(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ワード線と前記第1トランジスタとの接続端子および前記第2ワード線と前記第2トランジスタとの接続端子は、前記第1方向において前記第1ブロックの幅内に存在することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本実施形態を以下に図面を参照して説明する。図面において、同一部分には同一の参照符号を付す。
【0008】
<第1実施形態>
以下に
図1乃至
図7を用いて、第1実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。ここでは、半導体記憶装置として、三次元積層型のNAND型フラッシュメモリを例に説明する。
【0009】
(第1実施形態における全体構成例)
図1に示すように、半導体記憶装置(NAND型フラッシュメモリ)は、コア部200および周辺回路100を備える。
【0010】
コア部200は、メモリセルアレイ210、ロウデコーダ220、センスアンプ230、ソース線ドライバ240、およびウェルドライバ250を備える。
【0011】
メモリセルアレイ210は、複数のブロックBLK(BLK0,BLK1,BLK2,…)を備える。各ブロックBLKは、複数の不揮発性メモリセルの集合である。各不揮発性メモリセルは、ワード線およびビット線によって関連付けられる。ブロックBLKはデータの消去単位であり、同一ブロックBLK内のデータは一括して消去される。各ブロックBLKは、複数のストリングユニット(SU0,SU1,SU2,…)を備える。各ストリングユニットSUは、メモリセルが直列接続されたNANDストリング211の集合である。メモリセルアレイ210内のブロック数、および1ブロックBLK内のストリングユニット数は任意である。
【0012】
なお、ブロックBLK内のデータの消去は、一括で行われることに限らず、ブロックよりも小さな単位、例えばハーフブロック(HBL)単位で消去されてもよい。ブロックよりも小さな単位で消去されるケースについては、例えば、“不揮発性半導体記憶装置”という2011年9月18日に出願された米国特許出願13/235,389号、および2010年1月27日に出願された米国特許出願12/694,690号に記載されている。
【0013】
ロウデコーダ220は、ブロックアドレスやページアドレスをデコードして、対応するブロックBLKのいずれかのワード線を選択する。そして、ロウデコーダ220は、選択ワード線および非選択ワード線に、適切な電圧を印加する。ロウデコーダ220の詳細については、後述する。
【0014】
センスアンプ230は、データの読み出し時に、メモリセルからビット線に読み出されたデータをセンスする。また、データの書き込み時には、書き込みデータをメモリセルに転送する。
【0015】
ソース線ドライバ240は、ソース線に電圧を印加する。
【0016】
ウェルドライバ250は、NANDストリング211が形成されるウェル領域に電圧を印加する。
【0017】
周辺回路100は、シーケンサ110、チャージポンプ120、レジスタ130、およびドライバ140を備える。
【0018】
シーケンサ110は、NAND型フラッシュメモリ全体の動作を制御する。
【0019】
チャージポンプ120は、外部から与えられる電源電圧を昇圧して、必要な電圧をドライバ140に供給する。
【0020】
ドライバ140は、データの書き込み、読み出し、および消去に必要な電圧を、ロウデコーダ220、センスアンプ230、ソース線ドライバ240、およびウェルドライバ250に供給する。
【0021】
レジスタ130は、種々の信号を保持する。例えば、データの書き込みや消去動作のステータスを保持し、これによって図示せぬコントローラに動作が正常に完了したか否かを通知する。また、レジスタ130は、種々のテーブルを保持することも可能である。
【0022】
(第1実施形態におけるメモリセルアレイの構成例)
図2では、1個のブロックBLKについて示している。
【0023】
図2に示すように、ブロックBLKは例えば4つのストリングユニットSU(SU0〜SU3)を含む。また、各々のストリングユニットSUは、複数のNANDストリング211を含む。
【0024】
NANDストリング211の各々は、例えば8個のメモリセルトランジスタMT(MT0〜MT7)と、選択トランジスタST1、ST2とを含む。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲートと電荷蓄積層とを含む積層ゲートを備え、データを不揮発に保持する。なお、メモリセルトランジスタMTの個数は8個に限られず、16個や32個、64個、128個等であってもよく、その数は限定されるものではない。メモリセルトランジスタMT0〜MT7は、その電流経路が直列に形成される。一端側のメモリセルトランジスタMT7の一端は選択トランジスタST1の一端に接続され、他端側のメモリセルトランジスタMT0の一端は選択トランジスタST2の一端に接続される。
【0025】
ストリングユニットSU0〜SU3の選択トランジスタST1のゲートのそれぞれは、セレクトゲート線SGD0〜SGD3のそれぞれに共通接続される。一方、選択トランジスタST2のゲートは、複数のストリングユニット間で同一のセレクトゲート線SGSに共通接続される。また、同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMT0〜MT7の制御ゲートはそれぞれ、ワード線WL0〜WL7のそれぞれに共通接続される。
【0026】
すなわち、ワード線WL0〜WL7およびセレクトゲート線SGSは同一ブロックBLK内の複数のストリングユニットSU0〜SU3間で共通に接続されている。一方、セレクトゲート線SGDは、同一ブロックBLK内であってもストリングユニットSU0〜SU3毎に独立している。
【0027】
また、メモリセルアレイ210内でマトリクス状に配置されたNANDストリング211のうち、同一行にあるNANDストリング211の選択トランジスタST1の他端は、いずれかのビット線BL(BL0〜BL(K−1)、(K−1)は1以上の自然数)に共通接続される。すなわち、ビット線BLは、複数のストリングユニットSU間でNANDストリング211を共通に接続する。また、選択トランジスタST2の他端はソース線SLに共通に接続されている。ソース線SLは、例えば複数のブロック間でNANDストリング211を共通に接続する。
【0028】
ストリングユニットSU0〜SU3のそれぞれの選択トランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGD0〜SGD3のそれぞれに共通接続される。一方、選択トランジスタST2のゲートは、複数のストリングユニット間で同一のセレクトゲート線SGSに共通接続される。また、同一のブロック内にあるメモリセルトランジスタMT0〜MT5の制御ゲートはそれぞれ、ワード線WL0〜WL5のそれぞれに共通接続される。
【0029】
