(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559232
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】ダブルベース双方向バイポーラトランジスタの2つの対向面上のフィールドプレート:デバイス、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/331 20060101AFI20190805BHJP
H01L 29/732 20060101ALI20190805BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
H01L29/72 P
H01L29/06 301F
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
【請求項の数】22
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-519858(P2017-519858)
(86)(22)【出願日】2015年10月13日
(65)【公表番号】特表2017-535074(P2017-535074A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】US2015055388
(87)【国際公開番号】WO2016061140
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2018年7月26日
(31)【優先権主張番号】62/063,090
(32)【優先日】2014年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515358931
【氏名又は名称】アイディール パワー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ウィリアム シー.
(72)【発明者】
【氏名】ブランチャード リチャード エー.
【審査官】
棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/122472(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0005732(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第105308750(CN,A)
【文献】
特開平11−145154(JP,A)
【文献】
特開2000−315691(JP,A)
【文献】
特開昭61−224457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/331
H01L 29/06
H01L 29/732
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワー半導体デバイスであって、該パワー半導体デバイスは、
第1および第2の面を有する第2導電性型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2の第1導電性型エミッタ/コレクタ領域と、
前記第2導電性型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2の第2導電性型ベースコンタクト領域と、
前記第2導電性型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2の絶縁フィールドプレート構造であって、前記第1および第2の絶縁フィールドプレート構造は導電性を有し、縦方向に延在し、横方向に前記第1および第2の第1導電性型エミッタ/コレクタ領域と隣接する、第1および第2の絶縁フィールドプレート構造と、を備え、
前記第1の第1導電性型エミッタ/コレクタ領域は側面および端部を有する細片状に形成され、両側面および両端部において前記第1の絶縁フィールドプレート構造によって横方向に取り囲まれ、前記第1の絶縁フィールドプレート構造に電気的に接続され、前記第2の第1導電性型エミッタ/コレクタ領域は側面および端部を有する細片状に形成され、両側面および両端部において前記第2の絶縁フィールドプレート構造によって横方向に取り囲まれ、前記第2の絶縁フィールドプレート構造に電気的に接続されている、
パワー半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1導電性型がn型である、請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項3】
前記第2導電性型半導体ダイがシリコンでできている、請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1および第2の絶縁フィールドプレート構造がトレンチフィールドプレートである、請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1および第2の絶縁フィールドプレート構造が酸化物充填トレンチ内のドープポリフィールドプレートを有する、請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項6】
