(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559344
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】小さい照明スポットを発生するための小型光学コリメータ
(51)【国際特許分類】
F21V 5/00 20180101AFI20190805BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20190805BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20190805BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20190805BHJP
G02B 17/08 20060101ALI20190805BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20190805BHJP
F21W 131/205 20060101ALN20190805BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20190805BHJP
【FI】
F21V5/00 510
F21V5/04 100
F21V5/00 320
F21V8/00 310
A61B1/06 510
G02B17/08 Z
G02B3/00 A
F21W131:205
F21Y115:10
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-519917(P2018-519917)
(86)(22)【出願日】2016年7月27日
(65)【公表番号】特表2018-537809(P2018-537809A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】FR2016051951
(87)【国際公開番号】WO2017068253
(87)【国際公開日】20170427
【審査請求日】2018年6月14日
(31)【優先権主張番号】1560001
(32)【優先日】2015年10月20日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517273238
【氏名又は名称】マケ・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ
【氏名又は名称原語表記】MAQUET SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】セシリア・ヴァルトー
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ホン・ヴー・ティ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィド・ジュヌヴリエール
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−518617(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0204587(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0023027(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/06
F21V 5/00
F21V 5/04
F21V 8/00
G02B 3/00
G02B 17/08
F21W 131/205
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明スポット(2)を形成する手術用照明装置であって、
複数の照明装置(1)を有する照明ドーム(5)を備え、
各照明装置(1)が、
切頂キャップを備えた中実な光学コリメータ(6’)を含み、
キャップは、全内部反射で動作する内面(10’)を有し、
前記キャップと同軸である円錐台状の貫通凹部(7’)の中に開放しており、その中央に光源(8’)が配置される小型台(11’)を有し、
屈折性の大型台(12’)であって、前記光源(8’)によって放射された入射光が前記内面(10’)によって前記キャップの前記大型台(12’)に向けて全体として案内されるようにした大型台(12’)を有し、
前記コリメータ(6’)の前記凹部は、前記キャップの前記小型台と一致する、開放した小型台を有するように、前記キャップ内に配置されており、
前記コリメータ(6’)は、前記光源(8’)からの光束を、前記照明ドーム(5)の照明軸(AA)を中心とする前記照明スポット(2)に集中させるように配向している、手術用照明装置。