すなわち、ワード線WL0〜WL5およびセレクトゲート線SGSは同一ブロックBLK内の複数のストリングユニットSU0〜SU3間で共通に接続されるのに対し、セレクトゲート線SGD0〜SGD3は同一ブロックであってもストリングユニットSU0〜SU3毎に独立する。
【0030】
同一ブロック内にあるメモリセルトランジスタMTのデータは、例えば一括して消去される。これに対して、データの読み出しおよび書き込みは、いずれかのブロックのいずれかのストリングユニットSUにおける、いずれかのワード線WLに共通に接続された複数のメモリセルトランジスタMTにつき、一括して行われる。このデータ単位を「ページ」と呼ぶ。
【0031】
図3に示すように、半導体基板のp型ウェル領域20上に複数のNANDストリング211が設けられる。
【0032】
より具体的には、p型ウェル領域20上には、メモリピラーMPが第3方向(積層方向)に延びる。メモリピラーMPは、半導体層31、トンネル絶縁層29、電荷蓄積層28、およびブロック絶縁層27を含む。半導体層31は、NANDストリング211の電流経路として機能し、メモリセルトランジスタMTおよび選択トランジスタSTの動作時にチャネルを形成する。この半導体層31の周囲を覆うように、トンネル絶縁層29、電荷蓄積層28、およびブロック絶縁層27が順に設けられる。そして、ブロック絶縁層27の周囲を覆うように、第3方向の下方側から複数の配線層25、複数の配線層23、および複数の配線層24が順に設けられる。
【0033】
配線層25はセレクトゲート線SGSとして機能し、配線層23はワード線WLとして機能し、配線層24はセレクトゲート線SGDとして機能する。セレクトゲート線SGDは、第2方向(紙面奥行き方向)に延びる。
【0034】
メモリピラーMPおよび配線層25で選択トランジスタST2が構成される。また、メモリピラーMPおよび配線層23でメモリセルトランジスタMTが構成される。また、メモリピラーMPおよび配線層24で選択トランジスタST1が構成される。
【0035】
なお、ここでは、複数(本例では4層)の配線層25は、電気的に共通に接続され、同一のセレクトゲート線SGSに接続される。すなわち、この4層の配線層25は、実質的に1個の選択トランジスタST2のゲート電極として機能する。これは選択トランジスタST1(4層のセレクトゲート線SGD)についても同様である。
【0036】
以上の構成により、各NANDストリング211において、ウェル領域20上に選択トランジスタST2、メモリセルトランジスタMT、および選択トランジスタST1が順に積層される。第2方向に配置される複数のNANDストリング211によって、ストリングユニットSUが構成される。
【0037】
メモリピラーMPの上端には、ビット線BLとして機能する配線層32が設けられる。ビット線BLは、第1方向(紙面左右方向)に延び、センスアンプ230に接続される。
【0038】
さらに、p型ウェル領域20の表面には、N+型不純物拡散層33およびP+型不純物拡散層34が設けられる。N+型不純物拡散層33上にはコンタクトプラグ35が設けられ、コンタクトプラグ35上にはソース線SLとして機能する配線層36が設けられる。ソース線SLは、ソース線ドライバ240に接続される。また、P+型不純物拡散層34上にはコンタクトプラグ37が設けられ、コンタクトプラグ37上にはウェル配線CPWELLとして機能する配線層38が設けられる。ウェル配線CPWELLは、ウェルドライバ250に接続される。配線層36,38は、セレクトゲート線SGDよりも上層であり、かつ配線層32よりも下層に形成される。なお、ウェル配線CPWELLとして機能する配線層38は、メモリセルアレイ210内に設けられなくてもよい。
【0039】
また、p型ウェル領域20と最下層の配線層25との間にはゲート絶縁層(トンネル絶縁層29)が形成され、配線層25およびゲート絶縁層はN+型不純物拡散層33近傍まで形成される。このため、最下層の選択トランジスタST2がオン状態とされる際、チャネルは半導体層31内だけでなく、ウェル領域20の表面にも形成される。すなわち、最下層の選択トランジスタST2によって、その上方の選択トランジスタST2と拡散層33とが電気的に接続される。これにより、拡散層33(ソース線SL)に電圧を印加することで、半導体層31のチャネルに電位を与えることができる。一方、半導体層31は、ウェル領域20に接続される。したがって、ウェル領域20に電圧を印加することでも、チャネルに電位を与えることができる。
【0040】
なお、メモリセルアレイ210の構成についてはその他の構成であっても良い。すなわちメモリセルアレイ210の構成については、例えば、“三次元積層不揮発性半導体メモリ”という2009年3月19日に出願された米国特許出願14007,403号に記載されている。また、“三次元積層不揮発性半導体メモリ”という2009年3月18日に出願された米国特許出願14006,524号、“不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法”という2010年3月25日に出願された米国特許出願12/679,991号“半導体メモリおよびその製造方法”という2009年3月23日に出願された米国特許出願12/532,030号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
【0041】
(第1実施形態におけるロウデコーダの構成例)
図4では、メモリセルアレイ210における1つのブロックBLKの1つのストリングユニットSUからのワード線WL0〜WL7とロウデコーダ220との接続を示している。
【0042】
図4に示すように、ロウデコーダ220は、アドレスデコーダ221、ブースタ回路222、および転送トランジスタWT(WT0〜WT7,WTSS,WTSD)を備える。
【0043】
アドレスデコーダ221は、入力アドレスA(A0,A1,A2,…)に応じてブロックBLKを選択する。ブースタ回路222は、転送トランジスタWTのゲートに昇圧電圧を供給する。ブースタ回路222には、ロウデコーダ用駆動電圧VRDECが供給される。
【0044】
転送トランジスタWT0〜WT7の一端(ソースまたはドレインの一方)はそれぞれ、ワード線WL0〜WL7のそれぞれに電気的に接続される。また、転送トランジスタWT0〜WT7の他端(ソースまたはドレインの他方)はそれぞれ、コントロールゲート線CG0〜CG7のそれぞれに電気的に接続される。転送トランジスタWTSD,WTSSの一端(ソースまたはドレインの一方)はそれぞれ、セレクトゲート線SGD,SGSのそれぞれに電気的に接続される。また、転送トランジスタWTSD,WTSSの他端(ソースまたはドレインの他方)はそれぞれ、コントロールゲート線CGSD,CGSSのそれぞれに電気的に接続される。転送トランジスタWT0〜WT7と転送トランジスタWTSD,WTSSとは、同じ構成であってもよい。
【0045】
図5では、
図4と同様に、8個のワード線WL0〜WL7がある場合について説明する。また、ここでは、メモリセルアレイ210における6個のブロックBLK0〜BLK5を示している。
【0046】