前記第1導電性型がp型である、請求項1に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項7】
パワー半導体デバイスであって、該パワー半導体デバイスは、
第1および第2の面を有するp型半導体ダイと、
前記p型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のn型エミッタ/コレクタ領域と、
前記p型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のp型ベースコンタクト領域と、
前記p型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のトレンチフィールドプレート構造と、を備え、
前記第1のn型エミッタ/コレクタ領域は前記第1のトレンチフィールドプレート構造に電気的に接続され、前記第1のトレンチフィールドプレート構造によって完全に取り囲まれ、
前記第2のn型エミッタ/コレクタ領域は前記第2のトレンチフィールドプレート構造に電気的に接続され、前記第2のトレンチフィールドプレート構造によって完全に取り囲まれている、
パワー半導体デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載のパワー半導体デバイスであって、該パワー半導体デバイスは、
前記p型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のフィールドリミッティングリング構造をさらに備え、
前記第1のフィールドリミッティングリング構造は前記第1のn型エミッタ/コレクタ領域、前記第1のトレンチフィールドプレート構造、および前記第1のp型ベースコンタクト領域を取り囲み、
前記第2のフィールドリミッティングリング構造は前記第2のn型エミッタ/コレクタ領域、前記第2のトレンチフィールドプレート構造、および前記第2のp型ベースコンタクト領域を取り囲む、
パワー半導体デバイス。
【請求項9】
前記p型半導体ダイがシリコンでできている、請求項7に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1および第2のトレンチフィールドプレート構造が酸化物充填トレンチ内のドープポリフィールドプレートを有する、請求項7に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項11】
パワー半導体デバイスであって、該パワー半導体デバイスは、
第1および第2の面を有するn型半導体ダイと、
前記n型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のp型エミッタ/コレクタ領域と、
前記n型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のn型ベースコンタクト領域と、
前記n型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のトレンチフィールドプレート構造と、を備え、
前記第1のp型エミッタ/コレクタ領域は前記第1のトレンチフィールドプレート構造に電気的に接続され、前記第1のトレンチフィールドプレート構造によって完全に取り囲まれ、
前記第2のp型エミッタ/コレクタ領域は前記第2のトレンチフィールドプレート構造に電気的に接続され、前記第2のトレンチフィールドプレート構造によって完全に取り囲まれている、
パワー半導体デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のパワー半導体デバイスであって、該パワー半導体デバイスは、
前記n型半導体ダイの前記第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のフィールドリミッティングリング構造をさらに備え、
前記第1のフィールドリミッティングリング構造は前記第1のp型エミッタ/コレクタ領域、前記第1のトレンチフィールドプレート構造、および前記第1のn型ベースコンタクト領域を取り囲み、
前記第2のフィールドリミッティングリング構造は前記第2のp型エミッタ/コレクタ領域、前記第2のトレンチフィールドプレート構造、および前記第2のn型ベースコンタクト領域を取り囲む、
パワー半導体デバイス。
【請求項13】
前記n型半導体ダイがシリコンでできている、請求項11に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項14】
前記第1および第2のトレンチフィールドプレート構造が酸化物充填トレンチ内のドープポリフィールドプレートを有する、請求項11に記載のパワー半導体デバイス。
【請求項15】
スイッチングの方法であって、該方法は、
オン状態において、p型基板の対向面に位置する第1および第2のp型ベースコンタクト領域うちの一方へベース電流を駆動することであって、それによって、おなじく前記p型基板の対向面に位置する第1および第2のn型エミッタ/コレクタ領域間で電流の通過が可能になり、前記第1および第2のp型ベースコンタクト領域および前記第1および第2のn型エミッタ/コレクタ領域は、前記p型基板の両面上で、誘電体材料に横方向に取り囲まれた縦方向に延在する導電性フィールドプレートによって横方向に分離されている、ことと、
