、部材の配置の変化(例えば、電極同士の相対的な移動)から生じる可能性が高いということを意味する。スペーサは、この配置上の変化を最小にすることにより、流体補助アブレーションシステムのより一貫性の高い性能を実現し得る。
【0070】
さらに、スペーサにより、流体補助アブレーション器具を組み立てる際の製造プロセスが単純化され得る。上述したように、スペーサは容易に押出形成され得、任意のサイズに切断することが出来、或いは、導電性のワイヤからコーティングを選択的に取り除くことにより形成され得る。その後これらの部材は、細長ボディの内部ルーメン内に容易に配置され得、例えば締まりばめ、および接着性の材料を用いて位置付けられ得、或いは、これらの部材は、内部ルーメン内で浮いた状態にさせられ得る。
【0071】
本明細書で開示される設計のさらに他の利点は、細長ボディの内部ルーメンを流れる流体の加熱が均一に行われるということである。電極間でRFエネルギーを伝達させることによる流体の加熱に関して生じ得る一般的な課題の1つは、電流の密度が特に高い領域で起こり得る流体の局所的な沸騰である。例えば、2つの電極(例えば2つのワイヤ)が互いに非常に近く位置付けられている場合、電極を囲む他の領域に見られる電流の流れと比較し電極間の小さな空間において電流の流れが高くなる、偏りが見られ得る。この結果、電極間の小さな空間を流れる流体は過度に加熱され得、或いは、沸騰し得る。このことは、医学的合併症を患者に引き起こし得る(例えば、心臓の血流に気泡が入り得る)ので望ましくない。したがって、内部ルーメン内の流体の加熱による沸騰を最小化するべく、流体の加熱は可能な限り均一なものとするのが望ましい。
【0072】
本明細書において開示されるスペーサによれば、流体を加熱するのに用いられる電極同士を、電極間の電流の流れが高く偏った領域が最小となる関係に維持することにより、内部ルーメン内の流体の均一な加熱が促される。この概念は
図13Aおよび13Bに示されており、同図においては、2つの電極間で流れるシミュレーションされた電流を示す線と併せて、デュアルワイヤ加熱アセンブリ、およびシングルワイヤ加熱アセンブリの断面が示されている。
図5Cのデュアルワイヤ加熱アセンブリを示す
図13Aは、ワイヤの分け隔てられた状態を維持することにより、内部ルーメン406内での電流の流れのばらつきを最小化させられることを示している。
図9Aおよび
図13Bに示すシングルワイヤ加熱要素は、内部ルーメン内でより一層均一な電流の分布を可能とする。
図13Bに示すように、電流は、ワイヤ810の周囲の全体から均一に、細長ボディ802へと流れることが出来る。この結果、内部ルーメン806内に配置された流体の加熱は非常に均一に行われることになる。
【0073】
他の形態のアブレーションへの適用可能性
当業者であれば、対象組織内でその破壊に十分なだけの異常高熱を引き起こす加熱メカニズムには、他の形態のエネルギーが含まれることを理解されよう。マイクロ波および光波電磁エネルギーに加え、超音波振動エネルギーは組織によって吸収され、熱に変換されることが分かっている。代替的な実施形態においては、超音波振動子、マイクロ波アンテナ、または光波ディフーザが細長ボディの遠位端に配置されるエミッターとして用いられ得る。光波電磁エネルギーは、可視光放射、近赤外放射、赤外放射、および遠赤外放射の範囲に含まれ、フィラメント、アーク灯、様々な形態のレーザ(例えば、ダイオード、半導体、またはポンプ)、または他の手段により生成され得る。同様に、細長ボディの遠位端は、伝導により組織を加熱するための抵抗ワイヤなどの加熱メカニズムを含むよう適合され得る。用いられるアブレーション要素のタイプに関わらず、これらのアブレーション要素のいずれかに近接する組織への加熱された液体の注入により、各器具の、より大きな組織塊を加熱する能力を向上させる。したがって、本明細書に開示される加熱アセンブリは、これらの代替的なアブレーションエネルギー源のいずれを用いる器具であっても適用可能である。また、供給器具は、治療対象の組織に応じて、標準的な医療用供給器具のいずれかであり得る。代替的な実施形態においては、金属または非金属の針、シース、または誘導針が用いられ得る。
【0074】
利用方法
