(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行機体に装着され、該走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に配置され、旧畦を切り崩して土盛りを行う前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を備え、前記走行機体の走行とともに進行して畦塗り作業を行う畦塗り機において、
前記前処理部は、前記走行機体進行方向に対して前後方向に延びて回転自在に支持された耕耘軸に軸芯方向に所定間隔を有して複数列に設けられ前記耕耘軸とともに回転する耕耘爪を有し、
前記耕耘爪は、この取付基部から連続して延びる縦刃部及び横刃部を有し、前記縦刃部から前記横刃部にかけて前記耕耘軸の回転方向と逆向きに弯曲するとともに、前記横刃部が前記縦刃部に対して一側方へ弯曲し、
複数列に設けられた前記耕耘爪のうち最後列に設けられた耕耘爪の横刃部は、前記耕耘軸の軸芯方向前側へ向いて屈曲し、
前記最後列の耕耘爪には、前記耕耘爪の前記取付基部が装着される取付け部の耕耘爪回転方向前方側を覆うとともに、少なくとも、前記取付基部から前記縦刃部の弯曲した刃縁まで延びる土除去部材が設けられ、
前記土除去部材は、側板部と、前記側板部の端部から屈曲して延びる前板部とを有し、
前記前板部は、基部と、前記縦刃部の弯曲した刃縁に沿って前記基部の端部から屈曲するように延びた先部とを有する、
ことを特徴とする畦塗り機。
走行機体に装着され、該走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に配置され、旧畦を切り崩して土盛りを行う前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を備え、前記走行機体の走行とともに進行して畦塗り作業を行う畦塗り機において、
前記前処理部は、前記走行機体進行方向に対して前後方向に延びて回転自在に支持された耕耘軸に軸芯方向に所定間隔を有して複数列に設けられ前記耕耘軸とともに回転する耕耘爪を有し、
前記耕耘爪は、この取付基部から連続して延びる縦刃部及び横刃部を有し、前記縦刃部から前記横刃部にかけて前記耕耘軸の回転方向と逆向きに弯曲するとともに、前記横刃部が前記縦刃部に対して一側方へ弯曲し、
複数列に設けられた前記耕耘爪のうち最後列に設けられた耕耘爪の横刃部は、前記耕耘軸の軸芯方向前側へ向いて屈曲し、
前記最後列の耕耘爪には、前記耕耘爪の前記取付基部が装着される取付け部の耕耘爪回転方向後方側を覆うとともに、前記取付基部から前記縦刃部の弯曲した峰縁まで延びる土除去部材が設けられている
ことを特徴とする畦塗り機。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係わる畦塗り機の最良の実施形態を
図1〜
図9に基づいて説明する。なお、畦塗り機には、各種のものがあるが、それらのうち、走行機体の走行とともに進行して圃場の隅部まで畦塗り作業を連続的に行うことができる畦塗り機を例にして、以下、説明する。
【0024】
畦塗り機1は、
図1(平面図)に示すように、走行機体90の後部に設けられた三点リンク連結機構(図示せず)に連結されて、走行機体90の前進走行にともなって畦塗り作業を行なうものである。畦塗り機1は、走行機体90に装着されて走行機体90からの動力が入力される入力軸3を備えた装着部10と、装着部10に設けられたオフセットシリンダ4によって装着部10に対して畦塗り機1の幅方向(以下、「左右方向」と記す。)に移動可能なオフセット機構部20と、オフセット機構部20の移動端側(後端側)に垂直方向に延びる回動支点Oを設け、この回動支点Oを回動中心として水平方向に回動可能に配設されて入力軸3から伝達される動力によって走行機体90の走行位置に対して側方にオフセットした位置で作業を行なう作業部50とを有してなる。
【0025】
装着部10は、左右方向に延びるヒッチフレーム11と、ヒッチフレーム11の前側に取り付けられて走行機体90の三点リンク連結機構に連結可能な連結フレーム(図示せず)とを有してなる。
