(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一端が固定ダイプレートに固定されたCフレームと、前記Cフレームの他端に昇降可能に取り付けられた射出ユニットと、前記射出ユニットを昇降する昇降機構と、前記射出ユニットを所要の高さ位置で支持する支持機構と、前記昇降機構及び前記支持機構の駆動制御を行う制御ユニットとを備えたダイカストマシンにおいて、
前記支持機構は、所定高さのスペーサ部材と、前記スペーサ部材を前記射出ユニットの支持位置又は不支持位置に往復移動する油圧シリンダ装置とから構成され、
前記制御ユニットは、前記昇降機構の昇降部を前記射出ユニットの下面に当接した状態で、前記Cフレームに対する前記射出ユニットの固定を解除した後、
前記射出ユニットを現在位置よりも上昇する場合には、前記昇降機構を駆動して、前記スペーサ部材を前記不支持位置から前記支持位置に移動可能な高さ位置まで前記射出ユニットを上昇し、次いで、前記油圧シリンダ装置を駆動して、前記スペーサ部材を前記不支持位置から前記支持位置に移動し、しかる後に、前記昇降機構を駆動して、前記射出ユニットを下降し、前記スペーサ部材に前記射出ユニットを支持させると共に、前記昇降部を前記射出ユニットの下面から離隔させ、
前記Cフレームと前記射出ユニットを、遠隔操作式のクランプ装置を用いて着脱可能に固定したことを特徴とするダイカストマシン。
一端が固定ダイプレートに固定されたCフレームと、前記Cフレームの他端に昇降可能に取り付けられた射出ユニットと、前記射出ユニットを昇降する昇降機構と、前記射出ユニットを所要の高さ位置で支持する支持機構と、前記昇降機構及び前記支持機構の駆動制御を行う制御ユニットとを備えたダイカストマシンにおいて、
前記支持機構は、所定高さのスペーサ部材と、前記スペーサ部材を前記射出ユニットの支持位置又は不支持位置に往復移動する油圧シリンダ装置とから構成され、
前記制御ユニットは、前記昇降機構の昇降部を前記射出ユニットの下面に当接した状態で、前記Cフレームに対する前記射出ユニットの固定を解除した後、
前記射出ユニットを現在位置よりも下降する場合には、前記昇降機構を駆動して、前記スペーサ部材を前記支持位置から前記不支持位置に移動可能な高さ位置まで前記射出ユニットを上昇し、次いで、前記油圧シリンダ装置を駆動して、前記スペーサ部材を前記支持位置から前記不支持位置に移動し、しかる後に、前記昇降機構を駆動して、前記射出ユニットを下降し、機台に前記射出ユニットを支持させると共に、前記昇降部を前記射出ユニットの下面から離隔させ、
前記Cフレームと前記射出ユニットを、遠隔操作式のクランプ装置を用いて着脱可能に固定したことを特徴とするダイカストマシン。
【背景技術】
【0002】
ダイカストマシンは、射出ユニットに備えられたプランジャロッドを金型ユニット側に備えられた射出スリーブ内で前進駆動し、射出スリーブ内に一定量供給された溶融金属材料を金型ユニットのキャビティ内に高圧で鋳込み、所定形状の鋳造品を連続的に製造する成形機である。射出スリーブは、キャビティ内のガス抜きが容易で高品質の鋳造品を製造しやすいことから、キャビティの下方位置に設定するのが一般的であるが、大型の鋳造品や複雑形状の鋳造品を製造する場合には、キャビティ内の湯回りを均一化するため、キャビティのセンタ位置に射出スリーブを設定することもある。従って、金型ユニットを種々交換しながら、射出位置が異なる各種の鋳造品を順次製造しようとする場合には、ダイカストマシンに射出ユニットの昇降機構を備える必要がある。
【0003】
従来、射出ユニットの昇降機構を備えたダイカストマシンとしては、特許文献1に記載のものと、特許文献2に記載のものが知られている。
【0004】
特許文献1に記載のダイカストマシンは、固定金型取付用の固定盤に射出フレームの前端面を上下方向にのみ摺動可能に突き合わせてボルトで固定し、射出フレームの後端面に射出シリンダをボルトで固定すると共に、射出フレームの下側と射出シリンダの下側にそれぞれジャッキを設け、全部のジャッキを同一駆動源に連結して、全部のジャッキを同時に上下動できるようにしたことを特徴とする(特許文献1の請求項1参照。)。特許文献1に記載のダイカストマシンは、このように構成されているので、射出フレームを固定盤に固定するボルトを取り外した状態で、全部のジャッキを同時に上下動することにより、射出フレーム及び射出シリンダの高さ位置を一体的に変更することができる。
【0005】
一方、特許文献2に記載のダイカストマシンは、固定金型取付用の固定ダイプレートの背面部に固定されたCフレームの背面部に、ロックピンを用いて射出シリンダ装置のフランジ部を上下移動可能に係合し、ロックピンのねじ部にロックナットを螺合することによってCフレームの背面部に射出シリンダ装置のフランジ部を固定したことを特徴とする。また、この特許文献2に記載のダイカストマシンは、射出シリンダ装置のフランジ部とダイカストマシンの架台との間、及び、油圧シリンダ装置の後側部分とダイカストマシンの架台との間にそれぞれ前側可変スペーサ機構及び後側可変スペーサ機構を設けると共に、後側可変スペーサ機構の近傍に射出シリンダ装置を昇降するための油圧シリンダ装置を備えたことを特徴とする(特許文献2の請求項1参照。)。