【実施例】
【0049】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。また、本明細書において特に記載しない限り、濃度や部などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
【0050】
実験1:ハイドロタルサイトと繊維の複合体
(1)アルカリ溶液と酸溶液の調製
ハイドロタルサイト(HT)を合成するための溶液を準備した。アルカリ溶液(A溶液)として、Na
2CO
3(和光純薬)およびNaOH(和光純薬)の混合水溶液を調製した。また、酸溶液(B溶液)として、MgCl
2(和光純薬)およびAlCl
3(和光純薬)の混合水溶液、ZnCl
2(和光純薬)およびAlCl
3(和光純薬)の混合水溶液を調製した。
・アルカリ溶液(A溶液、Na
2CO
3濃度:0.05M、NaOH濃度:0.8M)
・酸溶液(B溶液、Mg系、MgCl
2濃度:0.3M、AlCl
3濃度:0.1M)
・酸溶液(B溶液、Zn系、ZnCl
2濃度:0.3M、AlCl
3濃度:0.1M)
【0051】
(2)複合体の合成
(サンプル0:Mg
6Al
2(OH)
16CO
3・4H
2O)
アルカリ溶液を10L容の反応容器に入れ、撹拌しながら酸溶液(Mg系)を滴下してハイドロタルサイト微粒子を合成した。反応温度は60℃、滴下速度は15ml/minであり、反応液のpHが約7になった段階で滴下を停止した。滴下終了後、30分間、反応液を撹拌し、約10倍量の水を用いて水洗して塩を除去した。
(サンプル1:Mg
6Al
2(OH)
16CO
3・4H
2Oとパルプ繊維の複合体)
複合体化する繊維として、セルロース繊維を使用した。具体的には、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、日本製紙製)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、日本製紙製)を8:2の重量比で含み、シングルディスクリファイナー(SDR)を用いてカナダ標準濾水度を390mlに調整したパルプ繊維を用いた。
アルカリ溶液にパルプ繊維を添加し、パルプ繊維を含む水性懸濁液を準備した(パルプ繊維濃度:1.56%、pH:約12.4)。この水性懸濁液(パルプ固形分30g)を10L容の反応容器に入れ、水性懸濁液を撹拌しながら、酸溶液(Mg系)を滴下してハイドロタルサイト微粒子と繊維との複合体を合成した。
図1に示すような装置を用いて、反応温度は60℃、滴下速度は15ml/minであり、反応液のpHが約7になった段階で滴下を停止した。滴下終了後、30分間、反応液を撹拌し、10倍量の水を用いて水洗して塩を除去した。
(サンプル2:Mg
6Al
2(OH)
16CO
3・4H
2Oとパルプ繊維の複合体)
アルカリ溶液と酸溶液(Mg系)の添加順を逆にした以外は、サンプル1と同様にして複合体を製造した。滴下前の水性懸濁液のpHは約2.8であり、反応液のpHが約7になった段階でアルカリ溶液の滴下を停止した。
(サンプル3:Zn
6Al
2(OH)
16CO
3・4H
2Oとパルプ繊維の複合体)
酸溶液(B溶液)としてZn系溶液を用いた以外は、サンプル1と同様にして複合体を作成した。滴下前の水性懸濁液のpHは約12.3であり、反応液のpHが約6.5になった段階で酸溶液(Zn系)の滴下を停止した。
(サンプル4:炭酸カルシウムとパルプ繊維の複合体)
特開2015−199655の実験1と同様にして、炭酸カルシウムとパルプ繊維の複合体を製造した。すなわち、広葉樹パルプ繊維(CV処理パルプ)の存在下で炭酸カルシウムを水系で合成し、炭酸カルシウムとパルプ繊維の複合体を製造した。
(サンプル5:炭酸マグネシウムとパルプ繊維の複合体)
