特許第6559446号(P6559446)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559446回路パターンの断線及び短絡の検査方法及び検査用配線パターンを有するプリント基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559446
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】回路パターンの断線及び短絡の検査方法及び検査用配線パターンを有するプリント基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20190805BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20190805BHJP
   H05K 3/40 20060101ALI20190805BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20190805BHJP
   G01R 31/02 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   H05K3/00 T
   H05K1/11 Z
   H05K3/40 Z
   H05K1/02 J
   G01R31/02
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-51663(P2015-51663)
(22)【出願日】2015年3月16日
(65)【公開番号】特開2016-171270(P2016-171270A)
(43)【公開日】2016年9月23日
【審査請求日】2018年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229818
【氏名又は名称】日本フイルコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117145
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 純
(72)【発明者】
【氏名】漢人 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】冨田 めぐみ
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−043024(JP,A)
【文献】 特開昭62−274687(JP,A)
【文献】 特開平08−292224(JP,A)
【文献】 特開2000−353865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/00
H05K 1/02
H05K 1/11
H05K 3/40
G01R 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板上に形成された回路パターンにおける電気的に独立して形成された複数の配線を第一検査用配線パターンと第二検査用配線パターンによって回路パターンの断線及び短絡を検査する検査方法において、前記第一検査用配線パターンは回路パターンの中心に位置する基準配線より並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続して形成され、前記第二検査用配線パターンは前記基準配線に隣接する配線より並列に並ぶ複数の配線を1本おきに前記第一検査用配線パターンが接続していない他の配線と電気的に直列接続して形成され、前記第一検査用配線パターンは、検査用電極パッドを基準配線の片端部に接続し、更に基準配線の他端部が基準配線に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、更に前記外側の配線の他端部と基準配線の他方側に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、このような接続の繰返しにより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されており、また、前記第二検査用配線パターンは、基準配線に隣接する配線の端部に検査用電極パッドが接続され、かつ検査用電極パッドの接続は第一検査用配線パターンにおける検査用電極パッドが接続された基準配線の端部とは反対側に接続され、前記第一検査用配線パターンと同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成され、前記第一検査用配線パターン及び第二検査用配線パターンの両端部に接続された四箇所の検査用電極パッドが、プリント基板上における同縁側に集めて形成され、前記第一検査用配線パターンの両端部及び前記第二検査用配線パターンの両端部を導通検査することによって断線検査をし、前記第一検査用配線パターンの片端部と前記第二検査用配線パターンの片端部を導通検査することによって短絡検査を行うことを特徴とする回路パターンの断線及び短絡の検査方法。
【請求項2】
