特許第6559258号(P6559258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559258組合せ計量装置用の制御装置、組合せ計量装置及び組合せ計量装置システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559258
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】組合せ計量装置用の制御装置、組合せ計量装置及び組合せ計量装置システム
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   G01G19/387 Z
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-561110(P2017-561110)
(86)(22)【出願日】2017年1月10日
(86)【国際出願番号】JP2017000486
(87)【国際公開番号】WO2017122636
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2018年6月28日
(31)【優先権主張番号】特願2016-5316(P2016-5316)
(32)【優先日】2016年1月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】影山 寿晴
(72)【発明者】
【氏名】池田 真也
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−257159(JP,A)
【文献】 特開平06−174539(JP,A)
【文献】 特開2004−191234(JP,A)
【文献】 特開平05−288596(JP,A)
【文献】 特開2002−350367(JP,A)
【文献】 特開2010−164545(JP,A)
【文献】 特開2012−173197(JP,A)
【文献】 特開2001−243074(JP,A)
【文献】 米国特許第04811256(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の組合せ計量装置から当該組合せ計量装置のそれぞれに設定される組合せ計量に関するパラメータを取得可能な取得部と、
前記取得部を通じて前記パラメータを取得可能な前記組合せ計量装置から前記パラメータを収集し、前記取得部を通じて取得可能な前記組合せ計量装置のうち一部の組合せ計量装置に設定する設定パラメータを、前記一部の組み合わせ計量装置から収集したパラメータ及び前記一部の組み合わせ計量装置とは異なる組み合わせ計量装置から収集した前記パラメータに基づいて生成し、前記取得部を通じて取得可能な前記組合せ計量装置のうち一部に前記設定パラメータを送信する制御部と、を備える、組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項2】
前記取得部は、複数の組合せ計量装置と通信可能な通信部であり、
前記制御部は、前記通信部を通じて通信可能な前記組合せ計量装置から、前記組合せ計量装置に設定される組合せ計量に関するパラメータを収集し、収集した前記パラメータに基づき、前記通信部を通じて通信可能な前記組合せ計量装置のうち一部の組合せ計量装置に設定する設定パラメータを生成し、前記通信部を通じて通信可能な前記組合せ計量装置のうち一部に前記設定パラメータを送信する、請求項1記載の組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項3】
複数の組合せ計量装置から当該組合せ計量装置のそれぞれに設定される組合せ計量に関するパラメータを取得可能な取得部と、
前記取得部を通じて前記パラメータを取得可能な前記組合せ計量装置のうち特定の組合せ計量装置及び前記特定の組合せ計量装置とは異なる他の組合せ計量装置のそれぞれに対する組合せ計量に関するパラメータを受け付ける受付部と、
前記取得部を通じて取得可能な前記組合せ計量装置に設定する設定パラメータを、前記受付部を介して受け付けた前記特定の組合せ計量装置及び前記特定の組合せ計量装置とは異なる他の組合せ計量装置のそれぞれにおける組合せ計量に関するパラメータに基づいて生成し、前記特定の組合せ計量装置とは異なる他の組合せ計量装置に前記設定パラメータを送信する制御部と、を備える、組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、複数の組合せ計量装置と通信する通信部であり、
前記受付部は、前記通信部を通じて通信可能な前記組合せ計量装置のうち特定の組合せ計量装置に対する組合せ計量に関するパラメータを受け付け、
前記制御部は、前記受付部を介して受け付けた前記パラメータに基づき、前記特定の組合せ計量装置とは異なる他の組合せ計量装置に対し、前記通信部を通じて通信可能な前記組合せ計量装置に設定する設定パラメータを決定し、前記他の組合せ計量装置に前記設定パラメータを送信する、請求項3記載の組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記取得部を通じて前記パラメータを取得可能な前記組合せ計量装置から、前記組合せ計量が実行された回数に占める前記組合せ計量が成立した回数の割合である稼働率を示す稼働率情報を取得し、前記稼働率を判断基準として、所定の稼働率で動作する組合せ計量装置における前記パラメータを前記設定パラメータの候補とするか否かを判断する、請求項1〜4の何れか一項記載の組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記稼働率が第1の値である組合せ計量装置から取得したパラメータよりも、前記稼働率が前記第1の値よりも高い第2の値である組合せ計量装置から取得したパラメータを前記設定パラメータの候補とする、請求項5記載の組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記稼働率が所定閾値である第3の値よりも大きい組合せ計量装置から取得したパラメータを前記設定パラメータの候補とする、請求項6記載の組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記特定の組合せ計量装置から、前記組合せ計量が実行された回数に占める前記組合せ計量が成立した割合である稼働率を示す稼働率情報を取得し、取得した前記稼働率に基づいて、前記パラメータを前記設定パラメータの候補とするか否かを判断する、請求項3又は4記載の組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記特定の組合せ計量装置から取得した前記稼働率が所定の値よりも大きい場合、前記パラメータを前記設定パラメータの候補とする、請求項8記載の組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項10】
