(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の電動機を、図面を参照して説明する。
図1から
図7は、ひとつの実施形態に係る電動機1を示す。例えば、電動機1は、鉄道車両の台車に搭載されて鉄道車両を駆動する車両用主電動機である。
【0010】
ここで、説明の便宜上、電動機1の回転中心軸C(以下、「中心軸C」と言う。)を基準に、+Z方向、−Z方向、R方向、およびθ方向を定義する。まず、中心軸Cは、後述する回転子シャフト15の回転中心を通る軸線であり、回転子シャフト15の中心軸と見做すこともできる。+Z方向および−Z方向は、回転子シャフト15の中心軸の軸方向であり、中心軸Cと略平行な方向である。例えば、+Z方向は、回転子シャフト15の駆動側の端部が電動機1から突出する方向である。−Z方向は、+Z方向の反対方向である。R方向は、回転子シャフト15の中心軸の径方向であり、中心軸Cに略直交するとともに、中心軸Cから放射状に離れる方向である。θ方向は、回転子シャフト15の中心軸の周方向であり、中心軸Cからの距離を一定に保ちながら中心軸Cの周りを回転する方向である。
【0011】
図1は、電動機1の構成を示す断面図である。
図1は、後述する
図3におけるF1−F1線に沿う電動機1の断面図である。
図1に示すように、電動機1は、フレーム11、ベアリングブラケット12、固定子鉄心13、回転子鉄心14、および回転子シャフト15を有する。
【0012】
フレーム11は、電動機1の外郭の少なくとも一部を形成する外郭部材である。フレーム11は、後述するベアリングブラケット12とともに「ケース10」の一例を形成する。ケース10は、固定子鉄心13および回転子鉄心14を収容する。なお本願で言う「固定子鉄心および回転子鉄心を収容する」とは、固定子鉄心の少なくとも一部および回転子鉄心の少なくとも一部がケース10の外部に露出する場合も含む。
【0013】
詳しく述べると、フレーム11は、周壁21と、端壁22とを含む。
周壁21は、中心軸Cを中心とする筒状(例えば円筒状)に形成される。周壁21は、中心軸Cの軸方向における一対の端部として、−Z方向側の第1端部21aと、+Z方向側の第2端部21bとを有する。
端壁22は、周壁21の第1端部21aから中心軸CのR方向の内側に向けて設けられる。すなわち、端壁22は、周壁21とは交差する(例えば略直交する)方向に設けられる。端壁22は、円状の外形を有し、θ方向の全周において周壁21に繋がる。端壁22の中央部には、円形の第1開口部22aが設けられる。第1開口部22aは、+Z方向に端壁22を貫通する。
【0014】
ベアリングブラケット12は、電動機1の外郭の他の一部を形成する外郭部材である。ベアリングブラケット12は、周壁21に対して端壁22とは反対側に位置し、周壁21の第2端部21bに取り付けられる。ベアリングブラケット12は、周壁21の第2端部21bから中心軸CのR方向の内側に向けて設けられる。すなわち、ベアリングブラケット12は、周壁21とは交差する(例えば略直交する)方向に設けられる。ベアリングブラケット12は、円状の外形を有し、θ方向の全周において周壁21に繋がる。ベアリングブラケット12の中央部には、円形の第2開口部12aが設けられる。第2開口部12aは、−Z方向にベアリングブラケット12を貫通する。
【0015】
固定子鉄心13は、筒状(例えば円筒状)に形成される。固定子鉄心13は、フレーム11の周壁21の内周面に保持される。具体的には、フレーム11の周壁21の内周面には、一対の固定子鉄心押え24a,24bが設けられる。一対の固定子鉄心押え24a,24bは、+Z方向において、固定子鉄心13の両側に分かれて配置される。固定子鉄心13は、一対の固定子鉄心押え24a,24bの間に挟まれることで、フレーム11の周壁21に固定される。固定子鉄心13には、+Z方向に沿う複数の溝が設けられる。溝には、コイル25が収容される。
【0016】
回転子鉄心14および回転子シャフト15は、固定子鉄心13の内周側に回転可能に配置される。回転子シャフト15は、回転子鉄心14に固定され、回転子シャフト15を支持する。回転子シャフト15には、一対の回転子鉄心押え26a,26bが取り付けられる。一対の回転子鉄心押え26a,26bは、+Z方向において、回転子鉄心14の両側に分かれて配置される。回転子鉄心14は、一対の回転子鉄心押え26a,26bの間に挟まれることで、回転子シャフト15に固定される。
【0017】
回転子シャフト15は、−Z方向側の第1端部15aと、+Z方向側の第2端部15bとを有する。第1端部15aは、フレーム11の端壁22の第1開口部22aに通される。第2端部15bは、電動機1の回転力を取り出すための継手が取り付けられる駆動側端部である。第2端部15bは、ベアリングブラケット12の第2開口部12aに通され、電動機1の外部に向けて突出する。
【0018】
図1に示すように、回転子シャフト15には、第1仕切り板27aと、第2仕切り板27bとが取り付けられる。第1仕切り板27aは、フレーム11の端壁22と回転子鉄心14との間に設けられる。第2仕切り板27bは、ベアリングブラケット12と回転子鉄心14との間に設けられる。
【0019】
端壁22には、第1仕切り板27aに面する第1仕切り部28aが設けられる。第1仕切り部28aは、端壁22の内面から第1仕切り板27aに向けて突出している。同様に、ベアリングブラケット12には、第2仕切り板27bに面する第2仕切り部28bが設けられる。第2仕切り部28bは、ベアリングブラケット12の内面から第2仕切り板27bに向けて突出している。
【0020】
図1に示すように、第1仕切り板27aと第1仕切り部28aとの間には、空気の流れを遮断する第1ラビリンス29aが形成される。同様に、第2仕切り板27bと第2仕切り部28bとの間には、空気の流れを遮断する第2ラビリンス29bが形成される。
第1ラビリンス29aおよび第2ラビリンス29bは、電動機1の内部空間を、後述する吸気口49(
図3参照)を通じて外気が流入可能な空間S1と、外気から実質的に遮断されるとともに重要部品(例えばコイル25)が収容される空間S2とに仕切る。また、第1仕切り板27aおよび第2仕切り板27bは、外部から空間S1に流入する空気に接することで、空間S2に収容される部品が発する熱の一部を放熱する機能も持つ。
【0021】
次に、回転子シャフト15の第1端部15aを支持する構成について説明する。
図1に示すように、電動機1は、回転子シャフト15の第1端部15aを支持する構成として、第1軸受31、第1ハウジング32、第1回転子支持部材33、および第1支持部材受け34を備える。なお以下では、第1軸受31と第1ハウジング32とを合わせて「第1軸受部品35」と称する場合がある。
