(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
例えば、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着、及びポリマー多層蒸着のような蒸気コーティング技術は、溶媒を使用せずに様々な材料の薄いコーティングを基材上に蒸着するために使用される。しばしば、これらの技術では、コーティングされる基材に近接して配置された蒸着器具(例えば、ノズル)への蒸気の流れを作り出すために、材料(例えば、有機、有機金属、又は金属)の蒸発が必要とされる。
【0008】
そのような蒸気コーティング技術に使用される現在の蒸発プロセスは、時間経過につれて不安定となり、かつ蒸発速度の変動をもたらすことが知られている。更には、現在の蒸気コーティングシステムにおいて、基材への堆積速度は蒸発速度の関数である。結果的に、蒸発速度の不安定さは時間経過につれて堆積速度の変動につながり、その結果、コーティングの厚さの変化につながる。
【0009】
本開示は、蒸気源(例えば、蒸発器)により生成される蒸気の流れの特徴をモニタリング及び制御するためのシステム及び方法に関する。いくつかの実施形態では、これらのシステム及び方法は、蒸気源における蒸気発生速度(例えば、蒸発速度)が蒸気コーティングチャンバ内における蒸気の堆積速度と切り離されるように、蒸気源によって生成されて蒸気コーティングチャンバ内で基材上にコーティングとして堆積されることになる蒸気の流れをモニタリングする工程及び制御する工程を含む場合がある。このように、本開示のシステム及び方法は、可変の蒸気発生速度に起因する蒸気流における変動を明らかにすることが可能であり、それによって、蒸着速度及びコーティングの厚さの正確な制御を可能にする。
【0010】
本明細書及び添付の実施形態において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。
【0011】
本明細書及び添付の実施形態において使用されるとき、用語「又は」は、その内容が特に明確に指示しない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
【0012】
本明細書で使用するとき、末端値による数値範囲での記述には、その範囲内に包含されるあらゆる数値が含まれる(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5を含む)。
【0013】
特に指示がない限り、明細書及び実施形態に使用されている成分の量、性質の測定値などを表す全ての数は、全ての例において、用語「約」により修飾されていることを理解されたい。したがって、特に指示がない限り、先行の本明細書及び添付の実施形態の列挙に記載の数値的パラメーターは、本開示の教示を利用して当業者により得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、また、請求される実施形態の範囲への同等物の原則の適用を限定する試行としてではなく、少なくとも各数値パラメーターは、報告された有効数字の数を考慮して、そして通常の概算方法を適用することによって解釈されなければならない。
【0014】
本開示の様々な例示的実施形態について、ここで特に図面を参照して説明する。本開示の例示的実施形態は、開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正や変更が可能である。したがって、本開示の実施形態は以下に記述する例示的実施形態に限定されず、請求項及びそれと同等の任意のものに定められた制限によって支配されるものと理解されたい。
【0015】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による蒸気の処理システム2の概略図を図示する。このシステムは、流体経路6によって第1真空チャンバ8及び第2真空チャンバ12に流体連結された蒸気源4を含むことができる。流体経路6は、出口導管6aと、蒸気バイパス導管6bと、蒸気供給導管6cと、を含むことができる。圧力センサー14は、流体経路6に動作可能に連結することができる。蒸気バイパス制御弁16は蒸気バイパス導管6bに配置することができ、蒸気供給制御弁18は蒸気導管6cに配置することができる。このシステムは、圧力センサー14に動作可能に連結されたコントローラ22、並びにバイパス蒸気制御弁16及び供給蒸気制御弁18の一方又は両方を、更に含むことができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、蒸気源4は、液体を蒸発させることが可能な任意の装置として構成することができる。適した蒸気源としては、例えば、加熱された槽、発泡器、噴霧器、サイクロン式蒸発器、超音波蒸発器、ワイプドフィルム蒸発器、ロールフィルム蒸発器、スピニングディスク式蒸発器、回転式蒸発器、多孔性フリット蒸発器、管状蒸発器などが挙げられる。