【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の前記課題は、本発明により、独立請求項1に係る方法によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。
【0023】
従来技術に関しては、本発明の課題が本発明に係る方法によって解決できたことは驚くべきことであり、当業者には予測できないことであった。特に、加熱機能を備えた車両用プラスチックウィンドウ上にバスバーを析出する本発明に係る方法がもはや従来技術の欠点を有さなかったことは驚くべきことであった。そのため、この方法は、簡単でかつ完全に自動化されて実施することができ、手作業が不要でかつサイクルタイムも短くて済む。また溶剤蒸気またはその他の有害物質は放出されず、本発明に係る方法は問題なく製造工程に統合することができた。
【0024】
本発明に係る方法を用いて製造された車両用プラスチックウィンドウは、優れた適用技術特性と、非常に長い耐用年数とを有している。
【0025】
本発明に係る方法を用いて製造された車両用プラスチックウィンドウは、好ましくはこの順序で相前後する構成を含む。すなわち、
1成分または2成分の半透明ポリマーウィンドウ基体と、
単層または2層のハードコートと、
少なくとも1つの特に第1のおよび少なくとも1つの特に第2のバスバーまたは逆の電荷を有するバスバーであって、実質的にまたは厳密に相互に平行にかつ相互に(所定の)間隔をおいて、特にウィンドウ基体の相互に対向する2つの縁部の近傍にて当該2つの縁部に沿って配置されているバスバーと、
を含み、この場合、これらのバスバーは、
電熱線としての少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、特に少なくとも5つの導体線路を介して相互に電気的に接続され、それにより、電圧の印加の際に、加熱電流が、少なくとも1つの第1のバスバーから少なくとも1つの第2のバスバーに流れ、
バスバー上でおよび/または各バスバー内で、少なくとも1つの第1のバスバーおよび少なくとも1つの第2のバスバーを電圧源のそれぞれ1つの極と電気的に接続する少なくとも1つの接続要素、特に1つの接続要素を含んでいる。
【0026】
少なくとも1つの第1のバスバーおよび少なくとも1つの第2のバスバーは、逆の電荷を有すべきである。すなわち逆極性の電気端子と接続されることが想定されている。
【0027】
本発明に従って製造される車両用プラスチックウィンドウの好ましい実施形態は、少なくとも1つのハードコート、少なくとも2つの電熱線、少なくとも1つの第1のバスバーおよび少なくとも1つの第2のバスバーを含む装置が、組み込まれた状態でウィンドウ基体の内側に形成されている。特に好ましい実施形態では、各電熱線が第1および第2のバスバーと電気的に接続され、残りの導体線路に依存することなく電圧を供給され、それによって、1つの電熱線の損傷が、車両用プラスチックウィンドウ全体の加熱故障につながらないようにしている。
【0028】
本発明の枠内で「内側」とは、車両用プラスチックウィンドウの、特に車両の内部空間に面している側、および/または、特に車両の光源に面している側を意味する。対照的に本発明の枠内で「外側」とは、車両用プラスチックウィンドウの周辺環境に面している側を意味する。
【0029】
本発明に従って製造される車両用プラスチックウィンドウのさらに好ましい実施形態では、半透明ポリマーウィンドウ基体は、バスバーが少なくとも車両用プラスチックウィンドウの外側の方向で覆われるような不透明コーティングを備えている。
【0030】
さらに別の好ましい実施形態では、電熱線は、該当する表面内に埋め込まれるように一部は不透明コーティング上に被着され、一部は透明ポリマーウィンドウ基体上に被着されている。
【0031】
さらに別の好ましい実施形態では、単層および/または2層のハードコートが、車両用プラスチックウィンドウの外側および/またはその内側に、不透明コーティングおよび透明ポリマーウィンドウ基体の直接表面上に、バスバーの下方および/またはその内側に、透明ポリマーウィンドウ基体の表面に、および、バスバーの表面に塗布される。
【0032】
その場合、2層のハードコートは、さらに、ハードコートによって覆われたベースコートを有する。
【0033】
上述の車両用プラスチックウィンドウは、本発明に係る方法を用いて製造される。
【0034】