図5に示すように、ロウデコーダ220は、ブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)用の転送トランジスタ群223AおよびブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)用の転送トランジスタ223Bを備える。
【0047】
転送トランジスタ群223Aは、チャネル幅方向に沿ってメモリセルアレイ210の隣に設けられる。転送トランジスタ群223Bは、チャネル幅方向に沿って転送トランジスタ群223Aの隣に設けられる。転送トランジスタ群223Aは、チャネル幅方向に沿ってメモリセルアレイ210と転送トランジスタ群223Bとの間に配置される。
【0048】
転送トランジスタ群223Aは、ブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)のワード線WL0〜WL7のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7のそれぞれとを接続する。一方、転送トランジスタ群223Bは、ブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)のワード線WL0〜WL7のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7それぞれとを接続する。
【0049】
転送トランジスタ群223Aは、拡散層領域SD(SD01_0A〜SD01_3A,SD23_0A〜SD23_3A,SD45_0A〜SD45_3A)を備える。拡散層領域SD01_0A〜SD01_3Aは、チャネル幅方向に沿って並ぶ。拡散層領域SD01_0A〜SD01_3Aのチャネル長方向の寸法は、2ブロック分である。拡散層領域SD01_0A〜SD01_3Aのチャネル長方向の上端はブロックBLK0の上端付近と同一位置にあり、拡散層領域SD01_0A〜SD01_3Aのチャネル長方向の下端はブロックBLK1の下端付近と同一位置にある。
【0050】
同様に、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3Aのチャネル長方向の上端はブロックBLK2の上端付近と同一位置にあり、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3Aのチャネル長方向の下端はブロックBLK3の下端付近と同一位置にある。また、拡散層領域SD45_0A〜SD45_3Aのチャネル長方向の上端はブロックBLK4の上端付近と同一位置にあり、拡散層領域SD45_0A〜SD45_3Aのチャネル長方向の下端はブロックBLK5の下端付近と同一位置にある。
【0051】
すなわち、拡散層領域SD01_0A〜SD01_3Aと拡散層領域SD23_0A〜SD23_3Aとの間の素子分離領域225は、チャネル長方向においてブロックBLK0とブロックBLK1との間に位置する。また、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3Aと拡散層領域SD45_0A〜SD45_3Aとの間の素子分離領域225は、チャネル長方向においてブロックBLK3とブロックBLK4との境界に位置する。
【0052】
転送トランジスタ群223Aにおける拡散層領域SD上にはそれぞれ、ゲートG1A,G2A、およびコンタクトCAが設けられる。ゲートG1A,G2Aは、チャネル幅方向に沿って延び、チャネル長方向に沿って並ぶ。拡散層領域SDとゲートG1Aとで転送トランジスタWT1Aが構成され、拡散層領域SDとゲートG2Aとで転送トランジスタWT2Aが構成される。すなわち、1個の拡散層領域SD上に2個のゲートG1A,G2Aが配置されることによって、チャネル長方向に隣り合う2個の転送トランジスタWTを構成している。言い換えると、チャネル長方向に隣り合う2個の転送トランジスタWTによって、1個の拡散層領域SDを共有している。
【0053】
拡散層領域SDの一方(ソース)にはそれぞれ、コンタクトCAを介してコントロールゲート線CG(図示せず)のそれぞれが電気的に接続される。そして、拡散層領域SDの他方(ドレイン)にはそれぞれ、ブロックBLKaのワード線WLのそれぞれが電気的に接続される。例えば、ブロックBLK1のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Aはそれぞれ、拡散層領域SD01_0A〜SD01_3A上の転送トランジスタWT2Aのドレインおよび拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT1Aのドレインのそれぞれに電気的に接続される。なお、これらの接続関係は、任意である。
【0054】
同様に、ブロックBLK3のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Aはそれぞれ、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT2Aのドレインおよび拡散層領域SD45_0A〜SD45_3A上の転送トランジスタWT1Aのドレインのそれぞれに電気的に接続される。
【0055】
転送トランジスタ群223Bは、転送トランジスタ群223Aと同様の構成を有する。
【0056】
より具体的には、転送トランジスタ群223Bは、拡散層領域SD(SD01_0B〜SD01_3B,SD23_0B〜SD23_3B,SD45_0B〜SD45_3B)を備える。拡散層領域SD上にはそれぞれ、ゲートG1B,G2B、およびコンタクトCBが設けられる。ゲートG1B,G2Bは、チャネル幅方向に沿って延び、チャネル長方向に沿って並ぶ。拡散層領域SDとゲートG1Bとで転送トランジスタWT1Bが構成され、拡散層領域SDとゲートG2Bとで転送トランジスタWT2Bが構成される。
【0057】
転送トランジスタ群223Bにおける拡散層領域SDの一方(ソース)にはそれぞれ、コンタクトCBを介してコントロールゲート線CG(図示せず)のそれぞれが電気的に接続される。そして、拡散層領域SDの他方(ドレイン)にはそれぞれ、ブロックBLKbのワード線WLのそれぞれが電気的に接続される。例えば、ブロックBLK2のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Bはそれぞれ、拡散層領域SD01_0B〜SD01_3B上の転送トランジスタWT2Bのドレインおよび拡散層領域SD23_0B〜SD23_3B上の転送トランジスタWT1Bのドレインのそれぞれに電気的に接続される。なお、これらの接続関係は、任意である。
【0058】
同様に、ブロックBLK4のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Bはそれぞれ、拡散層領域SD23_0B〜SD23_3B上の転送トランジスタWT2Bのドレインおよび拡散層領域SD45_0B〜SD45_3B上の転送トランジスタWT1Bのドレインのそれぞれに電気的に接続される。
【0059】
また、拡散層領域SD間に、シールドゲート226が設けられる。シールドゲートには、0V程度の電圧が印加される。これにより、素子分離領域に流れるパンチスルーリーク電流をより防ぐことができる。