【0022】
第1軸受31の内周側には、回転子シャフト15の第1端部15aが通される。第1軸受31は、回転子シャフト15の第1端部15aを回転可能に支持する。
図1に示すように、第1軸受31の少なくとも一部は、フレーム11の端壁22の第1開口部22aの内周側に配置される。
【0023】
第1ハウジング32は、第1軸受31を保持する保持部32aと、該第1ハウジング32をフレーム11に固定するためのフランジ32bとを有する。なお本願で言う「フランジ」とは、円形のものに限定されず、扇形やその他の形状のものでもよい。
【0024】
本実施形態では、保持部32aは、第1軸受31の外周側を囲う円筒状に形成される。保持部32aは、第1軸受31に嵌合し、第1軸受31を保持する。保持部32aの少なくとも一部は、フレーム11の端壁22の第1開口部22aに挿入されている。保持部32aは、中心軸CのR方向において、第1開口部22aの内周面に接する。すなわち、保持部32aは、中心軸CのR方向において、フレーム11の端壁22と第1軸受31との間に挟まれる。保持部32aは、フレーム11の端壁22と第1軸受31との間に挟まれることで、フレーム11の端壁22に対して第1軸受31を支持する。
【0025】
フランジ32bは、保持部32aの端部に設けられる。詳しく述べると、第1ハウジング32の保持部32aは、第1開口部22aからフレーム11の外側に突出した端部を有する。フランジ32bは、保持部32aの前記端部から、中心軸CのR方向に張り出している。フランジ32bは、+Z方向において、フレーム11の外側から(すなわち機外側から)フレーム11の端壁22に面する。
【0026】
次に、第1回転子支持部材33について説明する。
第1回転子支持部材33は、回転子シャフト15から第1軸受部品35を取り外す場合に、フレーム11に対して回転子シャフト15および回転子鉄心14を固定する部材である。
図1に示すように、第1回転子支持部材33は、フレーム11の端壁22と回転子鉄心14との間に収容される。第1回転子支持部材33は、基部33a、延伸部33b、および固定部33cを有する。
【0027】
基部(嵌合部)33aは、第1ハウジング32の保持部32aの外周側を囲う筒状(例えば円筒状)に形成される。基部33aは、フレーム11の端壁22の+Z方向側の内面に沿って配置される。基部33aは、第1ハウジング32のフランジ32bとは反対側からフレーム11の端壁22に面する。
【0028】
図1に示すように、フレーム11の端壁22の内面には、第1支持部36が設けられる。第1支持部36は、端壁22の内面から+Z方向に突出し、基部33aの外周側を囲う環状(例えば円環状)に形成されている。第1支持部36は、回転子シャフト15とは反対側から基部33aに接する内周面36aを有する。第1支持部36の内周面36aは、中心軸Cと略平行に形成される。基部33aは、第1支持部36の内周面36aに嵌合する。第1支持部36は、中心軸CのR方向の外周側から第1回転子支持部材33を支持する。
【0029】
第1支持部36は、中心軸Cのθ方向の全周において、基部33aの少なくとも端壁22側の端部を覆う。詳しく述べると、第1回転子支持部材33は、−Z方向で端壁22の内面に面する第1面37を有する(
図5参照)。端壁22の内面は、+Z方向で第1回転子支持部材33の第1面37に面する第2面38を有する(
図5参照)。第1支持部36の内周面36aは、中心軸CのR方向の外側から見た場合に、第1回転子支持部材33の第1面37、端壁22の第2面38、および第1面37と第2面38との間の隙間Sa2を、中心軸Cのθ方向の全周において切れ目なく覆う。
【0030】
図1に示すように、延伸部33bは、基部33aから回転子シャフト15に向けて、中心軸Cに対して傾いて延びている。すなわち、延伸部33bは、回転子鉄心14に向けて進むに従い外径および内径が小さくなる筒状に形成される。
【0031】
固定部33cは、延伸部33bの先端部に設けられる。固定部33cは、回転子シャフト15の外周側を囲う筒状に形成される。固定部33cは、第1傾斜部33caを有する。第1傾斜部33caは、中心軸Cに対して傾いた環状の傾斜部(例えば傾斜面)である。第1傾斜部33caは、回転子鉄心14に向けて進むに従い回転子シャフト15から離れる方向に傾斜する。例えば、第1傾斜部33caは、中心軸Cに対して、略45度傾斜する。
【0032】
以上説明した第1回転子支持部材33は、基部33a、延伸部33b、および固定部33cが一体に形成される。第1回転子支持部材33は、後述する電動機1の分解作業時に、フレーム11に対して+Z方向に移動可能である。具体的には、第1回転子支持部材33は、第1支持部36の内周面36aに案内され、回転子鉄心14に近付く方向に摺動可能である。
図1に示すように、第1回転子支持部材33は、該第1回転子支持部材33と回転子鉄心14との間に、該第1回転子支持部材33が回転子鉄心14に向けて移動可能な隙間Sa0を空けている。
【0033】
次に、第1支持部材受け34について説明する。
第1支持部材受け34は、回転子シャフト15に固定される取付部34aと、第1回転子支持部材33を受ける受け部34bとを有する。
【0034】
取付部34aは、回転子シャフト15の外径に略一致する内径を有した筒状に形成される。例えば、取付部34aは、回転子シャフト15に嵌合固定される。なお、第1支持部材受け34は、回転子シャフト15に代えて、または回転子シャフト15に加えて、回転子鉄心14に取り付けられてもよい。
【0035】
受け部34bは、取付部34aから中心軸CのR方向に張り出したフランジである。受け部34bは、回転子シャフト15の外周側に環状に形成される。受け部34bは、第1回転子支持部材33が接離可能である。すなわち、受け部34bは、電動機1の分解作業時に第1回転子支持部材33が回転子鉄心14に向けて移動された場合に、第1回転子支持部材33の固定部33cを受ける。第1支持部材受け34は、第1回転子支持部材33が接した場合に、回転子シャフト15および回転子鉄心14を第1回転子支持部材33に固定可能である。
【0036】
詳しく述べると、受け部34bは、第2傾斜部34baを有する。第2傾斜部34baは、第1傾斜部33caと略平行に形成された環状の傾斜部(例えば傾斜面)である。例えば、第2傾斜部34baは、中心軸Cに対して、略45度傾斜する。受け部34bは、第1傾斜部33caと回転子鉄心14との間に配置される。言い換えると、第2傾斜部34baは、回転子鉄心14と同じ側から、第1傾斜部33caに面する。第2傾斜部34baと第1傾斜部33caとの間には、微小な隙間Sa1が設けられる。