【0026】
オフセット機構部20は、前端側をヒッチフレーム11に回動自在に連結されて後方側へ延びるオフセットフレーム21と、オフセットフレーム21の右側に沿って並設されて前端側がヒッチフレーム11の右側端部に回動自在に連結されたリンク部材25とを有してなる。リンク部材25の後端部は、オフセットフレーム21の後端部に回動自在に設けられた連結部材23に回動自在に連結されている。オフセット機構部20は、オフセットフレーム21、リンク部材25、ヒッチフレーム11及び連結部材23によって平行リンク機構を構成している。
【0027】
オフセットフレーム21は、この後端部とヒッチフレーム11の左側端部との間に枢結されたオフセットシリンダ4の伸縮動作により左右方向に移動可能である。オフセットフレーム21内には動力伝達機構が設けられている。この動力伝達機構は、チェーン伝動機構であり、オフセットフレーム21の後端側に作業部50の回動支点Oと同軸上に回動自在に配設された従動軸29を備えて、走行機体90から入力軸3に伝達された動力を従動軸29に伝達可能に構成されている。
【0028】
従動軸29の下部には、これと同軸上に配置されて下方へ延びる主軸7が連結されている。主軸7は、従動軸29の回転動とともに回転して、作業部50への動力伝達が可能である。主軸7の外側には、主軸7を覆う主軸ケース30(
図2参照)が配設され、この主軸ケース30の上端部はオフセットフレーム21の後端下部に回動可能に連結され、主軸ケース30の下端部には作業部50が固定された状態で取り付けられている。
【0029】
作業部50は、
図2を更に追加して説明すると、連結部材23に繋がるサポートフレーム32と主軸ケース30との間に繋がれた伸縮シリンダ41の伸縮によって回動支点Oに対して回動可能である。また、作業部50は、伸縮シリンダ41の伸縮を規制すると、オフセット機構部20が左右方向に移動しても作業部50の作業方向が走行機体90の進行方向Aと平行になるように保持される。
【0030】
なお、サポートフレーム32は一端部が主軸ケース30に接続され、他端側が作業部50の前処理部61に動力を伝達する前処理動力伝達ケース31の上方をこのケースに沿って延び、サポートフレーム32の先端部は前処理部61を覆うカバー体70に接続されている。
【0031】
作業部50は、詳細は後述するが、圃場の周辺に沿って形成された旧畦の上部を切り崩す天場処理部51と、切り崩した土の土盛りを行なう前処理部61と、盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部80とを有してなる。
【0032】
先ず、整畦部80について説明する。整畦部80は、左右方向に延びて回転動自在に支持された回転軸81に取り付けられた多面体ドラム82と、多面体ドラム82の右側端部に取り付けられて横方向に延びる円筒部83とを有してなる。整畦部80は整畦動力伝達ケース87を介して主軸ケース30に連結されて支持される。整畦動力伝達ケース87内には図示しない整畦側動力伝達機構が内蔵され、この整畦側動力伝達機構は主軸7に繋がって、主軸7からの動力を整畦部80に伝達可能に構成されている。
【0033】
前処理部61は、前処理動力伝達ケース31を介して主軸ケース30に支持されている。前処理動力伝達ケース31内には、図示しない前処理側動力伝達機構が内蔵され、この前処理側動力伝達機構は主軸7に繋がって、主軸7からの動力を前処理部61に伝達可能に構成されている。前処理部61の詳細については後述する。
【0034】
天場処理部51は、
図1及び
図3に示すように、天場動力伝達ケース54を介して前処理部61に支持されている。天場処理部51の回転軸52には複数の耕耘爪53が放射状に取り付けられ、天場処理部51の回転軸52は平面視において旧畦K側に傾斜して配置されている。天場動力伝達ケース54内には図示しない動力伝達機構が設けられ、この動力伝達機構は前処理部61の耕耘軸62(