様々な実施形態において、蒸気源4は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる特許及び公開特許(米国特許公開第2008/0108180号(Charlesら)、米国特許公開第2008/0292810号(Andersonら)、米国特許第7,300,538号(Lemmeら)、米国特許第6,245,150号(Lyonsら)、米国特許第4,954,371号(Yializisら)、米国特許第5,653,813号(Benzingら)、米国特許第5,595,603号(Klinedinstら)、米国特許第5,536,323号(Kirlinら)、米国特許第5,431,736号(Boerら)、米国特許第5,356,451号(Cainら)、米国特許第5,558,687号(Cainら)、米国特許第5,951,923号(Horieら)、米国特許公開第2008/0017110号(Kimら)、米国特許公開第2007/0120275号(Liuら)、米国特許第6,089,548号(Plitznerら)、米国特許第6,157,774号(Kominoら)、米国特許第6,958,107号(Clarkeら)、米国特許第6,409,839号(Sunら)、米国特許第6,488,985号(Hondaら))に記載されている蒸気源の1つ以上を含むことができる。本開示は単一の蒸気源4に関して説明されているが、任意の数の追加の蒸気が利用可能であることを理解されたい。例えば、蒸気の混合気が望ましく、単一の蒸気源での蒸気混合気の2つ以上の構成成分の気化が(例えば、変動する蒸気圧曲線、液状での構成成分の非混和性、又は液状での構成成分の望ましくない反応のために)困難である又は実用不可能である実施形態においては、複数の蒸気源4が有用である場合がある。
【0017】
例示的な実施形態では、蒸気源4から供給される蒸気は、モノマー、オリゴマー、樹脂、ワックス、溶剤、有機化合物、有機金属化合物、金属化合物、生物学的に活性な物質、及びこれらの組み合わせを含むことができる。気化に適切なその他の材料としては、エポキシ、ビニルエーテル、(メタ)アクリレート、フッ素含有ポリマー、スチレン含有ポリマー、アセチレン、ポリアミド、アクリルアミド、パリレン、ワックス、フルオロポリエーテル、ポリアミン、ジアリルジフェニルシラン、金属アルコキシド、金属アルキル、シリコーン、油、染料、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、脂質、炭水化物、酵素、核酸、ポリ核酸、薬物、薬物代謝産物、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
様々な実施形態において、蒸気源4によって供給される蒸気(及び/又は蒸気源4に入れられる物として供給される液体又は固体)は、当該技術分野で既知のように、蒸気の処理工程及び/又は、蒸気から形成される凝結又は堆積される材料の特性及び性能に影響を及ぼすために1種類以上の添加剤を含むことができる。例えば、表面張力を下げるために、又は粘性を低減するために、又は重合のような熱誘導反応を抑制するために、又は酸化反応を防ぐために、又はそれらの組み合わせのために、1つ以上の添加剤が含まれる場合がある。蒸気源4によって供給される蒸気から形成される凝結又は堆積される材料に望ましい特性を付与するために、放射線(例えば、UV、可視波長、IR、及びマイクロ波エネルギー)を吸収する及び/又は反応を開始する(例えば、光開始剤、熱開始剤など)1種類以上の添加剤が含まれる場合がある。その他の添加剤としては、着色剤、架橋剤、又は他の、当該技術分野において既知の材料が挙げられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つ以上の反応性及び/又は非反応性のガスと、蒸気源4により生成された蒸気との混合が適している場合がある。これに関して、システム2は、蒸気源4及び/又は流れ経路6にガスの流れを提供するように構成されるガス源24を含むことができる。適した不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。適した反応性のガスとしては、酸素、オゾン、亜酸化窒素、水素、硫化水素、四フッ化炭素、メタン、アンモニア、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0020】
様々な実施形態において、蒸気源4(及び所望によりガス源24)を流体経路6に流体連結することができる。流体経路6は出口導管6aを含むことができ、出口導管6aは、第1端が蒸気源4に流体連結されており、第2端は出口導管6aからの流れを蒸気バイパス導管6bと蒸気供給導管6cとに分離するように二股に分かれている。蒸気バイパス導管6bは第1真空チャンバ8と流体連結して終わることができる。蒸気供給導管6cは第2真空チャンバ12と流体連結して終わることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つ以上の圧力センサーを動作可能に流体経路6と関連付けることができる。圧力センサーは、流体経路6を通じて輸送されている流体の圧力を感知するように位置づけ及び構成され得る。例えば、システム2は、出口導管6aを通じて輸送されている流体の圧力を感知するように位置づけられた圧力センサー14を含むことができる。加えて、又は代わりに、システムは、例えば、蒸気バイパス制御弁16の下流の蒸気バイパス導管6b及び蒸気供給制御弁18の下流の蒸気供給導管6cの一方又は両方に位置づけられる圧力センサーを含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、バイパス蒸気制御弁16は蒸気バイパス導管6bに配置され得、供給蒸気制御弁18は蒸気供給導管6cに配置され得る。概して、弁16、18は、それを通過する流体の流れの1つ以上の特性(例えば、速度、圧力など)を調節することができるように完全に又は部分的に開く又は閉じることができる任意の装置として構成され得る。