【文献】
History of Changes for Study: NCT02044653[オンライン],2014[検索日:2018.12.11],インターネット:<URL:https://clinicaltrials.gov/ct2/history/NCT02044653?V_1=View#StudyPageTop>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
EPO(erythropoietin)及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを有効成分として含有する貧血治療剤であって、該融合ポリペプチドが貧血患者に5μg/kg〜9μg/kgの用量で2週〜4週間隔で投与されるものであり、該融合ポリペプチドが配列番号3のアミノ酸配列からなる、貧血治療剤。
前記矯正が、前記EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で2週間隔で投与、または該EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを8μg/kgの用量で4週間隔で投与するものである、請求項8に記載の貧血治療剤。
EPO(erythropoietin)及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを有効成分として含有する、貧血患者の血中ヘモグロビン(hemoglobin)値を10g/dl〜12g/dlの範囲に矯正または維持するための治療剤であって、該融合ポリペプチドが貧血患者に5μg/kg〜9μg/kgの用量で2週〜4週間隔で投与されるものであり、該融合ポリペプチドが配列番号3のアミノ酸配列からなる、治療剤。
前記矯正が、前記EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で2週間隔で投与、または該EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを8μg/kgの用量で4週間隔で投与するものである、請求項11に記載の治療剤。
【発明を実施するための形態】
【0014】
前記目的を達成するための本発明の一つの態様は、貧血患者にEPO(erythropoietin)及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを4μg/kg〜9μg/kgの用量で2週〜4週間隔で投与する段階を含む貧血治療方法である。
【0015】
本発明ではEPO(erythropoietin)及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを貧血患者に投与する場合、血中ヘモグロビン値を正常水準に矯正(correction)または維持することができる最適の投与濃度及び投与周期を確立した。ここで、本発明で確立された前記融合ポリペプチドの投与濃度及び投与周期に従って貧血患者に投与する場合、患者の血中ヘモグロビン値を正常値に矯正または維持することができ、究極的に貧血を治療することができる。以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明における用語、「EPO(erythropoietin)」は、糖タンパク質ホルモンであり、赤血球生成に関与するサイトカインをいう。前記EPOは多様な種から由来してもよく、例えば、ヒト、カニクイザル(Cynomolgus)、マウス、ラットまたはウサギ由来であってもよいが、血中ヘモグロビン値を上昇させることができるものであれば、その由来に特に制限されない。
【0017】
具体的に、これに制限されるものではないが、前記EPOは配列番号1のアミノ酸配列、または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、もっと具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すアミノ酸配列からなるものであってもよい。
【0018】
前記配列と相同性を有する配列として、実質的に配列番号1のタンパク質と同一であるか、相応する生物学的活性を有するアミノ酸配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有する場合も本発明の範囲に含まれるのは自明である。
【0019】
前記の用語、「相同性」は、与えられたアミノ酸配列または塩基配列と一致する程度を意味し、パーセントとして示されうる。本明細書で、与えられたアミノ酸配列または塩基配列と同一であるか、類似な活性を有するその相同性配列が「%相同性」で示される。例えば、%相同性は、点数(score)、同一性(identity)及び類似度(similarity)などのパラメーター(parameter)を計算する標準ソフトウェア、具体的にBLAST2.0を用いたり、定義された厳しい条件下でサザンハイブリダイゼーション実験により配列を比較することにより確認することができる。定義される適切なハイブリダイゼーション条件は該当技術の範囲内であり、当業者に公知の方法(例えば、J. Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory press, Cold Spring Harbor, New York, 1989; F.M. Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., New York)により決定されてもよい。
【0020】
本発明における用語、「免疫グロブリンFc断片」または「免疫グロブリンFc」は、免疫グロブリンの重鎖定常領域(CH)を含み、免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の可変領域及び軽鎖定常領域(CL)は含まないタンパク質を意味する。前記Fcはヒンジ領域をさらに含むことができ、本発明の目的上、重鎖定常領域2(CH2)及び重鎖定常領域3(CH3)は含むが、重鎖定常領域1(CH1)は含んでもよく、含まなくてもよい。
【0021】
また、本発明の免疫グロブリンFc断片は天然型糖鎖、天然型に比べて増加した糖鎖、天然型に比べて減少した糖鎖、または糖鎖が除去された形態であってもよい。化学的方法、酵素的方法及び微生物を用いた遺伝工学的エンジニアリング方法などのような当業界に周知の通常の方法で免疫グロブリンFc糖鎖の増加、減少または除去が行われてもよい。Fc断片からの糖鎖の除去は補体第一成分C1のC1qへの結合親和力を急激に減少させ、抗体依存性細胞媒介性細胞障害(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)または補体依存性細胞障害(complement-dependent cytotoxicity、CDC)の減少または消失をもたらし、そのため生体内の不必要な免疫反応を誘導しない。このことから、糖鎖が除去されたり(deglycosylated)非糖鎖化された(aglycosylated)形態での免疫グロブリンFc断片は、薬物の担体として本発明の目的により適合しうる。
【0022】
ここで、「糖鎖の除去(deglycosylation)」は、Fc断片から酵素的に糖が除去されることを意味し、用語、「非糖鎖化(aglycosylation)」は、Fc断片が原核生物、好ましくは大腸菌(E.coli)により糖鎖化されてない(unglycosylated)形態で生成されることを意味する。
【0023】
前記免疫グロブリンFcは、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4のFc領域の中のいずれか一つであってもよい。また、前記Fc領域はFcR結合及び/または補体結合が起こらないように変形されたものであってもよい。特に、本発明では、前記免疫グロブリンFcとしてハイブリッドFcを使用し、これは「免疫グロブリンハイブリッドFc」と呼ばれる。本発明で「免疫グロブリンハイブリッドFc」という用語は、「hyFc」と混用して用いられた。
【0024】
前記免疫グロブリンハイブリッドFcはIgGサブクラスの組合せまたはヒトIgD及びIgGの組合せから誘導されてもよい。一例として、前記免疫グロブリンFc領域はN−末端からC−末端の方向にヒンジ領域、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含んでもよい。ここで、前記ヒンジ領域はヒトIgDヒンジ領域を含んでもよい。また、前記CH2ドメインはヒトIgDとIgG4のCH2ドメインのアミノ酸残基部分を含んでもよい。また、前記CH3ドメインはヒトIgG4のCH3ドメインのアミノ酸残基部分を含んでもよい。
【0025】
具体的に、前記免疫グロブリンハイブリッドFcは、これに制限されるものではないが、配列番号2のアミノ酸配列、または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、もっと具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すアミノ酸配列からなるものであってもよい。
【0026】
前記配列と相同性を有する配列として、実質的に配列番号2のタンパク質と同一であるか、相応する生物学的活性を有するアミノ酸配列であれば、一部配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有する場合も本発明の範囲に含まれるのは自明である。
【0027】
前記免疫グロブリンハイブリッドFcはEPOタンパク質に結合する場合、EPOの活性を阻害することなく血清半減期を増加させうる。
【0028】