上述したように、本明細書で開示される器具およびシステムの様々な実施形態は、多数の疾患を治療するべく、様々な手技において用いられ得る。例えば、本明細書で開示される医療器具は、開口手技または経皮的なアブレーション療法において、直接的に対象の組織塊へ導入されてもよい。代替的に、医療器具は、腹腔鏡または他の低侵襲手技において、1以上の組織層を通過させられてもよい。さらに、器具は、1以上の組織層を貫通して形成された開口または他の穴を介して、或いは自然な開口部から(つまり内視鏡的に)、患者へ導入されてもよい。採用される器具に応じて、
図2に示されるように細長ボディを直接的に挿入することにより、或いは、例えば患者の循環系を介して細長ボディを収容するカテーテルを導入することにより、供給が促され得る。治療部位への供給に続き、アブレーション要素が治療対象の組織塊内に配置されるように、手術器具の一部、例えば、細長ボディ102の遠位部が治療対象の組織塊へ挿入され得る。いくつかの実施形態において、アブレーション要素は治療対象の組織塊の中心近くに位置付けされる。
【0075】
器具が治療対象の組織塊内に位置付けされると、流体は器具を通って治療対象の組織塊へ供給される。本明細書に開示される加熱アセンブリは、上述したように治療効果のある温度を有する流体を供給するのに用いられ得る。加えて、1以上のアブレーション要素を動作させ、RFエネルギーなどの治療効果のあるエネルギーを治療対象の組織塊の組織へ同時に供給する。しかしいくつかの実施形態において、1以上のアブレーション要素が動作させられる必要がなく、細長ボディから加熱された流体を供給することのみにより治療が施されてもよい。一定時間の経過後、または1以上のフィードバック表示(例えば、治療対象の組織塊内に配置された温度センサの測定値)に応じて、アブレーション要素の動作が停止させられ、組織塊への流体の流れが停止させられてもよい。その後、器具は取り除かれ、および/または、他の治療が必要であれば再配置され得る。
【0076】
殺菌および再利用
本明細書で開示される器具は、1度使用された後に破棄されるものであってもよく、或いは、複数回使用されるものとして設計されてもよい。しかしいずれの場合であっても、器具は少なくとも1度の使用の後に再利用のために状態を整えられ得る。状態の整えは、器具の解体、およびそれに続く特定の部品の洗浄または取換、並びにその後の再組み立てなどの工程の何らかの組み合わせを含んでよい。特に、器具は解体され得、器具の特定の部品または部材のいずれもが任意の組み合わせで選択的に取り換えられ得、または取り除かれ得る。特定の部材の洗浄および/または取換を終えると、状態を整えるための施設において、または手術の手順の直前に手術を行うチームによって、続けて利用すべく器具は再組み立てされ得る。当業者であれば、器具の状態整えにおいては、解体、洗浄/取換、および再組み立ての様々な技術を用い得ることを理解されよう。そのような技術の利用、および結果として生じる状態整えされた器具は全て、本願発明の範囲に含まれる。
【0077】
例えば、本明細書で開示される手術器具は、部分的に、または全体的に分解可能であってもよい。特に、
図2に示され医療器具200の細長ボディ202は、ハンドル204から取り除かれてもよく、或いは、ハンドルおよび細長ボディからなるアセンブリの全体が、電気接続206、および流体導管208から分離されてもよい。他の実施形態において、細長ボディ202の遠位部のみ(例えば、患者の体に向かって延在する部分のみ)が、ハンドル204に接続されたままであり得る近位部から分離されてもよい。さらに他の実施形態において、ハンドル、細長ボディ、および接続は、例えば
図1に示される流体容器、ポンプ、電源、および制御器などを収容する筐体に取り外し可能に連結されてもよい。
【0078】
本明細書で説明する器具は、手術の前に処理がされるのが好ましい。まず、新しい、またはそれまでに使用されたことのある器具が用意され、必要であれば洗浄される。そして器具は滅菌される。滅菌技術の1つにおいては、器具は、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉じられシールされた容器内に入れられる。そして容器およびその内容物は、ガンマ放射線、X線、または高エネルギー電子などの容器を貫通することができる放射線場に配置される。放射によって器具に付着する細菌および容器内の細菌が殺菌される。そして滅菌された器具は、無菌の容器で保存され得る。シールされた容器は、その医療施設内で開封されるまで器具を無菌状態のまま保つことが出来る。
【0079】