オフ状態において、絶縁フィールドプレートへの容量結合によってエミッタ−ベース接合近くの最大電界を低減させることと、を含む、
方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、ターンオン時に、前記第1および第2のn型エミッタ/コレクタ領域のうちのより高電位な一方を、前記対向面のうちの同じ一方のp型ベースコンタクト領域とともに短絡させ、それによってダイオード電圧降下をともない電流を導通させることをさらに含む、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記ベース電流を駆動することは、前記第1および第2のn型エミッタ/コレクタ領域のうちのより高電位な一方により近い方のp型ベースコンタクト領域へベース電流を駆動するが、前記p型ベースコンタクト領域のうちのもう一方にベース電流を流さない、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、オフ状態への移行において、前記対向面のうちの一方のp型ベースコンタクト領域を、同じ面のn型エミッタ/コレクタ領域に一時的に短絡させると同時に、前記対向面のうちのもう一方のp型ベースコンタクト領域を、同じ面のn型エミッタ/コレクタ領域に短絡させることと、その後少なくとも前記対向面のうちの一方のp型ベースコンタクト領域をフロートすることと、をさらに含む、方法。
【請求項19】
スイッチングの方法であって、該方法は、
オン状態において、n型基板の対向面に位置する第1および第2のn型ベースコンタクト領域うちの一方へベース電流を駆動することであって、それによって、おなじく前記n型基板の対向面に位置する第1および第2のp型エミッタ/コレクタ領域間で電流の通過が可能になり、前記第1および第2のn型ベースコンタクト領域および前記第1および第2のp型エミッタ/コレクタ領域は、前記n型基板の両面上で、誘電体材料に横方向に取り囲まれた縦方向に延在する導電性フィールドプレートによって横方向に分離されている、ことと、
オフ状態において、絶縁フィールドプレートへの容量結合によってエミッタ−ベース接合近くの最大電界を低減させることと、を含む、
方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、ターンオン時に、前記第1および第2のp型エミッタ/コレクタ領域のうちのより低電位な一方を、前記対向面のうちの同じ一方のn型ベースコンタクト領域とともに短絡させ、それによってダイオード電圧降下をともなう電流導通を行うことをさらに含む、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、前記ベース電流を駆動することは、前記第1および第2のp型エミッタ/コレクタ領域のうちのより低電位な一方により近い方のn型ベースコンタクト領域へベース電流を駆動するが、前記n型ベースコンタクト領域のうちのもう一方にベース電流を流さない、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、オフ状態への移行において、前記対向面のうちの一方のn型ベースコンタクト領域を、同じ面のp型エミッタ/コレクタ領域に一時的に短絡させると同時に、前記対向面のうちのもう一方のn型ベースコンタクト領域を、同じ面のp型エミッタ/コレクタ領域に短絡させることと、その後少なくとも前記対向面のうちの一方のn型ベースコンタクト領域をフロートすることと、をさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[相互参照]
2014年10月13日に提出された米国出願第62/063,090号の優先権を主張し、ここに参照により援用する。
【0002】
米国では、(米国を指定国とする)同時係属中のPCT出願WO2014/210072号の一部継続出願の優先権、および2013年6月24日提出の米国仮出願第61/838,578号の一部継続出願の優先権をも主張し、ここに参照により援用する。
[背景]
本願は、ダブルベース双方向バイポーラトランジスタ、より具体的には「B−TRAN」として知られる一般型のパワートランジスタに関する。
【0003】
以下に記載する事項は開示された発明から得られる洞察を表してもよく、必ずしも先行技術であると認められるものではないことに留意されたい。
米国出願公開第2014−0375287号には、半導体ダイの両面上にエミッタ/コレクタを有し、同じく両面上にベースコンタクト領域を有する完全双方向バイポーラトランジスタが開示されている。実施形態の1つの群(例えばその出願の
図13Aに表され、段落[0083]に記載される)において、エミッタ/コレクタ領域は誘電体充填トレンチによってベースコンタクト領域から横方向に分離されている。これにより、オン状態における同じ面のキャリア再結合が減少する。
【0004】
