(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工具機械のためのターレット(100)であって、前記工具機械にある片を機械加工するために少なくとも1つの回転工具を旋回させるために前記回転工具を保持するように構成されており、
−前記工具機械によって支持された少なくとも1つのターレット本体(4)と、
−前記ターレット本体(4)によって支持された少なくとも1つの回転ドラム(5)であって、少なくとも2つの工具ホルダ(3)を支持し、少なくとも2つの前記工具ホルダ(3)には、少なくとも2つの回転工具(40)が取り付けられており、当該回転ドラム(5)が、前記ターレット本体(4)の外側を回転するように取り付けられている、回転ドラムと、
−前記ターレット本体(4)の内側にある凹所内に位置付けられた少なくとも1つの電気スピンドル(2)であって、当該電気スピンドル(2)が、垂直Y−Y軸の周囲に延在する、電気スピンドルと、
を備え、
−前記電気スピンドル(2)が、モータと、前記モータの運動を伝送するための回転シャフト(39)と、前記工具ホルダ(3)に連結するのに適した係合部分(6)と、を備え、
−前記工具ホルダ(3)それぞれが、前記回転ドラム(5)の回転軸に垂直な軸に沿って延在し、
−前記回転ドラム(5)が、前記ターレット本体(4)回りに回転可能に取り付けられており、それにより、前記工具ホルダ(3)それぞれを前記係合部分(6)と位置合わせするために回転させ、
前記ターレットが、直接的物理連結を介して前記回転シャフト(39)によって前記工具(40)を作動させ、前記回転シャフト(39)の前記係合部分を前記工具ホルダ(3)と直接係合させていることに特徴付けられており、
前記回転シャフト(39)が、一端部に設けられたロッド(99)と、前記ロッド(99)の頭端部と一体的なシリンダ状プライヤ(50)と、を有し、
前記ロッド(99)の前記頭端部が、前記垂直Y−Y軸に沿ってスライドし、それにより、前記シリンダ状プライヤ(50)の外径を増減させ、
前記工具ホルダ(3)それぞれが、前記シリンダ状プライヤ(50)を収容するのに適した座部を備えており、
前記ターレット(100)が、前記工具ホルダ(3)の少なくとも一部が前記係合部分(6)に係合されて前記工具(40)の回転を可能とする第1作業位置と、前記工具ホルダ(3)が前記係合部分(6)から係合解除される第2工具変更位置と、の間で、前記電気スピンドル(2)をY−Y軸に沿って垂直方向に平行移動させるための少なくとも1つの平行移動群を備えることを特徴とするターレット。
前記回転ドラム(5)が、当該回転ドラム自体の円周に沿って角度間隔をあけて取り付けられた複数の工具ホルダ(3)を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のターレット。
前記平行移動群が、前記電気スピンドル(2)をY−Y軸に沿って平行移動させるのに適した少なくとも1つのシリンダ(111)を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のターレット。
前記回転ドラム(5)が、当該回転ドラムに対する前記工具ホルダ(3)の複数の阻止素子(7)と、前記工具ホルダ(3)の複数の阻止デバイス(8)と、を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のターレット。
前記阻止デバイス(8)それぞれが、前記工具ホルダとの少なくとも1つの係合素子(12)と、前記工具ホルダ(3)と係合している前記係合素子(12)を押圧するための少なくとも1つの弾性素子(13)と、前記弾性素子(13)のための少なくとも1つのカウンタ素子(14)と、前記工具ホルダ(3)との前記係合素子(12)の係合のための解放デバイスと、を備えることを特徴とする請求項7に記載のターレット。
前記工具ホルダ(3’)の少なくとも一部が前記係合部分(6’)と係合されて前記工具(4’)の回転を可能とする作業位置と、前記工具ホルダ(3’)が前記係合部分(6’)から係合解除される工具変更位置と、の間で、前記第2電気スピンドル(2’)をX−X軸またはX−X軸に平行な方向に沿って水平方向に平行移動させるための他の平行移動群を備えることを特徴とする請求項9に記載のターレット。