特許文献2に記載のダイカストマシンは、このように構成されているので、ロックナットを緩めてロックピンを取り外した後、油圧シリンダ装置を用いて射出シリンダ装置を持ち上げた状態で、前側可変スペーサ機構のスペーサ部材を高さ寸法の異なるものに交換すると共に、後側可変スペーサ機構に備えられた可動板を所定の位置まで移動することにより、射出シリンダ装置の高さ位置を変更することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のダイカストマシンは、固定盤と射出フレームとがボルトを用いて固定されているので、射出フレーム及び射出シリンダの高さ位置を変更するに際しては、ボルトの取り付け取り外し作業を行わなくてはならず、射出フレーム及び射出シリンダの高さ位置の変更作業に長時間を要するという問題がある。即ち、近年のダイカストマシンは、小型化の要請に対応するために架台と射出フレームとの間の作業スペースがますます小さくなる傾向にあるので、ボルトの着脱作業を行いにくく、作業者の肉体的負担が大きいために、射出シリンダの高さ位置の変更作業に長時間を要する。また、特許文献1に記載のダイカストマシンは、射出フレーム及び射出シリンダの高さ位置を変更した後においても、ジャッキの先端部を射出フレーム及び射出シリンダに当接させたままとする構成であるので、ダイカストマシンの稼働に伴う偏荷重がジャッキに繰り返し作用し、ジャッキが故障しやすいという問題もある。
【0008】
一方、特許文献2に記載のダイカストマシンは、Cフレームと射出シリンダ装置のフランジ部とを、これらの各部材を上下移動可能に係合するロックピンのねじ部にロックナットを螺合することによって固定する構成であるので、特許文献1に記載のダイカストマシンと同様に、ロックナットの取り付け取り外し作業に多大の労力を要し、射出シリンダ装置の高さ位置の変更作業に長時間を要する。また、特許文献2に記載のダイカストマシンは、前側可変スペーサ機構が、短いスペーサ部材と長いスペーサ部材を必要に応じて交換する構成であるので、交換後に残ったスペーサ部材の保存や管理が面倒であるという問題がある。さらに、特許文献2に記載のダイカストマシンは、油圧シリンダ装置のピストンロッドが連結金具によって射出シリンダ装置に連結されているので、特許文献1に記載のダイカストマシンと同様に、ダイカストマシンの稼働に伴う偏荷重が連結金具を介してピストンロッドに繰り返し作用し、射出シリンダ装置を昇降するための油圧シリンダ装置が故障しやすいという問題もある。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、射出ユニットの高さ位置の変更作業を容易に行うことができ、かつ、耐久性に優れたダイカストマシンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するため、第1に、一端が固定ダイプレートに固定されたCフレームと、前記Cフレームの他端に昇降可能に取り付けられた射出ユニットと、前記射出ユニットを昇降する昇降機構と、前記射出ユニットを所要の高さ位置で支持する支持機構と、前記昇降機構及び前記支持機構の駆動制御を行う制御ユニットとを備えたダイカストマシンにおいて、前記支持機構は、所定高さのスペーサ部材と、前記スペーサ部材を前記射出ユニットの支持位置又は不支持位置に往復移動する油圧シリンダ装置とから構成され、前記制御ユニットは、前記昇降機構の昇降部を前記射出ユニットの下面に当接した状態で、前記Cフレームに対する前記射出ユニットの固定を解除した後、前記射出ユニットを現在位置よりも上昇する場合には、前記昇降機構を駆動して、前記スペーサ部材を前記不支持位置から前記支持位置に移動可能な高さ位置まで前記射出ユニットを上昇し、次いで、前記油圧シリンダ装置を駆動して、前記スペーサ部材を前記不支持位置から前記支持位置に移動し、しかる後に、前記昇降機構を駆動して、前記射出ユニットを下降し、前記スペーサ部材に前記射出ユニットを支持させると共に、前記昇降部を前記射出ユニットの下面から離隔させ
、前記Cフレームと前記射出ユニットを、遠隔操作式のクランプ装置を用いて着脱可能に固定したことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記課題を解決するため、第2に、一端が固定ダイプレートに固定されたCフレームと、前記Cフレームの他端に昇降可能に取り付けられた射出ユニットと、前記射出ユニットを昇降する昇降機構と、前記射出ユニットを所要の高さ位置で支持する支持機構と、前記昇降機構及び前記支持機構の駆動制御を行う制御ユニットとを備えたダイカストマシンにおいて、前記支持機構は、所定高さのスペーサ部材と、前記スペーサ部材を前記射出ユニットの支持位置又は不支持位置に往復移動する油圧シリンダ装置とから構成され、前記制御ユニットは、前記昇降機構の昇降部を前記射出ユニットの下面に当接した状態で、前記Cフレームに対する前記射出ユニットの固定を解除した後、前記射出ユニットを現在位置よりも下降する場合には、前記昇降機構を駆動して、前記スペーサ部材を前記支持位置から前記不支持位置に移動可能な高さ位置まで前記射出ユニットを上昇し、次いで、前記油圧シリンダ装置を駆動して、前記スペーサ部材を前記支持位置から前記不支持位置に移動し、しかる後に、前記昇降機構を駆動して、前記射出ユニットを下降し、機台に前記射出ユニットを支持させると共に、前記昇降部を前記射出ユニットの下面から離隔させ
