特許第6559552号(P6559552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559552導電性フィルム、タッチパネル、および、表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559552
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】導電性フィルム、タッチパネル、および、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20190805BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20190805BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20190805BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20190805BHJP
   H01B 5/14 20060101ALN20190805BHJP
【FI】
   G06F3/041 422
   G09F9/00 366A
   G09F9/00 313
   G06F3/041 490
   G06F3/044 128
   G02F1/1333
   !H01B5/14 A
【請求項の数】15
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-225976(P2015-225976)
(22)【出願日】2015年11月18日
(65)【公開番号】特開2017-97439(P2017-97439A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】518236856
【氏名又は名称】株式会社VTSタッチセンサー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中込 友洋
【審査官】 菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0113502(US,A1)
【文献】 特開2014−219964(JP,A)
【文献】 特表2012−533877(JP,A)
【文献】 特開2011−216379(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0234509(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0261242(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0320448(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/125398(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0187821(US,A1)
【文献】 特開2015−072513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G02F 1/1333
G06F 3/044
G09F 9/00
H01B 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する透明誘電体層と、
前記透明誘電体層の前記第1面に位置する電極線から構成される第1メッシュパターンと、
前記透明誘電体層の前記第2面に位置する電極線から構成される第2メッシュパターンと、
を備え、
前記第1メッシュパターンおよび前記第2メッシュパターンの各々は、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形であって、前記多角形を構成する一辺を互いに隣り合う前記多角形で共有して不規則に並ぶ前記複数の多角形の各辺上に電極線が位置するパターンであり、
前記第1メッシュパターンを構成する多角形の重心、もしくは、前記第1メッシュパターンをボロノイ図とみなし得る場合における多角形内の母点を、当該多角形の中心点とし、かつ、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形に含まれる多角形である対象多角形において、前記対象多角形の前記中心点から前記対象多角形の各辺へ引いた垂線の平均の長さを当該対象多角形の基準距離とするとき、
前記第1面と対向する方向から見て、前記対象多角形の前記中心点を中心とし、前記基準距離の1/5の長さを半径とする円内に、前記第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点が位置し、
前記第1メッシュパターンを構成する多角形の中心間距離は、前記多角形の前記中心点と、前記中心点に最も近い他の多角形の前記中心点との間の距離であり、
前記中心間距離をLm、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形における前記中心間距離の平均値をLaとするとき、下記式(1)が満たされる
La−La/5≦Lm≦La+La/5 ・・・(1)
導電性フィルム。
【請求項2】
前記第2メッシュパターンを構成する複数の多角形の各々が有する辺の数の平均値は、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の各々が有する辺の数の平均値よりも小さい
請求項1に記載の導電性フィルム。
【請求項3】
前記第1メッシュパターンにおいて、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点は不規則に並び、前記第1メッシュパターンは、これらの中心点を母点とするボロノイ図に基づくパターンである
請求項1または2に記載の導電性フィルム。
【請求項4】
前記第1面と対向する方向から見て、前記第2メッシュパターンを構成する複数の多角形は、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点をドロネー三角分割によって結んだ三角形を含む
請求項3に記載の導電性フィルム。
【請求項5】
前記第1面と対向する方向から見て、前記第2メッシュパターンを構成する複数の多角形は、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点をドロネー三角分割によって結んだ三角形であって、共有する1辺を有した隣り合う2つの三角形が有する辺のうち、これらの三角形に共有される1辺を除く4辺を辺とする四角形を含む
請求項3または4に記載の導電性フィルム。
【請求項6】
前記多角形の辺上に位置する電極線が、当該辺の端部にある前記多角形の頂点に位置する電極線と離れている箇所が断線箇所であり、前記第1メッシュパターンおよび前記第2メッシュパターンの少なくとも一方は、前記断線箇所を含む
請求項1〜のいずれか一項に記載の導電性フィルム。
【請求項7】
前記多角形の辺上に位置する電極線が、当該辺の端部にある前記多角形の頂点に位置する電極線と離れている箇所が断線箇所であり、前記第2メッシュパターンは、前記断線箇所を含む
請求項4または5に記載の導電性フィルム。
【請求項8】
全ての前記断線箇所のなかには、前記頂点に向けて延びる複数の電極線のうち、これらの電極線を前記頂点まで延伸した場合に前記頂点の周りで最も小さい角を形成する2つの電極線のうちの少なくとも一方と、前記頂点との間に位置する前記断線箇所が含まれる
請求項6または7に記載の導電性フィルム。
【請求項9】
前記断線箇所を含むメッシュパターンは、当該メッシュパターン内に、1つの方向に延伸する折れ線である仮想線であって、前記断線箇所を通らずに前記電極線に沿って延びる前記仮想線を設定可能なように構成されている
請求項6〜8のいずれか一項に記載の導電性フィルム。
【請求項10】
前記第1メッシュパターンが形成された面を有する第1基材と、
前記第2メッシュパターンが形成された面を有する第2基材と、を備え、
前記第1基材と前記第2基材とは対向し、前記第1基材および前記第2基材のいずれかが前記透明誘電体層を構成する
請求項1〜のいずれか一項に記載の導電性フィルム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電性フィルムと、
前記導電性フィルムを覆うカバー層と、
前記第1面に位置する電極線と前記第2面に位置する電極線との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備える
タッチパネル。
【請求項12】
格子状に配列された複数の画素を有して情報を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの表示する前記情報を透過するタッチパネルと、
前記タッチパネルの駆動を制御する制御部と、を備え、
前記タッチパネルは、請求項11に記載のタッチパネルである
表示装置。
【請求項13】
第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する透明誘電体層と、
前記透明誘電体層の前記第1面に位置する電極線から構成される第1メッシュパターンと、
前記透明誘電体層の前記第2面に位置する電極線から構成される第2メッシュパターンと、
を備え、
前記第1メッシュパターンおよび前記第2メッシュパターンの各々は、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形であって、前記多角形を構成する一辺を互いに隣り合う前記多角形で共有して不規則に並ぶ前記複数の多角形の各辺上に電極線が位置するパターンであり、
前記第1メッシュパターンを構成する多角形の重心、もしくは、前記第1メッシュパターンをボロノイ図とみなし得る場合における多角形内の母点を、当該多角形の中心点とし、かつ、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形に含まれる多角形である対象多角形において、前記対象多角形の前記中心点から前記対象多角形の各辺へ引いた垂線の平均の長さを当該対象多角形の基準距離とするとき、
前記第1面と対向する方向から見て、前記対象多角形の前記中心点を中心とし、前記基準距離の1/5の長さを半径とする円内に、前記第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点が位置し、
前記第1メッシュパターンにおいて、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点は不規則に並び、前記第1メッシュパターンは、これらの中心点を母点とするボロノイ図に基づくパターンであり、
前記第1面と対向する方向から見て、前記第2メッシュパターンを構成する複数の多角形は、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点をドロネー三角分割によって結んだ三角形であって、共有する1辺を有した隣り合う2つの三角形が有する辺のうち、これらの三角形に共有される1辺を除く4辺を辺とする四角形を含む
導電性フィルム。
【請求項14】
第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する透明誘電体層と、
前記透明誘電体層の前記第1面に位置する電極線から構成される第1メッシュパターンと、
前記透明誘電体層の前記第2面に位置する電極線から構成される第2メッシュパターンと、
を備え、
前記第1メッシュパターンおよび前記第2メッシュパターンの各々は、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形であって、前記多角形を構成する一辺を互いに隣り合う前記多角形で共有して不規則に並ぶ前記複数の多角形の各辺上に電極線が位置するパターンであり、
前記第1メッシュパターンを構成する多角形の重心、もしくは、前記第1メッシュパターンをボロノイ図とみなし得る場合における多角形内の母点を、当該多角形の中心点とし、かつ、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形に含まれる多角形である対象多角形において、前記対象多角形の前記中心点から前記対象多角形の各辺へ引いた垂線の平均の長さを当該対象多角形の基準距離とするとき、
前記第1面と対向する方向から見て、前記対象多角形の前記中心点を中心とし、前記基準距離の1/5の長さを半径とする円内に、前記第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点が位置し、
前記多角形の辺上に位置する電極線が、当該辺の端部にある前記多角形の頂点に位置する電極線と離れている箇所が断線箇所であり、前記第1メッシュパターンおよび前記第2メッシュパターンの少なくとも一方は、前記断線箇所を含む
導電性フィルム。
【請求項15】
第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する透明誘電体層と、
前記透明誘電体層の前記第1面に位置する電極線から構成される第1メッシュパターンと、
前記透明誘電体層の前記第2面に位置する電極線から構成される第2メッシュパターンと、
を備え、
前記第1メッシュパターンおよび前記第2メッシュパターンの各々は、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形であって、前記多角形を構成する一辺を互いに隣り合う前記多角形で共有して不規則に並ぶ前記複数の多角形の各辺上に電極線が位置するパターンであり、