本発明における用語、「EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチド」は、EPOタンパク質に免疫グロブリンFcを融合したタンパク質を意味する。本発明における「EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチド」の用語は、「EPO−hyFc融合ポリペプチド」と混用して使用された。前記融合ポリペプチドは具体的に免疫グロブリンハイブリッドFcのN−末端とEPOのC−末端が結合されたものであってもよいが、これに制限されない。また、前記融合タンパク質は免疫グロブリンハイブリッドFcとEPOがリンカー(linker)で連結されたものであってもよい。
【0029】
具体的に、前記EPO−hyFc融合ポリペプチドは、これに制限されるものではないが、配列番号3のアミノ酸配列、または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、もっと具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すアミノ酸配列からなるものであってもよい。
【0030】
前記配列と相同性を有する配列として実質的に配列番号3のタンパク質と同一であるか、相応する生物学的活性を有するアミノ酸配列であれば、一部配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有する場合も本発明の範囲に含まれるのは自明である。
【0031】
前記EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドは貧血患者に投与後、抗体の生成が観察されず生体内で非常に安全であり、また既存第1世代のEPO製品の半減期である約8時間(非特許文献3)に比べて、半減期が138〜158時間で約19倍程度長く持続される。
【0032】
本発明の具体的な実施例で、慢性腎不全貧血患者を対象にEPO−hyFc融合ポリペプチドを反復投与することにより、ヘモグロビン値の変化を通じて効力を示す範囲を確認するための試験計画を樹立した(
図3)。さらに、これにより、持続力がありながらも急速な効力反応を止揚して、心血管系の副作用の危険を下げることにより、貧血治療に効果的に利用されうるEPO−hyFc融合ポリペプチドの投与用量及び周期を確認した(表1)。
【0033】
ここで、4μg/kg〜9μg/kgのEPO−hyFc融合ポリペプチドを2週〜4週間隔で貧血患者に投与した時、血中ヘモグロビン値を正常水準に矯正(correction)または維持することにより、貧血を効果的に治療しうることを確認した。
【0034】
本発明における用語、「貧血」は、患者のEPO生成細胞による機能性EPOタンパク質の不適切な生成及び/またはEPOタンパク質の全身循環系内への不適切な放出及び/または骨髄内赤芽細胞のEPOタンパク質に対する無能力な反応による、赤血球細胞の数及び/またはヘモグロビン値の欠乏を意味する。貧血症状がある患者は赤血球恒常性を維持することができない。一般的に、貧血は腎臓機能の減退または喪失(例えば、慢性腎不全)、相対的なEPO欠乏、うっ血性心不全、化学療法または抗ウィルス療法(例えば、AZT)のような骨髄抑制性療法、非骨髄性ガン、HIVのようなウィルス感染、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ)、肝臓疾患、及び多臓器不全などによって発生しうるが、これらに限定されない。
【0035】
本発明で前記貧血患者は周期的に腹膜透析または血液透析を行う患者であってもよいが、これに制限されない。また、前記患者は具体的にヒトであってもよいが、これに制限されない。
【0036】
本発明における用語、「治療」は、本発明に係るEPO−hyFc融合ポリペプチドまたはこれを含む薬学的組成物の投与により貧血患者の症状が好転したり、有利に変更されるすべての行為を意味する。前記投与は任意の適切な方法で患者に所定の物質を提供することを意味し、本発明のEPO−hyFc融合ポリペプチドの投与経路は融合ポリペプチドが目的の組織に到達することができる限り、制限されない。例えば、関節内投与、腹腔内投与、静脈投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻内投与、肺内投与、直腸内投与であってもよく、具体的には、静脈内投与または皮下投与であってもよい。
【0037】
本発明の貧血治療方法は、前記EPO−hyFc融合ポリペプチドを貧血患者に4μg/kg〜9μg/kgの用量で2週〜4週間隔で投与して行ってもよい。
【0038】
具体的に前記貧血治療方法は、EPO−hyFc融合ポリペプチドを5μg/kg〜8μg/kgの用量で投与してもよく、より具体的には5μg/kgまたは8μg/kgの用量で投与するものであってもよい。また、具体的に前記EPO−hyFc融合ポリペプチドを2週または4週間隔で投与してもよい。最も具体的には、前記EPO−hyFc融合ポリペプチドを5μg/kgの用量で2週間隔で投与、8μg/kgの用量で2週間隔で投与、5μg/kgの用量で4週間隔で投与、または8μg/kgの用量で4週間隔で投与するものであってもよい。