米国出願第2014−0375287号にはまた、デバイスのいくつかの驚くべき側面が記載されている。とりわけ、1)デバイスがオンされたとき、初めはダイオードとしてのみ作動することが好ましく、次にオン状態電圧降下を低減させるためにベース駆動が加えられ、2)ベース駆動は、どちらのエミッタ/コレクタ領域がコレクタとして働いても(デバイスの端子で現れる外部電圧によって定まる)、そのエミッタ/コレクタ領域に最も近いベースに加えられることが好ましく、3)2段階ターンオフシーケンスが用いられることが好ましく、4)オフ状態では、ベース−エミッタ電圧(両側)がそのベース−エミッタ接合を並列化した低電圧ダイオードによって制限される。
【0005】
Woodの出願WO2014/122472号にいくらか似た構造が示され、記載された。しかし、この出願は異なる構造を主な対象としている。また、Woodの出願は米国出願第2014−0375287号に記載された作動方法を記載していない。また、Woodの出願はエミッタ/コレクタ領域とベースコンタクト領域との間の横方向のトレンチ分離を記載しているようでもない。
【0006】
本願は、本タイプの構造、その構造の作動方法、およびその構造を組み込んだシステムの改良を提供する。
ダブルベース双方向バイポーラトランジスタの2つの対向面上のフィールドプレート:デバイス、方法、およびシステム
本願は、数ある革新のうち、半導体ダイの両(対向)面上に存在するエミッタ/コレクタ領域の両方がトレンチ内のフィールドプレートに取り囲まれた、対称形双方向デュアルコンタクトベースバイポーラ接合トランジスタについて教示する。このフィールドプレートは、エミッタ/コレクタ領域を、隣接するベースコンタクト領域から分離する。ベースコンタクト領域はデバイスの両面に存在するため、この構造はどちらのベースコンタクト領域がコレクタ側にあってもそのブレークダウン電圧を改善し、もう一方の側のベースコンタクト領域の特性を低下させることがない。これにより、米国出願第2014−0375287号のようなデバイスのブレークダウン電圧の驚くべき改善がもたらされる。
【0007】
本願は、数ある革新のうち、本タイプの構造の作動方法および本タイプの構造を組み込んだシステムについても教示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
開示された発明について、添付の図面を参照して説明する。図面は重要な例示的実施形態を示し、本願明細書に参照により組み込まれる。
【
図1】トレンチフィールドプレートを有する例示的B−TRANを概略的に示す。
【
図2】B−TRAN型デバイスのための好ましい回路図を示す。
【
図3】ここに参照により援用される、米国出願公開第2014−0375287号に記載されるような誘電体充填トレンチを有するB−TRANの1つの例示的実施形態を概略的に示す。
【
図4】
図4Aは、
図1のようなデバイスにおける、例示的なドーピングプロファイルを示す。
図4Bは、
図1のようなデバイスにおける、ブレークダウン時の電位分布を表す。
【
図5】
図5Aは、
図1のようなデバイスにおける、ブレークダウン時の電界を示す。
図5Bは、
図1のようなデバイスにおける、ブレークダウン時の衝突電離を示す。
【
図6】
図1のようなデバイスにおける、ブレークダウン時の電流密度の大きさの分布を示す。
【
図7】電流ベクトルを示した、
図1のようなデバイスの上部側の、ブレークダウン時の電流密度分布図である。
【
図8】電流ベクトルを示した、
図1のようなデバイスの下部側の、ブレークダウン時の
図6のような電流密度分布図である。
【
図9】
図1のようなデバイスの1つの面の平面図であり、エミッタ/コレクタ領域が縦型フィールドプレートに横方向に取り囲まれる様子を表す。
【
図10】
図1のようなデバイスの外縁部の部分断面図であり、ドーピングプロファイルを一般的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[例示的実施形態の詳細な説明]
本願の多数の革新的教示を、現在の好ましい実施形態(例としてであり、制限されない)を具体的に参照して説明する。本願にはいくつかの発明が記載され、以下の説明はいずれも、概して請求項を制限するものであると理解されるべきではない。
【0010】
米国出願公開第2014−0375287号に記載の完全双方向バイポーラダブルベーストランジスタの種類は、現在、一般的には「B−TRAN」と称される。その出願のいくつかの実施形態の中には、エミッタ/コレクタ領域が誘電体充填トレンチによってベースコンタクト領域から横方向に分離されているものがある。B−TRANは、
図1の例示的実施例に示すように、三層四端子双方向バイポーラトランジスタである。B−TRANは対称形のデバイスであり、それは2つの「終端」端子102および104にかかる電圧の極性が、これら2端子のうちのどちらがエミッタとして機能するか(すなわち、順方向バイアス接合を有する)を決定し、これら端子のうちのどちらがコレクタとして機能するか(すなわち、逆方向バイアス接合を有する)を決定することを意味する。B−TRANは、一般的には、5−20の範囲のゲインを有し、バイアス「オフ」のときにどちらの方向の高電圧にも耐えられる。さらに、バイポーラトランジスタとして、0.2ボルトもの低さであり得る最低オン電圧(V
