特許第6559606号(P6559606)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559606
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】蒸発燃料処理装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 25/08 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   F02M25/08 Z
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-69341(P2016-69341)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-180321(P2017-180321A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸博
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 大作
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−033731(JP,A)
【文献】 特表2008−546941(JP,A)
【文献】 特開2007−198267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
内燃機関の吸気経路とキャニスタとの間に接続されており、キャニスタから吸気経路に送られるパージガスが通過するパージ通路と、
直列に接続された第1検出部と第2検出部を有しており、パージ通路を通過するパージガスの濃度を検出する濃度検出部と、
を備えており、
第1検出部は、パージガスが第1検出部を通過する際の差圧に基づいてパージガスのガス密度を検出するタイプであり、
第2検出部は、パージガスが第2検出部を通過する際の差圧に基づいてパージガスの粘性を検出するタイプである、蒸発燃料処理装置。
【請求項2】
パージ通路に接続されている分岐通路をさらに備えており、
濃度検出部が、分岐経路上に配置されている請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項3】
濃度検出部より吸気経路側でパージ通路上に配置されており、キャニスタと吸気経路とをパージ通路を介して連通する連通状態と、キャニスタと吸気経路とをパージ通路上で遮断する遮断状態とに切替る制御弁と、
キャニスタから吸気経路にパージガスを送り出すポンプと、
パージ通路に接続されている分岐通路と、をさらに備えており、
制御弁を遮断状態にした状態でポンプを駆動したときに、パージガスが濃度検出部を循環するように構成されている請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項4】
濃度検出部が、分岐経路上に配置されている請求項3に記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項5】
第1検出部は、内部に絞り部分を備えている請求項1から4のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項6】
第2検出部は、内部に複数の毛細管を備えている請求項1から5のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置。
【請求項7】
燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
内燃機関の吸気経路とキャニスタとの間に接続されており、キャニスタから吸気経路に送られるパージガスが通過するパージ通路と、
パージガスが通過する際の差圧からパージガスのガス密度を検出する第1検出部と、第1検出部と直列に接続されているとともにパージガスが通過する際の差圧からパージガスの粘性を検出する第2検出部を含んでいる濃度検出部と、
を備えている蒸発燃料処理装置において、パージ通路を通過するパージガスの濃度及び流量を検出する方法であって、
第1検出部で測定された差圧を下記式(1)に代入し、
第2検出部で測定された差圧を下記式(2)に代入し、
下記式(1)と(2)の流量Q1とQ2が等しくなるガス密度及び粘性を求め、
算出されたガス密度と粘性の少なくとも一方よりパージガスの濃度を算出するとともに、算出されたガス密度と粘性の少なくとも一方よりパージガスの流量を算出する、方法。
【数7】
上記式(1)において、Q1は第1検出部を通過するパージガスの流量、ΔP1は第1検出部で測定された差圧、Cは流量係数、Kは管路係数、ρはガス密度を示している。
【数8】
上記式2において、Q2は第2検出部を通過するパージガスの流量、ΔP2は第2検出部で測定された差圧、μは粘性係数、lは管路長さ、dは管路直径を示している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、蒸発燃料処理装置に関する技術を開示する。特に、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を、内燃機関の吸気経路にパージして処理する蒸発燃料処理装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、蒸発燃料処理装置が開示されている。特許文献1では、キャニスタに導入される空気の流体密度を検出するセンサと、キャニスタから内燃機関に送られるパージガスの流体密度を検出するセンサを配置し、両者の流体密度の比または差に基づいてパージガスの濃度を算出し、算出したガス濃度に基づいて吸気経路に導入するパージガスの流量を決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−101534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、流体密度を検出するセンサを用いて、パージガスの濃度を算出し、パージガスの供給量(流量)を決定している。内燃機関の空燃比(A/F)を安定させるためには、パージガスを、決定した流量で正確に吸気経路に導入することが必要である。そのため、特許文献1の場合、パージガスを正確な流量で吸気経路に導入するためには、パージガスの流量を検出するセンサ(流量計)を別途設けることが必要である。本明細書は、パージガスの流量を検出するセンサを不要としながら、パージガスを正確な量で吸気経路に導入可能な蒸発燃料処理装置を実現するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示する蒸発燃料処理装置は、キャニスタと、パージ通路と、濃度検出部を備えている。キャニスタは、燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料を吸着する。パージ通路は、内燃機関の吸気経路とキャニスタとの間に接続されている。キャニスタから内燃機関に送られるパージガスは、パージ通路を通過する。濃度検出部は、直列に接続された第1検出部と第2検出部を有している。濃度検出部は、パージ通路を通過するパージガスの濃度を検出する。この蒸発燃料処理装置では、第1検出部は、パージガスが第1検出部を通過する際の差圧に基づいてパージガスのガス密度を検出するタイプである。また、第2検出部は、パージガスが第2検出部を通過する際の差圧に基づいてパージガスの粘性を検出するタイプである。