【0039】
前記貧血治療方法はEPO−hyFc融合ポリペプチドの投与を介して患者の血中ヘモグロビン値を正常範囲に矯正したり、または維持することであってもよい。
【0040】
本発明における用語、「矯正」は、異常な状態を正常の状態になるように誘導する行為を意味し、「維持」は、正常的な状態を持続させる行為を意味する。つまり、血中ヘモグロビン値を正常範囲に矯正したり維持することは、すなわち、異常な血中ヘモグロビン値を正常範囲となるように誘導するか、または通常の血中ヘモグロビン値が持続するようにすることをいう。
【0041】
最近FDAを含む各国の医薬品規制機関ではヘモグロビンが急激に上昇する場合、心血管系の副作用誘発率が増加することがあり、貧血治療剤に対してヘモグロビンの血中濃度をよくモニタリングし、慎重に投与することを勧告しており、特に貧血の程度がやや激しい患者に限ってEPO製剤を使用することを勧告している。臨床診療ガイドライン(2012 KDIGO Clinical Practice Guideline for Anemia in Chronic Kidney Disease, Page 304)によると、腎不全患者の貧血治療を目的に使用されるEPO製剤の初期投与目標は投与開始後4週間の血色素上昇が1g/dl〜2g/dlに達することが望ましいと勧告しているが、実際の臨床報告によると、0.7g/dl〜2.5g/dlであることが報告されている。
【0042】
腎不全患者の貧血治療の目標は血中血色素が10g/dl〜12g/dlになるように維持することで、13g/dl以上に上昇する場合、心血管系副作用及び死亡の危険性が増加することが報告され、最近には11g/dl以上に上昇するとEPO製剤の投与を中断するか、用量を調節することとの、新しいガイドラインが提供された(2011, FDA Drμg Safety Communication: Modified dosing recommendations to improve the safe use of Erythropoiesis-Stimulating Agents (ESAs) in chronic kidney disease)。
【0043】
また、米国National Kidney Foundation Kidney disease Outcome Quality Initiative (NFK-K/DOQI)の2007年治療ガイドラインによるとHb濃度が11.0g/dl以下である場合EPO製剤による貧血治療を勧めており、治療目標Hb濃度は11.0〜12.0g/dlで、少なくとも月1回以上の濃度測定を勧告している(非特許文献4)。2012年KDIGOガイドラインによると、腎不全第5期の成人患者の場合、Hb濃度が9.0〜10.0g/dlである時にEPO製剤投与を勧めており、維持療法の場合、血中血色素濃度が11.5g/dlを超えないように勧めている(非特許文献5)。
【0044】
本発明では貧血の矯正(Correction)は、正常の血中ヘモグロビン値未満の貧血患者で血中ヘモグロビン値が正常値に到達するようにEPO−hyFc融合ポリペプチドを投与することと定義することができ、維持(Maintenance)は、血中ヘモグロビン値が正常範囲内にある貧血患者で血中ヘモグロビン値が正常状態に持続するようにEPO-hyFc融合ポリペプチドを投与することで定義することができる。
【0045】
矯正療法は貧血患者に副作用をもたらさないように異常血中ヘモグロビン値を正常値に到達する速度が非常に重要であり得る。具体的には投与開始後4週に血中ヘモグロビン値が0.7〜2.5g/dl増加されるものであってもよいが、これに制限されない。
【0046】
維持療法は正常血中ヘモグロビン値を少ない変動幅に維持することが非常に重要であり得る。具体的に投与開始後、血中ヘモグロビン値が±1.1〜1.3g/dlの変動幅を有し、正常値の範囲内で持続的に維持できるものであってもよいが(非特許文献6)、これに制限されない。
【0047】
前記正常血中ヘモグロビン値は、例えば、10g/dl〜12g/dlであってもよいが、この範囲は患者の状態、投与方法、環境などの多様な要因により当業者が適切に変更してもよく、特に制限されることではない。また、本発明のEPO−hyFc融合ポリペプチドの投与周期または用量を調節して患者のヘモグロビン値を矯正したり維持することも当業者が患者の状態などを考慮して適切に選択することができ、特に、単一の用量または周期に制限されるものではない。
【0048】
本発明の一例によると、任意に選定した正常ヘモグロビン値に対して下回る血中ヘモグロビン値を有する貧血患者にEPO−hyFc融合ポリペプチドを矯正を目的に特定用量及び周期を選定して投与を行っている途中、患者の血中ヘモグロビン値が正常範囲に到達するとEPO−hyFc融合ポリペプチドの用量及び周期を変更して維持を目的にして投与を行ってもよく、ヘモグロビン値が過度に増加されたと判断される場合には、一時的に投与を中断してもよい。