第一検査用配線パターンと第二検査用配線パターンによって回路パターンの断線及び短絡の検査を行うことができるプリント基板において、当該プリント基板上には並列に並んだ複数の配線により回路パターンが形成されており、前記第一検査用配線パターンは回路パターンの中心に位置する基準配線の片端部に検査用電極パッドが接続されており、基準配線の他端部が前記基準配線に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、更に前記外側の配線の他端部と基準配線の他方側に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、このような接続の繰返しにより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されており、前記第二検査用配線パターンは、基準配線に隣接する配線の端部に検査用電極パッドが接続され、かつ検査用電極パッドの接続は第一検査用配線パターンにおける検査用電極パッドが接続された基準配線の端部とは反対側にされ、前記第一検査用配線パターンと同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成され、前記第一検査用配線パターン及び第二検査用配線パターンの両端部に接続された四箇所の検査用電極パッドがプリント基板上における同縁側に集めて形成されていることを特徴とする検査用配線パターンを有するプリント基板。
【請求項3】
前記第一検査用配線パターン及び第二検査用配線パターンの端部に接続された四箇所の検査用電極パッド及び検査用配線パターンにおける複数の配線の端部を接続する箇所は、プリント基板上における回路パターンが形成された領域の外側に設置されていることを特徴とする請求項に記載された検査用配線パターンを有するプリント基板。
【請求項4】
前記四箇所の検査用電極パッド及び検査用配線パターンにおける複数の配線の端部同士の接続されている箇所が切断された請求項に記載された検査用配線パターンを有するプリント基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板上に形成された配線の導通検査及び短絡検査を、従来より少ない検査工程により可能となる回路パターンの断線及び短絡の検査方法に関する。また、本発明は、プリント基板上に形成された回路パターンの断線及び短絡を、従来より少ない回数の導通検査で検出することができる断線及び短絡検査用配線パターンを有するプリント基板に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板は、集積回路等の電子部品を表面に固定し、その部品間を配線で接続することで電子回路を構成する板状またはフィルム状の部品である。例えば、タッチパネルのタッチセンサー用の電極配線等の如く、プリント基板上に電子回路等の回路パターンが形成されているが、製造工程におけるプリント基板の欠損、割れ、打痕傷、回路プリント印刷のずれ、ボイド、クラック、デラミネーション等によって、回路パターンに断線や短絡が発生することが知られている。また、タッチパネルのタッチセンサーとして用いられる電極配線については、近年、細線化の要求が高く、加工時における断線の発生や短絡の発生がより生じやすくなることも知られている。そのためプリント基板上に形成された回路パターンについて、断線欠陥の検査(以下、導通検査)や、短絡欠陥の検査(以下、短絡検査)を行う必要があるが、回路パターン等の配線はプリント基板上に多数独立した形態で配置されるため、検査に多大な労力と時間を要していた。
またプリント基板を製造する技術分野において、近年、製造物の欠陥により生じた損害についての製造物責任に対する意識が高まっているため、回路パターンの導通検査及び短絡検査を高精度で行う工程が必須となっている。
従来より、回路パターンの導通検査や短絡検査として、種々の技術が知られていた。例えば、規則から外れたパターン形状部を目視で欠陥認定する目視検査や、上方から光を照射して正反射光を検出し段線を検出する照明検査や、回路パターンにおける電気的に独立したパターンにおける2箇所にピンを立ててテスターで計測するテスター測定法や、電気的に独立したパターン上に配線パターンを形成し、その端部を回路パターンの外周部まで延伸し、その端部をテスターで計測する配線パターン検査法等が知られていた。
【0003】
上記の検査方法は、いずれも一長一短がある。例えば目視検査においては、従業者が視覚により欠陥を抽出するために熟練した技能が必要とされる。また、照明検査やピンを形成したテスター測定法はコスト高となり、比較的に広い検査スペースが必要になる等、多くの問題点が指摘されている。
そこで、コストや検査スペースの問題が比較的少ない配線パターン検査法によって回路パターンの導通検査や短絡検査が行われることも多くなってきている。すなわち、独立して配置された回路パターン上に電気的に直列接続させた検査用の配線パターンを形成し、検査パターンの端部同士をテスターにより計測する導通検査が行われている。
特に近年、タッチパネルのタッチセンサー用の電極配線が形成されたプリント基板が数多く製造されている。このようなタッチセンサーは、表示画面上で指等が触れた位置をセンサーで電気信号化する必要があり、多数のセンサ用の電極がグリッド状に配置されるため、多数の配線が等間隔で並列に配置されている。
このような、電気的に独立して配置された回路パターンの断線及び短絡を効率的に検査するためには、回路パターン上に一筆書き(検査用の配線パターンが連接して形成された状態である。配線の端部は二箇所のみとなる。)のものが知られている。例えば、特許文献1には、タッチパネルのタッチセンサーの電極配線の導通検査に使用される検査方法が開示されている。かかる特許文献1には、隣接する回路パターンの端部同士を接続し、実質的に一筆書きの配線パターンを形成する検査方法が開示されている。また、特許文献2には半導体集積回路の平面の回路パターン上に一筆書きで配線パターンを形成する検査方法が開示されている。
【0004】
上記の検査方法は、一回の導通検査で回路パターンの断線を検出することができ、検査後、配線パターンの両端にある検査用電極パッドが形成されている領域を切断することによって、検査後の回路パターンが形成されたプリント基板を出荷できる点で優れている。また、上述した目視検査の如く熟練した技能は不要であるし、照明検査やテスター測定法に比較してコストも低廉であり、検査スペースも極小化できる点で優れている。しかし、特許文献1及び2に開示された一筆書きの配線パターンを形成する検査方法は、断線のみを検出することはできるが、隣接するパターン間における短絡を検出することは不可能であった。