、前記Cフレームと前記射出ユニットを、遠隔操作式のクランプ装置を用いて着脱可能に固定したことを特徴とする。
【0012】
本構成によると、制御ユニットは、昇降機構を駆動して射出ユニットを所要の高さ位置まで昇降させ、かつ遠隔操作式のクランプ装置を駆動してCフレームに射出ユニットを固定した後に、昇降機構の昇降部を射出ユニットの下面から離隔させるので、ダイカストマシンの稼働に伴う偏荷重が昇降機構の昇降部に作用せず、昇降機構の破損を防止できて、ダイカストマシンの耐久性を高めることができる。
【0014】
遠隔操作式のクランプ装置としては、例えば油圧式クランプ装置又は電磁式クランプ装置を挙げることができる。これらの遠隔操作式のクランプ装置を用いて射出ユニットをCフレームに着脱可能に固定すると、制御ユニットから所要の駆動信号を出力することにより、Cフレームに対する射出ユニットの固定又は固定解除を瞬間的に行うことができるので、ボルトを用いてCフレームに射出ユニットを固定する場合に比べて、Cフレームに対する射出ユニットの固定作業又は固定解除作業の作業性を格段に高めることができる。
【0015】
また本発明は、前記構成のダイカストマシンにおいて、前記クランプ装置の動作状態を検出する
クランプ検出センサを備え、前記制御ユニットは、前記
クランプ検出センサの出力信号と前記制御ユニットから出力される前記クランプ装置の駆動信号を比較し、両信号は一致しないと判定したとき、ダイカストマシンのオペレータに、前記クランプ装置に動作不良が生じている旨の警報を発することを特徴とする。
【0016】
遠隔操作式のクランプ装置は、制御ユニットから出力される駆動信号により駆動され、Cフレームに対する射出ユニットの固定又は固定解除を行うが、何らかの原因によって動作不良を起こすこともあり得る。そこで、クランプ装置の動作状態を検出するセンサを備え、当該センサの出力信号を制御ユニットに入力すると、制御ユニットは、センサの出力信号とクランプ装置の駆動信号を比較することにより、出力した駆動信号に応じた動作がクランプ装置で行われたか否かを判定できる。そして、両信号が一致しないと判定したときに所要の警報を発すると、ダイカストマシンのオペレータにクランプ装置に動作不良が生じていることを報知できるので、直ちに必要な対策をとることが可能となり、機械各部の破損を防止できる。よって、射出ユニットの昇降機構を備えたダイカストマシンの信頼性を高めることができる。
【0017】
また本発明は、前記構成のダイカストマシンにおいて、前記昇降機構の昇降部の高さ位置を検出する
ジャッキ検出センサを備え、前記制御ユニットは、前記
ジャッキ検出センサの出力信号に基づいて前記射出ユニットの現在の高さ位置を判定した後に、前記射出ユニットの下位置から上位置への移動、又は、上位置から下位置への移動を行うことを特徴とする。
【0018】
例えば、射出ユニットが上位置にあるにも拘らず、オペレータが誤って射出ユニットを上位置から下位置に移動しようとすると、作業が無駄になってダイカストマシンの稼働効率が低下する。また、機械各部に不正な力が作用して機材が破損することもあり得る。そこで、射出ユニットの現在の高さ位置を判定した後に、射出ユニットの下位置から上位置への移動、又は、上位置から下位置への移動を行うと、所要の作業を間違いなく効率的に行うことができて、上述の不都合を回避できる。
【0019】
また本発明は、前記構成のダイカストマシンにおいて、前記射出ユニットにプランジャロッドが取り付けられているか否かを検出する
プランジャロッド検出センサを備え、前記制御ユニットは、前記
プランジャロッド検出センサの出力信号に基づいて前記射出ユニットから前記プランジャロッドが取り外されていると判定した後に、前記昇降機構の駆動を行うことを特徴とする。
【0020】
プランジャロッドの先端部は、筒状の射出スリーブ内に挿入されているので、射出ユニットにプランジャロッドが取り付けられている状態で、クランプ装置及び昇降機構を駆動してCフレームに対する射出ユニットの昇降動作を行うと、プランジャロッドが射出スリーブに衝突して破損する。そこで、射出ユニットにプランジャロッドが取り付けられているか否かを検出するセンサを備え、制御ユニットにより、プランジャロッドが射出ユニットから取り外されていると判定された後でなければ、クランプ装置及び昇降機構の駆動を行わないようにすると、プランジャロッドの破損を確実に防止できるので、射出ユニットの昇降機構を備えたダイカストマシンの信頼性を高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のダイカストマシンは、射出ユニットを所要の高さ位置に設定した後に、昇降機構の昇降部を射出ユニットの下面から離隔させるので、ダイカストマシンの稼働に伴う偏荷重が昇降機構の昇降部に作用せず、昇降機構の破損を防止できて、ダイカストマシンの耐久性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施の形態に係るダイカストマシンにつき、図を用いて説明する。なお、以下に記載する実施の形態は、本発明を具体化する際の一例を示すものであって、本発明の範囲をその記載の範囲内に限定するものではない。従って、本発明は、実施の形態に種々の変更を加えて実施することができる。
【0024】
実施の形態に係るダイカストマシン1は、
図1乃至