前記第1メッシュパターンを構成する多角形の重心、もしくは、前記第1メッシュパターンをボロノイ図とみなし得る場合における多角形内の母点を、当該多角形の中心点とし、かつ、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形に含まれる多角形である対象多角形において、前記対象多角形の前記中心点から前記対象多角形の各辺へ引いた垂線の平均の長さを当該対象多角形の基準距離とするとき、
前記第1面と対向する方向から見て、前記対象多角形の前記中心点を中心とし、前記基準距離の1/5の長さを半径とする円内に、前記第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点が位置し、
前記第1メッシュパターンにおいて、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点は不規則に並び、前記第1メッシュパターンは、これらの中心点を母点とするボロノイ図に基づくパターンであり、
前記第1面と対向する方向から見て、前記第2メッシュパターンを構成する複数の多角形は、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点をドロネー三角分割によって結んだ三角形を含み、
前記多角形の辺上に位置する電極線が、当該辺の端部にある前記多角形の頂点に位置する電極線と離れている箇所が断線箇所であり、前記第2メッシュパターンは、前記断線箇所を含む
導電性フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電極線を備える導電性フィルム、この導電性フィルムを備えるタッチパネル、および、このタッチパネルを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを入力デバイスとして用いる表示装置は、画像を表示する表示パネルと、表示パネルに重ねられた上記タッチパネルとを備えている。タッチパネルにおける指などの接触位置の検出方式としては、指などがタッチパネルの操作面に接触することを静電容量の変化として検出する静電容量方式が広く用いられている。静電容量方式のタッチパネルにおいて、タッチパネルの備える導電性フィルムは、第1方向に沿って延びる複数の第1電極と、第1方向に直交する第2方向に沿って延びる複数の第2電極と、第1電極と第2電極とに挟まれた透明誘電体層とを備えている。そして、1つの第1電極と複数の第2電極の各々との間における静電容量の変化が第1電極ごとに検出されて、操作面における指などの接触位置が検出される。
【0003】
こうした導電性フィルムの一例では、複数の第1電極の各々は、第1方向に沿って延びる複数の第1電極線から構成され、複数の第2電極の各々は、第2方向に沿って延びる複数の第2電極線から構成される。電極線としては、銀や銅などの金属からなる細線が用いられる。電極線の材料として金属が用いられることによって、接触位置の検出に際しての迅速な応答性や高い分解能が得られるとともに、タッチパネルの大型化や製造コストの削減が可能となる。
【0004】
ところで、可視光を吸収、あるいは、反射する金属によって電極線が形成される構成では、タッチパネルの操作面から見て、複数の第1電極線と複数の第2電極線とが相互に直交した格子状のパターンが視認される。一方で、タッチパネルが積層される表示パネルでも、第1方向と第2方向とに沿って複数の画素を区画するブラックマトリクスが、格子状のパターンとして視認される。
【0005】
この際に、相互に隣り合う第1電極線の間の間隔は、相互に隣り合う画素間の第2方向における間隔とは一般に異なり、また、相互に隣り合う第2電極線の間の間隔も、相互に隣り合う画素間の第1方向における間隔とは異なる。そして、タッチパネルの操作面から見て、第1電極線と第2電極線とから形成される格子状の周期構造と、画素を区画する格子状の周期構造とが重なることによって、2つの周期構造のずれが、モアレ(moire)を誘起する場合がある。モアレが視認されると、表示装置にて視認される画像の品質の低下が生じる。
こうしたモアレが視認されることを抑える方法の1つとして、電極線の周期構造の周期性を崩すことによって、モアレの発生を抑える方法がある。
【0006】
例えば特許文献1,2には、正方形等の正多角形や菱形が規則的に並ぶメッシュ状のパターンから、周期性の崩れたパターンを作製する方法が記載されている。具体的には、規則的なメッシュ状のパターンに対し、メッシュを構成する電極線の位置や電極線同士の交点の位置を変位させることによって、不規則性が付与され、その結果、周期性の崩れた電極線のパターンが得られる。
【0007】
しかしながら、このように作製されたパターンには、基とされた規則的なメッシュ状のパターンの有する周期性が残存することが避けられない。すなわち、作製されたパターンのFFT(Fast Fourier Transformation)解析によって得られるパワースペクトルには、基とされた規則的なメッシュを構成する正方形や菱形の並びの空間周波数スペクトルが現われる。このように、規則的なメッシュ状のパターンから作製されたパターンは、少なからず周期性を有しているため、こうした電極線のパターンを用いてモアレを抑えることには限界がある。
【0008】
これに対し、例えば特許文献3には、規則的なメッシュ状のパターンを基にすることなく、ボロノイ分割等を利用して、不規則に配置された複数の点から不規則なメッシュ状のパターンを作製する方法が記載されている。このように作製されたパターンのパワースペクトルには、特定の角度や空間周波数にピークを有さないドーナツ状のスペクトル分布が現われる。すなわち、不規則に配置された複数の点を基とするパターンは周期性を有していないため、こうした電極線のパターンを用いることによってモアレを好適に抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2014−119764号公報
【特許文献2】特開2013−214545号公報
【特許文献3】特開2011−216379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、ボロノイ分割等を利用して作製された不規則なメッシュ状のパターンにおいては、メッシュを構成する多角形の大きさや配置が不規則である。それゆえ、複数の第1電極からなるパターンと複数の第2電極からなるパターンとの双方が、上述のような不規則なメッシュ状のパターンであるとき、これらのパターンが重ね合わされた電極線のパターンでは、電極線の密度の偏りが生じる。つまり、第1電極において電極線が密である箇所と、第2電極において電極線が密である箇所とが重なる密部分と、第1電極において電極線が疎らである箇所と、第2電極において電極線が疎らである箇所とが重なる疎部分とでは、タッチパネルの操作面から見て、電極線の密度に大きな差が生じる。こうした電極線の密度差は、モアレとは異なったムラのように視認され、表示装置にて視認される画像の品質の低下を引き起こす。
【0011】
本発明は、モアレによる視認性の低下と電極線の密度差による視認性の低下とを抑えることのできる導電性フィルム、タッチパネル、および、表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する導電性フィルムは、第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する透明誘電体層と、前記透明誘電体層の前記第1面に位置する電極線から構成される第1メッシュパターンと、前記透明誘電体層の前記第2面に位置する電極線から構成される第2メッシュパターンと、を備え、前記第1メッシュパターンおよび前記第2メッシュパターンの各々は、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形であって、前記多角形を構成する一辺を互いに隣り合う前記多角形で共有して不規則に並ぶ前記複数の多角形の各辺上に電極線が位置するパターンであり、前記第1メッシュパターンを構成する多角形の重心、もしくは、前記第1メッシュパターンをボロノイ図とみなし得る場合における多角形内の母点を、当該多角形の中心点とし、かつ、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形に含まれる多角形である対象多角形において、前記対象多角形の前記中心点から前記対象多角形の各辺へ引いた垂線の平均の長さを当該対象多角形の基準距離とするとき、前記第1面と対向する方向から見て、前記対象多角形の前記中心点を中心とし、前記基準距離の1/5の長さを半径とする円内に、前記第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点が位置する。
【0013】
上記構成によれば、第1メッシュパターンと第2メッシュパターンの各々は、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンであるため、これらのパターンが重ね合わされた電極線パターンの周期性は極めて低い。したがって、こうした電極線パターンを有する導電性フィルムが用いられることによって、モアレが視認されることが抑えられる。そして、透明誘電体基板の第1面と対向する方向から見て、第1メッシュパターンにおける対象多角形の中心点を中心とし、基準距離の1/5の長さを半径とする円内に、第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点が位置する。各メッシュパターンにおける多角形の頂点は電極線の集まる部分であり、上記構成によれば、第1メッシュパターンにおいて電極線の集まる部分と、第2メッシュパターンにおいて電極線の集まる部分とが近接して配置されることが抑えられる。したがって、これらのパターンが重ね合わされた電極線パターン内において、電極線の密度に偏りが生じることが抑えられる。これにより、モアレによる視認性の低下と電極線の密度差による視認性の低下とが抑えられる。
【0014】
上記構成において、前記第2メッシュパターンを構成する複数の多角形の各々が有する辺の数の平均値は、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の各々が有する辺の数の平均値よりも小さくてもよい。
上記構成によれば、第2メッシュパターンにおける電極線の密度が第1メッシュパターンにおける電極線の密度よりも小さくなり過ぎることが抑えられる。
【0015】
上記構成において、前記第1メッシュパターンを構成する多角形の中心間距離は、前記多角形の前記中心点と、前記中心点に最も近い他の多角形の前記中心点との間の距離であり、前記中心間距離をLm、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形における前記中心間距離の平均値をLaとするとき、下記式(1)が満たされてもよい。
La−La/5≦Lm≦La+La/5 ・・・(1)
【0016】
上記構成によれば、第1メッシュパターンにおいて、中心点の位置に偏りが生じることが抑えられる。すなわち、複数の多角形の大きさに偏りが生じることが抑えられるため、第1メッシュパターン内において電極線の密度に偏りが生じることが抑えられる。したがって、第1メッシュパターンと第2メッシュパターンとが重ね合わされた電極線パターン内において、電極線の密度に偏りが生じることが的確に抑えられる。
【0017】
上記構成において、前記第1メッシュパターンにおいて、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点は不規則に並び、前記第1メッシュパターンは、これらの中心点を母点とするボロノイ図に基づくパターンであってもよい。
上記構成によれば、複数の多角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンである第1メッシュパターンが的確に実現できる。
【0018】
上記構成において、前記第1面と対向する方向から見て、前記第2メッシュパターンを構成する複数の多角形は、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点をドロネー三角分割によって結んだ三角形を含んでもよい。
【0019】
上記構成によれば、第1メッシュパターンの中心点の配置に基づいて第2メッシュパターンを作製することができる。したがって、第2メッシュパターンの作製が容易である。
【0020】
上記構成において、前記第1面と対向する方向から見て、前記第2メッシュパターンを構成する複数の多角形は、前記第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の前記中心点をドロネー三角分割によって結んだ三角形であって、共有する1辺を有した隣り合う2つの三角形が有する辺のうち、これらの三角形に共有される1辺を除く4辺を辺とする四角形を含んでもよい。
【0021】
上記構成によれば、第1メッシュパターンの中心点の配置に基づいて第2メッシュパターンを作製することができる。したがって、第2メッシュパターンの作製が容易である。また、第2メッシュパターンにおいて、四角形から構成される部分は、三角形から構成される部分と比較して、多角形の頂点にて接続される電極線の数が少なくなりやすく、電極線同士のなす角度が大きくなりやすい。したがって、第2メッシュパターンを構成する多角形のすべてが三角形である構成と比較して、多角形の頂点にて電極線が太くなることが抑えられるため、頂点が目立つことや、第2メッシュパターンにおける所望の電極線の配置面積と実際の電極線の配置面積との差が大きくなることが抑えられる。
【0022】
上記構成において、前記多角形の辺上に位置する電極線が、当該辺の端部にある前記多角形の頂点に位置する電極線と離れている箇所が断線箇所であり、前記第1メッシュパターンおよび前記第2メッシュパターンの少なくとも一方は、前記断線箇所を含んでもよい。