ここで、配線の断線欠陥や短絡欠陥の導通検査を効率的に行う方法として、特許文献2には、二筆書きで検査用配線パターンを形成する方法が開示されている。しかし、特許文献2に開示された検査方法では、同じ検査用配線パターンが隣接する箇所で生じる短絡欠陥を検出することができなかった。そして、同じ検査用配線パターンが隣接する箇所における短絡欠陥の検査については、一箇所ずつテスターを使って短絡の検査を行う必要があり、全ての配線間の短絡検査を一度に行うことができないという問題点があった。
【0005】
上記従来技術の問題点を解決するために、本発明者は、検査用配線パターンを単に増加させるだけでは、断線と短絡を完全に検出することは困難であることを見出した。すなわち、図3は一筆書きの検査用配線パターンP1を示す平面概念図であるが、図3に示された斜線の部分において短絡が発生していても二箇所の検査用電極パッド31,32を使用して短絡を検出することは不可能である。そのため上述の検査方法に加えて、別途短絡を検出する検査を行わなければならないという問題点があった。
そこで、検査用配線パターンの増加が検討できる。しかし、図4に示すような二筆書きで検査用配線パターンP2,P3を形成することによって、並列に配置された配線間において検査用電極パッド33と34及び35と36を使用しても、斜線で示した約半数の配線間における短絡を検出できないことが分かった。そして三筆書き、四筆書きと検査用配線パターンを増設することにより、断線と共に短絡を検出できる割合は上がるが、全配線間の短絡を完全に検出することができないし、検査工程も増えることが分かった。
例えば、図5に示すような五筆書きで検査用配線パターンP4〜P8を形成した場合、検査用配線パターンP4の両端における検査用電極パッド41と42、検査用配線パターンP5の両端における検査用電極パッド43と44、検査用配線パターンP6の両端における検査用電極パッド45と46、検査用配線パターンP7の両端における検査用電極パッド47と48、検査用配線パターンP8の両端における検査用電極パッド49と50を使用しても、斜線で示した5箇所において短絡を検出することができない。すなわち、五筆書きで検査用配線パターンを形成した場合は、断線と短絡についての検査工程は9回必要となり、検出率は約80%となることが分かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−187292号公報
【特許文献2】特開2007−59572号公報
【特許文献3】特開2014−232417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、並列に配置された複数の配線により回路パターンが形成されているプリント基板において、回路パターンの断線及び短絡を、従来の検査方法より少ない工程で完全に検出することができる検査方法及びプリント基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)プリント基板上に形成された回路パターンにおける電気的に独立して形成された複数の配線を第一検査用配線パターンと第二検査用配線パターンによって回路パターンの断線及び短絡を検査する検査方法において、前記第一検査用配線パターンは回路パターンの中心に位置する基準配線より並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続して形成され、前記第二検査用配線パターンは前記基準配線に隣接する配線より並列に並ぶ複数の配線を1本おきに前記第一検査用配線パターンが接続していない他の配線と電気的に直列接続して形成され、前記第一検査用配線パターンの両端部及び前記第二検査用配線パターンの両端部を導通検査することによって断線検査をし、前記第一検査用配線パターンの片端部と前記第二検査用配線パターンの片端部を導通検査することによって短絡検査を行うことを特徴とする回路パターンの断線及び短絡の検査方法である。
ここでプリント基板とは、ガラスエポキシ基板やセラミックス基板等に代表されるリジッド基板だけでなく、ポリイミドやポリエステル等のフィルム状の基板も含む。
このような構成を採用することによって、第一検査用配線パターンの両端部をテスターにより測定し、回路パターンの断線の有無を検査することができる。また、同様に第二検査用配線パターンの両端部をテスターにより測定し、回路パターンの断線の有無を検査することができる。次に、第一検査用配線パターンの一端部と、第二検査用配線パターンの一端部をテスターにより測定し、回路パターンにおける短絡の有無を検査することができる。従って、1台のテスターによる3回の導通検査によって、断線と短絡といった電気的欠陥を検出することが可能となる。
【0009】
(2)前記第一検査用配線パターンは、検査用電極パッドを基準配線の片端部に接続し、更に基準配線の他端部が基準配線に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、更に前記外側の配線の他端部と基準配線の他方側に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、このような接続の繰返しにより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されており、また、前記第二検査用配線パターンは、基準配線に隣接する配線の端部に検査用電極パッドが接続され、かつ検査用電極パッドの接続は第一検査用配線パターンにおける検査用電極パッドが接続された基準配線の端部とは反対側に接続され、前記第一検査用配線パターンと同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成されていることを特徴とする上記(1)に記載された回路パターンの断線及び短絡の検査方法である。