【0037】
次に、第1ハウジング32、フレーム11の端壁22、および第1回転子支持部材33に設けられるねじ穴および貫通穴について説明する。
【0038】
図1に示すように、第1ハウジング32のフランジ32bには、第1ねじ穴41が設けられる。第1ねじ穴41は、+Z方向において、第1ハウジング32のフランジ32bを貫通する。第1ねじ穴41の内周面は、ねじ山を有する。
【0039】
フレーム11の端壁22には、第1貫通穴42が設けられる。第1貫通穴42は、+Z方向において、フレーム11の端壁22を貫通する。第1貫通穴42は、ねじ山を有しない単純穴である。第1貫通穴42の内径は、第1ねじ穴41の内径よりも一回り大きい。第1ハウジング32は、第1ねじ穴41を端壁22の第1貫通穴42に合わせるようにしてフレーム11に取り付けられている。
【0040】
第1回転子支持部材33の基部33aは、当接受け部43を有する。当接受け部43は、端壁22の第1貫通穴42に向かい合うように配置されている。当接受け部43は、第1ねじ穴41に螺合して第1貫通穴42に通されたボルトが当接可能である。当接受け部43は、例えば中心軸Cに対して垂直な垂直面である。なおこれに代えて、当接受け部43は、中心軸Cに対して交差する方向に沿う傾斜面でもよく、または溝部を含むものでもよい。
【0041】
図2は、後述する
図3におけるF2−F2線に沿う電動機1の断面図である。
図2に示すように、第1ハウジング32のフランジ32bには、第2貫通穴44が設けられる。第2貫通穴44は、+Z方向において、フランジ32bを貫通する。第2貫通穴44は、ねじ山を有しない単純穴である。第2貫通穴44の内径は、後述する第2ねじ穴46の内径よりも一回り大きい。
【0042】
フレーム11の端壁22には、第3貫通穴45が設けられる。第3貫通穴45は、+Z方向において、フレーム11の端壁22を貫通する。第3貫通穴45は、ねじ山を有しない単純穴である。第3貫通穴45の内径は、後述する第2ねじ穴46の内径よりも一回り大きい。第1ハウジング32は、第2貫通穴44を端壁22の第3貫通穴45に合わせるようにしてフレーム11に取り付けられている。
【0043】
第1回転子支持部材33の基部33aには、第2ねじ穴46が設けられる。第2ねじ穴46は、+Z方向において、第1回転子支持部材33の基部33aを貫通する。第2ねじ穴46の内周面は、ねじ山を有する。第2ねじ穴46は、端壁22の第3貫通穴45に向かい合うように配置されている。
【0044】
図2に示すように、第1ハウジング32の第2貫通穴44には、フレーム11の外側から第1固定ボルト47が挿入される。第1固定ボルト47は、第2貫通穴44および第3貫通穴45に通され、第2ねじ穴46に螺合する。第1固定ボルト47が第2ねじ穴46に螺合することで、第1ハウジング32および第1回転子支持部材33がフレーム11の端壁22に固定される。すなわち、第1固定ボルト47は、第1ハウジング32、フレーム11の端壁22、および第1回転子支持部材33を共締めする。
【0045】
図3は、フレーム11の端壁22を示す正面図である。
ここで、説明の便宜上、第1ねじ穴41、第1貫通穴42、および当接受け部43を合わせて「穴セットHA」と称する。一方で、第2貫通穴44、第3貫通穴45、および第2ねじ穴46を合わせて「穴セットHB」と称する。
【0046】
図3に示すように、穴セットHAおよび穴セットHBは、それぞれ複数個所に設けられる。本実施形態の電動機1は、4つの穴セットHAと、4つの穴セットHBとを有する。例えば、4つの穴セットHBは、中心軸Cのθ方向において、略等角度の間隔で分散して配置される。一方で、2つの穴セットHAは、中心軸Cのθ方向において、2つの穴セットHBの間に纏めて配置される。また、他の2つの穴セットHAは、中心軸Cのθ方向において、他の2つの穴セットHBの間に纏めて配置される。すなわち、複数の穴セットHAは、複数の穴セットHBに比べて、特定の領域に纏めて配置される。
【0047】
言い換えると、複数の穴セットHAが特定の領域に纏めて配置されることで、複数の穴セットHBが、上述したように、中心軸Cのθ方向において略等角度の間隔で分散して配置可能になる。穴セットHBは、フレーム11、第1ハウジング32、および第1回転子支持部材33を固定する第1固定ボルト47を含む。このため、複数の穴セットHBが中心軸Cのθ方向において略等角度の間隔で分散して配置されると、フレーム11、第1ハウジング32、および第1回転子支持部材33の固定強度が高くなりやすい。
【0048】
図3に示すように、中心軸Cのθ方向において、2つの穴セットHBの間には、吸気口49が設けられる。吸気口49は、フレーム11の端壁22を貫通し、電動機1内の空間S1に開口する。吸気口49を通じて外気が電動機1内の空間S1に流入することで、電動機1の放熱が促進される。
【0049】
次に、回転子シャフト15の第2端部15bを支持する構成について説明する。
図1に示すように、電動機1は、回転子シャフト15の第2端部15bを支持する構成として、第2軸受51、第2ハウジング52、第2回転子支持部材53、および第2支持部材受け54を備える。なお以下では、第2軸受51と第2ハウジング52とを合わせて「第2軸受部品55」と称する場合がある。
【0050】
第2軸受51の内周側には、回転子シャフト15の第2端部15bが通される。第2軸受51は、回転子シャフト15の第2端部15bを回転可能に支持する。
図1に示すように、第2軸受51の少なくとも一部は、ベアリングブラケット12の第2開口部12aの内周側に配置される。
【0051】
第2ハウジング52は、第2軸受51を保持する保持部52aと、該第2ハウジング52をベアリングブラケット12に固定するためのフランジ52bとを有する。
【0052】
本実施形態では、保持部52aは、第2軸受51の外周側を囲む円筒状に形成される。保持部52aは、第2軸受51に嵌合し、第2軸受51を保持する。保持部52aの少なくとも一部は、ベアリングブラケット12の第2開口部12aに挿入されている。保持部52aは、中心軸CのR方向において、第2開口部12aの内周面に接する。すなわち、保持部52aは、中心軸CのR方向において、ベアリングブラケット12と第2軸受51との間に挟まれる。保持部52aは、ベアリングブラケット12と第2軸受51との間に挟まれることで、ベアリングブラケット12に対して第2軸受51を支持する。
【0053】