【0023】
上記構成によれば、断線箇所が設けられている部分では、メッシュパターンを構成する多角形の頂点にて互いに接続される電極線の数が少なくなる。その結果、この頂点にて接続される電極線同士のなす角度が大きくなるため、角部が精密に形成され易くなる。したがって、頂点にて電極線が太くなることが抑えられるため、導電性フィルムを備えたタッチパネルや表示装置において、表示品位が低下することを抑えられる。
【0024】
上記構成において、前記多角形の辺上に位置する電極線が、当該辺の端部にある前記多角形の頂点に位置する電極線と離れている箇所が断線箇所であり、前記第2メッシュパターンは、前記断線箇所を含んでもよい。
【0025】
上記構成によれば、断線箇所が設けられている部分では、第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点にて互いに接続される電極線の数が少なくなる。その結果、この頂点にて接続される電極線同士のなす角度が大きくなるため、角部が精密に形成され易くなる。したがって、頂点にて電極線が太くなることが抑えられるため、導電性フィルムを備えたタッチパネルや表示装置において、表示品位が低下することを抑えられる。そして、第1メッシュパターンがボロノイ図に基づくパターンであり、第2メッシュパターンがドロネー図に基づくパターンであるとき、第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点に集まる電極線の数が、第1メッシュパターンを構成する多角形の頂点に集まる電極線の数よりも多くなり易い。すなわち、断線箇所を設けない構成では、第1メッシュパターンよりも第2メッシュパターンにて、多角形の頂点にて電極線同士のなす角度が小さくなり、角部が精密に形成され難くなる。したがって、第2メッシュパターンが断線箇所を含むことによって、表示品位の低下を抑える効果が高く得られる。
【0026】
上記構成において、全ての前記断線箇所のなかには、前記頂点に向けて延びる複数の電極線のうち、これらの電極線を前記頂点まで延伸した場合に前記頂点の周りで最も小さい角を形成する2つの電極線のうちの少なくとも一方と、前記頂点との間に位置する前記断線箇所が含まれてもよい。
【0027】
上記構成によれば、上記頂点の周りに上記最も小さい角が形成されることが避けられる。すなわち、他の位置に断線箇所が設けられる場合と比較して、この頂点の周りに形成される最小の角の大きさは大きくなる。その結果、この頂点の周りの角部が精密に形成され易くなるため、表示品位の低下が的確に抑えられる。
【0028】
上記構成において、前記断線箇所を含むメッシュパターンは、当該メッシュパターン内に、1つの方向に延伸する折れ線である仮想線であって、前記断線箇所を通らずに前記電極線に沿って延びる前記仮想線を設定可能なように構成されていてもよい。
【0029】
上記構成によれば、断線箇所を含むメッシュパターンのなかで仮想線と重なる部分には、断線箇所が設けられていないため、このメッシュパターンでは、仮想線に沿って電流が流れる。したがって、断線箇所が設けられる構成であっても、電流の流れる経路として、1つの方向に延びる折れ線状の経路が確保される。それゆえ、断線箇所を設けることによってメッシュパターンの抵抗値が高くなることを、断線箇所が設けられる構成のなかでは、抑えることができる。したがって、メッシュパターンの導電性が低下することが抑えられる。
【0030】
上記構成において、前記第1メッシュパターンが形成された面を有する第1基材と、前記第2メッシュパターンが形成された面を有する第2基材と、を備え、前記第1基材と前記第2基材とは対向し、前記第1基材および前記第2基材のいずれかが前記透明誘電体層を構成してもよい。
上記構成によれば、1つの基材の両面に電極線が形成される構成と比較して、電極線の形成が容易である。
【0031】
上記課題を解決するタッチパネルは、上記導電性フィルムと、前記導電性フィルムを覆うカバー層と、前記第1面に位置する電極線と前記第2面に位置する電極線との間の静電容量を測定する周辺回路と、を備える。
上記構成のタッチパネルが用いられることによって、モアレによる視認性の低下と電極線の密度差による視認性の低下とが抑えられる。
【0032】
上記課題を解決する表示装置は、格子状に配列された複数の画素を有して情報を表示する表示パネルと、前記表示パネルの表示する前記情報を透過するタッチパネルと、前記タッチパネルの駆動を制御する制御部と、を備え、前記タッチパネルは、上記タッチパネルである。
【0033】
上記構成によれば、表示装置にて、モアレによる視認性の低下と、タッチパネルの電極線パターンにおける電極線の密度差に起因した視認性の低下とが抑えられる。したがって、表示装置における表示品質の低下が抑えられる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、モアレによる視認性の低下と電極線の密度差による視認性の低下とを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】表示装置の第1実施形態における断面構造を示す断面図である。
図2】第1実施形態における導電性フィルムの平面構造を示す平面図である。
図3】第1実施形態における表示パネルの画素配列を示す平面図である。
図4】第1実施形態におけるタッチパネルの電気的構成を説明するための模式図である。
図5】第1実施形態におけるセンシングパターンの構成を示す図である。
図6】第1実施形態におけるセンシングパターンの構成を中心点とともに示す図である。
図7】第1実施形態におけるドライブパターンの構成を示す図である。
図8】(a)は、第1実施形態におけるセンシングパターンとドライブパターンとを重ね合わせたパターンの構成を中心点とともに示す図であり、(b)は、(a)に示されるセンシングメッシュ要素の1つを抜き出して示す図である。
図9】第1実施形態におけるセンシングパターンとドライブパターンの他の例とを重ね合わせたパターンの構成を中心点とともに示す図である。
図10】第1実施形態のセンシングパターンにおけるメッシュ要素群の構成を示す図である。
図11】導電性フィルムの第2実施形態におけるドライブパターンの構成を示す図である。
図12】(a)は、断線箇所を有さないドライブパターンにおけるドライブメッシュ要素の頂点付近を模式的に示す図であり、(b),(c)は、断線箇所を有するドライブパターンにおけるドライブメッシュ要素の頂点付近を模式的に示す図である。
図13】断線箇所を有さないドライブパターンを、断線箇所を設ける箇所の候補とともに示す図である。
図14図13に示すドライブパターンに断線箇所が設けられたパターンを示す図である。
図15】第2実施形態におけるドライブパターンを仮想線の一例とともに示す図である。
図16】第2実施形態におけるドライブパターンを仮想線の一例とともに示す図である。
図17】変形例における表示装置の断面構造を示す断面図である。
図18】変形例における表示装置の断面構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(第1実施形態)
図1図10を参照して、第1実施形態の導電性フィルム、タッチパネル、および、表示装置について説明する。なお、各図は、本実施形態の導電性フィルム、タッチパネル、および、表示装置を説明するためにこれらの構成を模式的に示した図であり、各図に示される構成が有する各部位の大きさの比率は、実際の比率とは異なる場合がある。
【0037】
[表示装置の構成]
図1を参照して、表示装置の構成について説明する。
図1が示すように、表示装置100は、例えば、液晶パネルである表示パネル10と、タッチパネル20とが、図示しない1つの透明接着層によって貼り合わされた積層体であり、タッチパネル20を駆動するための回路やタッチパネル20の駆動を制御する制御部を備えている。なお、表示パネル10とタッチパネル20との相対的な位置が筐体などの他の構成によって固定される前提であれば、上記透明接着層は割愛されてもよい。
【0038】
表示パネル10の表面には、矩形形状に形成された表示面が区画され、表示面には、外部からの画像データに基づく画像などの情報が表示される。
【0039】
表示パネル10を構成する構成要素は、タッチパネル20から遠い構成要素から順番に、以下のように並んでいる。すなわち、タッチパネル20から遠い順番に、下側偏光板11、薄膜トランジスタ(以下、TFT)基板12、TFT層13、液晶層14、カラーフィルタ層15、カラーフィルタ基板16、上側偏光板17が位置している。
【0040】
これらのうち、TFT層13には、サブ画素を構成する画素電極がマトリクス状に位置している。また、カラーフィルタ層15が有するブラックマトリクスは、矩形形状を有した複数の単位格子から構成される格子形状を有している。そして、ブラックマトリクスは、こうした格子形状によって、サブ画素の各々と向かい合う矩形形状を有する複数の領域を区画し、ブラックマトリクスの区画する各領域には、白色光を赤色、緑色、および、青色のいずれかの色の光に変える着色層が位置している。
【0041】
なお、表示パネル10が有色の光を出力するELパネルであって、赤色の光を出力する赤色画素、緑色の光を出力する緑色画素、および、青色の光を出力する青色画素を有する構成であれば、上述したカラーフィルタ層15は割愛されてもよい。この際に、ELパネルにおいて相互に隣り合う画素の境界部分は、ブラックマトリクスとして機能する。また、表示パネル10は放電によって発光するプラズマパネルであってもよく、この場合、赤色の蛍光体層と、緑色の蛍光体層と、青色の蛍光体層とを区画する境界部分がブラックマトリクスとして機能する。
【0042】
タッチパネル20は、静電容量方式のタッチパネルであり、導電性フィルム21とカバー層22とが透明接着層23によって貼り合わされた積層体であって、表示パネル10の表示する情報を透過する光透過性を有している。
【0043】
詳細には、タッチパネル20を構成する構成要素のなかで表示パネル10に近い構成要素から順番に、透明基板31、複数のドライブ電極31DP、透明接着層32、透明誘電体基板33、複数のセンシング電極33SP、透明接着層23、カバー層22が位置している。このうち、透明基板31、ドライブ電極31DP、透明接着層32、透明誘電体基板33、および、センシング電極33SPが、導電性フィルム21を構成している。
【0044】
透明基板31は、表示パネル10の表示面が表示する画像などの情報を透過する光透過性と絶縁性とを有し、表示面の全体に重ねられている。透明基板31は、例えば、透明ガラス基板や、透明樹脂フィルムや、シリコン基板などの基材から構成される。透明基板31に用いられる樹脂としては、例えば、PET(Polyethylene Terephthalate)、PMMA(Polymethyl methacrylate)、PP(Polypropylene)、PS(Polystyrene)などが挙げられる。透明基板31は、1つの基材から構成される単層構造体であってもよいし、2つ以上の基材が重ねられた多層構造体であってもよい。
【0045】
透明基板31における表示パネル10とは反対側の面は、ドライブ電極面31Sとして設定され、ドライブ電極面31Sには、複数のドライブ電極31DPが配置されている。複数のドライブ電極31DP、および、ドライブ電極面31Sにおいてドライブ電極31DPが位置しない部分は、1つの透明接着層32によって透明誘電体基板33に貼り合わされている。
【0046】
透明接着層32は、表示面に表示される画像などの情報を透過する光透過性を有し、透明接着層32には、例えば、ポリエーテル系接着剤やアクリル系接着剤などが用いられる。
【0047】
透明誘電体基板33は、表示面に表示される画像などの情報を透過する光透過性と、電極間における静電容量の検出に適した比誘電率とを有する。透明誘電体基板33は、例えば、透明ガラス基板や、透明樹脂フィルムや、シリコン基板などの基材から構成される。透明誘電体基板33に用いられる樹脂としては、例えば、PET、PMMA、PP、PSなどが挙げられる。透明誘電体基板33は、1つの基材から構成される単層構造体であってもよいし、2つ以上の基材が重ねられた多層構造体であってもよい。
【0048】
複数のドライブ電極31DPが透明接着層32によって透明誘電体基板33に貼り合わされる結果、透明誘電体基板33における透明基板31と向かい合う面である裏面には、複数のドライブ電極31DPが並んでいる。
【0049】
透明誘電体基板33における透明接着層32とは反対側の面である表面は、センシング電極面33Sとして設定され、センシング電極面33Sには、複数のセンシング電極33SPが配置されている。すなわち、透明誘電体基板33は、複数のドライブ電極31DPと、複数のセンシング電極33SPとに挟まれている。複数のセンシング電極33SP、および、センシング電極面33Sにおいてセンシング電極33SPが位置しない部分は、1つの透明接着層23によってカバー層22に貼り合わされている。
【0050】
透明接着層23は、表示面に表示される画像などの情報を透過する光透過性を有し、透明接着層23には、例えば、ポリエーテル系接着剤やアクリル系接着剤などが用いられる。透明接着層23として用いられる接着剤の種類は、ウェットラミネート接着剤であってもよいし、ドライラミネート接着剤やホットラミネート接着剤であってもよい。
【0051】
カバー層22は、強化ガラスなどのガラス基板や樹脂フィルムなどによって形成され、カバー層22における透明接着層23とは反対側の面は、タッチパネル20における表面であって操作面20Sとして機能する。
【0052】
なお、上記構成要素のうち、透明接着層23は割愛されてもよい。透明接着層23の省略される構成においては、カバー層22が有する面のなかで透明誘電体基板33と対向する面がセンシング電極面33Sとして設定され、センシング電極面33Sに形成される1つの薄膜のパターニングによって、複数のセンシング電極33SPが形成されればよい。