【0060】
また、転送トランジスタ群223Aと転送トランジスタ群223Bとの間の素子分離領域(例えば拡散領域SD01_3Aと拡散領域SD01_0Bの間の素子分離領域)の幅は、その他の素子分離領域の幅よりも大きくすることが望ましい。例えば、転送トランジスタ群223Aと転送トランジスタ群223Bとの間の素子分離領域の幅は、700nm〜1.0μm程度であることが望ましい。これにより、転送トランジスタ群223Aと転送トランジスタ群223Bとの間の素子分離領域に流れるパンチスルーリーク電流を防ぐことができる。また、図示せぬガードリングを設けてもよい。
【0061】
また、転送トランジスタWTは、メモリセルトランジスタMTよりも高耐圧であることが望ましい。より具体的には、転送トランジスタWTのゲート絶縁膜の膜厚は、メモリセルトランジスタMTのトンネル絶縁膜の膜厚よりも2倍以上厚く、25nm〜50nm程度であることが望ましい。これは、メモリセルトランジスタMTの書き込み電圧Vpgmおよび消去電圧Veraを25V以下に設定して、転送トランジスタWTのゲートに25V程度の電圧が印加されても、転送トランジスタWTのゲート絶縁膜が破壊されないようにするためである。
【0062】
(第1実施形態における効果)
図6に示すように、比較例では、拡散層領域SD01_0〜SD01_7はチャネル幅方向に沿って並び、拡散層領域SD23_0〜SD23_7はチャネル幅方向に沿って並ぶ。また、拡散層領域SD01_0〜SD01_7のそれぞれと拡散層領域SD23_0〜SD23_7のそれぞれとが、チャネル長方向に沿って並ぶ。そして、拡散層領域SD01_0〜SD01_7,SD23_0〜SD23_7上にそれぞれ、チャネル幅方向に延びるゲートG1およびゲートG2が設けられる。拡散層領域SD01_0〜SD01_7,SD23_0〜SD23_7とゲートG1とで転送トランジスタWT1が構成され、拡散層領域SD01_0〜SD01_7,SD23_0〜SD23_7とゲートG2とで転送トランジスタWT2が構成される。
【0063】
比較例では、各ブロックBLKのワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224は、チャネル幅方向に並ぶ転送トランジスタWTに電気的に接続される。例えば、ブロックBLK1のワード線WL0〜WL7は、チャネル幅方向に並ぶ拡散層領域SD01_0〜SD01_7上の転送トランジスタWT2に電気的に接続される。また、ブロックBLK2のワード線WL0〜WL7は、チャネル幅方向に並ぶ拡散層領域SD23_0〜SD23_7上の転送トランジスタWT1に電気的に接続される。
【0064】
ここで、消去動作において、ブロックBLK1が消去選択ブロックであり、それ以外のブロックBLKが消去非選択ブロックである場合を考える。このとき、消去選択ブロック(ブロックBLK1)では、メモリセルトランジスタのチャネルとゲート(ワード線WL)間に大きな電圧差が生じることで、データが消去される。このため、例えば0V程度の電圧VISOが、コントローゲートCGからコンタクトCおよび転送トランジスタWT2を介してワード線WLに印加される。したがって、ブロックBLK1に接続される拡散層領域SD01_0〜SD01_7上の転送トランジスタWT2には、電圧VISOが印加される。
【0065】
一方、消去非選択ブロック(例えばブロックBLK2)では、メモリセルトランジスタのチャネルとゲート間に電圧差が生じず、データは保持される。より具体的には、メモリセルトランジスタのチャネルに消去電圧Veraが印加され、ワード線WLはフローティングとなる。このため、メモリセルトランジスタのチャネルおよびコンタクトプラグ35とワード線WLとの間の容量カップリングにより、ワード線WLおよびワード線WLに接続される転送トランジスタWT1に高電圧の消去電圧Veraが印加される。したがって、ブロックBLK2に接続される拡散層領域SD23_0〜SD23_7上の転送トランジスタWT1には、電圧Veraが印加される。
【0066】
このように、ブロックBLK1に接続される拡散層領域SD01_0〜SD01_7上の転送トランジスタWT2とブロックBLK2に接続される拡散層領域SD23_0〜SD23_7上の転送トランジスタWT1との間に大きな電圧差が生じると、これらの間の素子分離領域225にパンチスルーリーク電流が流れる。その結果、消去不良が生じてしまう。この問題を解消するために素子分離領域225を広げることでパンチスルーリーク電流を抑制することができるが、チップ面積が大きくなってしまう。
【0067】
書き込み動作時にも同様の問題が生じる。書き込み動作において、ブロックBLK1が書き込み選択ブロックであり、それ以外のブロックBLKが書き込み非選択ブロックである場合を考える。このとき、ブロックBLK1に接続される拡散層領域SD01_0〜SD01_7上のいずれか1つの書き込み対象の転送トランジスタWT2には書き込み電圧Vpgmが印加される。一方、ブロックBLK2に接続される拡散層領域SD23_0〜SD23_7上の非書き込み対象の転送トランジスタWT1は、フローティングとなる。
【0068】
このように、ブロックBLK1に接続される拡散層領域SD01_0〜SD01_7上の書き込み対象の転送トランジスタWT2とブロックBLK2に接続される拡散層領域SD23_0〜SD23_7上の非書き込み対象の転送トランジスタWT1との間に大きな電圧差が生じると、これらの間の素子分離領域225にパンチスルーリーク電流が流れる。その結果、書き込み電圧Vpgmが想定電圧まで十分に上がらず、書き込み不良が生じてしまう。
【0069】
これに対し、上記第1実施形態によれば、転送トランジスタ群223A,223Bが設けられる。そして、ブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Aは、転送トランジスタ群223A内の転送トランジスタWTに電気的に接続される。例えば、ブロックBLK1のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Aは、拡散層領域SD01_0A〜SD01_3A上の転送トランジスタWT2A、および転送トランジスタ群223A内の拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT1Aに電気的に接続される。一方、ブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Bは、転送トランジスタ群223B内の転送トランジスタWTに電気的に接続される。例えば、ブロックBLK1のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Bは、拡散層領域SD01_0B〜SD01_3B上の転送トランジスタWT2B、および転送トランジスタ群223B内の拡散層領域SD23_0B〜SD23_3B上の転送トランジスタWT1Bに電気的に接続される。
【0070】
ここで、