フランジ52bは、保持部52aの端部に設けられる。詳しく述べると、第2ハウジング52の保持部52aは、第2開口部12aからベアリングブラケット12の外側に突出した端部を有する。フランジ52bは、保持部52aの前記端部から、中心軸CのR方向に張り出している。フランジ52bは、−Z方向において、ベアリングブラケット12の外側から(すなわち機外側から)ベアリングブラケット12に面する。
【0054】
次に、第2回転子支持部材53について説明する。
第2回転子支持部材53は、回転子シャフト15から第2軸受部品55を取り外す場合に、ベアリングブラケット12に対して回転子シャフト15および回転子鉄心14を固定する部材である。
図1に示すように、第2回転子支持部材53は、ベアリングブラケット12と回転子鉄心14との間に収容される。第2回転子支持部材53は、基部53a、延伸部53b、および固定部53cを有する。
【0055】
基部(嵌合部)53aは、第2ハウジング52の保持部52aの外周側を囲う筒状(例えば円筒状)に形成される。基部53aは、ベアリングブラケット12の−Z方向側の内面に沿って配置される。基部53aは、第2ハウジング52のフランジ52bとは反対側からベアリングブラケット12に面する。
【0056】
図1に示すように、ベアリングブラケット12の内面には、第2支持部56が設けられる。第2支持部56は、ベアリングブラケット12の内面から−Z方向に突出し、基部53aの外周側を囲う環状(例えば円環状)に形成されている。第2支持部56は、回転子シャフト15とは反対側から基部53aに接する内周面56aを有する。第2支持部56の内周面56aは、中心軸Cと略平行に形成される。基部53aは、第2支持部56の内周面56aに嵌合する。第2支持部56は、中心軸CのR方向の外周側から第2回転子支持部材53を支持する。
【0057】
第2支持部56は、中心軸Cのθ方向の全周において、基部53aの少なくともベアリングブラケット12側の端部を覆う。詳しく述べると、第2回転子支持部材53は、+Z方向でベアリングブラケット12の内面に面する第1面57を有する(
図5参照)。ベアリングブラケットの内面は、−Z方向で第2回転子支持部材53の第1面57に面する第2面58を有する(
図5参照)。第2支持部56の内周面56aは、中心軸CのR方向の外側から見た場合に、第2回転子支持部材53の第1面57、ベアリングブラケット12の第2面58、および第1面57と第2面58との間の隙間Sb2を、中心軸Cのθ方向の全周において切れ目なく覆う。
【0058】
図1に示すように、延伸部53bは、基部53aから回転子シャフト15に向けて、中心軸Cに対して傾いて延びている。延伸部53bは、回転子鉄心14に向けて進むに従い外径および内径が小さくなる筒状に形成される。
【0059】
固定部53cは、延伸部53bの先端部に設けられる。固定部53cは、回転子シャフト15の外周側を囲う筒状に形成される。固定部53cは、第3傾斜部53caを有する。第3傾斜部53caは、中心軸Cに対して傾いた環状の傾斜部(例えば傾斜面)である。第3傾斜部53caは、回転子鉄心14に向けて進むに従い回転子シャフト15から離れる方向に傾斜する。例えば、第3傾斜部53caは、中心軸Cに対して、略45度傾斜する。
【0060】
以上説明した第2回転子支持部材53は、基部53a、延伸部53b、および固定部53cが一体に形成される。第2回転子支持部材53は、後述する電動機1の分解作業時に、ベアリングブラケット12に対して−Z方向に移動可能である。具体的には、第2回転子支持部材53は、第2支持部56の内周面56aに案内され、回転子鉄心14に近付く方向に摺動可能である。
図1に示すように、第2回転子支持部材53は、該第2回転子支持部材53と回転子鉄心14との間に、該第2回転子支持部材53が回転子鉄心14に向けて移動可能な隙間Sb0を空けている。
【0061】
次に、第2支持部材受け54について説明する。
第2支持部材受け54は、回転子シャフト15に固定される取付部54aと、第2回転子支持部材53を受ける受け部54bとを有する。
【0062】
取付部54aは、回転子シャフト15の外径に略一致する内径を有した筒状に形成される。例えば、取付部54aは、回転子シャフト15に嵌合固定される。なお、第2支持部材受け54は、回転子シャフト15に代えて、または回転子シャフト15に加えて、回転子鉄心14に取り付けられてもよい。
【0063】
受け部54bは、取付部54aから中心軸CのR方向に張り出したフランジである。受け部54bは、回転子シャフト15の外周側に環状に形成される。受け部54bは、第2回転子支持部材53が接離可能である。すなわち、受け部54bは、電動機1の分解時に第2回転子支持部材53が回転子鉄心14に向けて移動された場合に、第2回転子支持部材53の固定部53cを受ける。第2支持部材受け54は、第2回転子支持部材53が接した場合に、回転子シャフト15および回転子鉄心14を第2回転子支持部材53に固定可能である。
【0064】
詳しく述べると、受け部54bは、第4傾斜部54baを有する。第4傾斜部54baは、第3傾斜部53caと略平行に形成された環状の傾斜部(例えば傾斜面)である。例えば、第4傾斜部54baは、中心軸Cに対して、略45度傾斜する。受け部54bは、第3傾斜部53caと回転子鉄心14との間に配置される。言い換えると、第4傾斜部54baは、回転子鉄心14と同じ側から、第3傾斜部53caに面する。第4傾斜部54baと第3傾斜部53caとの間には、微小な隙間Sb1が設けられる。
【0065】
次に、第2ハウジング52、ベアリングブラケット12、および第2回転子支持部材53に設けられるねじ穴および貫通穴について説明する。
【0066】
図1に示すように、第2ハウジング52のフランジ52bには、第3ねじ穴61が設けられる。第3ねじ穴61は、−Z方向において、第2ハウジング52のフランジ52bを貫通する。第3ねじ穴61の内周面は、ねじ山を有する。
【0067】
ベアリングブラケット12には、第4貫通穴62が設けられる。第4貫通穴62は、−Z方向において、ベアリングブラケット12を貫通する。第4貫通穴62は、ねじ山を有しない単純穴である。第4貫通穴62の内径は、第3ねじ穴61の内径よりも一回り大きい。第2ハウジング52は、第3ねじ穴61をベアリングブラケット12の第4貫通穴62に合わせるようにしてベアリングブラケット12に取り付けられている。
【0068】
第2回転子支持部材53の基部53aは、当接受け部63を有する。当接受け部63は、ベアリングブラケット12の第4貫通穴62に向かい合うように配置されている。当接受け部63は、第3ねじ穴61に螺合して第4貫通穴62に通されたボルトが当接可能である。当接受け部63は、例えば中心軸Cの軸方向に対して垂直な垂直面である。なおこれに代えて、当接受け部63は、中心軸Cに対して交差する方向に沿う傾斜面でもよく、または溝部を含むものでもよい。