【請求項2】
前記コリメータ(6’)の前記凹部は、前記キャップの前記大型台の中に開放していることを特徴とする請求項1記載の手術用照明装置。
【請求項3】
前記凹部は、前記キャップの前記小型台と一致する、開放した小型台を有する円錐台状の第1凹部(7’)と、前記第1凹部の下方にある第2同軸凹部とを含み、2つの凹部間において、環状の肩部(14’)が前記入射光のためのスクリーン(13’)を支えていることを特徴とする請求項2記載の手術用照明装置。
【請求項4】
前記スクリーン(13’)は、光源(8’)により近い側で吸収性であることを特徴とする請求項3記載の手術用照明装置。
【請求項5】
前記スクリーン(13’)は、光源(8’)により近い側で拡散性であることを特徴とする請求項3記載の手術用照明装置。
【請求項6】
前記スクリーン(13’)は、前記肩部(14’)に接着接合していることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の手術用照明装置。
【請求項7】
前記肩部(14’)は、前記キャップの軸に対して垂直な平らな表面を形成することを特徴とする請求項3記載の手術用照明装置。
【請求項8】
前記コリメータ(6’)は剛性であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の手術用照明装置。
【請求項9】
前記コリメータ(6’)は射出成形プラスチックで製作されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の手術用照明装置。
【請求項10】
前記コリメータ(6’)はPMMAで製作されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の手術用照明装置。
【請求項11】
コリメータの支持体が、前記入射光のための前記スクリーン(13’)を固定するための手段を含むことを特徴とする請求項3記載の手術用照明装置。
【請求項12】
前記光源(8’)はLEDであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の手術用照明装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切頂(truncated)キャップを備えた中実な光学コリメータに関するものであり、キャップは、全内部反射で動作する内面を有し、キャップと同軸である円錐台状の貫通凹部の中に開放しており、その中央に光源が配置される小型台(base)を有し、屈折性の大型台であって、光源によって放射された入射光が内面によってキャップの大型台に向けて全体として案内されるようにした大型台を有する。
【0002】
本発明はまた、こうした光学コリメータを含む照明装置、特に医療手術野を照明するために使用される手術用照明装置に関する。
【背景技術】
【0003】
既知の方法では、医療手術野を照明するための照明装置において、1つ以上の光学系が、光源によって放射された光を手術野上で集束させ、特に、より大きいまたはより小さいサイズの照明スポットを形成するように照明ドームの中に設けられる。
【0004】
この光学系は、一般に、全内部反射で動作する内面を有する切頂キャップの形態である中実の標準コリメータであり、キャップは、キャップと同軸である円錐台状の凹部を有し、切頂コーンの大型台は、開放しており、キャップの小型台と一致している。光源は、キャップの先端のレベルで、切頂コーンの開口の上方に配置される。キャップと同軸であるレンズが、光ビームを手術野に向けて反射するように、切頂コーンの下方に配置される。
【0005】
現在、例えば、小さな切開が形成される身体のゾーンを照明するために、数センチメートルのオーダーの小さい照明スポットを提供できる手術用照明を有するための医学界からの要求がある。光源として、上述したような標準コリメータおよび所定の発光ダイオード(LED)を用いて、大きい照明スポットを与える標準コリメータに対して小さい照明スポットを形成するために、標準コリメータの高さおよび直径を増加させる必要があることが知られている。従って、「小さい照明スポット」標準コリメータは、「大きい照明スポット」標準コリメータよりかなり嵩張る。手術用照明装置の製造者は、医療スタッフが手術野の上方で操作するのをより容易にするために、照明ドームの体積および重量を低減するように努力している。「小さい照明スポット」標準コリメータによってもたらされる追加の体積および重量は、可能な限りスリムかつ軽量である照明ドームのための要求に適合しない。
【0006】