図7に示すように、消去動作において、ブロックBLK1が消去選択ブロックであり、それ以外のブロックBLKが消去非選択ブロックである場合を考える。このとき、転送トランジスタ群223A内の拡散層領域SD01_0A〜SD01_3A上の転送トランジスタWT2A、および拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT1Aに、電圧VISOが印加される。一方、転送トランジスタ群223B内の拡散層領域SD01_0B〜SD01_3B上の転送トランジスタWT2B、および拡散層領域SD23_0B〜SD23_3B上の転送トランジスタWT1Bに、電圧Veraが印加される。
【0071】
これにより、素子分離領域225を挟む拡散層領域SD01_0A〜SD01_3A上の転送トランジスタWT2Aと拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT1Aとには、同一電圧が印加され、電圧差が生じない。また、素子分離領域225を挟む拡散層領域SD01_0B〜SD01_3B上の転送トランジスタWT2Bと拡散層領域SD23_0B〜SD23_3B上の転送トランジスタWT1Bとには、同一電圧が印加され、電圧差が生じない。これにより、素子分離領域225にパンチスルー電流が流れることはない。したがって、チップ面積を大きくすることなく、消去不良の発生を防ぐことができる。
【0072】
また、書き込み動作において、素子分離領域225を挟む拡散層領域SD01_0A〜SD01_3A上の転送トランジスタWT2Aおよび拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT1Aのいずれか1つ(書き込み対象のトランジスタ)には書き込み電圧Vpgmが印加され、それ以外には所定電圧が印加される。この所定電圧は、書き込み電圧Vpgmと素子分離領域225を挟んで隣り合っても素子分離領域225にパンチスルー電流を流さない程度の電圧であり、例えば2.0V程度である。また、素子分離領域225を挟む拡散層領域SD01_0B〜SD01_3B上の転送トランジスタWT2Bと拡散層領域SD23_0B〜SD23_3B上の転送トランジスタWT1B(非書き込み対象のトランジスタ)は、フローティングとなる。これにより、素子分離領域225に大きなパンチスルー電流が流れることはない。したがって、チップ面積を大きくすることなく、書き込み不良の発生を防ぐことができる。
【0073】
(第1実施形態における変形例)
図8は、第1実施形態に係る半導体記憶装置のロウデコーダの変形例を示すレイアウト図である。
【0074】
上記第1実施形態では、ブロックBLKaがブロックBLK1,BLK3,BLK5に対応し、これらのワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Aは、転送トランジスタ群223A内の転送トランジスタWTに電気的に接続される。一方、ブロックBLKbがブロックBLK0,BLK2,BLK4に対応し、これらのワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Bは、転送トランジスタ群223B内の転送トランジスタWTに電気的に接続される。すなわち、ブロックBLKaとブロックBLKbとは、1ブロック毎に並ぶ。
【0075】
これに対し、変形例では、ブロックBLKaとブロックBLKbとは、2ブロック毎に並ぶ。
【0076】
より具体的には、
図8に示すように、ブロックBLKaはブロックBLK2,BLK3に対応し、ブロックBLKbはブロックBLK0,BLK1,BLK4,BLK5に対応する。転送トランジスタ群223Aは、ブロックBLKa(ブロックBLK2,BLK3)のワード線WL0〜WL7のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7のそれぞれとを接続する。一方、転送トランジスタ群223Bは、ブロックBLKb(BLK0,BLK1,BLK4,BLK5)のワード線WL0〜WL7のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7それぞれとを接続する。
【0077】
例えば、ブロックBLK2のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Aはそれぞれ、拡散層領域SD01_0A〜SD01_3A上の転送トランジスタWT2Aのドレインおよび拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT1Aのドレインのそれぞれに電気的に接続される。
【0078】
同様に、ブロックBLK3のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Aはそれぞれ、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT2Aのドレインおよび拡散層領域SD45_0A〜SD45_3A上の転送トランジスタWT1Aのドレインのそれぞれに電気的に接続される。
【0079】
また、ブロックBLK1のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Bはそれぞれ、拡散層領域SD01_0B〜SD01_3B上の転送トランジスタWT2Bのドレインおよび拡散層領域SD23_0B〜SD23_3B上の転送トランジスタWT1Bのドレインのそれぞれに電気的に接続される。
【0080】
同様に、ブロックBLK4のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Bはそれぞれ、拡散層領域SD23_0B〜SD23_3B上の転送トランジスタWT2Bのドレインおよび拡散層領域SD45_0B〜SD45_3B上の転送トランジスタWT1Bのドレインのそれぞれに電気的に接続される。
【0081】
<第2実施形態>
以下に
図9を用いて、第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の点については説明を省略し、主に異なる点について説明する。
【0082】
(第2実施形態におけるロウデコーダの構成例)
図9に示すように、第2実施形態において、上記第1実施形態と異なる点は、転送トランジスタ群223A,23Bが半ブロック分チャネル長方向にずれている点である。ここでは、転送トランジスタ群223A,23Bが、図面上方向に半ブロック分ずれている。
【0083】
より具体的には、拡散層領域SD01_0A〜SD01_3Aのチャネル長方向の下端はブロックBLK1の中央付近と同一位置にある。また、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3Aのチャネル長方向の上端はブロックBLK1の中央付近と同一位置にあり、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3Aのチャネル長方向の下端はブロックBLK3の中央付近と同一位置にある。また、拡散層領域SD45_0A〜SD45_3Aのチャネル長方向の上端はブロックBLK3の中央付近と同一位置にあり、拡散層領域SD45_0A〜SD45_3Aのチャネル長方向の下端はブロックBLK5の中央付近と同一位置にある。
