(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559654
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】体外血流をモニタリングするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61M 1/14 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
A61M1/14 100
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-514346(P2016-514346)
(86)(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公表番号】特表2017-500898(P2017-500898A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】EP2014060171
(87)【国際公開番号】WO2014187755
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2017年4月26日
(31)【優先権主張番号】102013008720.1
(32)【優先日】2013年5月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501276371
【氏名又は名称】フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】コッペルシュミット、パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ニュルンベルガー、トーマス
【審査官】
小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−027801(JP,A)
【文献】
特開2000−140101(JP,A)
【文献】
特開平02−007938(JP,A)
【文献】
特表2008−541902(JP,A)
【文献】
国際公開第97/010013(WO,A1)
【文献】
特開2006−297143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14 − 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外血液処理装置のために体外血流をモニタリングする装置であって、
前記体外血液処理装置が、
血液処理ユニット(1)につながり、動脈患者接続(5)を有する動脈枝(6)と前記血液処理ユニットから出ていく静脈枝(7)とを備える体外血流(I)を有し、そこにおいて静脈カットオフユニット(17)が静脈患者接続(8)の上流に提供され、並びに前記体外血流の血液を送るための血液ポンプ(9)を有し、
前記モニタリングする装置が、制御および演算ユニット(15)を有し、それは動脈および/または静脈アクセスをモニタリングするための第一の方法および第二の方法が行われ、そのそれぞれにおいて少なくとも1つの判定基準の存在がチェックされ、それは適切な状態にはない血管アクセス状況の特徴であり、前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準と前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準とが互いに区別されるように、並びに適切な状態にはない血管アクセスが、前記第一および第二の方法を用いる前記モニタリングに基づいて成立され得るように構成されており、
前記制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、制御信号が前記血液ポンプ(9)を停止するために発生され、一方では、前記静脈カットオフユニット(17)が開放されたままであるように構成されていることと、
ひとたび前記血液ポンプ(9)を停止するための前記制御信号が発生されれば、前記少なくとも1つの判定基準の存在が前記第二の方法を用いてチェックされることと、
前記第二の方法のための前記少なくとも1つの判定基準が存在するときには、前記静脈カットオフユニット(17)を閉鎖するための制御信号が発生され、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在しないときには、前記血液ポンプ(9)を起動するための制御信号が発生されることと
を特徴とする装置。
【請求項2】
動脈カットオフユニット(16)が、前記動脈患者接続(5)の前記動脈枝(6)の下流に提供され、前記制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、前記動脈および静脈カットオフユニット(16,17)は開放されたままであり、ひとたび前記血液ポンプ(9)が停止されれば、前記第二の方法に従って前記少なくとも1つの判定基準の存在がチェックされ、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在するときには、前記動脈および静脈カットオフユニット(16,17)が閉鎖され、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在しないときには、前記血液ポンプ(9)が再開されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記モニタリングする装置は、警報ユニット(19)を有し、前記制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、警報が提供されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記モニタリングする装置は、第一および第二の警報発生器(19A,19B)を備える警報ユニット(19)を有し、前記制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第一の警報信号が発生され、並びにひとたび前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第二の警報信号が発生されるように構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記第一および/または第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が、前記体外血流(I)の前記動脈および/または静脈枝(6,7)内で測定される特徴変数の変化であるか、または前記静脈および/または動脈の穿刺部位での前記体外血流の前記動脈および/または静脈枝の外部において測定される特徴変数の変化であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記特徴変数が、前記動脈および/または静脈アクセスの状況の関数としての前記体外血流(I)の前記動脈および/または静脈枝(6,7)内での圧力の変化またはプレッシャーパルスの変化であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が、前記体外血流に接続された前記患者における生理学的事象、特に前記患者の心拍に由来する前記体外血流(I)の前記動脈および/または静脈枝(6,7)内において測定される前記プレッシャーパルスの当該変化であることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記モニタリングする装置が、圧力測定ユニット(18)を備え、前記制御および演算ユニット(15)は、前記患者の当該心拍によって引き起こされる前記プレッシャーパルスが、前記体外血流(I)の前記動脈および静脈枝(6,7)内において測定され、前記動脈枝で測定される当該プレッシャーパルスの振幅が第一の範囲と比較され、前記静脈枝で測定される当該プレッシャーパルスの当該振幅が第二の範囲と比較されるように構成されており、そこにおいて、前記制御および演算ユニット(15)は、前記血液ポンプ(9)を作動させるための当該制御信号が、前記動脈枝(6)において測定された当該プレッシャーパルスの当該振幅が前記第一の範囲よりも大きく、並びに前記静脈枝(7)において測定された当該プレッシャーパルスの当該振幅が前記第二の範囲よりも大きいときに、発生されるように構成されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記モニタリングする装置はタイミングエレメント(15A)を有し、前記制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記血液ポンプ(9)が停止されれば、前記タイミングエレメント(15A)が起動し、時間間隔が経過したときに前記静脈カットオフユニット(17)を閉鎖するための制御信号が発生されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記血液ポンプ(9)が、密閉ポンプであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
体外血液処理のための装置であって、その装置は、血液処理ユニット(1)につながり、動脈患者接続(5)を有する動脈枝(6)と前記血液処理ユニット(1)から出ていく静脈枝(7)とを備える体外血流(I)を有し、そこにおいて静脈カットオフユニット(17)が、静脈患者接続(8)の上流に提供され、並びに前記体外血流(I)の血液を送るための血液ポンプ(9)、前記血液ポンプ(9)と前記静脈カットオフユニット(17)とを制御するための中央制御および演算ユニット(15)を有しており、前記体外血液処理のための装置が、請求項1〜10のいずれかに記載の前記体外血流をモニタリングする装置を有し、前記中央制御および演算ユニット(15)は、前記血液ポンプ(9)と前記静脈カットオフユニット(17)とを制御するために、それにより前記血液ポンプ(9)を停止するための前記モニタリングする装置からの当該制御信号の受信の後に前記血液ポンプが停止され、前記血液ポンプを起動するための前記モニタリングする装置からの当該制御信号の受信の後に前記血液ポンプが起動され、前記静脈カットオフユニット(17)が、前記静脈カットオフユニットを停止するための当該制御信号の受信の後に停止されるように構成されることを特徴とする装置。
【請求項12】
体外血液処理装置、及び当該体外血液処理装置をモニタリングする装置の作動方法であって、
前記体外血液処理装置が、血液処理ユニットにつながり、動脈患者接続を有する動脈枝と前記血液処理ユニットから出ていく静脈枝とを備える体外血流を有し、そこにおいて静脈カットオフユニットが静脈患者接続の上流に置かれ、並びに前記体外血流の血液を送るための血液ポンプを有し、
前記モニタリングする装置が、制御および演算ユニットを有し、
前記静脈カットオフユニットが、前記静脈患者接続の前記静脈枝の上流に置かれ、
前記方法は、
前記体外血液処理装置により、患者からの血液を、動脈患者接続から前記体外血流の動脈枝を通って血液処理ユニット中へ、前記血液処理ユニットから外へ出て前記体外血流の静脈枝を通って静脈患者接続へ血液ポンプにより運ぶこと、
前記制御及び演算ユニットにより、動脈および/または静脈アクセスをモニタリングするための第一の方法と第二の方法とを行い、それらの方法において、適切な状態にはない血管アクセス状況の特徴を示す少なくとも1つの判定基準の存在をチェックし、前記第一の方法の当該少なくとも1つの判定基準と前記第二の方法の当該少なくとも1つの判定基準とを、互いに区別すること、適切な状態にはない血管アクセスが、前記第一および前記第二の方法を用いるモニタリングに基づいて成立されること、
前記制御及び演算ユニットにより、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在していることが成立されれば、前記血液ポンプを停止し、一方で前記静脈カットオフユニットは開放されたままとすること、並びに
前記制御及び演算ユニットにより、ひとたび前記血液ポンプが停止されたならば、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在をチェックし、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在するときには、前記静脈カットオフユニットを閉鎖し、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在しないときには、前記血液ポンプを再開すること
を特徴とする作動方法。
【請求項13】