本明細書において弁の「位置」とも呼ばれる場合のある弁の開/閉の程度は、手動で、又は例えばコントローラ22から受信される信号への応答として自動的に、調節することができる。弁16、18の位置の調節は、機械式、電気式、水圧式、又は空気式、若しくはこれらの組み合わせによって行うことができる。一実施形態では、弁16、18は実質的に同様である場合がある。例えば、弁16、18のそれぞれは、それらの各々の弁の位置が完全な開位置と完全な閉位置との間で連続的に調節可能であり得る(以下においては「連続的に調節可能な制御弁」)。別の実施形態では、弁16、18は異なる構成体である場合がある。例えば、バイパス制御弁16が連続的に調節可能な制御弁である場合があり、供給制御弁18が基本的な開/閉弁として構成される場合がある。更なる実施形態では、システム2はバイパス制御弁16のみを含む場合がある(即ち、供給制御弁18が省かれる場合がある)。
【0023】
様々な実施形態において、1つ以上の加熱要素(図示せず)は、バイパス制御弁16及び供給制御弁18を含む流れ経路6の構成要素のいずれか又は全てと動作可能に関連付けることができる。加熱要素は、例えば、導管6a、6b、6c及び/又は弁16、18の温度をそれらを通じて輸送されている蒸気の凝結点より高い温度に維持することによって導管6a、6b、6c及び/又は弁16、18の壁に蒸気が凝結するのを防ぐために利用され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、システム2は、流体経路6内の流体の流れの1つ以上の特性をモニタリング及び/又は制御することができるように、システム2の1つ以上の構成要素に動作可能に連結されるコントローラ22を含む場合がある。概して、コントローラ22は、システム変数をモニタリングし、システム2の構成要素に特定の機能を実行させるためにそれ自体に命令を有する1つ以上の処理装置(例えば、汎用コンピュータ、プログラム可能なロジックコントローラ、これらの組み合わせなど)として構成され得る。例えば、システム2の1つ以上の構成要素(例えばセンサー)から受信される信号への応答として、システム2の1つ以上の構成要素(例えば弁)を選択的に作動して流体経路6内で所望のプロセス条件(例えば、流量、圧力設定値)を達成/維持するために、命令をコントローラ22に提供することができる。
【0025】
様々な実施形態において、
図1に示すように、コントローラ22を圧力センサー14、バイパス制御弁16、及び供給制御弁18のいずれか又は全てに動作可能に連結することができる。この実施形態では、例えば、流体経路6内の流体圧に関しての圧力センサー14からの信号を受信し、測定された圧力を所定の圧力設定値と比較し、圧力設定値が達成/維持されるようにバイパス制御弁16及び供給制御弁18の一方又は両方を選択的に作動する(例えば、弁の位置を設定/変更する)ために、コントローラ22に命令を提供することができる。このようにして、第1真空チャンバ8及び/又は第2真空チャンバ12に入る蒸気の圧力及び流量のようなシステムの圧力及び流量を正確に制御するようにシステム2を構成することができる。したがって、以下に更に詳細に説明されるように、蒸気源4により供給される蒸気の速度の分断又は摂動を全て補正するようにシステム2を構成することもまた可能である。
【0026】
様々な実施形態において、第1真空チャンバ8は、真空条件下で蒸気の流れを凝結及び収集するように構成された任意の装置を含むことができる。これに関して、第1真空チャンバ8は、蒸気源4から第1真空チャンバ8に輸送される蒸気の流れの成分のいずれか又は全てを凝結するために十分な温度及び圧力で動作され得る。真空圧を達成するために、第1真空チャンバ8を真空ポンプ26のような1つ以上の蒸気源に動作可能に連結することができる。一実施形態では、第1真空チャンバ8は、凝結した蒸気を収集するためにそれ自体に配置されているコレクターを有するコンデンサーを含むことができる。
【0027】
例示の実施形態では、第2真空チャンバ12は、供給導管6cを通じてチャンバ12に導入される蒸気の流れの少なくとも一部分を真空条件下で凝結するように構成された任意の装置を含むことができる。真空圧を達成するために、第2真空チャンバ12を真空ポンプ28のような1つ以上の蒸気源に動作可能に連結することができる。
【0028】
一実施形態では、第2真空チャンバ12は、凝結した蒸気を収集するためのコレクター及び所望により任意の凝結していない蒸気を放出するための出口を含む凝結チャンバ(例えば、真空蒸留チャンバ)を含むことができる。かかる実施形態では、真空チャンバ12内の圧力が供給蒸気導管6cから真空チャンバ12に輸送されている蒸気混合気の1つ以上の成分の蒸気圧以上となる条件(例えば、温度及び圧力)下で第2真空チャンバ12を動作することができる。このようにして、蒸気混合気の1つ以上の成分を蒸気混合気から凝結して取り出し、コレクターに収集することができる。更なる実施形態では、第2真空チャンバ12(例えば、温度及び圧力)の条件は第1真空チャンバ8のそれと異なっている場合がある。この場合、流体経路6を介して真空チャンバ12に輸送されている蒸気混合気の1つ以上の第1成分を凝結し、真空チャンバ12に収集することができ、第1成分と異なる1つ以上の第2成分を凝結し、第1真空チャンバ8に収集することができる。
【0029】
別の実施形態では、