図4(a)参照)に接続されて前処理部61からの動力を天場処理部51に伝達可能である。
【0035】
天場動力伝達ケース54は天場処理部51の進行方向後方側に配置されて天場処理部51の回転軸52に対して直交する方向に延びる。天場動力伝達ケース54の長手方向一端部は前処理部61の耕耘軸62の先端部に対して上下回動自在に取り付けられている。このため、天場動力伝達ケース54はその一端部を回動中心として上下方向に回動自在である。天場処理部51は、サポートフレーム32との間に設けられた上下位置調整機構部55を介して上下位置調整可能である。
【0036】
次に、前処理部61について説明する。前処理部61は、
図3、
図4(a)、
図4(b)に示すように、前述した耕耘軸62と、耕耘軸62の外周に放射状に取り付けられて耕耘軸62とともに回転する複数の耕耘爪63,64,65を有してなる。前処理部61は、耕耘爪63,64,65の先端部が旧畦K(
図4(b)参照)に対向した位置にあるときに、その先端部が旧畦Kの上部から下部側へ移動する矢印X方向、即ちダウンカット方向に回転する(
図4(b)参照)。
【0037】
耕耘爪63,64,65は、耕耘軸62の軸芯方向前側から後側に所定距離を有して3列に配設され、各列に耕耘軸62の周方向に180度の位相差を有して2本取り付けられている。耕耘爪63,64,65は、耕耘軸62に設けられたホルダ66にボルト67等の締結手段を介して着脱可能に取り付けられている。
【0038】
なお、ホルダ66は、耕耘軸62に対して略直交する方向に延びた状態で取り付けられた取付板68の側面68aに固定されている。ホルダ66は、内部に耕耘爪63,64,65の取付基部63a,64a,65aを挿入可能な挿入孔部を有するとともに、ボルト67の軸部を通す取付孔部を有している。取付板68は、側面視において多角形状に形成され、耕耘軸62を中心として軸対称に形成されている。
【0039】
耕耘爪63,64,65は、
図4(b)に示すように、ホルダ66に取り付けられる取付基部63a,64a,65aから連続して延びる縦刃部63b,64b,65b及び横刃部63c,64c,65cを有し、縦刃部63b,64b,65bから横刃部63c,64c,65cにかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、横刃部63c,64c,65cが縦刃部63b,64b,65bに対して一側方に弯曲して内側にすくい面63d,64d,65dを形成している。縦刃部63b,64b,65bは、耕耘軸62に対して略直交する方向に延びている(
図4(a)参照)。耕耘爪63,64,65の縦刃部63b,64b,65b及び横刃部63c,64c,65cのそれぞれには、略一定幅を有した刃縁部が形成されており、この刃縁部は片刃である。
【0040】
耕耘軸62の前側から後方側に向かって3列に配設された耕耘爪63,64,65のうち、1列目及び2列目の耕耘爪63,64の横刃部63c,64cの先端側は、耕耘軸62の軸芯方向後側に屈曲し、3列目の耕耘爪65の横刃部65cの先端側は、耕耘軸62の軸芯方向前側に屈曲している。また、3列目の耕耘爪65の回転半径R3(
図4(b)参照)は、2列目の耕耘爪64の回転半径R2よりも大径に構成され、2列目の耕耘爪64の回転半径R2は、1列目の耕耘爪63の回転半径R1よりも大径に構成されている。つまり、3列目の耕耘爪65の回転半径R3は、1列目の耕耘爪63及び2列目の耕耘爪64の回転半径と比較して最大の回転半径を有している。
【0041】
なお、前処理部61の耕耘軸62は、
図1に示すように、作業部50が走行機体90の側方の畦塗り作業が可能な作業位置Paに移動すると、耕耘軸62の前側が後側に対して旧畦K側に傾斜した状態になる。
【0042】
このように構成された前処理部61は、