【0053】
また、タッチパネル20の製造に際しては、導電性フィルム21とカバー層22とが、透明接着層23によって貼り合わされる方法が採用されてもよいし、こうした製造方法とは異なる他の例として、以下の製造方法が採用されてもよい。すなわち、樹脂フィルムなどのカバー層22に、銅などの導電性金属から構成される薄膜層が直に、もしくは、下地層を介して形成され、薄膜層の上にセンシング電極33SPのパターン形状を有したレジスト層が形成される。次いで、塩化第二鉄などを用いたウェットエッチング法によって、薄膜層が複数のセンシング電極33SPに加工されて、第1のフィルムが得られる。また、センシング電極33SPと同様に、透明基板31として機能する他の樹脂フィルムに形成された薄膜層が複数のドライブ電極31DPに加工されて、第2のフィルムが得られる。そして、第1フィルムと第2フィルムとが透明誘電体基板33を挟むように、透明誘電体基板33に対して透明接着層23,32によって貼り付けられる。
【0054】
[導電性フィルムの平面構造]
図2を参照して、センシング電極33SPとドライブ電極31DPとの位置関係を中心に、導電性フィルム21の平面構造について説明する。なお、図2は、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から導電性フィルム21を見た図であり、二点鎖線で囲まれた横方向に沿って延びる帯状領域の各々は、1つのセンシング電極33SPが配置される領域を示し、二点鎖線で囲まれた縦方向に沿って延びる帯状領域の各々は、1つのドライブ電極31DPが配置される領域を示している。なお、センシング電極33SPおよびドライブ電極31DPの数は簡略化して示している。
【0055】
また、センシング電極33SPとドライブ電極31DPとの構成を理解しやすくするために、図2にて最も上側に位置するセンシング電極33SPについてのみ、センシング電極33SPを構成するセンシング電極線を太線で示し、図2にて最も左側に位置するドライブ電極31DPについてのみ、ドライブ電極31DPを構成するドライブ電極線を細線で示している。なお、図2においては、センシング電極線の形状とドライブ電極線の形状とを、模式的に示している。
【0056】
図2が示すように、透明誘電体基板33のセンシング電極面33Sにおいて、複数のセンシング電極33SPの各々は、1つの方向である第1方向D1に沿って延びる帯形状を有し、かつ、第1方向D1と直交する第2方向D2に沿って並んでいる。各センシング電極33SPは、隣り合う他のセンシング電極33SPと互いに絶縁されている。
【0057】
各センシング電極33SPは、細線状のセンシング電極線33SRから構成され、センシング電極線33SRは、複数の多角形から構成されるメッシュを構成している。センシング電極線33SRの形成材料には、銅や銀やアルミニウムなどの金属膜が用いられ、センシング電極線33SRは、例えば、エッチングによって金属膜がパターニングされることにより形成される。複数のセンシング電極33SPの各々は、センシングパッド33Pを介して個別にタッチパネル20の周辺回路の一例である検出回路に接続され、検出回路によって電流値を測定される。
【0058】
透明基板31のドライブ電極面31Sにおいて、複数のドライブ電極31DPの各々は、第2方向D2に沿って延びる帯形状を有し、かつ、第1方向D1に沿って並んでいる。各ドライブ電極31DPは、隣り合う他のドライブ電極31DPと互いに絶縁されている。
【0059】
各ドライブ電極31DPは、細線状のドライブ電極線31DRから構成され、ドライブ電極線31DRは、複数の多角形から構成されるメッシュを構成している。ドライブ電極線31DRの形成材料には、銅や銀やアルミニウムなどの金属膜が用いられ、ドライブ電極線31DRは、例えば、エッチングによって金属膜がパターニングされることにより形成される。複数のドライブ電極31DPの各々は、ドライブパッド31Pを介して個別にタッチパネル20の周辺回路の一例である選択回路に接続され、選択回路が出力する駆動信号を受けることによって選択回路に選択される。
【0060】
透明誘電体基板33の表面と対向する平面視において、センシング電極33SPとドライブ電極31DPとが相互に重なる部分は、図2の二点鎖線によって区画される四角形状を有した容量検出部NDである。1つの容量検出部NDは、1つのセンシング電極33SPと、1つのドライブ電極31DPとが立体的に交差する部分であって、タッチパネル20において使用者の指などが触れている位置を検出することの可能な最小の単位である。
【0061】
なお、センシング電極線33SRおよびドライブ電極線31DRの形成方法としては、上述のエッチングに限らず、例えば印刷法などの他の方法が用いられてもよい。
【0062】
[表示パネルの平面構造]
図3を参照して、表示パネル10におけるカラーフィルタ層15の平面構造、すなわち、表示パネル10の画素配列について説明する。
図3が示すように、カラーフィルタ層15のブラックマトリクス15aは、上記第1方向D1と上記第2方向D2とに沿って並ぶ矩形形状を有した複数の単位格子から構成される格子パターンを有している。1つの画素15Pは、第1方向D1に沿って連続する3つの単位格子から構成され、複数の画素15Pは、第1方向D1、および、第2方向D2に沿って格子状に並んでいる。
【0063】
複数の画素15Pの各々は、赤色を表示するための赤色着色層15R、緑色を表示するための緑色着色層15G、および、青色を表示するための青色着色層15Bから構成されている。カラーフィルタ層15において、例えば、複数の赤色着色層15R、複数の緑色着色層15G、および、複数の青色着色層15Bが、第1方向D1に沿って、この順で、繰り返し並んでいる。また、複数の赤色着色層15Rは、第2方向D2に沿って連続して並び、複数の緑色着色層15Gは、第2方向D2に沿って連続して並び、複数の青色着色層15Bは、第2方向D2に沿って連続して並んでいる。
【0064】
1つの赤色着色層15R、1つの緑色着色層15G、および、1つの青色着色層15Bは、1つの画素15Pを構成し、複数の画素15Pは、第1方向D1における赤色着色層15R、緑色着色層15G、および、青色着色層15Bの並ぶ順番を維持した状態で、第1方向D1に沿って並んでいる。また、換言すれば、複数の画素15Pは、第2方向D2に沿って延びるストライプ状に配置されている。
【0065】
画素15Pにおける第1方向D1に沿った幅が第1画素幅P1であり、画素15Pにおける第2方向D2に沿った幅が第2画素幅P2である。第1画素幅P1、および、第2画素幅P2の各々は、表示パネル10の大きさや表示パネル10に求められる解像度などに応じた値に設定される。
【0066】
[タッチパネルの電気的構成]
図4を参照して、タッチパネル20の電気的構成を、表示装置100の備える制御部の機能とともに説明する。なお、以下では、静電容量方式のタッチパネル20の一例として、相互容量方式のタッチパネル20における電気的構成を説明する。
【0067】
図4が示すように、タッチパネル20は、周辺回路として、選択回路34および検出回路35を備えている。選択回路34は、複数のドライブ電極31DPに接続され、検出回路35は、複数のセンシング電極33SPに接続され、表示装置100の備える制御部36は、選択回路34と検出回路35とに接続されている。
【0068】
制御部36は、各ドライブ電極31DPに対する駆動信号の生成を選択回路34に開始させるための開始タイミング信号を生成して出力する。制御部36は、駆動信号が供給される対象を1番目のドライブ電極31DP1からn番目のドライブ電極31DPnに向けて選択回路34に順次走査させるための走査タイミング信号を生成して出力する。
【0069】
制御部36は、各センシング電極33SPを流れる電流の検出を検出回路35に開始させるための開始タイミング信号を生成して出力する。制御部36は、検出の対象を1番目のセンシング電極33SP1からn番目のセンシング電極33SPnに向けて検出回路35に順次走査させるための走査タイミング信号を生成して出力する。
【0070】
選択回路34は、制御部36の出力した開始タイミング信号に基づいて、駆動信号の生成を開始し、制御部36の出力した走査タイミング信号に基づいて、駆動信号の出力先を1番目のドライブ電極31DP1からn番目のドライブ電極31DPnに向けて走査する。
【0071】
検出回路35は、信号取得部35aと信号処理部35bとを備えている。信号取得部35aは、制御部36の出力した開始タイミング信号に基づいて、各センシング電極33SPに生成されたアナログ信号である電流信号の取得を開始する。そして、信号取得部35aは、制御部36の出力した走査タイミング信号に基づいて、電流信号の取得元を1番目のセンシング電極33SP1からn番目のセンシング電極33SPnに向けて走査する。
【0072】
信号処理部35bは、信号取得部35aの取得した各電流信号を処理して、デジタル値である電圧信号を生成し、生成された電圧信号を制御部36に向けて出力する。このように、選択回路34と検出回路35とは、静電容量の変化に応じて変わる電流信号から電圧信号を生成することによって、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとの間の静電容量の変化を測定する。
【0073】
制御部36は、信号処理部35bの出力した電圧信号に基づいて、タッチパネル20において使用者の指などが触れている位置を検出し、検出した位置の情報を表示パネルの表示面に表示される情報の生成などの各種の処理に利用する。なお、タッチパネル20は、上述した相互容量方式のタッチパネル20に限らず、自己容量方式のタッチパネルであってもよい。
【0074】
[センシング電極の構成]
図5および図6を参照して、センシング電極33SPの構成について説明する。図5は、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見た場合の、センシング電極面33Sに形成されている電極線のパターンの一部を示す図である。
【0075】
図5が示すように、センシング電極面33Sに形成されている電極線のパターンであるセンシングパターン33PTは、複数のセンシング電極線33SRがメッシュを構成するように配置されたパターンである。各センシング電極線33SRは直線形状を有し、センシング電極33SPの端部を除く部分では、各センシング電極線33SRは、各センシング電極線33SRの有する2つの端部の各々にて、他のセンシング電極線33SRの端部と接続されている。そして、複数のセンシング電極線33SRによって、これらのセンシング電極線33SRに囲まれる多角形状の領域が区画されている。
【0076】
すなわち、センシングパターン33PTは、センシング電極線33SRを辺とする多角形が、一つのセンシング電極線33SRを互いに隣り合う多角形で共有して、隙間なく並ぶメッシュ状のパターンであり、これらの多角形の各々がセンシングメッシュ要素33PGである。換言すれば、センシングパターン33PTにおいて、センシング電極線33SRは、センシングパターン33PTを構成する複数の多角形が有する辺の各々の全体と重なるように、多角形の各辺上に位置している。
【0077】
各センシング電極線33SRの長さや第1方向D1に対する傾きは様々であり、センシングパターン33PTを構成する複数のセンシングメッシュ要素33PGにおいて、センシングメッシュ要素33PGの有する形状や大きさは様々である。また、複数のセンシングメッシュ要素33PGにおいて、センシングメッシュ要素33PGの有する辺の数も様々である。換言すれば、センシングパターン33PTは、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形が、多角形を構成する一辺を互いに隣り合う多角形で共有し、かつ、不規則に並ぶメッシュ状のパターンである。
【0078】
なお、センシングパターン33PTにおいて、互いに隣接するセンシング電極33SPの境界部分では、センシングメッシュ要素33PGの1つの辺内にてセンシング電極線33SRに切れ目が入れられたように、センシング電極線33SRが途切れており、これにより、互いに隣接するセンシング電極33SPが絶縁されている。すなわち、互いに隣接するセンシング電極33SPの境界部分でセンシング電極線33SRを仮想的に繋げた場合、これらのセンシング電極33SPにおけるメッシュは連続している。また、センシング電極33SPの第1方向D1における一方の端部に位置するセンシング電極線33SRは、センシングパッド33Pに接続されている。
図6は、図5に示したセンシングパターン33PTに対して、センシングメッシュ要素33PGの中心点Cを示した図である。
【0079】
センシングメッシュ要素33PGの中心点Cは、センシングパターン33PTをボロノイ図としてみた場合において、当該センシングメッシュ要素33PGである多角形内に位置する母点である。センシングパターン33PTを構成する複数のセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cは、センシング電極面33S内において、単位領域に出現する確率がほぼ均等であって、互いに隣り合う単位領域内のような短距離での秩序や、多数の単位領域内のような長距離での秩序を有していないように、すなわち、不規則に並んでいる。
【0080】