さらに、上述したような中実の標準コリメータは、射出成形されたプラスチックで製作される。射出成形プラスチックで製作された部品のコストは、その厚さに密接に関連しており、その理由は、その厚さが射出成形時間に影響するためである。こうして「小さい照明スポット」標準コリメータは、「大きい照明スポット」標準コリメータの高さより大きい高さを有するため、その製造時間が長くなり、その製造コストが増加する。
【0007】
最後に、標準コリメータでは、LEDの近傍において、フレネル反射損失によってコーンで反射した光線はレンズを通過して、役に立たない光学経路を取り、医療スタッフにとって不快である干渉ハロー(halo)を手術野に生成することが知られている。
【0008】
種々の文献から、中実の標準コリメータと比べて変更したコリメータを有する照明装置が知られているが、こうしたコリメータは、小さい照明スポットのための要求を適正に満たしていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、新規な構造を有する中実の光学コリメータを提案することによって、これらの不具合を是正することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため、本発明は、
照明スポット(2)を形成する手術用照明装置であって、複数の照明装置(1)を有する照明ドーム(5)を備える手術用照明装置を提供し、
各照明装置(1)が、切頂(truncated)キャップを備えた中実な光学コリメータを
含み、キャップは、全内部反射で動作する内面を有し、
キャップと同軸である円錐台状の貫通凹部の中に開放しており、その中央に光源が配置され
る小型台を有し、
屈折性の大型台であって、光源によって放射された入射光が内面によってキャップの大型台に向けて全体として案内されるようにした大型台を有し、
前記コリメータ
の凹部
は、前記キャップの前記小型台と一致する、開放した小型台を有するように、前記キャップ内に配置されて
おり、
コリメータは、光源からの光束を、照明ドームの照明軸を中心とする照明スポットに集中させるように配向していることを特徴とする。
【0011】
詳細には、本発明によれば、
・
コリメータの凹部は、前記キャップの大型台の中に開放しており、
・凹部は、キャップの小型台と一致する、開放した小型台を有する円錐台状の第1凹部と、第1凹部の下方にある第2同軸凹部とを含み、2つの凹部間において、環状肩部が入射光のためのスクリーンを支えており、
・スクリーンは、光源により近い側で吸収性であり、
・スクリーンは、光源により近い側で拡散性であり、
・スクリーンは、肩部に接着接合しており、
・肩部は、キャップの軸に対して垂直な平らな表面を形成し、
・コリメータは、剛性であり、
・コリメータは、射出成形プラスチックで製作され、
・コリメータは、ポリ(メチルメタクリレート)または「PMMA」で製作され、
・コリメータの支持体が、入射光のための前記スクリーンを固定するための手段を含む。
・光源は、LEDでもよい。
【0012】
こうした構成では、コリメータは、軸方向に完全に中空であり、凹部は、貫通凹部であって、部分的に、中実の標準コリメータの切頂コーンに対して上下逆さまの切頂コーンの形態である。この構成では、コリメータは、標準コリメータに通常配置されるレンズの代わりに孔を有する。
【0013】
この構成では、照明装置において、光源は、コリメータに対して極めて接近して配置してもよい。
【0014】
コリメータは、光を屈折させる逆さま切頂コーンの壁に対応する第1有用光学界面(interface)を有し、非屈折光は、切頂コーンの大型台側の孔を通って出てきて、コリメータはさらに、全内部反射で動作するコリメータの外部表面の内面に対応した第2有用光学界面を有し、切頂キャップの大型台に対応するコリメータ出口において、光を手術野に向けて屈折させ、照明スポットを形成するための環状の有用光学界面を有する。
【0015】
この構成では、貫通凹部は、共通の軸上で開放界面と整列した2つの切頂コーンの重ね合わせ、または中心孔であり、これは、スクリーンでマスクでき、直接放射される光が照射野に到達するのを防止できる。こうして照射野の上には干渉ハローが存在しない。
【0016】
この構成では、小さい照明スポットを形成でき、小さい高さおよびより低い製造コストを有するコリメータが得られる。
【0017】
手術用照明装置は、上述したような複数の照明装置を有する照明ドームを備え
る。
【0018】
この構成では、手術用照明装置の照明ドームは、コンパクトであり、照明ドームが手術野から70cm〜150cmの範囲の距離にある場合、手術野において4センチメートル(cm)〜30cmの範囲の直径を有する小さい照明スポットを発生することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
非限定的な例を用いて添付図面を参照して下記の詳細な説明を読めば、本発明はより良く理解でき、他の利点が見えてくる。
【0020】