【背景技術】
【0002】
例えば旋盤などの一部の工具機械は、1以上の回転工具を取り付けるためのターレットを有し、回転工具は、工具機械上にある片を処理するように、作動モータによって制御される。
【0003】
一部の既知の旋盤において、ターレットは、ターレットの固定ヘッドに取り付けられた旋回ブロックと、旋回ブロックに径方向に支持された回転工具及び他の処理工具の中から選択した複数の工具と、を有する。
【0004】
旋回ブロックをその軸回りに回転させると、支持された器具のうちの1つ(例えば回転工具)は、処理位置に移動させられ、この点において、モータを移動させ、それにより、旋回工具を作動させて旋回工具を工具の軸回りに回転させ、それにより、機械にある片を処理する。
【0005】
作動力または作動モータトルクは、例えばベルト、円錐歯車及びベアリングなどのような出力伝送装置体によって回転工具に伝送される。
【0006】
特許文献1は、上述したタイプのターレットを説明しており、このターレットには、回転ドラムに位置付けられた作動モータが設けられている。作動モータは、ターレットに取り付けられた回転工具に直接接続されており、それにより、連結機構を介して回転工具を回転させる(すなわち、出力は、機械的出力伝送装置群を用いて伝送される)。
【0007】
特許文献2は、その替わりに、旋盤のためのターレットを説明しており、このターレットは、作動モータからターレットに取り付けられた回転工具に駆動力を伝送するのに適している。出力は、円錐歯車及びベアリングを備える伝送装置群を介して伝送される。ターレットは、その中に伝送装置群を収容する中空回転ドラムを備える。
【0008】
出願人は、特許文献2で説明されている旋盤のような従来のタイプの旋盤のためのターレットにおいて、作動モータが回転工具に関して著しく離れた位置に位置しており、その結果、運動をモータから回転工具まで伝送するための機械的伝送装置群が複雑な構造を有さなければならないことに、気付いた。
【0009】
出願人は、現時点において、旋盤のためのターレットに取り付けられた工具の運動がベルト伝送装置及び歯車によって行われていることに、さらに気付いた。すなわち、工具は、作動モータから完全に独立しているデバイスに取り付けられている。工具を回転させるために、これらデバイスは、作動モータに対して、ベルト伝送装置及び歯車を用いて、または、特殊な結合体を介して、連結する。
【0010】
これら伝送装置システムは、処理精度に悪影響を与え、非常に複雑であり、特に効率的でありかつ迅速であることを依然として保証しない。
【0011】
特許文献3は、工具機械のためのターレットを示しており、工具ホルダは、間接係合を用いて電気スピンドルによって間接的に作動される。詳細には、この特許文献3がベルトまたは歯車作動手段の存在を示していないが、とにかく、電気スピンドルと工具ホルダとの間に介在された摩擦盤状結合体の存在を示している。上記摩擦盤状結合体には、一対のピンにおける複数の先端が取り入れられており、これらピンは、電気スピンドル自体から出て来る。出願人は、同様に、特許文献3に示す解決法に、結合体が処理精度に悪影響を及ぼしかつ機械の実現性を複雑にし、高トルクの伝送装置を危機的にしかつ高速で動作することに特徴がある欠点があることに、気付いた。
【0012】
実際のところ、盤状結合体の係合は、電気スピンドルのシャフトに由来する1対のピンにより、行われ、これらピンは、結合体自体にある凹所それぞれに係合する。ピンは、薄く、そのため、破砕される危険性を受ける。さらに、運動伝送装置は、電気スピンドルの回転軸と同軸ではない結合体を用いて行われており、ピンとピン自体の回転直径との間に隙間がある場合に、ピンと結合体との間の無視できない往復角度回転を回転中心からの高い距離が形成するので、連結を弱め、ピン自体を破損させることがある。
【0013】
特許文献4からは、工具機械のためのターレットが分かり、モータシャフトと工具ホルダとの間の運動転送は、工具ホルダとシャフト自体との間に介在している中間連結体を用いて、さらに間接係合を用いて、行う。この特許文献4において、モータは、固定されており、軸方向に移動できない。これにより、電気スピンドルと工具ホルダとの間の連結変化をより複雑にする。
【0014】
