(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559225
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】光ファイバ母材の幾何学的特性を求めるための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/25 20060101AFI20190805BHJP
G01M 11/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
G01B11/25 H
G01M11/00 G
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-506966(P2017-506966)
(86)(22)【出願日】2014年8月8日
(65)【公表番号】特表2017-531167(P2017-531167A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】US2014050368
(87)【国際公開番号】WO2016022151
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2017年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】515174489
【氏名又は名称】ヘレーウス クオーツ ノース アメリカ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Quartz North America LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アイヴァン ラスニック
【審査官】
八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第6538755(US,B1)
【文献】
特開2000−162152(JP,A)
【文献】
特開2008−273798(JP,A)
【文献】
特開2005−346665(JP,A)
【文献】
特開2005−275447(JP,A)
【文献】
特開2013−168119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G01M 11/00−11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸、外径および円周を有する光ファイバ母材を提供することと、
前記母材の前記長手方向軸と平行な長さおよび前記母材の前記外径より大きな幅を有する二次元パターンを提供することと、
前記二次元パターンと画像撮像装置との間で前記母材が整列するように配置される画像撮像装置を提供することと、
前記母材をその長手方向軸の周囲で回転させることと、前記母材の前記円周に沿った少なくとも2つの異なる点において前記母材を通して視認される前記二次元パターンの第1の複数の画像を取得することと、
前記第1の複数の画像から前記母材の少なくとも1つの幾何学的特性を求めることと、
を含み、
前記二次元パターンは、前記母材と重なる一辺から前記母材と重なる他辺まで延在する複数の直線を有する、
方法。
【請求項2】
前記二次元パターンが照明される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記二次元パターンが長手方向において周期的である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記二次元パターンが対照的な輝度の交互の線を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記二次元パターンが、周期的に配置され、前記母材の前記長手方向軸に対して非垂直角度に位置する交互の明暗の線を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記非垂直角度が約40°から約50°である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記二次元パターンが照明される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記画像撮像装置がデジタルカメラを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記二次元パターンが、周期的に配置され、前記母材の前記長手方向軸に対して非垂直角度に位置する交互の明暗の線を備え、前記二次元パターンが照明され、前記交互の明暗の線がそれぞれ厚さを有し、前記デジタルカメラの検出面における撮像された線の前記厚さが、少なくとも前記デジタルカメラの2つの画素の幅に等しい、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の複数の画像が、前記母材の前記円周に沿った少なくとも5つの異なる点において前記母材を通して視認される前記二次元パターンの画像を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の複数の画像が、前記母材の前記円周に沿った少なくとも10個の異なる点において前記母材を通して視認される前記二次元パターンの画像を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記母材をその長手方向軸の前記方向において移動させることと、