図4(b)に示すように、その耕耘軸62が矢印X方向に回転しながら前処理部61が前進すると、1列目の耕耘爪63、2列目の耕耘爪64及び3列目の耕耘爪65の縦刃部63b,64b,65bが土中に突入して土を切断するとともに、横刃部63c,64c,65cが土中に突入して土を切削して耕起する。この耕起された土は、1列目の耕耘爪63、2列目の耕耘爪64及び3列目の耕耘爪65の横刃部63c、64c、65cのすくい面63d、64d、64dで抱きかかえられて土中から抜け出た後に後述する前処理部61に設けられたカバー体70の内面に沿って案内されて旧畦側に放てきされて整畦部80(
図1参照)に供給される。
【0043】
1列目の耕耘爪63と2列目の耕耘爪64は、耕耘軸62の軸芯方向最後列に配置された3列目の耕耘爪65の回転半径R3よりも小さい回転半径R1,R2を有して構成されているので、畦塗り作業時における耕耘抵抗が確実に分散されて、耕耘振動を比較的に小さくすることができ、安定した畦塗り作業を行うことができる。
【0044】
また、これらの耕耘爪63,64,65は、取付基部63a、64a、65aから連続して延びる縦刃部63b、64b、65b及び横刃部63c、64c、65cを有し、縦刃部63b、64b、65bから横刃部63c、49c、650cにかけて回転方向と逆向きに弯曲するとともに、縦刃部63b、64b、65bに対して横刃部63c、64c、65cが一側方へ弯曲する形状に構成されているため、石等の異物を逃げやすくするので衝撃を受けにくい。このため、これらの耕耘爪63,64,65に石等の異物が接触しても、これらの耕耘爪63,64,65は衝撃を受けにくいので、大きな振動の発生を防止することができる。
【0045】
また、これらの耕耘爪63,64,65は、耕耘軸62が平面視において旧畦K側に傾斜しているため、旧畦Kに対して斜めに切り込みその方向に土を移動させることになるので、土の流れの方向を整畦部側に向けることができる。このため、石等の異物も逃げやすく過負荷の虞も小さく、整畦部80に供給される土の流れがスムースとなり安定した畦塗り作業を行うことができる。
【0046】
さて、3列目の耕耘爪65には、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、この取付基部65aが装着されるホルダ66の耕耘爪回転方向前方側を覆うとともに、取付基部65aから縦刃部65bに沿うように延びる土除去部材75が設けられている。土除去部材75は、3列目の耕耘爪65の縦刃部65bに対向して配置された後述するカバー体70の後板部71の内面に付着する土を取り除くものである。
【0047】
土除去部材75は、板金を折り曲げ等して形成され、ホルダ66の耕耘爪回転方向前方側を覆うとともにホルダ66の厚さ(耕耘軸方向長さ)よりも大きな幅を有して、耕耘爪65の取付基部65aから縦刃部65bの刃縁に沿って延びる。土除去部材75は、
図4(b)、
図5(a)、
図5(b)、
図5(c)、
図5(d)に示すように、側板部76と、側板部76の端部から屈曲して延びる前板部77とを有してなる。
【0048】
側板部76は、平板状に形成され、ホルダ66の前面を覆う側板基部76aと、側板基部76aの一端部から屈曲するようにして延びて耕耘爪65の縦刃部65bの腹部を覆う側板先部76bとを有してなる。側板基部76aは、正面視略矩形状に形成され、その幅はホルダ66の幅よりも大きな寸法を有し、ホルダ66の幅方向一方側端部から他方側の端部を超えてさらに取付板68の回転方向前側端部を超える位置に延びている。側板基部76aの一方側の縁部にはボルトを通すための孔部76a1が設けられている。
【0049】
側板先部76bは、縦刃部65の取付基部65a側を覆うようにして、耕耘爪65の爪長さを爪全長としたときの半分よりも基端側の位置に延びる。側板先部76bの長さを耕耘爪65の先端部まで伸ばさずに爪全長の半分程度としたのは、畦塗り機1の前進にともなって耕耘爪65に供給される土の量が減少するのを防止するためである。
【0050】
前板部77は、側板基部76aの幅方向一端部に繋がって側板基部76aに対して略直交する方向に延びる前板基部77aと、側板先部76bの幅方向一端部に繋がって側板先部76bに対して略直交する方向に延びる前板先部77bとを有してなる。前板基部77a及び前板先部77bは、側面視において略矩形状に形成されている(