同じ構成は、同様に、特許文献5に見られ、この構成は、間接的機械係合を実現する場合に、回転シャフトと工具ホルダとの間に介在している結合体を用いて、電気スピンドルの回転シャフトと工具ホルダとの間で回転運動を伝送することを特徴とする。
【0015】
また、上述したすべての特許文献において、工具ホルダは、支持体に強固に接続されており、この支持体は、スピンドルに対して旋回する。その結果、作業段階中に、さまざまな作業力は、ベアリング上で旋回する工具ホルダによって支持されており、このベアリングは、順に、支持体に拘束されており、ホイールに挟まれている。
【0016】
そして、電気スピンドルは、さまざまな伝送装置システムを用いて、回転運動のみをさまざまな工具ホルダに伝送する。
【0017】
このシステムを用いて、工具それぞれのゼロ点は、常には同じではなく、スピンドルのシャフトとピンとの間の効果的な結合が顕著になっていく場合に、距離及び角度区分のようなホイール自体の製造精度に依存する。
【0018】
このシステムを用いて、工具の角度位置を制御できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、出願人は、従来技術の欠点を解決できる工具機械のためのターレットを提供する必要性があることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0021】
出願人は、作動モータと工具との間に機械的伝送装置を介在させずに回転工具の作動を直接行うターレットによって、上述した問題を解決し得ることに気付いた。
【0022】
このため、本発明は、まず、工具機械のためのターレットであって、工具機械にある片を機械加工するために少なくとも1つの回転工具を旋回させるために回転工具を保持するように構成されている、ターレットに言及しており、上記ターレットは、
−工具機械によって支持された少なくとも1つのターレット本体と、
−上記ターレット本体によって支持された少なくとも1つの回転ドラムであって、少なくとも2つの工具ホルダを支持し、少なくとも2つの工具ホルダには、少なくとも2つの回転工具が取り付けられており、上記回転ドラムが、上記ターレット本体の外側を回転するように取り付けられている、回転ドラムと、
−ターレット本体の内側にある凹所内に位置付けられた少なくとも1つの電気スピンドルであって、上記電気スピンドルが、垂直Y−Y軸の周囲に延在する、電気スピンドルと、
を備え、
−上記電気スピンドルが、モータと、上記モータに関連付けられた平行移動運動のための回転シャフトと、上記工具ホルダに連結するのに適した係合部分と、を備え、
−工具ホルダそれぞれが、垂直軸に沿って延在し、
−回転ドラムが、上記ターレット本体回りに回転可能に取り付けられており、それにより、工具ホルダそれぞれを上記係合部分と位置合わせするために回転させ、
上記ターレットが、直接的物理連結を介して上記回転シャフトによって上記工具を作動させ、上記回転シャフトの係合端部分を上記工具ホルダと直接係合させていることに特徴付けられる。
【0023】
好ましくは、上記直接的な軸方向係合は、上記工具ホルダの中央凹所または空洞に対応して行われる。この態様において、本発明は、以下で説明する好ましい特性のうちの少なくとも1つを示してもよい。
【0024】
本発明との関係で、電気スピンドルは、電気スピンドルのシャフトを回転させるのに適した一体化内蔵モータが備えられたスピンドルを意図する。
【0025】
好ましくは、上記回転シャフトの上記工具ホルダとの係合端部分は、上記工具ホルダの回転軸と同軸の係合端部分自体の軸を示しており、上記工具ホルダと上記電気スピンドルの上記シャフトとの間の直接的同軸係合を実現している。
【0026】
好ましくは、上記直接的同軸連結は、上記回転シャフトの上記係合端部分を上記中央凹所または空洞内に取外し可能に挿入していることに特徴付けられている。
【0027】
好ましくは、ターレットは、上記工具ホルダの少なくとも一部が上記係合部分に係合されて工具の回転を可能とする作業位置と、上記工具ホルダが係合部分から係合解除される工具変更位置と、の間で、上記電気スピンドルをY−Y軸に沿って垂直方向に平行移動させるための少なくとも1つの平行移動群を備える。
【0028】
有利には、回転ドラムは、回転ドラム自体の円周に沿って角度間隔をあけて取り付けられた複数の工具ホルダを備える。