前記母材をその長手方向軸の周囲で回転させることと、その長さに沿った前記第1の複数の画像とは異なる位置における前記母材の前記円周に沿った少なくとも2つの異なる点において、前記母材を通して視認される前記二次元パターンの第2の複数の画像を取得することと、
前記第2の複数の画像からまたは前記第1の複数および第2の複数の画像の組み合わせから前記母材の少なくとも1つの幾何学的特性を求めることと、
をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記光ファイバ母材が異なる屈折率を有する少なくとも2つのガラスの筒状層を備え、前記母材の少なくとも1つの幾何学的特性を求めることが、前記少なくとも2つの筒状層のそれぞれの直径、楕円率および偏心率から選択された少なくとも1つの値を同定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの値を同定することが、前記少なくとも2つの筒状層間のエッジの相対空間位置を求めるために前記複数の画像における前記二次元パターンの摂動を評価することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記画像撮像装置がデジタルカメラであり、前記エッジの前記相対空間位置を求めるために前記複数の画像における前記二次元パターンの前記摂動を評価することが、標準偏差フィルタ処理および画像投影平均化を含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記エッジの前記相対空間位置を求めるために前記複数の画像における前記二次元パターンの前記摂動を評価することがさらに、画像収縮ノイズ低減および倍率補正からなる群から選択された少なくとも1つの画素の操作を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記二次元パターンが、周期的に配置され、前記母材の前記長手方向軸に対して非垂直角度に位置する交互の明暗の線を備え、前記二次元パターンが照明され、前記交互の明暗の線がそれぞれ厚さを有し、前記デジタルカメラの検出面における撮像された線の前記厚さが、少なくとも前記デジタルカメラの2つの画素の幅に等しい、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記画像撮像装置がデジタルカメラであり、前記二次元パターンが、周期的に配置され、前記母材の前記長手方向軸に対して非垂直角度に位置する交互の明暗の線を備え、前記二次元パターンが照明され、前記交互の明暗の線がそれぞれ厚さを有し、前記デジタルカメラの検出面における撮像された線の前記厚さが、少なくとも前記デジタルカメラの2つの画素の幅に等しい方法であって、
前記母材をその長手方向軸の前記方向において移動させることと、
前記母材をその長手方向軸の周囲で回転させることと、その長さに沿った前記第1の複数の画像とは異なる位置における前記母材の前記円周に沿った少なくとも2つの異なる点において前記母材を通して視認される前記二次元パターンの第2の複数の画像を取得することと、
をさらに含み、
前記少なくとも1つの値を同定することが、前記母材の前記長手方向軸に沿った2つの異なる位置における前記少なくとも2つの筒状層間のエッジの相対空間位置を求めるために前記第1の複数の画像および第2の複数の画像における前記二次元パターンの摂動を評価することを含み、
前記エッジの前記相対空間位置を求めるために前記第1の複数の画像および前記第2の複数の画像のそれぞれにおける前記二次元パターンの摂動を評価することが、標準偏差フィルタ処理および画像投影平均化を含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項19】
長手方向軸、外径、円周を有し、異なる屈折率を有する少なくとも2つのガラスの筒状層を備える光ファイバ母材を提供することと、
前記母材の前記長手方向軸と平行な長さおよび前記母材の前記外径より大きな幅を有する二次元パターンを、周期的に配置され、前記母材の前記長手方向軸に対して非垂直角度に位置する交互の明暗の線を前記二次元パターンが備え、前記二次元パターンが照明され、前記交互の明暗の線がそれぞれ厚さを有するように提供することと、
前記二次元パターンとデジタルカメラとの間で前記母材が整列するように配置されるデジタルカメラを、前記二次元パターンの各線の前記厚さが少なくとも前記デジタルカメラの2つの画素の幅に等しいように提供することと、
前記母材をその長手方向軸の周囲で回転させることと、前記母材の前記円周に沿った少なくとも10個の異なる点において前記母材を通して視認される前記二次元パターンの第1の複数の画像を取得することと、