図1に示すように、第2真空チャンバ12は、基材上の蒸気の流れの少なくとも一部分を蒸着するための蒸気コーターを含む場合がある。概して、本開示のシステム2において有用な蒸気コーターは、回転プロセスドラムと、基材(例えば、ロール状のウェブ材料)の巻きを解き、解いた基材をプロセスドラムの表面の上に通過させ、基材を再び巻き取るように構成されている複数のローラーと、を含むことができる。有用な蒸気コーターは、蒸気源と流体連通する蒸気ノズルもまた含むことができ、このノズルは、プロセスドラムの表面の上を基材が通過するにつれて蒸気を基材の表面上に(例えば、凝結、CVD反応、プラズマ蒸着によって)蒸着するように構成される。
【0030】
図1に示すように、一実施形態では、システム2に使用する蒸気コーターは、回転式プロセスドラム36の周囲に基材34を案内するように構成された第1ロール32と、基材を再び巻き取るように構成された第2ロール38と、を含むことができる。蒸気コーターは、回転式プロセスドラム36の表面43に近接して位置づけられた1つ以上の蒸気ノズル42を更に含むことができる。蒸気ノズル42は、基材34がプロセスドラム36の上を通過するにつれてその表面上に蒸気を蒸着/凝結するように構成され得る。これに関して、蒸気ノズル42は、流体経路6に、特定すると蒸気供給導管6cに、流体連結され得る。少なくとも表面43が温度制御されるように伝熱流体循環を回転式プロセスドラム36に提供することにより、基材34上での蒸気の凝結、反応、及び/又は他の形態の蒸着を促進することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、蒸気コーターは、1つ以上の硬化源44を更に含むことができる。硬化源44は、蒸着/凝結に次いで、硬化源44から送達される処置に基材34が曝露され得るように、蒸気コーター内に位置づけることができる。本開示のシステムにおいて有用な硬化源44は、例えば、熱源、紫外線源、電子光線放射源、及びプラズマ放射源の1つ以上を含む。
【0032】
様々な実施形態で、蒸気コーターは、1つ以上の蒸気コーティングプロセスに加えて、他の蒸着プロセスを含むことができる。例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、及びセラミックのような層を堆積するために、スパッタリングの前又は後に1つ以上の蒸着工程を行うことができる。スパッタリングにより堆積するのに適した金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、銀、クロム、銅、及びこれらの組み合わせが挙げられる。スパッタリングにより堆積するのに適した金属酸化物としては、例えば、アルミナ、マグネシア、シリカ、ジルコニア、及びチタニアが挙げられる。
【0033】
本明細書に記載の蒸気コーターでの使用に適した基材34は、紙、高分子材料、金属フォイル、及びこれらの組み合わせなどの、ロール・ツー・ロールで処理可能な可撓性の材料を含む。適した高分子基材としては、種々のポリオレフィン(例えばポリプロピレン)、種々のポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、フルオレンポリエステル)、ポリメチルメタクリレート、及び例えばポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエステルカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリイミド、ビニル、酢酸セルロース、及びフルオロポリマーのような他のポリマーが挙げられる。
【0034】
代替実施形態では、基材34は連続フィルムロールではなく個別の部品である。この個別の部品は、蒸気ノズル42を越えて移動する場合もあれば、コーティングプロセス中に静止している場合もある。適した個別の基材としては、シリコンウェハ、電子装置又は光学装置、ガラス、金属、及びプラスチック部品が挙げられる。
【0035】
本開示は更に、例えば、蒸気源により生成された蒸気の流れをモニタリングする及び制御するなどの、蒸気を処理するための方法に関する。蒸気を処理するための方法は、
図1のシステムの使用により実行することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、正常動作中に蒸気源4からの蒸気を出口導管6aに初期蒸気流量で排出する工程を含む場合がある。蒸気の初期流量は、蒸気源4の流れの蒸気発生速度とほぼ同等であり得る(例えば、蒸気源4により生成される蒸気は出口導管6aに排気され得る)。次いで、蒸気の流れを初期流量で出口導管6aを通じて蒸気バイパス制御弁16及び供給制御弁18に輸送することができる。コントローラ22は、1つ以上の圧力センサー(例えば、圧力センサー14)との連結を介して流体経路6内の位置での蒸気の圧力をモニタリングすることができる。バイパス制御弁16及び供給制御弁18は、初期蒸気流量で流体経路6内の圧力が所定の圧力設定値になるように位置づけることができる。初期蒸気流量でバイパス制御弁16及び供給制御弁18の位置(及び定常温度)が維持されるならば、流体経路6内で圧力設定値を維持することができる。更には、蒸気バイパス導管6b及び蒸気供給導管6cを含む流体経路6を通る蒸気の流量は、実質的に初期値に維持することができる。
【0037】