【0049】
本発明において、前記矯正は、これに制限されるものではないが、EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kg〜8μg/kgの用量で投与するものであってもよく、前記融合ポリペプチドを2週〜4週間隔で投与するものであってもよい。具体的には、EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で投与するものであってもよく、前記融合ポリペプチドを2週または4週間隔で投与するものであってもよい。さらに具体的には、EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で2週間隔で投与、またはEPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを8μg/kgの用量で4週間隔で投与するものであってもよい。
【0050】
本発明において前記維持は、これに制限されるものではないが、EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kg〜8μg/kgの用量で投与するものであってもよく、前記融合ポリペプチドを4週間隔で投与するものであってもよい。具体的には、EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で投与するものであってもよい。さらに具体的には、EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で4週間隔で投与するものであってもよい。
【0051】
また、具体的に前記貧血治療方法は、a)血中ヘモグロビン値が正常範囲未満である貧血患者に、EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で2週間隔で投与、または8μg/kgの用量で4週間隔で投与して矯正する段階;及びb)前記a)段階を通して血中ヘモグロビン値が正常範囲内に矯正された貧血患者に、EPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で4週間隔で投与して維持する段階を含むものであってもよい。
【0052】
本発明の具体的な一実施例では、腎不全患者に本発明のEPO−hyFc融合ポリペプチドを3μg/kg、5μg/kgまたは8μg/kgの用量で2週間隔で反復投与した後、血中ヘモグロビン値を持続的に観察した(
図4a及び表1)。
【0053】
その結果、3μg/kgを投与した場合、投与後、6週が経過した時点でヘモグロビン値は0.74g/dl増加して正常値の範囲よりは若干低い9.50g/dlで確認された。一方、5μg/kgを投与した場合には、ヘモグロビン値が1.14g/dl増加された9.74g/dlであり、8μg/kgを投与した場合には、ヘモグロビン値が1.23g/dl増加された10.13g/dlで確認され、5μg/kgまたは8μg/kgで2週間隔で投与した場合、ヘモグロビン値が正常水準近くに矯正されたことを確認できた。
【0054】
前記結果により、本発明のEPO−hyFc融合ポリペプチドを2週間隔で貧血患者に投与する場合、ヘモグロビン値矯正のためには5μg/kgまたは8μg/kgの用量で投与するのが適合であることを確認した。
【0055】
本発明の具体的な他の一実施例では、腎不全患者に本発明のEPO−hyFc融合ポリペプチドを3μg/kg、5μg/kgまたは8μg/kgの用量で4週間隔で反復投与した後、血中ヘモグロビン値を持続的に観察した(
図4b及び表2)。
【0056】
その結果、3μg/kgを投与した場合、投与後、8週が経過した時点でヘモグロビン値は0.74g/dl減少して貧血治療効果がなく症状がむしろ悪化することを確認した。一方、5μg/kgを投与した場合には、ヘモグロビン値が0.01g/dl減少して、9.23g/dlの投与前のヘモグロビン値を維持することを確認した。さらに、8μg/kgを投与した場合には、ヘモグロビン値が0.79g/dl増加された10.17g/dlで確認され、ヘモグロビン値が正常水準に矯正または維持されることを確認できた。
【0057】
前記結果により、本発明のEPO−hyFc融合ポリペプチドを4週間隔で貧血患者に投与する場合、5μg/kgの用量はヘモグロビン値を維持し、5μg/kgまたは8μg/kgの用量はヘモグロビン値を矯正または維持するのに適合することを確認した。
【0058】
本発明の他の一つの態様は、貧血患者にEPO(erythropoietin)及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを4μg/kg〜9μg/kgの用量で2週〜4週間隔で投与する段階を含む、貧血患者のヘモグロビン(hemoglobin)値を10g/dl〜12g/dlの範囲に矯正または維持する方法である。