前記母材をその長手方向軸の前記方向において移動させることと、前記母材をその長手方向軸の周囲で回転させることと、その長さに沿った前記第1の複数の画像とは異なる位置における前記母材の前記円周に沿った少なくとも10個の異なる点において前記母材を通して視認される前記二次元パターンの第2の複数の画像を取得することと、
前記第1の複数および第2の複数の画像から前記母材の前記少なくとも2つの筒状層のそれぞれの直径、楕円率および偏心率を求めることであって、前記母材の前記長手方向軸に沿った2つの異なる位置における前記少なくとも2つの筒状層間のエッジの相対空間位置を求めるために前記第1の複数の画像および第2の複数の画像における前記二次元パターンの摂動を画像収縮ノイズ低減、標準偏差フィルタ処理、画像投影平均化および倍率補正を含む画像の画素の分析を含むように評価することを含むように求めることと、
を含み、
前記二次元パターンは、前記母材と重なる一辺から前記母材と重なる他辺まで延在する複数の直線を有する、
方法。
【請求項20】
長手方向軸および外径を有する光ファイバ母材の幾何学的特性を求めるための装置であって、
画像撮像装置と、
前記母材の前記長手方向軸と平行な長さおよび前記母材の前記外径より大きな幅を有する二次元パターンと、
前記二次元パターンが前記母材の前記長手方向軸の前記方向で縦に、前記画像撮像装置から視認される際にそれぞれの方向で前記母材の前記外径を超えて延びるように、前記画像撮像装置と前記二次元パターンとの間で整列させて前記母材を位置付けるよう構成された支持体と、
前記支持体において前記母材をその長手方向軸の周囲で回転させるよう構成された駆動部と、
を備え、
前記二次元パターンは、前記母材と重なる一辺から前記母材と重なる他辺まで延在する複数の直線を有する、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本番環境において分析を高精度で実行することができるように、頑強に、安価に、かつ高速で、光ファイバ及び光ファイバ母材の幾何学的特性を求めるための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバは通常、コア部及び1つまたは複数のクラッド層を備え、コア部に沿った光線の伝播を可能にする。このため、2つの光ファイバが互いに接続される場合、これら2つの光ファイバのコアは精密に整列するべきである。2つの光ファイバの外形が互いに一致するが、コアのいずれかまたは両方が偏心率を有する場合、これらコアの位置のずれにより、接続損失が増大する。このため、光ファイバに線引きする原料としての母材は、最小限の偏心率を有するコア部を備えるべきである。前述の見地から、光ファイバの製造及びその管理においては、出発原料として光ファイバ母材を検査し、したがって低い偏心率を有するコア部を備える光ファイバ母材を選択することが非常に重要である。偏心率に加えて、任意の楕円率と同様に、コア及びクラッドの外径を含む付加的な幾何学的特性もまた重要である。
【0003】
光ファイバ母材の所定の断面において、このような特性を目視検査し、計測することが可能であるが、このような方法はファイバ母材の複数の断面をその長さに沿って取る必要があるため面倒かつ時間がかかり、ファイバ母材の商業製造には全く適していない。また、このような方法では母材の複数の断面をその長さに沿って取る必要があるため、母材を効率的に破壊する。あるいは、その屈折率及び幾何学的特性を求めるために、光ファイバ母材を屈折率整合オイルに浸漬し、レーザ光で走査することが可能であるが、油浸後に母材を清掃する必要性及びコストは、光ファイバ母材の低コストな商業製造にとって望ましくない。本発明は空気中で非破壊的にファイバ母材の幾何学的特性を計測する低コストな方法を提供し、また、幾何学的仕様を満たさない母材の部分からのファイバ線引きのコストを回避することにより、さらなるコスト削減を可能にする。
【0004】
したがって、商業製造において光ファイバ母材の幾何学的特性を求める方法は、母材に損傷を与えたり母材を変更したりすることなく、このような判定を迅速に行うことが可能でなければならない。このような低コストで、頑強かつ正確な検査及び計測方法は現在、存在しない。光ファイバ母材の幾何学的特性を求める従来の方法は、偏光、または、母材のクラッド材と同じ率または屈折を有する(例えば、屈折率整合オイル)材料内での浸漬などの、扱いが複雑で、コストがかかりかつ困難な操作を必要とする。これらの代替的な方法は、局所的な光環境に対する感度に関する誤差を有し、低コストの製造検査及び計測処理に対応しない扱い及び操作を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、全体として光ファイバに、より詳細には、線引きされた光ファイバと同様に光ファイバ母材の1つまたは複数の幾何学的特性を計測するための方法及び装置に関する。本発明の様々な実施形態は、整合オイル、または偏光もしくは局所的な光レベルに対する感度をもたらす他の特徴を要することなく、様々な幾何学的特徴の迅速、正確、精密、頑強かつ反復可能な計測を提供する。本発明の様々な実施形態の方法及び装置によって求めることができる幾何学的特性は、母材全体の湾曲と同様に、母材コア及びクラッドの直径、楕円率、クラッド対コアまたは「D/d」比及び偏心率を含む。