【0006】
上記蒸発燃料処理装置では、濃度検出部は、直列に接続された2個の検出部(第1検出部,第2検出部)を備えている。第1検出部では、パージガスが第1検出部を通過する際の差圧を検出し、下記式(1)を用いて、第1検出部を通過するパージガスの流量Q1とパージガスのガス密度ρの関数を得る。また、第2検出部では、パージガスが第2検出部を通過する際の差圧を検出し、下記式(2)を用いて、第2検出部を通過するパージガスの流量Q2とパージガスの粘性係数μの関数を得る。第1検出部と第2検出部は直列に接続されているので、流量Q1と流量Q2は等しい。濃度検出部では、流量Q1と流量Q2が等しくなるようなガス密度ρ及び粘性係数μを検出する。ガス密度ρ及び粘性係数μは、パージガスのガス濃度と相関関係がある。そのため、ガス密度ρと粘性係数μの結果に基づいて、パージガスのガス濃度を検出することができる。また、ガス密度ρ又は粘性係数μの結果より、下記式(1)及び/又は(2)を用いて、濃度検出部を通過するパージガスの流量(すなわち、流量Q1,Q2)を算出することができる。
【数1】
上記式(1)において、Q1は第1検出部を通過するパージガスの流量、ΔP1は第1検出部で測定された差圧、Cは流量係数、Kは管路係数、ρはガス密度を示している。
【数2】
上記式2において、Q2は第2検出部を通過するパージガスの流量、ΔP2は第2検出部で測定された差圧、μは粘性係数、lは管路長さ、dは管路直径を示している。
【0007】
本明細書では、以下の蒸発燃料処理装置において、パージ通路を通過するパージガスの濃度及び流量を検出する方法も開示する。蒸発燃料処理装置は、燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、内燃機関の吸気経路とキャニスタとの間に接続されており、キャニスタから吸気経路に送られるパージガスが通過するパージ通路と、濃度検出部を備えている。濃度検出部は、パージガスが通過する際の差圧からパージガスのガス密度を検出する第1検出部と、第1検出部と直列に接続されているとともにパージガスが通過する際の差圧からパージガスの粘性を検出する第2検出部を含んでいる。この方法では、第1検出部で測定された差圧を下記式(1)に代入し、第2検出部で測定された差圧を下記式(2)に代入し、下記式(1)と(2)の流量Q1とQ2が等しくなるガス密度及び粘性を求め、算出されたガス密度と粘性の少なくとも一方よりパージガスの濃度を算出するとともに、算出されたガス密度と粘性の少なくとも一方よりパージガスの流量を算出する。
【数3】
上記式(1)において、Q1は第1検出部を通過するパージガスの流量、ΔP1は第1検出部で測定された差圧、Cは流量係数、Kは管路係数、ρはガス密度を示している。
【数4】
上記式2において、Q2は第2検出部を通過するパージガスの流量、ΔP2は第2検出部で測定された差圧、μは粘性係数、lは管路長さ、dは管路直径を示している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施例の蒸発燃料処理装置を用いた車両の燃料供給システムを示す。
図2】第1実施例の蒸発燃料処理装置を示す。
図3】濃度センサの構造を示す。
図4】第1検出部の一例を示す。
図5】第1検出部の一例を示す。
図6】第2検出部の一例を示す。
図7】第2実施例の蒸発燃料処理装置を用いた車両の燃料供給システムを示す。
図8】第2実施例の蒸発燃料処理装置を示す。
図9】第2実施例の蒸発燃料処理装置の変形例を示す。
図10】第2実施例の蒸発燃料処理装置の変形例を示す。
図11】第3実施例の蒸発燃料処理装置を示す。
図12】蒸発燃料供給システムを示す。
図13】パージガスの濃度、流量の検出方法のフローチャートを示す。
図14】濃度検出部における差圧とポンプの流量との関係を示す。
図15】パージガス供給量の調整方法のフローチャートを示す。
図16】パージガス供給量の調整方法のフローチャートを示す。
図17】パージガス供給量の調整方法のフローチャートを示す。
図18】パージガス供給量の調整方法のフローチャートを示す。
図19】パージガス供給量の調整方法のフローチャートを示す。
図20】パージガス供給量の調整工程のタイミングチャートを示す。
図21】パージガス供給量の調整工程のタイミングチャートを示す。
図22】パージガス供給量の調整方法のフローチャートを示す。
図23】パージガス供給量の調整方法のフローチャートを示す。
図24】パージガス供給量の調整方法のフローチャートを示す。
図25】パージガス供給量の調整工程のタイミングチャートを示す。
図26】パージガス供給量の調整工程のタイミングチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものである。
【0010】
(特徴1)本明細書に開示の蒸発燃料処理装置では、濃度検出部が、直列に接続された第1検出部と第2検出部を有している。第1検出部は、パージガスが第1検出部を通過する際の差圧に基づいてパージガスのガス密度を検出するタイプである。また、第2検出部は、パージガスが第2検出部を通過する際の差圧に基づいてパージガスの粘性を検出するタイプである。濃度検出部は、パージ通路上に設けられていてよい。あるいは、パージ通路に分岐通路が接続されており、その分岐通路の経路上に濃度検出部が設けられていてもよい。分岐通路上に濃度検出部を設けることにより、パージ通路を通過するパージガスの流路抵抗が増大することを抑制することができる。なお、分岐通路の両端がパージ通路に接続され、パージガスがパージ通路と分岐通路を循環するように構成されていてもよい。あるいは、分岐通路の一端がパージ通路に接続され、他端がキャニスタ,燃料タンクとキャニスタを連通管等に接続されていてもよい。
【0011】
(特徴2)蒸発燃料処理装置は、キャニスタから吸気経路にパージガスを送り出すポンプを備えていてもよい。ポンプは、パージ通路上に配置されていてよい。パージ通路に分岐通路が接続されている場合、ポンプは、パージ通路又は分岐通路上に配置されていてよい。ポンプを備えることにより、吸気経路内の圧力の状態(正圧、負圧、常圧)に依らず、吸気経路にパージガスを導入することができる。例えば、過給機を有する車両において、吸気経路内が正圧の状態のときであっても、吸気経路にパージガスを導入することができる。
【0012】
(特徴3)蒸発燃料処理装置は、キャニスタと吸気経路とをパージ通路を介して連通する連通状態と、キャニスタと吸気経路とをパージ通路上で遮断する遮断状態とに切替る制御弁を備えていてもよい。また、制御弁とともに、上記した分岐経路及びポンプを備えていてもよい。この場合、ポンプが駆動している状態で制御弁が遮断状態に切替ると、パージガスは分岐経路に移動し、濃度検出部でパージガスの濃度を検出することができる。なお、上記「制御弁」は、連通状態と遮断状態のみに切替るタイプの弁であってもよいし、開度を調整することができるタイプの弁であってもよい。前者のタイプの弁として、例えば、連通状態と遮断状態をデューティ制御することによってパージ中のパージガスの流量を調整する制御弁が挙げられる。後者のタイプの弁として、例えば、ステッピングモータ式の制御弁が挙げられる。ステッピングモータ式制御弁の開度を調整することにより、パージ中のパージガスの流量を調整することができる。
