特許第6559534号(P6559534)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559534気流からゴミ粒子を取り除くための分離器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559534
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】気流からゴミ粒子を取り除くための分離器
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/16 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   A47L9/16
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-206983(P2015-206983)
(22)【出願日】2015年10月21日
(65)【公開番号】特開2016-83356(P2016-83356A)
(43)【公開日】2016年5月19日
【審査請求日】2015年12月3日
【審判番号】不服2017-11167(P2017-11167/J1)
【審判請求日】2017年7月27日
(31)【優先権主張番号】1418798.3
(32)【優先日】2014年10月22日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アデイア・ジョージ・ウィルモット・ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・マイケル・ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】イアン・アシュモア
(72)【発明者】
【氏名】リカルド・ゴミシアガ−ペレダ
【合議体】
【審判長】 久保 竜一
【審判官】 長馬 望
【審判官】 窪田 治彦
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭11−3193(JP,B1)
【文献】 特開平4−330954(JP,A)
【文献】 特開2013−103198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流からゴミ粒子を取り除くための分離器であって、
羽根車を有する第1分離段と、
並列に配列された複数のサイクロン本体を有する第2分離段と、
前記第1分離段の上流側にあり、前記気流から大型のゴミ粒子及び屑を取り除く初期分離段と、
を備え、
前記第1分離段が、前記第2分離段の上流側にあり、
前記羽根車が、当該分離器を通る気流を発生させ、かつ、前記第1分離段で前記気流内に渦流を発生させ、かつ、前記サイクロン本体を通る気流に渦流を発生させ、
前記第1分離段内の前記渦流が、前記ゴミ粒子を径方向外側に押しやり、外側汚染部分と内側清浄部分とを生じさせており、
汚染気流部分が、前記第2分離段を通過し、
清浄気流部分が、前記第2分離段を迂回し、
前記初期分離段が、前記気流が前記第1分離段に進む前に通過するサイクロンチャンバを備えることを特徴とする分離器。
【請求項2】
前記第1分離段が、第1出口及び第2出口を備え、
前記汚染気流部分が、前記第1出口を介して前記第1分離段から出て、
前記清浄気流部分が、前記第2出口を介して前記第1分離段から出ることを特徴とする請求項1に記載の分離器。
【請求項3】
前記清浄気流部分には、当該分離器に入る前記ゴミ粒子全てのうちの少なくとも95%がないことを特徴とする請求項1または2に記載の分離器。
【請求項4】
前記汚染気流部分が、当該分離器に入る全気流のうちの5%以上25%以下であり、
前記清浄気流部分が、当該分離器に入る全気流のうちの75%以上95%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の分離器。
【請求項5】
前記第1分離段が、前記羽根車を駆動させるためのモータを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の分離器。
【請求項6】
前記モータが、60krpm以上の速度で前記羽根車を回転させることを特徴とする請求項5に記載の分離器。
【請求項7】
第1及び第2分離段を備える分離器を通る気流からゴミ粒子を取り除くための方法であって、
初期分離段において、前記気流から大型のゴミ粒子及び屑を取り除くステップであって、前記初期分離段が、前記気流が第1分離段に進む前に通過するサイクロンチャンバを備える、ステップと、
前記第1分離段において、羽根車を用いて前記気流と前記気流内にある渦流とを発生させ、かつ、前記第1分離段にある前記羽根車を用いて前記第2分離段において前記気流と前記気流内にある渦流とを発生させるステップであって、前記第1分離段内の前記渦流が、前記ゴミ粒子を径方向外側に押しやって外側汚染気流部分と内側清浄気流部分とを生じさせる、ステップと、