センシングメッシュ要素33PGの中心間距離Lmは、当該センシングメッシュ要素33PGの中心点Cと、この中心点Cに最も近い他のセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cとの間の距離である。すなわち、センシングメッシュ要素33PGの中心間距離Lmは、センシングメッシュ要素33PGの中心点Cと、当該センシングメッシュ要素33PGと隣接するセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cとを結ぶ線分Ldのうち、最も短い線分Ldの長さである。互いに隣接する2つのセンシングメッシュ要素33PGは、1つの辺を共有する。
【0081】
センシングパターン33PTを構成する複数のセンシングメッシュ要素33PGにおける中心間距離Lmの平均値を平均距離Laとするとき、中心間距離Lmと平均距離Laとは下記式(1)を満たすことが好ましい。
La−La/5≦Lm≦La+La/5 ・・・(1)
こうしたセンシングパターン33PTの設計方法の例について説明する。
【0082】
まず、複数の中心点Cの位置が決定される。例えば、センシングパターン33PTの作製される領域に座標軸が設定され、疑似乱数に基づき決定された座標に中心点Cが配置される。このとき、疑似乱数を用いることのみによって中心点Cの座標が決定されると、中心間距離Lmのばらつきが大きくなる。したがって、さらに条件を付与して中心点Cの座標を決定する。
【0083】
例えば、n+1(nは1以上の整数)個目の中心点Cの座標の決定に際しては、まず、疑似乱数によってn+1個目の中心点Cの座標が仮決定される。そして、その時点までに座標の決定されているn個の中心点Cとn+1個目の中心点Cとについて、各中心点Cに対して規定される中心間距離Lmと、これらの中心間距離Lmに基づいて算出される平均距離Laとが、上記式(1)の関係を満たしているか否かが判定される。判定の結果、上記式(1)の関係が満たされていれば、n+1個目の中心点Cの座標がその座標に決定され、上記式(1)の関係が満たされていなければ、疑似乱数を用いたn+1個目の中心点Cの座標の仮決定と、上記式(1)の関係が満たされているか否かの判定とが繰り返される。このようなアルゴリズムに基づく動作をコンピュータに指示するプログラムの利用によって、複数の中心点Cの位置が決定される。
【0084】
なお、中心点Cの総数は、センシングパターン33PT全体の大きさや、センシングパターン33PTにおける所望のセンシング電極線33SRの密度等に応じて設定される。
【0085】
すべての中心点Cの位置が決定された後、例えば、これらの中心点Cを母点としたボロノイ分割が用いられることによって、センシング電極線33SRの配置位置が決定される。すなわち、センシングパターン33PTの作製される領域が、領域内の点がいずれの中心点Cに近いかによって区分けされ、区分けされた領域の境界がセンシング電極線33SRの配置位置とされる。これにより、中心点Cを母点とするボロノイ図に基づくメッシュ状のパターンであるセンシングパターン33PTが作製される。
【0086】
[ドライブ電極の構成]
図7図9を参照して、ドライブ電極31DPの構成について説明する。図7は、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見た場合の、ドライブ電極面31Sに形成されている電極線のパターンの一部を示す図である。
【0087】
図7が示すように、ドライブ電極面31Sに形成されている電極線のパターンであるドライブパターン31PTは、複数のドライブ電極線31DRがメッシュを構成するように配置されたパターンである。各ドライブ電極線31DRは直線形状を有し、ドライブ電極31DPの端部を除く部分では、各ドライブ電極線31DRは、各ドライブ電極線31DRの有する2つの端部の各々にて、他のドライブ電極線31DRの端部と接続されている。そして、3つのドライブ電極線31DRによって、これらのドライブ電極線31DRに囲まれる三角形状の領域が区画されている。
【0088】
すなわち、ドライブパターン31PTは、ドライブ電極線31DRを辺とする三角形が、一つのドライブ電極線31DRを互いに隣り合う三角形で共有して、隙間なく並ぶメッシュ状のパターンであり、これらの三角形の各々がドライブメッシュ要素31PGである。換言すれば、ドライブパターン31PTにおいて、ドライブ電極線31DRは、ドライブパターン31PTを構成する複数の多角形が有する辺の各々の全体と重なるように、多角形の各辺上に位置している。
【0089】
各ドライブ電極線31DRの長さや第2方向D2に対する傾きは様々であり、ドライブパターン31PTを構成する複数のドライブメッシュ要素31PGにおいて、ドライブメッシュ要素31PGの有する形状や大きさは様々である。換言すれば、ドライブパターン31PTは、互いに異なる形状を有する三角形を含む複数の三角形が、三角形を構成する一辺を互いに隣り合う三角形で共有し、かつ、不規則に並ぶメッシュ状のパターンである。
【0090】
なお、ドライブパターン31PTにおいて、互いに隣接するドライブ電極31DPの境界部分では、ドライブメッシュ要素31PGの1つの辺内にてドライブ電極線31DRに切れ目が入れられたように、ドライブ電極線31DRが途切れており、これにより、互いに隣接するドライブ電極31DPが絶縁されている。すなわち、互いに隣接するドライブ電極31DPの境界部分でドライブ電極線31DRを仮想的に繋げた場合、これらのドライブ電極31DPにおけるメッシュは連続している。また、ドライブ電極31DPの第2方向D2における一方の端部に位置するドライブ電極線31DRは、ドライブパッド31Pに接続されている。
【0091】
図8および図9は、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見た場合の、重ね合わされたセンシングパターン33PTとドライブパターン31PTとの一部を示す図であって、センシングパターン33PTにおけるセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cを併せて示す図である。図8および図9では、センシングパターン33PTとドライブパターン31PTとの判別を容易にするために、センシング電極線33SRを破線で示し、ドライブ電極線31DRを実線で示している。また、図8(b)は、図8(a)に示されるセンシングメッシュ要素33PGの1つを抜き出して示す図である。
【0092】
図8(a)が示すように、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、センシングパターン33PTにおける各センシングメッシュ要素33PGの内部に、ドライブパターン31PTにおけるドライブメッシュ要素31PGの頂点が1つずつ位置している。そして、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、ドライブメッシュ要素31PGの頂点は、センシングメッシュ要素33PGの中心点Cとほぼ一致する位置に位置している。
【0093】
詳細には、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、ドライブメッシュ要素31PGの頂点とセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cとは、以下の位置関係にある。すなわち、図8(b)が示すように、センシングメッシュ要素33PGの中心点Cから当該センシングメッシュ要素33PGである多角形の各辺へ引いた垂線Nの平均の長さを当該センシングメッシュ要素33PGの基準距離Lcとする。例えば、センシングメッシュ要素33PGが六角形であるとき、センシングメッシュ要素33PGの中心点Cから当該センシングメッシュ要素33PGの有する6つの辺の各々に引いた垂線N、すなわち、6本の垂線Nの長さの平均値が、当該センシングメッシュ要素33PGの基準距離Lcである。そして、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、センシングメッシュ要素33PGの中心点Cを中心とし、当該センシングメッシュ要素33PGの基準距離Lcの1/5の長さを半径とする円Rの内部に、ドライブメッシュ要素31PGの頂点が位置する。
【0094】
なお、図8(a)は、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、すべてのドライブメッシュ要素31PGのすべての頂点の位置が、いずれかのセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cの位置と一致する例を示している。そして、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、すべてのセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cの位置は、いずれかのドライブメッシュ要素31PGの頂点の位置と一致している。
【0095】
こうしたドライブパターン31PTの設計方法の例について説明する。
ドライブパターン31PTは、例えば、センシングパターン33PTの設計に際して得られた複数の中心点Cの位置データに基づいて、これらの中心点Cがドロネー三角分割によって結ばれ、この中心点Cを結ぶ位置がドライブ電極線31DRの配置位置とされることによって作製される。これにより、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、すべてのドライブメッシュ要素31PGのすべての頂点の位置が、いずれかのセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cの位置と一致するドライブパターン31PTが作製される。
【0096】
図9を参照して、ドライブパターン31PTの他の例について説明する。
図9が示すように、ドライブパターン31PTは、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンであればよく、すなわち、ドライブメッシュ要素31PGは三角形に限らず多角形であればよい。図9は、ドライブメッシュ要素31PGが四角形である例を示している。
【0097】
この場合においても、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、センシングメッシュ要素33PGの中心点Cを中心とし、当該センシングメッシュ要素33PGの基準距離Lcの1/5の長さを半径とする円Rの内部に、ドライブメッシュ要素31PGの頂点が位置する。
【0098】
なお、図9は、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、すべてのドライブメッシュ要素31PGのすべての頂点の位置が、いずれかのセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cの位置と一致する例を示している。そして、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、すべてのセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cの位置は、いずれかのドライブメッシュ要素31PGの頂点の位置と一致している。
【0099】
こうしたドライブパターン31PTは、例えば、以下のように設計される。すなわち、センシングパターン33PTの設計に際して得られた複数の中心点Cの位置データに基づき、これらの中心点Cがドロネー三角分割により結ばれることによって形成される複数の三角形が、互いに隣り合う2つの三角形の組に分けられる。そして、各三角形の組について、隣り合う2つの三角形が有する辺のうち、これらの三角形に共有される1辺を除く4辺がドライブ電極線31DRの配置位置とされる。これにより、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、すべてのドライブメッシュ要素31PGのすべての頂点の位置が、いずれかのセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cの位置と一致するドライブパターン31PTが作製される。
【0100】
なお、ドライブメッシュ要素31PGは、四角形よりも辺の数の多い多角形であってもよいし、ドライブパターン31PTを構成する複数のドライブメッシュ要素31PGに、辺の数の互いに異なる多角形が含まれてもよい。例えば、ドライブパターン31PTを構成する複数のドライブメッシュ要素31PGに、三角形と四角形とが含まれてもよい。
【0101】
ドライブメッシュ要素31PGの頂点では、複数のドライブ電極線31DRが集まり互いに接続されて角部を形成する。ドライブ電極線31DRがエッチングによって形成される場合、こうした角部の精密な形成は困難であるため、ドライブメッシュ要素31PGの頂点にて電極線が太くなりやすい。ここで、ドライブパターン31PTが三角形以外の多角形のドライブメッシュ要素31PGから構成される場合、ドライブパターン31PTが三角形のドライブメッシュ要素31PGから構成される場合と比較して、ドライブメッシュ要素31PGの頂点に集まって互いに接続されるドライブ電極線31DRの数は少なく、これらの電極線のなす角度は大きい。それゆえ、ドライブメッシュ要素31PGの頂点にて電極線が太くなることが抑えられるため、頂点が目立つことや、ドライブパターン31PTにおける所望の電極線の配置面積と実際の電極線の配置面積との差が大きくなることが抑えられる。したがって、ドライブパターン31PTは、三角形以外の多角形のドライブメッシュ要素31PGから構成されることが好ましい。
【0102】
一方、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、各センシングメッシュ要素33PGの内部に、ドライブメッシュ要素31PGの頂点が1つずつ位置する構成では、各ドライブメッシュ要素31PGの辺の数が多くなるほど、ドライブパターン31PTを構成するドライブ電極線31DRの数は少なくなる。その結果、ドライブパターン31PTにおける電極線の密度が小さくなる。