本発明に係る方法の第1の方法ステップでは、透明ポリマー基体が提供される。これは、自動車用プラスチックウィンドウのそれぞれの用途に適した形態、典型的には湾曲した形態を有している。それゆえ透明ポリマー基体を車両用プラスチックウィンドウの他のコンポーネントと接続される前に再成形する必要はない。しかしながら、本発明に係る方法の枠内では、ウィンドウ基体の曲率の変化を伴わない処理工程、例えば縁部領域における穿孔、切削加工、トリミングは可能である。
【0035】
透明ポリマーウィンドウ基体は、本発明によれば電熱線が被着される前に提供される。それゆえ、電熱線は、ウィンドウ基体の変形中に負荷されない。特別な利点は、電熱線および/またはその電気的接触接続部の損傷の回避にある。さらに第1および第2のバスバーによって、個々の各電熱線の安定した電気的接触接続が提供される。
【0036】
透明ポリマーウィンドウ基体は、当業者に公知の全ての適切なプラスチック加工法、例えば熱成形によって製造することができる。本発明に係る方法の好ましい実施形態では、透明ポリマーウィンドウ基体は、射出成形によって、または、回転テーブル技術による2成分射出圧縮成形法によって製造される。これらの方法は、より多くの適切な形態の生成を可能にする。さらに透明ポリマーウィンドウ基体は、後からのワークピースのトリミングが不要なので、ほぼ無駄なく製造することができる。同様に、複雑な表面構造を直接生成することができる。
【0037】
透明ポリマーウィンドウ基体は、好ましくは少なくともポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリニトリル、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン(PU)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリアミド(PA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、スチレンアクリロニトリル共重合体(SAN)、アクリルエステルスチレンアクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリルブタジエンスチレンポリカーボネート混合物(ABS/PC)、および/または、それらの共重合体、共縮合体および/またはそれらの混合物を含む。
【0038】
特に好ましくは、透明ポリマーウィンドウ基体は、ポリカーボネート(PC)および/またはポリメチルメタクリレート(PMMA)を含むかまたはこれらの重合体からなる。これらは、透明性、加工性、強度、耐候性および耐薬品性に関して特に有利であることが判明している。
【0039】
半透明ポリマーウィンドウ基体は、好ましくは、2mm〜6mmの厚さを有する。これは特に、ポリマーウィンドウ基体の強度と加工の点で有利である。半透明ポリマーウィンドウ基体のサイズは、広範囲に可変であり、本発明に係る用途に合わせることが可能である。
【0040】
半透明ポリマーウィンドウ基体は、本発明によれば少なくとも領域毎に透明である。ポリマーウィンドウ基体は、無色、着色もしくは有色であってもよい。ポリマーウィンドウ基体は、透明かもしくは濁っていてもよいが、特に透明であり得る。
【0041】
電熱線は、好ましくは、第1および第2のバスバーの間で直線状に延びているが、しかしながら、この電熱線は、例えば第1および第2のバスバーの間で波状、蛇行状、または、ジグザグパターンの形態で延びていてもよい。隣接する2つの電熱線の間の間隔は、好ましくは、導体線路の全長にわたって一定であるが、しかしながら、隣接する2つの電熱線の間の間隔は、第1および第2のバスバーの間の経過において変化していてもよい。
【0042】
電熱線は、任意の方向に延在可能であるが、好ましくは水平方向または垂直方向に延在可能である。
【0043】
電熱線は、好ましくは超音波埋め込み法を用いて、半透明ポリマーウィンドウ基体上に被着され、存在する場合には不透明コーティング上に被着される。その際、ソノトロードは、好ましくは多軸ロボットを用いて、半透明ポリマーウィンドウ基体の三次元幾何学形状に適合するロボットプログラムを介して、半透明ポリマーウィンドウ基体の内側に誘導される。ソノトロードは、超音波発生器によって生成された高周波な機械的振動(超音波)を、半透明ポリマーウィンドウ基体上に伝達し、存在する場合には不透明コーティング上に伝達する。その際には、熱が発生し、半透明ポリマーウィンドウ基体の内部の表面層が溶融する。電熱線は、溶融された表面層内に導入される。この目的のために、ソノトロードは、その先端に電熱線を誘導する。その際、電熱線は、ソノトロード近傍のワイヤロールを介して連続的に補給される。ソノトロードとして適した工具は、例えば米国特許第6,023,837号明細書(US6,023,837A)から公知である。
【0044】