水酸化マグネシウム140g(和光純薬)と広葉樹晒クラフトパルプ140g(LBKP、CSF:370ml、平均繊維長:0.75mm)を含む水性懸濁液14Lを、45L容のキャビテーション装置に入れ、反応溶液を循環させながら、反応容器中に炭酸ガスを吹き込んで炭酸ガス法によって炭酸マグネシウム微粒子と繊維との複合体を合成した。反応温度は約36℃、炭酸ガスは市販の液化ガスを供給源とし、炭酸ガスの吹き込み量は4L/minとした。反応液のpHが約8になった段階でCO
2の導入を停止し(反応前のpHは約9.5)、その後30分間、キャビテーションの発生と装置内でのスラリーの循環を続け、炭酸マグネシウムとパルプ繊維の複合体を得た。
複合体の合成においては、
図2に示すように反応溶液を循環させて反応容器内に噴射することよって、反応容器内にキャビテーション気泡を発生させた。具体的には、ノズル(ノズル径:1.5mm)を介して高圧で反応溶液を噴射してキャビテーション気泡を発生させた。噴流速度は約70m/s、入口圧力(上流圧)は1.8MPa、出口圧力(下流圧)は0.3MPaだった。
【0052】
(3)複合体の評価
JIS P 8222に基づいて、合成した複合体からマットを製造した(坪量:約100g/m
2)。具体的には、複合体の水性スラリー(約0.5%)をろ紙(JIS P3801、定量分析用、5種B)を用いてろ過し、得られたサンプルを1MPaで5分間圧力をかけて脱水した後、50℃で2時間緊張乾燥させて、約200cm
2の大きさの複合体マットを製造した。対照として、パルプのみからなるマット(T1)、ハイドロタルサイトを内添したマット(ハイドロタルサイト内添紙)も製造した。パルプのみからなるマットはLBKP/NBKP混合パルプ(CSF:390ml)の水性スラリー(約0.5%)、ハイドロタルサイト内添紙は、LBKP/NBKP混合パルプ(CSF:390ml)の水性スラリー(約0.5%)にハイドロタルサイト(サンプル0)を添加した懸濁液から、JIS P 8222に基づいて製造した。
【0053】
また、X線回折にて、サンプル1(Mg系HT)およびサンプル3(Zn系HT)を分析し、ハイドロタルサイト由来のピークを確認した(
図3、●印)。
【0054】
さらに、電子顕微鏡(SEM)を用いて、得られた複合体を観察し、パルプ繊維表面に粒子が複合化されていることを確認した(
図4)。
図4−1は、サンプル1の調製に用いたクラフトパルプのみから製造したマットの電子顕微鏡写真であるが、繊維表面に粒子は確認されない。
図4−2は、サンプル1の複合体から製造したマットの電子顕微鏡写真であるが、この複合体は繊維表面に多数のMg系HT微粒子が析出していた。サンプル1の複合体(
図4−2)は、微粒子によるパルプ繊維の被覆率が約95%(微粒子の一次粒子径:40〜60nm程度、平均一次粒子径:50nm程度、)であったが、サンプル2の複合体(
図4−3)は、微粒子によるパルプ繊維の被覆率が約75%だった。
図4−4は、サンプル3の複合体から製造したマットの電子顕微鏡写真であるが、繊維表面に多数のZn系HT微粒子が析出していた(微粒子によるパルプ繊維の被覆率は50〜80%、微粒子の一次粒子径:100〜900nm、平均一次粒子径:400nm程度)。
図4−5は、サンプル0とクラフトパルプを混抄したマットの電子顕微鏡写真である。繊維表面に粒子は確認されたが、微粒子によるパルプ繊維の被覆率が40〜60%であり、サンプル1の複合体と比較して低い値であった。
【0055】