並列に配列された複数のサイクロン本体を有する前記第2分離段を前記汚染気流部分を通過させるステップと、
前記清浄気流部分が、前記第2分離段を迂回するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
前記羽根車の下流側にある前記第1分離段において、前記汚染気流部分を前記清浄気流部分から分けるステップをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記清浄気流部分が、タービンセクションを通過させられ、前記清浄気流部分からエネルギーを取り戻すことを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
モータを用いて60krpm以上で前記羽根車を駆動させるステップを備えることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1分離段の上流側にある初期分離段を気流を通過させ、前記気流から大型のゴミ粒子及び屑を取り除くステップをさらに備えることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から6のいずれか1項に記載の分離器を備えることを特徴とする真空掃除機。
【請求項13】
真空掃除機であって、
第1分離段に設けられ、当該真空掃除機を通る気流を発生させるための羽根車と、
前記羽根車の下流側にあるサイクロン式分離段と、
前記羽根車の上流側にあり、前記気流から大型のゴミ粒子及び屑を取り除く初期分離段と、
を備え、
前記サイクロン式分離段が、前記気流からゴミ粒子を分離するための並列に配列された複数のサイクロン本体を有し、
前記羽根車が、前記気流中に渦流を発生させ、かつ、前記サイクロン本体を通る気流に渦流を発生させ、
前記第1分離段内の前記渦流が、前記気流に取り込まれている前記ゴミ粒子を径方向外側に押しやり、外側汚染気流部分と内側清浄気流部分とを生じさせ、
前記汚染気流部分のみが、前記サイクロン式分離段を通過させられ、それにより、全気流のうち5%以上25%が、全気流から全ゴミ粒子を取り除くために前記サイクロン式分離段を通過させられ
前記初期分離段が、前記気流が前記第1分離段に進む前に通過するサイクロンチャンバを備えることを特徴とする真空掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気流から粒子を分離するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サイクロン式分離器を用いて流体流れからゴミや塵の粒子のような粒子を分離することは、よく知られている。既知のサイクロン式分離器は、真空掃除機で使用されており、例えば、綿毛及び比較的大きな粒子を分離するための低効率サイクロンと、低効率サイクロンの下流側に位置し、気流内に取り込まれたままの微粒子を分離するための高効率サイクロンと、を備えるとして知られている。同様に、複数の小型の下流側サイクロン本体と組み合わせて上流側サイクロン式分離器を設けることが知られており、下流側サイクロン本体は、互いに並列に配列されている。このタイプの配置は、特許文献1に示されかつ説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3425192号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
真空掃除機用途、特に家庭用真空掃除機用途において、電化製品に望ましいことは、電化製品の清掃性能を落とすことなくできるだけ小型に作ることである。同様に、電化製品内に収容されている分離装置の効率及び性能に望ましいことは、できるだけ高いことである(すなわち、気流から非常に微細な塵粒子をできるだけ高い比率で分離することである)。また、真空掃除機に望ましいことは、清掃性能を落とすことなくできるだけエネルギー効率が良いことである。これは、特に、例えば手持ち型またはロボット型真空掃除機などバッテリー式の真空掃除機の場合である。サイクロン式分離器の分離性能及び効率を増大させる典型的な方法は、下流側サイクロン本体のサイズを低減することである。サイクロン本体を小さくすることによって、サイクロン本体内の遠心力を増大させ、したがって、気流からゴミや塵を分離することを改善する。しかしながら、サイクロン本体のサイズを低減することは、同様に、各サイクロン本体が取り扱える空気の容積を減少させる。これを克服するため、追加のサイクロン本体を設けて所望の気流を維持し、下流側サイクロン段で生じるボトルネックを停止する。例えば、所望の分離性能を提供するために、ダイソンDC59手持ち型真空掃除機にあるサイクロン式分離器は、並列な15の小型のサイクロン本体を有する第2サイクロン段を有する。実際には、いくつかのサイクロン式分離器は、ダイソンDC54シリンダ型真空掃除機にあるように、並列な最大54の小型のサイクロン本体を有するとして知られている。