CE−SAT)を有し、それは接合ダイオードの電圧降下(シリコンで0.6ボルト)を大きく下回る。B−TRANは対称形であるため、双方向スイッチが必要などんな回路にも使用することができる。B−TRANの対称性を表すデバイス図を
図2に表す。
【0011】
B−TRANは、eベース(エミッタ側のベース)がエミッタに短絡され、cベース(コレクタ側のベース)が開放されているときに、「アクティブオフ状態」にある。NPN B−TRANのこの状態においては、コレクタがアノード(高電圧側)であり、エミッタがカソード(低電圧側)である。
【0012】
B−TRANは両ベースが開放されているときにもオフであるが、この状態でB−TRANのゲインが比較的大きいために、ブレークダウン電圧は低い。他でも開示されているような、ノーマリオンスイッチと、各ベースと対応エミッタ/コレクタとの間に取り付けられたダイオードとの直列の組み合わせにより、この「パッシブオフ状態」において阻止電圧が大きく増加する。スイッチは正常動作中にオフされる。
【0013】
図3は完全対称形双方向バイポーラトランジスタを示し、エミッタ/コレクタおよびベースコンタクト領域は誘電体充填トレンチによって分離されている。この構造は米国出願公開第2014−0375287号に記載されている。示されている例はnpnデバイスであり、n型エミッタ/コレクタ領域がp型半導体ダイの表面と裏面との両方に存在する。さらに、分離されたp型ベースコンタクト領域が表面と裏面との両方に設けられて、p型半導体材料の大部分への接続を提供する。この構造では、半導体ダイの全厚をベースと見なすことが可能であるが、2つのベースコンタクト領域は電気的に異なり、別々に動作する。
【0014】
B−TRANデバイスが改良、改善されるにつれ、本発明者たちはダブルベース双方向バイポーラトランジスタがいくつかの独特な課題を提示することに気付いた。課題の1つはコレクタ−ベース分離である。通常のバイポーラ接合トランジスタでは、エミッタとベースとの間の電圧差は決して大きくない。しかし、完全双方向バイポーラトランジスタには、独立したエミッタおよびコレクタではなく、2つのエミッタ/コレクタ端子が存在する。(外部印加電圧の極性のために)コレクタとして働くのがどちら側であっても、その側のエミッタ/コレクタ拡散の底部近くに高電界が生じる。
【0015】
同じ物理的構造がエミッタまたはコレクタとして機能することができなければいけないという要件は、異なる場合に同じ接合に対して大きく異なる要求をする。例えば、
図3のコレクタ/エミッタ端子102がコレクタとして働くとき、デバイスの最上部の逆バイアスP−N接合はデバイスを通る全電圧に耐えなければならない。シミュレーションは、驚くべきことに、n型領域をp型領域から分離させるために絶縁体充填トレンチ106を使用した
図3の構造により、絶縁体充填トレンチの底部下の電界強度が増加し、デバイスの耐電圧またはブレークダウン電圧が低下することを表した。
【0016】
デバイス性能のこの低下を、
図1に示すように、トレンチ106の側壁および底部に隣接する誘電体層108と、n型接合に接続されたトレンチの中央部のフィールドプレート110との組み合わせにより減少させ、または無くしてもよい。
【0017】
誘電体108の厚みは、トレンチ106の底部下の電界強度が、製造されているデバイスにとっての許容レベルにまで低減されるように選択されなければならない。しかしながら、シミュレーションは、二酸化ケイ素層では1200ボルトのブレークダウン電圧を有するデバイスには0.2μmの範囲の厚みで十分であることを示した。
【0018】
図4Aの例示的実施形態は、5μmの深さのトレンチを有する
図1のようなデバイスのドーピングプロファイルを表す。この例示的実施形態は1223Vのブレークダウン電圧および1195.23Vの開放cベース電圧を有する。
図4Bは、
図4Aでシミュレーションしたようなデバイスのブレークダウン時の電位の例示的な図である。
【0019】
図5Aの例示的実施形態では、
図1のようなデバイスのブレークダウン時の電界がシミュレーションされる。同様に、
図5Bでは、
図4Aでシミュレーションしたような例示的デバイスのブレークダウン時の衝突電離をシミュレーションする。
【0020】
図6の例示的実施形態は、
図1のようなデバイスのブレークダウン時の、コレクタとして働くエミッタ/コレクタ領域近くの電流密度分布図である。エミッタ近くの電流密度はおよそI
E=100A/cm
2である。ベース−コレクタ電圧はV
BC=0.7Vであり、コレクタ−エミッタ電圧はV
CE=0.184Vである。
図7の例示的実施形態では、この電流密度分布は、
図1のようなデバイスのコレクタ近くの電流方向を表すベクトルにより補完される。同様に、
図8の例示的実施形態は、
図1のようなデバイスのエミッタ近くの電流密度分布および電流方向を表す。
【0021】
図9は
図1のようなデバイスの1つの面の平面図であり、エミッタ/コレクタ領域が縦型フィールドプレートに横方向に取り囲まれる様子を表す。
図10は
図1のようなデバイスの外縁部の部分断面図であり、ドーピングプロファイルを概して示す。この例では、フィールドリミッティングリングが2つだけ示されているが、実際はフィールドリミッティングリングの数ははるかに多く、例えば10個であることに留意されたい。