【0029】
好ましくは、平行移動群は、上記電気スピンドルをY−Y軸に沿って平行に移動させるのに適した少なくとも1つのシリンダを備える。
【0030】
好都合には、回転ドラムは、上記ドラムに対する工具ホルダの複数の固定素子と、工具ホルダに対する複数の阻止デバイスと、を備える。
【0031】
有利には、阻止素子それぞれは、工具ホルダとの少なくとも1つの係合素子と、上記工具ホルダと係合している上記係合素子を押圧するための少なくとも1つの弾性素子と、上記弾性素子のための少なくとも1つのカウンタ素子と、上記工具ホルダとの上記係合素子の係合のための解放デバイスと、を備える。
【0032】
好ましくは、工具ホルダそれぞれは、上記回転シャフトのシリンダ状プライヤを収容するのに適した座部を備える。
【0033】
第2態様において、本発明は、上述したような工具機械のためのターレットの工具を変更するための方法に言及し、この方法は、
a)工具ホルダを電気スピンドルの係合部分から係合解除させるステップと、
b)上記電気スピンドルを上昇させ、それにより、シリンダ状部分が工具ホルダとの接触の結果として出て来るステップと、
c)上記係合素子を工具ホルダと係合させるステップと、
d)工具ホルダを上記係合部分から引っ張り出すまで、上記電気スピンドルを上昇させる運動を継続するステップと、
e)第2工具ホルダが電気スピンドルの上記係合部分と位置合わせさせるために上記回転ドラムを旋回させるステップと、
f)上記工具ホルダを少なくとも部分的に上記係合部分内に挿入するまで、電気スピンドルを降下させるステップと、
g)上記係合素子を工具ホルダから係合解除させるステップと、
h)工具ホルダを係合部分内に係合させるステップと、
を備える。
【0034】
本発明の他の特徴及び利点は、排他的ではなく、本発明にかかる電気スピンドルデバイスの及び上記電気スピンドルデバイスを用いた工具変更のための方法の実施形態のいくつかの好ましい形態の詳細な説明から明らかになる。
【0035】
この説明は、表示する目的のみであり限定するためではなく提供される添付の図面を参照して以下で示される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1から
図3を参照すると、本発明にかかる工具機械のためのターレットには、参照符号100が付されている。
【0038】
ターレット100は、少なくとも1つの回転工具を取り付けるように、かつ、工具機械にある片を処理することを可能とするために回転工具を回転させるように、設計されている。
【0039】
ターレット100は、工具機械によって支持された少なくとも固定されたターレット本体と、ターレット本体4によって回転可能に支持された少なくとも回転ドラム5と、を示す。
【0040】
回転ドラム5は、ターレット本体4の外部の周りから、
図1に示され紙面に垂直かつ紙面から出るX−X軸回りに回転する。
【0041】
回転ドラム5は、回転ドラムの外周にわたって径方向に配設された複数の工具ホルダ3を支持する。
【0042】
すなわち、工具ホルダ3は、回転ドラム5の外周に沿って配設されている。
【0043】
回転工具40は、工具ホルダ3それぞれ上に取り付けられている。
【0044】
適切な空洞内に位置する電気スピンドル2は、固定型ターレット本体4の内部に少なくとも存在する。
【0045】
電気スピンドルは、掘削、フライス加工、羽根加工(blading)、ネジ立て加工(tapping)、彫り加工(engraving)、穿孔、調整及び旋回の作業のために設計された電気機械構成部材である。
【0046】
電気スピンドル2は、
図1に良好に示されており、回転ドラム5の回転X−X軸に直交する垂直Y−Y軸回りに延在する。
【0047】
電気スピンドル2は、モータと、回転運動を工具40に伝送する回転シャフト39を示す。
【0048】
回転シャフト39は、モータに関連付けられており、その自由端部に対応して、すなわち、モータとは反対側に、係合部分6を有する。
【0049】
係合部分6は、工具ホルダ3の対応する円錐状部分を収容するのに適した円錐状座部として、係合部分自体を示す。
【0050】