しかしながら、小型のサイクロン本体の数を増大させると、同様に、分離器、ひいては機械全体のサイズを増大させる結果となる。さらに、気流が複数の小型のサイクロン本体を通過するのに必要なエネルギーは、著しく、バッテリー式の真空掃除機の場合において、これは、バッテリー寿命に有害な結果を有し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、気流からゴミ粒子を取り除くための分離器を提供しており、この分離器は、羽根車を有する第1分離段と、並列に配列された1以上のサイクロン本体を有する第2分離段と、を備え、第1分離段は、第2分離段の上流側にあり、羽根車は、分離器を通る気流を発生させ、かつ、第1分離段において気流内に渦流を発生させ、渦流は、ゴミ粒子を径方向外側に押しやり、外側汚染気流部分と内側清浄気流部分とを生じさせ、汚染気流部分は、第2分離段を通過し、清浄気流部分は、第2分離段を迂回する。
【0006】
その結果、第2分離段を通過させる必要がある空気容積をより小さくする。第2分離段を通過する気流は、分離器を通過する全空気容積全体の小部分である。このように、所望の分離性能を実現するために第2分離段に必要なサイクロン本体をより少なくする。このように、分離器の全体サイズをできるだけ小さいままとすることができ、これは、任意の真空掃除機にとって望ましいが、分離器を手持ち型真空掃除機またはロボット型真空掃除機で使用する場合に重要である。さらに、空気がより数の少ない小型のサイクロン本体を通過するので、数の大きい小型のサイクロン本体を収容する真空掃除機と比較して第2分離段に必要なエネルギーが小さくなる。したがって、分離器を収容する機械のエネルギー効率を増大させることができ、バッテリー式の機械の場合において、バッテリー寿命を延長できる。
【0007】
第1分離段は、第1出口及び第2出口を備えてもよい。汚染気流部分は、第1出口を通って第1分離段から外に出てもよく、清浄気流部分は、第2出口を通って第1分離段から外に出てもよい。その結果、各空気部分が第1分離段を出るように各空気部分を異なって取り扱うことができ得る。
【0008】
清浄気流部分には、分離器に入るゴミ粒子全てのうちの少なくとも95%がないことがある。その結果、清浄空気部分は、追加の分離段を通過させる必要なく分離器から排出され得る。
【0009】
汚染気流部分は、分離器に入る全気流のうちの5%から25%の間であってもよく、清浄気流部分は、分離器に入る全気流のうち75%から95%の間であってもよい。その結果、全気流全体のうちの比較的小さい割合のみは、第2分離段を通過させられ、そのため、第2分離段で必要なエネルギーを小さくする。さらに、第2分離段に設けるサイクロン本体の数を低減し得る。
【0010】
分離器は、第1分離段の上流側に初期分離段を備えてもよく、初期分離段は、気流から大型のゴミ粒子及び屑を取り除く。その結果、第1及び第2分離段を塞ぐまたは詰まらせることがある比較的大型のゴミ粒子及び屑は、これらゴミ粒子及び屑が第1分離段に入る前に、気流から取り除かれ得る。初期分離段は、気流が第1分離段に進む前に通過するサイクロンチャンバを備えてもよい。
【0011】
第1分離段は、羽根車を駆動させるためのモータを備えてもよい。モータを第1分離段に組み込むことによって、分離段の全体サイズを低減し得る。モータは、同様に、分離器を通して気流を発生させる羽根車と共に第1分離段内に位置することによって、冷却を改善させるという利益を受け得る。
【0012】
モータは、60krpm以上の速度で羽根車を回転させ得る。高速で羽根車を回転させることによって、羽根車のサイズを小さいままとしておくことが可能となる一方、所望レベルの気流を依然としてもたらす。また、羽根車を回転させることによって、結果として、ゴミ粒子を気流のより小さい部分に凝縮させ得る。したがって、汚染気流部分は、容積で低減され、第2分離段にかかる気流負荷は、低減される。
【0013】
本発明は、気流からゴミ粒子を取り除く方法をさらに提供しており、この方法は、第1分離段において、羽根車を用いて気流と気流内にある渦流とを発生させるステップであって、渦流がゴミ粒子を径方向外側に押しやって外側汚染気流部分と内側清浄気流部分とを生じさせる、ステップと、汚染気流部分が並列に配列された1以上のサイクロン本体を有する第2分離段を通過させられるステップと、清浄部分が第2分離段を迂回するステップと、を備える。
【0014】
その結果、気流からゴミ粒子を取り除くよりエネルギー効率の良い方法を実現できる。特に、気流を発生させるのに使用される羽根車は、同様に、第1分離段で使用され、気流部分からゴミ粒子を取り除いており、羽根車に提供されるより多くのエネルギーを利用する。さらに、第2分離段は、全気流のうち比較的小さい割合からゴミ粒子を分離する必要があるのみであり、そのため、第2分離段では、必要なエネルギーが小さく、システム全体をよりエネルギー効率の良いものとする。
【0015】