多くの実施形態において、器具は滅菌されるのが好ましい。この滅菌は、ベータまたはガンマ放射線、エチレンオキシド、蒸気、および液浴(例えば、寒冷浸透)を含む当業者には公知の数多くの方法のいずれを用いて行ってもよい。特定の実施形態において、細長ボディなどの部材の形成のために選択される材料によっては、ガンマ放射線などの特定の形態の殺菌に耐えることが出来ない。そのような場合には、エチレンオキシドなど適した代替的な形態の殺菌が用いられ得る。
【0080】
本明細書で引用された全ての論文および文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。当業者であれば、上述した実施形態に基づき、本願発明の他の特徴および効果を理解するであろう。したがって、本願発明は詳細に示され説明されたものによっては限定されず、請求項によってのみ定められる。
[項目1]
近位端と、遠位端と、内部ルーメンと、少なくとも1つの出口ポートとを有する細長ボディと、
前記内部ルーメンを流れる流体を加熱する、前記内部ルーメン内で延在する少なくとも1つのワイヤと、
前記内部ルーメン内に配置される少なくとも1つのスペーサと
を備え、
前記内部ルーメンは前記細長ボディ内で延在し、
前記少なくとも1つの出口ポートは、前記細長ボディを囲む組織へ前記流体を供給するよう前記細長ボディに形成され、
前記少なくとも1つのワイヤは、前記少なくとも1つのスペーサが前記少なくとも1つのワイヤの隣接部分と前記内部ルーメンとの幾何学的関係を実質的に一定に維持するよう前記少なくとも1つのスペーサ内を延伸する、アブレーション器具。
[項目2]
前記少なくとも1つの出口ポートに隣接して前記細長ボディの長さに沿って配置されたアブレーション要素であり、前記細長ボディが組織に挿入されると前記アブレーション要素を囲む組織を加熱する前記アブレーション要素をさらに備える、項目1に記載のアブレーション器具。
[項目3]
前記少なくとも1つのワイヤ、および前記少なくとも1つのスペーサは、前記アブレーション要素より近位側に位置付けされる、項目2に記載のアブレーション器具。
[項目4]
前記少なくとも1つのスペーサは、前記少なくとも1つのワイヤの遠位部の近位端に位置付けられた第1スペーサと、前記少なくとも1つのワイヤの前記遠位部の遠位端に位置付けられた第2スペーサとを有する、項目1または2に記載のアブレーション器具。
[項目5]
前記第1スペーサと前記第2スペーサとは、およそ5mmの距離を置いて互いに離れて位置付けられる、項目4に記載のアブレーション器具。
[項目6]
前記少なくとも1つのスペーサは円盤状部材を有し、
前記少なくとも1つのワイヤは、前記少なくとも1つのスペーサの第1穴および第2穴内を延伸する第1ワイヤおよび第2ワイヤを有する、項目1から5のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目7]
前記少なくとも1つのスペーサは、前記少なくとも1つのワイヤが前記内部ルーメンに接触するのを防ぐ、項目1から6のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目8]
前記少なくとも1つのスペーサは、前記内部ルーメン内で半径方向に動けるよう前記内部ルーメンの直径未満の最大外径を有する、項目1から7のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目9]
前記少なくとも1つのスペーサは、前記内部ルーメン内で半径方向に動けないよう前記内部ルーメンの直径に等しい最大外径を有する、項目1から7のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目10]
前記第1スペーサと前記第2スペーサとの間で延在する前記少なくとも1つのワイヤの一部は、前記内部ルーメンを流れる流体を加熱する、項目4または5に記載のアブレーション器具。
[項目11]
前記第1スペーサと前記第2スペーサとは、およそ2mmの距離を置いて互いに離れて位置付けられる、項目10に記載のアブレーション器具。
[項目12]
前記少なくとも1つのワイヤは前記少なくとも1つのスペーサより近位側において絶縁されている、項目1から11のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目13]
前記内部ルーメンは、前記少なくとも1つのワイヤが前記細長ボディの内壁に接触するのを防ぐよう絶縁層で裏打ちされている、項目1から12のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目14]