図4に示すように、ベース盤2上に固定された固定ダイプレート3と、一端が固定ダイプレート3に固定されたCフレーム4と、Cフレーム4の他端に昇降可能に取り付けられた射出ユニット5と、射出ユニット5を昇降する昇降機構6と、射出ユニット5を所要の高さ位置で支持する支持機構7と、ダイカストマシンのオペレータに所要の警報を発する警報装置8と、昇降機構6、支持機構7及び警報装置8の駆動制御を行う制御ユニット9を備えている。
【0025】
固定ダイプレート3の表面(Cフレーム4の取付面と反対側の面)には、
図5に示すように、固定金型11と可動金型12とからなる金型ユニット13が配置される。固定金型11は固定ダイプレート3に固定され、可動金型12は図示しない可動ダイプレートに固定される。固定金型11と可動金型12の合わせ面には、所定形状のキャビティ14が形成されており、当該キャビティ14の一端(
図5の例では下端部)には、後に説明する射出スリーブに連通するランナ15が形成されている。
【0026】
固定ダイプレート3のランナ15と対向する位置には、射出スリーブの取付孔16が開口され、当該取付孔16には、溶融金属の供給孔17aを有する射出スリーブ17が着脱可能に取り付けられている。また、取付孔16の上方には、射出スリーブ17を取り付けるための予備孔18が開口されている。射出スリーブ17内には、後に説明する射出ユニット5によって前後進駆動されるプランジャロッド19が挿入される。プランジャロッド19の先端部には、射出スリーブ17の内面とプランジャロッド19の外面との間の気密性を高めるためのプランジャチップ19aが取り付けられる。従って、取付孔16に射出スリーブ17が取り付けられている状態で、供給孔17aから射出スリーブ17内に溶融金属を供給し、プランジャロッド19を金型ユニット13側に前進駆動すると、射出スリーブ17内の溶融金属材料がランナ15を通って、その上方に形成されたキャビティ14内に射出され、いわゆる下打ちによる鋳造を実行できる。また、射出スリーブ17を取付孔16から予備孔18に付け替えると共に、金型ユニット13をキャビティ14のセンタ位置にランナ15が形成されたものに交換して、前記と同様の射出動作を行うと、キャビティ14のセンタ位置から溶融金属の射出が行われ、いわゆるセンタ打ちによる鋳造を実行できる。
【0027】
射出ユニット5は、
図1に示すように、低速射出・増圧用電動サーボモータ21と、高速射出用油圧機器22と、低速射出・増圧用電動サーボモータ21及び高速射出用油圧機器22の駆動力をプランジャロッド19へ伝達する機構部23と、機構部23の先端に設けたフランジ部24を備えており、金型ユニット13が取り付けられたCフレーム4の背面側に、上下方向にのみ摺動可能に取り付けられる。即ち、
図2に示すように、射出ユニット5のフランジ部24を、Cフレーム4の背面と、その両側部分に設けられた2つの鉤型部材25とによって形成されるフレーム挿入空間内に挿入することにより、上下方向にのみに摺動可能に取り付けられる。射出ユニット5の昇降動作は、昇降機構6及び支持機構7を駆動することにより行われるが、これについては後に詳細に説明する。なお、
図1の例では、プランジャロッド19の駆動源として低速射出・増圧用電動サーボモータ21と高速射出用油圧機器22を備えたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、高速射出用油圧機器22に代えて高速射出用電動サーボモータを備えることもできる。
【0028】
射出ユニット5は、
図1に示すように、遠隔操作式のクランプ装置30を用いてCフレーム4に取り付けられる。遠隔操作式のクランプ装置30とは、制御ユニット9から出力される駆動信号に応じて動作状態が切り替わるものであり、例えば油圧式クランプ装置及び電磁式クランプ装置のいずれか一方又は双方を用いることができる。
【0029】
図6には、油圧式クランプ装置30を用いてCフレーム4に射出ユニット5を固定した場合が例示されている。油圧式クランプ装置30は、蓋部材31によって一端が閉止された筒状のクランプ本体32と、クランプ本体32内に摺動自在に収納されたピストン33と、一端がピストン33に螺合され、他端がクランプ本体32より突出されたピストンロッド34と、蓋部材31とピストン33との間に配置されたばね部材35を含んで構成されている。クランプ本体32には、油室36と、油室36に連通する油圧供給口37とが形成されており、クランプ本体32から突出されたピストンロッド34の先端部には、射出ユニット5のフランジ部24に係合される係合凸部38が形成されている。
【0030】
油圧供給口37に所定圧力の油圧を供給すると、図示しないポンプから供給される作動油が油圧供給口37を通って油室36に導入され、ピストン33がばね部材35の弾性力に抗して、蓋部材31側に移動する。これにより、係合凸部38が射出ユニット5のフランジ部24に形成された係合部24aに係合され、クランプ本体32と係合凸部38との間に作用する張力により、射出ユニット5がCフレーム4に固定される。この状態から、油圧供給口37に供給していた油圧を除去すると、ピストン33がばね部材35の弾性力によって蓋部材31から離隔する方向に移動する。これにより、係合凸部38と係合部24aの係合が解除され、Cフレーム4に対する射出ユニット5の固定が解除される。油圧式クランプ装置30の動作状態は、ピストン33の動きをリミットスイッチ等のクランプ検出センサ39を用いて検出することにより知ることができる。クランプ検出センサ39の出力信号は、制御ユニット9に入力される。