方法は、羽根車の下流側にある第1分離段で汚染気流部分を清浄気流部分から分けるステップをさらに備えてもよい。清浄気流部分は、タービンセクションを通過させられ、清浄気流部分からエネルギーを取り戻してもよい。したがって、清浄空気部分内に含まれるエネルギーを無駄にせず、使用する全体エネルギーを低減し、このため、気流からゴミ粒子を取り除くよりエネルギー効率の良い方法を実現する。
【0016】
方法は、モータを用いて60krpm以上で羽根車を駆動するステップを備えてもよい。その結果、所望の気流速度及びゴミ粒子の凝縮を実現できる。
【0017】
方法は、第1分離段の上流側にある初期分離段を気流が通過し、気流から大型のゴミ粒子及び屑を取り除くステップをさらに備えてもよい。これは、第1及び第2分離段を塞ぐまたは詰まらせることがある大型のゴミ及び屑が第1分離段に入る前に、これら大型のゴミ及び屑を取り除く。
【0018】
本発明は、上述のいずれかで説明したような分離器を備える真空掃除機をさらに提供する。
【0019】
本発明は、真空掃除機をさらに提供しており、この真空掃除機は、真空掃除機を通る気流を発生させるための羽根車と、羽根車の下流側にあるサイクロン式分離段と、を備え、サイクロン式分離器は、気流からゴミ粒子を分離するために並列に配列された1以上のサイクロン本体を有し、羽根車は、気流中に渦流を発生させ、渦流は、気流中に取り込まれているゴミ粒子を径方向外側へ押しやり、外側汚染気流部分と内側清浄気流部分とを生じさせ、汚染気流部分のみをサイクロン式分離段を通過させ、それにより、全気流のうちの5%から25%の間は、全気流から全ゴミ粒子を取り除くためにサイクロン式分離段を通過する。
【0020】
同様に、本明細書では、気流から粒子を分離するための装置を説明しており、この装置は、内壁部を備えるハウジングと、ハウジング内に位置しかつハウジングから間隔をあけた本体であって、それにより、本体と内壁部との間に環状流動経路を画成している、本体と、を備え、ハウジングは、回転方向で静止しており、本体は、回転軸回りにハウジングに対して回転可能であり、本体は、ハウジングの内壁部に向けて本体から環状流動経路内へ延在する第1組のブレードを有する羽根車セクションであって、装置を通る気流を発生させるために及び気流内に渦流を発生させるために回転可能である、羽根車セクションと、羽根車セクションの下流側に位置するタービンセクションであって、気流から回転エネルギーを取り戻すための第2組のブレードを有する、タービンセクションと、を備える。
【0021】
その結果、エネルギーは、羽根車の下流側においてタービンによって気流から取り戻され得る。これにより、よりエネルギー効率のよい分離器をもたらし得る。同様に、これにより、気流から粒子を分離するための装置を含むバッテリー式デバイスのバッテリー寿命を改善する。
【0022】
ハウジングの内壁部は、本体の形状を補完するように形付けられてもよい。このように、空気は、制御された経路に沿って向けられ、気圧は、経路の長さに沿って維持される。
【0023】
羽根車セクションは、環状流動経路の直径が本体の羽根車セクションの長さに沿うにしたがって径方向に拡大するように形付けられてもよい。これは、気流中のゴミ粒子に作用する遠心力の影響を最大化することを補助する。遠心力の影響は、遠心力を大きくすること、並びに、乱流を低減すること、及び、圧力損失を低減させること、によって最大化され得る。
【0024】
本体の羽根車セクションは、装置の汚染空気部分内に位置してもよく、タービンセクションは、装置の清浄空気部分内に位置してもよい。このように、空気内のゴミ粒子を凝縮させてゴミ粒子を含む空気量を低減するために、羽根車は、装置の汚染空気部分内のシステムのエネルギーを増大させることができる。これは、清浄した空気からエネルギーを回収するために、タービンを通過される清浄な空気のセクションを提供し、装置の効率を増大させる。
【0025】
装置は、羽根車セクションとタービンセクションとの間に位置するスプリッタを備えており、増大したゴミ濃度を含む汚染気流部分をゴミ濃度を低減した清浄気流部分から分けてもよい。スプリッタは、清浄及び汚染気流部分を下流側でより容易に異なって取り扱うことを可能とする。本体のタービンセクションは、スプリッタの下流側に位置してもよい。ゴミ粒子を依然として含む空気からエネルギーを取り戻す場合、装置は、ゴミ分離の観点から効率が良くない。したがって、タービンセクションをスプリッタの下流側に位置することによって、清浄空気部分からのエネルギーを取り戻せるので、より効率のよい装置を実現できる。
【0026】
本体は、本体を回転させるモータに接続されてもよい。モータは、80krpmから120krpmの間で、より特には90krpmから100krpmの間で、本体を駆動してもよい。高速で回転するモータを用いて本体を回転することにより、より大きな遠心力が引き起こされる。これにより、全空気のうち気流の清浄空気部分となり得る割合をさらに最大化でき、装置の効率をさらに増大させる。
【0027】