【0006】
本発明のある実施形態は、(a)長手方向軸、外径及び円周を有する光ファイバ母材を提供すること、(b)母材の長手方向軸と平行な長さ及び母材の外径より大きな幅を有する二次元パターンを提供すること、(c)母材がパターンと画像撮像装置との間で整列するように配置される画像撮像装置を提供すること、(d)母材のその長手方向軸の周囲で回転すること及び、母材の円周に沿った少なくとも2つの異なる点において母材を通して視認されるパターンの第1の複数の画像を取得すること、ならびに(e)第1の複数の画像からの母材の少なくとも1つの幾何学的特性を求めることを含む方法を含む。
【0007】
本発明の別の実施形態は、(a)長手方向軸、外径、円周を有し、異なる屈折率を有する少なくとも2つのガラスの筒状層を備える、光ファイバ母材を提供すること、(b)母材の長手方向軸と平行な長さ及び母材の外径より大きな幅を有し、周期的に配置され、かつ母材の長手方向軸に対して非垂直角度に位置する交互の明暗の線及び縞(本明細書において「線」及び「縞」の用語は、二次元パターンに関して同義的に使用される)を備え、照明される二次元パターンであって、交互の明暗の線または縞がそれぞれ厚さを有する、二次元パターンを提供すること、(c)母材がパターンとデジタルカメラとの間で整列するように配置される、(内部レンズ、または外部レンズを有してもよい)デジタルカメラを提供すること、(d)母材のその長手方向軸の周囲で回転すること及び、母材の円周に沿った少なくとも10個の異なる点において母材を通して視認されるパターンの第1の複数の画像を取得すること、(e)その長手方向軸の方向での母材で移動することならびに、母材のその長手方向軸の周囲で回転すること及び、第1の複数の画像とは異なる、その長さに沿った異なる位置にある、母材の円周に沿った少なくとも10個の異なる点において母材を通して視認されるパターンの第2の複数の画像を取得すること、ならびに(f)第1の複数及び第2の複数の画像から母材の少なくとも2つの筒状層のそれぞれの直径、楕円率及び偏心率を、求めることであって、デジタルカメラによって撮像される第1及び第2の複数の画像におけるパターンのそれぞれの縞の厚さが少なくとも1つまたは複数の画素であり、母材の長手方向軸に沿った2つの異なる位置にある少なくとも2つの筒状層間のエッジの相対空間位置を求めるための第1の複数の画像及び第2の複数の画像における二次元パターンの摂動を評価することを含み、エッジの相対空間位置を求めるための第1の複数の画像及び第2の複数の画像のそれぞれにおける二次元パターンの摂動を評価することが画像収縮ノイズ低減、標準偏差フィルタ処理、画像投影平均化及び倍率補正を含む画像の画素分析を含む、求めることを含む方法を含む。
【0008】
本発明の別の実施形態は、長手方向軸及び外径を有する光ファイバ母材の幾何学的特性を求めるための装置であって、画像撮像装置、母材の長手方向軸と平行な長さ及び母材の外径より大きな幅を有する二次元パターン、二次元パターンが母材の長手方向軸方向で縦に、画像撮像装置から視認される際にいずれかの方向で母材の外径を超えて延びるように、母材を画像撮像装置と二次元パターンとの間で整列させて位置付けるよう構成された支持体、ならびに支持体において母材をその長手方向軸の周囲で回転させるよう構成された駆動部を備える装置を含む。
【0009】
他の態様、特徴及び利点が、発明を実施する形態、望ましい実施形態、及び添付の特許請求の範囲を含めて、以下の開示から明らかになる。
【0010】
本発明の望ましい実施形態の以下の発明を実施する形態と同様に上述の発明の概要は、添付の図面と併せて読むことでいっそう理解される。本発明の説明のために、図面において、現在の望ましい実施形態が示される。しかし、本発明は示される精密な整列及び手段に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のある実施形態による、装置の概略図である。
【
図2】
図2(a)は、本発明の様々な実施形態によって用いるのに好適な二次元パターンのグラフィック表現であり、
図2(b)(c)は、本発明の様々な実施形態によって用いるのに好適な別の二次元パターンのグラフィック表現である。
【
図3】本発明の実施形態による、二次元パターンに対する光ファイバ母材の略図である。
【
図4】
図4(a)は、本発明の実施形態によって用いるのに好適な二次元パターンのグラフィック表現であり、
図4(b)は、光ファイバ母材を通して視認される場合の
図4(a)のパターンの表現である。
【