上で予想されたように、回転ドラム5は、回転X−X軸回りに回転可能に取り付けられており、それにより、ターレット本体4の内部に配設された電気スピンドル2の係合部分6と位置合わせされた工具ホルダ3、結果としてその工具40を移動させるために回転させる。
【0051】
そして、工具ホルダ3の工具阻止デバイス48は、係合するために、係合部分6の円錐状座部内に収容されており
、電気スピンドル2を用いて、工具ホルダ3、結果として回転工具40を回転させる。
【0052】
工具阻止デバイス48は、工具ホルダ3を介した電気スピンドル2の回転シャフト39と工具40との間の直接的係合を可能とする。すなわち、用語「直接的係合」は、本発明によれば、回転シャフト39と工具ホルダ3との間に機械的運動伝送装置群を介在していないことを意図している。すなわち、電気スピンドル2の回転シャフト39の端部分または端部は、工具ホルダ3の回転本体に軸方向に取り込まれており、端部分または端部自体は、そのほぼ円錐状の部分と係合している。このため、この係合部分は、係合部分自体の軸が工具ホルダの回転軸と一致していることを示す。添付の図面において、電気スピンドルの回転シャフトと工具ホルダ3との間の直接的機械係合は、回転シャフトが工具ホルダの中央凹所の内側に嵌入することによって行われるが、この状況は、逆であってもよい。
【0053】
とにかく、これにより、電気スピンドル2と工具ホルダ3との間に隙間が存在する場合に作られ得る角度回転を排除することが可能になる。
【0054】
工具ホルダそれぞれが作業段階中に電気スピンドル2の回転シャフト39と直接係合されるので、本発明で説明したような直接的係合を介して、回転ドラム5にある工具すべての作業ゼロ点は、常に同じである。従来技術に関して発生することとは異なり、本発明の対象のターレットにおいて、電気スピンドルのシャフトは、ベアリングに取り付けられ、それにより、トルク力を支持する。
【0055】
すなわち、本発明の対象のターレットにおいて、回転ドラム5は、電気スピンドルに係合する準備が整う位置に工具を移送するためのみに使用される。これは、有利には、電気スピンドル2と工具ホルダ3との間の結合精度を改善することに寄与する。
【0056】
本発明の別の利点は、工具ホルダと一体的である電気スピンドルのシャフトを用いて、工具の回転が制御下にあること、であり、すなわち、処理中の工具の正確な角度位置を制御できる。エンコーダを介して、3秒度までの角度変位を制御できる。このシステムを用いて、ネジ切りし得る。
【0057】
スピンドルと工具ホルダとの間のさまざまな連結の間に隙間がある従来技術は、そのようなことを可能としない。
【0058】
有利には、さらに、電気スピンドルの回転軸と同軸で直接係合することは、本質的に強固であり、同様に、顕著な強度のトルクをうまく取り扱う。
【0059】
実際のところ、シリンダ状プライヤ50は、電気スピンドル2の回転シャフト39にあるロッド99の頭端部と一体的である一方、工具ホルダ3の対応する円錐状部分は、縮径セクション69を示す。
【0060】
シリンダ状プライヤ50には、周方向に配設されかつY−Y軸の方向に向けられた複数の切欠部が設けられている。シリンダ状プライヤの
外径を増大または減少させることを決定するために、ロッド99の頭端部は、シリンダ状プライヤ50に関して電気スピンドル2の上記シャフト39のY−Y軸に沿ってスライドできる。
【0061】
電気スピンドル2のロッド99の頭端部は、円錐状外面51を示しており、シリンダ状プライヤ50は、対応するシリンダ状内面を示す。
【0062】
図1及び
図2に示すように、ロッド99の頭端部自体がターレットの外部に向かう自身の第1の上側、すなわち伸長位置にあることを見出すと、シリンダ状プライヤ50の外面52は、縮径セクション69と係合し、電気スピンドル2のシャフト39に関して工具ホルダ3を阻止し、それにより、電気スピンドルを工具ホルダ3から係合解除させ得るY−Y軸に沿う往復スライドを不可能にし、その結果、シャフト39は、工具ホルダ3及び工具40を回転させ得る。
【0063】
対照的に、
図3に示すように、ロッド99自体がターレットの内部に向かう自身の第2の下側、すなわち後退位置にあると、シリンダ状プライヤ50の外面52は、縮径セクション69と係合しない。この状況において、シリンダ状プライヤ50は、電気スピンドル2のシャフト39に関して所定位置、特にロッド99の一端部に関してその円錐状内面にあり、それにより、縮径セクション69に関して通過することを可能とするために、シリンダ状プライヤ50の外面52の直径を決定する。このように、電気スピンドル2のシャフト39は、工具ホルダ3に関して係合解除され得る。