モータによって本体を回転させることにより、羽根車セクションは、15l/sから25l/sの間で、より特には約20l/sの流量で、装置内に空気を引き込ませてもよい。この大きさの流量は、気流からゴミを取り除くための装置に対して良好なレベルの分離性能をもたらす。
【0028】
装置内において、気流の100%は、本体の羽根車セクションに沿って位置する環状流動経路を通過してもよく、気流の75%から95%の間は、本体のタービンセクションに沿って位置する環状流動経路を通過してもよい。これにより、全気流の75%から95%の間からエネルギーを取り戻すことが可能となり、このため、装置に関する効率の増大をもたらす。
【0029】
気流の残りの5%から25%は、本体のタービンセクションよりも前で装置から出てもよく、第2分離装置に向けられてもよい。したがって、ゴミ粒子を含む汚染気流部分は、当初の全気流容積と比較して低減した気流容積からゴミ粒子を取り除くための別の装置に向けられてもよい。第2分離装置が取り扱う必要がある容積を低減しているので、第2分離装置を小型に作成できる。
【0030】
さらに、真空掃除機は、上述のいずれかで説明したような気流から粒子を分離する装置を備えてもよい。
【0031】
同様に、本明細書では、気流からゴミを取り除くための装置を説明しており、この装置は、空気入口と、装置を通る気流を発生させるための、及び、気流中に渦流を発生させるための、羽根車であって、渦流が、ゴミを径方向外側に押しやり、羽根車の下流側で外側汚染気流部分及び内側清浄気流部分を生じさせる、羽根車と、気流を分岐させ、羽根車の下流側にある1以上のスプリッタであって、外側汚染部分を内側清浄部分から分離させる、1以上のスプリッタと、を備える。
【0032】
その結果、装置は、2つの分離した気流部分を発生させ、これら気流部分は、分離性能及びエネルギー効率を最大化するために、さらに適切に処理され得る。汚染気流部分は、全体気流に元々は含まれていたゴミ粒子全てを含んでおり、そのため、元の気流の一部のみは、気流からゴミを完全に取り除くために、その後の分離段に送られる必要がある。装置によって発生された清浄気流部分は、追加の分離段を通過させられる必要がなく、そのため、装置のエネルギー効率を改善するために、エネルギーは、この部分から取り戻され得る。
【0033】
装置は、1以上のスプリッタの下流側に第1及び第2空気出口をさらに備えてもよい。分離された汚染気流部分は、第1空気出口を通過し得、分離した清浄気流部分は、第2空気出口を通過し得る。これにより、分離した各気流部分を必要に応じてより容易に異なって取り扱うことを可能とする。
【0034】
第1空気出口は、汚染気流を下流側の分離段に向け得る。下流側の分離段は、並列に配列された1以上のサイクロン本体を備えてもよい。第1空気出口を下流側の分離段に向けることによって、ゴミ粒子を空気部分から取り除き得るために、汚染空気部分は、下流側の分離段を通過させられる。並列に配列された1以上のサイクロン本体を有する下流側の分離段を設けることによって、高レベルの分離性能を実現できる。
【0035】
分離した清浄気流部分は、タービンを通過されてもよい。タービンは、羽根車に接続されてもよい。その結果、清浄気流部分内に含まれるエネルギーをタービンによって取り戻し得る。これにより、装置のエネルギー効率を増大させる。
【0036】
分離された汚染気流部分は、空気入口を通って装置に入る全気流のうちの5%から25%の間であり得る。汚染気流部分をできるだけ小さいままとすることによって、エネルギーを取り戻し得る清浄気流部分における空気量を最大化できる。同様に、追加の下流側の分離段を通過させる必要がある空気の容積を低減し得る。これにより、下流側の分離段で必要とされるエネルギー量を低減し、同様に、下流側の分離段のサイズを低減でき得る。
【0037】
装置は、羽根車を回転させるためのモータをさらに備えてもよい。モータは、60krpm以上で、好ましくは80krpmから120krpmの間で、より好ましくは90krpmから100krpmの間で、羽根車を駆動し得る。このような高速で回転するモータを用いて羽根車を回転させることによって、結果として、より大きな遠心力を引き起こす。これにより、結果として得られる清浄気流部分の容積をさらに最大化し、装置の効率をさらに増大させる。
【0038】
空気入口での流量は、15l/sから25l/sの間であってもよい。汚染気流部分の流速は、0.75l/sから6.25l/sの間であってもよく、清浄気流部分の流速は、8.75l/sから23.75l/sの間であってもよい。
【0039】
空気入口での流量がほぼ20l/sである場合、汚染気流部分の流量は、ほぼ2l/sであり得、清浄気流部分の流量は、ほぼ18l/sであり得る。
【0040】
同様に、本明細書には、上述のいずれかで説明したような気流からゴミを分離するための装置を備える真空掃除機をさらに提供する。
【0041】
本発明をより迅速に理解するため、以下の添付の図面を参照しながら、例として、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】真空掃除機を示す図である。