【0059】
貧血患者、融合ポリペプチド及び投与に関しては前述した通りである。
【0060】
具体的に、前記矯正はEPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で2週間隔で投与、またはEPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリぺプチドを8μg/kgの用量で4週間隔で投与するものであってもよく、前記維持はEPO及び免疫グロブリンハイブリッドFcを含む融合ポリペプチドを5μg/kgまたは8μg/kgの用量で4週間隔で投与するものであってもよい。
【実施例】
【0061】
以下、下記実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれら実施例により制限されるものに解釈されない。
【0062】
実施例1.腎不全貧血患者に対するEPO−hyFc融合ポリペプチドの反復投与方法
1−1.EPO−hyFc融合ポリペプチドの製造
本発明者らの先行特許である特許文献1の実施例3及び実施例4のようにEPO−hyFc融合ポリペプチドを製造した(
図2a)。前記EPO−hyFc融合ポリペプチドの全体配列(配列番号3)は
図2bに示した通りである。
【0063】
1−2.単回投与方法
前記製造したEPO−hyFc融合ポリペプチドの薬力学的、薬物動態学的反応を確認するために、健康な男性成人を対象にEPO−hyFc融合ポリペプチドを投与した。静脈にそれぞれの用量(0.3、1、3、5または8μg/kg)と皮下にそれぞれの用量(1、3、5または8μg/kg)で単回投与した後、ヘモグロビン値を評価した(
図1a及び
図1b)。
【0064】
その結果、EPO−hyFc融合ポリペプチド静脈投与及び皮下投与時、試験したすべての用量範囲で安定性を示した。静脈投与の場合、用量が増加することに応じて体内曝露が増加した。用量補正したC
maxの場合、用量による差異を示さなかったが、用量補正したAUC
lastの場合、用量による差異を示した(P-value<0.001)。GC1113皮下投与群を投与用量で補正したC
maxの場合、用量による差異を示さなかったが、用量補正したAUC
lastの場合、用量により統計的に有意な差異を示した(P-value=0.016)。薬力学/薬物動態学的な相関関係を比較した時、静脈投与の場合、C
max、AUC
lastと基準補正したEmax(baseline corrected Emax)、AUECとの間に量の相関関係を示し、皮下投与の場合、Cmax、AUC
lastと基準補正したEmax(baseline corrected Emax)、AUECとの間に単純相関関係は観察されなかった(p-value>0.05)。
【0065】
投与後、抗体生成は観察されず、静脈投与(IV)1μg/kg群と静脈投与NESP30μg群が類似な体内曝露を示した。薬力学的パラメーターである網状赤血球(reticulocyte)の計数の結果、静脈投与3〜5μg/kg群と静脈投与NESP30μg群が類似な様相を示した(
図1c及び
図1d)。皮下投与の場合は、時間に応じた網状赤血球変化の様相がNESP30μg群とは相違した。網状赤血球−時間プロファイル(Reticulocyte-time profile)及び累積時間区間別のAUEC変化値に基づいて判断したとき、低用量群(1、3μg/kg群)での網状赤血球の増加の最大効果は、NESP30μg群に比べて低くて遅く示される傾向があり、高用量群(5、8μg/kg群)での網状赤血球の増加の最大効果は、NESPと同様でありながら、より持続的な効果が示されることを確認した。
【0066】
1−3.反復投与方法
前記製造したEPO−hyFc融合ポリペプチドの慢性腎不全貧血患者でのヘモグロビン値の変化及びこれを通じた貧血の治療効果を確認するために、
図3に記載された用量及び周期で前記融合ポリペプチドを慢性腎不全貧血患者に投与した。
【0067】
パートAでは、各用量及び投与周期グループ別10人ずつ常時的に透析を実施する腎不全患者にそれぞれの用量(3、5または8μg/kg)を2週または4週間隔で投与し、薬物投与前に比べヘモグロビンの変化を測定して、その中で最も良い結果を示した二つのグループを選別してパートB研究で活性対照群との比較研究を行った。
【0068】
既存のEPO製剤を投与されている患者の場合には、休薬期(Wash-out)を経た後、研究に参加した。休薬期は8週以上が付与されたが、休薬期が4週以上であり、3回以上血色素変化値が測定された患者として血色素検査値が10g/dl未満の場合には8週以上の休薬期が経過しなくても採用した。
【0069】
1−4.腹膜透析患者群に対する投与方法
常時的に腹膜透析を行う患者を対象に、体内ヘモグロビン(hemoglobin)の変化量を調査するために、次のような臨床研究を実施した。