【0064】
ロッド99は、電気スピンドル2内でロッド自身に関して上方に位置付けられたピストンシリンダ18によって作動される。
【0065】
作業位置において、
図1及び
図2に示すように、電気スピンドル2の回転シャフト39は、工具ホルダ3と係合されており、その回転は、工具ホルダによって支持された工具40の回転を決定する。
【0066】
電気スピンドル2は、ターレット本体4に及び回転ドラム5に関して垂直方向に、すなわち電気スピンドル2自体のY−Y軸によって見出される垂直方向に沿って、平行移動し得る。
【0067】
詳細には、電気スピンドル2は、電気スピンドル2によって工具ホルダ3を介して係合された工具40機械片に作用する作業位置と、回転ドラム5と干渉しないように電気スピンドル2を上昇させ、工具ホルダ3を移動させるために回転ドラムがその後回転自在となり、その結果、工具40が回転シャフト39との結合位置にある工具変更位置と、の間で、回転ドラム5に関して垂直方向で平行移動し得る。
【0068】
回転シャフト39と工具ホルダとの間の連結は、直接的、すなわち、結合体またはチェーン伝送装置などがないものであり、これにより、有利には、回転シャフト39と工具ホルダとの間の運動伝送がより精度高く得ることが可能となる。有利には、さらに、シャフト39の端部分の係合部分が中央にあり、ほぼシリンダ状であり、高速での回転中に破損し得るY−Y軸に沿って顕著に延在する部分を示さないので、電気スピンドルのシャフト39と工具ホルダ3との間の直接的結合体は、回転速度が高速である場合であっても安全な動作を保証する。
【0069】
このため、電気スピンドル2は、平行移動群を示しており、この伝送装置群は、電気スピンドル2を垂直平行移動で移動させるのに適した空気圧シリンダ111を備える。
【0070】
あるいは、伝送装置群は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、空気圧シリンダが設けられてもよい。
【0071】
回転ドラム5は、ドラム自体に対するホルダ3の複数の阻止素子7と、工具ホルダ3の複数の阻止デバイス8と、を備える。
【0072】
固定素子7は、回転ドラム5に取り付けられたフランジとして実現された固定座部76を備えており、この固定座部は、工具ホルダ3の少なくとも一部を収容するのに、及び、適切な阻止素子8を用いて工具ホルダを阻止したままとするのに、適している。
【0073】
図1、
図2及び
図3において良好に示されるように、阻止素子8それぞれは、回転ドラム5の固定座部76の側方ブラインド座部77を備えており、工具ホルダ3との少なくとも1つの係合素子12と、工具ホルダ3と係合するように係合素子12を押し付けるための少なくとも1つの弾性素子13と、弾性素子13のための少なくとも1つのカウンタ素子14と、を備える。
【0074】
図1、
図2及び
図3に示す実施形態の好ましい形態において、弾性素子13は、螺旋バネによって示されており、この螺旋バネは、工具ホルダ3の外面に実現された空洞78に対して球体12’によって示された係合素子12を押圧する。
【0075】
カウンタ素子14は、径方向ブラインド座部77の基部によって示されている。
【0076】
工具ホルダ3それぞれは、少なくとも2つの阻止素子8に設けられている。
【0077】
球体12’が径方向空洞78内に係合すると、工具ホルダ3は、阻止されて回転ドラム5と一体のままである。この状況において、工具ホルダは、スピンドルと係合していない。工具ホルダ3を解放するために、上記工具ホルダ3に関して係合素子12の解放デバイスがある。
【0078】
有利には、解放デバイスは、電気スピンドル2のY−Y軸と平行な方向で上記工具ホルダ3をスライドさせるように取り付けられたシリンダ状コンパス(compass)79と、電気スピンドル2と一体的であり、回転ドラム5に関して電気スピンドルを平行移動させた後に電気スピンドル2のX−X軸と平行な方向でコンパスを平行移動させるためにコンパスに対して停止するのに適したシリンダ状部分91と、を備える。