図5(d)参照)。前板基部77aの幅は、ホルダ66の幅よりも大きな寸法を有している。前板基部77aは、ホルダ66の進行方向前側の面から後側の面を超え、さらに取付板68を超えてカバー体70の後板部71の内面の近傍位置まで延びている(
図4(a)参照)。この前板基部77aのカバー体70の後板部71側の端面77a2は、直線状に延びて、後板部71に対して所定の隙間78を有して対向配置されている。このため、前処理部61が回転すると、前板基部77aはカバー体70の後板部71に接触することなく回転可能であるとともに、前板基部77aによって後板部71に付着した土を除去することができる。
【0051】
前板先部77bの幅は、前板基部77aの幅と略同一寸法を有して、ホルダ66の幅よりも大きい。前板先部77bは、ホルダ66の進行方向前側の面から後側の面を超え、さらに取付板68を超えてカバー体70の後板部71の内面の近傍位置まで延びている。この前板先部77bのカバー体70の後板部71側の端面77b2は、直線状に延びて、後板部71に対して所定の隙間78を有して対向配置されている。このため、前処理部61が回転すると、前板先部77bはカバー体70の後板部71に接触することなく回転可能であるとともに、前板先部77bによって後板部71に付着した土を除去することができる。
【0052】
前板基部77aの前板先部77b側の内面には、土除去部材75をホルダ66に装着する際の位置決めを容易にする位置決め板79が取り付けられている(
図5(a)、
図5(c)参照)。位置決め板79は、側面視矩形状に形成され、側板基部76aに対して略平行に延びるとともに、位置決め板79と側板基部76aとの間に耕耘爪65が位置するように配設されている。
【0053】
このように土除去部材75が取り付けられた前処理部61の耕耘爪65は、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、その後方側と、旧畦K側と反対側の上部から側部にかけて及ぶ側と、その前方側とがカバー体70によって覆われている。カバー体70は、前処理部61の耕耘爪63,64,65の前方側及び後方側を覆う前板部72及び後板部71と、前板部72及び後板部71に接続されて耕耘爪63,64,65の外周上部から旧畦K側と反対側の側部を覆う円弧状板部73を有してなる。
【0054】
前板部72は、これらの耕耘爪63,64,65の回転軌跡の前方側の周縁部に沿って回転軌跡の上部から旧畦側と反対側に円弧帯状に延び、前板部72の下部は耕耘軸62よりも下方に位置している。後板部71は、これらの耕耘爪63,64,65の回転軌跡の後方側であって旧畦側と反対側の上部から耕耘軸62よりも下方の位置に扇状に延びるように形成されている。
【0055】
円弧状板部73は、前板部72と後板部71の各周縁部との間に接続されて、耕耘爪63,64,65の回転軌跡の外側に沿って耕耘軸62の略真上から旧畦側と反対側を通って耕耘軸62より下方の位置まで延びている。また、円弧状板部73は後側から前側に進むにしたがって耕耘軸62側へ傾斜している。このため、前処理部61が回転すると、耕耘爪63,64,65によって搬送される土は、円弧状板部73の内面に沿って上方へ移動して円弧状板部73の旧畦側端から放てきされる。
【0056】
円弧状板部73は、1列目の耕耘爪63と3列目の耕耘爪65の回転軌跡の外周同士を繋いだ仮想線Lsの延びる方向に沿って設けられている(
図4(a)参照)。このため、これらの耕耘爪63,64,65の回転軌跡と円弧状板部73内面との間の空間を狭くすることができ、傾斜カバー73dの内面側に堆積する土の量を少なくすることができる。
【0057】
次に、土除去部材75をホルダ66に取り付ける方法について説明する。先ず、3列目の耕耘爪65を固定するボルト67をホルダ66から取り外す。ボルト67が取り外された耕耘爪65はホルダ66に挿入された状態のままに維持する。土除去部材75の側板部76を前側に向けた状態で、位置決め板79と側板部76との間にホルダ66が位置するように、土除去部材75をホルダ側に移動させる。