さらにまた、サンプル1の複合体(Mg系HTと繊維の複合体)の灰分を測定したところ、49.5重量%であり、原料(パルプ・水酸化カルシウム)の仕込み比から計算された理論値(50重量%)とほぼ一致した。サンプル3の複合体(Zn系HTと繊維の複合体)については、灰分が49.8重量%であり、原料(パルプ・水酸化カルシウム)の仕込み比から計算された理論値(50重量%)とほぼ一致した。なお、複合体の灰分は、複合体を525℃で約2時間加熱した後、残った灰の重量と元の固形分との比率から算出した(JIS P 8251:2003)。ただし、525℃での灰化処理によって、ハイドロタルサイトの脱炭酸や層間水の離脱による重量減少が生じるため(Mg系HT:約40%、Zn系HT:約30%)、灰化処理後の実測重量から重量減少分を踏まえて灰分を算出した。また、MgとZnの比率については、ハイドロタルサイトの組成に基づいて算出した。
【0056】
【表1】
【0057】
実験2:複合体シートの製造と評価
(1)複合体シートの製造
(シート0)
JIS P 8222に基づいて、クラフトパルプから坪量が60g/m
2程度の手抄きシートを製造した。使用したパルプは、実験1に記載したものと同じであり、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、日本製紙製)と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、日本製紙製)を8:2の重量比で含み、シングルディスクリファイナー(SDR)を用いてカナダ標準濾水度を390mlに調整したものである。
【0058】
(シート1・2)
JIS P 8222に基づいて、実験1で製造した複合体(サンプル1・2)からシートを製造した。具体的には、複合体の水性スラリー(約0.5%)に、カチオン性歩留剤(ND300、ハイモ社製)を100ppm、アニオン性歩留剤(FA230、ハイモ社製)を100ppm添加し、500rpmにて撹拌して懸濁液を調製した上で、調製した懸濁液からJIS P 8222に基づいてシートを製造した。
【0059】
(シート3)
JIS P 8222に基づいて、実験1に記載したクラフトパルプ(CSF:390ml)とハイドロタルサイト微粒子(サンプル0)からシートを製造した。具体的には、LBKP/NBKP混合パルプの水性スラリー(約0.5%)に、実験1で製造したハイドロタルサイトを添加し、カチオン性歩留剤(ND300、ハイモ社製)を100ppm、アニオン性歩留剤(FA230、ハイモ社製)を100ppm添加し、500rpmにて撹拌して懸濁液を調製した上で、調製した懸濁液からJIS P 8222に基づいてシートを製造した。
【0060】
(シート4・5)
カチオン性歩留剤およびアニオン製歩留剤を使用しなかった以外は、シート1・2と同様にして複合体シートを製造した。
【0061】
(シート6)
カチオン性歩留剤およびアニオン製歩留剤を使用しなかった以外は、シート3と同様にして複合体シートを製造した。このときの歩留りは62.1%であった。
【0062】
(2)複合体シートの評価
それぞれ下記の評価手順に基づいて評価した。
・坪量:JIS P 8124:1998
・厚さ:JIS P 8118:1998
・密度:厚さ、坪量の測定値より算出
・灰分:JIS P 8251:2003
・白色度:JIS P 8212:1998
・不透明度:JIS P 8149:2000
・比散乱係数(S値):TAPPI T425(ISO 9416)に規定される式により算出した。
・透気抵抗度:JIS P 8117:2009
・平滑度:JIS P 8155:2010
・曲げ荷重:ISO 2493に準じて、L&W Bending Tester(Lorentzen&Wettre社製)で、曲げ角度が15度の曲げこわさを測定して算出した。
・裂断長:JIS P 8113:2006
・X線回折:実験1と同様にしてシートサンプルを分析した(
図5)。
・歩留り: シート作成時の投入量と出来上がったシート重量から算出した。
【0063】
【表2】
【0064】