【0022】
活性領域にはエミッタ領域が含まれ、各エミッタ領域は縦型フィールドプレートに取り囲まれている。各エミッタ領域の長い端縁に隣接してベースコンタクト領域が存在する。
活性領域の端縁からダイの端縁までに存在するのは以下の領域である。
【0023】
−活性領域全体を取り囲むフィールドプレート。フィールドプレートは外側へ向けて延在して活性領域の端縁のP
−領域を超えて、厚いフィールド酸化物領域を有する領域内に至る。
【0024】
−低濃度ドープp型基板内に拡散された低濃度ドープn型領域で構成される、およそ10個の一連のフィールドリミッティングリング(FLR)。FLRは空乏領域を広げるためにフィールドプレートを有する。
【0025】
−ダイの端縁に形成されたP
+領域と接触するアルミニウムリングで構成される、終端の外周の等電位リング。
この例では、(外縁部の)n
−と表されたドーピングは、エミッタ/コレクタ領域で使用されるものと同じリンドーピングであることが好ましい。エミッタ/コレクタ領域自体は、n
−外縁領域に存在しない、より浅いn
+コンタクトドーピングをも有する。これはAs(ヒ素)であることが好ましい。
【0026】
同様に、この例では、(外縁部の)p
−と表されたドーピングは、エミッタ/コレクタ領域で使用されるものと同じホウ素ドーピングであることが好ましい。この領域自体は、n
−外縁領域に存在しない、より浅いp
+コンタクトドーピングをも有する。
【0027】
p
−−ドーピングは半導体ダイのバルクドーピングである。これは、例えば1200V部では180−250ohm・cm、600V部では80−120ohm・cmとすることができ、より高い定格電圧ではより高くすることができる。
[利点]
開示された革新は種々の実施形態において少なくとも以下の利点のうちの1つ以上を提供する。しかしながら、これらの利点のすべてが、開示された革新のすべてから生じるわけではなく、この利点リストは請求項にかかる種々の発明を制限するものではない。
【0028】
・ブレークダウン電圧の上昇
・耐久性の向上
・ターンオフ中の性能向上
・デバイス性能の向上
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、エミッタ/コレクタ拡散を最も近いベースコンタクト拡散から分離させるために絶縁フィールドプレートを使用した、デュアルベース両面バイポーラパワートランジスタが提供される。これにより、ターンオフ性能およびブレークダウン電圧の驚くべき改善がもたらされる。
【0029】
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、パワー半導体デバイスであって、該デバイスは、第1および第2の面を有する第2導電性型半導体ダイの第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2の第1導電性型エミッタ/コレクタ領域と、半導体ダイの第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2の第2導電性型ベースコンタクト領域と、半導体ダイの第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2の絶縁フィールドプレート構造であって、フィールドプレート構造は導電性を有し、縦方向に延在し、横方向にエミッタ/コレクタ領域と隣接する、第1および第2の絶縁フィールドプレート構造と、を備え、第1のエミッタ/コレクタ領域は一般的には側面および端部を有する細片状に形成され、両側面および両端部において第1の絶縁フィールドプレート構造によって横方向に取り囲まれ、第1の絶縁フィールドプレート構造に電気的に接続され、第2のエミッタ/コレクタ領域は一般的には側面および端部を有する細片状に形成され、両側面および両端部において第2の絶縁フィールドプレート構造によって横方向に取り囲まれ、第2の絶縁フィールドプレート構造に電気的に接続され、それによってブレークダウン電圧が印加電圧のどちらの極性下においても改善される、デバイスが提供される。
【0030】
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、パワー半導体デバイスであって、該デバイスは、第1および第2の面を有するp型半導体ダイと、半導体ダイの第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のn型エミッタ/コレクタ領域と、半導体ダイの第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のp型ベースコンタクト領域と、半導体ダイの第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のトレンチフィールドプレート構造と、を備え、第1のエミッタ/コレクタ領域は第1のトレンチフィールドプレート構造に電気的に接続され、第1のトレンチフィールドプレート構造によって完全に取り囲まれ、第2のエミッタ/コレクタ領域は第2のトレンチフィールドプレート構造に電気的に接続され、第2のトレンチフィールドプレート構造によって完全に取り囲まれ、それによってブレークダウン電圧が印加電圧のどちらの極性下においても改善される、デバイスが提供される。