【0058】
位置決め板79と側板部76との間にホルダ66を挿入するように土除去部材75を移動させると、土除去部材75の孔部76a1とホルダ66の挿入孔部とが連通するように土除去部材75の位置を調整する。また耕耘爪65の縦刃部65bの刃部が前板先部77bの内面に接触するように土除去部材75の位置を調整する。そして、ボルト67の頭部がカバー体70の後板部71側に位置するように、取付板68を介してボルト67をホルダ66の後板部71側から挿入する。そして、ホルダ66を介して土除去部材75の側板部76から延出するボルト67の軸部にナット69を螺合して、土除去部材75をホルダ66に締結して、土除去部材75がホルダ66に装着される。
【0059】
次に、このように構成された畦塗り機1によって畦塗り作業を行う場合の土除去部材75の作用について
図1、
図4(a)、
図4(b)を参照しながら説明する。畦塗り機1による畦塗り作業時には、
図1及び
図4(b)に示すように、前処理部61の耕耘爪63,64,65によって圃場の土が耕耘されて旧畦K側に放てきされる。この放てきされた土は、整畦部80(
図1参照)によって旧畦上に塗り付けられて、整形された新畦が形成される。
【0060】
ところで、畦塗り機1が前進すると、前処理部61を覆うカバー体70の進行方向後方側に配設された後板部71の内面には、土が押し付けられて付着する。この付着した土は、3列目の耕耘爪65やこれを保持するホルダ66に接触して、3列目の耕耘爪65やホルダ66が摩耗し易くなる。
【0061】
しかしながら、3列目の耕耘爪65を保持するホルダ66には、前述した土除去部材75が装着されているので、
図4(a)に示すように、土除去部材75によって後板部71に付着した土Sを除去することができる。即ち、前板部77の前板基部77a及び前板先部77bによって、後板部71に付着した土Sをはぎ取って除去することができる。このため、耕耘作業時に、後板部71に付着する土Sを少なくすることができ、3列目の耕耘爪65やこれを保持するホルダ66が摩耗して損傷する事態を未然に防止することができる。
【0062】
なお、前述した実施例では、土除去部材75は、側板部76の長さが耕耘爪65の爪全長の半分程度としたものを示したが、側板部76の長さが耕耘爪65の爪全長と略同一長さを有するものでもよい。この土除去部材100は、
図6(a)及び
図6(b)に示すように、3列目の耕耘爪65を取り付けるホルダ66の耕耘爪回転方向後方側を覆うとともに、耕耘爪65の取付基部65aから縦刃部65b及び横刃部65cの峰縁に沿って延びる。
【0063】
土除去部材100は、
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)を更に追加して説明すると、板金を折り曲げ等して形成され、裏板基部101と、裏板基部101の端部から屈曲して延びる裏板先部105とを有してなる。
【0064】
裏板基部101は、平面視略矩形状に形成され(
図7(a)参照)、裏板基部101の幅はホルダ66(
図6(b)参照)の幅よりも大きな寸法を有している。裏板基部101は、ホルダ66の幅方向一方側端部から他方側の端部を超えてさらに取付板68の回転方向後側端部を超える位置に延びている。裏板基部101の取付板68側の端面101aは、直線状に延びてカバー体70の後板部71の内面に所定距離を有して平行に対向配置されている(
図6(a)参照)。このため、3列目の耕耘爪65が回転すると、耕耘爪65が後板部71の内面に接触することなく、裏板基部101によってホルダ66の回転領域に対向する後板部71の内面に付着した土を除去することができる。従って、ホルダ66が土に接触してホルダ66が摩耗して損傷する虞を防止することができる。
【0065】
裏板基部101の回転方向前側には、土除去部材100をホルダ66に固定するための固定板102が突出して設けられている。固定板102の縁部にはボルト67を通すための孔部102aが設けられている。
【0066】