前記少なくとも1つのスペーサは、前記少なくとも1つのワイヤを前記細長ボディの長手軸と実質的に同軸となる位置に維持する、項目1から13のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目15]
前記少なくとも1つのスペーサは、前記少なくとも1つのワイヤに形成された少なくとも1つの突起を有する、項目1に記載のアブレーション器具。
[項目16]
前記少なくとも1つのスペーサより遠位側で前記内部ルーメン内に配置された、前記内部ルーメンを流れる前記流体の温度を測定する少なくとも1つの温度センサをさらに備える、項目1から15のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目17]
前記少なくとも1つスペーサより近位側で前記内部ルーメンに配置された、前記内部ルーメンを流れる前記流体の温度を測定する第2温度センサをさらに備える、項目16に記載のアブレーション器具。
[項目18]
前記少なくとも1つの温度センサは熱電対である、項目16または17に記載のアブレーション器具。
[項目19]
前記少なくとも1つの温度センサは、およそ10mmの距離だけ前記少なくとも1つのスペーサから離されている、項目16から18のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目20]
前記少なくとも1つの温度センサは、およそ2mmの距離だけ前記少なくとも1つのスペーサから離されている、項目16から18のいずれか1項に記載のアブレーション器具。
[項目21]
組織塊へ細長ボディを挿入する工程と、
前記細長ボディの内部ルーメンを通じて、前記細長ボディの少なくとも1つの出口ポートから前記組織塊へ流体を供給する工程と、
前記内部ルーメン内で延在する少なくとも1つのワイヤを通じてエネルギーを供給し、前記内部ルーメン内の流体を所定の温度まで加熱する工程と
を備える、組織をアブレーションする方法。
[項目22]
前記少なくとも1つのワイヤを通じてエネルギーを供給する工程は、前記内部ルーメン内で延在する2以上のワイヤ間でエネルギーを伝達させる工程を有する、項目21に記載の方法。
[項目23]
前記少なくとも1つのワイヤを通じてエネルギーを供給する工程は、1以上のワイヤと前記細長ボディとの間でエネルギーを伝達させる工程を有する、項目21に記載の方法。
[項目24]
前記少なくとも1つのワイヤを通じてエネルギーを供給する工程は、1以上のワイヤと、前記細長ボディ内に収容される導電性管との間でエネルギーを伝達させる工程を有する、項目21に記載の方法。
[項目25]
前記少なくとも1つの出口ポートに隣接して位置付けられた少なくとも1つのアブレーション要素から前記組織塊へエネルギーを供給する工程をさらに備える、項目21から24のいずれか1項に記載の方法。
[項目26]
少なくとも1つのスペーサ内を延伸する少なくとも1つのワイヤを有する第1加熱アセンブリを第1細長ボディ内に位置付けて、第1アブレーション器具を形成する工程と、
少なくとも1つのスペーサ内を延伸する少なくとも1つのワイヤを有する第2加熱アセンブリを第2細長ボディ内に位置付けて、第2アブレーション器具を形成する工程と
を備え、
前記第1加熱アセンブリの電気抵抗は、前記第2加熱アセンブリの電気抵抗と実質的に等しい、複数のアブレーション器具を製造する方法。
[項目27]
近位端と、遠位端と、内部ルーメンと、少なくとも1つの出口ポートとを有する細長ボディと、
前記内部ルーメンを流れる流体を加熱する、前記内部ルーメン内で延在する少なくとも2つのワイヤを有する加熱アセンブリと、
前記内部ルーメン内に配置される少なくとも1つのスペーサと、
を備え、
前記内部ルーメンは前記細長ボディ内で延在し、
前記少なくとも1つの出口ポートは、前記細長ボディを囲む組織へ前記流体を供給するよう前記細長ボディに形成され、
前記少なくとも1つのスペーサが前記少なくとも2つのワイヤの互いの幾何学的関係を実質的に一定に維持するよう、前記少なくとも2つのワイヤは前記少なくとも1つのスペーサ内を延伸する、アブレーション器具。
[項目28]
前記少なくとも1つの出口ポートに隣接して前記細長ボディの長さに沿って配置されたアブレーション要素であり、前記細長ボディが組織に挿入されると前記アブレーション要素を囲む組織を加熱する前記アブレーション要素をさらに備える、項目27に記載のアブレーション器具。