【実施例】
【0013】
(第1実施例)
図1を参照し、蒸発燃料処理装置20を備える燃料供給システム6について説明する。燃料供給システム6は、燃料タンク14内に貯留されている燃料をエンジン2に供給するためのメイン供給経路10と、燃料タンク14内で発生した蒸発燃料をエンジン2に供給するためのパージ供給経路22を備えている。
【0014】
メイン供給経路10には、燃料ポンプユニット16と、供給管12と、インジェクタ4が設けられている。燃料ポンプユニット16は、燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ、制御回路等を備えている。燃料ポンプユニット16は、ECU(図示省略)から供給される信号に応じて燃料ポンプを制御する。燃料ポンプは、燃料タンク14内の燃料を昇圧して吐出する。燃料ポンプから吐出される燃料は、プレッシャレギュレータで調圧され、燃料ポンプユニット16から供給管12に供給される。供給管12は、燃料ポンプユニット16とインジェクタ4に接続されている。供給管12に供給された燃料は、供給管12を通過してインジェクタ4に達する。インジェクタ4は、ECUによって開度がコントロールされる弁(図示省略)を有している。インジェクタ4の弁が開かれると、供給管12内の燃料が、エンジン2に接続されている吸気管34に供給される。
【0015】
なお、吸気管34は、エアクリーナ30に接続されている。エアクリーナ30は、吸気管34に流入する空気の異物を除去するフィルタを備えている。吸気管34内に、スロットルバルブ32が設けられている。スロットルバルブ32が開くと、エアクリーナ30からエンジン2に向けて吸気が行われる。スロットルバルブ32は、吸気管34の開度を調整し、エンジン2に流入する空気量を調整する。スロットルバルブ32は、インジェクタ4より上流側(エアクリーナ30側)に設けられている。
【0016】
パージ供給経路22は、蒸発燃料処理装置20と、燃料タンク14と蒸発燃料処理装置20と連通する連通管18を備えている。蒸発燃料処理装置20は、キャニスタ19と、パージ通路22aと、ポンプ52と、濃度センサ57と、制御弁26(Vacuum Switching Valve)を備えている。連通管18は、燃料タンク14とキャニスタ19を接続している。キャニスタ19,ポンプ52,濃度センサ57及び制御弁26は、パージ通路22a上に配置されている。なお、制御弁26は、ECUによって制御される電磁弁であり、連通状態と遮断状態の切替がECUによってデューティ制御される電磁弁である。また、制御弁26に代えて、ステッピングモータ式制御弁等の開度を調整することが可能な弁を用いてもよい。また、詳細は後述するが、濃度センサ57は、直列に接続された2個の検出部を備えている。
【0017】
図2に示すように、キャニスタ19は、大気ポート19a,パージポート19b及びタンクポート19cを備えている。大気ポート19aは、連通管17を介して、エアフィルタ15に接続されている。パージポート19bは、パージ通路22aに接続されている。タンクポート19cは、連通管18を介して、燃料タンク14に接続されている。キャニスタ19内に、活性炭19dが収容されている。活性炭19dに面するキャニスタ19の壁面のうちの、1つの壁面にポート19a,19b及び19cが設けられている。活性炭19dと、ポート19a,19b及び19cが設けられているキャニスタ19の内壁との間には、空間が存在する。ポート19a,19b及び19cが設けられている側のキャニスタ19の内壁に、第1仕切板19eと第2仕切板19fが固定されている。第1仕切板19eは、大気ポート19aとパージポート19bの間において、活性炭19dとキャニスタ19の内壁の間の空間を分離している。第1仕切板19eは、ポート19a,19b及び19cが設けられている側と反対側の空間まで伸びている。第2仕切板19fは、パージポート19bとタンクポート19cの間において、活性炭19dとキャニスタ19の内壁の間の空間を分離している。
【0018】
活性炭19dは、燃料タンク14から連通管18,タンクポート19cを通じてキャニスタ19の内部に流入する気体から蒸発燃料を吸着する。蒸発燃料が吸着された後の気体は、大気ポート19a,連通管17及びエアフィルタ15を通過して大気に放出される。キャニスタ19は、燃料タンク14内の蒸発燃料が大気に放出されることを防止することができる。活性炭19dで吸着された蒸発燃料は、パージポート19bよりパージ通路22aに供給される。第1仕切板19eは、大気ポート19aが接続されている空間と、パージポート19bが接続されている空間を分離している。第1仕切板19eは、蒸発燃料を含んだ気体が大気に放出されることを防止している。第2仕切板19fは、パージポート19bが接続されている空間と、タンクポート19cが接続されている空間を分離している。第2仕切板19fは、タンクポート19cからキャニスタ19に流入する気体が直接パージ通路22aに移動することを防止している。
【0019】
パージ通路22aは、キャニスタ19と吸気管34を接続している。キャニスタ19に吸着された蒸発燃料(パージガス)は、パージ通路22aを通過して吸気管34に導入される。パージ通路22a上には、ポンプ52と濃度センサ57と制御弁26が設けられている。ポンプ52は、キャニスタ19と濃度センサ57の間に配置されており、吸気管34にパージガスを圧送する。なお、典型的に、エンジン2が駆動している場合、吸気管34内は負圧である。そのため、キャニスタ19に吸着された蒸発燃料は、吸気管34とキャニスタ19の圧力差によって吸気管34に導入することもできる。しかしながら、パージ通路22aにポンプ52を配置することにより、吸気管34内の圧力がパージガスを引き込むために十分でない圧力の場合(過給時の正圧、あるいは、負圧であるがその圧力の絶対値が小さい)であっても、キャニスタ19に吸着された蒸発燃料を吸気管34に供給することができる。また、ポンプ52を配置することにより、吸気管34に所望量の蒸発燃料を供給することができる。
【0020】
濃度センサ57は、ポンプ52と制御弁26の間に配置されており、パージ通路22aを通過するバージガスの濃度を検出する。なお、キャニスタ19と制御弁26の間であれば、ポンプ52と濃度センサ57の順番は反対であってもよい。すなわち、キャニスタ19から吸気管34に向けて、ポンプ52,濃度センサ57,制御弁26の順番に配置してもよいし、濃度センサ57,ポンプ52,制御弁26の順番に配置してもよい。蒸発燃料処理装置20では、ポンプ52を駆動した状態で制御弁26が開かれると、パージガスが、濃度センサ57を通過し、吸気管34に導入される。パージガスを吸気管34に供給しながら、パージガスの濃度を検出することができる。
【0021】