前記組合せ計量装置は、自装置において過去に設定された複数の前記パラメータに基づき生成される前記パラメータの変化傾向を利用して、自装置に設定する前記パラメータを決定し、
前記制御部は、前記取得部を通じて前記パラメータを取得可能な前記組合せ計量装置から、前記パラメータの変化傾向を生成する際に利用した前記パラメータの数に関する数情報を取得し、取得した前記数情報を基準として、当該数情報に対応する組合せ計量装置における前記パラメータを前記設定パラメータの候補とするか否かを判断する、請求項1〜4の何れか一項記載の組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記取得部を通じて前記パラメータを取得可能な前記組合せ計量装置から、前記組合せ計量装置が有するホッパに設定される目標供給量Wと、前記ホッパに実際に投入された物品の供給量W1とに基づく供給情報を取得し、取得した前記供給情報に基づいて、前記目標供給量Wと前記供給量W1との乖離が所定閾値以内と判断した場合、前記判断の対象とした供給情報の取得元である組合せ計量装置のパラメータを前記設定パラメータの候補とする、請求項1〜4の何れか一項記載の組合せ計量装置用の制御装置。
【請求項12】
物品を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された前記物品を一時的に貯留する複数のホッパと、
前記ホッパに貯留された前記物品の質量に応じた計量値を計量する計量部と、
前記計量部によって計量され且つ複数の前記ホッパに対応付けられた複数の前記計量値から、合計値が目標計量値となるように前記計量値の組合せを選択し、当該組合せに対応する前記ホッパに前記物品を排出させる計量制御部と、
請求項1〜11の何れか一項記載の組合せ計量装置用の制御装置と、を備える、組合せ計量装置。
【請求項13】
複数の組合せ計量装置と、
請求項1〜11の何れか一項記載の組合せ計量装置用の制御装置と、を備え、
前記組合せ計量装置は、
物品を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送された前記物品を一時的に貯留する複数のホッパと、
前記ホッパに貯留された前記物品の質量に応じた計量値を計量する計量部と、
前記計量部によって計量され且つ複数の前記ホッパに対応付けられた複数の前記計量値から、合計値が目標計量値となるように前記計量値の組合せを選択し、当該組合せに対応する前記ホッパに前記物品を排出させる計量制御部と、を有する、組合せ計量装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一形態は、組合せ計量装置用の制御装置、組合せ計量装置及び組合せ計量装置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
菓子や果物など個々の重量にばらつきがある物品を、許容範囲内の合計重量となるように計り分ける組合せ計量装置が知られている。この組合せ計量装置は、振動によって物品を搬送する放射フィーダと、放射フィーダから排出された物品を保持して計量する計量ホッパとを有するヘッドが複数設けられる。そして、この組合せ計量装置は、各計量ホッパで計量された質量を組合せ演算して、その結果から物品を排出する計量ホッパを選択する。
【0003】
この組合せ計量装置は、例えば、特許文献1に示されるように、放射フィーダでの振動時間、振動強度、又は計量ホッパのゲートの開閉時間など、組合せ計量に関する様々なパラメータを決定する。また、組合せ計量装置は、作業者(オペレータ)等により、各組合せ計量装置に設けられている操作部を介して各種パラメータが入力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−121512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した組合せ計量装置は、例えば、複数台設置されることも多く、工場等に互いに間隔をあけて配置されることも多い。このため、組合せ計量装置ごとに上記パラメータを設定する作業は、作業者等にとって負担が大きく利便性に欠ける。
【0006】
本開示の一形態は、複数の組合せ計量装置において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を向上できる組合せ計量装置用の制御装置、組合せ計量装置及び組合せ計量装置システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置は、複数の組合せ計量装置から当該組合せ計量装置のそれぞれに設定される組合せ計量に関するパラメータを取得可能な取得部と、取得部を通じてパラメータを取得可能な組合せ計量装置からパラメータを収集し、収集したパラメータに基づき、取得部を通じて取得可能な組合せ計量装置のうち一部の組合せ計量装置に設定する設定パラメータを生成し、取得部を通じて取得可能な組合せ計量装置のうち一部に設定パラメータを送信する制御部と、を備える。
【0008】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置は、少なくとも一の組合せ計量装置においてパラメータが設定されれば、当該パラメータを自動的に収集して設定パラメータを決定し、複数の組合せ計量装置に対し当該設定パラメータを設定させる。これにより、作業者は、個々の組合せ計量装置にパラメータを設定して回る手間を省ける。この結果、複数の組合せ計量装置において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を向上できる。
【0009】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置では、取得部は、複数の組合せ計量装置と通信可能な通信部であり、制御部は、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置から、組合せ計量装置に設定される組合せ計量に関するパラメータを収集し、収集したパラメータに基づき、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置のうち一部の組合せ計量装置に設定する設定パラメータを生成し、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置のうち一部に設定パラメータを送信してもよい。
【0010】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置では、複数の組合せ計量装置と通信可能な通信部を介してパラメータをやりとりできるので、複数の組合せ計量装置において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を更に向上できる。