動脈カットオフユニットが前記動脈患者接続の前記動脈枝の下流に置かれ、前記制御及び演算ユニットにより、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、前記動脈および静脈カットオフユニットは開放されたままとし、ひとたび前記血液ポンプが停止されれば、前記第二の方法に従って当該少なくとも1つの判定基準の存在をチェックし、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在するときには、前記動脈および静脈カットオフユニットを閉鎖し、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在しないときには、前記血液ポンプを再開することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御及び演算ユニットにより、ひとたび前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、警報を与えることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記制御及び演算ユニットにより、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第一の警報信号を発生し、ひとたび前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第二の警報信号を発生することを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記第一および/または第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が、前記体外血流の前記動脈および/または静脈枝において測定される特徴変数の変化、または前記静脈および/または動脈の穿刺部位での前記体外血流の前記動脈および/または静脈枝の外部で測定される特徴変数の変化であることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記特徴変数が、前記動脈および/または静脈アクセスの状況の関数としての前記体外血流の前記動脈および/または静脈枝内の圧力の変化またはプレッシャーパルスの変化であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が、前記体外血流の前記動脈および/または静脈枝において測定されるプレッシャーパルスの変化であり、前記プレッシャーパルスが、前記体外血流に接続された患者における生理学的事象、特に前記患者の心拍に由来することを特徴とする請求項12〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記制御及び演算ユニットにより、前記患者の当該心拍によって引き起こされる当該プレッシャーパルスを、前記体外血流の前記動脈および静脈枝において測定し、前記動脈枝で測定された前記プレッシャーパルスの振幅を第一の範囲と比較し、および/または前記静脈枝で測定された前記プレッシャーパルスの前記振幅を第二の範囲と比較し、前記血液ポンプを、前記動脈枝で測定された前記プレッシャーパルスの前記振幅が前記第一の範囲よりも大きいのみならず、前記静脈枝で測定された前記プレッシャーパルスの前記振幅も前記第二の範囲よりも大きいときに再始動することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記制御及び演算ユニットにより、ひとたび前記血液ポンプが停止したならば、前記血液ポンプの停止が経過したときに事前に指定された時間間隔が開始したのか否かをチェックし、前記時間間隔が経過した後に前記静脈カットオフユニットを閉鎖することを特徴とする請求項12〜19のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、体外血液処理装置を用いる体外血液処理中に体外血流をモニタリングするための方法に関する。本発明はさらに、体外血液処理装置のための体外血流をモニタリングするための装置、および体外血流をモニタリングするための装置を備える体外血液処理装置に関する。
【0002】
医学の分野において患者から液体(fluid)を取り出すこと、またはチューブを通して患者へ液体を供給することが可能であるものを用いる様々な装置が知られている。患者へのアクセスは、一般的に身体組織へ挿入されるカテーテル、または血管に穿刺するためのカニューレを用いて達成される。患者への適切なアクセスは、手続きまたは処理の期間に亘り確保されなければならない。したがって、患者アクセスをモニターすることが必要である。
【0003】
特に、体外血流を伴う体外血液処理装置は、患者への適切なアクセスを必要とする。既知のものの中では、体外血液処理装置は、例えば透析システムおよび血液成分分離装置であり、それは患者の血管系へのアクセスを必要とする。体外血液処理中に、血液は、例えば動脈穿刺カニューレを備える動脈管を使用して患者から取り出され、その血液は、静脈穿刺カニューレを備える静脈を通して患者へ再供給される。患者への動脈および静脈アクセスはまた、ダブルルーメンカテーテルの使用の間にモニターされてもよく、それは特に急性の体外血液処理のために用いられる。
【0004】
きわめて様々な原理に基づいて機能するモニタリング装置は、患者アクセスをモニタリングすることで知られている。しかしながら、これらモニタリング装置の全てに共通することは、それらが、血管アクセスの特徴が適切な状態ではないとみなされる特定の判定基準が存在しているか否かをチェックすることである。
【0005】
WO2006/008866A1およびUS6,445,304B1から知られるものは、モニタリング装置であり、それは適切な状態にある患者アクセスに特徴的な判定基準として穿刺部位の患者の皮膚が湿潤にないことを前提にしている。そのためにこれらモニタリング装置は、穿刺部位の患者の皮膚上に置かれる湿度センサーを有する。もし、患者アクセスが適切な状態にないならば、確実にその湿度センサーは穿刺ポイントで漏れている血液を検出するだろう。しかしながら、液体を有する穿刺位置の意図しない湿潤が、誤認警報につながり得るということは不都合である。
【0006】
患者アクセスをモニターするために、他のモニタリング装置は、体外血流の動脈および/または静脈枝において測定される特徴変数を評価する。モニタリング装置は、特徴変数として動脈および/または静脈枝における圧力をモニターすることが知られている。圧力の上昇または圧力の低下があるときに、血管アクセスが適切な状態にはないと推定される。さらにモニタリング装置は、体外血流の動脈および/または静脈枝における特徴的なプレッシャーパルス(pressure pulse)をモニターすることが知られている。これらのプレッシャーパルスは、体外血流において引き起こされるか、または体外血流に接続される患者の生理学的事象に由来し得る。例えば、体外血流においてプレッシャーパルスをモニターすることが知られ、そのパルスは、作動している血液ポンプによって体外流内で引き起こされるか、または患者の心拍によって当該血流の外部で引き起こされる。
【0007】
体外血流における圧力またはプレッシャーパルスの変化をモニターするモニタリング装置は、例えば、WO97/10013、WO2009/127683A1およびWO2010/149726A2に記載されている。