上記の表から明らかなように、繊維とアルカリの懸濁液に酸を添加して合成したハイドロタルサイト複合体は、繊維と酸の懸濁液にアルカリを添加して合成したハイドロタルサイト複合体と比較して、白色度および不透明が高く、繊維の被覆率や灰分が高くなった。一方、繊維と酸の懸濁液にアルカリを添加して合成したハイドロタルサイト複合体は、繊維とアルカリの懸濁液に酸を添加して合成したハイドロタルサイト複合体と比較して、シートの引張強度が高くなった。
【0065】
実験3:消臭特性の評価
実験1(3)で製造した複合体マット(坪量:約100g/m
2)を用いて、複合体の消臭特性を評価した。消臭試験に供した複合体マットの大きさは100cm
2(10cm×10cm)であるが、後述するウェット条件における硫化水素、メチルメルカプタン、インドールについてはサンプルの大きさを25cm
2とした。
【0066】
消臭試験は、SEKマーク繊維製品認証基準(JEC301、繊維評価技術協議会)の方法に基づいて実施し、汗臭(アンモニア、酢酸、イソ吉草酸)、排泄臭(アンモニア、酢酸、硫化水素、メチルメルカプタン、インドール)、加齢臭(アンモニア、酢酸、イソ吉草酸、ノネナール)、生ゴミ臭(アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミン)、に対する消臭特性を評価した。アンモニア、酢酸、硫化水素、メチルメルカプタン、ピリジン、トリメチルアミンは検知管、イソ吉草酸とインドール、ノネナールはガスクロマトグラフィーを用いて定量した。
【0067】
(条件1:ドライ条件)
20℃、65%RHで24時間以上、サンプルを調湿してから、臭気成分の消臭特性(減少率、%)を評価した。ここで、減少率(%)とは、臭気成分の初期濃度と測定時の濃度から下式によって求めることができる。
減少率(%) = (1−測定時の濃度/初期濃度)×100
【0068】
下表および
図6〜13に示すように、消臭試験を実施したサンプルの中で、T3のマット(Zn系HT複合体)は、対象とした全ての臭気成分に対し高い消臭能を示した。
【0069】
【表3】
【0070】
(条件2:ウェット条件)
20℃、65%RHで24時間以上調湿したサンプルに約1mlの水をピペットで付与してから、臭気成分の消臭特性を評価した。紙オムツなどの水分の多い環境下での消臭特性を評価するためである。
【0071】
下表および
図6〜13に示すように、汗臭に該当する臭気成分のうちアンモニアに関しては、ウェット条件の方が消臭効果は高くなった。アンモニアは水に溶けやすく、臭気が吸着しやすくなった影響と考えられる。
【0072】
【表4】
【0073】
実験4:抗菌特性の評価
JIS P 8222に基づいて、実験1(2)で製造した複合体(サンプル3)からマットを製造した(坪量:約100g/m
2、灰分:46%)。具体的には、湿潤紙力剤(製品名:WS4024、星光PMC社製)5000ppm、アニオン歩留剤(製品名:FA230、ハイモ社製)1200pm、カチオン歩留り剤(製品名:ND300、ハイモ社製)1000ppmを含む複合体の水性スラリー(濃度:約0.5%)をろ紙(JIS P3801、定量分析用、5種B)を用いてろ過し、得られたサンプルを1MPaで5分間圧力をかけて脱水した後、50℃で2時間緊張乾燥させて、複合体マットを製造した。ここで、複合体の灰分は、複合体を525℃で約2時間加熱した後、残った灰の重量と元の固形分との比率から算出した(JIS P 8251:2003)。
【0074】
製造した複合体マットを用いて抗菌特性を評価した。抗菌試験に供した複合体マットの重さは0.4gである。基準として、標準綿布を用いた。抗菌性試験は、JIS L 1902に定める菌液吸収法(試験接種菌液を直接試験片上に接種する定量試験方法)にて実施した。試験菌種として黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC 12732)と大腸菌(Escherichia coil NBRC 3301)の2種類を使用し、18時間培養後の生菌数を混釈平版培養法にて測定した。試験手順を以下に示す。