【0079】
シリンダ状部分91がコンパス79に当接して停止すると、シリンダ状部分は、コンパスをY−Y軸と平行な方向に沿って下方へ押圧し、コンパス79は、順に、球体12’に当接して停止し、球体を径方向空洞78から取り除き、工具ホルダ3を回転ドラム5から解放させる。
【0080】
この点において、スピンドルは、工具ホルダ3の内部プライヤ50を介して阻止する準備が整っている。
【0081】
阻止した工具を有するスピンドルは、旋回し始め得る。
【0082】
本発明にかかる工具機械のためのターレット100は、最も適した工具40を有する工具ホルダ3を工具ブロック48内に挿入することによって、異なる動作を行うのに適しており、特に、工具40は、固定体4に及び電気スピンドル2関して回転可能に取り付けられた回転ドラム5を介して選択される。
【0083】
操作と次の操作との間に工具を変更するために、以下の段階を行う。
【0084】
まず、ロッド99の頭端部を軽く下方にスライドさせることによって、工具ホルダ3を電気スピンドル2の係合部分6から、特に工具阻止デバイス48から係合解除させる。
【0085】
下方にスライドさせると、ロッド99は、シリンダ状プライヤ50の外径部が低減していることを判断し、それにより、縮径セクション69を通過し、その結果、工具ホルダ3を係合部分6から係合解除することを可能とする。
【0086】
ロッド99を下方にスライドさせることは、ピストンシリンダ18によって作動される。
【0087】
そして、電気スピンドル2は、円周部分91を分離してコンパス79に対してもはや停止させないように、上昇され、この運動は、替わりに、ピストンシリンダ111によって作動される。
【0088】
この点において、球体12’によって示される係合素子12は、工具ホルダ3と係合され、特に、球体12’は、バネ13を介して、工具ホルダ3の径方向空洞78と係合される。
【0089】
この点において、空気圧シリンダ111の作動は、電気スピンドルの所定位置での上方への平行移動を引き起こし、それにより、工具ホルダ3に対して電気スピンドル2の一部が干渉することなく、固定体4に関する回転ドラム5の自由な回転を可能とする。
【0090】
そして、回転ドラム5は、第2工具ホルダ3を移動させるために回転され、この第2工具ホルダは、処理で、特に電気スピンドル2の係合部分6と位置合わせされた工具阻止デバイス48で使用される第2工具40を有する。
【0091】
そして、係合させるため、ピストンシリンダ111によって係合部分6を工具ホルダ3と共に挿入するまで、電気スピンドル2は、第2工具40を降下させ、それにより、工具阻止デバイス48は、工具ホルダ3を阻止できる。正確には、ピストンシリンダ18の作動を介して電気スピンドル2を
下降させることは、シリンダ状プライヤ50を
縮径させるロッド99に対して作動させる。
【0092】
シリンダ状プライヤ50を用いて工具ホルダ3を阻止するため、ピストンシリンダ18を上昇させている間に、シリンダ状プライヤを作動させ、このようにして、電気スピンドル2のシャフト39は、バネ222を介して工具40と一体的である。
【0093】
本発明にかかるターレット100は、
図1及び
図2に示す作業位置において自身を見出し、工具40は、その処理を行え、その終了時において、別の処理を必要とする場合には、上述した処理を繰り返す。
【0094】
図4及び
図5には、本発明にかかる工具機械の一実施形態のターレット100の別の形態を示す。
【0095】
ターレット100は、第2電気スピンドル2’と電気スピンドル2’によって回転されるのに適した回転工具40’がそれぞれに設けられた複数の第2工具ホルダ3’とを有する点を除いて、
図1から
図3のターレットと全体的に同様である。
【0096】
詳細には、
図4及び
図5に示すターレット100は、第1電気スピンドル2のY−Y軸に垂直なX−X軸に沿って平行移動するのに適した第2電気スピンドル2’を有する。
【0097】
電気スピンドル2’は、専用モータと回転シャフトとを有しており、回転シャフトは、回転運動を工具49’に伝送する。
【0098】
回転シャフトは、モータに関連付けられており、対応してその自由端部を有しており、この自由端部は、モータとの係合部分とは反対側の端部である。