【0008】
EP0995451B1は、確実性を高めるために、動脈および静脈圧のモニタリングに基づく方法と不完全な血管アクセスを検出するための他の方法とを単に組み合わせることを提案する。WO2009/127683A1は、モニタリングのために複数の特徴変数を検出すること、並びに作動している血液ポンプによって引き起こされる患者の心拍に由来するプレッシャーパルスおよび作動している血液ポンプにより生ずるプレッシャーパルスを使用することを提案する。
【0009】
本発明の基本的な目的は、体外血液処理の安全性を高めること、さらに誤認警報の恐れを低下することである。
【0010】
この目的は、独立特許請求項の特徴で独創的に達成される。その従属項は、発明の好ましい実施形態に関する。
【0011】
本発明の方法および発明の装置は、動脈および/または静脈アクセスが第一の方法と第二の方法とを用いてモニターされていることを前提とし、その方法において、適切な状態にはない血管アクセス状況の特徴を示す少なくとも1つの判定基準の存在がチェックされ、第一の方法の判定基準と第二の方法の判定基準とは互いに区別される。適切な状態にはない患者アクセスは、第一および第二の方法を用いるモニタリングに基づいて成立され、適切な状態にはない血管アクセスは、第一の方法のための少なくとも1つの判定基準と第二の方法のための少なくとも1つの判定基準との両方が存在するときに成立される。適切な状態にはない血管アクセスの検出の信頼性は、冗長性の増大によって改善される。
【0012】
本発明の方法および発明の装置は、適切な状態にはない血管アクセスが高い確実性で検出される場合を除いて、体外血流の静脈枝における静脈カットオフユニットの閉鎖によって血液処理が中断されないことを提供する。別の方法では、血液処理は静脈カットオフユニットの閉鎖によって中断されない。実際には、これは不良に起因して公知の血液処理装置の静脈カットオフユニットが、必要とされる測定に従って医療スタッフによって行われる手動の介入によってのみ閉鎖が開かれることを認めるべきであると定められた閉鎖状態へと変わる場合に有利である。
【0013】
本発明の方法および発明の装置によれば、ひとたび第一の方法のための少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第一に血液ポンプのみが、これは好ましくは密閉血液ポンプであるが、停止され、しかし一方では、静脈カットオフユニットは依然として開放されたままである。ひとたび血液ポンプが停止されれば、第二の方法のための少なくとも1つの判定基準の存在がチェックされる。第二の方法のための少なくとも1つの判定基準が存在しない限りにおいて、静脈カットオフユニットは閉鎖されない。別の方法では、血液ポンプが再開されて、血液処理が継続される。ひとたび血液ポンプが起動されれば、カットオフユニットが解放される必要はないから、血液処理は手動の介入なしに継続され得る。対照的に、もし穿刺カニューレが血管アクセスから抜けていれば、換言すれば本当に不良があるならば、たとえカットオフユニットがまだ閉鎖されてさえいなくても、ひとたび好ましくは密閉血液ポンプが停止されれば、それ以上の血液をポンプによって静脈管の外に進めることができない。これが、全体として血液処理の安全性を増大し、血液処理における不必要な中断を回避する。
【0014】
本特許出願において、動脈患者接続に対する体外血流の動脈枝は、血液を患者から取り出すラインおよび針であると解釈されるものとし、そして静脈患者接続に対する体外血流の静脈枝は、血液を患者に戻すリターンラインおよび針であると解釈されものとする。したがって、「動脈患者接続に対する体外血流の動脈枝」および「静脈患者接続に対する体外血流の静脈枝」という用語のこの定義は、動脈−静脈および静脈−静脈のアクセスに等しく言い及ぶ。
【0015】
血液処理装置において、静脈カットオフユニットに加えて、それはまた動脈カットオフユニットを有し、ひとたび第一の方法のための少なくとも1つの判定基準が成立されれば、動脈および静脈カットオフユニットは開放を維持し、第二の方法のための少なくとも1つの判定基準が存在するときには、動脈および静脈カットオフユニットは閉鎖されている。
【0016】
一つの好ましい実施形態は、中断があるときには音および/または視覚的および/または触知可能な警報を提供し、ひとたび第二の方法のための少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、警報が発生する。
【0017】
一つのより好ましい実施形態において、ひとたび第一の方法のための少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第一の電気警報信号が発生し、ひとたび第二の方法のための少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第二の電気警報信号が発生する。第一の警報信号は、予備警報、例えば視覚的警報、特に医療スタッフに潜在的な事態を知らせるための透析装置または記録の制御パネル上のインジケーターを作動させ得る。従って、医療スタッフは、起こり得る中断に対して早めに注意を喚起され、遅くとも第二の警報の後には必要な対策をとることができる。
【0018】
本発明にとって、判定基準が血流をモニタリングするための第一の方法および第二の方法のための基準を形成することは重要ではない。第一の方法および第二の方法は、血管アクセスをモニタリングするための任意の所望の方法であり得る。原則として、不完全な血管アクセスの成立は、ただ一つのさらなる方法を用いて検証されるべき必要はなく、それは複数の方法を用いて検証されてもよい。当然に、適切な状態にはない血管アクセスのための一つの判定基準の存在は、適切な状態にある血管アクセスのための一つの判定基準の欠如と同等である。
【0019】
第一および/または第二の方法のための少なくとも1つの判定基準は、体外流の動脈および/または静脈枝内、または静脈および/または動脈の穿刺部位での体外流の動脈および/または静脈枝の外部において測定される特徴変数の変化であり得る。これに関連して、変数の変化はまた、不良の後にはもはや存在しない変数も含む。
【0020】
特徴変数は、動脈および/または静脈アクセスの状況の関数として、体外流の動脈および/または静脈枝内での圧力の変化またはプレッシャーパルスの変化であり得る。例えば、血圧の低下は継続的な血圧測定中に検出され得る。作動している血液ポンプまたは患者の心拍によって引き起こされるプレッシャーパルスが、測定され得る。血流をモニタリングするためのプレッシャーパルスはまた、カットオフユニットのわずかな開放および/または閉鎖、または血液ポンプによる輸送の形式または限外ろ過率の意図的な変化によっても引き起こされ得る。さらに、血流のわずかな温度変動を起こす可能性もある。
