特許第6559672号(P6559672)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559672爪削り刃、爪削り具及び爪削り刃の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559672
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】爪削り刃、爪削り具及び爪削り刃の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 29/04 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
   A45D29/04
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-535835(P2016-535835)
(86)(22)【出願日】2015年6月8日
(86)【国際出願番号】JP2015066443
(87)【国際公開番号】WO2016013313
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2018年4月3日
(31)【優先権主張番号】特願2014-151809(P2014-151809)
(32)【優先日】2014年7月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507187190
【氏名又は名称】松本 文治
(74)【代理人】
【識別番号】100128277
【弁理士】
【氏名又は名称】專徳院 博
(72)【発明者】
【氏名】松本 文治
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−008318(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/161842(WO,A1)
【文献】 実開昭60−155405(JP,U)
【文献】 スイス国特許発明第00258462(CH,A5)
【文献】 登録実用新案第3186143(JP,U)
【文献】 実開昭57−067604(JP,U)
【文献】 実開昭55−016052(JP,U)
【文献】 実開平03−000971(JP,U)
【文献】 米国特許第2055219(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪を削るスリット孔である複数の研削穴が互いに間隔を空けて基材に列設された爪削り刃であって、
当該爪削り刃を長手方向の中心軸線Oに沿って切断した断面視において、前記基材の前記研削穴の間に位置する部分の一部又は全部は、それぞれ中心部が沈むように湾曲し、かつ両端部が前記中心部とは逆方向に湾曲したアール状であり、
前記両端部の先端に刃が形成されてなる爪削り刃。
【請求項2】
中心部が沈むように湾曲した前記基材の前記研削穴の間に位置する部分は、中心部に比較して両端部の厚さが薄いことを特徴とする請求項1に記載の爪削り刃。
【請求項3】
前記基材は、短手方向に切断した断面視において、V字状又はU字状の案内溝を備え、
前記研削穴は、前記案内溝形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の爪削り刃。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の爪削り刃のうち、少なくとも1つの爪削り刃と、
前記爪削り刃を固定し前記爪削り刃で削った爪の削りクズを収容するケースと、
を備えることを特徴とする爪削り具。
【請求項5】
爪を削る爪削り刃の製造方法であって、
平板材の下面に、研削穴を形成する位置に貫通しないように複数のV字状の打痕を形成し、
その後、前記平板材の上面側から研削穴の間に位置する部分が形成される位置を下面側へ押し込み沈むように湾曲させ、前記V字状の打痕の先端近傍を破断させ研削穴を形成するとともに研削穴の両側に刃を形成することを特徴とする爪削り刃の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪の手入れを行う際に使用する爪削り刃、爪削り具及び爪削り刃の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
手や足の爪の手入れを行う際には、爪切を用いて爪を切った後、やすりを用いて爪の先端をアール状に面取りするとともに、爪のカット面を滑らかに仕上げるのが一般的である。
【0003】