【0069】
図2に示すように、第2ハウジング52のフランジ52bには、第5貫通穴64が設けられる。第5貫通穴64は、−Z方向において、フランジ52bを貫通する。第5貫通穴64は、ねじ山を有しない単純穴である。第5貫通穴64の内径は、後述する第4ねじ穴66の内径よりも一回り大きい。
【0070】
ベアリングブラケット12には、第6貫通穴65が設けられる。第6貫通穴65は、−Z方向において、ベアリングブラケット12を貫通する。第6貫通穴65は、ねじ山を有しない単純穴である。第6貫通穴65の内径は、後述する第4ねじ穴66の内径よりも一回り大きい。第2ハウジング52は、第5貫通穴64をベアリングブラケット12の第6貫通穴65に合わせるようにしてベアリングブラケット12に取り付けられている。
【0071】
第2回転子支持部材53の基部53aには、第4ねじ穴66が設けられる。第4ねじ穴66は、−Z方向において、第2回転子支持部材53の基部53aを貫通する。第4ねじ穴66の内周面は、ねじ山を有する。第4ねじ穴66は、ベアリングブラケット12の第6貫通穴65に向かい合うように配置されている。
【0072】
図2に示すように、第2貫通穴44には、ベアリングブラケット12の外側から第2固定ボルト67が挿入される。第2固定ボルト67は、第5貫通穴64および第6貫通穴65に通され、第4ねじ穴66に螺合する。第2固定ボルト67が第4ねじ穴66に螺合することで、第2ハウジング52および第2回転子支持部材53がベアリングブラケット12に固定される。すなわち、第2固定ボルト67は、第2ハウジング52、ベアリングブラケット12、および第2回転子支持部材53を共締めする。
【0073】
ここで、説明の便宜上、第3ねじ穴61、第4貫通穴62、当接受け部63を合わせて「穴セットHC」と称する。一方で、第5貫通穴64、第6貫通穴65、および第4ねじ穴66を合わせて「穴セットHD」と称する。
穴セットHCおよび穴セットHDは、穴セットHAおよび穴セットHBと同様に、それぞれ複数個所に設けられる。本実施形態の電動機1は、4つの穴セットHCと、4つの穴セットHDとを有する。4つの穴セットHCは、中心軸Cに対して、4つの穴セットHAと略同じ位置に配置される。4つの穴セットHDは、中心軸Cに対して、4つの穴セットHBと略同じ位置に配置される。
【0074】
また、2つの穴セットHDの間には、
図3に示す吸気口49と同様の吸気口49が設けられる。吸気口49は、ベアリングブラケット12を貫通し、電動機1内の空間S1に開口する。吸気口49を通じて外気が電動機1内の空間S1に流入することで、電動機1の放熱が促進される。
【0075】
次に、
図4および
図5を参照して、第1軸受部品35および第2軸受部品55を回転子シャフト15から取り外す分解方法について説明する。本実施形態では、固定子鉄心13から回転子鉄心14を引き抜くことなく、第1軸受部品35および第2軸受部品55が回転子シャフト15から取り外される。なおここでは、まず、回転子シャフト15から第1軸受部品35を取り外す方法について説明する。
【0076】
前提として、第1軸受部品35および第1回転子支持部材33は、電動機1が台車に搭載される状態では、第1固定ボルト47(
図2参照)によってフレーム11の端壁22に固定されている。このため、電動機1の分解作業時には、回転子シャフト15から第1軸受部品35を取り外す作業を行う前に、第1固定ボルト47を取り外しておく。第1固定ボルト47は、緩める方向に回転されることで、第1ハウジング32、フレーム11の端壁22、および第1回転子支持部材33から取り外される。
【0077】
図4は、第1軸受部品35の取り外し作業の第1段階を示す。
図4に示すように、第1軸受部品35を取り外す作業では、まず、第1取外ボルト71が第1ハウジング32の第1ねじ穴41に螺合される。具体的には、第1取外ボルト71は、第1ハウジング32の第1ねじ穴41に対してフレーム11の外側から螺合される。第1ねじ穴41に螺合した第1取外ボルト71は、締め込む方向に回転されることでフレーム11の内側(+Z方向側)に向けて進み、フレーム11の端壁22の第1貫通穴42を通り、第1回転子支持部材33の当接受け部43に押し当てられる。
【0078】
そして、第1取外ボルト71の先端部が第1回転子支持部材33の当接受け部43に押し当てられた状態で、第1取外ボルト71は、締め込む方向にさらに回転される。第1取外ボルト71は、締め込む方向に回転されることで、フレーム11の内側に向けて進み、第1回転子支持部材33を回転子鉄心14に向けて押し動かす。
第1回転子支持部材33は、第1取外ボルト71によって押し動かされることで回転子鉄心14に向けて移動し、該第1回転子支持部材33の第1傾斜部33caが第1支持部材受け34の第2傾斜部34baに押し当てられる。
第1回転子支持部材33の第1傾斜部33caが第1支持部材受け34の第2傾斜部34baに押し当てられると、フレーム11に対する回転子シャフト15の位置が固定される。フレーム11に対する回転子シャフト15の位置が固定されると、回転子シャフト15から第1軸受部品35が取り外されても、固定子鉄心13に対して回転子鉄心14が落下しなくなる。
【0079】
図5は、第1軸受部品35の取り外し作業の第2段階を示す。
図5に示すように、フレーム11に対する回転子シャフト15の位置が固定された状態で、回転子シャフト15から第1軸受部品35が取り外される。具体的には、第1回転子支持部材33の第1傾斜部33caが第1支持部材受け34の第2傾斜部34baに押し当てられた状態で、第1取外ボルト71が締め込む方向にさらに回転される。ただし、第1回転子支持部材33は、第1支持部材受け34に押し当てられており、回転子鉄心14に向けて移動できない。そのため、第1取外ボルト71が締め込む方向にさらに回転されると、第1取外ボルト71が第1回転子支持部材33から受ける反力によって、第1軸受部品35がフレーム11の外側に移動する。これにより、第1軸受部品35が回転子シャフト15から取り外される。第1軸受部品35が回転子シャフト15から取り外されると、第1軸受31の保守や交換が可能になる。なお、第1取外ボルト71は、第1ハウジング32がフレーム11から取り外されることで、第1軸受部品35とともにフレーム11から取り外される。
【0080】
また、第1回転子支持部材33が回転子鉄心14に向けて移動すると、端壁22の内面と第1回転子支持部材33との間に隙間Sa2が生じる。この隙間Sa2は、第1支持部36によって、中心軸CのR方向の外周側から、回転軸Cのθ方向において切れ目なく覆われる。