【0021】
本発明の方法および発明の装置は、適切な状態にはない血管アクセスの存在を検証するための第二の方法が、体外流へ接続された患者における生理学的事象、特に患者の心拍に由来する体外流の動脈および/または静脈枝において測定されるプレッシャーパルスの変化をモニタリングすることに基づいているときに特に有利であることが確認されている。カットオフユニットが開放されたときに血液ポンプを停止することは、患者における生理学的事象に由来するプレッシャーパルスを測定するための最適な必要条件を作り出す。血液ポンプが作動しているときには、これらのプレッシャーパルスは測定されないので、血液ポンプによって引き起こされるプレッシャーパルスと比較して、相対的に小振幅である当該プレッシャーパルスは、血液ポンプからのパルスによってオーバーレイされない。その結果として、比較的複雑な信号分析を用いて血液ポンプからのパルスからこれらのプレッシャーパルスを分離することは必要とはされない。
【0022】
一つのとりわけ好ましい実施形態において、患者の心拍によって引き起こされるプレッシャーパルスが、体外流の動脈および静脈枝において測定され、動脈枝での当該プレッシャーパルスの振幅が第一の範囲と比較され、静脈枝での当該プレッシャーパルスの振幅が第二の範囲と比較され、血液ポンプは、動脈枝で測定されたプレッシャーパルスの振幅が第一の範囲よりも大きいのみならず、静脈枝で測定されたプレッシャーパルスの振幅も第二の範囲よりも大きい場合にのみ再始動される。血流の動脈枝および静脈枝の両方をモニタリングすることは、不良の存在が高い確実性で排除できない限り、血液処理が継続されないことを保証する。
【0023】
もうひとつのとりわけ好ましい実施形態は、事前に指定された時間間隔が経過したときに、ひとたび血液ポンプが停止したならば、閉鎖されるべき静脈カットオフユニットを提供するものであり、そこにおいては動脈カットオフユニットも必要である。従って、それは不良がない時間帯の範囲内で設定されるべきであり、それにより血液ポンプが再開され得る。
【0024】
体外血流をモニタリングするための本発明の装置は、本発明の方法を実施するために必要な方法の工程が実行されるように構成された制御および演算ユニットを有する。制御および演算ユニットは、データ処理ユニット、例えばマイクロプロセッサであってもよく、そこにおいてデータ処理が実行される。
【0025】
モニタリングに関連のある変数は、既知の測定ユニットを用いて検出され得る。例えば、モニタリング装置は、圧力を測定するための圧力測定ユニットを有する。
【0026】
本発明のモニタリング装置は、好ましくは体外血液処理装置の構成要素であり、それによりモニタリング装置は、血液処理装置において存在する構成要素を使用することができる。ひいては、モニタリング装置における制御および演算ユニットは、血液処理装置のための制御および演算ユニットの構成要素であり得る。必要とされる構成要素は、それが命令をする全ての信号であると理解されるべき制御信号で制御され、または測定値が伝達され得る。
【0027】
本発明の例示的な実施形態は、体外血流をモニタリングするための装置を有する体外血液処理装置の必要不可欠な構成要素を示す一枚の図面を参照しながら、以下により詳細に説明されるものとする。
【0028】
図1は、体外血液処理装置、特に血液透析装置の必要不可欠な構成成分を示し、それは血管アクセスをモニタリングするための装置を有する。例示的な本実施形態において、モニタリング装置は血液透析装置の構成要素である。
【0029】
血液透析装置は、血液処理ユニットとして透析器またはフィルター1を有し、これは半透膜2によって血液チャンバ3と透析液チャンバ4とに分離する。動脈管6は、患者接続としての動脈穿刺カニューレ5により患者のフィステルまたはシャント(図示せず)に接続され、透析器1の血液チャンバ3への入口につながる。静脈管7は、患者接続としての静脈穿刺カニューレ8により患者のフィステルまたはシャントに接続され、これは透析器1の血液チャンバ3の出口から送られる。血液ポンプ9は動脈管6に接続され、体外血流Iに血液を送り込む。血液ポンプ9は、好ましくは密閉ポンプである。動脈および静脈管は、それぞれ体外血流の動脈および静脈枝6,7を形成している。
【0030】
透析器内の透析液流IIは透析液源10を含み、そこへ透析液供給ライン11が接続され、透析器の透析液チャンバ4の入口につながる。透析液送出ライン12は、透析器1の透析液チャンバ4の出口から出口13に通じている。透析液ポンプ(図示せず)は、透析液送出ライン12に接続されている。
【0031】
透析装置は中央制御および演算ユニット14で制御され、それは、マイクロプロセッサを有し、それは個々の構成要素を制御するために、並びに測定値を検出および評価するために必要とされる工程が行われるようにプログラムされている。例示的な本実施形態において、モニタリング装置における制御および演算ユニット15は、透析装置のための中央制御および演算ユニット14の構成要素である。
【0032】
動脈カットオフユニット16は、動脈のカニューレ5の下流および血液ポンプ9の上流の動脈管6上に提供され、静脈カットオフユニット17は、静脈カニューレ8の上流の静脈管7上に提供される。カットオフユニット16,17は、電磁的に作動可能な管クランプであり得る。しかしながら、基本的に動脈カットオフユニット16は省かれ得る。
【0033】
モニタリング装置はまた、圧力測定ユニット18を有し、それは動脈圧センサー18Aおよび静脈圧センサー18Bを備え、それらは動脈および静脈管6,7の圧力を測定するように構成されている。
【0034】
加えて、モニタリング装置は警報ユニット19を有し、それは例示的な本実施形態において血液処理装置のための警報ユニットの構成要素である。警報ユニット19は、第一の信号発生器19Aおよび第二の信号発生器19Bを有する。第一の信号発生器19Aは、予備警報のみを提供し、例えば視覚的信号、機械のスクリーン上の表示、または対応する記録のみであり、一方、第二の信号発生器19Bは、直ちに知覚できる音および/または視覚的および/または触知可能な警報を提供する。
【0035】
個々の構成要素を制御するためにおよび測定値を検出するために、血液ポンプ9は、制御ライン9‘で中央制御および演算ユニット15に、制御ライン19‘で警報ユニット19に、制御ライン16‘,17‘で動脈および静脈カットオフユニット16,17に、並びに制御ライン18A‘,18B‘で動脈および静脈圧センサー18A,18Bに接続されている。
【0036】