蒸気源4の蒸気発生速度は変動可能であり、それによって出口導管6a内の、及びしたがってバイパス導管6b及び供給導管6cの蒸気流量及び圧力の一時的な上昇及び低下を引き起こす場合がある。コントローラ22は、例えば、圧力センサー14から受信する信号によりこの蒸気の流れの状態の変化を検出することができる。流れの状態の変化を検出すると、コントローラ22は命令をバイパス制御弁16及び供給制御弁18の一方又は両方に通信して、それらの各々の位置を変更することができる。具体的には、コントローラ22は、蒸気源4が供給する蒸気の流れに変化があっても供給導管6cを通過する蒸気の圧力及び流量が維持されるように(及びしたがってバイパス導管6bを通過する蒸気の圧力及び流量が変化するように)バイパス制御弁16及び供給制御弁18の一方又は両方の位置の調節を引き起こすことができる。コントローラ22は、例えば、流れ系6内の1つの位置で蒸気の圧力が所定の圧力設定値に維持されるようにバイパス制御弁16及び供給制御弁18の一方又は両方の位置を調節することによって、これを達成することができる。このようにして、本開示のシステム及び方法は、バイパス導管6b及び供給導管6cを通過する蒸気の圧力及び流量の正確な制御を可能にすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、コントローラ22は、バイパス制御弁16のみの位置を調節すること(及びしたがって固定された位置に供給制御弁18を維持すること)により、流体経路6(具体的にはバイパス蒸気導管6b及び供給蒸気導管6c)を通過する蒸気の量及び圧力を制御することができる。かかる実施形態では、コントローラ22が蒸気の流れの状態における変化を検出すると、コントローラ22は、供給蒸気導管6cを通過する蒸気の流量及び圧力が維持されるようにバイパス制御弁16の位置を調節することができる。コントローラ22は、例えば、流れ系6内のその位置で蒸気の圧力(例えば、出口導管6a内の圧力)が所定の圧力設定値に維持されるようにバイパス制御弁16の位置を調節することによって、これを達成することができる。蒸気の流れがバイパス制御弁16のみの調節により制御される実施形態では、供給制御弁18を出口弁として構成してもよく、又は省いてもよい。
【0039】
第2真空チャンバ12が蒸気コーターである実施形態では、本開示の方法は、供給導管6cから真空チャンバ12内へ輸送される蒸気の少なくとも一部分を基材上へ蒸着することを更に含む。再び
図1を参照すると、方法は、基材34がドラム表面43と密接に接触するように第1ロール32から基材34を解いてプロセスドラム36の表面43上に巻く工程を含むことができる。プロセスドラム36が回転するにつれて、基材32は蒸気ノズル42を過ぎて移動することができる。蒸気ノズル42は、正確に制御された圧力及び流量で供給導管6cを通じて基材34上に供給される蒸気を投射することができ、蒸気は、例えば、凝結、CVD反応、又はプラズマ蒸着によって、基材34に蒸着され得る。プロセスドラム36が更に回転するにつれて、基材34上に蒸着された凝結した流体は硬化源44を過ぎて移動することができ、硬化源44は、硬化処理を適用し、硬化されたコーティング層を基材上に形成することができる。次いで、コーティングされた基材を第2ロール38に巻き取ることができる。
【0040】
上記に概略を述べた本開示の蒸気モニタリング及び制御方法を利用して、供給導管6c内で輸送されている上記の流量及び圧力を、及びしたがって基材34上への蒸着速度を、蒸気源4から供給される蒸気の速度の変動又は摂動に関わらず、正確に制御することができる。その結果、基材34の長さ範囲にかけて、ごくわずかな厚さの変化で蒸気を基材34上に蒸着することができる。更には、バイパス導管6bを流体経路6内に組み入れることにより、蒸気源4の始動段階及び遮断段階中の蒸気コーターへの蒸気の流れをなくすことができ、それにより、始動段階及び遮断段階中に無駄にされる基材の量を減らすことができる。
【0041】
第2真空チャンバ12が凝結チャンバである実施形態では、本開示の方法は、供給導管6cから真空チャンバ12内へ輸送される蒸気の少なくとも一部分を凝結することを更に含む。例えば、この方法は、蒸気供給導管6cから輸送されている蒸気の成分のいずれか又は全ての蒸気圧より高い圧力で凝結チャンバを動作し、蒸気の少なくとも一部分を凝結し、凝結した蒸気をコレクターに収集する工程を含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、本開示の蒸気処理システム及び方法は、1000ミリトル(0.13kPa)、100ミリトル(0.013kPa)、1ミリトル(0.0001kPa)、0.1ミリトル(1.3kPa)、又は更には0.001ミリトル(1.3kPa)もの低い流体経路6内の圧力で実行され得る。流体経路6内の圧力は、1トル(0.0001kPa)、10トル(1.3kPa)、100トル(13.3kPa)、500トル(67kPa)、又は更には760トル(101.3kPa)もの高い圧力であってもよい。
【0043】
様々な実施形態において、本開示の蒸気処理システム及び方法は、1g/分、0.1g/分、又は更には0.001g/分もの低い蒸気流量で実行することができる。蒸気流量は100g/分、1kg/分、又は更には50kg/分もの高さであってもよい。一実施形態では、蒸気流量は1〜50g/分の範囲である。
【0044】