【0081】
次に、同じく
図4および
図5を参照して、回転子シャフト15から第2軸受部品55を取り外す方法について説明する。前提として、第2軸受部品55および第2回転子支持部材53は、電動機1が台車に搭載される状態において、第2固定ボルト67(
図2参照)によってベアリングブラケット12に固定されている。このため、電動機1の分解作業時には、回転子シャフト15から第2軸受51を取り外す作業を行う前に、第2固定ボルト67を取り外しておく。第2固定ボルト67は、緩める方向に回転されることで、第2ハウジング52、ベアリングブラケット12、および第2回転子支持部材53から取り外される。
【0082】
図4は、第2軸受部品55の取り外し作業の第1段階を示す。
図4に示すように、第2軸受部品55を取り外す作業では、まず、第2取外ボルト72が第2ハウジング52の第3ねじ穴61に螺合される。具体的には、第2取外ボルト72は、第2ハウジング52の第3ねじ穴61に対してベアリングブラケット12の外側から螺合される。第3ねじ穴61に螺合した第2取外ボルト72は、締め込む方向に回転されることでフレーム11の内側(−Z方向側)に向けて進み、ベアリングブラケット12の第4貫通穴62を通り、第2回転子支持部材53の当接受け部63に押し当てられる。
【0083】
そして、第2取外ボルト72の先端部が第2回転子支持部材53の当接受け部63に押し当てられた状態で、第2取外ボルト72が締め込む方向にさらに回転される。第2取外ボルト72が締め込む方向に回転されると、第2取外ボルト72は、フレーム11の内側に向けて進み、第2回転子支持部材53を回転子鉄心14に向けて押し動かす。第2回転子支持部材53は、第2取外ボルト72によって押し動かされることで回転子鉄心14に向けて移動し、該第2回転子支持部材53の第3傾斜部53caが第2支持部材受け54の第4傾斜部54baに押し当てられる。
第2回転子支持部材53の第3傾斜部53caが第2支持部材受け54の第4傾斜部54baに押し当てられると、ベアリングブラケット12に対する回転子シャフト15の位置が固定される。ベアリングブラケット12に対する回転子シャフト15の位置が固定されると、回転子シャフト15から第2軸受部品55が取り外されても、固定子鉄心13に対して回転子鉄心14が落下しなくなる。
【0084】
図5は、第2軸受部品55の取り外し作業の第2段階を示す。
図5に示すように、ベアリングブラケット12に対する回転子シャフト15の位置が固定された状態で、回転子シャフト15から第2軸受部品55が取り外される。具体的には、第2回転子支持部材53の第3傾斜部53caが第2支持部材受け54の第4傾斜部54baに押し当てられた状態で、第2取外ボルト72が締め込む方向にさらに回転される。ただし、第2回転子支持部材53は、第2支持部材受け54に押し当てられており、回転子鉄心14に向けて移動できない。そのため、第2取外ボルト72が締め込む方向にさらに回転されると、第2取外ボルト72が第2回転子支持部材53から受ける反力によって、第2軸受部品55がベアリングブラケット12の外側に移動する。これにより、第2軸受部品55が回転子シャフト15から取り外される。第2軸受部品55が回転子シャフト15から取り外されると、第2軸受51の保守や交換が可能になる。なお、第2取外ボルト72は、第2ハウジング52がベアリングブラケット12から取り外されることで、第2軸受部品55とともにベアリングブラケット12から取り外される。
【0085】
また、第2回転子支持部材53が回転子鉄心14に向けて移動すると、ベアリングブラケット12の内面と第2回転子支持部材53との間に隙間Sb2が生じる。この隙間Sb2は、第2支持部56によって、中心軸CのR方向の外周側から、回転軸Cのθ方向において切れ目なく覆われる。
【0086】
以上の説明では、説明の便宜上、第1軸受31を取り外す作業と、第2軸受51を取り外す作業とを分けて説明した。ただし、実際の分解作業では、第1軸受部品35を取り外す作業と、第2軸受部品55を取り外す作業とは同時に進められてもよい。
【0087】
次に、
図6および
図7を参照して、第1軸受部品35および第2軸受部品55の保守や交換を行った後に、第1軸受部品35および第2軸受部品55を回転子シャフト15に取り付ける再組立の方法について説明する。ここでは、まず、回転子シャフト15に第1軸受部品35を取り付ける方法について説明する。
【0088】
図6は、第1軸受部品35の取り付け作業の第1段階を示す。
図6に示すように、第1軸受部品35を取り付ける作業では、まず、第1軸受31を回転子シャフト15に取り付けるとともに、第1ハウジング32をフレーム11の端壁22に沿わせる。
そして、第1ハウジング32をフレーム11の端壁22に沿わせた後に、第1ハウジング32の第2貫通穴44に第1固定ボルト47が挿入される。具体的には、第1固定ボルト47は、第1ハウジング32の第2貫通穴44に対してフレーム11の外側から挿入される。第2貫通穴44に挿入された第1固定ボルト47は、フレーム11の端壁22の第3貫通穴45を通り、第1回転子支持部材33の第2ねじ穴46に螺合される。
【0089】
図7は、第1軸受部品35の取り付け作業の第2段階を示す。
図7に示すように、第1固定ボルト47は、第1回転子支持部材33の第2ねじ穴46に螺合した状態で、締め込む方向にさらに回転される。第1固定ボルト47が締め込む方向に回転されると、第1回転子支持部材33が回転子鉄心14から離れる方向に移動する。第1回転子支持部材33が回転子鉄心14から離れる方向に移動すると、第1回転子支持部材33の第1傾斜部33caと第1支持部材受け34の第2傾斜部34baとの間に微小な隙間Sa1が再び空く。これにより、フレーム11に対する回転子シャフト15の固定が解除され、回転子シャフト15が回転可能になる。また、第1固定ボルト47が締め込む方向に回転されると、第1軸受部品35および第1回転子支持部材33がフレーム11の端壁22に固定される。これにより、第1軸受部品35がフレーム11から外れなくなる。
【0090】
次に、回転子シャフト15に第2軸受部品55を取り付ける方法について説明する。
図6は、第2軸受部品55の取り付け作業の第1段階を示す。
図6に示すように、第2軸受部品55を取り付ける作業では、まず、第2軸受51を回転子シャフト15に取り付けるとともに、第2ハウジング52をベアリングブラケット12に沿わせる。