制御および演算ユニット15は、血液処理中に動脈および静脈圧が圧力センサー18A,18Bを用いて継続的に測定されるようにプログラムされている。血管アクセス、特に静脈アクセスをモニタリングするために、測定された圧力値は特徴的な値を計算するために用いられ、それは事前に指定された範囲と比較される。制御および演算ユニット15は、動脈および静脈圧測定結果の和および/または差が事前に指定された範囲外であるときには、起こり得る不完全な血管アクセスの可能性があることを発見する。この方法は、WO2008/006559A1に詳細に記載されているが、しかしながらそれは一つのモニタリング方法の一例でしかない。あるいは、血液ポンプ9によって生じる圧力信号もまた、評価され得る。しかしながら、湿度センサーを用いて血管アクセスをモニターすることもまた可能である。例えば、湿度センサーなどを備える一つのモニタリング装置は、WO2011/116943から知られている。
【0037】
もし、不完全な血管アクセスの存在が前述に記載されている方法を用いて成立されれば、換言すれば、動脈および静脈圧測定結果の和および/または差が事前に指定された範囲外であるとき、制御および演算ユニット15は血液ポンプのための制御信号を発生し、それにより血液ポンプ9が停止される。しかしながら、動脈および静脈管クランプ16,17は開放のままである。制御および演算ユニット15はさらに、警報ユニット19のための制御信号を発生し、それにより第一の信号発生器19Aは予備警報を提供する。加えて、制御および演算ユニット15のためのタイミングエレメント15Aが、起動される。
【0038】
従って、密閉血液ポンプ9は体外流の動脈枝6を動脈血管アクセスから分離する。もし、静脈カニューレが静脈血管アクセスから抜けているのであれば、これが静脈穿刺カニューレ8からの血液がポンプで送られることを防止する。この不良は、次の第二のモニタリング方法を用いて検証され、それは判定基準をモニターすることに関して第一の方法とは異なる。
【0039】
例示的な本実施形態において、第二のモニタリング方法はプレッシャーパルスをモニタリングするための方法であり、当該プレッシャーパルスは動脈および静脈管6,7を取り付けられた患者の心拍によって引き起こされる。管クランプ16,17がさらに解放のままであるときには、心臓によって引き起こされるこれらのプレッシャーパルスは管系統へ伝播し得るため、それらは動脈および静脈圧センサー18A,18Bによって検出される。血液ポンプ9はアイドル状態にあるから、プレッシャーパルスは血液ポンプによって引き起こされてはいない。したがって、心臓によって生じた本質的なプレッシャーパルスのみが、動脈および静脈圧センサーによって検出される。これらのプレッシャーパルスは、血液ポンプ9からのプレッシャーパルスによって少なくともオーバーレイされてはない。制御および演算ユニット15において、干渉する信号は心臓のプレッシャーパルスから取り除かれ、次に、後者は不完全な血管アクセスがあるのか否かを公知の方法を用いて成立できるようにするために評価される。心臓のプレッシャーパルスの検出はまた、圧力の変動のスペクトル分析を含み得る。WO97/10013は、例えばモニタリング方法などを記載している。
【0040】
体外流の動脈枝における動脈プレッシャーパルスまたは静脈枝における静脈プレッシャーパルスの評価は、原則として不完全な血管アクセスを成立するために十分である。静脈プレッシャーパルスは、好ましくは静脈側の不完全な静脈アクセスを成立可能にするためにモニターされる。一つの例示的な実施形態は、心臓の動脈プレッシャーパルスおよび心臓の静脈プレッシャーパルスの両方の評価を提供する。
【0041】
一つの例示的な実施形態において、制御および演算ユニット15が具現化され、それによれば動脈枝での当該プレッシャーパルスの振幅が第一の範囲と比較され、静脈枝でのプレッシャーパルスの振幅が第二の範囲と比較され、血液ポンプは、動脈枝で測定されたプレッシャーパルスの振幅が第一の範囲よりも大きく、静脈枝で測定されたプレッシャーパルスの振幅が第二の範囲よりも大きい場合に再始動される。しかしながら、血液ポンプを起動するための一つの代替的な判定基準はまた、静脈プレッシャーパルスのみの測定結果でもあってもよい。
【0042】
一つのとりわけ好ましい実施形態は、動脈および静脈プレッシャーパルスの両方の周波数をモニタリングすることを提供する。この実施形態において、制御および演算ユニット15が具現化され、それによれば動脈プレッシャーパルスの周波数が静脈プレッシャーパルスの周波数と比較される。もし、周波数の差が事前に指定された範囲よりも大きいときには、たとえ動脈および静脈圧の信号の両方が検出されていても、適切な状態にはない状況が検知される。
【0043】
心臓のプレッシャーパルスが体外血流の動脈および静脈枝において検出されるときには、制御および演算ユニット15は、不良がないことを検知する。この場合には、制御および演算ユニット15は制御信号を発生し、それにより血液ポンプ9が再開され、血液処理が継続される。その結果として、血液処理はわずかな期間のみに亘り中断され、血液処理は医療スタッフからの介入なしに自動的に継続される。
【0044】
心臓からのプレッシャーパルスが体外血流の静脈枝において検出され、プレッシャーパルスが体外流の動脈枝において検出されないときには、制御および演算ユニット15はまた、必ずしも不良がないことを検知する。この場合には、制御および演算ユニット15は制御信号を発生し、それにより血液ポンプ9が再開され、血液処理が継続される。その結果として、血液処理はわずかな期間のみに亘り中断され、血液処理は医療スタッフからの介入なしに自動的に継続される。この場合には、予備警報があってもよい。
【0045】
対照的に、心臓からのプレッシャーパルスが静脈ライン7において検出されないときには、実際には適切な状態にはない血管アクセスがあることが検知され、血液処理は中断される。
【0046】
不良はまた、心臓からのプレッシャーパルスが動脈および静脈ライン16,17において検出されないときにも検知される。この状況は、それが生じるためには両方のカニューレが同時に切断されなければならないから、実際にはおそらくごくまれに起こるだけであろう。
【0047】
そのような不良が示唆されるときには、制御および演算ユニット15は動脈および静脈カットオフユニット16,17のための制御信号を発生し、それによりカットオフユニットは閉鎖される。従って、動脈および静脈ライン6,7は患者から完全に閉鎖される。制御および演算ユニット15は、さらに警報ユニット19のための制御信号を発生し、それにより第二の信号発生器19Bは好ましくは音警報を提供する。音警報の後には、医療スタッフは必要な対策をとることができる。
【0048】