【0031】
Cフレーム4には、
図2及び
図7に示すように、射出ユニット5の高さ位置を変更するに当たって、射出ユニット5からプランジャロッド19が取り外されたか否かを検出するためのプランジャロッド検出装置40が備えられている。プランジャロッド検出装置40は、マイクロスイッチ等のプランジャロッド検出センサ41と、プランジャロッド検出センサ41を上下方向に往復移動するセンサ駆動部42とから構成される。プランジャロッド検出センサ41の可動範囲は、上位置に移動された射出ユニット5のプランジャロッド19を検出可能な位置から、下位置に移動された射出ユニット5のプランジャロッド19を検出可能な位置までに設定される。射出ユニット5からプランジャロッド19が取り外されたか否かの検出は、
図8に示すように、センサ駆動部42を駆動して、プランジャロッド検出センサ41をその上昇限から下降限まで移動することにより行われる。射出ユニット5からプランジャロッド19が取り外されている場合には、プランジャロッド検出センサ41のプローブ41aがプランジャロッド19に当接せず、射出ユニット5からプランジャロッド19が取り外されていない場合には、プランジャロッド検出センサ41のプローブ41aがプランジャロッド19に当接するので、射出ユニット5からプランジャロッド19が取り外されたか否かを検出できる。プランジャロッド検出センサ41の出力信号は、制御ユニット9に入力される。
【0032】
一方、固定ダイプレート3のCフレーム取付面には、
図2及び
図7に示すように、プランジャチップ19aに潤滑剤を供給するチップ潤滑装置50が備えられている。チップ潤滑装置50は、図示しない潤滑剤タンク、潤滑剤ポンプ及び開閉弁と、先端に噴射ノズル51を備えた上位置用の潤滑剤供給配管52と、下位置用の潤滑剤供給配管54と、潤滑剤の流路を上位置側又は下位置側に切替える切替バルブ53とから構成される。切替バルブ53は、射出ユニット5の位置に応じて潤滑剤の流路を上位置側又は下位置側に切り替え、プランジャロッドが上位置に移動された場合にも、下位置に移動された場合にも、プランジャチップ19aへの潤滑剤の噴射を可能とする。潤滑剤ポンプ、開閉弁及び切替バルブ53は、制御ユニット9から出力される駆動信号により駆動される。
【0033】
昇降機構6は、
図1及び
図2に示すように、ベース盤2の四隅部分に配置された4つのジャッキ61、62、63、64と、これら4つのジャッキ61、62、63、64の駆動源である1つの昇降用モータ65と、昇降用モータ65の駆動力を各ジャッキ61、62、63、64に伝達する動力伝達機構66とから構成される。動力伝達機構66は、昇降用モータ65の駆動力を、ベース盤2の一辺に沿って配置された2つのジャッキ61、62側と、ベース盤2の他の一辺に沿って配置された他の2つのジャッキ63、64側とに分岐するギア機構67と、ギア機構67により分岐された動力を各ジャッキ61、62、63、64に伝達する複数のプロペラ軸68とから構成される。また、プロペラ軸68の端部には、
図2に示すように、プロペラ軸68の回転量及び回転方向を検出するジャッキ検出センサ69が備えられている。各ジャッキ61、62、63、64の昇降部61a、62a、63a、64aは、
図1に示すように、その上面が、射出ユニット5の機構部23に設けられた支持梁23aの下面に当接される。昇降用モータ65のオンオフは、制御ユニット9から出力される駆動信号により行われる。
【0034】
昇降機構6に備えられる4つのジャッキ61、62、63、64は、プロペラ軸68の回転に伴って昇降部61a、62a、63a、64aが均一に昇降する。また、ギア機構67は、昇降用モータ65の駆動力をジャッキ61、62側とジャッキ63、64側とに等分に分岐する。従って、Cフレーム4に対する射出ユニット5の固定を解除した状態で、昇降用モータ65を駆動して各ジャッキ61、62、63、64の昇降部61a、62a、63a、64aを昇降することにより、射出ユニット5をCフレーム4の射出ユニット取付面に沿って昇降することができる。
【0035】
支持機構7は、
図2乃至
図4に示すように、射出ユニット5のフランジ部24を支持する前部支持機構71と、射出ユニット5の機構部23を支持する後部支持機構72とからなる。前部支持機構71は、所要の間隔を隔ててベース盤2の幅方向に配置された2つの第1可動スペーサ73と、これを前後進駆動する2つの第1油圧シリンダ装置74とから構成され、後部支持機構72は、所要の間隔を隔ててベース盤2の幅方向に配置された2つの第2可動スペーサ75と、これを前後進駆動する2つの第2油圧シリンダ装置76とから構成される。
図3及び
図4に示すように、第1可動スペーサ73は、ベース盤2の上面に設けられた第1固定スペーサ77上に摺動自在に配置され、第1油圧シリンダ装置74は、ベース盤2の上面に取り付けられた第1ステー78に固定される。これに対して、第2可動スペーサ75は、ベース盤2の上面に設けられた第2固定スペーサ79上に摺動自在に配置され、第2油圧シリンダ装置76は、ベース盤2の上面に取り付けられた第2ステー80に固定される。第1及び第2の油圧シリンダ装置74、76は、制御ユニット9から出力される駆動信号により駆動される。