【0103】
センシングパターン33PTとドライブパターン31PTとのうち、一方のパターンにおける電極線の密度が、他方のパターンの電極線の密度よりも過度に小さいと、一方のパターンを構成する電極の抵抗値が、他方のパターンを構成する電極の抵抗値よりも過度に高くなる。その結果、指などの接触位置の検出に必要とされる電流を流すための消費電力の増大を招くなど、接触位置の良好な検出精度を得るための電気的な制御に要する負荷が大きくなる。また、一方のパターンから構成される電極と、他方のパターンから構成される電極との交差部において、接触位置の検出に必要とされる容量が得られ難くもなる。したがって、センシングパターン33PTにおける電極線の密度とドライブパターン31PTにおける電極線の密度との差は小さいことが好ましい。
【0104】
ドライブパターン31PTにおける電極線の密度がセンシングパターン33PTにおける電極線の密度よりも小さくなり過ぎることを抑えるためには、各ドライブメッシュ要素31PGが有する辺の数の平均値が、各センシングメッシュ要素33PGが有する辺の数の平均値よりも小さいことが好ましい。すなわち、センシングパターン33PTよりもドライブパターン31PTの方が、パターンを構成する多角形1つあたりの辺の数が少ないことが好ましい。具体的には、センシングパターン33PTがボロノイ図に基づいて作製される場合、センシングパターン33PTを構成する複数のセンシングメッシュ要素33PGには、五角形や六角形が多く含まれる。したがって、ドライブメッシュ要素31PGは、三角形や四角形であることが好ましい。
【0105】
[作用]
本実施形態の作用について説明する。センシングパターン33PTとドライブパターン31PTとは、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンであるため、センシングパターン33PTとドライブパターン31PTとが重ね合わされたパターンの周期性は極めて低い。すなわち、こうした電極線パターンのFFT解析によって得られるパワースペクトルには、ドーナツ状のスペクトル分布が現われ、モアレの要因となる特定の角度や周波数のピークは生じない。したがって、こうした電極線パターンを有するタッチパネル20を表示パネル10と重ね合わせても、電極線パターンと画素パターンとの重ね合わせは周期構造同士の重ね合わせにはならないため、モアレが視認されることが抑えられる。
【0106】
また、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、センシングメッシュ要素33PGの中心点Cの付近に、ドライブメッシュ要素31PGの頂点が位置する。換言すれば、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、ドライブパターン31PTにおいて電極線の集まる部分である多角形の頂点は、センシングパターン33PTにおいて電極線の無い部分である多角形の中心部と重なる。多角形の頂点は複数の電極線の集まる部分であるから、こうした構成によって、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、センシングパターン33PTにおいて電極線の集まる部分と、ドライブパターン31PTにおいて電極線の集まる部分とが近接して配置されることが抑えられる。したがって、センシングパターン33PTとドライブパターン31PTとが重ね合わされた電極線パターン内において、電極線の密度に偏りが生じることが抑えられる。
【0107】
このように、本実施形態の電極線パターンを用いることによって、表示装置100におけるモアレによる視認性の低下と電極線の密度差による視認性の低下との双方が抑えられる。
【0108】
また、複数のセンシングメッシュ要素33PGの中心点Cの配置について、中心間距離Lmと平均距離Laとが上記式(1)を満たす構成では、センシングパターン33PTにおいて、中心点Cの位置に偏りが生じることが抑えられる。すなわち、複数のセンシングメッシュ要素33PGの大きさに偏りが生じることが抑えられる。センシングパターン33PTのなかで、相対的に大きいセンシングメッシュ要素33PGから構成される部分では、電極線の配置が疎らになり、相対的に小さいセンシングメッシュ要素33PGから構成される部分では電極線の配置は密になる。そのため、複数のセンシングメッシュ要素33PGの大きさに偏りが生じることが抑えられることによって、センシングパターン33PT内において電極線の密度に偏りが生じることが抑えられる。
【0109】
さらに、偏りが抑えられた中心点Cの配置に基づいて、ドライブパターン31PTにおけるドライブ電極線31DRの配置が決定されるため、ドライブパターン31PT内においても電極線の密度に偏りが生じることが抑えられる。したがって、センシングパターン33PTとドライブパターン31PTとが重ね合わされた電極線パターン内において、電極線の密度に偏りが生じることが的確に抑えられる。
【0110】
なお、上記実施形態では、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、すべてのセンシングメッシュ要素33PGについて、中心点Cを中心とし、基準距離Lcの1/5の長さを半径とする円R内にドライブメッシュ要素31PGの頂点が位置する構成を例示した。これに限らず、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、センシングパターン33PTを構成する複数のセンシングメッシュ要素33PGには、上記円R内にドライブメッシュ要素31PGの頂点が位置しないセンシングメッシュ要素33PGが含まれてもよい。換言すれば、ドライブメッシュ要素31PGの頂点には、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、上記円R内に位置しない頂点が含まれてもよい。
【0111】
要は、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、上記円R内にドライブメッシュ要素31PGの頂点が位置するセンシングメッシュ要素33PGである多角形が、対象多角形であり、センシングパターン33PTを構成する多角形に対象多角形が含まれていればよい。
【0112】
センシングパターン33PTとドライブパターン31PTとが重ね合わされた電極線パターンにおいて、電極線の密度差に起因したムラは、センシングパターン33PTにて、上記円R内にドライブメッシュ要素31PGの頂点が位置しないセンシングメッシュ要素33PGが集まっている場合に視認されやすい。こうしたセンシングメッシュ要素33PGが集まると、電極線パターンにおいて、電極線が密に配置されている領域の大きさや電極線が疎らに配置されている領域の大きさが大きくなるためである。
【0113】
こうした観点から、対象多角形の好ましい配置について図10を参照して説明する。
図10が示すように、1つのセンシングメッシュ要素33PGと、このセンシングメッシュ要素33PGと隣接するすべてのセンシングメッシュ要素33PG、すなわち、このセンシングメッシュ要素33PGと辺を共有するすべてのセンシングメッシュ要素33PGとが、メッシュ要素群33MGを構成する。例えば、図10に示す例においては、中央のセンシングメッシュ要素33PGと、このセンシングメッシュ要素33PGを囲む6つのセンシングメッシュ要素33PGとの、合わせて7つのセンシングメッシュ要素33PGが1つのメッシュ要素群33MGを構成する。
【0114】
1つのメッシュ要素群33MGを構成するセンシングメッシュ要素33PGのうち、対象多角形でない多角形は、2個以下であることが好ましい。すなわち、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、1つのメッシュ要素群33MGを構成するセンシングメッシュ要素33PGのうち、上記円R外にドライブメッシュ要素31PGの頂点が位置するセンシングメッシュ要素33PGは、2個以下であることが好ましい。なお、電極線の密度に偏りが生じることを抑えるためには、1つのメッシュ要素群33MGを構成するセンシングメッシュ要素33PGのすべてが対象多角形であることが最も好ましい。
【0115】
上記実施形態において、透明誘電体基板33は透明誘電体層の一例である。そして、透明誘電体基板33の表面が第1面であり、透明誘電体基板33の裏面が第2面であり、センシングパターン33PTが第1メッシュパターンであり、ドライブパターン31PTが第2メッシュパターンであり、透明誘電体基板33が第1基材であり、透明基板31が第2基材である。
【0116】
なお、上記実施形態のセンシングパターン33PTとドライブパターン31PTとが入れ替えられてもよい。すなわち、ボロノイ図に基づいて作製されたパターンであって複数の多角形について中心点Cが規定されるパターンがドライブパターン31PTであり、センシングパターン33PTは、ドライブパターン31PTについて設定された中心点Cに基づきドロネー三角分割により作製されるパターンであってもよい。こうした構成においては、透明誘電体基板33の裏面が第1面であり、透明誘電体基板33の表面が第2面であり、ドライブパターン31PTが第1メッシュパターンであり、センシングパターン33PTが第2メッシュパターンであり、透明基板31が第1基材であり、透明誘電体基板33が第2基材である。
【0117】
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)第1メッシュパターンと第2メッシュパターンとの各々は、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンであるため、これらのパターンが重ね合わされた電極線パターンの周期性は極めて低い。したがって、こうした電極線パターンを有するタッチパネル20と表示パネル10と重ね合わせに際して、モアレが視認されることが抑えられる。
【0118】
そして、透明誘電体基板33の第1面と対向する方向から見て、第1メッシュパターンを構成する多角形の中心点Cを中心とし、基準距離Lcの1/5の長さを半径とする円R内に、第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点が位置する。こうした構成によれば、第1メッシュパターンにおいて電極線の集まる部分と、第2メッシュパターンにおいて電極線の集まる部分とが近接して配置されることが抑えられるため、これらのパターンが重ね合わされた電極線パターン内において、電極線の密度に偏りが生じることが抑えられる。したがって、表示装置100におけるモアレによる視認性の低下と電極線の密度差による視認性の低下とが抑えられる。
【0119】
(2)第2メッシュパターンを構成する複数の多角形の各々が有する辺の数の平均値が、第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の各々が有する辺の数の平均値よりも小さい構成では、第2メッシュパターンにおける電極線の密度が第1メッシュパターンにおける電極線の密度よりも小さくなり過ぎることが抑えられる。すなわち、第2メッシュパターンを構成する電極の抵抗値が第1メッシュパターンを構成する電極の抵抗値よりも高くなり過ぎることが抑えられる。こうした構成によれば、接触位置の良好な検出精度を得るための電気的な制御に要する負荷の増大が抑えられる。
【0120】
(3)第1メッシュパターンにおいて、複数の多角形の中心点Cの配置について、中心間距離Lmと平均距離Laとが上記式(1)を満たす構成では、第1メッシュパターンにおいて、中心点Cの位置に偏りが生じることが抑えられる。すなわち、複数の多角形の大きさに偏りが生じることが抑えられるため、第1メッシュパターン内において電極線の密度に偏りが生じることが抑えられる。したがって、第1メッシュパターンと第2メッシュパターンとが重ね合わされた電極線パターン内において、電極線の密度に偏りが生じることが的確に抑えられる。
【0121】
(4)第1メッシュパターンにおいて、第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の中心点Cは不規則に並び、第1メッシュパターンが、これらの中心点Cを母点とするボロノイ図に基づくメッシュ状のパターンである構成では、複数の多角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンが的確に実現できる。
【0122】
(5)第2メッシュパターンを構成する複数の多角形が、第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の中心点Cをドロネー三角分割によって結んだ三角形を含む構成では、第1メッシュパターンの中心点Cの配置に基づいて第2メッシュパターンが作製される。したがって、第1メッシュパターンを構成する多角形の中心点Cの近傍に頂点の配置された多角形から構成される第2メッシュパターンの作製が容易であり、第2メッシュパターンの設計負荷が軽減される。
【0123】
(6)第2メッシュパターンを構成する複数の多角形が、第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の中心点Cをドロネー三角分割によって結んだ三角形であって、共有する1辺を有した隣り合う2つの三角形が有する辺のうち、これらの三角形に共有される1辺を除く4辺を辺とする四角形を含む構成でも、第1メッシュパターンの中心点Cの配置に基づいて第2メッシュパターンが作製される。したがって、第1メッシュパターンを構成する多角形の中心点Cの近傍に頂点の配置された多角形から構成される第2メッシュパターンの作製が容易であり、第2メッシュパターンの設計負荷が軽減される。