本発明において渦巻形状とは、中心から旋回しつつ遠ざかる形態を示している。曲線に限られるものではなく、一般的な回路パターンにおいては、一般的には角状に旋回しながら中心部から遠ざかる形態を示す。
また検査用電極パッドは、導通検査に用いる測定器を接続するために第一検査用配線パターン及び第二検査用配線パターンの両端に形成された端部に形成される。
【0010】
(3)第一検査用配線パターンと第二検査用配線パターンによって回路パターンの断線及び短絡の検査を行うことができるプリント基板において、当該プリント基板上には並列に並んだ複数の配線により回路パターンが形成されており、前記第一検査用配線パターンは回路パターンの中心に位置する基準配線の片端部に検査用電極パッドが接続されており、基準配線の他端部が前記基準配線に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、更に前記外側の配線の他端部と基準配線の他方側に隣接する配線の外側の配線における近接する片端部に接続され、このような接続の繰返しにより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されており、前記第二検査用配線パターンは、基準配線に隣接する配線の端部に検査用電極パッドが接続され、かつ検査用電極パッドの接続は第一検査用配線パターンにおける検査用電極パッドが接続された基準配線の端部とは反対側にされ、前記第一検査用配線パターンと同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成されていることを特徴とする検査用配線パターンを有するプリント基板である。
【0011】
(4)前記第一検査用配線パターン及び第二検査用配線パターンの端部に接続された四箇所の検査用電極パッド及び検査用配線パターンにおける複数の配線の端部を接続する箇所は、プリント基板上における回路パターンが形成された領域の外側に設置されていることを特徴とする上記(3)に記載された検査用配線パターンを有するプリント基板である。
(5)前記四箇所の検査用電極パッドが、プリント基板上における同縁側に集めて形成されていることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載された検査用配線パターンを有するプリント基板である。
ここで、基板上における同縁側とは、平面視四角形の基板における4つある辺のうち、一辺のことである。すなわち、同縁側に全ての検査用電極パッドを集中させることによって、テスターを使用した導通検査の利便性が飛躍的に向上することが期待できる。
(6)前記四箇所の検査用電極パッド及び検査用配線パターンにおける複数の配線の端部同士の接続されている箇所が切断された上記(4)又は(5)に記載された検査用配線パターンを有するプリント基板である。
断線及び短絡の検査後の基板について、検査用配線パターンの電気的接続を解消し、不要となった検査用電極パッドを排除することにより、検査機能を除去し、電子回路等の回路パターンのみが形成された基板を製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る回路パターンの断線及び短絡の検査方法及び検査用配線パターンを有するプリント基板は、並列に配置された複数の配線により回路パターンが形成されているプリント基板において、従来の工程よりも少ない工程によって回路パターンの断線及び短絡を完全に検出することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1参考例に係る検査用配線パターンを有するプリント基板を示す平面図である。
図2】本発明に係る検査用配線パターンを有するプリント基板を示す平面図である。
図3】一筆書きの配線パターンを有する従来のプリント基板を示す平面概念図である。
図4】二筆書きで検査用配線パターンを形成したものを示す平面概念図である。
図5】五筆書きで検査用配線パターンを形成したものを示す平面概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に則して本発明の実施形態を説明する。以下に示す実施形態は、本発明の例示であるため、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
参考例
図1は、本発明に係る参考例を示す平面図である。
図1に示す如く、参考例1に係る基板10上には、電気的に独立して形成された複数の配線7a〜7nからなる回路パターンが形成されている。図1に示す回路パターンは、タッチパネルのタッチセンサーに使用されるものである。図1に示す如く、第一検査用配線パターン1は、回路パターンの中心に位置する基準配線7hより,並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続して形成されている。具体的には、基準配線7hは、基準配線7hに隣接する配線7gの外側の配線7fに直列接続している。次いで、配線7fは7jに直列接続し、更に7d、7l、7b,7nの順に直列接続されている。このように第一検査用配線パターン1は、並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されている。
また、図1に示す如く、第二検査用配線パターン2は、前記基準配線7hに隣接する配線7gより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続している。具体的には、7g、7i、7e、7k、7c、7m、7aの順に直列接続されている。第二検査用配線パターン2も、第一検査用配線パターンと同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成されている。