図3に示すように、濃度センサ57は、第1検出部102と第2検出部104を備えている。第1検出部102と第2検出部104は直列に接続されている。そのため、第1検出部102を通過したパージガスは、第2検出部104も通過する。すなわち、第1検出部102を通過するパージガスの流量と第2検出部104を通過するパージガスの流量は同一である。第1検出部102は、パージガスが通過する際の差圧を測定し、測定された差圧に基づいてパージガスのガス密度を検出するタイプである。また、第2検出部104は、パージガスが通過する際の差圧を測定し、測定された差圧に基づいてパージガスの粘性を検出するタイプである。具体的には、第1検出部102によって下記式(1)に示す流量Q1とガス密度ρの関係が得られ、第2検出部104によって下記式(2)に示す流量Q2と粘性係数μの関係が得られる。パージバスのガス密度ρと濃度は相関関係がある。また、パージガスの粘性係数μと濃度も相関関係がある。流量Q1とQ2が等しくなるようなガス密度ρ及び粘性係数μを求めることによって、パージガスの濃度を検出することができる。
【数5】
Q1:第1検出部を通過するパージガスの流量、ΔP1:第1検出部で測定された差圧,C:流量係数,K:管路係数
【数6】
Q2:第2検出部を通過するパージガスの流量,ΔP2:第2検出部で測定された差圧,μ:粘性係数,l:管路長さ,d:管路直径
【0022】
濃度センサ57を構成する検出部として、様々な種類のセンサを利用することができる。ここで、図4から図6を参照し、濃度センサ57を構成する検出部の一例を説明する。図4は、ベンチュリ管72を内蔵した検出部102aを示している。検出部102aは、第1検出部の一例である。なお、矢印60は、パージガスが流れる向きを示している。ベンチュリ管72は、パージ通路22aに接続されている。具体的には、ベンチュリ管72の端部(大径部)72a,72cがパージ通路22aに接続されている。ベンチュリ管72の中央部(絞り部)72bは、端部72a,72cと比較して流路面積が小さい。そのため、中央部72bと、端部72a,72cの間には差圧が生じる。パージガスが導入される側の端部(上流側の端部)72aと中央部72bに差圧センサ70が接続されている。検出部102aは、端部72aと中央部72bの圧力差を差圧センサ70で検出する。検出部102aでは、端部72aと中央部72bの差圧を検出することによって、上記式(1)により、流量Q1とガス密度ρの関係が得られる。
【0023】
図5は、オリフィス管74を内蔵した検出部102bを示している。検出部102aも、第1検出部の一例である。オリフィス管74の両端は、パージ通路22aに接続されている。オリフィス管74の中央に、開孔74aを有するオリフィス板74bが設けられてる。そのため、オリフィス管74の中央部(絞り部)は、端部と比較して流路面積が小さい。検出部102bは、オリフィス板74bの上流側と下流側の間に差圧が生じる。オリフィス板74bの上流側と下流側に差圧センサ70が接続されている。検出部102bは、オリフィス板74bの上流側と下流側の圧力差を差圧センサ70で検出する。検出部102bでは、オリフィス板74bの上流側と下流側の差圧を検出することによって、上記式(1)により、流量Q1とガス密度ρの関係が得られる。
【0024】
図6は、毛細管式粘度計76を内蔵した検出部104を示している。検出部104は、第2検出部の一例である。毛細管式粘度計76の両端は、パージ通路22aに接続されている。毛細管式粘度計76の内部には、複数の毛細管76aが配置されている。検出部104は、毛細管76aの上流側と下流側の間に差圧が生じる。毛細管76aの上流側と下流側に差圧センサ70が接続されている。検出部104は、毛細管76aの上流側と下流側の圧力差を差圧センサ70で検出する。検出部104では、毛細管76aの上流側と下流側の差圧を検出することによって、上記式(2)により、流量Q2と粘性係数μの関係が得られる。
【0025】
以上、検出部102a,102b及び104について説明したが、蒸発燃料処理装置20では、他の種類の検出部を用いることもできる。重要なことは、濃度センサ57が、パージガスが検出部を通過する際の差圧に基づいてパージガスのガス密度を検出するタイプの検出部(第1検出部)と、パージガスが検出部を通過する際の差圧に基づいてパージガスの粘性を検出するタイプの検出部(第2検出部)を備えており、第1検出部と第2検出部が直列に接続されていることである。これにより、第1検出部を通過するパージガスの流量とパージガスのガス密度の関係(上記式(1))と、第2検出部を通過するパージガスの流量とパージガスの粘性係数の関係(上記式(2))が得られ、式(1)と(2)の流量が等しくなるようなガス密度及び粘性係数を得ることできる。ガス密度及び粘性係数より、パージガスのガス濃度を得ることができる。また、上記式(1)又は(2)より、流量計を用いることなく、パージガスの流量を算出することができる。
【0026】
(第2実施例)
図7及び図8を参照し、蒸発燃料処理装置20aについて説明する。蒸発燃料処理装置20aは蒸発燃料処理装置20の変形例である。具体的には、蒸発燃料処理装置20aは、パージ通路22aに分岐経路22bが接続されている点が、蒸発燃料処理装置20と異なる。また、蒸発燃料処理装置20aでは、パージ通路22aに切替弁90が設けられている。なお、蒸発燃料処理装置20aについて、蒸発燃料処理装置20と同じ部品には同じ参照番号を付し、説明を省略することがある。
【0027】
蒸発燃料処理装置20aは、キャニスタ19と、パージ通路22aと、ポンプ52と、制御弁26と、分岐通路22bと、濃度センサ57と、切替弁90及び大気導入管92を備えている。切替弁90,ポンプ52及び制御弁26は、パージ通路22a上に配置されている。分岐通路22bは、一端がポンプ52の上流でパージ通路22aに接続されており、他端がポンプ52の下流でパージ通路22aに接続されている。分岐通路22b上には、濃度センサ57が設けられている。なお、制御弁26に代えて、ステッピングモータ式制御弁等の開度を調整することが可能な弁を用いてもよい。
【0028】
パージ通路22aは、キャニスタ19と吸気管34を接続している。パージ通路22a上には、ポンプ52と制御弁26が設けられている。ポンプ52は、パージ通路22aを通じてキャニスタ19内のパージガスを矢印60方向に引き込み、パージ通路22aを通じてパージガスを吸気管34に向けて矢印66方向に押し出す。パージ通路22aには、分岐通路22bが接続されている。分岐通路22b上には、濃度センサ57が配置されている。より具体的には、分岐通路22bは、第1分岐管56と第2分岐管58を備えている。第1分岐管56の一端は、ポンプ52の下流(吸気管34側)に接続されている。第2分岐管58の一端は、ポンプ52の上流(キャニスタ19側)に接続されている。第1分岐管56及び第2分岐管58の他端は、濃度センサ57に接続されている。濃度センサ57は、分岐通路22bを通過するバージガスの濃度を検出する。
【0029】
蒸発燃料処理装置20aでは、ポンプ52を駆動した状態で制御弁26が開かれると、パージガスが矢印66方向に移動し、吸気管34に導入される。また、ポンプ52を駆動した状態で制御弁26が閉じられると、パージガスが矢印62方向に移動し、濃度センサ57で濃度が検出される。パージ実行中は、吸気管34へのパージガスの供給量を調整するために、デューティ比に基づいて、制御弁26の開閉が繰り返される。蒸発燃料処理装置20aは、パージ実行中に制御弁26が閉じられたタイミングを利用して、パージガスの濃度を検出することができる。なお、濃度センサ57は、分岐通路22b上に設けられており、パージ通路22a上には設けられていない。そのため、蒸発燃料処理装置20aは、パージ通路22aの抵抗が増大することが抑制され、吸気管34に供給されるパージガスの量が制限されることを抑制することができる。なお、パージ通路22a及び分岐通路22bの内径等を調整することにより、吸気管34にパージガスを供給しながら、濃度センサ57にもパージガスを供給することもできる。この場合、吸気管34に供給されるパージガスの濃度をリアルタイムで検出することができる。