【0031】
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、パワー半導体デバイスであって、該デバイスは、第1および第2の面を有するn型半導体ダイと、半導体ダイの第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のp型エミッタ/コレクタ領域と、半導体ダイの第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のn型ベースコンタクト領域と、半導体ダイの第1および第2の面上にそれぞれ位置する、第1および第2のトレンチフィールドプレート構造と、を備え、第1のエミッタ/コレクタ領域は第1のトレンチフィールドプレート構造に電気的に接続され、第1のトレンチフィールドプレート構造によって完全に取り囲まれ、第2のエミッタ/コレクタ領域は第2のトレンチフィールドプレート構造に電気的に接続され、第2のトレンチフィールドプレート構造によって完全に取り囲まれ、それによってブレークダウン電圧が印加電圧のどちらの極性下においても改善される、デバイスが提供される。
【0032】
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、スイッチングの方法であって、該方法は、オン状態において、p型基板の対向面に位置する第1および第2のp型ベースコンタクト領域のうちの一方(しかし両方ではない)へベース電流を駆動することであって、それによって、おなじくp型基板の対向面に位置する第1および第2のn型エミッタ/コレクタ領域間で電流の通過が可能になり、ベースコンタクト領域およびエミッタ/コレクタ領域は、基板の両面上で、誘電体材料に横方向に取り囲まれた縦方向に延在する導電性フィールドプレートによって横方向に分離されている、ことと、オフ状態において、絶縁フィールドプレートへの容量結合によってエミッタ−ベース接合近くの最大電界を低減させることと、を含む、方法が提供される。
【0033】
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、スイッチングの方法であって、該方法は、オン状態において、n型基板の対向面に位置する第1および第2のn型ベースコンタクト領域うちの一方(しかし両方ではない)へベース電流を駆動することであって、それによって、おなじくn型基板の対向面に位置する第1および第2のp型エミッタ/コレクタ領域間で電流の通過が可能になり、ベースコンタクト領域およびエミッタ/コレクタ領域は、基板の両面上で、誘電体材料に横方向に取り囲まれた縦方向に延在する導電性フィールドプレートによって横方向に分離されている、ことと、オフ状態において、絶縁フィールドプレートへの容量結合によってエミッタ−ベース接合近くの最大電界を低減させることと、を含む、方法が提供される。
【0034】
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、p型半導体ダイの第1および第2の面の両方の上にn型エミッタ/コレクタ領域およびp型ベースコンタクト領域の両方を有するパワーバイポーラ半導体デバイスのスイッチングの方法であって、該方法は、オン状態において、ベースコンタクト領域うちの一方へベース電流を駆動することと、オフ状態への移行において、第1の面のベースコンタクト領域を、第1の面のエミッタ/コレクタ領域に一時的に短絡させると同時に、第2の面のベースコンタクト領域を、第2の面のエミッタ/コレクタ領域に短絡させることと、その後の少なくとも第1の面のベースコンタクト領域をフロートすることと、を含み、第1の面のベースコンタクト領域は第2の面のベースコンタクト領域に接続されておらず、トレンチフィールドプレートは各エミッタ/コレクタ領域を、対応するベースコンタクト領域から分離し、それによって、両極性の電流が対向面上のエミッタ/コレクタ領域間を制御可能にスイッチングされる、方法が提供される。
【0035】
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、スイッチング回路であって、スイッチング回路は、p型モノリシック半導体ダイの両対向面上にn型エミッタ/コレクタ領域およびp型ベースコンタクト領域の両方を有するダブルベース双方向npn半導体デバイスと、対向面上の第1および第2ベースコンタクト領域に別々に接続された制御回路と、ノーマリオンスイッチがオンのときに低電圧ダイオードのアノードがp型ベースコンタクト領域に接続され、低電圧ダイオードのカソードがn型エミッタ/コレクタ領域に接続されるように接続された低電圧ダイオードとノーマリオンスイッチとの直列の組み合わせをそれぞれが有する異なる第1および第2のクランプ回路と、各エミッタ/コレクタ領域を隣接するベースコンタクト領域から分離する、トレンチ内の絶縁フィールドプレート構造と、を有し、低電圧ダイオードは、エミッタ/コレクタ領域と半導体ダイとの間のp−n接合のダイオード降下より小さい順電圧でオンし、それによって、ノーマリオンスイッチがオンのときに、エミッタ/コレクタ領域と半導体ダイとの間のp−n接合が順方向にバイアスされ得ない、スイッチング回路が提供される。