手入れを効率良く行い、爪を滑らかに仕上げるべく、断面がV字状の案内溝に爪を削る複数の研削穴を千鳥状に列設した爪削り具が本件出願人により提案されている(特許文献1参照)。この爪削り具では、案内溝に沿って爪を左右に移動させることで爪を削ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3186143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の爪削り具によれば、爪の表裏を交互に削ることができるので、爪を滑らかに削ることができる。また爪の削りクズがケースに収容されるので、削りクズは手入れが終わってからまとめて捨てることが可能であり、爪の手入れを効率良く行うことができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の爪削り具では、削った爪の削りクズが逆流せずに確実にケースに収容されるように研削穴の縦幅を小さくすると、各研削穴による爪の削り量が減少してしまい、爪の手入れに時間がかかってしまう。
【0007】
本発明の目的は、滑らかに爪を削ることが可能であり、効率良く爪の手入れを行うことが可能な爪削り刃、爪削り具及び爪削り刃の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、爪を削るスリット孔である複数の研削穴が互いに間隔を空けて基材に列設された爪削り刃であって、当該爪削り刃を長手方向の中心軸線Oに沿って切断した断面視において、前記基材の前記研削穴の間に位置する部分の一部又は全部は、それぞれ中心部が沈むように湾曲し、かつ両端部が前記中心部とは逆方向に湾曲したアール状であり、前記両端部の先端に刃が形成されてなる爪削り刃である。
【0009】
本発明の爪削り刃によれば、基材の研削穴の間に位置する部分が沈むように湾曲しているので、爪を削る際に研削穴の縁部のみが爪に接触し、削りクズの両端が薄く、中心が厚くなるように爪が削られる。つまり、爪の削り始め及び削り終りにおいて、爪を削るときの抵抗が小さくなるので、滑らかに爪を削ることが可能となり、効率良く爪の手入れを行うことができる。さらに基材の研削穴の間に位置する部分が平面である場合に比べ、剛性が増し強度が向上するので、基材の厚みを薄くすることができる。
【0010】
また本発明の爪削り刃は、中心部が沈むように湾曲した前記基材の前記研削穴の間に位置する部分は、中心部に比較して両端部の厚さが薄いことを特徴とする。
【0014】
また本発明の爪削り刃において、前記基材は、短手方向に切断した断面視において、V字状又はU字状の案内溝を備え、前記研削穴は、前記案内溝形成されていることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記爪削り刃のうち、少なくとも1つの爪削り刃と、前記爪削り刃を固定し前記爪削り刃で削った爪の削りクズを収容するケースとを備えることを特徴とする爪削り具である。
【0021】
また本発明は、爪を削る爪削り刃の製造方法であって、平板材の下面に、研削穴を形成する位置に貫通しないように複数のV字状の打痕を形成し、その後、前記平板材の上面側から研削穴の間に位置する部分が形成される位置を下面側へ押し込み沈むように湾曲させ、前記V字状の打痕の先端近傍を破断させ研削穴を形成するとともに研削穴の両側に刃を形成することを特徴とする爪削り刃の製造方法である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の爪削り刃、爪削り具及び爪削り刃の製造方法によれば、爪の削り始め及び削り終りの抵抗が小さくなることで滑らかに爪を削ることが可能となり、爪の手入れを効率良く行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態の爪削り具11の構成を示す平面図である。
図2図1の爪削り具11の構成を示す底面図である。
図3図1の爪削り具11の切断線A−Aの断面図である。
図4図1の爪削り具11の爪削り刃2を示す図である。
図5図4の爪削り刃2の切断線C−Cの断面の部分拡大図である。
図6図4の爪削り刃2をケース1に取付ける方法を示す断面図である。
図7図2の爪削り具11の爪削り刃2’をケース1に取付ける方法を示す斜視図である。
図8図1の爪削り具11の爪削り刃2で爪Nを削る動作を示す斜視図である。
図9図1の爪削り具11の爪削り刃2で爪Nを削る動作を示す断面図である。
図10図2の爪削り具11の爪削り刃2’で爪Nを削る動作を示す断面図である。
図11】本発明の第2実施形態の爪削り刃12の平面図である。
図12】本発明の第3から第6実施形態の爪削り刃13、14、15、16の断面の部分拡大図である。
図13】本発明の第7実施形態の爪削り具17で爪Nを削る動作を示す断面図である。