【0030】
また、パージ通路22aに、切替弁90が設けられている。切替弁90はポンプ52の上流側に配置されている。切替弁90には、大気導入管92が接続されている。切替弁90は、パージ通路22aがキャニスタ19に接続されている状態(第1状態)と、パージ通路22aが大気導入管92に接続されている状態(第2状態)とを切替えることができる。切替弁90を切替えることにより、分岐通路22bを空気が通過するときに濃度センサ57で検出される差圧と、分岐通路22bをパージガスが通過するときに濃度センサ57で検出される差圧を比較することができる。両者の差圧を比較することにより、ポンプ52の特性(所定の回転数においてポンプを通過する流量)を算出することができる。ポンプ52の出力(回転数)が同一であっても、ポンプ52を通過する流体の流量は、通過する流体の密度(濃度)によって変化する。切替弁90を設け、濃度センサ70を通過する空気の差圧とパージガスの差圧とを比較することにより、ポンプ52の流量特性を得ることができ、パージガス濃度の検出精度が向上するので、より正確な量のパージガスを吸気管34に導入することができる。なお、切替弁90及び大気導入管92は、パージガス濃度の検出精度を向上させるために寄与するものであり、切替弁90及び大気導入管92を省略してもパージガスの濃度を検出することはできる。
【0031】
図9に示す蒸発燃料処理装置20bのように、分岐経路22b上に濃度センサ57と温度センサ59が配置されていてもよい。また、図10に示す蒸発燃料処理装置20cのように、分岐経路22b上に濃度センサ57と圧力計71が配置されていてもよい。圧力計71は、濃度センサ57の上流に設ける。なお、蒸発燃料処理装置20cは、さらに分岐経路22b上に温度センサ(図9を参照)が配置されていてもよい。蒸発燃料処理装置20a〜20cのように分岐経路22bの両端がパージ通路22aに接続される場合、ポンプ52を省略し、パージ通路22a上にベンチュリ管(図4を参照)を接続してもよい。この場合、第2分岐管58をベンチュリ管の中央部(絞り部)に接続することにより、吸気管34にパージガスを供給しながら、濃度センサ57にパージガスを供給することができる。吸気管34に供給されるパージガスの濃度をリアルタイムで検出することができる。
【0032】
(第3実施例)
図11を参照し、蒸発燃料処理装置20dについて説明する。蒸発燃料処理装置20dは蒸発燃料処理装置20a,20b及び20cの変形例であり、具体的には、分岐経路22bの下流端(分岐経路におけるパージガスの出口側)が接続されている位置が、蒸発燃料処理装置20a〜20cと異なる。なお、蒸発燃料処理装置20dについて、蒸発燃料処理装置20a〜20cと同じ部品には同じ参照番号を付し、説明を省略することがある。なお、蒸発燃料処理装置20dは、蒸発燃料処理装置20cと同様に、分岐経路22b上に濃度センサ57と圧力計71が配置されている。しかしながら、蒸発燃料処理装置20aのように分岐経路22b上に濃度センサ57のみが配置されていてもよいし、蒸発燃料処理装置20bのように分岐経路22b上に濃度センサ57と温度センサ59が配置されていてもよいし、分岐経路22b上に濃度センサ57と圧力計71と温度センサ59が配置されていてもよい。
【0033】
蒸発燃料処理装置20dでは、第2分岐管58(分岐経路の下流側の分岐管)が、連通管18に接続されている。そのため、分岐通路22bを通過するパージガスは、タンクポート19cを介してキャニスタ19内に移動する。蒸発燃料処理装置20dも、制御弁26が閉じられたときに、パージガスが分岐経路22bを通過し、パージガスの濃度を検出することができる。なお、タンクポート19cはパージ通路22a上に配置されていないが、キャニスタ19はポンプ52の上流に配置されている部品である。そのため、蒸発燃料処理装置20dも、分岐通路22bの一端がポンプ52の下流でパージ通路22aに接続されており、他端がポンプ52の上流に接続されているということができる。
【0034】
なお、分岐経路22bと連通管18の間に切替弁94が配置されている。切替弁94は、分岐経路22bと連通管18が連通する連通状態と、分岐経路22bと連通管18の間を遮断する遮断状態に切替えることができる。そのため、燃料タンク14で発生したパージガスが、連通管18及び分岐通路22bを介してパージ通路22aに導入されることを防止することができる。蒸発燃料処理装置20dは、制御弁26を閉じ、切替弁94を閉じた状態(遮断状態)でポンプ52を駆動することにより、分岐経路22b内の圧力を高くすることができる。このような構成を有することにより、ポンプ52の特性を検出することができる。
【0035】
図12を参照し、パージガスを吸気管34に供給するときのパージ供給経路22の動作について説明する。エンジン2が始動すると、ECU100の制御により、ポンプ52が駆動を開始し、制御弁26の開閉が開始する。ECU100は、濃度センサ57で検出したパージガスの濃度に基づいて、ポンプ52の出力及び制御弁26の開度(デューティ比)を制御する。なお、ECU100は、スロットルバルブ32の開度も制御する。キャニスタ19には、燃料タンク14の蒸発燃料が吸着されている。ポンプ52が始動すると、キャニスタ19に吸着されていたパージガス及びエアクリーナ30を通過した空気が、エンジン2に導入される。以下に、パージガスの濃度を検出する方法について幾つか説明する。
【0036】
図13は、パージガスの濃度、及び、パージガスの流量の検出方法を説明するフローチャートを示している。この方法は、ポンプ52の流量特性を算出し、ポンプ52が所定の回転数のときにポンプ52を通過するパージガスの流量を検出するために行われる。この方法は、制御弁26を閉じた(パージガスが吸気管34に導入されない)状態で行われる。なお、この方法は、蒸発燃料処理装置20a〜20dのように、切替弁90及び大気導入管92を備えている蒸発燃料処理装置で実行することができる。
【0037】
まず、ECU100から出力される制御信号により、ポンプ52を所定の回転数で駆動する(ステップS2)。なお、ECU100は、制御弁26を閉じた状態に維持する。次に、ECU100の制御信号により、切替弁90がパージ通路22aと大気導入管92を接続するように切り替わる(ステップS4)。これにより、パージ通路22aには大気が導入される。パージ通路22aに導入された大気は、分岐通路56,58を通過する。すなわち、ポンプ52を駆動することにより、大気が、パージ通路22aと分岐通路22bを循環する。このときに、濃度センサ57が、センサ前後の差圧P0を検出する(ステップS6)。差圧P0の検出が終了した後、ECU100の制御信号により、切替弁90がパージ通路22aとキャニスタ19を接続するように切り替わる(ステップS8)。これにより、パージ通路22aにパージガスが導入される。パージガスが、パージ通路22aと分岐通路22bを循環する。濃度センサ57が、センサ前後の差圧P1を検出する(ステップS10)。差圧P1を検出した後、パージガスの濃度,流量を算出し(ステップS12)、ポンプ52の駆動を停止する(ステップS14)。