第2真空チャンバ12が蒸気コーターを含む実施形態では、本開示のシステム及び方法は、毎分10フィート、1フィート、又は更には0.1フィート(毎分3.0メートル、0.3メートル、又は0.03メートル)もの低い基材ライン速度で実行することができる。基材ライン速度は、毎分10フィート、100フィート、又は更には2000フィート(毎分3.0メートル、30.5メートル、又は609.6メートル)もの高い速度であってもよい。一実施形態では、基材ライン速度は、毎分10〜300フィート(毎分3.0〜304.8メートル)の範囲である。
【0045】
第2真空チャンバ12が蒸気コーターを含む実施形態では、本開示のシステム及び方法は、100nm、10nm、又は更には0.1nmもの小さいコーティング厚さを達成することができる。コーティング厚さは、1μm、25μm、又は更には50μmもの大きい厚さであってもよい。一実施形態では、コーティング厚さは0.1〜10,000nm、1〜5000nm、又は10〜1000nmの範囲であり得る。
【0046】
前述したように、本開示のシステム及び方法は、第2真空チャンバ12に入る蒸気の圧力及び流れの正確な制御を可能にし、したがって、第2真空チャンバ12が蒸気コーターを含む実施形態では、基材上への蒸気の蒸着速度の正確な制御を可能にする。このような正確な蒸着速度の制御によって、基材の全長(つまり、基材の長手方向の寸法)にかけて厚さの変化が非常に小さいコーティングの蒸着が可能になる。いくつかの実施形態において、本開示のシステム及び方法は、10フィート、1000フィート、又は更には10,000万フィート(3メートル、304.8メートル、又は更には3,048メートルもの)基材の全長にかけて、20%未満、5%未満、又は更には1%未満のコーティング厚さの変化を有するコーティングされた基材を製造することができる。
【0047】
本開示のシステム及び方法は、例えば、光学フィルム(反射フィルム、抗反射フィルム、吸収フィルム、着色フィルム、光学的可変フィルム、光学フィルタ、光学干渉フィルタ、赤外線反射フィルム)、EMI(電磁干渉)フィルタ、剥離コーティング、透明導電膜、キャパシタ、センサー、ヒートシール包装、及びディスプレイフィルムなどの用途のための単層又は多層フィルムの製造に使用することができる。かかるフィルムの少なくともいくつかの例は、参照により全体が本明細書に組み込まれる以下の特許及び公開特許に説明されている:米国特許第5,018,048号(Shawら)、米国特許第5,811,183(Shawら)、米国特許第5,877,895号(Shawら)、米国特許第6,172,810号(Flemingら)、米国特許第6,815,043号(Flemingら)、米国特許第6,818,291号(Funkenbuschら)、米国特許第6,929,864号(Flemingら)、米国特許第6,357,880号(Epsteinら)、第2005/0037218号(Lottesら)、米国特許第7,449,146号(Rakowら)、米国特許公開第2006/0078700号(Blestosら)、及び第2003/0124392号(Bright)。
【0048】
本開示のシステム及び方法は、更に、例えば金属又は金属酸化物の追加層と組み合わせたときに酸素及び水蒸気のようなガスの透過を制限するコーティングされた基材を製造するために使用することもできる。かかるバリアフィルム及びバリアフィルムの調製のためのプロセスは、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる以下の特許及び公開特許に説明されている:米国特許第5,440,446号(Shawら)、米国特許第5,725,909号(Shawら)、米国特許第6,231,939号(Shawら)、米国特許第6,420,003号(Shawら)、米国特許第4,647,818号(Ham)、米国特許第4,696,719号(Bischoff)、米国特許第4,842,893号(Yializisら)、米国特許第4,954,371号(Yializis)、米国特許第5,032,461号(Shawら)、米国特許公開第2002/0022156号(Bright)、米国特許第7,018,713号(Padiyathら)、米国特許公開第2004/0202708号(Roehrigら)、米国特許公開第2005/0037218号(Lottesら)。そのような耐水性及び耐酸素性バリアフィルムは、例えば、食品及び薬品のための包装材として、及び環境の影響を受けやすい電子装置の保護のために、多くの製品の製造において有用である。環境の水分及び酸素に曝露されたときに劣化する電子装置は、装置をガラスで囲うことによって曝露から保護されることが多い。本明細書に開示されたプロセスによって製造されるバリアフィルムの特に有用な用途は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、発光ポリマー(LEP)、エレクトロクロミック、電気泳動インク、無機エレクトロルミネッセンス素子、燐光デバイスなどの電子ディスプレイ及び看板装置のための保護を含む。本開示のシステム及び方法によって少なくとも部分的に製造されるバリアフィルムのための他の有用な用途には、太陽電池、太陽光発電、マイクロエレクトロニクス、有機マイクロ電子デバイス(OMED)、ナノデバイス、及びナノ構造物の保護が含まれる。かかるバリアフィルムの更に他の有用な用途としては、生物活性物質及び分析又は分離に用いられる生物活性マイクロ電子デバイスの分析測定に使用されるような生物活性デバイスが挙げられる。環境の水分及び酸素に対するバリアを提供することに加えて、バリアフィルムは可撓性であり得、可撓性のディスプレイ、電気デバイス、及び生物活性デバイスの製造を可能にする。