【0070】
各用量及び投与周期グループ別10人ずつ常時的に腹膜透析を実施する腎不全患者に潜在的に選定された各用量(3、5または8μg/kg)を2週または4週間隔で3回(1日目、15日目、29日目)または2回(1日目、29日目)皮下(SC)経路で投与し、投与前に比べ4週後のヘモグロビンの変化を6週または8週後に調査して、体内ヘモグロビン値の変化によりEPO−hyFc融合ポリペプチドの体内持続性及び効力を評価した。
【0071】
腹膜透析腎不全患者を対象にするパートAの場合、計6回の訪問で構成されており、訪問1から訪問5までに血色素の増加効果を評価するための採血を行い、各訪問時、血液の損失や輸血施行するかどうかの評価を並行した。
【0072】
以降、ヒトにおいてEPO−hyFc融合ポリペプチドの用量別反復投与による体内持続性がヘモグロビンの変化に及ぼす影響を確認するために、前記パートAにより選定された2つの用量をグループ別25人ずつ腹膜透析中の腎不全患者の皮下(SC)経路で投与した後、投与前に比べ12週後のヘモグロビンの変化を調査した。
【0073】
パートBの場合、計10回の訪問で構成されており、投薬のための訪問は、訪問2と訪問8との間に2週間隔で実施した。訪問1から訪問9までに血色素の増加効果を評価するための採血を行い、各訪問時、血液の損失や輸血施行するかどうかの評価を並行した。
【0074】
1−5.血液透析患者群に対する投与方法
周期的に血液透析を行う患者を対象に、体内ヘモグロビン(hemoglobin)の変化及びこれを通じた貧血治療効果を確認するために、次のような臨床研究を実施した。
【0075】
ヒトにおいてEPO−hyFc融合ポリペプチドの用量別反復投与による体内持続性がヘモグロビンの変化に及ぼす影響を確認するために、前記腹膜透析パートAにより潜在的に選ばれた各用量(5、8μg/kg)を1週または2週間隔で13回(1日目、8日目、15日目、22日目、29日目、36日目、43日目、50日目、57日目、64日目、71日目、78日目、85日目)または7回(1日目、15日目、29日目、43日目、57日目、71日目、85日目)静脈(IV)経路で投与し、投与前に比べ12週後のヘモグロビンの変化を13週または14週目に調査して体内ヘモグロビン値の変化によりEPO−hyFc融合ポリペプチドの体内持続性及び効力を評価した。
【0076】
血液透析腎不全患者を対象にしたパートBの場合、計16回(1週間の投与間隔対象者)または10回の訪問(2週間の投与間隔対象者)で構成されており、投薬のための訪問は、訪問2及び訪問14の間に、毎週または隔週で実施した。訪問1から訪問15までに血色素の増加効果を評価するための採血を行い、各訪問時、血液の損失や輸血施行するかどうかの評価を並行した。
【0077】
実施例2.EPO−hyFc反復投与による慢性腎不全貧血患者のヘモグロビン変化
前記実施例1のようにEPO−hyFc融合ポリペプチドを、それぞれの用法に合わせて反復投与した後、自動血球分析装置により採血された患者の血液からヘモグロビンを計数し、これにより、融合ポリペプチドの投与によるヘモグロビン値の変化を確認した。その結果、下記表1及び表2のようなヘモグロビン値の変化を観察した。
【0078】
【表1】
【0079】
臨床診療ガイドラインに従う時、投与4週後の血中ヘモグロビン値の推奨変化量が1g/dl〜2g/dlであり、市販の薬品に対する実際の臨床報告に従う時の変化量が0.7g/dl〜2.5g/dlであることを結果の解釈の参考にした。
【0080】
特に、矯正療法の場合には投与後12週を基準に、正常値範囲である10〜12g/dlの範囲に到達することを目指しており、これに基づいてデータを解析した。
【0081】
3μg/kgのEPO−hyFc融合ポリペプチドを2週間隔で3回投与した群の場合、6週後にヘモグロビンの変化を最終分析した結果値で平均0.74g/dlヘモグロビン値が増加して9.50g/dlになり、正常値よりも低い値で確認された。しかし、同じ期間中に5μg/kgを2週間隔で投与した群では、平均1.14g/dl、8μg/kgを2週間隔で投与した群では、平均1.23g/dl増加したことを確認した。これにより、慢性腎不全貧血患者にEPO−hyFc融合ポリペプチドを投与した時、濃度依存的にヘモグロビンの濃度が増加することを確認し、特に5μg/kg及び8μg/kgのEPO−hyFc融合ポリペプチドを投与した場合には、ヘモグロビン値が正常範囲まで回復されることが確認できた。
【0082】
前記結果は、2週間隔で投与した場合、5μg/kg及び8μg/kgの濃度で急激なヘモグロビンの変化(change)なしに貧血を治療しうることを意味する。既存のEPO製剤を投与されていた患者で8週間の休薬期(Wash-out)後、ヘモグロビン値が9g/dl未満まで減少したが、EPO−hyFc融合ポリペプチドを5μg/kg及び8μg/kg濃度で2週間隔で3回投与後のヘモグロビン値が休薬期以前の水準に回復されることを確認した(