【0011】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置は、複数の組合せ計量装置から当該組合せ計量装置のそれぞれに設定される組合せ計量に関するパラメータを取得可能な取得部と、取得部を通じてパラメータを取得可能な組合せ計量装置のうち特定の組合せ計量装置に対する組合せ計量に関するパラメータを受け付ける受付部と、受付部を介して受け付けたパラメータに基づき、特定の組合せ計量装置とは異なる他の組合せ計量装置に対し、取得部を通じて取得可能な組合せ計量装置に設定する設定パラメータを生成し、他の組合せ計量装置に設定パラメータを送信する制御部と、を備える。
【0012】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置は、当該制御装置における受付部を介して特定の組合せ計量装置に対するパラメータを受け付ける。そして、制御装置は、当該パラメータが設定パラメータとして決定すると、特定の組合せ計量装置とは異なる他の組合せ計量装置に対しても当該設定パラメータを設定させる。これにより、作業者は、個々の組合せ計量装置にパラメータを設定して回る手間を省ける。この結果、複数の組合せ計量装置において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を向上できる。
【0013】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置では、取得部は、複数の組合せ計量装置と通信する通信部であり、受付部は、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置のうち特定の組合せ計量装置に対する組合せ計量に関するパラメータを受け付け、制御部は、受付部を介して受け付けたパラメータに基づき、特定の組合せ計量装置とは異なる他の組合せ計量装置に対し、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置に設定する設定パラメータを決定し、他の組合せ計量装置に設定パラメータを送信してもよい。
【0014】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置では、複数の組合せ計量装置と通信可能な通信部を介してパラメータをやりとりできるので、複数の組合せ計量装置において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を更に向上できる。
【0015】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置では、制御部は、取得部を通じてパラメータを取得可能な組合せ計量装置から、組合せ計量が実行された回数に占める組合せ計量が成立した回数の割合である稼働率を示す稼働率情報を取得し、上記稼働率を判断基準として、所定の稼働率で動作する組合せ計量装置におけるパラメータを設定パラメータの候補とするか否かを判断してもよい。
【0016】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置は、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置からパラメータだけでなく稼働率も収集する。これにより、制御装置は、収集したパラメータの中から設定パラメータの候補とするか否かを、パラメータの良否の指標となる稼働率に基づいて判断できる。
【0017】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置では、制御部は、稼働率が第1の値である組合せ計量装置から取得したパラメータよりも、稼働率が第1の値よりも高い第2の値である組合せ計量装置から取得したパラメータを設定パラメータの候補としてもよい。
【0018】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置は、複数のパラメータが取得された場合、相対的に高い稼働率を実現できるパラメータを設定パラメータの候補とする。これにより、制御装置は、高い稼働率を実現できる組合せ計量装置のパラメータが設定パラメータとして設定できる。この結果、通信部を介して互いに通信可能な複数の組合せ計量装置の稼働率をより高めることができる。すなわち、通信部を介して互いに通信可能な複数の組合せ計量装置の処理能力を向上できる。
【0019】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置では、制御部は、稼働率が所定閾値である第3の値よりも大きい組合せ計量装置から取得したパラメータを設定パラメータの候補としてもよい。
【0020】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置は、一定以上の稼働率を実現できる組合せ計量装置のパラメータのみを設定パラメータとして設定する。この結果、通信部を介して互いに通信可能な複数の組合せ計量装置の稼働率を一定値以上に高められる。すなわち、通信部を介して互いに通信可能な複数の組合せ計量装置の処理能力を一定以上に維持できる。
【0021】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置では、制御部は、特定の組合せ計量装置から、組合せ計量が実行された回数に占める組合せ計量が成立した割合である稼働率を示す稼働率情報を取得し、取得した稼働率に基づいて、パラメータを設定パラメータの候補とするか否かを判断してもよい。
【0022】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置は、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置からパラメータだけでなく稼働率も収集する。これにより、制御装置は、収集したパラメータの中から設定パラメータの候補とするか否かを、パラメータの良否の指標となる稼働率に基づいて判断できる。
【0023】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置では、制御部は、特定の組合せ計量装置から取得した稼働率が所定の値よりも大きい場合、パラメータを設定パラメータの候補としてもよい。
【0024】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置は、一定以上の稼働率を実現できる組合せ計量装置のパラメータのみを設定パラメータとして設定する。この結果、通信部を介して互いに通信可能な複数の組合せ計量装置の稼働率を一定値以上に高められる。すなわち、この制御装置は、通信部を介して互いに通信可能な複数の組合せ計量装置の処理能力を一定以上に維持できる。