図14】本発明の第8実施形態の爪削り具18の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の第1実施形態の爪削り具11の構成を示す平面図である。図2は、図1の爪削り具11の構成を示す底面図である。図3(a)は、図1の爪削り具11の切断線A−Aの断面図である。図3(b)は、図3(a)のB部の部分拡大図である。図4(a)は、図1の爪削り具11の爪削り刃2の平面図である。図4(b)は、図1の爪削り具11の爪削り刃2の側面図である。図4(c)は、図1の爪削り具11の爪削り刃2の正面図である。図5は、図4(a)の爪削り刃2の切断線C−Cの断面の部分拡大図である。なお図2は、ケース1の蓋1aを外した状態であり、キャップ5を省略している。
【0025】
図6(a)は、図4の爪削り刃2をケース1に取付ける前の状態を示す断面図である。図6(b)は、図4の爪削り刃2をケース1に取付けた後の状態を示す断面図である。図7は、図2の爪削り具11の爪削り刃2’をケース1に取付ける方法を示す斜視図である。図8は、図1の爪削り具11の爪削り刃2で爪Nを削る動作を示す斜視図である。図9は、図1の爪削り具11の爪削り刃2で爪Nを削る動作を示す断面図である。図10は、図2の爪削り具11の爪削り刃2’で爪Nを削る動作を示す断面図である。なお図9及び図10では、符号を一部、省略している。
【0026】
第1実施形態の爪削り具11は、爪Nの手入れを行う際に使用される爪削り具であって、爪Nの削りクズNaを収容可能な本体であるケース1と、ケース1に固定され爪Nを削る2つの爪削り刃2、2’と、爪削り刃2、2’を保護する着脱自在なキャップ5とを備える。なお2つの爪削り刃2、2’のうち、一方の爪削り刃2は、主に長く伸びた爪Nを削るときに用いられ、もう一方の爪削り刃2’は、主に短く削った爪Nの仕上げに用いられる(図9図10参照)。
【0027】
ケース1は、合成樹脂製の略円筒体であり、先端部に爪削り刃2、2’が固定され、中央部が爪Nを削るときの持ち手となり、基端部に爪Nの削りクズNaを捨てるときに取外す蓋1aを備える。ケース1の先端は、塞がっており、基端は、開口している。
【0028】
ケース1の先端部には、一方の爪削り刃2を取付けるべく、後述する爪削り刃2のV字状の案内溝Xに合わせて上面が断面V字状に切欠かれた爪削り刃取付部20が形成されている。爪削り刃取付部20には、取付けられた爪削り刃2で削った爪Nの削りクズNaをケース1の中空部27に収容する入口となる収容口21が形成されている。
【0029】
爪削り刃取付部20に形成されている収容口21は、上部に比較して下部が広く、断面視(図3)において、ハの字に形成されている。また爪削り刃取付部20には、収容口21の下端に段差22が設けられており、この段差22と収容口21の壁面とで後述する爪削り刃2の側板部34をガイドするガイド溝23が形成されている。
【0030】
ケース1の先端部には、爪削り刃取付部20の反対側の周面に、もう一方の爪削り刃2’が取付けられる爪削り刃取付口24が形成されている。爪削り刃取付口24は、細長い矩形状を有し、両端が半円状に形成されており、取付けられた爪削り刃2’で削った爪Nの削りクズNaをケース1の中空部27に収容する入口となる。また爪削り刃取付口24の両端部及び中央部には、爪削り刃2’を取付けるときのガイドとなり、爪Nを削るときに爪削り刃2’が不必要に撓まないように爪削り刃2’を支持するガイド部25が形成されている。
【0031】
両端部のガイド部25は、略半円状に形成されており、中央部のガイド部25は、矩形リング状に形成されている。またガイド部25には、後述する爪削り刃2’の折返し部41が嵌り込む溝26が形成されている。
【0032】
ケース1の基端部の周面には、蓋1aを係止させる係止溝28が形成されている。係止溝28は、蓋1aを中心軸周りに回転させることで蓋1aの内周面に形成された突起(図示省略)が係止するように形成されている。
【0033】
蓋1aは、ケース1に着脱自在な合成樹脂製の有頂円筒体であり、ケース1の係止溝28に係止する突起が内周面に形成されている。蓋1aは、中心軸周りに回転させることでケース1との着脱を行う。なおケース1と蓋1aとの着脱方法は、これに限定されるものではなく、例えば、スナップフィット等の爪(図示省略)を用いて着脱する方法を採用することもできる。
【0034】
なおケース1、蓋1aは、合成樹脂製のものに限定されるものではなく、例えば、金属製であってもよい。
【0035】
