特許第6559460号(P6559460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小糸製作所の特許一覧

特許6559460自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具
<>
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000002
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000003
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000004
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000005
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000006
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000007
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000008
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000009
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000010
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000011
  • 特許6559460-自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559460
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】自動接続可能な結線部材を備えた車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/00 20180101AFI20190805BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20190805BHJP
   F21V 17/10 20060101ALI20190805BHJP
   F21V 17/16 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   F21S43/00
   F21S45/00
   F21V17/10 200
   F21V17/16 300
   F21V17/10 550
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-93378(P2015-93378)
(22)【出願日】2015年4月30日
(65)【公開番号】特開2016-213002(P2016-213002A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2018年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(72)【発明者】
【氏名】中林 政昭
(72)【発明者】
【氏名】山本 操
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−031887(JP,U)
【文献】 実開平05−061908(JP,U)
【文献】 実開平05−061906(JP,U)
【文献】 特開2010−033840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
F21S 45/00
F21V 17/10
F21V 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けられる灯具ボディと、灯具ボディとの間に灯室を形成するアウターカバーと、アウターカバーに配置された電気部品と、電気部品を車体側電源に接続するための配線構造とを備え、
前記配線構造が、車体側電源に接続される給電側結線部材と、給電側結線部材を灯室の外部から作用する組付力に抗して灯具ボディ上に保持するボディ側保持手段と、電気部品に接続される受電側結線部材と、受電側結線部材を前記組付力に抗してアウターカバー上に保持するカバー側保持手段とを含み、
前記ボディ側保持手段とカバー側保持手段の少なくとも一方が、前記給電側結線部材と受電側結線部材の接続方向を灯具ボディおよびアウターカバーの組付方向に一致させるための調芯機構を含み、
前記調芯機構が、給電側結線部材を受電側結線部材に対して前記組付方向と交差する方向へ移動可能に支持する芯出部材を含み、
前記ボディ側保持手段は、給電側結線部材の向きが前記組付方向と一致するように、前記芯出部材を灯具ボディの成形型抜き方向に対して斜めに保持する保持部材を含むことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