【0025】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置では、組合せ計量装置は、自装置において過去に設定された複数のパラメータに基づき生成されるパラメータの変化傾向を利用して、自装置に設定するパラメータを決定し、制御部は、取得部を通じてパラメータを取得可能な組合せ計量装置から、パラメータの変化傾向を生成する際に利用したパラメータの数に関する数情報を取得し、取得した数情報を基準として、当該数情報に対応する組合せ計量装置におけるパラメータを設定パラメータの候補とするか否かを判断してもよい。
【0026】
この構成の組合せ計量装置用の制御装置は、自装置において過去に設定された複数のパラメータに基づき生成されるパラメータの変化傾向を利用する制御方法、いわゆる学習制御によって何らかの制御を行う際の組合せ計量に関するパラメータを更新する場合、より多くの数に基づいて更新されたパラメータほど、目標に近い動作を得ることが知られている。言い換えれば、より深い学習によって更新されたパラメータほど、精度の高いパラメータであると言える。この構成の計量装置用の制御装置では、収集したパラメータの中から設定パラメータの候補とするか否かを、パラメータの良否に指標となる学習の深さに基づいて判断できる。
【0027】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置では、制御部は、取得部を通じてパラメータを取得可能な組合せ計量装置から、組合せ計量装置が有するホッパに設定される目標供給量Wと、ホッパに実際に投入された物品の供給量W1とに基づく供給情報を取得し、取得した供給情報に基づいて、目標供給量Wと供給量W1との乖離が所定閾値以内と判断した場合、判断の対象とした供給情報の取得元である組合せ計量装置のパラメータを設定パラメータの候補としてもよい。
【0028】
目標供給量の物品が計量部によって計量されるホッパに供給されると、稼働率が高くなることが経験的に知られている。すなわち、目標供給量Wと供給量W1との乖離の度合いが小さくするほど稼働率が高められる。この構成の組合せ計量装置用の制御装置は、収集したパラメータの中から設定パラメータの候補とするか否かを、パラメータの良否の指標となる稼働率に基づいて判断できる。
【0029】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置は、物品を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された物品を一時的に貯留する複数のホッパと、ホッパに貯留された物品の質量に応じた計量値を計量する計量部と、計量部によって計量され且つ複数のホッパに対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択し、当該組合せに対応するホッパに物品を排出させる計量制御部と、上記の組合せ計量装置用の制御装置と、を備える。
【0030】
この構成の組合せ計量装置は、通信部を介して接続される少なくとも一の組合せ計量装置においてパラメータが設定されれば、当該パラメータを自動的に収集して設定パラメータを決定し、複数の組合せ計量装置に対し当該設定パラメータを設定させる。これにより、作業者は、個々の組合せ計量装置にパラメータを設定して回る手間を省ける。この結果、複数の組合せ計量装置において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を向上できる。
【0031】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置システムは、複数の組合せ計量装置と、上記の組合せ計量装置用の制御装置と、を備え、組合せ計量装置は、物品を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された物品を一時的に貯留する複数のホッパと、ホッパに貯留された物品の質量に応じた計量値を計量する計量部と、計量部によって計量され且つ複数のホッパに対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択し、当該組合せに対応するホッパに物品を排出させる計量制御部と、を有する。
【0032】
この構成の組合せ計量装置システムは、組合せ計量装置用の制御装置に接続される少なくとも一の組合せ計量装置においてパラメータが設定されれば、当該パラメータを自動的に収集して設定パラメータを決定し、複数の組合せ計量装置に対し当該設定パラメータを設定させる。これにより、作業者は、個々の組合せ計量装置にパラメータを設定して回る手間を省ける。この結果、複数の組合せ計量装置において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を向上できる。
【発明の効果】
【0033】
本開示の一形態によれば、複数の組合せ計量装置において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、一実施形態に係る組合せ計量装置システムの構成を模式的に示す図である。
図2図2は、図1に含まれる組合せ計量装置の構成を示す図である。
図3図3は、組合せ計量装置システムの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、層厚Sと供給量W1との関係を示したグラフである。
図5図5は、他の実施形態に係る組合せ計量装置の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0036】
図1に示されるように、組合せ計量システム100は、複数の組合せ計量装置1と、管理サーバ(組合せ計量装置の制御装置)80と、を備える。管理サーバ80と複数の組合せ計量装置1とは、有線又は無線LAN(Local Area Network)70を介して互いに通信可能に接続される。ここでは、工場内の管理室等に配備される管理サーバ80によって工場内に配置された複数の組合せ計量装置1が管理される、組合せ計量システム100を例に挙げて説明する。
【0037】
図2に示されるように、組合せ計量装置1は、投入シュート2と、分散フィーダ(搬送部)3と、複数の放射フィーダ(搬送部)4と、測距センサ45(図3参照)と、複数のプールホッパ5と、複数の計量ホッパ(ホッパ)6と、複数のブースタホッパ(ホッパ)7と、集合シュート8と、タイミングホッパ9と、計量部11と、計量制御部20と、を備える。組合せ計量装置1は、搬送コンベア50によって供給される物品Aを目標計量値となるように計量して製袋包装機60に供給する。ここで、物品Aは、例えば農産物、水産物、加工食品等のように、単体質量にばらつきのある物品である。なお、製袋包装機60は、フィルムを所定容量の袋に成形しつつ、組合せ計量装置1によって計量されて供給された物品Aを袋詰めする。