【0084】
すなわち、拡散層領域SD01_0A〜SD01_3Aと拡散層領域SD23_0A〜SD23_3Aとの間の素子分離領域225は、チャネル長方向においてブロックBLK1の中央付近に位置する。また、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3Aと拡散層領域SD45_0A〜SD45_3Aとの間の素子分離領域225は、チャネル長方向においてブロックBLK3の中央付近に位置する。
【0085】
このため、拡散層領域SD01_0A〜SD01_3A上の転送トランジスタWT2Aのワード線側コンタクト(転送トランジスタWT2Aと引き出し配線224Aとの接続端子)および拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT1Aのワード線側コンタクト(転送トランジスタWT1Aと引き出し配線224Aとの接続端子)は、チャネル長方向においてブロックBLK1の幅内に存在する。同様に、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT2Aのワード線側コンタクトおよび拡散層領域SD45_0A〜SD45_3A上の転送トランジスタWT1Aのワード線側コンタクトは、チャネル長方向においてブロックBLK3の幅内に存在する。
【0086】
(第2実施形態における効果)
上記第1実施形態では、チャネル長方向における素子分離領域225の位置がブロックBLKの境界に一致するように、転送トランジスタWTが配置されていた。この場合、ブロックBLKaのワード線WLからの引き出し配線224Aが、チャネル長方向におけるブロックBLKbの幅内の転送トランジスタWTのワード線WL側コンタクトに接続される必要がある。すなわち、引き出し配線224Aに接続される転送トランジスタWTのワード線側コンタクトが、チャネル長方向においてブロックBLKaと異なる位置に存在する。例えば、ブロックBLK1のワード線WLからの引き出し配線224Aは、拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWTのワード線WL側コンタクトに接続される。このため、引き出し配線224Aとしてチャネル幅方向の配線だけでなく、チャネル長方向の配線も必要になる。その結果、引き出し配線224Aのチャネル長方向の配線がチャネル長方向におけるブロックBLKbの幅内に存在することになる。これにより、ブロックBLKbのワード線WLからの引き出し配線224Bが阻害され、その引き出し本数が制約されてしまう。
【0087】
これに対し、第2実施形態では、転送トランジスタ群223A,223Bが半ブロック分チャネル長方向にずれている。これにより、チャネル長方向におけるブロックBLKaの幅内に、接続される転送トランジスタWTのワード線側コンタクトが存在する。例えば、チャネル長方向におけるブロックBLK1の幅内に、拡散層領域SD01_0A〜SD01_3A上の転送トランジスタWT2Aのワード線側コンタクト、および拡散層領域SD23_0A〜SD23_3A上の転送トランジスタWT1Aのワード線側コンタクトが存在する。このため、引き出し配線224Aとして、チャネル長方向における配線は不要となり、チャネル幅方向の配線のみで接続可能である。したがって、引き出し配線224Aが、チャネル長方向におけるブロックBLKbの幅内に存在することはなくなる。その結果、引き出し配線224Aは、引き出し配線224Bを阻害することはなく、引き出し配線224Bの本数の制約とはならない。
【0088】
<第3実施形態>
以下に
図10を用いて、第3実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。なお、第3実施形態において、上記第1実施形態と同様の点については説明を省略し、主に異なる点について説明する。
【0089】
(第3実施形態におけるロウデコーダの構成例)
図10に示すように、第3実施形態において、上記第1実施形態と異なる点は、2トランジスタ/2ブロック構成ではなく、2トランジスタ/3ブロック構成である点である。そして、第3実施形態では、3つの転送トランジスタ群223A,223B,223Cが設けられる。
【0090】
より具体的には、ロウデコーダ220は、ブロックBLKa(ブロックBLK0,BLK3,BLK6)用の転送トランジスタ群223A、ブロックBLKb(ブロックBLK1,BLK4,BLK7)用の転送トランジスタ223B、およびブロックBLKc(ブロックBLK2,BLK5,BLK8)を備える。
【0091】
転送トランジスタ群223Aは、チャネル幅方向に沿ってメモリセルアレイ210の隣に設けられる。転送トランジスタ群223Bは、チャネル幅方向に沿って転送トランジスタ群223Aの隣に設けられる。転送トランジスタ群223Cは、転送トランジスタ群223Bの隣に設けられる。
【0092】
転送トランジスタ群223Aは、ブロックBLKa(ブロックBLK0,BLK3,BLK6)のワード線WL0〜WL7のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7のそれぞれとを接続する。また、転送トランジスタ群223Bは、ブロックBLKb(ブロックBLK1,BLK4,BLK7)のワード線WL0〜WL7のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7それぞれとを接続する。さらに、転送トランジスタ群223Bは、ブロックBLKc(ブロックBLK2,BLK5,BLK8)のワード線WL0〜WL7のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7それぞれとを接続する。
【0093】
転送トランジスタ群223Aは、拡散層領域SD(SD012_0A〜SD012_3A,SD345_0A〜SD345_3A,SD678_0A〜SD678_3A)を備える。拡散層領域SD012_0A〜SD012_3Aのチャネル長方向の寸法は、3ブロック分である。拡散層領域SD012_0A〜SD012_3Aのチャネル長方向の上端はブロックBLK0の上端付近と同一位置にあり、拡散層領域SD012_0A〜SD012_3Aのチャネル長方向の下端はブロックBLK2の下端付近と同一位置にある。
【0094】
同様に、拡散層領域SD345_0A〜SD345_3Aのチャネル長方向の上端はブロックBLK3の上端付近と同一位置にあり、拡散層領域SD345_0A〜SD345_3Aのチャネル長方向の下端はブロックBLK5の下端付近と同一位置にある。また、拡散層領域SD678_0A〜SD678_3Aのチャネル長方向の上端はブロックBLK6の上端付近と同一位置にあり、拡散層領域SD678_0A〜SD678_3Aのチャネル長方向の下端はブロックBLK8の下端付近と同一位置にある。
【0095】