そして、第2ハウジング52をベアリングブラケット12に沿わせた後に、第2ハウジング52の第5貫通穴64に第2固定ボルト67が挿入される。具体的には、第2固定ボルト67は、第2ハウジング52の第5貫通穴64に対してベアリングブラケット12の外側から挿入される。第5貫通穴64に挿入された第2固定ボルト67は、ベアリングブラケット12の第6貫通穴65を通り、第2回転子支持部材53の第4ねじ穴66に螺合される。
【0091】
図7は、第2軸受51の取り付け作業の第2段階を示す。
図7に示すように、第2固定ボルト67は、第2回転子支持部材53の第4ねじ穴66に螺合した状態で、締め込む方向にさらに回転される。第2固定ボルト67が締め込む方向に回転されると、第2回転子支持部材53が回転子鉄心14から離れる方向に移動する。第2回転子支持部材53が回転子鉄心14から離れる方向に移動すると、第2回転子支持部材53の第3傾斜部53caと第2支持部材受け54の第4傾斜部54baとの間に微小な隙間Sb1が再び空く。これにより、ベアリングブラケット12に対する回転子シャフト15の固定が解除され、回転子シャフト15が回転可能になる。また、第2固定ボルト67が締め込む方向に回転されると、第2軸受部品55および第2回転子支持部材53がベアリングブラケット12に固定される。これにより、第2軸受部品55がベアリングブラケット12から外れなくなる。
【0092】
以上では、説明の便宜上、第1軸受部品35を取り付ける作業と、第2軸受部品55を取り付ける作業とを分けて説明した。ただし、実際の再組立作業では、第1軸受部品35を取り付ける作業と、第2軸受部品55を取り付ける作業とは同時に進められてもよい。
【0093】
以上のような構成の電動機1によれば、保守作業の容易化を図ることができる。
ここで比較のため、第1回転子支持部材33によって回転子シャフト15を固定する作業と、第1軸受部品35をフレーム11の端壁22から取り外す作業とが別々に行われる電動機について考える。この電動機の分解作業では、第1回転子支持部材33によって回転子シャフト15を固定した後に第1軸受部品35をフレーム11の端壁22から取り外す必要がある。この作業手順を間違えると、回転子シャフト15が固定されていない状態で回転子シャフト15から第1軸受部品35が取り外されることになり、固定子鉄心13に対して回転子鉄心14が落下する可能性がある。また、電動機の分解作業として、第1回転子支持部材33によって回転子シャフト15を固定する作業と、第1軸受部品35をフレーム11の端壁22から取り外す作業といった2つの作業が別々に行われるため、分解作業が煩雑になる可能性がある。
さらに、上記電動機の再組立作業では、第1回転子支持部材33による回転子シャフト15の固定を解除する作業と、第1軸受部品35をフレーム11の端壁22に固定する作業とが別々に行われる。このため、第1回転子支持部材33による回転子シャフト15の固定を解除する作業が誤って飛ばされ、第1軸受部品35をフレーム11の端壁22に固定する作業のみが行われる可能性がある。回転子シャフト15の固定を解除する作業が誤って飛ばされると、回転子シャフト15が固定された状態で電動機が台車に搭載される可能性がある。また、電動機の再組立作業として、第1回転子支持部材33による回転子シャフト15の固定を解除する作業と、第1軸受部品35をフレーム11の端壁22に固定する作業といった2つの作業が別々に行われると、再組立作業が煩雑になる可能性がある。
【0094】
そこで、本実施形態の電動機1は、筒状の固定子鉄心13と、回転子鉄心14と、回転子シャフト15と、ケース10と、第1軸受部品35と、第1回転子支持部材33と、第1支持部材受け34とを備える。回転子鉄心14は、固定子鉄心13の内周側に配置される。回転子シャフト15は、回転子鉄心14に固定される。ケース10は、固定子鉄心13および回転子鉄心14を収容する。第1軸受部品35は、回転子シャフト15を回転可能に支持する。第1回転子支持部材33は、ケース10の内部に配置され、回転子シャフト15の中心軸CのR方向の外周側からケース10によって支持されるとともに、ケース10に対して回転子シャフト15の中心軸Cの軸方向に移動可能である。第1支持部材受け34は、回転子シャフト15および回転子鉄心14の少なくとも一方に取り付けられ、第1回転子支持部材33が接離可能であるとともに、第1回転子支持部材33と接した場合に回転子シャフト15および回転子鉄心14を第1回転子支持部材33に対して固定可能である。ケース10は、回転子シャフト15の中心軸Cの軸方向に沿う第1貫通穴42を有する。第1回転子支持部材33は、第1取外ボルト71が当接可能な当接受け部43を有する。当接受け部43は、第1貫通穴42と向かい合うように配置される。第1軸受部品35は、回転子シャフト15の中心軸Cの軸方向で機外側からケース10に面するフランジ32bと、フランジ32bに設けられた第1ねじ穴41とを有するとともに、第1ねじ穴41を第1貫通穴42に合わせるようにしてケース10に取り付けられている。
【0095】
この構成によれば、電動機1の分解作業時では、第1軸受部品35の第1ねじ穴41に第1取外ボルト71を螺合させ、その第1取外ボルト71をケース10の第1貫通穴42から第1回転子支持部材33の当接受け部43に当接させる。そして、第1取外ボルト71が第1回転子支持部材33の当接受け部43に当接した状態で、さらにその第1取外ボルト71を締める方向に回転させることで、第1取外ボルト71によって第1回転子支持部材33が第1支持部材受け34に接する位置まで移動する。第1回転子支持部材33が第1支持部材受け34に接する位置まで移動すると、第1回転子支持部材33と第1支持部材受け34とによって回転子シャフト15および回転子鉄心14が第1回転子支持部材33に対して固定される。回転子シャフト15および回転子鉄心14が第1回転子支持部材33に対して固定されると、回転子シャフト15から第1軸受部品35を取り外しても、回転子シャフト15および回転子鉄心14が固定子鉄心13に対して落下しなくなる。また、第1回転子支持部材33が第1支持部材受け34に接した状態で、さらに第1取外ボルト71を締める方向に回転させると、第1取外ボルト71から受ける反力によって第1軸受部品35が回転子シャフト15から外れる方向に移動する。これにより、第1軸受部品35を回転子シャフト15から取り外される。
すなわち上記構成によれば、第1回転子支持部材33によって回転子シャフト15および回転子鉄心14を固定する作業と、第1軸受部品35をケース10から取り外す作業とがこの順序で行われる。つまり、上記構成によれば、ケース10に対して回転子シャフト15および回転子鉄心14が固定される前にケース10から第1軸受部品35が取り外されてしまうことが生じない。このため、作業者の注意負担を軽減することができ、保守作業の容易化を図ることができる。