予め検出された不良の検証中に、制御および演算ユニット15はタイミングユニットエレメントによって事前に指定されたある時間間隔が経過したかの否かを継続的にモニターする。ひとたび当該時間間隔が経過していれば、動脈および静脈管クランプ16,17は、安全性の理由から自動的に閉鎖される。これは不良を検証し、限られた一時的な範囲内で血液処理を継続し得る可能性のみを確保する。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]体外血流を備える体外血液処理装置を用いる体外血液処理中に体外血流をモニタリングする方法であって、そこにおいて患者からの血液は、動脈患者接続から前記体外血流の動脈枝を通って血液処理ユニット中へ、前記血液処理ユニットから外へ出て前記体外血流の静脈枝を通って静脈患者接続へ血液ポンプにより運ばれ、静脈カットオフユニットが前記静脈患者接続の前記静脈枝の上流に提供されており、
以下の工程:
動脈および/または静脈アクセスが第一の方法と第二の方法とを用いてモニターされており、それらの方法において、適切な状態にはない血管アクセス状況の特徴を示す少なくとも1つの判定基準の存在がチェックされ、前記第一の方法の当該少なくとも1つの判定基準と前記第二の方法の当該少なくとも1つの判定基準とが、互いに区別されること、
適切な状態にはない血管アクセスが、前記第一および前記第二の方法を用いるモニタリングに基づいて成立されること
を有しており、
ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在していることが成立されれば、前記血液ポンプが停止され、一方で前記静脈カットオフユニットは開放されたままであること、並びに
ひとたび前記血液ポンプが停止されたならば、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在がチェックされること、
前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在するときには、前記静脈カットオフユニットは閉鎖され、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在しないときには、前記血液ポンプが再開されること
を特徴とする方法。
[2]動脈カットオフユニットが前記動脈患者接続の動脈枝の下流に提供され、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、前記動脈および静脈カットオフユニットは開放されたままであり、ひとたび前記血液ポンプが停止されれば、前記第二の方法に従って当該少なくとも1つの判定基準の存在がチェックされ、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在するときには、前記動脈および静脈カットオフユニットは閉鎖され、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在しないときには、前記血液ポンプが再開されることを特徴とする[1]に記載の方法。
[3]ひとたび前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、警報が与えられることを特徴とする[1]または[2]に記載の方法。
[4]ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第一の警報信号が発生され、ひとたび前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第二の警報信号が発生されることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記第一および/または第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が、前記体外流の動脈および/または静脈枝において測定される特徴変数の変化、または前記静脈および/または動脈の穿刺部位での前記体外流の前記動脈および/または静脈枝の外部で測定される特徴変数の変化であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記特徴変数が、前記動脈および/または静脈アクセスの状況の関数としての前記体外流の前記動脈および/または静脈枝内の圧力の変化またはプレッシャーパルスの変化であることを特徴とする[5]に記載の方法。
[7]前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が、前記体外流の前記動脈および/または静脈枝において測定されるプレッシャーパルスの変化であり、前記プレッシャーパルスが、前記体外流に接続された患者における生理学的事象、特に前記患者の心拍に由来することを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記患者の当該心拍によって引き起こされる当該プレッシャーパルスが、前記体外流の前記動脈および静脈枝において測定され、前記動脈枝で測定された前記プレッシャーパルスの振幅が第一の範囲と比較され、および/または静脈枝で測定された前記プレッシャーパルスの振幅が第二の範囲と比較され、前記血液ポンプが、前記動脈枝で測定された前記プレッシャーパルスの前記振幅が前記第一の範囲よりも大きいのみならず、前記静脈枝で測定された前記プレッシャーパルスの振幅も前記第二の範囲よりも大きいときにのみに再始動されることを特徴とする[7]に記載の方法。
[9]ひとたび前記血液ポンプが停止したならば、前記血液ポンプの停止が経過したときに事前に指定された時間間隔が開始したのか否かがチェックされ、前記時間間隔が経過した後に前記静脈カットオフユニットが閉鎖することを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]体外血液処理装置のために体外血流をモニタリングする装置であって、
前記体外血液処理装置が、
血液処理ユニット(1)につながり、動脈患者接続(5)を有する動脈枝(6)と前記血液処理ユニットから出ていく静脈枝(7)とを備える体外血流(I)を有し、そこにおいて静脈カットオフユニット(17)が静脈患者接続(8)の上流に提供され、並びに前記体外流の血液を送るための血液ポンプ(9)を有し、
前記モニタリング装置が、制御および演算ユニット(15)を備え、それは前記動脈および/または静脈アクセスをモニタリングするための第一の方法および第二の方法が行われてもよく、そのそれぞれにおいて少なくとも1つの判定基準の存在がチェックされ、それは適切な状態にはない血管アクセス状況の特徴であり、前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準と前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準とが互いに区別されるように、並びに