爪削り刃2は、細長い金属製の平板材である基材に、複数のスリット孔である研削穴3が形成された爪削り刃であり、正面視(図4(c))において、中央部にV字状の案内溝Xが形成されるようにM字状に屈曲している。またM字状に屈曲した爪削り刃2の両外の側板部34は、側面視(図4(b))において、先端が細い三角形状に形成されている。
【0036】
爪削り刃2は、ケース1の基端から中空部27に挿入され、ガイド溝23に側板部34を沿わせながら押込まれることで、収容口21を覆うようにケース1の爪削り刃取付部20に取付けられる(図6参照)。このとき側板部34が先細の三角形状に形成されているので、取付けが容易となる。
【0037】
案内溝Xは、例えば、プレス装置によりパンチ刃(図示省略)を打込むことで基材を屈曲させてV字状に形成される。このため案内溝XのV字の頂点に該当する部分(案内溝Xの谷部)は、通常、パンチ刃の先端形状に応じて弧状に形成される(図3(b)参照)。このときの案内溝Xの谷部(パンチ刃の先端)の曲率半径Rは、爪の手入れを行う際の使い心地等を考慮して適宜決めることができる。なお案内溝Xの谷部を直角に形成することを否定するものではない。
【0038】
研削穴3は、爪削り刃2の長手方向の中心軸線O(案内溝Xの谷線)に直交するように横長に形成されたスリット孔であり、複数の研削穴3が中心軸線Oに沿って間隔を空けて互いに平行に一列に列設されている。各研削穴3の両縁には、爪を削る刃32が形成されている。
【0039】
研削穴3の数は、特定の数に限定されるものではなく、爪の手入れを行う際の爪削り具11(又は指)を動かすストローク等を考慮して適宜決めれば良いが、後述する研削穴3の間に位置する部分2aを少なくとも基材の1箇所以上に形成すべく、少なくとも2箇所以上、必要である。
【0040】
爪削り刃2(基材)における2つの研削穴3の間に位置する部分2aは、断面視(図5)において、爪削り刃2の下面側に沈むように湾曲しており、両端部が、沈んでいる方向とは逆方向に湾曲したアール状に形成されている。刃32は、断面視(図5)において、研削穴3の間に位置する部分2aの両端に形成されている。
【0041】
また研削穴3の間に位置する部分2aは、隣同士の隙間(研削穴3)が、断面視(図5)において、刃32が形成されている縁の位置で最も狭くなっており、縁(図5のL1)から中央(図5のL3)にかけて徐々に間隔が広がるように形成されている。
【0042】
爪削り刃2の研削穴3の間に位置する部分2a及び研削穴3の寸法の一例を示すと、研削穴3の間に位置する部分2aの隣同士の刃32と刃32との隙間の距離(研削穴3の縦幅)L1が0.05mm、研削穴3の間に位置する部分2aの縦幅L2が0.6mm、より好ましくは0.3〜0.5mm、研削穴3の間に位置する部分2aの厚みtが0.1mm、研削穴3の横幅Wが3.5mmであり、研削穴3が爪削り刃2の長手方向に約42mmに亘って71箇所に列設されている。また、このときの中心軸線Oにおける爪削り刃2の全長が53mm、案内溝Xの幅が5.7mm、ケース1の全長が約100mm、外径が約14mmである。なお寸法は、これに限定されるものではなく、爪を手入れする際の使い勝手や仕上がり具合等を考慮し、適宜最適な寸法とすることができる。
【0043】
次に本実施形態の爪削り刃2の製造方法について説明する。まず、先細の細長い平板材である基材の下面において、研削穴3を形成する位置に先端が細いテーパ状の横長のパンチ(図示省略)を打込み、V字状の打痕を形成する。パンチは、基材がV字状の打痕の先端近傍で薄く繋がった状態になるように、基材の上面まで貫通しないように打込まれる。
【0044】
次に基材の研削穴3の間に位置する部分2aが形成される位置を上面側から押し込み、沈むように湾曲させる。基材を湾曲させると、基材の薄く繋がっていた部分が両側に引っ張られて破断し、研削穴3が形成される。また基材の薄く繋がっていた部分が両側に引っ張られて破断することで、刃32となる研削穴3(研削穴3の間に位置する部分2a)の両縁が鋭利に形成されるとともに、断面視(図5)において、研削穴3の間に位置する部分2aの両端部が、研削穴3の間に位置する部分2aを湾曲させた方向とは逆方向に湾曲したアール状に形成される。
【0045】
研削穴3を形成した後に、基材をM字状に屈曲させることで本実施形態の爪削り刃2となる。なお本実施形態の爪削り刃2の製造方法は、これに限定されるものではなく、例えば、基材に切削加工や打抜き加工、エッチング加工、レーザー加工等を施し、研削穴3を形成することも可能である。また爪削り刃2は、金属製のものに限定されるものではない。
【0046】
爪削り刃2’は、もう一方の爪削り刃2と同様、基材である金属製の平板材に爪を削る複数のスリット孔である研削穴3が形成された爪削り刃である。爪削り刃2’は、平面視(図2)において、細長い矩形状を有し両端が半円状に形成されており、ケース1の爪削り刃取付口24に取付けられている。