さらに、上記構成によれば、第1取外ボルト71を回転させる動作によって、第1回転子支持部材33によって回転子シャフト15および回転子鉄心14を固定する作業と、第1軸受部品35をケース10から取り外す作業とが連続して行われる。このため、第1回転子支持部材33によって回転子シャフト15および回転子鉄心14を固定する作業と、第1軸受部品35をケース10から取り外す作業とが別々に行われる電動機に比べて、電動機1の分解作業が単純になる。この観点でも、本実施形態の電動機1は、保守作業の容易化を図ることができる。なおこれは、第2軸受部品55についても同様である。
【0096】
本実施形態では、第1軸受部品35は、フランジ32bに設けられた第2貫通穴44を有する。ケース10は、第1軸受部品35の第2貫通穴44が合わされる第3貫通穴45を有する。第1回転子支持部材33は、ケース10の第3貫通穴45に合わされる第2ねじ穴46を有する。第2ねじ穴46には、第2貫通穴44および第3貫通穴45に通された第1固定ボルト47が螺合可能である。
【0097】
このような構成によれば、電動機1の組立作業時に、第1軸受部品35の第2貫通穴44およびケース10の第3貫通穴45に第1固定ボルト47を通し、その第1固定ボルト47を第1回転子支持部材33の第2ねじ穴46に螺合させる。そして、第1固定ボルト47が第2ねじ穴46に螺合した状態で、さらにその第1固定ボルト47を締める方向に回転させることで、第1固定ボルト47によって第1回転子支持部材33が第1支持部材受け34から離れる位置に移動する。第1回転子支持部材33が第1支持部材受け34から離れる位置に移動すると、第1回転子支持部材33による回転子シャフト15および回転子鉄心14の固定が解除される。また、さらに第1固定ボルト47を締める方向に回転させると、第1固定ボルト47によって第1軸受部品35がケース10に固定される。これにより、第1軸受部品35がケース10から外れなくなる。
すなわち上記構成によれば、第1回転子支持部材33による回転子シャフト15および回転子鉄心14の固定を解除する作業と、第1軸受部品35をケース10に締結する作業とがこの順序で行われる。つまり、上記構成によれば、回転子シャフト15および回転子鉄心14の固定を解除する作業が誤って抜かされ、回転子シャフト15および回転子鉄心14が固定された状態のままで電動機1の組立作業が完了してしまうことが生じない。このため、作業者の注意負担をさらに軽減することができ、保守作業のさらなる容易化を図ることができる。
さらに、上記構成によれば、第1固定ボルト47を回転させる動作によって、第1回転子支持部材33による回転子シャフト15および回転子鉄心14の固定を解除する作業と、第1軸受部品35をケース10に締結する作業とが連続して行われる。このため、第1回転子支持部材33による回転子シャフト15および回転子鉄心14の固定を解除する作業と、第1軸受部品35をケース10に締結する作業とが別々に行われる電動機に比べて、電動機1の組立作業が単純になる。この観点でも、本実施形態の電動機1は、保守作業の容易化を図ることができる。なおこれは、第2軸受部品55についても同様である。
【0098】
本実施形態では、第1回転子支持部材33は、回転子シャフト15の中心軸Cの軸方向でケース10の内面に面する第1面37を有する。ケース10の内面は、第1回転子支持部材33の第1面37に面する第2面38を有する。ケース10は、回転子シャフト15の中心軸Cの径方向の外周側から第1回転子支持部材33を支持する第1支持部36を有する。第1支持部36は、回転子シャフト15の中心軸Cの径方向の外周側から見た場合に、第1回転子支持部材33の第1面37、ケース10の第2面38、および第1面37と第2面38との間の隙間Sa2を、回転子シャフト15の中心軸Cのθ方向の全周において切れ目なく覆う。
【0099】
このような構成によれば、第1回転子支持部材33が回転子鉄心14に向けて移動し、第1回転子支持部材33とケース10の内面との間に隙間Sa2が生じる場合に、その隙間Sa2は、ケース10の支持部36によって回転子シャフト15の中心軸Cのθ方向の全周において切れ目なく覆われる。
すなわち上記構成によれば、第1回転子支持部材33が回転子鉄心14に向けて移動し、第1回転子支持部材33とケース10の内面との間に隙間Sa2が生じる場合でも、その隙間Sa2にゴミや粉塵が入ることが抑制される。第1回転子支持部材33とケース10の内面との間の隙間Sa2にゴミや粉塵が入ることが抑制されると、第1回転子支持部材33による回転子シャフト15および回転子鉄心14の固定を解除した後に、第1回転子支持部材33を元の位置まで確実に戻すことができる。これにより、第1回転子支持部材33とケース10の内面との間にゴミや粉塵が挟まり、回転子シャフト15および回転子鉄心14の固定が解除できなくなるような不具合の発生を抑制することができる。これは、ベアリングブラケット12の第2支持部56についても同様である。
【0100】
以上、ひとつの実施形態の電動機1について説明した。ただし、実施形態の電動機は、上記例に限定されない。例えば、本実施形態の構造は、フレームレス構造の電動機にも適用可能である。フレームレス構造の電動機は、第1固定子鉄心押さえが設けられる第1ブラケットと、第2固定子鉄心押さえが設けられる第2ブラケットと、第1固定子鉄心押さえと第2固定子鉄心押さえとの間に設けられる円弧状の瓦板とを含む。このよう構成では、上記第1ブラケット、上記第2ブラケット、および瓦版が合わされて「ケース」の一例が形成される。
また、第1仕切り板27aおよび第2仕切り板27bは、設けられなくてもよい。
【0101】
以上説明した少なくともひとつの実施形態では、電動機1は、ケースに対して回転子シャフトの中心軸の軸方向に移動可能な回転子支持部材と、前記回転子シャフトおよび回転子鉄心の少なくとも一方に取り付けられ、前記回転子支持部材が接離可能であるとともに、前記回転子支持部材と接した場合に前記回転子シャフトおよび前記回転子鉄心を前記回転子支持部材に対して固定可能な支持部材受けとを持つ。前記ケースは、第1貫通穴を有する。前記回転子支持部材は、ボルトが当接可能な当接受け部を有し、前記当接受け部は、前記第1貫通穴と向かい合うように配置されている。軸受部品は、機外側から前記ケースに面するフランジと、前記フランジに設けられた第1ねじ穴とを有するとともに、前記第1ねじ穴を前記第1貫通穴に合わせるようにして前記ケースに取り付けられている。このような構成によれば、電動機の保守作業の容易化を図ることができる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。