図5】本発明の実施形態による分析において用いられるピクシレーションを示す、本発明の実施形態による二次元パターンの拡大表現である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書にて用いられるように、単数用語「a(1つの)」及び「the(その)」は同義であり、文言及び/または文脈により別段明確に示されない限り、「one or more(1つ以上の)」及び「at least one(少なくとも1つの)」と同じ意味で用いられる。したがって例えば、本明細書における、または添付の特許請求の範囲における「a preform(1つの母材)」または「the preform(その母材)」への言及は、単一の母材または1つもしくは複数の母材を指すことができる。加えて全ての数値は、特に断りのない限り、「about(約)」の語で修飾されるものと理解される。
【0013】
説明を単純かつ明確にするために、図の要素は必ずしも一定の比率の縮尺ではなく、異なる図における同じ参照番号は同じ要素を示す。
【0014】
以下の明細書において用いられる特定の技術用語は、便宜上のものであり限定的ではなく、参照されている図面での方向を指定してもよい、「右」、「左」、「下」、及び「上」などの語及び、記載された対象及び指定されたその部分の幾何中心への、またそこからの方向をそれぞれ指してもよい、「内向きに」及び「外向きに」などの語を含む。技術用語は、これまで特に言及された語、その派生語及び同様の趣旨の語を含む。
【0015】
本発明の様々な実施形態は、光ファイバ母材の1つまたは複数の幾何学的特性を求めるための装置を含む。本明細書に記載の本発明の様々な実施形態は光ファイバ母材の1つまたは複数の幾何学的特性を求めるための装置及び方法を指すが、装置及び方法は、顕微鏡検査法(すなわち、取得画像の倍率)を組み込むことにより、線引きされた光ファイバの1つまたは複数の幾何学的特性を求めるために利用することができる。本発明の様々な実施形態による装置は、正確、精密かつ頑強な幾何学的特徴付けをもたらすことができ、また、本番環境において高速で有利にそうすることができる。本発明の様々な実施形態による装置は、画像撮像装置、二次元パターン、光ファイバ母材を二次元パターンと画像撮像装置との間で整列させて位置付けるための支持体、及び支持体において母材をその長手方向軸の周囲で回転させるよう構成された駆動部を含む。本発明の様々な実施形態において装置はさらに、光ファイバ母材に対して母材の長手方向軸に沿った方向に画像撮像装置及び二次元パターンを移動させるよう構成された駆動部を含むことができる。本発明の様々な実施形態において、支持体において母材をその長手方向軸の周囲で回転させるよう構成された駆動部はまた、二次元パターン及び画像撮像装置に対してその長手方向軸に沿った方向に母材を移動させるよう構成されてもよい。
【0016】
図1を参照すると、本発明の実施形態による装置1は、二次元パターン20及び画像撮像装置30を含む。
図1に記載の実施形態において、画像撮像装置はデジタルカメラである。
図1に記載の実施形態に示す装置は、支持体及び光ファイバ母材10をその長手方向軸の周囲で回転させるよう構成された駆動部40を含む。光ファイバ母材10の右端を位置付ける
図1に示す支持体の部分は、母材を回転させるよう構成された駆動部を含む。支持体及び駆動部は単一構造体としてもよいか、または別個の装置であってもよい。支持体は、撮像された画像を母材を通して視認されるような二次元パターンとするために、二次元パターンと画像撮像装置との間で母材を整列させるよう構成される。
【0017】
本発明の様々な実施形態による装置は、二次元パターンを含む。繰り返される任意のパターンは、二次元において繰り返される限り、利用することができる。本発明の様々な実施形態において用いるのに好適な二次元パターンは必ずしも複雑である必要はない。好適な望ましい二次元パターンは、パターンの長さに沿って周期的である。この時パターンの長さは、幾何学的に特徴付けられている光ファイバ母材の長手方向軸と平行な寸法であると考えられる。本発明の実施形態において利用してもよい様々な望ましいパターンを、照明することができる。照明源は変化することができ、任意の広視野照明源、投射光などを含むがそれに限定されない。本発明の様々な実施形態において、パターンが2つの対比色を、より望ましくは暗色及び明色を、最も望ましくは、黒及び白を備えることが望ましい。
図2aから2cを参照すると、本発明の様々な実施形態において用いるのに好適な二次元パターンの実施例が示される。
図2aにおいて、白い背景上の繰り返す黒いクロスハッチの好適な二次元パターンが示される。
図2bにおいて、白い背景上で角度を持って配置される繰り返す黒線の好適な二次元パターンが示される。
図2cにおいて、白い背景上の繰り返す垂直な黒線の好適な二次元パターンが示される。本発明の様々な望ましい実施形態においては、パターンにおいて用いられる色のコントラストを改善するために、二次元パターンが照明されてもよい。
【0018】
本明細書においては、二次元パターンに対する光ファイバ母材の方向が参照されている。理解を深めるために、
図3を参照することができる。
図3において、二次元パターンの前に配置される光ファイバ母材のグラフィック表現が示される。光ファイバ母材は光ファイバの前駆体である。光ファイバは、第1の(コア)ガラス材とは異なる屈折率を有するガラス材の1つまたは複数のクラッド層によって囲まれるガラス材のコアを備える。光ファイバ母材は同様にコア及びクラッド(1つまたは複数のクラッド層)を有し、光ファイバを形成するために加熱され、かつ引かれるかまたは延ばされることができる。