【0038】
投入シュート2は、搬送コンベア50の搬送端50aの下方に配置される。投入シュート2は、搬送コンベア50の搬送端50aから落下した物品Aを受けて下方に排出する。
【0039】
分散フィーダ3は、投入シュート2の下方に配置される。分散フィーダ3は、下方に向かって末広がりの円錐状の搬送面3aを有する。分散フィーダ3は、搬送面3aを振動させることで、投入シュート2から搬送面3aの頂部に排出された物品Aを搬送面3aの外縁に向かって均一に搬送する。
【0040】
複数の放射フィーダ4は、分散フィーダ3の搬送面3aの外縁に沿って放射状に配置される。各放射フィーダ4は、搬送面3aの外縁の下方から外側に延在するトラフ4aを有する。各放射フィーダ4は、トラフ4aを振動させることで、搬送面3aの外縁から排出された物品Aをトラフ4aの先端部に向かって搬送する。
【0041】
各放射フィーダ4の上方には、各放射フィーダ4に対応して、測距センサ45がそれぞれ配置される。測距センサ45は、当該測距センサ45と放射フィーダ4上の物品との間の距離を検出する。測距センサ45は、例えば、物品Aに向かって光を照射し、物品Aで反射された光を受光することにより、測距センサ45と物品との間の距離を得る。図3に示されるように、測距センサ45は、放射フィーダ4の排出端近傍に位置する物品Aとの間の距離を検出する。測距センサ45は、検出した物品Aとの距離を示す検出信号を計量制御部20に出力する。計量制御部20では、放射フィーダ4のトラフ4aの底面から測距センサ45までの距離と、検出信号が示す距離との差に基づいて、物品Aの層厚Sに変換する。
【0042】
図2に戻り、各プールホッパ5は、各放射フィーダ4のトラフ4aの先端部の下方に配置される。各プールホッパ5は、その底部に対して、開閉可能なゲート5aを有する。各プールホッパ5は、ゲート5aを閉じることにより、対応するトラフ4aの先端部から排出された物品Aを一時的に貯留する。さらに、各プールホッパ5は、ゲート5aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0043】
各計量ホッパ6は、各プールホッパ5のゲート5aの下方に配置される。各計量ホッパ6は、その底部に対して、開閉可能なゲート6a及びゲート6bを有する。各計量ホッパ6は、ゲート6a及びゲート6bを閉じた状態で、対応するプールホッパ5から排出された物品Aを一時的に貯留し、ゲート6a又はゲート6bを開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0044】
各ブースタホッパ7は、各計量ホッパ6のゲート6aの下方に配置される。各ブースタホッパ7は、その底部に対して、開閉可能なゲート7aを有する。各ブースタホッパ7は、ゲート7aを閉じることにより、対応する計量ホッパ6のゲート6a側から排出された物品Aを一時的に貯留する。さらに、各ブースタホッパ7は、ゲート7aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0045】
集合シュート8は、下方に向かって先細りの円錐台の内面8aを有する筒状に形成される。集合シュート8は、内面8aが全ての計量ホッパ6及び全てのブースタホッパ7の下方に位置するように配置される。集合シュート8は、各計量ホッパ6のゲート6b側から排出された物品A、及び各ブースタホッパ7から排出された物品Aを内面8aで受けて下方に排出する。
【0046】
タイミングホッパ9は、集合シュート8の下方に配置される。タイミングホッパ9は、その底部に対して、開閉可能なゲート9aを有する。タイミングホッパ9は、ゲート9aを閉じた状態で、集合シュート8から排出された物品Aを一時的に貯留し、ゲート9aを開くことで、一時的に貯留した物品Aを製袋包装機60に排出する。
【0047】
なお、投入シュート2、分散フィーダ3、複数の放射フィーダ4、複数のプールホッパ5及び複数の計量ホッパ6は、ケース13に直接的に又は間接的に支持される。測距センサ45、複数のブースタホッパ7、集合シュート8及びタイミングホッパ9は、フレーム12に直接的に又は間接的に支持される。
【0048】
計量部11は、フレーム12に支持されたケース13内に配置される。計量部11は、複数のロードセル11aを有する。各ロードセル11aは、対応する計量ホッパ6を支持する。計量部11は、各計量ホッパ6に物品Aが一時的に貯留される際に、当該物品Aの質量に応じた計量値を計量する。
【0049】
計量制御部20は、ケース13内に配置される。計量制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を有する。計量制御部20は、組合せ計量装置1の各部の動作を制御する。具体的に計量制御部20は、分散フィーダ3及び放射フィーダ4の搬送動作、各プールホッパ5のゲート5aの開閉動作、各計量ホッパ6のゲート6a及びゲート6bの開閉動作、各ブースタホッパ7のゲート7aの開閉動作、並びに各タイミングホッパ9のゲート9a等を制御する。
【0050】
組合せ計量装置1には、これらの動作を制御する際のパラメータ(以後、「組合せ計量に関するパラメータ」と称する。)が設定される。具体的には、計量制御部20は、組合せ計量に関するパラメータを記憶する。記憶するこのパラメータは、例えば、初期値として記憶されるパラメータがある。また別のパラメータとしては、図示しない操作部等を介して作業者により入力設定されるパラメータがある。組合せ計量に関するパラメータの例には、分散フィーダ3における分散目標質量、送力(強度)及び時間、放射フィーダ4における送力(強度)及び時間、プールホッパ5、計量ホッパ6、及びブースタホッパ7における開閉動作及び動作タイミング、並びに計量時のフィルタ等が含まれる。
【0051】
計量制御部20は、計量部11によって計量された計量値と、当該計量値に対応する物品Aが貯留される計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7とを対応付けて記憶する。具体的には、計量制御部20は、計量部11によって計量された物品Aが計量ホッパ6に貯留される場合、計量部11によって計量された計量値と、当該計量値に対応する物品Aを貯留する計量ホッパ6とを対応付けて記憶する。計量部11によって計量された物品Aが当該計量ホッパ6に対応するブースタホッパ7に排出された場合、計量制御部20は、計量部11によって計量された物品Aの計量値と、当該計量ホッパ6に対応するブースタホッパ7とを対応付けて記憶する。
【0052】