【0036】
射出ユニット5を上位置に設定する場合には、
図3に示すように、第1油圧シリンダ装置74を前進駆動して、第1可動スペーサ73を第1固定スペーサ77と射出ユニット5のフランジ部24との間に移動する。また、これと共に、第2油圧シリンダ装置76を前進駆動して、第1可動スペーサ75を第2固定スペーサ79と射出ユニット5の機構部23より垂設された支持棒23bとの間に移動する。一方、射出ユニット5を下位置に設定する場合には、
図4に示すように、第1油圧シリンダ装置74を後退駆動して、第1可動スペーサ73を第1固定スペーサ77と射出ユニット5のフランジ部24との間より後方に移動し、フランジ部24の下面を第1固定スペーサ77の上面に当接する。また、これと共に、第2油圧シリンダ装置76を後退駆動して、第2可動スペーサ75を第2固定スペーサ79と支持棒23bとの間より後方に移動し、支持棒23bの下面を第2固定スペーサ79の上面に当接する。
【0037】
警報装置8としては、液晶表示装置等の表示装置、ブザー、回転灯等を用いることができるが、文字データを表示可能で、オペレータに警報の内容を報知できることから、液晶表示装置等の表示装置が好適に用いられる、なお、これらの警報装置は、単独で用いることもできるし、複数の警報装置を併用することもできる。
【0038】
以上の説明から明らかなように、制御ユニット9は、
図9に示すように、クランプ検出センサ39の出力信号、プランジャロッド検出センサ41の出力信号及びジャッキ検出センサ69の出力信号を取り込み、昇降機構6、支持機構7、警報装置8、クランプ装置30及びチップ潤滑装置50の駆動信号を出力する。また、実施の形態に係る制御ユニット9には、射出位置の変更を自動的に実行するための射出位置変更プログラムが記憶されており、オペレータにより当該プログラムの起動が指示されると、予め定められた所定の手順で昇降機構6、支持機構7、警報装置8、クランプ装置30及びチップ潤滑装置50を駆動して、指示された射出位置の変更を自動的に実行するようになっている。
【0039】
以下、射出ユニット5を上位置から下位置に変更する場合のダイカストマシン1の駆動制御を、
図3、
図4、
図10及び
図12を用いて説明する。
【0040】
射出ユニット5を上位置から下位置に変更する場合、オペレータはダイカストマシン1に備えられた油圧ポンプをオフ操作して、プランジャロッド19を後退限位置まで後退させる(手順S1)。次に、オペレータは、射出ユニット5からプランジャロッド19を取り外す(手順S2)。次に、オペレータは油圧ポンプをオン操作して、ダイカストマシン1を金型交換モードに切り換える(手順S3)。しかる後に、オペレータは、射出ユニット5を上位置から下位置に変更するプログラムの起動を指示する(手順S4)。
【0041】
射出位置変更プログラムが起動されると、制御ユニット9は、ジャッキ検出センサ69の出力信号から射出ユニット5の現在位置を判定し(手順S5)、射出ユニット5の現在位置が上位置になっていないと判定した場合は、異常が発生したものとして、プログラムを終了する(手順S6)。また、プログラムの終了時には、表示装置(警報装置)8に、例えば「射出現在位置が原位置ではありません。各個動作で原位置に動作して下さい。」等のメッセージを表示する。これにより、ダイカストマシンのオペレータは、必要な措置を迅速にとることができ、ダイカストマシンの稼働効率の低下を抑制できる。
【0042】
手順S5で、射出ユニット5の現在位置は上位置になっていると判定した場合、制御ユニット9は、プランジャロッド検出装置40を駆動して、プランジャロッド検出センサ41をその上昇限位置から下降限位置まで移動し(手順S7)、プランジャロッド検出センサ41の出力信号からプランジャロッド19が取り外されているか否かを判定する(手順S8)。手順S8で、プランジャロッド19が取り外されていないと判定した場合は、手順S1に戻る。また、プランジャロッド19が取り外されていないと判定した場合、制御ユニット9は、表示装置(警報装置8)に、例えば「プランジャロッドがあるため、射出位置を変更できません。ロッドを取り外してください。」等のメッセージを表示する。一方、手順S8で、プランジャロッド19が取り外されていると判定した場合、制御ユニット9は、射出用電動サーボモータ21を駆動して、図示しないプランジャロッド19の駆動を所定の位置まで前進させる(手順S9)。これにより、昇降装置6に対する射出ユニット5の重量バランスを良好なものにできる。
【0043】
次に、制御ユニット9は、クランプ装置30をアンクランプして、Cフレーム4に対する射出ユニット5の固定を解除する(手順S10)。なお、制御ユニット9は、クランプ装置30に対するアンクランプ信号とクランプ検出センサ39の出力信号を比較し、アンクランプ信号を出力したにもかかわらず、クランプ検出センサ39の出力信号がクランプ状態を示すものである場合には、表示装置(警報装置8)に所要の警報を表示する。これにより、ダイカストマシンのオペレータは、直ちに必要な対策をとることができるので、機械各部の破損を防止でき、射出ユニットの昇降機構を備えたダイカストマシンの信頼性を高めることができる。次いで、制御ユニット9は、昇降用モータ65を駆動して、ジャッキ61、62、63、64の昇降部61a、62a、63a、64aを支持梁23aに突き当たるまで上昇した後も、ジャッキ61、62、63、64を更に上昇駆動して、