半透明ポリマーウィンドウ基体内ならびに場合によっては不透明コーティング内への電熱線の浸透深さは、好ましくは電熱線の厚さの50%〜90%、特に好ましくは60%〜75%である。超音波埋め込み法を用いた電熱線の複雑でない被着は、電熱線と半透明ポリマーウィンドウ基体との間ならびに場合によっては不透明コーティングとの間の安定した接続に関して特に有利である。
【0045】
隣接する2つの電熱線の間の間隔は、好ましくは1mm〜25mm、特に好ましくは3mm〜15mmである。これは、車両用プラスチックウィンドウの透明性と、電熱線を介して導入される加熱出力の分散に関して特に有利である。電熱線の長さは広範囲に可変であり、そのため個別のケースにおける要求に容易に適合化することができる。電熱線は、例えば5cm〜50cmの長さを有する。
【0046】
電熱線は、少なくとも1つの金属、好ましくはタングステン、銅、ニッケル、マンガン、アルミニウム、銀、クロムおよび/または鉄を含み、さらにこれらの混合物および/または合金を含む。電熱線は、特に好ましくはタングステンおよび/または銅を含む。これにより、特に良好な加熱効果が達成される。電熱線の太さは、好ましくは15μm〜200μm、特に好ましくは25μm〜90μmである。これは、車両用プラスチックウィンドウの透明性と導入される加熱出力ならびに短絡回避に関して特に有利である。
【0047】
タングステンを含み、かつ好ましくは15μm〜100μm、特に好ましくは25μm〜50μmの厚さを有する電熱線により、特に良好な結果が達成されることが示された。この特に良好な結果は、銅を含み、かつ、好ましくは25μm〜200μm、特に好ましくは60μm〜90μmの厚さを有する電熱線によっても同様に達成される。
【0048】
隣接する電熱線は、第1のバスバーの、第2のバスバーとは反対側で、または、第2のバスバーの、第1のバスバーとは反対側で、相互に接続されていてもよい。それによって、電熱線は、単一の電熱線の形態で半透明ポリマーウィンドウ基体上に、ならびに、場合によっては不透明コーティング上に被着させることができる。その場合、電熱線は、被着後は、導体線路として設けられループ状に相互接続された2つ以上の区間を含む。電熱線の導体線路として設けられた各区間は、一方の端部領域では第1のバスバーに接続され、他方の端部領域では第2のバスバーに接続される。これらのバスバーの領域およびこれらのバスバーの間の電熱線の各区間は、1つの導体線路を形成する。
【0049】
代替的に、隣接する電熱線は、第1のバスバーの、第2のバスバーとは反対側で、および、第2のバスバーの、第1のバスバーとは反対側で、相互に接続されていなくてもよい。それによって、これらの導体線路は、複数の電熱線の形態で、半透明ポリマーウィンドウ基体上に、ならびに、場合によっては不透明コーティング上に被着され、各電熱線は、一方の端部領域では第1のバスバーに接続され、他方の端部領域では第2のバスバーに接続される。各電熱線は、これらのバスバーの領域およびこれらのバスバーの間の導体線路を含む。
【0050】
各電熱線の少なくとも1つの区間は、半透明ポリマーウィンドウ基体内に、場合によっては不透明コーティング内に埋め込まれている。これらの電熱線は、それらの全長に沿って半透明ポリマーウィンドウ基体内に埋め込まれてもよい。これは、半透明ポリマーウィンドウ基体と電熱線との間の安定した接続に関して特に有利である。第1および第2のバスバーとの電気的接触接続は、電熱線の、半透明ポリマーウィンドウ基体とは反対側で、ならびに、場合によっては不透明コーティングとは反対側で行われる。
【0051】
本発明の有利な構成では、バスバーとの電気的接触接続のために設けられた領域は、電熱線の端部において、半透明ポリマーウィンドウ基体内に、ならびに、場合によっては不透明コーティング内に埋め込まれず、そこから剥離することができる。特別な利点は、バスバーとの簡単でかつ安定した電気的接触接続の可能性にある。特別な利点は、電熱線の効果的でかつ非常に安定した電気的接触接続にある。車両用プラスチックウィンドウの加熱のために、導入された状態で下方もしくは左方の第1のバスバーと、導入された状態で上方もしくは右方の第2のバスバーとに電位が印加される。
【0052】
本発明によれば、第1および第2のバスバーは、FPC法によって被着される。この目的のために、金属粉末が大気圧プラズマ内に導入され、プラズマジェット内で溶融され、さらに、電熱線ならびにウィンドウ基体、および/または、場合によっては不透明コーティング、および/または、場合によってはハードコートを含んだコーティングすべき基板上に誘導され、その結果、当該の基板上に金属層が析出される。
【0053】