計量制御部20は、計量部11によって計量され且つ計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7に対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択する。具体的には、計量制御部20は、計量部11によって出力された複数の計量値から、目標計量値を下限値とする所定範囲内に合計値が収まるように計量値の組合せを選択する。そして、計量制御部20は、当該組合せに対応する計量ホッパ6及び/又はブースタホッパ7に物品Aを排出させる。
【0053】
図4に示されるように、層厚Sが厚いほど、プールホッパ5(計量ホッパ6)に供給される供給量W1が多くなる傾向がある。そこで、計量制御部20は、測距センサ45により取得されるトラフ4a上の物品Aの層厚S(図3参照)の変化に応じて放射フィーダ4の送力Pを制御する。更に詳細には、計量制御部20は、物品の層厚Sと、放射フィーダ4の供給量W1と、放射フィーダ4の送力Pと、の関係である下記の式(1)に基づいて、放射フィーダ4の送力Pを制御する。
P=B×W/S+C …(1)
【0054】
送力Pは、放射フィーダ4の振動の振幅である。送力Pの値が小さい場合には、振幅は、小さくなる。そのため、放射フィーダ4から計量ホッパ6(プールホッパ5)に供給される物品Aの供給量は少なくなる。送力Pの値が大きい場合には、振幅は大きくなる。そのため、放射フィーダ4から計量ホッパ6に供給される物品Aの供給量は多くなる。図3に示されるように、層厚Sは、放射フィーダ4の排出端近傍における、放射フィーダ4のトラフ4aの底面と物品Aの上部との間の距離である。供給量W1は、放射フィーダ4からプールホッパ5を介して計量ホッパ6に供給される物品Aの量である。
【0055】
上記式(1)において、「B」及び「C」のそれぞれは、係数である。係数B及び係数Cは、組合せ計量装置1の初期状態においては、例えば、組合せ計量装置1の構成に応じて、経験的に求められた値が初期値として与えられている。係数B及び係数Cは、放射フィーダ4の形状及び/又は物品の種類に応じて変更可能な値である。なお、上記式(1)に用いられる目標供給量W、係数B及び係数Cも、上述した組合せ計量に関するパラメータに含まれる。
【0056】
計量制御部20は、学習制御によって上記係数B及び係数Cを更新する。具体的に計量制御部20は、過去から継続的に取得した層厚S、供給量W1及び送力Pに基づき、上記係数B及び係数Cを逐次算出する。ここで、係数B及び係数Cは、自装置において過去に設定された複数の上記パラメータに基づき生成される上記パラメータの変化傾向を示す。計量制御部20は、予め定められた目標供給量Wとなるように層厚Sに応じて送力Pを制御した際の、実際の供給量W1を履歴情報として記憶する。この場合、計量制御部20は、送力Pと、供給量W1を層厚Sによって除した値(供給量W1/層厚S)と、放射フィーダ4の動作時間tを関連付けて記憶する。計量制御部20は、このような履歴情報に基づいて、係数B及び係数Cを更新する。
【0057】
このように記憶させた複数の履歴情報に基づき、計量制御部20は、係数B及び係数Cを算出する。この場合、計量制御部20は、層厚S、供給量W1及び送力Pに対して上記式(1)に示す関係が成立すると仮定して係数B及び係数Cを算出する。具体的に計量制御部20は、新たな係数B及び係数Cを、例えば、放射フィーダ4の動作時間t毎に、これまでに取得した履歴情報に基づき最小二乗法等により導出する。また、新たな係数B及び係数Cを導出する際には、個々の履歴情報に重み(新たな係数B及び係数Cを決定する際の影響力の大きさ)を設定できる。例えば、現在の時刻に対して近い情報については、その重みは高くなる。この係数B及び係数Cは、現在または将来における送力Pを決定する際に利用される。
【0058】
次に、管理サーバ80について説明する。図1に示されるように、管理サーバ80は、ディスプレイ(図示せず)、通信部81、パラメータ制御部(制御部)82と、受付部83と、を主に備えている。
【0059】
通信部81は、複数の組合せ計量装置1との通信を可能にする。通信部81は、例えば、LANインタフェースである。
【0060】
パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1において設定される組合せ計量に関するパラメータを制御する機器である。このパラメータ制御部82は、CPU(Central Processing Unit)と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)と、補助記憶装置としてのハードディスク又はmSATA規格のSSD(Solid State Drive)など)等で構成される。
【0061】
パラメータ制御部82は、通信部81を通じて通信可能な複数の組合せ計量装置1(以下、通信部81を通じて通信可能な複数の組合せ計量装置1を単に「複数の組合せ計量装置1」と称する。)から、組合せ計量装置1に設定される組合せ計量に関するパラメータを収集する。パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1に対して、パラメータを送信させるように命令し、パラメータを収集してもよい。また、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1から連続的又は定期的に送信されてくるパラメータを収集するようにしてもよい。パラメータの収集のタイミングは、一定の時間ごと、組合せ計量装置1における計量動作ごと、組合せ計量装置1における一定の数の計量動作ごと等、適宜設定されることが望ましい。
【0062】
パラメータ制御部82は、収集したパラメータに基づき、複数の組合せ計量装置1に共通して設定する共通パラメータ(設定パラメータ)を自身のRAM等の記憶部に設定する。パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1に共通パラメータを送信し、送信先の組合せ計量装置1に対し当該共通パラメータを設定させる。パラメータ制御部82が、複数の組合せ計量装置1の中のどの組合せ計量装置1から取得したパラメータを共通パラメータの候補とするかは、例えば、下記に示す四つの処理の何れかを実施することにより決定できる。
【0063】
第一の処理は、組合せ計量が実行された回数に占める組合せ計量が成立した回数の割合である稼働率を示す稼働率情報に基づく処理である。すなわち、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1から、上記パラメータに加えて稼働率情報も取得する。パラメータ制御部82は、稼働率を判断基準として、所定の稼働率で動作する組合せ計量装置1におけるパラメータを共通パラメータの候補とするか否かを判断する。具体的には、パラメータ制御部82は、稼働率が第1の値である組合せ計量装置1から取得したパラメータよりも、稼働率が第1の値よりも高い第2の値である組合せ計量装置1から取得したパラメータを優先して共通パラメータの候補とする。また、例えば、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1の中から、より高い稼働率で動作する組合せ計量装置1から取得したパラメータを優先して共通パラメータの候補とする。また、例えば、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1の中から、最も稼働率が高い組合せ計量装置1から取得したパラメータを共通パラメータの候補とする。