【0099】
係合部分は、同様に、この場合において、
図1から
図3の実施形態の形態における工具ホルダ3’の対応する円錐状部分を収容するのに適した円錐状座部のように示されている。
【0100】
工具ホルダ3’は、X−X軸と同軸の円周に沿って回転盤状ヘッド90に配設されており、この回転盤状ヘッドは、ターレット100の回転ドラム5と一体的である。
【0101】
盤状ヘッド90は、工具ホルダ3’と結果として電気スピンドル2’内に配設された電気スピンドル2’の係合部分と位置合わせされたその工具40’を移動させるために、X−X軸と平行な軸回りに回転できる。
【0102】
そして、同様に、この場合において、電気スピンドル2’を用いて工具ホルダ3’及び結果として工具40’を回転させるための電気スピンドル2’に結果として係合するために、工具ホルダ3’の工具阻止デバイスは、係合部分の円錐状座部内に収容される。
【0103】
工具阻止デバイスは、電気スピンドル2’の回転シャフトと工具ホルダ3’を介した工具40’との間の係合を可能とする。
【0104】
すなわち、電気スピンドル2’の回転シャフトと工具ホルダ3’との間には、機械的伝送装置群が介在していない。
【0105】
このため、電気スピンドル2の回転シャフトのシリンダ状プライヤ50と完全に同様であるシリンダ状プライヤは、ロッドの頭端部と一体的である電気スピンドル2’の回転シャフトの内側に設けられている。
【0106】
シリンダ状プライヤが工具ホルダ3’に係合して工具ホルダを阻止すると、電気スピンドル2’は、工具ホルダ3’及び工具40’を回転できる。
【0107】
それとは逆に、内部ロッドの頭端部がシリンダ状プライヤ50’から係合解除されると、この頭端部は、自身を電気スピンドル2’のシャフトに関する所定位置で見出し、それにより、工具ホルダ3’に関して電気スピンドル2’のシャフトが係合解除されていることを判断する。
【0108】
内部ロッドは、図示されておらずかつターレット本体4内に位置するピストンシリンダによって作動される。
【0109】
作業位置において、電気スピンドル2’の回転シャフトは、工具ホルダ3’と係合されており、その回転は、工具40’の回転を決定し、この工具は、回転によって移動される。
【0110】
電気スピンドル2’は、ターレット本体4に及び回転ドラム5に関してX−X軸に沿う、すなわち電気スピンドル2’のY−Y軸に直交する方向に沿う水平方向で平行移動できる。
【0111】
詳細には、電気スピンドル2’は、電気スピンドル2’によって工具ホルダ3’を介して係合された工具40’が機械片を加工する作業位置と、電気スピンドル2’を後方位置にX−X軸に沿って変位させる工具変更位置と、の間で、回転ドラム5に関してX−X軸に沿う水平方向で平行移動でき、この工具変更位置では、このようにして、回転ドラム5と一体的である盤状ヘッド90と干渉せず、この回転ドラムは、電気スピンドル2’の回転シャフトとの結合位置にある工具ホルダ3’、結果として工具40’を移動させるために回転自在である。
【0112】
電気スピンドル2’の回転シャフトと工具ホルダ3’との間の結合は、直接的である、すなわち、伝送装置の介在がない。
【0113】
このため、電気スピンドル2’は、伝送装置群を有し、この伝送装置群は、電気スピンドル2’を水平方向に平行移動させるのに適した空気圧または油圧シリンダを備える。
【0114】
回転ドラム5’と一体的である回転盤状ヘッド90は、盤状ヘッド自体にある工具ホルダ3’の複数の阻止素子と、工具ホルダ3’の複数の阻止デバイスと、を備える。
【0115】
固定素子及び阻止デバイスは、電気スピンドル2しか設けられていない
図1から
図3に示す実施形態の形態に関して上述した固定素子7と及び阻止デバイス8と全体的に同一である。特に、固定手段は、回転盤状ヘッド90に取り付けられた固定フランジ76’に実現された固定座部を備えており、この固定座部は、工具ホルダ3’の少なくとも一部を収容するのに、及び、適切な阻止素子を用いて工具ホルダを所定位置で阻止するのに、適している。
【0116】
実施形態にかかるいくつかの形態を参照しながら本発明を説明した。依然として以下の特許請求の範囲で規定された本発明の保護の範囲内にある限り、詳細に説明した実施形態の形態に対してさまざまな改変をしてもよい。