【0124】
特に、第2メッシュパターンにおいて、四角形から構成される部分は、三角形から構成される部分と比較して、多角形の頂点に集まる電極線の数が少なく、電極線同士のなす角度が大きい。したがって、第2メッシュパターンを構成する多角形のすべてが三角形である構成と比較して、多角形の頂点にて電極線が太くなることが抑えられるため、頂点が目立つことや、第2メッシュパターンにおける所望の電極線の配置面積と実際の電極線の配置面積との差が大きくなることが抑えられる。
【0125】
(第2実施形態)
図11図16を参照して、第2実施形態の導電性フィルム、タッチパネル、および、表示装置について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、第2メッシュパターンの構成が異なる。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0126】
[ドライブパターンの構成]
図11図16を参照して、ドライブパターン37PTの構成について説明する。図11は、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見た場合の、ドライブ電極面31Sに形成されている電極線のパターンの一部を示す図である。
【0127】
ドライブパターン37PTを構成する複数のドライブ電極線31DRには、ドライブ電極線31DRの有する2つの端部の少なくとも一方が、他のドライブ電極線31DRの端部と接続されていないドライブ電極線31DRが含まれる。
【0128】
換言すれば、ドライブパターン37PTは、複数の三角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンにおける三角形の各辺上にドライブ電極線31DRが位置するパターンであって、複数のドライブ電極線31DRには、三角形の辺上に位置し、この辺の両端にある三角形の頂点に位置する他のドライブ電極線31DRと接続していない電極線が含まれる。言い換えれば、複数のドライブ電極線31DRには、三角形の辺上に位置し、三角形の頂点の手前で途切れている電極線が含まれ、すなわち、三角形の頂点に位置する他のドライブ電極線31DRと切り離されている電極線が含まれる。このドライブ電極線31DRが他のドライブ電極線31DRと離れている箇所である断線箇所DCは、要は、ドライブ電極31DPにおいて電極線が断線されている部分である。
【0129】
上記三角形、すなわち、各ドライブ電極線31DRの両端部を、他のドライブ電極線31DRの端部と接続されるまで延伸した場合に、3つのドライブ電極線31DRを辺として形成される仮想的な三角形がドライブメッシュ要素31PGである。
【0130】
複数のドライブメッシュ要素31PGの配置は、第1実施形態のドライブパターン31PTと同様であり、互いに異なる形状を有する三角形を含む複数のドライブメッシュ要素31PGが、三角形を構成する一辺を互いに隣り合う三角形で共有して不規則に並んでいる。この複数の三角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンは、例えば、第1実施形態と同様に、センシングパターン33PTについて設定された中心点Cに基づきドロネー三角分割により作製される。
【0131】
また、センシングパターン33PTとドライブパターン37PTとが重ね合わされた場合におけるセンシングメッシュ要素33PGとドライブメッシュ要素31PGとの位置関係も、第1実施形態と同様である。すなわち、透明誘電体基板33の表面と対向する方向から見て、センシングパターン33PTを構成する多角形の中心点Cを中心とし、基準距離Lcの1/5の長さを半径とする円R内に、ドライブパターン37PTを構成する多角形の頂点が位置する。
【0132】
[作用]
第2実施形態のドライブパターン37PTの作用について説明する。第1実施形態で説明したように、ドライブメッシュ要素31PGの頂点では、複数のドライブ電極線31DRが互いに接続されることによって角部が形成され、こうした角部の精密な形成は困難であるため、ドライブメッシュ要素31PGの頂点では電極線が太くなりやすい。
【0133】
例えば、図12(a)が示すように、ドライブパターン37PTが断線箇所DCを有さない場合、頂点Vにて多数のドライブ電極線31DRが互いに接続されるため、これらのドライブ電極線31DRのなす角、すなわち、頂点Vの周りに形成される角部の角度は小さい。その結果、角部が精密に形成され難く、図12(a)にドットを付して示すように、頂点Vの部分で電極線の占める領域が膨らんで、頂点Vが1つの大きな塊として視認され易くなる。結果として、導電性フィルム21を通して見える画像などが見え難くなり、モアレや電極線の密度差による視認性の低下とは異なる態様で、表示装置にて視認される画像の品質が低下する。すなわち、表示品位が低下する。
【0134】
これに対し、図12(b)や図12(c)が示すように、ドライブパターン37PTが断線箇所DCを有する場合、断線箇所DCを有さない場合と比較して、頂点Vにて互いに接続されているドライブ電極線31DRの数が少ないため、頂点Vの周りに形成される角部の角度は大きくなる。その結果、角部が精密に形成され易くなるため、頂点Vの部分で電極線が膨らむことが抑えられる。したがって、導電性フィルム21を備えたタッチパネル20や表示装置100において、表示品位が低下することを抑えられる。
【0135】
ドライブパターン37PTを構成する複数のドライブメッシュ要素31PGの頂点に、頂点の周囲に断線箇所DCが設けられていない頂点が含まれていても、断線箇所DCが全く設けられていない構成と比較して、表示品位の低下を抑える効果は得られる。ただし、表示品位の低下をより的確に抑えるためには、ドライブパターン37PTを構成する複数のドライブメッシュ要素31PGのすべての頂点について、頂点の周囲に少なくとも一箇所の断線箇所DCが設けられていることが好ましい。さらに、表示品位の低下をより的確に抑えるためには、頂点にて互いに接続されるドライブ電極線31DRの数は2つであることが好ましく、2つのドライブ電極線31DR以外のドライブ電極線31DRは、頂点の手前で途切れて、断線箇所DCを形成していることが好ましい。
【0136】
[断線箇所の配置例]
図13図16を参照して、ドライブパターン37PTにおける断線箇所DCの好ましい配置例について説明する。
上述のように、ドライブメッシュ要素31PGの頂点に集まるドライブ電極線31DRのなす角が小さいほど、角部の精密な形成は困難になる。そのため、頂点に向けて延びる複数のドライブ電極線31DRのうち、頂点まで延伸された場合に最も小さい角を形成する2つのドライブ電極線31DRのうちの少なくとも一方と、当該頂点との間に断線箇所DCが設けられていることが好ましい。換言すれば、断線箇所DCは、1つの頂点に向けて延びる複数のドライブ電極線31DRのうち、これらの電極線31DRの各々に沿って延びる仮想的な直線のなす角が最も小さい2つのドライブ電極線31DRのうちの少なくとも一方と、当該頂点との間に設けられていることが好ましい。
【0137】
図13は、断線箇所DCが設けられていないドライブパターン、すなわち、すべてのドライブ電極線31DRがドライブメッシュ要素31PGの頂点まで延びているパターンを示す。図13に示される破線の円内には、断線箇所DCの設定の候補である部位が含まれる。すなわち、破線の円内に含まれる頂点Vに集まる複数のドライブ電極線31DRの各々が、この頂点Vとの間に断線箇所DCを形成するドライブ電極線31DRの候補である。また、矢印αは、頂点Vごとに、頂点Vに集まるドライブ電極線31DRによって形成される角のうちで最も角度の小さい角を示している。
【0138】
図14は、図13にて矢印αで示された角を形成する2つのドライブ電極線31DRのうちの少なくとも一方と、これらのドライブ電極線31DRの延びる先の頂点Vとの間に断線箇所DCが設けられたドライブパターン37PTを示す。
【0139】
なお、矢印αで示された角を形成する2つのドライブ電極線31DRの一方のみと、これらのドライブ電極線31DRの延びる先の頂点Vとの間に断線箇所DCが設けられていてもよい。また、矢印αで示された角を形成する2つのドライブ電極線31DRの各々と、これらのドライブ電極線31DRの延びる先の頂点Vとの間に断線箇所DCが設けられていてもよい。
【0140】
こうした構成によれば、頂点Vまで延伸された場合に最小の角を形成する2つのドライブ電極線31DRのうちの少なくとも一方と、当該頂点Vとの間に断線箇所DCが設けられるため、この頂点Vの周りに上記最小の角が形成されることが避けられる。すなわち、他の位置に断線箇所DCが設けられる場合と比較して、この頂点Vの周りに形成される最小の角の大きさは大きくなる。その結果、頂点Vの周りの角部が精密に形成され易くなるため、表示品位の低下が的確に抑えられる。
【0141】
なお、頂点Vの周囲には、上記最小の角を形成する2つのドライブ電極線31DRのうちの少なくとも一方と頂点Vとの間に加えて、上記最小の角とは異なる角を形成するドライブ電極線31DRと頂点Vとの間にも、断線箇所DCが設けられていてもよい。
【0142】
また、断線箇所DCが設けられていても、1つのドライブ電極31DPの導電性は担保される必要がある。すなわち、1つのドライブ電極31DP内を電流が流れやすいように、断線されていない電極線が配置されていることが好ましい。
【0143】
こうした観点から、図15が示すように、ドライブパターン37PT内に、複数の仮想線A1および複数の仮想線A2が設定され、この複数の仮想線A1および複数の仮想線A2と重なる部分には、断線箇所DCが設けられないことが好ましい。すなわち、仮想線A1と重なる複数のドライブ電極線31DRの各々は、その両端で隣接する他のドライブ電極線31DRと接続されて、これら複数のドライブ電極線31DRは、ひとつながりの電極線を構成している。同様に、仮想線A2と重なる複数のドライブ電極線31DRの各々は、その両端で隣接する他のドライブ電極線31DRと接続されて、これら複数のドライブ電極線31DRは、ひとつながりの電極線を構成している。
【0144】
仮想線A1は、第1方向D1に延びる折れ線であり、ドライブパターン37PTを構成する複数のドライブ電極線31DRのなかから選択された複数のドライブ電極線31DRに沿って延伸する。1本の仮想線A1を規定する複数のドライブ電極線31DRは、第1方向D1に沿って並ぶ一群のドライブ電極線31DR、もしくは、こうしたドライブ電極線31DRの群が第1方向D1に沿って並ぶ一つの集合であって、仮想線A1が第1方向D1に延びる折れ線となるように選択される。仮想線A1を規定する複数のドライブ電極線31DRは、仮想線A1の有する複数の屈曲部における屈曲角度の各々が、可能な範囲で180度に近くなるように、すなわち、仮想線A1が可能な範囲で直線に近くなるように選択されることが好ましい。また、仮想線A1は、第1方向D1において、ドライブ電極31DPの端部から端部まで延びていることが好ましい。
【0145】
仮想線A2は、第2方向D2に延びる折れ線であり、ドライブパターン37PTを構成する複数のドライブ電極線31DRのなかから選択された複数のドライブ電極線31DRに沿って延伸する。1本の仮想線A2を規定する複数のドライブ電極線31DRは、第2方向D2に沿って並ぶ一群のドライブ電極線31DR、もしくは、こうしたドライブ電極線31DRの群が第2方向D2に沿って並ぶ一つの集合であって、仮想線A2が第2方向D2に延びる折れ線となるように選択される。仮想線A2を規定する複数のドライブ電極線31DRは、仮想線A2の有する複数の屈曲部における屈曲角度の各々が、可能な範囲で180度に近くなるように、すなわち、仮想線A2が可能な範囲で直線に近くなるように選択されることが好ましい。また、仮想線A2は、第2方向D2において、ドライブ電極31DPの端部から端部まで延びていることが好ましい。
【0146】
上記構成について言い換えれば、ドライブパターン37PTでは、こうした仮想線A1,A2が設定可能なように、断線箇所DCが設けられている。すなわち、ドライブパターン37PTは、1つの方向に延伸する折れ線であって、断線箇所DCを通らずにドライブ電極線31DRに沿って延びる仮想線A1,A2を設定可能なように構成されている。
【0147】
なお、図15および図16では、巨視的にドライブパターン37PTを示すため、断線箇所DCの図示を割愛している。断線箇所DCは、仮想線A1,A2と重ならない領域のなかで、例えば、上述の例のように、頂点Vまで延伸された場合に最小の角を形成する2つのドライブ電極線31DRのうちの少なくとも一方と、当該頂点Vとの間の位置に設けられることが好ましい。こうした位置が仮想線A1,A2と重なる場合には、こうした位置とは異なる位置に断線箇所DCが設けられてもよい。
【0148】
図15に示される例では、複数の仮想線A1の大部分について、互いに隣接する仮想線A1は、これらの仮想線A1の間に、第2方向D2に沿って2つ以下のドライブメッシュ要素31PGが位置するように、間隔をあけて設定される。同様に、複数の仮想線A2の大部分について、互いに隣接する仮想線A2は、これらの仮想線A2の間に、第1方向D1に沿って2つ以下のドライブメッシュ要素31PGが位置するように、間隔をあけて設定される。
【0149】
これに代えて、図16が示すように、互いに隣接する仮想線A1は、これらの仮想線A1の間に、第2方向D2に沿って2つ以上のドライブメッシュ要素31PGが位置するように、間隔をあけて設定されてもよい。同様に、互いに隣接する仮想線A2は、これらの仮想線A2の間に、第1方向D1に沿って2つ以上のドライブメッシュ要素31PGが位置するように、間隔をあけて設定されてもよい。
【0150】