【実施例】
【0049】
本開示の動作を、次の詳細な実施例に関して更に説明する。これらの実施例は、種々の具体的なかつ好ましい実施形態及び技術を更に例示するために提供するものである。しかしながら、本開示の範囲内で多くの変更及び修正がなされてもよいことが理解されるべきである。
【0050】
(実施例1〜5)
以下のように、二官能性アクリレートモノマーのコーティング前駆体溶液(SartomerのSR833S)と、(参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2010/0168434号に概ね記載されているような)重合阻害剤250ppmと、を気化し、基材(2ミル(51μm)のPET、幅14インチ(356mm))上に被覆幅12.5インチ(318mm)でコーティングした。
【0051】
温度制御された供給槽にコーティング前駆体溶液を入れ、100℃まで予め熱した。本開示に概ね説明されているように、液流コントローラを使用し、毎分8.0mLの速度でコーティング前駆体溶液を供給槽から蒸気源に供給した(蒸気源のタイプはコーティングの性能に評価可能な影響を持たないものとみなされる)。コンデンサー(−10℃で動作されている)に接続するバイパス導管と、蒸気コーターの蒸気ノズルに接続する供給導管(本開示の
図1を参照して説明した蒸気コーターと同様の構成である)との2本のチャネルに蒸気の流れを分岐する流体導管に、蒸気源から蒸気を排出した。蒸気制御弁(Emerson Process ManagementのFieldVUE DCV2000 Digital Valve Controller付きBaumann 81000 Mikroseal Control Valve)をバイパス導管内に提供し、遮断弁を供給導管に提供した。バイパス導管及び供給導管、遮断弁、並びに蒸気制御弁を含む流体導管を181℃に熱した。MKS Baratron静電容量圧力計を使用して、(バイパス導管及び供給導管の上流の)流体導管内の蒸気の流れの圧力を測定した。圧力計はプロセス制御のためのフィードバックを蒸気制御弁に供給した。
【0052】
一定のライン速度(毎分16フィート(毎分4.9m))で移動している基材上に、ノズルからコーティング前駆体を排出した。プロセスドラムの温度は0℃に維持した。その後、硬化を生じさせるために、9.0kV及び4.0mAで動作する電子光線の下に基材を通過させた。流体導管内の蒸気圧を調節するために蒸気制御弁を用いてコーティング厚さを制御した。蒸気制御弁は、流体導管の圧力設定値を維持するようにプログラムし、表1に記載のように、異なる圧力設定値を選択した。直結の分光光度計を用い、下流の場所でコーティング及び基材の伝達及び反射率を測定した。分光高度計を用い、400〜850nmのスペクトルにわたっての干渉の最大値及び最小値の場所に基づいて厚さを決定した。
【0053】
【表1】
【0054】
図2は、実施例1〜5で観察された平均コーティング厚さ対圧力設定値のプロットを示す。蒸気圧とコーティング厚さとの直線関係を観察した。
厚さ(マイクロメートル)=0.0125
*(蒸気圧)−0.4118 (R
2=0.9959)
【0055】
(実施例6)
4重量%のN−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン(Gelest)を前駆体配合に加えたことを除き、実施例1〜5のように、二官能性アクリレートモノマーのコーティング前駆体溶液(SR833S)と250ppmの重合阻害剤とを、気化し、基材(2ミル(51μm)のPET、幅14インチ(356mm))上に被覆幅12.5インチ(318mm)でコーティングした。電子光線は7.0kV及び3.0mAで動作させ、蒸気制御弁は圧力を95ミリトル(0.012kPa)に維持するように操作した。
【0056】
図3は、実施例6で観察された蒸気圧及び測定したコーティング厚さの両方を、長手方向又はウェブ下流方向の基材ウェブの位置の関数としてプロットした図である。平均厚さは771nmであり、標準偏差は14.8nmであった。分散係数(COV)は、蒸発源への液体流量のCOVよりも実質的に低い0.019であった(液体流量平均値7.90mL/分、標準偏差0.334mL/分、COV 0.042)。これは、蒸気制御弁が液体の入力流量における変化に対するコーティング厚さにおける変化を実質的に低減したことを実証している。
【0057】
本発明の他の実施形態は、付属の請求項の範囲内である。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[20]に記載する。
[1]
蒸気処理システムであって、
蒸気を生成するための蒸気源と、
前記蒸気源からの蒸気を運ぶために前記蒸気源に接続されている出口導管であって、前記蒸気源の下流で蒸気バイパス導管と蒸気供給導管とに分かれる、出口導管と、
前記バイパス導管に配置された第1蒸気制御弁と、
前記バイパス導管に接続されている、前記第1蒸気制御弁の下流に配置された第1真空チャンバと、
前記供給導管に接続されている第2真空チャンバと、
前記第1真空チャンバへの蒸気の流れを制御するように、前記第1真空制御弁に動作可能に連結されたコントローラと、
を備える、蒸気処理システム。
[2]