車体に取り付けられる灯具ボディと、電気部品が装着されたアウターカバーと、車体側電源に接続される給電側結線部材と、前記電気部品に接続される受電側結線部材と前記給電側結線部材と受電側結線部材の接続方向を灯具ボディおよびアウターカバーの組付方向に一致させるための調芯機構と、給電側結線部材を受電側結線部材に対して前記組付方向と交差する方向へ移動可能に支持する芯出部材と、給電側結線部材の向きが前記組付方向と一致するように、前記芯出部材を灯具ボディの成形型抜き方向に対して斜めに保持する保持部材とを用意し、給電側結線部材を灯具ボディに保持し、受電側結線部材をアウターカバーに保持し、アウターカバーを前記調芯機構、芯出部材および保持部材を介して灯具ボディに組み付けて両者の間に灯室を形成し、該組付時に灯室の外部から作用する組付力によって、灯室の内部で給電側結線部材と受電側結線部材を電気的に接続することを特徴とする車両用灯具の組付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯具ボディとアウターカバーの組付時に、灯室の内部で自動接続される結線部材を備えた車両用灯具およびその組付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、灯具ボディとアウターカバーの間に灯室を形成し、灯室内に光源を設置し、灯具ボディに結線部材を取り付け、電力を車体側の電源から結線部材を介して光源に供給する車両用灯具が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用前照灯は、灯室内に光源とエイミング用の電動アクチュエータを設置し、灯具ボディに結線部材としての中継コネクタを取り付け、電力を車体側電源から中継コネクタを介して光源と電動アクチュエータに供給するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−170407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の車両用灯具は、灯具ボディ内の電気部品のみに電力を供給するように構成されているので、例えば、図11に示すような車両用前照灯51において、アウターカバー52に標識灯光源53を配置する構成の場合、標識灯光源53への配線54を引き回すために、灯具ボディ55の底部に手作業用の開口部56を形成する必要があった。このため、開口部56を塞ぐための部材57が必要になるうえ、作業ロボットでボディ55とカバー52を自動的に組み付けた後に、なお開口部56から手による結線作業が残り、作業効率上の改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、灯具ボディとアウターカバーの組み付けと同時に、車体側電源とカバー上の電気部品との間に電路を自動的に形成できる車両用灯具と、この車両用灯具を組み付ける方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用灯具は、車体に取り付けられる灯具ボディと、灯具ボディとの間に灯室を形成するアウターカバーと、アウターカバーに配置された電気部品と、電気部品を車体側電源に接続するための配線構造とを備え、配線構造が、車体側電源に接続される給電側結線部材と、給電側結線部材を灯室の外部から作用する組付力に抗して灯具ボディ上に保持するボディ側保持手段と、電気部品に接続される受電側結線部材と、受電側結線部材を前記組付力に抗してアウターカバー上に保持するカバー側保持手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
ここで、灯具ボディとアウターカバーを作業ロボットで自動的に組み付けるために、ボディ側保持手段とカバー側保持手段の少なくとも一方が、給電側結線部材と受電側結線部材の接続方向を灯具ボディおよびアウターカバーの組付方向に一致させるための調芯機構を備えているのが好ましい。
【0008】
より好ましくは、調芯機構が、給電側結線部材を受電側結線部材に対してボディおよびカバーの組付方向と交差する方向へ移動可能に支持する芯出部材を含んでもよい。
【0009】
また、アウターカバーを灯具ボディに斜めに組み付けるような場合でも、二つの結線部材を自動接続できるように、ボディ側保持手段は、給電側結線部材の向きがボディおよびカバーの組付方向と一致するように、芯出部材を灯具ボディの成形型抜き方向に対して斜めに保持する保持部材を含むのが望ましい。
【0010】
本発明による車両用灯具の組付方法は、車体に取り付けられる灯具ボディと、電気部品が装着されたアウターカバーと、車体側電源に接続される給電側結線部材と、電気部品に接続される受電側結線部材とを用意し、給電側結線部材を灯具ボディに保持し、受電側結線部材をアウターカバーに保持し、アウターカバーを灯具ボディに組み付けて両者の間に灯室を形成し、この組付時に灯室の外部から作用する組付力によって、灯室の内部で給電側結線部材と受電側結線部材を電気的に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の車両用灯具は、灯具ボディとアウターカバーの組付時に、給電側および受電側結線部材を灯室の外部から作用する組付力に抗して組付方向の定位置に保持する配線構造を装備しているので、ボディおよびカバーの組み付けと同時に二つの結線部材を接続して、車体側電源とカバー上の電気部品との間に電路を自動的に形成することができる。また、本発明の組付方法によれば、灯室の外部から作用する作業ロボット等の組付力を利用して、灯室の内部で二つの結線部材を自動的に電気接続できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態を示す車両用前照灯の分解断面図である。
図2図1の車両用前照灯の組付方法を示す断面図である。
図3】組付後の車両用前照灯を示す断面図である。
図4】給電側結線部材と受電側結線部材の接続構造を示す断面図である。
図5】芯出部材による調芯作用を示す断面図である。
図6】灯具ボディの成形技術を示す説明図である。
図7】芯出部材を斜めに保持する部材を示す斜視および立面図である。