【0038】
図14は、濃度センサ57の特性(濃度センサの構造に起因して生じる差圧に基づく特性)と、ポンプ52の流量特性を示している。横軸は圧力を示し、縦軸はポンプ52を通過するガスの流量を示している。曲線80はパージ通路22aに大気が導入されたときの濃度センサ57の特性を示し、曲線81はパージ通路22aにパージガスが導入されたときの濃度センサ57の特性を示し、直線82はパージ通路22aにパージガスが導入されたときのポンプ52の流量特性を示し、直線83はパージ通路22aに大気が導入されたときのポンプ52の流量特性を示している。
【0039】
差圧P0,P1から明らかなように、ポンプ52を同一回転数で駆動した場合、パージ通路22aにパージガスが導入されているときは、大気が導入されているときよりも差圧が上昇する。パージガスは、大気より密度が高いので、このような結果になる。そのため、ポンプ52の出力(回転数)を調整しただけでは、所望する量のパージガスを吸気管34に導入できないことがある。
【0040】
大気中には、パージガスが含まれていない。すなわち、大気の密度は既知である。そのため、差圧P0,P1を検出することにより、パージガスの濃度を検出することができる。例えば、P1/P0を計算することにより、パージガスの濃度を算出することができる。また、パージガスの流量は、ベルヌーイの式より算出することができる。そのため、ガス(パージガス,大気)の濃度より、濃度センサ57を通過するガスの流量を正確に算出し、曲線80,81を作成することができる。また、ポンプ52を所定の回転数で駆動したときのパージガスと大気の流量の相違(曲線80、81)を比較することにより、ポンプ52の流量特性を得ることができ、パージを行っているときのパージガスの供給量をより正確に調整することができる。上記方法は、センサ前後の差圧P0,P1に依らず、圧力計71(図10,11を参照)を用いてセンサ上流側の圧力を測定することによっても同様に算出することができる。なお、上記方法(ステップS2〜S14)を行うことにより、ポンプ52の流量特性が得られ、パージガス濃度の検出精度を向上させることができる。そのため、必要に応じて、パージ通路22aに大気を導入してセンサ前後の差圧P0を測定する工程(ステップS4〜S8)を省略してもよい。ステップS4〜S8を省略しても、パージガスの濃度を検出することができる。
【0041】
また、切替弁94を備える蒸発燃料処理装置20d(図11を参照)を用いて、図15に示すフローに従い、パージガスの濃度、及び、パージガスの流量を検出することもできる。まず、ECU100から出力される制御信号により、ポンプ52を所定の回転数で駆動する(ステップS3)。ECU100は、制御弁26を閉じた状態に維持する。次に、ECU100の制御信号により、切替弁90がパージ通路22aと大気導入管92を接続するように切り替わる(ステップS5)。次に、ECU100の制御信号により、切替弁94が分岐通路22bと連通管18を接続するように切り替わる(ステップS7)。これにより、分岐通路22b内が大気で置換される。その後、切替弁94を閉じ(分岐通路22bと連通管18を遮断し(ステップS9)、圧力計71で濃度センサ57の上流側の圧力P3を検出する(ステップS11)。圧力P3の検出が終了した後、ECU100の制御信号により、切替弁90がパージ通路22aとキャニスタ19を接続するように切り替わる(ステップS13)。パージ通路22aにパージガスが導入される。その後、切替弁94が分岐通路22bと連通管18を接続するように切り替わり(ステップS15)、分岐通路22b内をパージガスで置換する。その後、切替弁94を閉じ(ステップS17)、圧力計71で濃度センサ57の上流側の圧力P4を検出する(ステップS19)。
【0042】
圧力P4を検出した後、パージガスの濃度,流量を算出し(ステップS21)、ポンプ52の駆動を停止する(ステップS23)。圧力P3及びP4は、分岐通路22bをガスが流れていない(移動していない)状態で測定される(図14も参照)。大気の密度が既知なので、(P4/P3)により、パージガスの濃度を算出することができる。また、圧力P1と圧力P4より、パージ通路22aにパージガスが導入されたときのポンプ52の流量特性(直線82)を得ることができる。また、圧力P0と圧力P3より、パージ通路22aに大気が導入されたときのポンプ52の流量特性(直線83)を得ることができる。
【0043】
次に、図16を参照し、パージ中にパージガスの濃度が変化したときに、パージガスの供給量を調整する方法について説明する。この方法は、上記した蒸発燃料処理装置20a,20b、20c及び20dのタイプの蒸発燃料処理装置で行うことができる。すなわち、分岐経路22bを備えており、吸気管34へのパージガスの供給を停止した状態でパージガスの濃度を検出するタイプの蒸発燃料処理装置で行うことができる。
【0044】
ECU100は、濃度検出部21で検出されたパージガスの濃度C1を記憶し、濃度C1に基づいて、ポンプ52を所定回転数で駆動し、さらに制御弁26を制御して吸気管34へのパージ量を調整する。なお、ECU100は、ポンプ52を所定回転数で駆動するときに供給される電流値I1も記憶している。以下、濃度C1を記憶濃度C1と称し、電流値I1を記憶電流値I1と称することがある。ステップS20で現在の測定濃度C2を検出し、ステップS21で記憶濃度C1と測定濃度C2の比較を行う。記憶濃度C1と測定濃度C2の差が所定値αより小さい場合(ステップS21:NO)、パージガスの濃度変化が許容範囲内であるとして、記憶濃度C1に基づいて吸気管34へのパージを継続する。記憶濃度C1と測定濃度C2の差が所定値αより大きい場合(ステップS21:YES)、ステップS22に進み、ポンプ52に供給されている現在の測定電流値I2を測定する。その後、ポンプ52に供給されている測定電流値I2と記憶電流値I1の比較を行う(ステップS23)。測定電流値I2と電流値I1の差が所定値βより小さい場合(ステップS23:NO)、パージガスの濃度変化が許容範囲内であるとして、記憶濃度C1に基づいて吸気管34へのパージを継続する。
【0045】
電流値I2と記憶電流値I1の差が所定値βより大きい場合(ステップS23:YES)、ECU100は、制御弁26の開閉を停止し、吸気管34へのパージガスの供給を停止する(ステップS24)。その後、制御弁を閉じた状態でパージガスの濃度測定を行い(ステップS25)、ステップS25で得たパージガスの濃度に応じて制御弁26の開度またはデューティ比を決定する(ステップS26)。その後、パージを再開する(ステップS27)。
【0046】
上記方法では、測定濃度C2と測定電流値I2の双方の変化が大きい場合に、パージガスの濃度変化が許容範囲を超えているとして、パージガスの濃度を再度検出する。上記したように、ポンプ52の流量は、パージガスの濃度に依存する。すなわち、パージガスの濃度が増加すると、ガスの粘性が増加し、ポンプ52を所定回数で駆動するための電流値が増加する。ポンプ52の電流値の変化が所定値βを超えることは、パージガスの濃度変化が大きいことを示している。この場合、このままパージを継続していると、A/Fが制御値から大きく乱れる。そのため、制御弁26を閉じた状態で再度パージガスの濃度を測定することにより、A/Fが乱れることを抑制することができる。