前記第2真空チャンバの上流で前記供給導管に位置づけられている、前記コントローラに動作可能に連結された、第2蒸気制御弁を更に備え、前記コントローラが前記第1及び第2の蒸気制御弁の一方又は両方を通じて蒸気の流れを制御することができる、項目1に記載のシステム。
[3]
通常は全開又は完全閉鎖のいずれかであるタイプの、前記第2真空チャンバの上流の前記供給導管に位置づけられている第2弁を更に備える、項目1に記載のシステム。
[4]
前記システムが、前記コントローラに動作可能に連結され、前記出口導管の圧力を感知するように構成された、圧力センサーを更に備え、前記コントローラが、更に、前記圧力センサーにより感知された圧力に少なくとも部分的に基づいて一方の蒸気制御弁又は両方の蒸気制御弁の位置を選択的に変えるように構成された、項目1〜3のいずれかに記載のシステム。
[5]
前記第2真空チャンバが、基材上に前記蒸気の少なくとも一部分を蒸着するための蒸気コーターを備える、項目1〜4のいずれかに記載のシステム。
[6]
前記蒸気コーターが、
温度制御された表面と、
前記蒸気供給導管に接続され、前記温度制御された表面に近接して配置された、蒸気分配ノズルと、
前記温度制御された表面の周囲のウェブの形状をした前記基材を過ぎて移動するように構成された複数のローラーと、
を備える、項目5に記載のシステム。
[7]
前記蒸気コーターが、更に、前記蒸気から前記基材表面上に蒸着された液体モノマー又はオリゴマーの重合を開始するように構成された硬化源を備え、かつ、前記硬化源が、紫外線放射源、電子光線放射源、プラズマ放射源、及び熱源からなる群からの1つ以上を備える、項目6に記載のシステム。
[8]
前記第2真空チャンバが、更に、前記蒸気の少なくとも一部分を凝結するための凝結チャンバを備え、前記真空凝結チャンバが、凝結した蒸気を収集するためのコレクターを備える、項目1〜7のいずれかに記載のシステム。
[9]
前記第1真空チャンバがコンデンサーを備え、前記コンデンサーが、凝結した蒸気を収集するためにコレクターを備える、項目1〜8のいずれかに記載のシステム。
[10]
前記第1真空チャンバが、前記第2真空チャンバの動作温度及び/又は圧力と異なる温度及び/又は圧力で動作される、項目1〜9のいずれかに記載のシステム。
[11]
前記蒸気が、エポキシ、ビニルエーテル、(メタ)アクリレート、フッ素含有ポリマー、スチレン含有ポリマー、アセチレン、ポリアミド、アクリルアミド、パリレン、ワックス、フルオロポリエーテル、ポリアミン、ジアリルジフェニルシラン、金属アルコキシド、金属アルキル、シリコーン、油、色素、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、脂質、炭水化物、酵素、核酸、ポリ核酸、薬物、薬物代謝産物、及びこれらの組み合わせがからなる群から選択される1つ以上の材料を含む、項目1〜10のいずれかに記載のシステム。
[12]
蒸気の処理方法であって、
前記蒸気源からの蒸気を前記蒸気源に接続された導管に排出する工程であって、前記導管が前記蒸気源の下流で蒸気バイパス導管と蒸気供給導管との2本の導管に分かれる、工程と、
前記バイパス導管に配置された第1蒸気制御弁、前記第1蒸気制御弁に動作可能に接続されたコントローラ、前記バイパス導管に接続されて前記第1蒸気制御弁の下流に配置される第1真空チャンバ、及び前記供給導管に接続された第2真空チャンバを提供する工程と、
前記第1蒸気制御弁の操作により前記バイパス導管を通過する蒸気の流れを制御する工程と、
を含む、方法。
[13]
前記第2真空チャンバの上流で前記供給導管に第2弁もまた提供され、前記方法の一部を実行中に、前記第2弁を閉じることにより前記供給導管内の蒸気の流れが防がれる、項目12に記載の方法。
[14]
前記第2真空チャンバが蒸気コーターを備え、前記蒸気コーターが、温度制御された表面と、前記蒸気供給導管に接続され前記温度制御された表面に近接して配置された蒸気分配ノズルと、
前記温度制御された表面の周囲を基材ウェブが過ぎて移動するように構成された複数のローラーと、を備え、更に、
前記分配ノズルから前記蒸気を排出する工程、及び
前記基材ウェブの表面上に前記蒸気を蒸着してコーティングを形成する工程を含む、
項目12又は13に記載の方法。
[15]
前記蒸気が、凝結、化学蒸着、及びプラズマ蒸着からなる群から選択される1つ以上の方法により前記基材ウェブの表面上に蒸着される、項目14に記載の方法。
[16]
前記コーティングを硬化する工程を更、に含む、項目14又は15に記載の方法。
[17]
前記コーティングが、0.01〜1.0μmの平均厚さで蒸着される、項目14〜16のいずれかに記載の方法。
[18]
前記第1及び第2の真空チャンバの動作温度及び/又は圧力条件が異なり、かつ前記第1真空チャンバの条件が前記蒸気の1つ以上の成分を前記第1真空チャンバ内で凝結すること及び収集することを引き起こす、項目12又は13のいずれかに記載の方法。
[19]
前記第2真空チャンバが前記蒸気の少なくとも一部分を凝結するための真空蒸留チャンバを更に備える方法が、更に、凝結した蒸気を前記真空蒸留チャンバ内のコレクターに収集する工程を含む、項目12又は13のいずれかに記載の方法。
[20]
窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、酸素、オゾン、亜酸化窒素、水素、硫化水素、四フッ化炭素、メタン、アンモニア、及びそれらの組み合わせから選択されるガスを前記導管内の蒸気に添加する工程を更に含む、項目12又は13のいずれかに記載の方法。