【
図1】手術室で使用される本発明の手術用照明装置の概略斜視図である。
【
図2】本発明のコリメータを含む照明ドームの下面の概略斜視図である。
【
図3】先行技術の中実コリメータにおいて光源によって発生した光線の全内部反射および屈折を原理的に示す図である。
【
図4】本発明の中実コリメータにおいて光源によって発生した光線の全内部反射および屈折を原理的に示す図である。
【
図5】本発明の中実コリメータの概略輪郭図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、手術室で使用され、手術野3、例えば、執刀医4によって手術される患者の身体の上に小さいサイズの照明スポット2を形成する本発明の手術用照明装
置を示す。
【0022】
本例において、照明装置1は、多関節サスペンションアーム6を介して手術室の天井から懸架されるタイプの照明ドーム5を有する。
【0023】
図1に概略的に示すように、本例において、照明ドーム5は、それぞれ個々の照明モジュールMを形成する複数のセグメントを有する。
【0024】
各照明モジュール、例えば、M1,M2は、複数のコリメータの個々の1つと関連した複数の光源を設けることができ、コリメータは、光源からの光束を、照明ドーム5の照明軸AAを中心とする照明スポット2に集中させるように配向している。
【0025】
照明スポット2は、典型的には、照明ドーム5から0.7メートル(m)〜1.5mの範囲に位置する。
【0026】
一般に、照明スポット2は、数センチメートル〜数十センチメートルの範囲の直径を有してもよい。
【0027】
本例において、異なるモジュールM1,M2での光源は、監視および制御ユニット(不図示)に接続された1つ以上の電源ユニット(不図示)によって、電気が選択的かつ個別的に供給される。種々の光源は、異なる可変の電流Iで供給できる。
【0028】
図2は、下方から見た照明ドーム5の一例を示し、複数のモジュールMから来るコリメータプロファイル6,6’を見ることができる。
【0029】
図3は、先行技術の中実の標準コリメータ6を示す。標準コリメータは、全内部反射で動作する内面10を有する切頂(truncated)キャップの形態である。切頂キャップは、小型台および大型台を有する。小型台において、キャップは、キャップと同軸である円錐台状の第1凹部7を有し、切頂コーン7の大型台は、開放しており、キャップの小型台と一致している。円錐台状の凹部7の小型台は閉じている。切頂コーン7の2つの内面および切頂コーン7の小型台は、キャップの先端のレベルにおいて切頂コーン7の開口の上方に配置された光源8によって放射された入射光ビームを屈折する。
【0030】
キャップと同軸であって、第1凹部と整列した第2凹部9が、切頂コーン7の下方に配置される。第2凹部9は、レンズなどの光学界面を有し、受けた光ビームを手術野3に向けて屈折させる。
【0031】
内面10は、受けた光ビームを手術野3に向けて反射する。
【0032】
既知の方法において、標準コリメータ6は、手術野のあるポイントにおいて、光学界面9によって屈折した光を内面10によって反射した光と統合して、照明スポット2を形成する。
【0033】
図4は、本発明のコリメータ6’を示す。本発明のコリメータ6’は、本例では、全内部反射で動作する内面10’を有する切頂キャップの形態である。このキャップは、小型台11’と大型台12’との間の軸方向XX’に延びている。
【0034】
光源8’、例えば、LEDが、切頂キャップの小型台11’に対して中央に配置される。コリメータ6’は、光ビームを大型台12’に向けて案内する。
【0035】
小型台11’は、貫通凹部7’の中に開放している。この凹部は、キャップに対して軸方向に配置された切頂コーンの形状を有し、キャップの小型台11’と一致する、開放した小型台と、キャップの大型台12’に面する大型台とを備える。
【0036】
凹部7’の壁によって形成される光学界面は、光源8’によって放射された光をキャップの内面10’に向けて屈折させる。
【0037】
本発明によれば、
図4と
図5に見えるように、凹部は、キャップの小型台11’と一致する、開放した小型台を有する円錐台状の第1凹部7’と、本例では第2切頂コーンの形態であって、第1凹部の下方に整列して配置された第2凹部とを備える。第1凹部および第2凹部を備えた凹部は貫通凹部であるため、それは、キャップの大型台12’の中に開放しており、手術野3に面する孔を有する。第1凹部と第2凹部との間には、
図5に見えるように、キャップの軸に対して垂直な平らな表面または平面を形成する環状肩部14’が設けられる。
【0038】
この肩部14’にスクリーンを配置して、光ビームが孔を通過するのを防止するようにできる。
【0039】