図3においては、光ファイバ母材10が示される。光ファイバ母材10は長手方向軸300を有する。光ファイバ母材10は、コア301及びクラッド302を備える。母材10は、クラッド層の外側の直径である外径Dを有する。二次元パターン320が母材10の後方に配置される。付加的なクラッド層が存在してもよく、複数の外径またはクラッド径(例えば、3つのクラッド層母材のためのD
1、D
2、D
3)を計測することができることが理解されるべきである。二次元パターン320は、母材10の長手方向軸300と平行な方向に及ぶ長さLを有する。二次元パターン320の幅Wは、母材10の外径Dと平行な、すなわち長手方向軸300に垂直な方向に及ぶ。
【0019】
本発明の様々な実施形態において用いるのに好適な二次元パターンの長さLは重要ではないが、本明細書において以下により詳細に説明する通り、二次元パターンの長さLは、パターンの複数回の反復のために特徴付けられている光ファイバ母材の長手方向軸に沿った方向に有利に延びることができる。本発明の様々な実施形態による方法において利用するには、通常パターンの2回以上の反復で十分である。一方、本発明の様々な実施形態において利用するための二次元パターンが光ファイバ母材の外径Dを超えてその幅W方向に延びることが重要である。本発明の様々な実施形態の方法によって外径の寸法を求めることができるように、パターンが光ファイバ母材の外径を超えてその幅W方向に延びることが重要である。
【0020】
本発明の様々な実施形態による装置は、画像撮像装置を含む。任意の画像撮像装置を用いることができる。画像撮像装置がデジタルカメラを備えることが望ましい。画像のデジタル撮像は、オンラインの、本番環境での検査にとって有利である、迅速な取得速度をもたらすことができる。本発明の様々な実施形態において、装置は内部レンズを有するデジタルカメラを含む。本発明の様々な実施形態において装置は、内部レンズを有さず、母材とデジタルカメラとの間で配置される外部フォーカスレンズを有するデジタルカメラを含む。本発明の様々な実施形態において利用するためのデジタルカメラが多数の画素を有することが望ましい。デジタルカメラによって撮像される画像に存在する画素数が多いほど、カメラによって撮像されるパターン画像における縞の幅(厚さ)内に包含される画素がより多くなるため、幾何学的測定の精度は高くなる。光ファイバ母材が回転する速度に関しては、任意の特定のデジタルカメラの操作上の特徴は重要ではないが、1秒当たりのフレーム及び露光時間は重要である。したがって例えば、1秒当たり1回転の速度で光ファイバ母材が回転し、1回転当たり3つの画像が取得される場合、デジタルカメラは1秒当たり最低3つのフレームを作動させなくてはならない。加えてぶれを回避するために、露光時間は短時間に保つべきである。
【0021】
上述のように、本発明の様々な望ましい実施形態において用いるのに好適な二次元パターンは、2つの対比色、より望ましくは黒及び明るい単色から成ることができる。このような単一の波長光は、フィルタの利用によってもたらすことができる。加えて、好適な二次元パターンは、望ましくは照明されることができる。本発明の様々なより望ましい実施形態において二次元パターンは最大のコントラストのため、対比色の、よりいっそう望ましくは、黒及び明るい単色の交互の線を備える。本発明の様々な望ましい実施形態において好適な二次元パターンは、角度を持って配置され、光ファイバ母材の長手方向軸に垂直でない、対比色の交互の線を備える。望ましい非垂直の角度は、40°から50°とすることができ、様々なより望ましい実施形態においては45°である。したがって本発明の特定の望ましい実施形態において二次元パターンは、特徴付けられる光ファイバ母材の長手方向軸に対して45°の角度で配置される交互の黒線及び白線を備える。本発明の様々な実施形態において用いるのに好適な二次元パターンの線は、任意の厚さとしてもよい。本発明の様々な望ましい実施形態において、二次元パターンにおける線の厚さは、デジタルカメラの撮像面において計測されるように、少なくとも2つの画素、より望ましくは少なくとも3つの画素、またよりいっそう望ましくは、少なくとも5つの画素のデジタルセンサに及ぶ。
【0022】
本発明の様々な実施形態による装置は、支持体及び光ファイバ母材をその長手方向軸の周囲で回転させるよう構成された駆動部を含む。支持体及び駆動部は1つの構造体または装置として組み合わせることができるか、または全く別個であってもよい。本発明の様々な実施形態においては、二次元パターンと画像撮像装置との間で整列するように、また母材がその長手方向軸の周囲で回転することが可能なように、光ファイバ母材を安定化させることが可能な任意の構造体を好適に利用することができる。本発明の様々な実施形態においては、その支持される位置から母材を取り除くことなく母材がその長手方向軸の周囲で回転するようにトルクを及ぼすことができる、例えば、ベルト、ローラ、チェーン、旋盤装置及び類似機器を含むがそれに限定されない、任意の駆動部を好適に利用することができる。本発明の様々な実施形態において、支持体及び/または駆動部はさらに、指定された開始位置に対する母材の角度位置を検出する装置を含んでもよい。このような検出は、例えば回転中の母材上のマーキング及びマーキングの光検出によって実現することができる。あるいは、その長さに沿って母材をマーキングすることができ、このような検出を画像撮像装置を通じて実行することができる。