好ましくはこの金属粉末は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛およびアルミニウムの粉末、これらの混合物、および、これらの金属のうちの少なくとも2つの合金からなるグループから選択される。好ましくは、タングステン、銅、ニッケル、マンガン、アルミニウム、銀、クロムおよび/または鉄、ならびに、それらの混合物および/または合金が使用される。特に好ましくは、銅またはアルミニウムが使用される。
【0054】
ファインパウダーコーティング(FPC)法または大気圧プラズマコーティングは、通常の公知の方法であり、通常の公知の装置のために使用される。好適な方法および装置の例は、独国特許出願公開第102009048297号明細書(DE102009048297A1、
図1〜
図3と共に段落[0017]〜[0070]参照)、独国特許出願公開第102008058783号明細書(DE102008058783A1、
図1〜
図2cと共に段落[0001]〜[0044]参照)、および、独国特許出願公開第102008029681号明細書(DE102008029681A1、
図1〜
図4と共に段落[0010]〜[0045]参照)から明らかとなる。
【0055】
バスバーは、好ましくは10μm〜200μm、特に好ましくは50μm〜100μmの厚さを有する。バスバーがそれに沿って電熱線と接続されるバスバーの幅は、好ましくは2mm〜100mm、特に好ましくは5mm〜20mmである。バスバーの長さは、広範囲に可変であり、そのために、個別のケースの要求に極めて良好に適合化することができる。バスバーの最小長さは、電熱線の数と、隣接する電熱線からの間隔とからもたらされる。バスバーの長さは、例えば5cm〜20cmである。バスバーは、外部の電圧供給源に接続され、そのために、第1および第2のバスバーの間の電位差を印加することができる。
【0056】
審美的な理由から、バスバーを用いた電熱線の電気的接触接続部が外部から不可視であることが望ましい場合もある。この目的のために、例えば半透明ポリマーウィンドウ基体を、バスバーの領域において着色するかまたは黒くすることができる。半透明ポリマーウィンドウ基体は、例えば多成分射出成形によって製造することができ、この場合、半透明ポリマーウィンドウ基体は、その上にバスバーが配置されるべき領域に、不透明コーティングを含んでいる。この不透明コーティングは、半透明ポリマーウィンドウ基体を貫通する電気的接触接続部への視界を隠す。
【0057】
半透明ポリマーウィンドウ基体の不透明コーティングは、好ましくは少なくともポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、アクリルエステルスチレンアクリロニトリル(ASA)、アクリロニトリルブタジエンスチレンポリカーボネート(ABS/PC)および/またはそれらの共重合体および共縮合体または混合物、特に好ましくはポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)および/またはポリメチルメタクリレート(PMMA)を含む。
【0058】
半透明ポリマーウィンドウ基体の不透明コーティングは、好ましくは、少なくとも1つの着色剤を含む。この着色剤によって、コーティングの不透明性が達成される。この着色剤は、無機および/または有機染料および/または顔料を含み得る。この着色剤は、有彩色または無彩色であってもよい。好適な着色剤は、当業者には公知であり、例えば、英国染料染色学会および米国繊維化学染色協会のカラーインデックスにおいて調べることができる。好ましくは黒色顔料、例えば顔料煤(カーボンブラック)、アニリンブラック、骨炭、酸化鉄ブラック、スピネルブラック、および/または、グラファイトが着色剤として使用される。これにより、黒色の不透明コーティングが達成される。
【0059】
不透明コーティングは、さらに、無機または有機充填剤、特に好ましくはS
iO
2、Al
2O
3、T
iO
2、粘土鉱物、ケイ酸塩、ゼオライト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラス球、有機繊維、および/または、これらの混合物を含み得る。充填剤は、不透明コーティングの安定性をさらに高めることができる。さらに充填剤は、ポリマー材料の割合を低減させることができ、そのため、車両用プラスチックウィンドウの製造コストを低減することができる。
【0060】
代替的に、バスバーと半透明ポリマーウィンドウ基体との間に、着色または黒色要素が配置可能である。代替的に、マスキングスクリーン印刷を、半透明ポリマーウィンドウ基体の表面に被着させることも可能である。