図2】分離器内の複数の段を示すフローダイアグラムである。
図3】気流からゴミを取り除くための装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、スティック型真空掃除機1を示す。スティック型真空掃除機1は、スティック1b及びスティックに接続された掃除機ヘッド1cを有する手持ち型の真空掃除機1aを備える。真空掃除機1は、後述するように、気流からゴミ粒子を取り除くための分離器(図示略)を収容している。
【0044】
図2は、気流からゴミ粒子を取り除くための分離器内にある複数の段を概略的に示すフローダイアグラムである。このような分離器は、例えば、真空掃除機内に含まれており、(しばしばバレル型真空掃除機と称される)シリンダ型真空掃除機、アプライト型真空掃除機、手持ち型真空掃除機または(しばしばロボット型真空掃除機と称される)自律型真空掃除機のような任意の型の真空掃除機で使用され得る。真空掃除機は、電源式またはバッテリー式であってもよいが、本発明の分離器は、バッテリー式真空掃除機で使用したときに特に有用であると考えられている。
【0045】
フローダイアグラムの開始時において、所定空気容積、すなわち汚染気流2は、ゴミ粒子を含んで提供されている。汚染気流2は、分離器に引き込まれる所定空気容積の実例である。汚染気流2は、まず、初期分離段3を通過する。初期分離段3の目的は、小型のゴミ粒子を取り除くように構成された後の分離段を塞ぐまたは詰まらせることがある比較的大型のゴミ粒子及び屑を気流から取り除くことである。初期分離段3は、例えば、単純なメッシュフィルタ、低効率サイクロンチャンバ及びシュラウドのうちの1つまたはこれらの組合せであってもよい。
【0046】
汚染気流2が初期分離段3を通過した後、汚染気流は、第1分離段4に入る。第1分離段4は、汚染気流2内のゴミ粒子を凝縮させるように機能し、気流の2つの分離した部分、すなわち清浄気流部分5及び汚染気流部分6は、第1分離段4から出る。汚染気流2全体に含まれていたゴミ粒子全ては、より小さい汚染気流部分6に凝縮される。第1分離段4は、60krpm以上(60000回転/分)以上の高速でブラシレスDCモータによって回転される羽根車を備える。80krpmから120krpmの間で、より好ましくは90krpmから100krpmの間でモータによって羽根車を回転させる場合に特に有用である。これら範囲が特に有利である一方、より遅いモータを有する別の実施形態は、程度が下がるものの、依然として同一の利点を得る。羽根車は、2つの機能、すなわち、分離器を通して気流を発生させることと、同様に、気流内で渦流を発生させることと、を有しており、それにより、汚染気流2内のゴミ粒子に遠心力を受けさせ、この遠心力は、ゴミ粒子を気流の一部に凝縮させ、ゴミ及び塵の粒子のない残りの部分を残す。そして、ゴミ粒子を含む全汚染気流2の部分は、気流の残りの部分から容易に分離されることができ、別個の清浄及び汚染気流部分5、6を生じさせる。
【0047】
第1分離段4から出る清浄気流部分5は、追加の清浄を必要とせず、そのため、この段において分離器から単純に出てもよい。清浄空気部分5は、第1分離段にある羽根車によってシステムに入れられた多量のエネルギー量を含み得る。本分離器によって提供されるエネルギー効率をさらに増大させるため、このエネルギーを取り戻す再び捕捉する。エネルギーは、汚染気流部分を全体気流から分離した後の任意の段階で清浄気流部分5から取り戻されてもよい。これは、第1分離段内または清浄空気部分5が分離器から出る前の第1分離段の下流側であってもよい。清浄気流部分5内のエネルギーは、タービンによって取り戻されてもよく、これを以下で詳述する。
【0048】
第1分離段4から出た後、汚染気流部分6は、第2分離段7に向けられる。第2分離段は、初期分離段3を通過できるゴミの小さい粒子を取り除くように構成されている。例えば、第2分離段7は、並列に配置された1以上のサイクロン本体を備えてもよい。
【0049】
上述のように、並列なサイクロン本体は、秀逸な分離性能を提供するとして公知であるが、これらを現在の真空掃除機に使用することは、複数のサイクロン本体が分離器のサイズを増大させること、同様に、エネルギー効率を低減させること、を含む複数の欠点を引き起こすことがある。しかしながら、本分離器において、第2分離段を通過する空気容積は、分離器に入る全気流と比較して著しく低減されている。このように、同一のまたはより良好な分離性能を達成するのに必要なサイクロン本体の数を著しく低減し得る。これにより、分離器の全体サイズを低減することができ、これは、任意の真空掃除機にとって望ましいが、分離器を手持ち型真空掃除機またはロボット型真空掃除機で使用する場合に特に重要である。その上、空気がより数の少ない小型のサイクロン本体を通過するので、より数の多い小型のサイクロン本体を有する真空掃除機と比較して必要なエネルギーが少ない。したがって、分離器を収容する機械のエネルギー効率を向上させることができ、バッテリー式機械の場合において、バッテリー寿命を延ばせる。