【0047】
爪削り刃2’は、断面視(図3)においてU字状(弧状)の案内溝Yが形成されるように、中央部が沈むように湾曲している。爪削り刃2’には、案内溝Yの全幅に亘って一列に列設するように研削穴3が形成されている。
【0048】
案内溝Yは、短い爪や爪先の裏面を削るときに指先が爪削り具11に接触して邪魔にならないように、両縁部の沈み込み角度が決められている(図10参照)。
【0049】
また爪削り刃2’は、全周が折返されており、折返し部41にはケース1の爪削り刃取付口24に掛止する掛止片42が4箇所に形成されている。爪削り刃2’は、掛止片42をケース1のガイド部25の間に挿し込み爪削り刃取付口24の下端に掛止させてケース1に固定される(図7参照)。このとき折返し部41は、ケース1のガイド部25の溝26に嵌り込む。
【0050】
爪削り刃2’の寸法の一例を示すと、長手方向の全長が31mm、幅が5mm、案内溝Yの全長が29mm、幅が1.5mmであり、研削穴3の間に位置する部分2a及び研削穴3の縦幅の寸法は、もう一方の爪削り刃2と同じである。なお寸法は、これに限定されるものではなく、爪を手入れする際の使い勝手や仕上がり具合等を考慮し、適宜最適な寸法とすることができる。爪削り刃2’の製造方法は、もう一方の爪削り刃2と基本的に同じである。
【0051】
キャップ5は、合成樹脂製の有頂円筒体であり、衣服のポケット(図示省略)等に掛止可能なクリップ51を周面に備える。キャップ5は、爪削り刃2、2’を保護すべく、ケース1の先端部を覆うようにケース1に着脱容易に取付けられている。なおキャップ5の形状、材質は、特定のものに限定されるものではない。
【0052】
次に本実施形態の爪削り具11を用いて手の爪Nを手入れする方法について説明する。キャップ5をケース1から外し、爪Nを削る方とは反対の手でケース1の中央部を掴み、爪NにV字状の案内溝Xを備える爪削り刃2を当接させる(図8、9参照)。爪Nが中心軸線Oに沿うように爪削り具11又は爪Nを前後に移動させ、爪削り刃2の研削穴3の間に位置する部分2a(研削穴3)の両縁に形成された刃32で爪Nを削る。爪Nの削りクズNaは、ケース1の収容口21からケース1の中空部27に収容される。
【0053】
爪Nが短くなると、指先が爪削り刃2に接触して爪Nが削り難くなる。この場合には、爪削り具11を裏返してU字状の案内溝Yを備える爪削り刃2’を用いて爪Nを削る。U字状の案内溝Yを備える爪削り刃2’は、案内溝Yの全幅に亘って研削穴3が形成されており、案内溝Yの縁部に爪Nを当接させた状態で爪削り具11又は爪Nを前後に移動させることで爪Nが短い場合でも指先が邪魔にならずに爪Nを削ることができる(図10参照)。
【0054】
また爪Nの手入れを行う際には、爪先の表面のみならず裏面も削ることで仕上がりを滑らかにすることができる。爪先の裏面を削る場合にも、U字状の案内溝Yの縁部を使うことで、指先が邪魔にならずに爪Nを削ることができる(図10参照)。
【0055】
U字状の案内溝Yを備える爪削り刃2’で削った爪Nの削りクズNaについても、ケース1の爪削り刃取付口24からケース1の中空部27に収容される。ケース1に収容された削りクズNaは、ケース1の蓋1aを外すことで取り出す(捨てる)ことができる。
【0056】
本実施形態の爪削り具11によれば、爪削り刃2、2’の研削穴3が互いに平行に一列に列設されているので、研削穴3のピッチを狭くして研削穴3の数を増やすことが可能である。これにより、削った爪Nの削りクズNaが研削穴3から逆流しないように研削穴3の縦幅を小さくした場合でも、研削穴3の数を増やすことで爪Nの削り量を増やすことが可能となり、手入れを効率良く行うことができる。
【0057】
また本実施形態の爪削り具11の爪削り刃2、2’によれば、研削穴3の間に位置する部分2aが沈むように湾曲しているので、研削穴3の間に位置する部分2a(研削穴3)の縁に形成された刃32のみが爪に接触する。これにより、削りクズNaの両端が薄く、中心が厚くなるように爪が削られ、削り始め及び削り終りにおいて、爪を削るときの抵抗が小さくなるので、滑らかに爪を削ることが可能となり、効率良く爪の手入れを行うことができる。さらに研削穴3の間に位置する部分2aが平面である場合に比べ、剛性が増し強度が向上するので、基材の厚みを薄くすることができる。
【0058】
また本実施形態の爪削り具11の爪削り刃2、2’によれば、研削穴3の間に位置する部分2aの両端部にアールが施されているので、指先が爪削り刃2、2’に触れたときの肌触りが良く、使い心地が非常に良い。
【0059】