【0064】
第二の処理は、第一の処理と同様に、稼働率情報に基づく処理である。すなわち、パラメータ制御部82は、稼働率が第3の値よりも大きい組合せ計量装置1から取得したパラメータを共通パラメータの候補とする。言い換えれば、複数の組合せ計量装置1の中から、所定閾値以上(例えば98%以上)の稼働率で動作する組合せ計量装置1から取得したパラメータを共通パラメータの候補とする。
【0065】
第三の処理は、複数の組合せ計量装置1が、自装置において過去に設定された複数のパラメータに基づき更新(生成)されるパラメータの変化傾向を利用して、現在又は将来において自装置に設定するパラメータを決定する場合に適用することが可能であり、学習の深さに基づく処理である。学習の深さとは、更新に用いられた履歴情報の数である。すなわち、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1から、上記パラメータ(係数B及び係数C)に加えて、当該パラメータの学習の深さも取得する。パラメータ制御部82は、この学習の深さを判断基準として、当該学習の深さを有するパラメータを共通のパラメータの候補とするか否かを判断する。例えば、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1の中から取得した上記パラメータ(係数B及び係数C)の中で最も深く学習されたパラメータを共通パラメータの候補とする。なお、上記学習の深さは、更新に用いられた履歴情報の数に加えて履歴情報のばらつきを含む情報でも構わない。履歴情報のばらつきとは、履歴情報に基づく値を所定の座標空間上にプロットした際における値の分散に関する情報である。履歴情報が所定の座標空間上に分散している場合、学習は深くなる傾向にある。一方、履歴情報が所定の座標空間上に密集している場合、学習は浅い傾向にある。
【0066】
第四の処理は、組合せ計量装置1が有するプールホッパ5(計量ホッパ6)に設定される目標供給量Wと、プールホッパ5(計量ホッパ6)に実際に投入された物品Aの供給量W1との乖離の度合いに基づく処理である。すなわち、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1から、上記パラメータに加えて乖離の度合い情報も取得する。パラメータ制御部82は、この乖離の度合いを判断基準として、当該乖離の度合いで動作する組合せ計量装置1におけるパラメータを共通のパラメータの候補とするか否かを判断する。例えば、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1の中から、より低い乖離の度合いで動作する組合せ計量装置1から取得したパラメータを共通パラメータの候補とする。また、例えば、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1の中から、最も乖離の度合いの低い組合せ計量装置1から取得したパラメータを共通パラメータの候補とする。
【0067】
パラメータ制御部82は、上述した第一の処理〜第四の処理の何れかの処理を実行するように実装されていてもよい。また、パラメータ制御部82は、第一の処理〜第四の処理を選択可能な受付部83を介して作業者(オペレータ)によって選択(入力)された処理を実行するようにしてもよい。
【0068】
受付部83は、パラメータ制御部82が実行するパラメータ制御の各種条件等を受け付ける。例えば、受付部83は、複数の組合せ計量装置1から収集したパラメータから共通パラメータの候補を選択する場合の処理(第一処理〜第四処理)を選択可能に受け付ける。
【0069】
以上説明したように、上記実施形態の組合せ計量システム100の管理サーバ80は、少なくとも一の組合せ計量装置1においてパラメータが設定されれば、当該パラメータを自動的に収集して共通パラメータを決定し、複数の組合せ計量装置に対し当該共通パラメータを設定させる。これにより、作業者は、個々の組合せ計量装置にパラメータを設定して回る手間を省ける。この結果、複数の組合せ計量装置において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を向上できる。
【0070】
以上、一実施形態について説明したが、本開示の一形態は、上記実施形態に限られるものではなく、開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0071】
上記実施形態の組合せ計量システム100では、管理サーバ80が、通信部81を介して接続可能な複数の組合せ計量装置1からパラメータを収集する例を挙げて説明したが、本開示の一形態はこれに限定されない。例えば、パラメータ制御部82は、複数の組合せ計量装置1からパラメータを収集する機能に代えて、又は加えて、受付部83を介して、通信部81を通じて通信可能な組合せ計量装置1のうち一又は複数の組合せ計量装置1に対する組合せ計量に関するパラメータを受け付ける機能を有していてもよい。受付部83は、一又は複数の組合せ計量装置1に対する組合せ計量に関するパラメータを受け付ける。受付部83は、キーボード及び/又はマウス等の入力装置により各種パラメータを受け付ける。
【0072】
パラメータ制御部82は、受付部83を介して受け付けたパラメータに基づき、特定の組合せ計量装置1とは異なる他の組合せ計量装置1に対し、複数の組合せ計量装置1に共通して設定する共通パラメータを決定し、他の組合せ計量装置1に設定した共通パラメータを送信し、送信先の組合せ計量装置1に対し当該共通パラメータを設定させる。
【0073】
このような他の実施形態に係る組合せ計量システム100では、管理サーバ80における受付部83を介して特定の組合せ計量装置1に対するパラメータを受け付け、当該パラメータが共通パラメータとして決定されると、特定の組合せ計量装置1とは異なる他の組合せ計量装置1に対しても当該共通パラメータを設定させる。これにより、作業者は、個々の組合せ計量装置1にパラメータを設定して回る手間を省ける。この結果、複数の組合せ計量装置1において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を向上できる。
【0074】