適切な状態にはない血管アクセスが、前記第一および第二の方法を用いるモニタリングに基づいて成立され得るように
構成されており、
制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、制御信号が前記血液ポンプ(9)を停止するために発生され、一方では、前記静脈カットオフユニット(16,17)が開放されたままであるように構成されていることと、
ひとたび前記血液ポンプ(9)を停止するための前記制御信号が発生されれば、前記少なくとも1つの判定基準の存在が前記第二の方法を用いてチェックされることと、
前記第二の方法のための前記少なくとも1つの判定基準が存在するときには、前記静脈カットオフユニット(17)を閉鎖するための制御信号が発生され、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在しないときには、前記血液ポンプ(9)を起動するための制御信号が発生されことと
を特徴とする装置。
[11]動脈カットオフユニット(16)が、前記動脈患者接続(5)の前記動脈枝(6)の下流に提供され、前記制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、前記動脈および静脈カットオフユニット(16,17)は開放されたままであり、ひとたび前記血液ポンプ(9)が停止されれば、前記第二の方法に従って前記少なくとも1つの判定基準の存在がチェックされ、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在するときには、前記動脈および静脈カットオフユニット(16,17)が閉鎖され、前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が存在しないときには、血液ポンプ(9)が再開されるように構成されていることを特徴とする[10]に記載の装置。
[12]前記モニタリング装置は、警報ユニット(19)を備え、前記制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、警報が提供されるように構成されていることを特徴とする[10]または[11]に記載の装置。
[13]前記モニタリング装置は、第一および第二の警報発生器(19A,19B)を備える警報ユニット(19)を有し、前記制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記第一の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第一の警報信号が発生され、並びにひとたび前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準の存在が成立されれば、第二の警報信号が発生されるように構成されることを特徴とする[10]〜[12]のいずれかに記載の装置。
[14]前記第一および/または第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が、前記体外流(I)の前記動脈および/または静脈枝(6,7)内で測定される特徴変数の変化であるか、または前記静脈および/または動脈の穿刺部位での前記体外流の前記動脈および/または静脈枝の外部において測定される特徴変数の変化であることを特徴とする[10]〜[13]のいずれかに記載の装置。
[15]前記特徴変数が、前記動脈および/または静脈アクセスの状況の関数としての前記体外流(I)の前記動脈および/または静脈枝(6,7)内での当該圧力の変化または当該プレッシャーパルスの変化であることを特徴とする[14]に記載の装置。
[16]前記第二の方法のための当該少なくとも1つの判定基準が、前記体外流に接続された前記患者における生理学的事象、特に前記患者の当該心拍に由来する前記体外流(I)の前記動脈および/または静脈枝(6,7)内において測定される前記プレッシャーパルスの当該変化であることを特徴とする[14]または[15]に記載の装置。
[17]前記モニタリング装置が、圧力測定ユニット(18)を備え、前記制御および演算ユニット(15)は、前記患者の当該心拍によって引き起こされる前記プレッシャーパルスが、前記体外流(I)の前記動脈および静脈枝(6,7)内において測定され、前記動脈枝で測定される当該プレッシャーパルスの当該振幅が第一の範囲と比較され、前記静脈枝での当該プレッシャーパルスの当該振幅が第二の範囲と比較されるように構成されており、そこにおいて、前記制御および演算ユニット(15)は、前記血液ポンプ(9)を作動させるための当該制御信号が、動脈枝(6)において測定された当該プレッシャーパルスの当該振幅が前記第一の範囲よりも大きく、並びに前記静脈枝(7)において測定された当該プレッシャーパルスの当該振幅が前記第二の範囲よりも大きいときに、発生されることを特徴とする[16]に記載の装置。
[18]前記モニタリング装置はタイミングエレメント(15A)を有し、前記制御および演算ユニット(15)は、ひとたび前記血液ポンプ(9)が停止されれば、前記タイミングエレメント(15A)が起動し、当該時間間隔が経過したときに前記静脈カットオフユニット(17)を閉鎖するための制御信号が発生されるように構成されていることを特徴とする[10]〜[17]のいずれかに記載の装置。
[19]前記血液ポンプ(9)が、密閉ポンプであることを特徴とする[10]〜[18]のいずれかに記載の装置。
[20]体外血液処理のための装置であって、その装置は、血液処理ユニット(1)につながり、動脈患者接続(5)を有する動脈枝(6)と前記血液処理ユニット(19)から出ていく静脈枝(7)とを備え、体外血流(I)を有し、そこにおいて静脈カットオフユニット(17)が、静脈患者接続(8)の上流に提供され、並びに前記体外流(I)の血液を送るための血液ポンプ(9)、前記血液ポンプ(9)と前記静脈カットオフユニット(17)とを制御するための中央制御および演算ユニット(15)を有しており、前記血液処理装置が、[10]〜[19]のいずれかに記載の前記体外血流をモニタリングするための装置を備え、前記中央制御および演算ユニット(15)は、前記血液ポンプ(9)と前記静脈カットオフユニット(17)とを制御するために、それにより前記血液ポンプ(9)を停止するための前記モニタリング装置からの当該制御信号の受信の後に前記血液ポンプが停止され、前記血液ポンプを起動するための前記モニタリング装置からの当該制御信号の受信の後に前記血液ポンプが起動され、前記静脈カットオフユニット(17)が、前記静脈カットオフユニットを停止するための当該制御信号の受信の後に停止されるように構成されることを特徴とする装置。