図12(c)に示すように、射出ユニット5の下面と第1可動スペーサ73の上面との間に、第1可動スペーサ73を移動させるに必要な所定の余裕スペースが形成される位置まで射出ユニットを上昇する(手順S11)。なお、図示は省略するが、射出ユニット5を上昇したときには、射出ユニット5に取り付けられた支持棒23bの下面と第2可動スペーサ75の上面との間にも、所定の余裕スペースが形成される。しかる後に、
図12(b)に示すように、第1油圧シリンダ装置74を駆動して第1可動スペーサ73を後退限位置まで後退させる。またこれと同時に、第2油圧シリンダ装置76を駆動して第2可動スペーサ75を後退限位置まで後退させる(手順S12)。
【0044】
次いで、制御ユニット9は、昇降用モータ65を駆動してジャッキ61、62、63、64の昇降部61a、62a、63a、64aを下降させる(手順S13)。これにより、
図4に示すように、フランジ部24の下面が第1固定スペーサ77の上面に突き当てられると共に、支持棒23bの下面が第2固定スペーサ79の上面に突き当てられ、射出ユニット5が所定の下位置で安定に保持される。昇降部61a、62a、63a、64aは、射出ユニット5が下位置に移動した後も下降を継続し、
図12(a)に示すように、昇降部61a、62a、63a、64aの上面と射出ユニット5の下面との間に所定の退避スペースが形成される位置まで退避される。これにより、射出ユニット5とジャッキ61、62、63、64との係合が解除されるので、ダイカストマシンが稼働されてもジャッキ61、62、63、64には不正な偏荷重が作用せず、ジャッキ61、62、63、64の破損を防止できる。
【0045】
次いで、制御ユニット9は、ジャッキ検出センサ69の出力信号から射出ユニット5の現在位置を判定し(手順S14)、射出ユニット5の現在位置が下位置になっていないと判定した場合は、異常が発生したものとして、プログラムを終了する(手順S15)。また、プログラムの終了時には、表示装置(警報装置8)に、例えば「射出現在位置が下位置ではありません。可動スペーサを確認して下さい。」等のメッセージを表示する。これにより、ダイカストマシンのオペレータは、必要な措置を迅速にとることができるので、射出ユニット5が所定の下位置に設定されないことによる不都合の発生を防止できる。
【0046】
次いで、制御ユニット9は、クランプ装置30をクランプして、Cフレーム4に射出ユニット5を固定する(手順S16)。この場合、制御ユニット9は、クランプ装置30に対するクランプ信号とクランプ検出センサ39の出力信号を比較し、クランプ信号を出力したにもかかわらず、クランプ検出センサ39の出力信号がアンクランプ状態を示すものである場合には、表示装置(警報装置8)に所要の警報を表示する。これにより、射出ユニットの昇降機構を備えたダイカストマシンの信頼性を高めることができる。次いで、制御ユニット9は、チップ潤滑装置50の切替バルブ53を、潤滑剤が下位置用の潤滑材供給配管54に流れるように切り替え、下位置用の潤滑材供給配管54の噴射ノズル51から射出スリーブ17内に潤滑剤を噴射する(手順S17)。最後に、制御ユニット9は、射出用電動サーボモータ21を駆動して、図示しないプランジャロッド19の駆動部を所定の位置まで後退させる(手順S18)。これにより、上位置から下位置への射出ユニットの移動が完了する。
【0047】
次に、射出ユニット5を下位置から上位置に変更する場合のダイカストマシン1の駆動制御を、
図11及び
図12を用いて説明する。
【0048】
手順S21から手順S23については、射出ユニット5を上位置から下位置に変更する場合における手順S1から手順S3と同じであるため、説明を省略する。オペレータにより射出ユニット5を下位置から上位置に変更するプログラムの起動が指示されると(手順S24)、制御ユニット9は、ジャッキ検出センサ69の出力信号から射出ユニット5の現在位置を判定し(手順S25)、射出ユニット5の現在位置が下位置になっていないと判定した場合は、異常が発生したものとして、プログラムを終了する(手順S26)。また、プログラムの終了時には、表示装置(警報装置8)に、例えば「射出現在位置が原位置ではありません。各個動作で原位置に動作して下さい。」等のメッセージを表示する。これにより、ダイカストマシンのオペレータは、必要な措置を迅速にとることができ、ダイカストマシンの稼働効率の低下を抑制できる。
【0049】
手順S25で、射出ユニット5の現在位置は下位置になっていると判定した場合、制御ユニット9は、プランジャロッド検出装置40を駆動して、プランジャロッド検出センサ41をその上昇限位置から下降限位置まで移動し(手順S27)、プランジャロッド検出センサ41の出力信号からプランジャロッド19が取り外されているか否かを判定する(手順S28)。手順S28で、プランジャロッド19が取り外されていないと判定した場合は、手順S21に戻る。また、プランジャロッド19が取り外されていないと判定した場合、制御ユニット9は、表示装置(警報装置8)に、例えば「ロッドがあるため、射出位置を変更できません。ロッドを取り外してください。」等のメッセージを表示する。一方、手順S28で、プランジャロッド19が取り外されていると判定した場合、制御ユニット9は、射出用電動サーボモータ21を駆動して、図示しないプランジャロッド19の駆動部を所定の位置まで前進させる(手順S29)。これにより、昇降装置6に対する射出ユニット5の重量バランスを良好なものにできる。