図4a)。前記の結果により、当業者は、各用量に応じた変動幅を参考にして、患者のヘモグロビン値と状況に応じて適切な変化速度を有する用量及び用法を選ぶことができる。
【0083】
【表2】
【0084】
次に、3μg/kgの濃度を4週間隔で2回投与した後のヘモグロビンの変化を最終的に分析した結果、平均0.68g/dlヘモグロビン値の減少が観察され、5μg/kgの濃度を4週間隔で投与した群では平均0.01g/dlヘモグロビン値の減少が観察されており、8μg/kgの濃度を4週間隔で投与した群では、平均0.79g/dl増加したことを確認した。特に、5μg/kg濃度の場合、ヘモグロビン値が9.23g/dlで、投与前と同様に維持され、8μg/kg濃度の場合、ヘモグロビン値が10.17g/dlに増加したことを確認した。
【0085】
前記患者は、8週間の休薬期(Wash-out)を経て、ヘモグロビン値が着実に減少したが、EPO−hyFc融合ポリペプチドを4週間隔で2回投与した場合には、用量に応じて減少パターンが維持パターン(5μg/kg)または上昇パターン(8μg/kg)に変わることを確認した(
図4b)。つまり、休薬期の間に現れた急激なヘモグロビン値の低下速度が緩和され、傾きが緩やかになったり反転されるパターンに変化した。
【0086】
これにより、慢性腎不全貧血患者に4週間で2回投与した場合(4週間隔、2回投与)にもEPO−hyFc融合ポリペプチド投与により濃度依存的にヘモグロビン値に影響を及ぼすことが分かった。また、すべての投与濃度でヘモグロビン値の増加が急激でなく、緩やかな上昇または維持されることを確認した。
【0087】
これらの結果は、EPO−hyFc融合ポリペプチドの投与用量及び周期を調節することにより、目標ヘモグロビン値(例えば、11g/dl)未満の貧血患者でヘモグロビン値の矯正用法として使用したり、目標ヘモグロビン値に到達した貧血患者にヘモグロビン値の維持用法で利用できることを意味する。つまり、4週間隔の投与法の場合、用量選択によって矯正治療法(correction)または維持治療法(maintenance)のいずれも可能であることを意味する。
【0088】
実施例3.EPO−hyFc反復投与による体内安全性確認
前記実施例1のようにEPO−hyFc融合ポリペプチドを各用法に合わせて反復投与した後、患者が訴える臨床的徴候及び症状などを介してEPO−hyFcの反復投与の安全性を確認した。その結果、下記表3に示したように異常反応の発生頻度を確認した。
【0089】
【表3-1】
【0090】
【表3-2】
【0091】
【表3-3】
【0092】
【表3-4】
【0093】
すべての異常反応を医薬品副作用に関する分類体系であるMedDRAのPT(Preferred Term)ごとに評価した時、最も高い頻度で現れる異常反応は腹膜炎(6人、10.00%)、咳(4人、6.67%)、貧血(4人、6.67%)、鼻咽頭炎(4人、6.67%)、頭痛(4人、6.67%)の順であった。
【0094】
その他EPO−hyFc投与と相関関係があると判断された異常薬物反応(ADR)は一件も観察されなかった。また、投与量や投与間隔と相関関係があると推定される実験室検査項目だけでなく、理学的検査やバイタルサインには、臨床的に有意であると判断される所見は観察されなかった。
【0095】
慢性腎不全の患者は、一般的に健康状態が良好でない患者群であるという点と、EPO-hyFc投与との相関関係が疑われる異常薬物反応(Adverse drug reation)が報告されなかったという点を考慮すると、EPO−hyFc投与時の安全性上、特に留意すべき事項は認められなかった。また、異常反応や重大な異常反応の頻度と重症度、実験室的検査所見、理学的検査所見、バイタルサインを観察したとき、投与されたEPO−hyFcの用量や投与間隔は、安全性上に影響を及ぼさないと判断された。
【0096】
これらの結果を総合して見ると、EPO-hyFcは従来の持続型EPO製品Nespより半減期が長く、異常反応が現れず安全を確認した。つまり、5μg/kg〜8μg/kgのEPO−hyFc融合ポリペプチドを2週〜4週間隔で貧血患者に投与する場合には、従来の持続型EPO製品に比べて、より安全でありながら、持続可能な治療剤として有用に使用できることが分かった。
【0097】
以上の説明から、本出願が属する技術分野の当業者は、本出願がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形で実施されることが理解できるだろう。これに関連し、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。本出願の範囲は、上記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本出願の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。