一方、裏板先部105は、側面視において略長方形状に形成され(
図7(c)参照)、短手方向一方側の辺は直線状に形成され、他方側の辺は一方側の辺側に凹状に湾曲形成されている。裏板先部105の長手方向一端部の短手方向長さhは耕耘爪65の横刃部65cの基端から先端までの先曲げ高さと略同一の寸法を有している。
【0067】
裏板先部105は、3列目の耕耘爪65の峰縁に沿って延びるとともに、縦刃部65b及び横刃部65cに対して略直交する方向に延びて設けられている。また、裏板先部105の短手方向一方側の直線状に延びる端面105aは、カバー体70の後板部71の内面に所定距離を有して平行に対向配置されている(
図6(a)参照)。このため、3列目の耕耘爪65が回転すると、耕耘爪65が後板部71の内面に接触することなく、裏板先部105によって後板部71に付着した土を除去することができる。また、裏板先部105は、耕耘爪65の縦刃部65bの基部から横刃部65cの先端部に亘って延びているので、後板部71に付着した土のうちの、耕耘爪65の回転領域の殆ど全ての領域に対応する土を除去することができる。従って、後板部71に付着した土が耕耘爪65に接触して摩耗する虞を確実に防止することができる。
【0068】
また、前述した実施例では、土除去部材75は、耕耘爪65の縦刃部65bの刃縁に沿って延びるように形成されたものを示したが、
図8に示すように、縦刃部65bの刃縁65eの基端部の周辺まで延びる土除去部材110でもよい。
【0069】
この土除去部材110は、板金を折り曲げ等して形成され、ホルダ66の耕耘爪回転方向前方側を覆うとともにホルダ66の厚さ(耕耘軸方向長さ)よりも大きな幅を有して、耕耘爪65の取付基部65aから縦刃部65bの刃縁の基端部周辺まで延びる。土除去部材110は、
図8、
図9(a)、
図9(b)、
図9(c)、
図9(d)に示すように、側板部111と、側板部111の端部から屈曲して延びる前板部115とを有してなる。
【0070】
側板部111は、平板状に形成され、ホルダ66の幅方向一方側端部から他方側の端部を超えてさらに取付板68の回転方向前側端部を超える位置に延びている。側板部111の一方側の縁部にはボルトを通すための孔部111aが設けられている。
【0071】
前板部115は、側板部111の幅方向一端部に繋がって側板部111に対して略直交する方向に延びてホルダの回転方向前側を覆うとともに、縦刃部65bの刃縁65eの基端部の付近まで延びる。前板部115の幅は、ホルダ66の幅よりも大きな寸法を有している。
【0072】
前板部115は、ホルダ66の進行方向前側の面から後側の面を超え、さらに取付板68を超えてカバー体70(
図4(a)参照)の後板部71の内面の近傍位置まで延びる。この前板部115のカバー体70の後板部71側の端面115aは、直線状に延びて、後板部71に対して所定の隙間を有して対向配置されている。このため、前処理部61が回転すると、前板部115はカバー体70の後板部71に接触することなく回転可能であるとともに、前板部115によって後板部71に付着した土を除去することができる。
【0073】
この土除去部材110の前板部115は、縦刃部65bの刃縁65eの基端部の付近までしか延びていないので、耕耘爪65の縦刃部65b及び横刃部65cの背面に対向するカバー体70の後板部71に付着した土を除去することができない。従って、この後板部71に付着した土が3列目の耕耘爪65の縦刃部65b及び横刃部65cの背面に接触して、耕耘爪65の縦刃部65b及び横刃部65cを摩耗させる虞がある。
【0074】
そこで、3列目の耕耘爪65の縦刃部65b及び横刃部65cの進行方向後側の背面には、縦刃部65b及び横刃部65cの延伸方向に沿って耐摩耗性金属層116が被覆されている。耐摩耗性金属層116は、超硬合金又は耐摩耗性を有するセラミック等を容射又は溶着して形成される。
【0075】
これにより、3列目の耕耘爪65の縦刃部65b及び横刃部65cの耐摩耗性が向上して、3列目の耕耘爪65がカバー体70の後板部71に付着した土に接触しても容易に摩耗することはない。