図8】保持部材の作用を示す車両用前照灯の部分断面図である。
図9】保持部材の別の実施例を示す斜視および立面図である。
図10】保持部材のさらに別の実施例を示す斜視および立面図である。
図11】従来技術の問題点を指摘するための車両用灯具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1図3に示すように、この実施形態の車両用前照灯1は、車体に取り付けられる灯具ボディ2と、透明樹脂材料からなるアウターカバー3を備えている。灯具ボディ2の周縁にはシール溝2aが凹設され、アウターカバー3の周縁にシール脚3aがボディ2およびカバー3の組付方向Aと一致する方向へ突出するように形成されている。そして、灯具ボディ2とアウターカバー3の組付時に、シール脚3aをシール溝2aに嵌入し、灯具ボディ2とアウターカバー3の周縁を密封して、両者の内側に灯室4(図3参照)を形成するようになっている。
【0014】
灯具ボディ2の内部には、主光源5とそのエイミング機構6と電気制御回路7とが設けられている。アウターカバー2の裏面にはエクステンション部材8が設けられ、この部材8に光学部材9と光源基板10が取り付けられている。光源基板10には、電気部品としての標識灯光源11が光学部材9と対向するように装着されている。なお、光学部材9には、インナーレンズ、導光体またはリフレクタ等が含まれる。
【0015】
電気制御回路7は、中継コネクタ13を介して車体側電源14に接続されるとともに、第1配線部材15(図1参照)を介して主光源5に接続されている。第1配線部材15にはリード線16、主光源用コネクタ17が含まれ、電力が車体側電源14から中継コネクタ13、電気制御回路7、リード線16、主光源用コネクタ17を介して主光源5に供給される。
【0016】
また、電気制御回路7は、第2配線部材18を介して標識灯光源11に接続されている。第2配線部材18にはリード線19、給電側結線部材20、受電側結線部材21が含まれている。給電側結線部材20は芯出部材22に支持され、リード線19、電気制御回路7、中継コネクタ13を介して車体側電源14に接続されている。
【0017】
受電側結線部材21は光源基板10に取り付けられ、基板10上の配線(図示略)を介して標識灯光源11に接続されている。そして、二つの結線部材20,21がボディ2およびカバー3の組付方向Aと平行な直線B(図2参照)上で互いに向き合い、両者の接続状態(図3参照)で電力を車体側光源14から標識灯光源11に供給するようになっている。
【0018】
図4に示すように、給電側結線部材20には、雌雄一方の接続導体23(雌側端子を図示)が設けられるとともに、基端に偏平部24が形成され、先端に受電側結線部材21を誘い込むテーパ面25が形成されている。受電側結線部材21は、給電側結線部材20が嵌入する筒形に形成され、雌雄他方の接続導体26(雄側端子を図示)と、給電側結線部材20を誘い込むテーパ面27を備えている。
【0019】
給電側結線部材20は、偏平部24にて芯出部材22のスリット28にスライド可能に支持されている。芯出部材22は、給電側結線部材20を受電側結線部材21に対して直線Bと略直交する方向へ移動可能に支持し、二つの芯出部材20,21の接続方向をボディ2およびカバー3の組付方向Aに一致させる調芯機構を構成している。
【0020】
芯出部材22の周面には複数のピン29が突設され、灯具ボディ2にピン29を受ける溝30を備えた複数のリブ31が立設されている。リブ31は、作業ロボットを使用してアウターカバー3を灯具ボディ2に組み付けるときに、給電側結線部材20を灯室4の外部から作用する組付力に抗して灯具ボディ2上に保持するボディ側保持手段として機能する。また、標識灯光源11の基板10は、受電側結線部材21を組付力に抗してアウターカバー3上に保持するカバー側保持手段として機能する。そして、車両用前照灯1の配線構造は、組付後の状態で標識灯光源11を車体側電源14に電気的に接続するように構成されている。
【0021】
なお、ボディ側保持手段は、リブ31に限定されず、例えば、給電側結線部材20を灯具ボディ2の内面に当接させた状態でネジによりボディ2に締結するなど、給電側結線部材20を組付力に抗して灯具ボディ2上に保持する各種の手段を使用することができる。また、カバー側保持手段も、標識灯光源11の基板10に限定されず、例えば、受電側結線部材21をアウターカバー3に直接または間接的に保持したり、エクステンション部材8に直接または間接的に保持したりするなど、アウターカバー3上の電気部品と電気的結線が取れた状態で、受電側結線部材21を組付力に抗してアウターカバー3上に保持する各種の手段を用いることができる。
【0022】
次に、上記のように構成された車両用前照灯1の組付方法について説明する。まず、図1に示すように、主光源5が設置された灯具ボディ2と、標識灯光源11が装着されたアウターカバー3と、車体側電源14に接続される給電側結線部材20と、標識灯光源11に接続される受電側結線部材21とを用意する。
【0023】
次いで、図2に示すように、給電側結線部材20を芯出部材22に支持し、芯出部材22を灯具ボディ2のリブ31に取り付け、受電側結線部材21をアウターカバー3の光源基板10に取り付ける。なお、受電側結線部材21を光源基板10と共に予めアウターカバー3に組み付けておくなど、各部品の組付手順は適宜に変更可能である。
【0024】
続いて、図3に示すように、作業ロボットを用いてアウターカバー3を灯具ボディ2に組み付け、両者の間に灯室4を形成する。そして、リブ31が作業ロボットの組付力に抗して芯出部材22を組付方向の定位置において灯具ボディ2上に保持した状態で、灯室4の外部からの組付力によって灯室4の内部で受電側結線部材21を給電側結線部材20に電気的に接続する。