スクリーン13’は、光源8’により近い側で吸収性または拡散性でもよい。例えば、スクリーン13’は、孔を塞ぐようにして該平面に接着接合されたステッカ(sticker)またはパッチの形態でもよい。スクリーン13’はまた、いずれか既知の固定手段によって、照明ドーム5の中のコリメータ6’の支持体の中に組み込まれたカバーの形態でもよい。スクリーン13’は、スナップリベット止めでもよい。スクリーン13’は、クリップ止めでもよい。
【0040】
本例において、円錐台状の第1凹部7’だけが光学的に機能性であることに留意すべきである。
【0041】
共通軸上に整列して配置された2つより多い凹部を有することも可能である。
【0042】
図5に示すように、貫通凹部に起因して、中実コリメータ6’のキャップの大型台12’は、光ビームを手術野3に向けて集光し、照明スポット2を形成するように屈折性である環状の光学界面15’である。
【0043】
大型台12’は、平らでもよいが、本発明によれば、凹面または凸面でもよい。特定の条件の下で、大型台12’はまたマイクロレンズを有する構造を有することができる。
【0044】
本発明の中実コリメータ6’は、剛性である。
【0045】
中実コリメータ6’は、
図5に部分的に見えるように、射出成形プラスチックで製作される。それは、PMMAで製作してもよい。
【0046】
コリメータ6’はまた、中実プラスチックから直接に加工できる。
【0047】
上述したように、
図3に示すような標準コリメータおよび所定のLEDを用いて、照明スポットを形成するためには、大きい照明スポットを与える標準コリメータに対して、標準コリメータの高さおよび直径を増加させる必要がある。
【0048】
一例として、所定のLEDを有する光源では、80%の光学効率で直径215ミリメートル(mm)の照明スポットを形成するためには、標準コリメータは、直径26mmおよび高さ14mmを有する必要がある。同じLEDを用いて、72%の光学効率で直径63mmの照明スポットを形成するためには、標準コリメータは、直径92mmおよび高さ52mmを有する必要がある。従って、既知の方法では、所定のLEDで、照明スポットをより小さくするほど、コリメータの直径および高さを大きくする必要がある。
【0049】
同じLEDを用いて、79mmの直径を有する照明スポットを形成するためには、標準コリメータは、85mmの直径および48mmの高さを有する必要があり、一方、同じ照明スポットを形成するためには、本発明のコリメータは、74mmの直径および26mmの高さを有する。こうして同じ照明スポットを得るためには、本発明のコリメータを使用することによって、コリメータの高さで46%の節約が可能である。本発明のコリメータを用いて、手術用照明装置の照明ドームの厚さを低減することが可能である。さらに、本発明のコリメータの高さは標準コリメータの高さより小さいため、射出成形プラスチックで製作されるような本発明のコリメータのコストはより低い。
【0050】
照明装置1において、各照明モジュールMは、本発明の複数のコリメータ6’の個々の1つと関連した複数の光源8’を設けることができ、コリメータは、光源8’からの光束を、照明ドーム5の照明軸AAを中心とする照明スポット2に集中させるように配向している。
【0051】
本発明によれば、照明ドーム5が手術野から70cm〜150cmの範囲の距離にある場合、形成される小さい照明スポットは、4cm〜30cmの範囲の直径を有する。
【0052】
照明ドーム5において、大きい照明スポットを形成するための標準コリメータ6および小さい照明スポットを形成するための本発明のコリメータ6’の混合物を有することが可能である。
【0053】
本発明によれば、標準コリメータ6に結合されたLEDの電流を、本発明のコリメータ6’に結合されたLEDの電流から分離して制御することによって、照明スポットの直径を調整することが可能である。
【0054】
照明ドーム5において、直径d1,d2(d1はd2とは異なる)の異なる小さい照明スポットを形成するように、本発明のコリメータ6’の混合物を有することも可能であり、必要ならば、標準コリメータ6との組合せで1つの大きい照明スポットを形成することも可能である。
【0055】
本発明によれば、光源8’は、LED、チップオンボード(COB)LED、蛍光体エレメントと結合したレーザダイオード、カラーマルチチップLEDまたは実際にはLEDマトリクスでもよい。
【0056】
本発明によれば、光源8’は、コリメータ6’に極めて接近して配置してもよい。軸に近い光線は失われ、光エネルギーの損失を生じさせる。しかしながら、光エネルギーのこの損失は極めて顕著ではなく、その理由は、小さい照明スポットを形成するために、必要とされる光エネルギーがより少ないためである。
【0057】
当然ながら、本発明は、特定の実施形態の上記説明に限定されることはなく、本発明の範囲を超えることなく変更が可能である。