【0050】
第2分離段7で1以上のサイクロン本体を使用する利点を示したが、理解されることは、別の実施形態がサイクロン本体に替えてまたはサイクロン本体に加えて第2分離段7に他の形態の分離を採用してもよいことである。
【0051】
図2に示すように、第2分離段7のサイクロン本体は、汚染気流部分6からゴミを取り除く。したがって、第2分離段から出るものは、捕捉したゴミ8と、分離器から出る清浄空気の第2部分と、である。第2分離段から出る気流は、第1分離段4から出る清浄気流部分5から出る清浄気流と物理的に一緒になってもなくてもよい。理解されることは、全清浄気流9が分離器に入る汚染気流2の容積にほぼ等しいことを図2が概略的に示しているだけであることである。
【0052】
第1分離段によって発生された清浄空気量は、分離器全体に利点をもたらすが、理解されることは、より多くのゴミ粒子を第1分離段4内でより小さい汚染気流部分に凝縮させると、第2分離段7を通って処理されるのに必要な空気容積が小さくなることである。これにより、もちろん、第2分離段7に必要なサイクロン本体の数及び第2分離段によって必要なエネルギーに関する利点を増大させる。しかしながら、第1分離段により多くの粒子を凝縮させることは、第1分離段でより多くのエネルギーを必要とする。したがって、最適な構造を実現するために取り決めて、エネルギー効率及び性能に関して最良の結果を実現しなければならない。本分離器は、汚染気流部分6が分離器に入る汚染気流2の全容積の5%から25%の間であるように、第1分離段4で気流を分けている。特に有利な実施形態は、気流を分けて、汚染気流2の全容積の10%から15%の間の容積を有する汚染気流部分を生じさせる。しかしながら、明らかなことは、他の程度の分離が実現可能であるが、結果として得られる利益の程度がそれに従って変化することである。
【0053】
図3は、気流からゴミを取り除くための装置20を示す概略図である。装置20は、主として、図2に関して上述した分離器の第1分離段4内に使用される。装置20は、内壁部21aを有するハウジング21を備える。ハウジング21の一端部には、空気入口22があり、他端部は、第1空気出口23及び第2空気出口24を有する。空気入口22は、ハウジング21の最上流端にあり、第1及び第2空気出口23、24は、ハウジング21の下流端にある。スプリッタ28は、下流端に向けてハウジング21内に設けられており、第1及び第2出口23、24を生じさせる。
【0054】
本体25は、ハウジング21内に位置しており、ハウジング21を軸方向に延在する軸A回りに回転可能である。環状チャネルは、本体25とハウジング21の内壁部21aとの間に形成されている。ハウジング21及び本体25は、軸方向で直線状となるように図3において示されているが、別の実施形態において、ゴミ粒子に作用する遠心力の効果を最適化して増大させるために、形付けられてもよい。例えば、ハウジング21及び本体25を形付けることによって、遠心力を増大させ得、乱流を低減させ得、圧力損失を低減させ得る。本体25は、空気入口22に最も近い本体25の上流端において羽根車26を備え、本体25は、同様に、下流端にタービン27を備える。本体における羽根車及びタービンの正確な位置は、異なってもよいが、これらの相対位置は、常に同じでなければならず、羽根車26は、タービン27の上流側にある。羽根車26及びタービン27は、本体25において互いに隣り合って位置してもよい。実際には、羽根車26及びタービン27は、本体25を形成し、それにより、いずれの部品間にも区別できる分離がない。羽根車26及びタービン27双方を後述する。本体25は、シャフト30を用いてモータ29に接続されている。モータ29の場所を変更してもよい。例えば、別の実施形態において、モータ29は、本体25の上流側に位置しても、本体25内に収容されてもよい。図3に示すようにモータ29を本体の下流側に位置させることは、空気出口24を通過する気流によって冷却され得るので、特に有益である。理解されることは、例えばモータを本体25内に収容した場合に装置20の全体サイズを低減するなど、他の実施形態が他の利益を有してもよいことである。
【0055】
この場合において高速ブラシレスDCモータであるモータ29は、本体25を約60krpmから110krpmで回転させる。主として、モータ29は、通常使用中において、約90krpmから100krpmで回転する。羽根車26は、本体25と共に回転し、入口22を通して装置20内に空気を引き込む気流を発生させる。気流が羽根車26を通過するにしたがって、気流は、形成され、本体25と内壁部21aとの間に形成された環状チャネル内でハウジング21の内側を旋回する。羽根車26によって発生された渦流は、遠心力を気流に、特に気流内に含まれているゴミ粒子に付与する。この結果、気流内のゴミ粒子は、ハウジング21の内壁部21aに向けて外側に向けられ、それにより、ゴミ粒子は、汚染気流部分に凝縮される。汚染気流部分は、ハウジング21の内壁部がある場所に位置し、ゴミ粒子がほとんどない清浄気流部分の周囲に径方向に位置する。