【0025】
このとき、芯出部材22は、結線部材20,21の接続方向を組付方向に一致させる調芯作用を発揮する。例えば、図5(a)に示すように、給電側結線部材20に対して受電側結線部材21が偏倚した状態で組み付けられたときに、図5(b)に示すように、芯出部材22が給電側結線部材20をスライドさせ、図5(c)に示すように、二つの結線部材20,21をボディ2およびカバー3の組付方向Aに整列させる。
【0026】
したがって、組み付けと同時に二つの結線部材20,21の導体23,26を電気接続して、車体側電源14と標識灯光源11との間に電路を自動的に形成することができる。また、リブ31が芯出部材22を組付方向の定位置に保持しているため、作業ロボットの組付力を利用して給電側結線部材20をスムーズにスライドさせ、導体23,26の電気接続を確実に行うことができる。
【0027】
ところで、アウターカバー3の組付方向は、必ずしも灯具ボディ2の成形型抜き方向に対して平行であるとは限らず、カバー3やボディ2の形状によっては、灯具ボディ2の成形型抜き方向に対して斜めの方向となる場合もある。こうした場合、リブ31は成形型抜き方向と一致する方向に延在しているため、リブ31上の給電側結線部材20の向きが組付方向Aと一致しなくなる可能性がある。
【0028】
例えば、図6(a)に灯具ボディの縦断面を示し、図6(b)に同じ灯具ボディの横断面示すように、灯具ボディ2の内外には、リブ31のほかにも、補強用リブ62や呼吸穴64を保護するためのリブ63が配置されている。これらのリブ31,62,63は、型開きに支障をきたさないように、成形型65(図6c参照)の型抜き方向Cと一致する方向Dに延在している。しかし、ボディ2とカバー3の組付方向Aが型抜き方向Cに対して斜めになると、リブ31上の給電側結線部材(図示略)の向きと組付方向Aが不一致となる事態を招く。なお、リブ31が型開き方向に対してアンダーカットになる場合は、スライドコアを使用して型抜きすることもできる。
【0029】
こうした事態に備え、図7図10に示す実施例では、給電側結線部材20の向きがボディ2およびカバー3の組付方向Aと一致するように、灯具ボディ2上の保持部材が芯出部材22を灯具ボディ2の成形型抜き方向Cに対して斜めに保持するように構成されている。
【0030】
図7(a),(b)に示す実施例では、灯具ボディ2に保持部材としての3つのリブ33が成形型65(図6参照)の型抜き方向Cと一致する方向に延在するように設けられ、そのうち一つのリブ33Aが他の二つのリブ33よりも低く形成されている。芯出部材22はブラケット34の上に取り付けられ、ブラケット34の周面に3本のピン35が突設されている。そして、ピン35がリブ溝36に支持され、リブ33の高低差(Δh1)に応じた角度で芯出部材22が型抜き方向Cに対して斜めに保持され、給電側結線部材20の向きがボディ2およびカバー3の組付方向Aと整合するようになっている。
【0031】
したがって、この実施例の車両用前照灯1によれば、図8(a)に示すように、アウターカバー3が灯具ボディ2に斜めに組み付けられる場合、つまり、カバー3の組付方向Aが灯具ボディ2の成形型抜き方向C(リブ33の延在方向)と一致しない場合でも、図8(b)に示すように、芯出部材22に調芯作用を発揮させ、給電側および受電側結線部材20,21を確実に接続することができる。
【0032】
図9(a),(b)に示す実施例では、灯具ボディ2に保持部材としての二組のリブ38,39が立設され、第2組の複数のリブ39が台部40によって第1組の複数のリブ38よりも高く形成されている。芯出部材22には、相対向する二辺に支持片41,42がヒンジ部43を介して回動可能に支持されている。
【0033】
そして、一方の支持片41が第1組のリブ38に支持され、他方の支持片42が第2組のリブ39に支持され、リブ38,39の高低差(Δh2)に応じた角度で芯出部材22が灯具ボディ2の成形型抜き方向Cに対して斜めに保持され、給電側結線部材20の向きを組付方向Aと整合させるようになっている。したがって、この実施例によっても、前記実施例と同様に、組付方向Aが型抜き方向Cと相違するときに、芯出部材22の調芯機能によって二つの結線部材20,21を確実に接続することができる。
【0034】
図10(a),(b)に示す実施例では、灯具ボディ2に保持部材としての一対のソケット45と一つのリブ46が形成されている。芯出部材22には、ソケット45に嵌合する球形部47を備えた2本の支持脚48が傾動可能に設けられている。そして、リブ46により芯出部材22を灯具ボディ2の成形型抜き方向Cに対して斜めの姿勢に保持し、給電側結線部材20の向きを組付方向Aと整合させ、調芯機能によって二つの結線部材20,21を組付と同時に自動接続できるようになっている。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、芯出部材をアウターカバー側に設けたり、前照灯ワイパーを駆動する電動アクチュエータをアウターカバーに装備したりするなど、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 車両用前照灯
2 灯具ボディ
3 アウターカバー
4 灯室
11 標識灯光源
14 車体側電源
20 給電側結線部材
21 受電側結線部材
22 芯出部材
31,33,38,39,46 リブ
45 ソケット
A 組付方向
C 成形型抜き方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11