また、互いに隣接する仮想線A1の間の間隔と、互いに隣接する仮想線A2の間の間隔とは異なってもよい。例えば、互いに隣接する仮想線A1の間には、第2方向D2に沿って2つ以下のドライブメッシュ要素31PGが位置し、互いに隣接する仮想線A2の間には、第1方向D1に沿って2つ以上のドライブメッシュ要素31PGが位置してもよい。
互いに隣接する仮想線の間に位置するドライブメッシュ要素31PGの数が少ないほど、ドライブパターン37PT内に、複数の仮想線が密に配置される。
【0151】
図15および図16を参照して説明した構成によれば、複数の仮想線A1および複数の仮想線A2と重なる部分には、断線箇所DCが設けられていないため、ドライブ電極31DPでは、各仮想線A1および各仮想線A2に沿って電流が流れる。したがって、断線箇所DCが設けられる構成であっても、電流の流れる経路として、1つの方向に延びる折れ線状の経路が確保される。それゆえ、断線箇所DCを設けることによってドライブ電極31DPの抵抗値が高くなることを、断線箇所DCが設けられる構成のなかでは、抑えることができる。したがって、ドライブ電極31DPの導電性が低下することが抑えられる。
【0152】
また、上述のように、仮想線A1,A2が直線に近いほど、電流の流れる経路の長さが短くなるため、ドライブ電極31DPの抵抗値が高くなることがより的確に抑えられる。また、仮想線A1,A2が密に配置されるほど、電流の流れる経路が多くなるため、ドライブ電極31DPの抵抗値が高くなることがより的確に抑えられる。
【0153】
なお、上記構成では、仮想線A1の延びる方向は第1方向D1であり、仮想線A2の延びる方向は第2方向D2であるが、仮想線A1,A2の延びる方向はこれに限られない。例えば、仮想線A1の延びる方向は第1方向D1に対して45度の傾きを有する方向であり、仮想線A2の延びる方向は第2方向D2に対して45度の傾きを有する方向であって仮想線A1の延びる方向と直交する方向であってもよい。また、仮想線A1の延びる方向と仮想線A2の延びる方向とは直交していなくてもよく、交差していればよい。
【0154】
さらに、上記構成では、仮想線として互いに異なる方向に延びる二種類の仮想線A1および仮想線A2が設定されたが、設定される仮想線は、仮想線A1および仮想線A2の一方であってもよい。ただし、ドライブ電極31DPの導電性を確保するためには、設定される仮想線に、互いに異なる方向に延びる二種類の仮想線A1および仮想線A2が含まれることが好ましい。
【0155】
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、ドライブメッシュ要素31PGは三角形に限らず多角形であればよい。ただし、ドライブパターン37PTが三角形のドライブメッシュ要素31PGから構成される場合、ドライブパターン37PTが三角形以外の多角形のドライブメッシュ要素31PGから構成される場合と比較して、ドライブメッシュ要素31PGの頂点に集まるドライブ電極線31DRの数は多く、これらの電極線のなす角度は小さい。したがって、特に、ドライブパターン37PTが三角形のドライブメッシュ要素31PGから構成される場合に頂点にて電極線が太くなり易いため、こうした構成に断線箇所DCを設けると、表示品位の低下を抑える効果が高く得られる。すなわち、断線箇所DCを含むドライブメッシュ要素31PGが三角形であると、表示品位の低下を抑える効果が高く得られる。
【0156】
また、第2実施形態においても、センシングパターン33PTとドライブパターン37PTとが入れ替えられてもよい。すなわち、ボロノイ図に基づいて作製されたパターンであって複数の多角形について中心点Cが規定されるパターンがドライブパターン37PTであり、センシングパターン33PTは、ドライブパターン31PTについて設定された中心点Cに基づきドロネー三角分割により作製されるパターンであって、断線箇所DCが設けられるパターンであってもよい。
【0157】
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(6)の効果に加えて、以下に列挙する効果を得ることができる。
(7)第2メッシュパターンが断線箇所DCを含むため、この断線箇所DCが設けられている部分では、第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点にて互いに接続される電極線の数が少なくなる。その結果、頂点にて接続される電極線同士のなす角度が大きくなるため、角部が精密に形成され易くなる。したがって、頂点にて電極線が太くなることが抑えられるため、導電性フィルム21を備えたタッチパネル20や表示装置100において、表示品位が低下することを抑えられる。
【0158】
特に、第2メッシュパターンにおいて、三角形から構成される部分は、三角形以外の多角形から構成される部分と比較して、多角形の頂点に集まる電極線の数が多く、電極線同士のなす角度が小さい。したがって、この三角形から構成される部分に断線箇所DCを設けると、表示品位の低下を抑える効果が高く得られる。
【0159】
(8)断線箇所DCは、多角形の1つの頂点に向けて延びる複数の電極線のうち、これらの電極線をこの頂点まで延伸した場合に当該頂点の周りで最も小さい角を形成する2つの電極線のうちの少なくとも一方と、当該頂点との間に設けられている。こうした構成によれば、この頂点の周りに上記最も小さい角が形成されることが避けられる。すなわち、他の位置に断線箇所DCが設けられる場合と比較して、この頂点の周りに形成される最小の角の大きさは大きくなる。その結果、頂点の周りの角部が精密に形成され易くなるため、表示品位の低下が的確に抑えられる。
【0160】
(9)第2メッシュパターンは、当該メッシュパターン内に、1つの方向に延伸する折れ線である仮想線であって、断線箇所DCを通らずに電極線に沿って延びる仮想線を設定可能なように構成されている。こうした構成によれば、仮想線と重なる部分には、断線箇所DCが設けられていないため、第2メッシュパターンでは、仮想線に沿って電流が流れる。したがって、断線箇所DCが設けられる構成であっても、電流の流れる経路として、1つの方向に延びる折れ線状の経路が確保される。それゆえ、断線箇所DCを設けることによって第2メッシュパターンの抵抗値が高くなることを、断線箇所DCが設けられる構成のなかでは、抑えることができる。したがって、第2メッシュパターンの導電性が低下することが抑えられる。
【0161】
[変形例]
第1および第2実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・第1メッシュパターンは、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンの上記多角形の辺上に電極線が位置するパターンであればよく、第1メッシュパターンの少なくとも一部が、ボロノイ図に基づくパターンでなくてもよい。第1メッシュパターンをボロノイ図として捉えることができない領域では、中心点Cは、第1メッシュパターンを構成する多角形の重心として取り扱われればよい。
【0162】
また、第2メッシュパターンは、互いに異なる形状を有する多角形を含む複数の多角形が不規則に並ぶメッシュ状のパターンの上記多角形の辺上に電極線が位置するパターンであればよく、第2メッシュパターンの少なくとも一部が、ドロネー図に基づくパターンでなくてもよい。こうした場合においては、透明誘電体基板33の第1面と対向する方向から見て、第1メッシュパターンを構成する各多角形の内部に、第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点が1つずつ位置していなくてもよい。例えば、透明誘電体基板33の第1面と対向する方向から見て、第1メッシュパターンを構成する多角形の一部では、多角形の内部に、第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点が2つ含まれてもよいし、含まれなくともよい。
【0163】
・第2実施形態において、第2メッシュパターンに代えて第1メッシュパターンが、断線箇所DCを含んでいてもよいし、第2メッシュパターンに加えて第1メッシュパターンも、断線箇所DCを含んでいてもよい。断線箇所DCを含むメッシュパターンにおいては、上記(7)に準じた効果が得られる。
【0164】
ただし、第2メッシュパターンを構成する複数の多角形の各々が有する辺の数の平均値が、第1メッシュパターンを構成する複数の多角形の各々が有する辺の数の平均値よりも小さい構成では、第2メッシュパターンを構成する多角形の頂点に集まる電極線の数が、第1メッシュパターンを構成する多角形の頂点に集まる電極線の数よりも多くなり易い。すなわち、第1メッシュパターンよりも第2メッシュパターンにて、多角形の頂点にて電極線同士のなす角度が小さくなり、角部が精密に形成され難くなる。したがって、第2メッシュパターンが断線箇所DCを含むことによって、表示品位の低下を抑える効果が高く得られる。
【0165】
例えば、第1メッシュパターンがボロノイ図に基づくパターンであり、第2メッシュパターンがドロネー図に基づくパターンである場合には、第2メッシュパターンが断線箇所DCを含むことによって、表示品位の低下を抑える効果が高く得られる。
なお、第1メッシュパターンがボロノイ図に基づくパターンである場合、第1メッシュパターンが断線箇所DCを含んでいたとしても、第1メッシュパターンは、ボロノイ図とみなし得る。
【0166】
・センシングパターン33PTとドライブパターン31PTとの重ね合わせに際して、センシング電極33SPの延びる方向である第1方向D1とドライブ電極31DPの延びる方向である第2方向D2とは直交していなくてもよく、これらの方向は交差していればよい。また、表示パネル10において画素15Pの並ぶ方向は、第1方向D1や第2方向D2とは異なる方向であってもよい。
【0167】
図17が示すように、タッチパネル20を構成する導電性フィルム21において、透明基板31および透明接着層32が割愛されてもよい。こうした構成では、透明誘電体基板33の面のなかで、表示パネル10と対向する裏面がドライブ電極面31Sとして設定され、ドライブ電極面31Sには、ドライブ電極31DPが位置する。そして、透明誘電体基板33における裏面と反対側の面である表面はセンシング電極面33Sであって、センシング電極面33Sには、センシング電極33SPが位置する。なお、こうした構成において、ドライブ電極31DPは、例えば、透明誘電体基板33の一方の面に形成された1つの薄膜が、エッチングによってパターニングされることにより形成され、センシング電極33SPは、例えば、透明誘電体基板33の他方の面に形成された1つの薄膜が、エッチングによってパターニングされることにより形成される。
【0168】
なお、上記実施形態のように、センシング電極33SPとドライブ電極31DPとが互いに異なる基材上に形成される構成では、1つの基材の両面に電極線が形成される構成と比較して、電極線の形成が容易である。
【0169】
図18が示すように、タッチパネル20において、表示パネル10に近い構成要素から順番に、ドライブ電極31DP、透明基板31、透明接着層32、透明誘電体基板33、センシング電極33SP、透明接着層23、カバー層22が位置してもよい。
【0170】
こうした構成において、例えば、ドライブ電極31DPは、透明基板31のドライブ電極面31Sとなる1つの面に形成され、センシング電極33SPは、透明誘電体基板33のセンシング電極面33Sとなる1つの面に形成される。そして、透明基板31においてドライブ電極面31Sの反対側の面と、透明誘電体基板33においてセンシング電極面33Sの反対側の面とが、透明接着層32によって接着される。この場合、透明基板31、透明接着層32、および、透明誘電体基板33が、透明誘電体層を構成し、透明基板31のドライブ電極面31Sが、第1面および第2面の一方であり、透明誘電体基板33のセンシング電極面33Sが、第1面および第2面の他方である。
【0171】
・表示パネル10とタッチパネル20とは、個別に形成されていなくともよく、タッチパネル20は、表示パネル10と一体に形成されてもよい。こうした構成では、例えば、導電性フィルム21のうち、複数のドライブ電極31DPがTFT層13に位置する一方、複数のセンシング電極33SPがカラーフィルタ基板16と上側偏光板17との間に位置するインセル型の構成とすることができる。あるいは、導電性フィルム21がカラーフィルタ基板16と上側偏光板17との間に位置するオンセル型の構成でもよい。こうした構成においては、ドライブ電極31DPとセンシング電極33SPとに挟まれる層が、透明誘電体層を構成する。
【0172】
・導電性フィルム21は、タッチパネル20に用いられる導電性フィルムに限らず、電極線の配置に起因した視認性の低下を抑える必要のある導電性フィルムであればよく、例えば、電磁波シールド用の導電性フィルム等であってもよい。
【符号の説明】
【0173】
A1,A2…仮想線、C…中心点、D1…第1方向、D2…第2方向、DC…断線箇所、ND…容量検出部、V…頂点、10…表示パネル、11…下側偏光板、12…薄膜トランジスタ基板、13…TFT層、14…液晶層、15…カラーフィルタ層、15P…画素、16…カラーフィルタ基板、17…上側偏光板、20…タッチパネル、21…導電性フィルム、22…カバー層、23…透明接着層、31…透明基板、31DP…ドライブ電極、31DR…ドライブ電極線、31PT,37PT…ドライブパターン、31PG…ドライブメッシュ要素、33…透明誘電体基板、33SP…センシング電極、33SR…センシング電極線、33S…センシング電極面、33PT…センシングパターン、33PG…センシングメッシュ要素、34…選択回路、35…検出回路、36…制御部、100…表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18