【0036】
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、p型半導体ダイの第1および第2の面の両方の上にn型エミッタ/コレクタ領域およびp型ベースコンタクト領域の両方を有するパワー半導体デバイスのスイッチングの方法であって、該方法は、オン状態において、エミッタ/コレクタ領域のうちのより高電位な一方により近い方のベースコンタクト領域へベース電流を流すが、ベースコンタクト領域のうちのもう一方にベース電流を流さないことを含み、第1の面のベースコンタクト領域は、半導体ダイ自体を介するのを除いて第2の面のベースコンタクト領域と電気的に接続されておらず、第1の面のエミッタ/コレクタ領域は第2の面のエミッタ/コレクタ領域と電気的に接続されておらず、トレンチフィールドプレートは各エミッタ/コレクタ領域を、各ベースコンタクト領域から分離し、それによって、オン状態での低電圧降下および確実なターンオフを実現する双方向スイッチングが、提供される。
【0037】
いくつかの実施形態において、しかし必ずしもすべての実施形態においてではないが、p型半導体ダイの第1および第2の面の両方の上にn型エミッタ/コレクタ領域およびp型ベースコンタクト領域の両方を有するパワー半導体デバイスのスイッチングの方法であって、該方法は、ターンオン時に、エミッタ/コレクタ領域のうちのより高電位な一方を、面のうちの同じ一方のベースコンタクト領域とともに短絡させ、それによってダイオード電圧降下をともなう電流導通を行うことと、その後ベースコンタクト領域のうちの少なくとも一方にベース電流を流して、バイポーラトランジスタとしてダイオード電圧降下未満で導通を開始することと、を含み、第1の面のベースコンタクト領域は、半導体ダイ自体を介するのを除いて第2の面のベースコンタクト領域と電気的に接続されておらず、トレンチフィールドプレートは各エミッタ/コレクタ領域を、対応するベースコンタクト領域から分離し、それによって、オン状態での低電圧降下および確実なターンオフを実現する双方向スイッチングが、提供される。
[変更例および変形例]
当業者であればわかるように、本願に記載の革新的概念は広大な応用範囲にわたって変更および変形することが可能であり、したがって、特許された主題の範囲は、示された特定の例示的教示のどれにも制限されるものではない。添付の請求項の主旨および広い範囲内に入るすべての選択肢、変更例、および変形例を含むことを意図している。
【0038】
上記例では半導体ダイはシリコンであるが、代わりにその他の半導体材料を使用することもできる。
フィールドプレートはドープポリシリコンでできていることが好ましいが、アルミニウムやタングステンなどのその他の導電性材料も使用することができる。
【0039】
フィールドプレート周りの絶縁は、オフ状態にコレクタ側で見られる大きな電圧降下に耐えられるほど厚いことが好ましい。さらに、フィールドプレート周りの絶縁は、必要に応じてより頑丈にすることができる。
【0040】
フィールドプレート周りの絶縁は、(シリコン)ダイにエッチングされたトレンチの側壁上に成長した二酸化ケイ素の薄い層によって提供されることが好ましい。しかしながら、代わりにこの絶縁層は多数の異なる材料を含むことも可能である。
【0041】
変形例および実行例を表すのに役立つ、追加の一般的背景を以下の刊行物に見ることができる。ここに、米国特許第9,029,909号、米国特許第9,035,350号、米国特許第9,054,706号、米国特許第9,054,707号、および米国特許第9,059,710号のすべてを参照により援用する。
【0042】
変形例および実行例、ならびに以下に請求する発明と相乗的に実施することができるいくつかの特徴を表すのに役立つ、追加の一般的背景を以下の米国特許出願に見るであろう。これらの出願のすべては、本願と少なくともいくらかの共通の所有者、同時係属性、および発明者を有し、それらのすべて、およびそれらの中に直接的または間接的に包含されるあらゆる題材が、ここに参照により援用される。米国特許出願公開第2015−0214055A1、米国特許出願公開第2015−0214299A1、米国特許出願公開第2015−0270771A1、米国特許出願公開第2015−0270837A1、米国特許出願公開第2015−0280613A1、PCT出願PCT/US2014/43962号、PCT出願PCT/US2014/69611号、PCT出願PCT/US2015/11827号、14/755,065号、14/791,977号、14/792,262号、および上記あらゆる出願のすべての優先出願が、残らずここに参照により援用される。
【0043】
本願のどの記載も、特定の要素、工程、または機能が特許請求の範囲に含まれなければならない必須の要素であることを意味していると理解されるべきでない。特許された主題の範囲は、許可された請求項によってのみ定義される。さらに、これらの請求項はどれも、「means for」という語そのものに分詞が続かない限り、米国特許法第112条の第6段落を行使することを意図しない。
【0044】
出願時の請求項は可能な限り包括的であることを意図したものであり、主題は意図しては、放棄、無償譲渡、または取り下げされない。