【0047】
なお、図17に示すように、測定濃度C2と測定電流値I2の一方の変化が大きい場合に、パージガスの濃度変化が許容範囲を超えているものとして、パージガスの濃度を再度検出してもよい。この場合、ステップS20aで測定濃度C2を検出し、ステップS22aで測定電流値I2を測定する。その後、記憶濃度C1と測定濃度C2の比較、及び、定電流値I2と記憶電流値I1の比較を行う(ステップS23a)。記憶濃度C1と測定濃度C2の差が所定値αより大きいか、電流値I2と記憶電流値I1の差が所定値βより大きい場合に、制御弁26の開閉を停止し(ステップS24a)、パージガスの濃度測定を行い(ステップS25a)、制御弁26の開度(デューティ比)を決定し(ステップS26a)、パージを再開する(ステップS27a)。この場合、パージガスの濃度が変化したときに、より確実にその変化を検出することができる。
【0048】
図18から図21を参照し、パージ中にパージガスの濃度が変化したときに、パージガスの供給量を調整する方法について説明する。この方法は、上記した蒸発燃料処理装置20a,20b、20c及び20dのタイプの蒸発燃料処理装置で行うことができる。すなわち、分岐経路22bを備えており、吸気管34へのパージガスの供給を停止した状態でパージガスの濃度を検出するタイプの蒸発燃料処理装置で行うことができる。この方法では、吸気管34にパージを行う前に、パージ通路内に残存しているガス(前回のパージを終了した際に残存しているパージガス)を掃気する(すなわち、吸気管34に排出する)。なお、パージ通路内に残存しているガスを掃気すると、キャニスタ19に吸着されている蒸発燃料がパージ通路内に導入される。図20及び図21は、パージを行うタイミングと、ポンプ52及び制御弁26のオン・オフ状態を示すタイミングチャートである。ポンプ52及び制御弁26は、ECU100の制御信号によってオン・オフ状態が制御される。
【0049】
タイミングt0は、車両が走行可能な状態になったタイミングを示している。例えば、エンジン2が始動した時がタイミングt0に相当する。タイミングt0では、パージ通路内にガスが残存しており、ECU100はパージ通路内のガスが掃気されていないことを記憶している。タイミングt0では、ECU100は、ガス掃気完了履歴がOFF状態であることを記憶している。タイミングt0では、ポンプ52及び制御弁26がオフしている。エンジン2を始動(ステップS30)した後、制御弁26がオフの状態のままポンプ52を駆動する(ステップS31:タイミングt1)。制御弁26をオフしたまま、タイミングt1からタイミングt2の間にパージガスの濃度を測定する(ステップS32)。パージガスの濃度の測定方法は、上述した方法を用いることができる。
【0050】
ステップS32で検出したパージガス濃度C11が所定値より薄い場合(ステップS33:YES)、ステップS34に進み、ポンプ52をオンしたまま、制御弁26を所定時間オンする(タイミングt2〜t3)。これにより、パージ通路内に滞留していたガス(前回パージを終了した際に残存していたパージガス)を、パージ通路内から掃気することができる。なお、制御弁26をオンする期間(タイミングt2〜t3)は、タイミングt1〜t2の間に検出したパージガス濃度C11に基づいて決定する。これにより、吸気管34内に掃気されるパージガスにより、A/Fが大きく乱れることを抑制することができる。
【0051】
残存ガスの掃気が完了すると、ガス掃気完了履歴をON状態にする(ステップS35,タイミングt3)。ガス掃気完了履歴は、エンジン2が駆動している間ON状態に維持し続ける。また、残存ガスの掃気が完了した後、ポンプ52を駆動したまま、制御弁26をオフする(ステップS36,タイミングt3)。その後、パージ通路内のパージガス濃度C12を検出する(ステップS37)。パージガス濃度C12を検出した後、ポンプ52をオフする(ステップS38,タイミングt4)。タイミングt3〜t4の間に検出したガス濃度C12の値は、ECU100がパージオン信号を出力するとき(実際にパージを開始するとき:ステップS39,タイミングt5)に用いる。すなわち、パージを開始する際は、ガス濃度C12の値に基づき、制御弁26の開度、ポンプ52の出力等を決定する。
【0052】
なお、ステップS33でパージ通路内のパージガスの濃度C11が所定値より濃い場合(ステップS33:NO)、図21に示すように、タイミングt2で制御弁26をオンしない。また、実際にはパージ通路内の掃気が終わっていないが、ステップS35に進み、ガス掃気完了履歴をON状態にする。この場合、実際にパージを開始するとき(タイミングt5)は、ガス濃度C11の値に基づき、制御弁26の開度、ポンプ52の出力等を決定する。パージ通路内のガス濃度(残存ガスの濃度)が濃い場合、そのガスを吸気管34に掃気すると、A/Fがリッチになる傾向がある。その場合、排気ガス中に窒素酸化物が生じやすい傾向がある。そのため、パージ通路内の残存ガスの濃度が所定値より濃い場合、パージ通路内の掃気を行わず、ガス濃度C11に基づいて、制御弁26の開度、ポンプ52の出力等を決定する。
【0053】
図19は、図20のタイミングt5以降のパージガスの供給量を調整方法を示している。タイミングt5でパージが開始されると、タイミングt5〜t6の間、ポンプ52が駆動し、制御弁26がオンし、吸気管34にパージガスが供給される。ステップS40では、タイミングt5以降に、パージオフの信号が出力された否かを判定する。パージオフの信号が出力されると(ステップS40:YES)、制御弁26をオフする(ステップS41,タイミングt6)。タイミングt6では、ポンプ52の駆動を維持する(タイミングt6〜t7)。タイミングt6〜t7の間に、パージ通路内のガス濃度C13を検出する(ステップS42)。ガス濃度C13を検出後、ポンプをオフする(ステップS43,タイミングt7)。その後、パージオンの信号が出力されたときに(タイミングt8)、制御弁26をオンし、ポンプ52をオンする(ステップS44)。
【0054】
タイミングt8〜t9の間、ガス濃度C13に基づいて、制御弁26の開度、ポンプ52の出力等を決定する。タイミングt9〜t11では、タイミングt6〜t8と同じ動作を行う。すなわち、パージがオフの状態(t9〜t11)で所定時間ポンプ52を駆動(t9〜t10)し、ガス濃度C14を検出する。
【0055】
上記方法は、パージオフ(制御弁閉)の状態でパージガスの濃度を検出し、そのガス濃度に基づいてパージオンのときの制御弁26の開度,ポンプ52の出力を制御する。パージを開始するときにパージガスの濃度が既知であるので、より正確にパージガスの供給量を調整することができる。また、エンジン2が始動してパージを開始するまでの間にパージ通路内を掃気するので、パージが開始されるときには、キャニスタ19から供給されるパージガスの濃度を、パージ供給量によく反映させることができる。また、パージ通路内を掃気する際も、掃気前にパージ通路内に残留しているパージガスの濃度を検出するので、掃気の際にA/Fが大きく乱れることも防止することができる。
【0056】