このような他の実施形態に係る組合せ計量システム100では、パラメータ制御部82は、特定の組合せ計量装置1から稼働率を示す稼働率情報を取得し、取得した稼働率に基づいて、パラメータを共通パラメータの候補とするか否かを判断してもよい。これにより、収集したパラメータの中から共通パラメータの候補とするか否かを、パラメータの良否の指標となる稼働率に基づいて判断できる。
【0075】
また、このような他の実施形態に係る組合せ計量システム100では、パラメータ制御部82は、特定の組合せ計量装置1から取得した稼働率が所定の値よりも大きい場合、パラメータを共通パラメータの候補としてもよい。この場合一定以上の稼働率を実現できる組合せ計量装置1のパラメータのみが共通パラメータとして設定される。この結果、通信部81を介して互いに通信可能な複数の組合せ計量装置1の稼働率を一定値以上に高めることができる。すなわち、通信部81を介して互いに通信可能な複数の組合せ計量装置1の処理能力を一定以上に維持できる。
【0076】
上記実施形態の組合せ計量システム100では、複数の組合せ計量装置1とは異なる管理サーバ80が、複数の組合せ計量装置1において共通で用いられる共通パラメータを収集、配布する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、図5に示されるように、複数の組合せ計量装置1のうち、少なくとも一の組合せ計量装置1Aが、上記実施形態で説明した管理サーバ80と同様の機能を発揮する制御装置280を有する構成の組合せ計量システム200としてもよい。
【0077】
この構成の組合せ計量システム200であっても、上記実施形態の組合せ計量システム100と同様に、少なくとも一の組合せ計量装置1においてパラメータが設定されれば、当該パラメータを自動的に収集して共通パラメータを決定し、複数の組合せ計量装置1に対し当該共通パラメータを設定させる。この結果、複数の組合せ計量装置1(1A)において組合せ計量に関するパラメータを設定する際の作業者の利便性を向上できる。
【0078】
上記実施形態又は変形例では、検知部として光学式の測距センサ45を一例に説明したが、例えば、カメラ等であってもよい。
【0079】
上記実施形態又は変形例では、測距センサ45が各放射フィーダ4に対応して1個ずつ設けられている形態を一例に説明したが、測距センサ45は、放射フィーダ4の搬送方向に沿って複数設けられていてもよい。これにより、複数箇所の物品の層厚Sを検知できる。そのため、放射フィーダ4にて搬送される物品Aの全体的な状態に基づいて、放射フィーダ4を制御できる。
【0080】
上記実施形態又は変形例では、搬送部の例として、上述した分散フィーダ3及び複数の放射フィーダ4を挙げて説明したが、これに限定されず、物品を搬送できる構成を有するものであればよい。例えば、回転駆動可能なコイルユニット(スクリュー)、又は、ベルトコンベアが配置されてもよい。コイルユニット場合には、計量制御部20は、送力Pとして、コイルユニットの回転数(rpm)等を制御する。また、ベルトコンベアの場合には、計量制御部20は、ベルトを駆動させるローラの回転数等を制御する。
【0081】
上記実施形態又は変形例では、複数の組合せ計量装置から当該組合せ計量装置のそれぞれに設定される組合せ計量に関するパラメータを取得可能な取得部の例として、複数の組合せ計量装置1との通信を可能にする通信部81(例えば、LANインタフェース)を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、通信部の代わりに、上記のようなパラメータが記憶された可搬性の記録媒体を読み取り可能な装置を有していてもよい。
【0082】
上記実施形態又は変形例では、パラメータ制御部82によって設定したパラメータを、通信部81を介して通信可能な組合せ計量装置1全てに共通に設定する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、パラメータ制御部82は、通信部81を介して通信可能な組合せ計量装置1の一部に、パラメータ制御部82によって設定したパラメータを送信し、送信先の組合せ計量装置1に設定させてもよい。
【0083】
上記実施形態又は変形例では、パラメータ制御部82によって設定したパラメータを、そのままの内容で、通信部81を介して通信可能な組合せ計量装置1全てに共通に設定する例を挙げて説明したが、これに限定されない。パラメータ制御部82は、生成したパラメータに一部変更を加えた後で、通信部81を介して通信可能な組合せ計量装置1に送信してもよい。
【0084】
上記実施形態では、複数のホッパの例として、環状に配置された複数の計量ホッパ6及び複数のブースタホッパ7を例に挙げて説明したが、これに限定されず、マトリックス状に配置されてもよい。また、複数のホッパとして、複数のブースタホッパ7を備えない構成としてもよい。
【0085】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置は、複数の組合せ計量装置と通信する通信部と、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置から、組合せ計量装置に設定される組合せ計量に関するパラメータを収集し、収集したパラメータに基づき、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置に共通して設定する共通パラメータを決定し、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置に共通パラメータを送信し、送信先の組合せ計量装置に対し当該共通パラメータを設定させる制御部と、を備える。
【0086】
本開示の一形態に係る組合せ計量装置用の制御装置は、複数の組合せ計量装置と通信する通信部と、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置のうち特定の組合せ計量装置に対する組合せ計量に関するパラメータを受け付ける受付部と、受付部を介して受け付けたパラメータに基づき、特定の組合せ計量装置とは異なる他の組合せ計量装置に対し、通信部を通じて通信可能な組合せ計量装置に共通して設定する共通パラメータを決定し、他の組合せ計量装置に設定した共通パラメータを送信し、送信先の組合せ計量装置に対し当該共通パラメータを設定させる制御部と、を備える。
【符号の説明】
【0087】
1,1A…組合せ計量装置、3…分散フィーダ(搬送部)、4…放射フィーダ(搬送部)、5…プールホッパ(ホッパ)、6…計量ホッパ(ホッパ)、7…ブースタホッパ(ホッパ)、11…計量部、20…計量制御部、45…測距センサ、80…管理サーバ(組合せ計量装置の制御装置)、81…通信部、82…パラメータ制御部(制御部)、83…受付部、100,200…組合せ計量システム、280…制御装置(組合せ計量装置の制御装置)、A…物品、B,C…係数(パラメータ)。
図1
図2
図3
図4
図5