【0050】
次に、制御ユニット9は、クランプ装置30をアンクランプして、Cフレーム4に対する射出ユニット5の固定を解除する(手順S30)。なお、制御ユニット9は、クランプ装置30に対するアンクランプ信号とクランプ検出センサ39の出力信号を比較し、アンクランプ信号を出力したにもかかわらず、クランプ検出センサ39の出力信号がクランプ状態を示すものである場合には、表示装置(警報装置8)に所要の警報を表示する。これにより、射出ユニットの昇降機構を備えたダイカストマシンの信頼性を高めることができる。次いで、制御ユニット9は、昇降用モータ65を駆動して、
図12(b)に示すように、ジャッキ61、62、63、64の昇降部61a、62a、63a、64aを支持梁23aに突き当たるまで上昇した後も、ジャッキ61、62、63、64を更に上昇駆動して、
図12(c)に示すように、射出ユニット5の下面と第1可動スペーサ73の上面との間に、第1可動スペーサ73を移動させるに必要な所定の余裕スペースが形成される位置まで射出ユニットを上昇する(手順S31)。なお、図示は省略するが、射出ユニット5を上昇したときには、射出ユニット5に取り付けられた支持棒23bの下面と第2可動スペーサ75の上面との間にも、所定の余裕スペースが形成される。しかる後に、制御ユニット9は、
図12(d)に示すように、第1油圧シリンダ装置74を駆動して第1可動スペーサ73を前進限位置まで前進させ、フランジ部24と第2固定スペーサ77の間に第1可動スペーサ73を配置する。またこれと同時に、第2油圧シリンダ装置76を駆動して第2可動スペーサ75を前進限位置まで前進させ、支持棒23bと第2固定スペーサ79の間に第2可動スペーサ75を配置する(手順S32)。
【0051】
次いで、制御ユニット9は、昇降用モータ65を駆動してジャッキ61、62、63、64の昇降部61a、62a、63a、64aを下降させる(手順S33)。これにより、
図3に示すように、フランジ部24の下面が第1可動スペーサ73の上面に突き当てられると共に、支持棒23bの下面が第2可動スペーサ75の上面に突き当てられ、射出ユニット5が所定の上位置で安定に保持される。昇降部61a、62a、63a、64aは、射出ユニット5が上位置に移動した後も下降を継続し、
図12(d)に示すように、昇降部61a、62a、63a、64aの上面と射出ユニット5の下面との間に所定の退避スペースが形成される位置まで退避される。これにより、射出ユニット5とジャッキ61、62、63、64との係合が解除されるので、ダイカストマシンが稼働されてもジャッキ61、62、63、64には不正な偏荷重が作用せず、ジャッキ61、62、63、64の破損を防止できる。
【0052】
次いで、制御ユニット9は、ジャッキ検出センサ69の出力信号から射出ユニット5の現在位置を判定し(手順S34)、射出ユニット5の現在位置が下位置になっていないと判定した場合は、異常が発生したものとして、プログラムを終了する(手順S35)。また、プログラムの終了時には、表示装置(警報装置8)に、例えば「射出現在位置が上位置ではありません。可動スペーサを確認して下さい。」等のメッセージを表示する。これにより、ダイカストマシンのオペレータは、必要な措置を迅速にとることができるので、射出ユニット5が所定の上位置に設定されないことによる不都合の発生を防止できる。
【0053】
次いで、制御ユニット9は、クランプ装置30をクランプして、Cフレーム4に射出ユニット5を固定する(手順S36)。この場合、制御ユニット9は、クランプ装置30に対するクランプ信号とクランプ検出センサ39の出力信号を比較し、クランプ信号を出力したにもかかわらず、クランプ検出センサ39の出力信号がアンクランプ状態を示すものである場合には、表示装置(警報装置8)に所要の警報を表示する。これにより、射出ユニットの昇降機構を備えたダイカストマシンの信頼性を高めることができる。次いで、制御ユニット9は、チップ潤滑装置50の切替バルブ53を、潤滑剤が上位置用の潤滑材供給配管52に流れるように切り替え、上位置用の潤滑材供給配管52の噴射ノズル51から射出スリーブ17内に潤滑剤を噴射する(手順S37)。最後に、制御ユニット9は、射出用電動サーボモータ21を駆動して、図示しないプランジャロッド19の駆動部を所定の位置まで後退させる(手順S38)。
【0054】
以上説明したように、実施の形態に係るダイカストマシン1は、Cフレーム4と射出ユニット5の固定手段として、油圧式クランプ装置や電磁式クランプ装置等の遠隔操作式のクランプ装置30を用いたので、ボルトを用いてCフレーム4と射出ユニット5を締結する場合に比べて、Cフレーム4に対する射出ユニットの固定及び固定解除を極めて容易なものにすることができ、ダイカストマシンの稼働効率を高めることができる。
【0055】
なお、前記実施の形態においては、射出ユニット5の高さ位置を下位置と上位置の2段階に変更する場合を例にとって説明したが、高さ寸法が異なる複数種類の第1可動スペーサ及び第2可動スペーサを備えることにより、射出ユニット5の高さ位置を3段階以上に変更できるようにすることもできる。