【0015】
第一検査用配線パターン1と第二検査用配線パターン2の両端部には、検査用電極パッドが形成されている。具体的には図1に示す如く、第一検査用配線パターン1の両端部に、検査用電極パッドA1及びA2が形成されている。更に、第二検査用配線パターン2の両端部に、検査用電極パッドB1及びB2が形成されている。ここで、第二検査用配線パターン2に接続される検査用電極パッドB2は、基準配線7hに隣接する配線7gの端部に検査用電極パッドB2が接続され、かつ検査用電極パッドB2は第一検査用配線パターン1における検査用電極パッドA2が接続された基準配線7hの端部とは反対側にされている点に特徴を有する。
検査用電極パッドA1、A2、B1、B2はプリント基板10上に形成されるが、図1に示す如く、回路パターンが形成された一点鎖線で示された領域Tの外側に設置されるのが好ましい。また、プリント基板10を領域Tで切断することによって、検査用電極パッドA1、A2、B1、B2及び検査用配線パターン1,2における複数の配線の端部同士の接続されている箇所が切り離されたプリント基板を製造することもできる。
このような構成を採用することによって、第一検査用配線パターンの両端部A1及びA2をテスターにより導通検査することにより、回路パターンの断線の有無を検査することができる。また、同様に第二検査用配線パターンの両端部B1及びB2をテスターにより導通検査することにより、回路パターンの断線の有無を検査することができる。更に、第一検査用配線パターンの一端部A1と、第二検査用配線パターンの一端部B2をテスターにより導通検査することにより、回路パターンにおける短絡の有無を検査することができる。短絡の検査は、第一検査用配線パターンの端部A2と、第二検査用配線パターンの端部B1間の導通検査でも良く、第一検査用配線パターンの端部A1と、第二検査用配線パターンの端部B1間の導通検査、また第一検査用配線パターンの端部A2と第二検査用配線パターンの端部B2間の導通検査でも良い。
参考例1に係る検査用配線パターンを有する基板を用いれば、一台のテスターによる3回の導通検査によって、断線及び短絡という電気的欠陥を検出することが可能となる。これは従来技術による断線及び短絡の検査方法に比較して、格段に検査工程を省略できるため、より簡便かつ短時間で検査工程を終えることができる。
【0016】
実施形態
図2は、本発明に係る他の検査用配線パターンを有するプリント基板を示す平面図である。図2に示されたプリント基板は、ロール・ツー・ロール方式で製造される際の状態を示すものである。すなわち、本実施形態に係る検査用配線パターンを有するプリント基板は、ロール状に巻いた基板に複数の回路パターンを形成したものを、他のロールに巻き取ることによって、効率良く量産する工程に用いることができる。
図2に示す如く、実施形態に係るプリント基板20上には、電気的に独立して形成された複数の配線17a〜17nからなる複数の回路パターンが形成されている。図2に示す如く、第一検査用配線パターン11は、回路パターンの中心に位置する基準配線17hより、並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続して形成されている。具体的には、基準配線17hは、基準配線17hの外側の配線17gに隣接する配線17fに直列接続している。次いで、配線17fは17jに直列接続し、更に17d、17l、17b,17nの順に直列接続されている。このように第一検査用配線パターン11は、並列に並ぶ複数の配線を1本おきに渦巻形状となるように直列接続して形成されている。
また、図に示す如く、第二検査用配線パターン12は、前記基準配線17hに隣接する配線17gより並列に並ぶ複数の配線を1本おきに直列接続している。具体的には、17g、17i、17e、17k、17c、17m、17aの順に直列接続されている。第二検査用配線パターン12も、第一検査用配線パターン11と同方向への渦巻形状となるように直列接続して形成されている。
図2において、配線パターン11,12は参考例1のような渦巻形状ではないが、これは検査用電極パッドの配置位置を確保するために、一部配線パターンを迂回させているためであり、実施形態に係る配線パターンは参考例1の配線パターンと同じである。本発明における渦巻形状とは、図2に示すような形態の配線パターンも含まれるものとする。
【0017】
第一検査用配線パターン11と第二検査用配線パターン12の両端部には、検査用電極パッドが形成されている。具体的には図2に示す如く、第一検査用配線パターンの両端部に、検査用電極パッドA11及びA12が形成されている。更に、第二検査用配線パターンの両端部に、検査用電極パッドB11及びB12が形成されている。
本実施形態に係る検査用配線パターンは、図2に示す如く、帯状の基板に複数同じものが形成されている。上述した検査用配線パターンは、図2の右側の配線パターンも同様に形成されている。
本実施形態に係る検査用配線パターンを有するプリント基板は、検査用電極パッドA11、A12、B11、B12が、プリント基板20上における同縁側に集めて形成されている点に特徴を有する。
通常、ロール・ツー・ロール方式においては、テスターによる導通検査は、一人の従業者が流れてくる回路パターンを一つずつ手作業で検査をすることになる。このような構成を採用することにより、検査用電極パッドを近接した箇所にまとめて配設することができるため、ロール・ツー・ロール方式における導通検査の利便性が飛躍的に向上することが期待できる。
【符号の説明】
【0018】
1,11 第一検査用配線パターン
10,20 プリント基板
2,12 第二検査用配線パターン
7h,17h 基準配線
7g,17g 基準配線に隣接する配線
A1,A2,B1,B2、A11,A12,B11,B12 検査用電極パッド
図1
図2
図3
図4
図5