【0023】
本発明の様々な実施形態は、光ファイバ母材の様々な幾何学的特徴または特性を求める方法に関する。本発明の様々な実施形態による方法は、本発明の様々な他の実施形態による装置を利用して実行されてもよい。
【0024】
本発明の方法によって求められてもよい光ファイバ母材の幾何学的特徴または特性は、母材全体の湾曲と同様に母材コア及びクラッドの直径、楕円率、D/d比、及び偏心率を含む。光ファイバ母材は、筒状コア及びコアを囲むクラッド層を備える。このように光ファイバ母材は、コア径、d、及びクラッド層の外、D(あるいは1つまたは複数のクラッド層が存在する場合の複数のクラッド層の直径)を有する。コア径、d、及び外径、Dからは、直径比、D/dを求めることができる。光ファイバ母材のコア及びクラッド層のそれぞれは、理想的には円形状の断面を有する筒状である。完全な円形状の断面または変化する直角に計測される半径からの偏差は、楕円率と称される。コア及びクラッドのそれぞれは円筒形状として、そのそれぞれの長手軸によって画定される幾何中心を有する。コアとクラッドとの間で共有される幾何中心線からの偏差は、偏心率(すなわち、同心円状ではない)と称される。母材全体の湾曲は、母材の長さに沿った直線度からの任意の偏差を指す。
【0025】
本発明の様々な実施形態による方法は、光ファイバ母材の提供を含む。本明細書に記載の任意の光ファイバ母材は、本発明の方法において利用してもよい長手方向軸、外径及び円周を有する。本発明の様々な実施形態による方法はさらに、二次元パターンの提供を含む。光ファイバ母材の長手方向軸と平行な長さ及び、母材の外径より大きな幅を有する本明細書に記載の任意の二次元パターンは、本発明の方法において利用してもよい。本発明の実施形態の装置によって望ましいものとして記載されている二次元画像は、本発明の方法の実施形態における利用に本発明ついても望ましい。本発明の様々な実施形態による方法はさらに、画像撮像装置の提供を含む。デジタルカメラが本発明の方法の実施形態において利用されることが望ましい。
【0026】
したがって本発明の様々な実施形態による方法は、パターンと画像撮像装置との間で母材が整列するような、画像撮像装置によって撮像される画像が母材を通して視認されるパターンである、光ファイバ母材、二次元パターン及び画像撮像装置を提供することを含む。
【0027】
本発明の様々な実施形態による方法はさらに、母材のその長手方向軸の周囲で回転すること及び母材を通して視認されるパターンの複数の画像を取得することを含む。複数の画像は、(2つの異なる点が180°離れていない)母材の円周に沿った異なる点において母材を通して視認されるパターンの少なくとも2つの画像を含む。すなわち複数の画像は、画像撮像装置からパターンへと母材を通じて延びる線がその円周に沿った第1の点A母材に入射する、母材を通して視認されるパターンの少なくとも1つの画像及び、母材が回転移動した後にこのような線がその円周に沿った異なる点Bにおいて母材に入射する、少なくとも1つの画像を含む。本発明による方法の様々な望ましい実施形態において複数の画像は、母材の円周に沿った少なくとも5つの異なる点において母材を通して視認されるパターンの画像を含む。本発明による方法の様々なより望ましい実施形態において複数の画像は、母材の円周に沿った少なくとも10個の異なる点において母材を通して視認されるパターンの画像を含む。本発明による方法の様々な最も望ましい実施形態において複数の画像は、母材の円周に沿った少なくとも15個の異なる点において母材を通して視認されるパターンの画像を含む。
【0028】
母材が回転する速度は重要ではないが、母材が評価される速度のために最適化されてもよい。母材が1回転する際に複数の画像を取得することが理想である。したがって、例えば複数の画像が母材の円周に沿った10個の異なる点において画像を含むように選択される場合、単一の回転周期は画像撮像装置が画像を撮像するためにかかる時間の10倍の長さであるべきである。例えばデジタルカメラを利用し、円周に沿った10個の異なる画像が取得される場合、1秒当たりのフレーム及びカメラの露光時間によって必要とされる通り、回転周期はデジタルカメラの画像処理時間の10倍であるべきである。
【0029】
本発明による方法の様々な望ましい実施形態において方法はさらに、第1の複数の画像取得後の光ファイバ母材のその長手方向軸方向で移動すること及び、その後の母材の長さに沿った異なる位置における母材の円周に沿った第2の複数の画像を取得することを含む。第1、第2及び任意の付加的な複数の画像は、母材の長さに沿った異なる位置(円周)において撮像されることを除いては上述の通りである。すなわち、第1の複数の画像は円周Aに沿って取得されてもよく、母材はその後、画像撮像装置からパターンへと延びる線が異なる円周Bにおいて母材と交差するように、その長手方向軸に沿って並進移動してもよく、第2の複数の画像はその後、母材が再びまたは連続的に回転するにつれて、円周Bに沿ったいくつかの点において撮像されてもよい。