また本実施形態の爪削り具11の爪削り刃2、2’によれば、研削穴3が、刃32が形成されている縁の位置から研削穴3の形成方向である、爪削り刃2、2’の上面から下面(底面)に向かう方向に、徐々に幅広になるように形成されているので、爪Nの削りクズNaが研削穴3をスムーズに通過し研削穴3の目詰まりが防止される。
【0060】
また本実施形態の爪削り具11のU字状(弧状)の案内溝Yを備える爪削り刃2’によれば、案内溝Yが沈むように湾曲して形成され、案内溝Yの全幅に亘って研削穴3が形成されているので、案内溝Yの縁部でも爪Nを削ることが可能であり、特に、爪先の裏面を削る場合や短い爪Nを手入れする場合に指先が邪魔にならずに爪Nを削ることができる。
【0061】
また本実施形態の爪削り具11によれば、削った爪Nの削りクズNaがケース1に収容されるので、削りクズNaは手入れが終わってからまとめて捨てることが可能であり、手入れを効率良く行うことができる。
【0062】
図11は、本発明の第2実施形態の爪削り刃12の平面図である。図1から図10に示す第1実施形態の爪削り具11と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態の爪削り刃12は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と基本的構成は同じであるが、平面視において、中心軸線Oに対する研削穴3の角度が異なる。
【0063】
本実施形態の爪削り刃12には、第1実施形態の爪削り刃2と同様、複数の研削穴3が互いに平行に一列に列設されているが、平面視において研削穴3が中心軸線Oに対して直角ではなく、斜めに形成されている。
【0064】
本実施形態の爪削り刃12のように、平面視における中心軸線Oに対する研削穴3の角度は、特定の角度に限定されるものではなく、爪の手入れをする際の爪の削り心地や仕上がり具合等を考慮し、適宜最適な角度とすることができる。
【0065】
図12(a)は、本発明の第3実施形態の爪削り刃13の断面の部分拡大図である。図1から図10に示す第1実施形態の爪削り具11と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第3実施形態の爪削り刃13は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と基本的構成は同じであるが、研削穴3の間に位置する部分13aの断面形状が異なる。
【0066】
本実施形態の爪削り刃13は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と同様、研削穴3の間に位置する部分13aが下面側に沈むように湾曲しているが、両端部にアールが施されていない。爪削り刃13の研削穴3の間に位置する部分13aの寸法の一例を挙げると、厚みが0.2mm、両端と湾曲させた底部との高低差が0.007mmである。
【0067】
本実施形態の爪削り刃13によれば、研削穴3の間に位置する部分13aが下面側に沈むように湾曲しているので、研削穴3の間に位置する部分13a(研削穴3)の縁に形成された刃32のみが爪に接触し、削りクズNaの両端が薄く、中心が厚くなるように爪Nを削ることができる(図12(a)の削りクズNa参照)。これにより、爪の削り始め及び削り終りにおいて、爪を削るときの抵抗が小さくなるので、滑らかに爪を削ることが可能となり、効率良く爪の手入れを行うことができる。
【0068】
図12(b)は、本発明の第4実施形態の爪削り刃14の断面の部分拡大図である。図1から図10に示す第1実施形態の爪削り具11と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第4実施形態の爪削り刃14は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と基本的構成は同じであるが、研削穴3の間に位置する部分14aが湾曲せず平らに形成されている。
【0069】
図12(c)は、本発明の第5実施形態の爪削り刃15の断面の部分拡大図である。図1から図10に示す第1実施形態の爪削り具11と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第5実施形態の爪削り刃15は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と基本的構成は同じであるが、研削穴3の間に位置する部分15aの断面形状が異なる。
【0070】
本実施形態の爪削り刃15は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と同様、研削穴3の間に位置する部分15aが下面側に沈むように湾曲しているが、研削穴3の間に位置する部分15aの片端側が他端側よりもさらに沈むように湾曲しており、研削穴3の間に位置する部分15aが研削穴3の列設方向に傾いている。