【0075】
1.試験片0.4gをバイアル瓶に入れ、試験菌液0.2ml(0.05%の界面活性剤(Tween80)を含む)を滴下後、バイアル瓶のふたをする。
2.バイアル瓶を37℃で18時間培養する。
3.洗い出し液20mlを加えて試験片から試験菌を洗い出し、洗い出し液中の生菌数を混釈平板培養法又は発光測定法により測定する。
4.下記の式に従い抗菌活性値を算出する。抗菌活性値が2.0以上とは、菌の死滅率が99%以上であることを意味する。
抗菌活性値 = {log(対照試料・培養後生菌数) − log(対照試料・接種直後生菌数)} − {log(試験試料・培養後生菌数) − log(試験試料・接種直後生菌数)}
【0076】
下表に示す通り、抗菌性試験を実施したZn系HT複合体は、対象とした菌種に対し、極めて高い抗菌特性を示した。
【0077】
【表5】
【0078】
なお、下表に示す通り、標準綿布を使用して抗菌性試験をした結果、増殖値が1.0以上であったことから、試験が正しく行われていることを確認した。
【0079】
【表6】
【0080】
実験5:抗ウイルス性の評価
銅のチオスルファト錯体溶液で、実験1(2)で製造した合成した複合体(サンプル3)を処理し、銅のチオスルファト錯体溶液を付着したZn系HT複合体(Zn
6Al
2(OH)
16CO
3・4H
2Oとパルプ繊維の複合体)を得た(サンプル6)。
【0081】
具体的には、塩化銅を溶解し、その溶液とチオ硫酸ナトリウム五水和物の溶液を混合し、銅のチオスルファト錯体溶液を調製した。この銅のチオスルファト錯体溶液を、実験1(2)で製造した複合体(サンプル3)のスラリー(濃度1.5%)に対し、固形分当たり銅が0.8〜2.0%になるように添加し、3時間、20℃〜60℃の条件で撹拌した(サンプル6−1〜6−3)。
【0082】
続いて、JIS P 8222に基づいて、製造した複合体(サンプル6−1〜6−3)からマットを製造した(坪量:約100g/m
2、灰分:46%)。具体的には、複合体の水性スラリー(濃度:約0.5%)をろ紙(JIS P3801、定量分析用、5種B)を用いてろ過し、得られたサンプルを1MPaで5分間圧力をかけて脱水した後、50℃で2時間緊張乾燥させて、複合体マットを製造した。
【0083】
製造した複合体マットについて、抗ウイルス特性を評価した。抗ウイルス性試験は、JIS L 1922:2016 繊維製品の抗ウイルス性試験方法にて実施した。試験に供した複合体マットの重さは0.4g、対照試料には標準綿布を用いた。試験ウイルス種としてネコカリシウイルス(Feline calicivirus;Strain:F−9 ATCC VR−782)を使用した。試験手順を以下に示す。
1.試験片0.4gをバイアル瓶に入れ、試験ウイルス液0.2mlを滴下後、バイアル瓶のふたをする。
2.バイアル瓶を25℃で2時間静置する。
3.洗い出し液20mlを加えて試験片からウイルスを洗い出し、プラーク測定法により感染価を算出する。
4.次の式によって抗ウイルス活性値(Mv)を計算する。なお、JISでは抗ウイルス効果を、Mv≧2.0で効果が有り、Mv≧3.0で十分に効果があると定められている。
抗ウイルス活性値(Mv) = Log(Vb)−Log(Vc)
Mv:抗ウイルス活性値
Log(Vb): 対照試料の2時間作用後の感染価常用対数(3検体の平均値)
Log(Vc): 抗ウイルス試料の2時間作用後の感染価常用対数(3検体の平均値)
【0084】
【表7】
【0085】
表に示す通り、銅のチオスルファト錯体溶液を吸着したZn系HT複合体(サンプル6)は、対象としたウイルス種に対し、極めて高い抗ウイルス特性を示した。