【0030】
本発明の様々な実施形態による方法はさらに、1つまたは複数の画像からの光ファイバ母材の少なくとも1つの幾何学的特性を求めることを含む。本発明の様々な方法の実施形態による幾何学的特性の判定は、母材の単一の円周における第1の複数の画像の分析によって実行することができるか、または母材の全体のまたは平均化した特性を求めるために、母材の長さに沿った様々な円周からの複数の画像を分析し、平均化することができる。例えば、母材の長さに沿った1つの点における直径、楕円率及び偏心率を求めるために、単一の円周における単一の複数の画像を分析することができるか、または母材全体のこのような特性の平均値を求めるために、複数を分析してもよい。母材全体の湾曲は、複数の画像の分析を必要とする。
【0031】
本発明の様々な方法の実施形態によると、光ファイバ母材のコアとクラッドとの間のエッジ位置を検出するための分析によって幾何学的特性の判定が実行される。このような分析は、取得画像におけるエッジ摂動の評価によって実行される。例えば
図4aを参照すると、本発明による方法において用いるのに好適な二次元パターンが示される。
図4bは、光ファイバ母材を通して視認される、
図4aにおいて示されるパターンの画像である。
図4bにおける「D」及び「d」の表記はそれぞれ、画像を取得するためのコアロッドのクラッド層の直径及びコア径を指す。したがって、屈折率の変化により生じるパターン線の乱れはコア及びクラッド径のエッジに対応し、本明細書においては「エッジ摂動」と称される。母材全体の外径は、母材のエッジにおける光の屈折によるパターンの変化によって検出される。
【0032】
エッジ位置を求めるためのエッジ摂動の検査は、このようにコア及びクラッドの直径を示す。単一の円周に沿った様々な異なる角回転においてエッジ位置を求めるためのエッジ摂動の検査は、互いに比較して、楕円率及び偏心率の判定を提供することができる。母材の長さに沿った様々な異なる点におけるこれら特性の判定は、母材全体のための平均化した特性を提供する。母材の湾曲は、望ましくは本明細書に記載の指定された開始位置に対する母材の角度位置の検出のための装置と併せて実行することができる、異なる軸方向位置におけるエッジの絶対位置の比較によって求めることができる。
【0033】
本発明による方法の様々な望ましい実施形態においては、幾何学的特性の判定の改善された精度を実現することができる。このような様々な望ましい実施形態において、より正確かつ精密なエッジ判定を提供するために、画像分析を実行することができる。例えば、画像撮像装置としてデジタルカメラが利用される
図5を参照すると、個別の画素レベルにおいてそれぞれの取得画像を分析することができ、外径「D」におけるエッジ摂動及びコア径「d」が数値化される。
【0034】
本発明の様々な望ましい実施形態による画素分析は、標準偏差フィルタ処理及び画像投影平均化を含むことができる。様々な実施形態において、画素分析はさらに、標準偏差フィルタ処理及び画像投影平均化に先立って実行される画像収縮ノイズ低減を含むことができる。画像収縮ノイズ低減は、他の高輝度画素によって囲まれていない高輝度画素除去を含む。また、母材全体の外径の空気/ガラス境界などにおいて転移境界の屈折率が大きく異なる場合、分析結果を改善するために倍率補正を実行することができる。
【0035】
標準偏差フィルタ処理は、標準偏差を有する画像内の各画素の、その環境に対するその画素との置き換えを含む。フィルタ処理は2つのステップを含む。第1のステップは、画素行に沿った3つの画素のサブセットのための標準偏差の算出である。第2のステップは、画素列に沿った3つの画素のサブセットのための標準偏差を算出する。原画像は、次のステップのための標準偏差アルゴリズムを有するフィルタ処理された画像によって置き換えられる。
【0036】
真の歪みのみが増大されるように、パターン内の線の間の分離エッジを平均化するために、画像投影平均化を利用することができる。画像は平均化効果をもたらすためにラドン変換を利用し、エッジ方向に沿って投影される。
【0037】
母材のコアのためのエッジ位置の検出は、外部層の屈折効果(拡大効果)及びエアインターフェースによる影響を受ける可能性がある。外部層の拡大効果は、外部層クラッドの屈折率が知られている、光線トレーシングを利用した光学システムのシミュレーションによって算出することができる。
【0038】
本発明の広範な概念から逸脱することなく、上述の実施形態に変更が加えられる可能性があることが当業者には理解される。したがって、本発明は開示される特定の実施形態に限定されないが、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨及び範囲内での修正に及ぶことが意図されることが理解されるべきである。