転送トランジスタ群223Aにおける拡散層領域SDの一方(ソース)にはそれぞれ、コンタクトCAを介してコントロールゲート線CG(図示せず)のそれぞれが電気的に接続される。そして、拡散層領域SDの他方(ドレイン)にはそれぞれ、ブロックBLKaのワード線WLのそれぞれが電気的に接続される。例えば、ブロックBLK3のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Aはそれぞれ、拡散層領域SD012_0A〜SD012_3A上の転送トランジスタWT2Aのドレインおよび拡散層領域SD345_0A〜SD345_3A上の転送トランジスタWT1Aのドレインのそれぞれに電気的に接続される。
【0096】
転送トランジスタ群223B,223Cは、転送トランジスタ群223Aと同様の構成を有する。
【0097】
より具体的には、転送トランジスタ群223Bは、拡散層領域SD(SD012_0B〜SD012_3B,SD345_0B〜SD345_3B,SD678_0B〜SD678_3B)を備える。拡散層領域SD上にはそれぞれ、ゲートG1B,G2B、およびコンタクトCBが設けられる。ゲートG1B,G2Bは、チャネル幅方向に沿って延び、チャネル長方向に沿って並ぶ。拡散層領域SDとゲートG1Bとで転送トランジスタWT1Bが構成され、拡散層領域SDとゲートG2Bとで転送トランジスタWT2Bが構成される。
【0098】
転送トランジスタ群223Bにおける拡散層領域SDの一方(ソース)にはそれぞれ、コンタクトCBを介してコントロールゲート線CG(図示せず)のそれぞれが電気的に接続される。そして、拡散層領域SDの他方(ドレイン)にはそれぞれ、ブロックBLKbのワード線WLのそれぞれが電気的に接続される。例えば、ブロックBLK5のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Bはそれぞれ、拡散層領域SD012_0B〜SD012_3B上の転送トランジスタWT2Bのドレインおよび拡散層領域SD345_0B〜SD345_3B上の転送トランジスタWT1Bのドレインのそれぞれに電気的に接続される。
【0099】
また、転送トランジスタ群223Cは、拡散層領域SD(SD012_0C〜SD012_3C,SD345_0C〜SD345_3C,SD678_0C〜SD678_3C)を備える。拡散層領域SD上にはそれぞれ、ゲートG1C,G2C、およびコンタクトCCが設けられる。ゲートG1C,G2Cは、チャネル幅方向に沿って延び、チャネル長方向に沿って並ぶ。拡散層領域SDとゲートG1Cとで転送トランジスタWT1Cが構成され、拡散層領域SDとゲートG2Cとで転送トランジスタWT2Cが構成される。
【0100】
転送トランジスタ群223Cにおける拡散層領域SDの一方(ソース)にはそれぞれ、コンタクトCCを介してコントロールゲート線CG(図示せず)のそれぞれが電気的に接続される。そして、拡散層領域SDの他方(ドレイン)にはそれぞれ、ブロックCLKbのワード線WLのそれぞれが電気的に接続される。例えば、ブロックCLK5のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Cはそれぞれ、拡散層領域SD012_0C〜SD012_3C上の転送トランジスタWT2Cのドレインおよび拡散層領域SD345_0C〜SD345_3C上の転送トランジスタWT1Cのドレインのそれぞれに電気的に接続される。
【0101】
(第3実施形態における効果)
第3実施形態によれば、2トランジスタ/3ブロック構成であり、転送トランジスタ群223A,223B,223Cが設けられる。そして、ブロックBLKa(ブロックBLK0,BLK3,BLK6)のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Aは、転送トランジスタ群223A内の転送トランジスタWTに電気的に接続される。また、ブロックBLKb(ブロックBLK1,BLK4,BLK7)のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Bは、転送トランジスタ群223B内の転送トランジスタWTに電気的に接続される。さらに、ブロックBLKc(ブロックBLK2,BLK5,BLK8)のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224Cは、転送トランジスタ群223C内の転送トランジスタWTに電気的に接続される。これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0102】
<第4実施形態>
以下に
図11を用いて、第4実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。なお、第4実施形態において、上記第1実施形態と同様の点については説明を省略し、主に異なる点について説明する。
【0103】
(第4実施形態におけるロウデコーダの構成例)
図11に示すように、第4実施形態では、メモリセルアレイ210の一方側にロウデコーダ220_0が配置され、他方側にロウデコーダ220_1が配置される。
【0104】
ロウデコーダ220_0は、ブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)用の転送トランジスタ群223A_0およびブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)用の転送トランジスタ223B_0を備える。
【0105】
転送トランジスタ群223A_0は、チャネル幅方向に沿ってメモリセルアレイ210の隣に設けられる。転送トランジスタ群223B_0は、チャネル幅方向に沿って転送トランジスタ群223A_0の隣に設けられる。転送トランジスタ群223A_0は、チャネル幅方向に沿ってメモリセルアレイ210と転送トランジスタ群223B_0との間に配置される。
【0106】
転送トランジスタ群223A_0は、ブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224A_0のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7のそれぞれとを一方側から接続する。一方、転送トランジスタ群223B_0は、ブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224B_0のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7のそれぞれとを一方側から接続する。
【0107】
ロウデコーダ220_1は、ブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)用の転送トランジスタ群223A_1およびブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)用の転送トランジスタ223B_1を備える。
【0108】
転送トランジスタ群223A_1は、チャネル幅方向に沿ってメモリセルアレイ210の隣に設けられる。転送トランジスタ群223B_1は、チャネル幅方向に沿って転送トランジスタ群223A_1の隣に設けられる。転送トランジスタ群223A_1は、チャネル幅方向に沿ってメモリセルアレイ210と転送トランジスタ群223B_1との間に配置される。
【0109】