【0061】
さらに本発明に係る方法では、本発明に従って製造される車両用プラスチックウィンドウを、周辺環境の影響から保護するために、単層または2層のハードコートが保護コーティングとして半透明ポリマーウィンドウ基体の外側に被着される。好ましくは、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートおよび/またはポリウレタンをベースとする熱硬化またはUV硬化コーティングシステムが使用される。ハードコートは、好ましくは1μm〜50μm、特に好ましくは2μm〜25μmの層厚さを有する。特別な利点は、保護コーティングによる半透明ポリマーウィンドウ基体の高められた耐傷性および耐候性にある。
【0062】
本発明の枠内では、「2層のハードコート」とは、少なくとも1つの、特に1つのハードコートと、少なくとも1つの、特に1つの、ハードコートによって覆われた以下で詳細に説明するベースコートとの組み合わせを意味する。
【0063】
さらに、単層または2層のハードコートは、本発明に従って製造される車両用プラスチックウィンドウの内側に塗布することもできる。この場合は、半透明ポリマーウィンドウ基体および不透明コーティングの表面に直接被着することができ、それによって電熱線もハードコート内に埋め込まれ、バスバーはハードコートを覆う。
【0064】
付加的な単層または2層のハードコートは、バスバーを覆うように塗布することもできる。
【0065】
ハードコートは、着色性の化合物および顔料の他に、UVブロッカー、防腐剤、耐傷性を高める成分、例えばナノ粒子を含むことができる。
【0066】
ハードコートは、例えば浸漬、浸水または噴霧法によって、半透明ポリマーウィンドウ基体の外側および/または内側に被着させることができる。ハードコートは、被着後に好ましくは温度および/またはUV光の入射によって硬化する。射出成形によるポリマーウィンドウ基体の製造の場合、ハードコートはインモールドコーティング法によってもポリマーウィンドウ基体の外側に被着させることができる。
【0067】
保護コーティングまたはハードコートとして適した製品には、例えば“Momentive Performance Materials”社から提供されるAS4000,AS4700,PHC587またはUVHC3000が挙げられる。
【0068】
ハードコートは、複数の層も、好ましくはベースコートも含むことができる。このベースコートは、半透明ポリマーウィンドウ基体上の接着促進層またはプライマーとしても機能する。ベースコートは、例えばアクリレートを含むことができ、0.4μm〜5μmの層厚さを有することができる。ハードコートは、例えばポリシロキサンを含むことができ、典型的には3μm〜15μmの層厚さを有する。その他にもハードコートは付加的に、プラズマCVD層、例えば“Exatec900(登録商標)”によって覆われていてもよい。
【0069】
保護コーティング、すなわち、ハードコートならびに場合によってはベースコートは、電熱線およびバスバーの取り付けの前または後に被着させることができる。保護コーティングは、電熱線をバスバーに接続する前または後に被着させることができる。
【0070】
好ましい実施形態では、バスバーがFPC法によって被着される表面は、金属層のより良好な付着を保証するために、被着前にさらに活性化させてもよい。この目的のために、化学的活性化剤またはシラン系接着促進剤を使用することができ、あるいは表面をプラズマ活性化を用いて活性化させることができる。このプラズマ活性化は、析出過程の直前であってもよいし、大気圧プラズマコーティングのための装置のロボットアームにおける付加的なプラズマノズルによって実現されていてもよい。
【0071】
加熱可能な車両用プラスチックウィンドウは、好ましくは陸上、空中および/または水上での移動手段用のウィンドウとしての、特に乗用車、貨物自動車、バス、路面電車、地下鉄、列車、バイク、船舶および航空機用のウィンドウとしての、ならびに、装飾要素および/または建築要素としての使用が可能である。
【0072】
その他にも、加熱可能な車両用プラスチックウィンドウは、有利には、陸上、空中または水上での交通用の移動手段の照明器具用のカバーとしての、特に、乗用車、貨物自動車、バス、路面電車、地下鉄、列車、バイク、船舶および航空機のヘッドライト、リアマーカー、サイドマーカーおよび/またはクリアランスライト用のカバーとしての使用が可能である。
【0073】
以下では、本発明を図面および例示的な実施形態に基づいて、より詳細に説明する。これらの図面は概略図であり、正しい縮尺ではない。図面は、決して本発明を限定するものではない。