図22から図26を参照し、パージ中にパージガスの濃度が変化したときに、パージガスの供給量を調整する他の方法について説明する。この方法は、分岐経路22bを備えており、吸気管34へのパージガスの供給を停止した状態でパージガスの濃度を検出するタイプの蒸発燃料処理装置(蒸発燃料処理装置20a,20b、20c及び20d)で実行することができる。この方法では、エンジン2の温度変化に基づいて、パージガスの濃度を補正しながら、吸気管34にパージガスを供給する。図25及び図26は、パージを行うタイミングと、制御弁26のオン・オフ状態を示すタイミングチャートである。制御弁26は、ECU100の制御信号によってオン・オフ状態が制御される。
【0057】
典型的に、エンジンを始動した後、エンジンの温度が上昇する。エンジンの温度が上昇すると、パージ通路の温度も上昇し、パージ通路内のパージガスの濃度が変化する。エンジンの温度変化に基づいてパージガスの濃度を検出することにより、パージガスの濃度を正確に検出することができ、A/Fが大きく乱れることを防止することができる。なお、エンジンの駆動に伴い、エンジン水温(冷却水の温度)は上昇する。本方法では、エンジン水温が所定値を超えているか否かにより、パージガス濃度の検出方法を変更する。
【0058】
図22のステップS50では、エンジン水温が第1所定値(例えば15℃)を超えたか否かを判断する。エンジン水温が第1所定値を超えていない場合(ステップS50:NO)、エンジン水温が第1所定値を超えるまでエンジン水温の計測を繰り返す。エンジン水温が第1所定値を超えた後(ステップS50:YES)、ECU100にパージガスのガス濃度履歴が記憶されていない場合(ステップS51:YES)、制御弁26を閉じた状態で、パージガスの濃度の測定を開始する(ステップS52,タイミングt20〜t21)。制御弁26を閉じた状態でのパージガス濃度の測定は、上述した方法で行うことができる。パージガスの濃度が安定したときのガス濃度C15を、ガス濃度履歴としてECU100に記憶し、ガス濃度記憶履歴をON状態にする(ステップS53,タイミングt21)。
【0059】
ガス濃度記憶履歴をON状態にした後、制御弁26をオンし、パージを開始する(ステップS54,タイミングt22)。パージを開始する際、ガス濃度C15に基づいて、制御弁26の開度及びポンプ52の流量(出力)を決定する。なお、ECU100にパージガスのガス濃度が記憶されている場合(ステップS51:NO)、記憶されているガス濃度に基づいてパージを開始する。すなわち、ガス濃度が記憶されていない状態(ガス濃度記憶履歴OFF)の場合は、パージ(エンジン始動後の最初のパージ)を開始しないで、ガス濃度を測定し、パージを開始する。パージ中は、エンジン水温が第2所定値(例えば60℃)未満か(ステップS55:YES)、第2所定値以上(ステップS55:NO)かを測定する。本方法では、エンジン水温が第2所定値未満か否かにより、パージガス濃度の補正方法が異なる。第2所定値以上の場合、図23のステップ56の処理に進む。ステップS56でパージオン(制御弁26オン)の場合(ステップS56:YES)、A/Fセンサからのフィードバックずれ量が所定値A1以下の場合(ステップS57:NO)は、パージを継続する(ステップS58)。A/Fセンサからのフィードバックずれ量が所定値A1より大きい場合(ステップS57:YES)については後述する。なお、A/Fセンサからのフィードバックずれ量を利用し、パージを停止することなく(パージを継続したまま)、フィードバックずれ量に基づいてECU100に記憶されているパージガスの濃度を補正してもよい。ガス濃度を補正することによって、より正確にパージガスの供給量を調整することができる。
【0060】
ステップS56において、パージがオフの場合(タイミングt23,ステップS56:NO)、ステップS59に進み、パージオフの期間(タイミングt23〜t24)が所定時間T1より長いか否かを判断する。期間t23−t24が所定時間T1より長い場合(ステップS59:YES)、パージオフの状態でパージガスの濃度を測定する(ステップS60)。パージガスの濃度が安定したときのガス濃度C16をECU100に記憶し(ステップS61)、次のパージ開始のタイミングt24において、図22のステップS54に戻り、濃度C16に基づいて、制御弁26の開度及びポンプ52の流量を制御し、パージを継続する。
【0061】
ステップS59において、例えば期間t25−t26のように、パージオフの期間が所定時間T1より短い場合(ステップS59:NO)、パージオフ中にパージガスの濃度を検出することができない。この場合、パージをオフした時(タイミングt25)のときにECU100に記憶されているガス濃度C16(前回パージオフしたときに測定したガス濃度)を、次のパージのタイミング(タイミングt26)で用いるガス濃度C17として記憶する(ステップS62)。その後、図20のステップS54に戻り、ガス濃度C17(ガス濃度C16)に基づいて、制御弁26の開度及びポンプ52の流量を制御し、パージを継続する。
【0062】
ここで、図26を参照し、図23のステップS57にてA/Fセンサからのフィードバックずれ量が所定値A1より大きい場合(ステップS57:YES)について説明する。この場合、パージオン状態であっても(タイミングt22〜t23)、所定時間制御弁26をオフし(ステップS63,タイミングt22a)、パージガスの濃度C19を測定する(ステップS64)。すなわち、実質的にパージをオフする。パージガスの濃度が安定したときのガス濃度C19をECU100に記憶し(ステップS65)、パージを再開(制御弁をオン)する(ステップS66,タイミングt22b)。タイミングt22bで図22のステップS54に戻り、ガス濃度C19に基づいて、制御弁26の開度及びポンプ52の流量を制御し、パージを継続する。
【0063】
次に、図24及び図25を参照し、図22のエンジン水温が第2所定値以上(ステップS55:NO)の場合について説明する。典型的に、車両では、エンジン水温が第2所定値(例えば60℃)以上になると、A/F学習を開始する。エンジン水温が第2所定値以上(ステップS55:NO)になると、制御弁26をオフしてパージを停止する(ステップS70,タイミングt27)。パージを停止した状態で、パージガス濃度の測定及びA/F学習を開始する(ステップS71)。パージガスの濃度が安定しない場合(ステップS72:NO)、パージガスの濃度が安定するまで検出を続ける。パージガスの濃度が安定した後(ステップS72:YES)、検出したガス濃度C18をECU100に記憶する(ステップS73)。その後、A/F学習が完了しているか否かを判定する(ステップS74)。A/F学習が完了している場合(ステップS74:YES)、制御弁26をオンし(ステップS75,タイミングt28)し、ガス濃度C18をA/Fフィードバックにより補正した濃度に基づいて、制御弁26の開度(デューティ比)及びポンプ52の流量を制御し、パージを継続する。
【0064】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0065】
2:内燃機関
14:燃料タンク
19:キャニスタ
20:蒸発燃料処理装置
22a:パージ通路
34:吸気経路
57:濃度検出部
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