転送トランジスタ群223A_1は、ブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224A_1のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7のそれぞれとを他方側から接続する。一方、転送トランジスタ群223B_1は、ブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)のワード線WL0〜WL7からの引き出し配線224B_1のそれぞれとコントロールゲート線CG0〜CG7のそれぞれとを他方側から接続する。
【0110】
すなわち、転送トランジスタ群223A_0,223B_0と転送トランジスタ群223A_1,223B_1とは、メモリセルアレイ210に対してミラー対称である。
【0111】
なお、転送トランジスタ群223A_0,223B_0,223_1,223_1の構成は第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0112】
(第4実施形態における効果)
上記第4実施形態によれば、メモリセルアレイ210に対して、一方側にロウデコーダ220_0が配置され、他方側にロウデコーダ220_1が配置される。ロウデコーダ220_0はブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)用の転送トランジスタ群223A_0およびブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)用の転送トランジスタ223B_0を備え、ロウデコーダ220_1はブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)用の転送トランジスタ群223A_1およびブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)用の転送トランジスタ223B_1を備える。すなわち、各ブロックBLKのワード線WLに対して、両側から電圧が印加される。これにより、ワード線WLに対して片側のロウデコーダ220から電圧を印加する場合に比べて、ワード線の昇圧および降圧の時間を短縮することができる。
【0113】
なお、第4実施形態では、メモリセルアレイ210の両側に転送トランジスタ群が設けられ、全てのブロックBLKの全てのワード線WLに両側から電圧を印加する例を示したがこれに限らない。
【0114】
例えば、
図12に示すように、各ブロックBLKのワード線WL4〜WL7には一方側からのみ電圧が印加され、各ブロックBLKのワード線WL0〜WL3には他方側からのみ電圧が印加されてもよい。すなわち、ブロックBLKaのワード線WL4〜WL7には引き出し配線224A_0を介して一方側の転送トランジスタ群223A_0が接続され、ブロックBLKaのワード線WL0〜WL3には引き出し配線224A_1を介して他方側の転送トランジスタ群223A_1が接続される。一方、ブロックBLKbのワード線WL4〜WL7には引き出し配線224B_0を介して一方側の転送トランジスタ群223B_0が接続され、ブロックBLKbのワード線WL0〜WL3には引き出し配線224B_1を介して他方側の転送トランジスタ群223B_1が接続される。
【0115】
また、
図13に示すように、ブロックBLKaのワード線WL0〜WL7には一方側からのみ電圧が印加され、ブロックBLKbのワード線WL0〜WL7には他方側からのみ電圧が印加されてもよい。すなわち、ブロックBLKaのワード線WL0〜WL7には引き出し配線224Aを介して一方側の転送トランジスタ群223Aが接続される。一方、ブロックBLKbのワード線WL0〜WL7には引き出し配線224Bを介して他方側の転送トランジスタ群223B_0が接続される。
【0116】
<第5実施形態>
以下に
図14を用いて、第5実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。第5実施形態は、上記第4実施形態の変形例である。第5実施形態において、上記第4実施形態と同様の点については説明を省略し、主に異なる点について説明する。
【0117】
(第5実施形態におけるロウデコーダの構成例)
図14に示すように、第5実施形態では、上記第4実施形態に対して、ロウデコーダ220_1の構成が異なる。より具体的には、転送トランジスタ群223B_1は、チャネル幅方向に沿ってメモリセルアレイ210の隣に設けられる。転送トランジスタ群223A_1は、チャネル幅方向に沿って転送トランジスタ群223B_1の隣に設けられる。転送トランジスタ群223B_1は、チャネル幅方向に沿ってメモリセルアレイ210と転送トランジスタ群223A_1との間に配置される。
【0118】
すなわち、第5実施形態では、上記第4実施形態に対して、転送トランジスタ群223A_1,223B_1の位置関係が反対である。言い換えると、転送トランジスタ群223A_0,223B_0と転送トランジスタ群223A_1,223B_1とは、メモリセルアレイ210に対してミラー対称ではなく、メモリセルアレイ210に対して反対側に平行移動した構成である。
【0119】
(第5実施形態における効果)
上記第5実施形態によれば、メモリセルアレイ210に対して、一方側にロウデコーダ220_0が配置され、他方側にロウデコーダ220_1が配置される。ロウデコーダ220_0はブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)用の転送トランジスタ群223A_0およびブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)用の転送トランジスタ223B_0を備え、転送トランジスタ群223A_0および転送トランジスタ群223B_0はメモリセルアレイ210側から順に配置される。一方、ロウデコーダ220_1はブロックBLKa(ブロックBLK1,BLK3,BLK5)用の転送トランジスタ群223A_1およびブロックBLKb(ブロックBLK0,BLK2,BLK4)用の転送トランジスタ223B_1を備え、転送トランジスタ群223B_1および転送トランジスタ群223A_1はメモリセルアレイ210側から順に配置される。
【0120】
そして、ブロックBLKaの各ワード線WLは、一方側の距離が相対的に近い転送トランジスタ群223A_0および他方側の距離が相対的に遠い転送トランジスタ群223A_1から電圧が印加される。また、ブロックBLKbの各ワード線WLは、一方側の距離が相対的に遠い転送トランジスタ群223B_0および他方側の距離が相対的に近い転送トランジスタ群223B_1から電圧が印加される。これにより、ブロックBLKaからの引き出し配線224A_0,224_1とブロックBLKbからの引き出し配線224B_0,224B_1との間で、抵抗ばらつきを低減することができる。その結果、ブロックBLKaおよびブロックBLKb間での動作速度のばらつきを低減することができる。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。