【0056】
モータ29が高速で本体25を回転させると、気流に含まれるゴミ粒子は、より大きな遠心力によって径方向外側に押し付けられ、したがって、より小さい気流部分に凝縮される。汚染空気部分は、装置に入る全容積の5%から25%の間である。汚染気流部分をできるだけ小さくする利益は、(図2の第2分離段7のような)追加の分離段において装置20の下流側に必要なサイクロンの数がより少なくなることである。また、より小さい空気容積からゴミ粒子を取り除くのに必要なエネルギーは、より少なくなる。しかしながら、ゴミ粒子をより小さい容積に凝縮させるのに必要なエネルギーは、増大し、そのため、バランスを取らなければならず、汚染空気部分が装置に入る全空気容積の10%から15%の間であることは、これに関して特に有益であると分かっている。
【0057】
スプリッタ28は、ハウジング21内に設けられており、汚染気流部分を清浄気流部分から物理的に分けるように機能する。符号Cを付した矢印は、清浄気流部分を示しており、符号Dを付した矢印は、汚染気流部分を示している。気流内のゴミ粒子に作用する遠心力の作用に起因して、汚染気流部分Dは、清浄気流部分Cの外側に径方向に位置し、この遠心力の作用は、ゴミ粒子をハウジング21の内壁部21aに向けて移動させる。スプリッタ28は、2つの部分間に隔壁部を導入することによって、2つの気流部分を分ける。スプリッタ28の場所及び寸法は、気流全体を所望の割合に分けるように機能する。例えば、内壁部21aに近接して設けられるような寸法をスプリッタ28が有している場合、気流全体のうち比較的小さい割合は、第1出口23を通ってハウジング21から出て、より大きい割合は、第2出口を通って出る。この場合において、汚染空気部分Dは、清浄空気部分Cよりも小さい。すでに上述したように、これは、望ましく、汚染空気部分は、入口22を通って装置20内に入る空気容積全体の5%から25%の間、より有利には10%から15%の間である容積である。
【0058】
図3の実施形態が1つのスプリッタ28を有する装置を示しているが、理解されることは、1より多いスプリッタを設け、装置20内の様々な段階で汚染気流部分を複数の様々な小部分に分けてもよいことである。実際には、複数のスプリッタを設けてもよく、または、ハウジング21の内壁部21aの部分に沿ってメッシュを設け、清浄部分から汚染気流部分を分けてもよい。
【0059】
羽根車26は、装置を通して気流及び気流内の渦流を発生させ得る任意のスタイルの羽根車であってもよい。例えば、羽根車は、軸流羽根車、半径流羽根車または混合流羽根車であってもよい。
【0060】
タービン27は、スプリッタ28が2つの気流部分を分ける場所よりも下流側に位置する。スプリッタよりも下流側における汚染及び清浄気流部分双方は、羽根車26によって導入された多量のエネルギーを依然として有している。残存するゴミを比較的少量の空気から取り除くために追加の分離段において装置20の下流側でこのエネルギーを使用するので、このエネルギーは、汚染気流部分Dで有効である。しかしながら、清浄気流部分内に含まれる残留エネルギーは、タービン27によって取り戻され得る。清浄気流部分Cが本体25に接続されているタービンを通過するので、気流内の渦流エネルギーは、結果として、清浄気流部分Cからタービン27のブレードに変換される回転力を引き起こす。このように、本体25を回転させるために必要なエネルギーは、小さくなる。これにより、装置20のエネルギー効率を増大させる。
【0061】
スプリッタによって気流を分岐することによって、清浄気流部分内に含まれるエネルギーを取り戻して無駄にしないことが可能となる。汚染気流部分に含まれるエネルギーは、下流側の分離段で使用し、ゴミ粒子を汚染気流部分から取り除いてもよい。したがって、分岐することにより、装置及び装置を備える分離器のエネルギー効率を著しく増大させる。例えば、モータが所定速度で羽根車を回転させて20l/sの気流を発生させ、スプリッタ28が気流を1:9の割合で分ける場合、気流の90%が清浄になる。気流全体の10%のみ、2l/sだけは、ゴミを完全に取り除くために下流側の分離段を通過する必要がある。清浄気流部分からエネルギーを取り戻すために、残りの18l/sは、タービンを通過させられ得る。
【0062】
このように、特有の実施形態を説明したが、理解されることは、特許請求の範囲によって規定される発明の範囲から逸脱することなく、様々な改変をなしてもよいことである。
【符号の説明】
【0063】
1 スティック型真空掃除機,真空掃除機、2 汚染気流、3 初期分離段、4 第1分離段、5 清浄空気部分,清浄気流部分、6 汚染気流部分、7 第2分離段、8 ゴミ、9 全清浄気流、20 装置、22 空気入口, 入口、23 第1空気出口,第1出口、24 第2空気出口,第2出口,空気出口、25 本体、27 タービン、29 モータ
図1
図2
図3