【0071】
本実施形態の爪削り刃15によれば、研削穴3の間に位置する部分15aの傾斜角度θに応じて爪Nの削り代が大きくなり爪Nの削り量を増やすことができる。このような爪削り刃15は、特に、足の爪の手入れに好適に用いることができる。また研削穴3の間に位置する部分15aの傾斜角度θを調節することで、爪Nの削り代(削りクズNaの厚み)を調節することができる。なお本実施形態の爪削り刃15では、研削穴3の間に位置する部分15aの傾斜角度θを大きくすると、爪Nの削り代が大きくなる。
【0072】
図12(d)は、本発明の第6実施形態の爪削り刃16の断面の部分拡大図である。図1から図10に示す第1実施形態の爪削り具11と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第6実施形態の爪削り刃16は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と基本的構成は同じであるが、研削穴3の間に位置する部分16a、16bの形状が異なる。
【0073】
本実施形態の爪削り刃16は、研削穴3の間に位置する部分16a、16bが、平らな幅の狭いもの16aと湾曲した幅の広いもの16bとで交互に並ぶように、研削穴3が間隔を空けて一列に列設されており、幅の広いもの16bは、幅の狭いもの16aよりも低い位置に形成されている。
【0074】
本実施形態の爪削り刃16によれば、研削穴3の間に位置する部分16a、16bが高低差を有して交互に並んでいるので、高低差の分、爪Nの削り代が大きくなり爪Nの削り量を増やすことができる。また高低差を調節することで、爪Nの削り代を調節することが可能である。さらに研削穴3の間に位置する部分16a、16bが幅の狭いもの16aと幅の広いもの16bとで交互に並んでいるので、爪Nを削る効率が低下しないように研削穴3の数を確保することができる。
【0075】
図13は、本発明の第7実施形態の爪削り具17で爪Nを削る動作を示す断面図である。図1から図10に示す第1実施形態の爪削り具11と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第7実施形態の爪削り具17は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と基本的構成は同じであるが、爪削り刃61を1つだけ備えており、これに伴い、ケース62の形状が第1実施形態の爪削り具11のものと異なる。
【0076】
本実施形態の爪削り具17の爪削り刃61は、研削穴3が正面視においてV字状の案内溝Xの全幅に亘って形成されている。なお爪削り刃61は、研削穴3が全幅に亘って形成されている点を除いて、第1実施形態の爪削り具11のV字状の案内溝Xを備える爪削り刃2と同じ形状である。
【0077】
ケース62は、爪Nの爪先の裏面又は短い爪Nを削るときに指先が接触しないように、両縁部を切欠いた状態で爪削り刃取付部63が形成されている。またケース62には、爪削り刃取付口24が形成されていない。
【0078】
本実施形態の爪削り具17によれば、研削穴3が爪削り刃61の案内溝Xの全幅に亘って形成されているとともに、ケース62の爪削り刃取付部63の両縁部が切欠かれているので、長い爪Nを削る場合のみならず、爪先の裏面を削る場合や短い爪Nを削る場合でも、V字状の案内溝Xを備える1つの爪削り刃61で爪Nを削ることができる。
【0079】
図14は、本発明の第8実施形態の爪削り具18の斜視図である。図1から図10に示す第1実施形態の爪削り具11と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第8実施形態の爪削り具18は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と基本的構成は同じであるが、爪削り刃71を1つだけ備えており、これに伴い、ケース72の形状が第1実施形態の爪削り具11のものと異なる。
【0080】
本実施形態の爪削り具18は、爪削り刃71にV字状の案内溝XとU字状の案内溝Yとが直列に配置されている。これに伴い、爪削り刃71及びケース72の先端部の全長が第1実施形態の爪削り具11のものと比べて長くなっている。またケース72には、爪削り刃取付口24が形成されていない。
【0081】
本実施形態の爪削り具18の爪削り刃71において、V字状の案内溝Xにおける研削穴3の形成要領は、第1実施形態の爪削り具11のV字状の案内溝Xを備える爪削り刃2と同じであり、U字状の案内溝Yにおける研削穴3の形成要領は、第1実施形態の爪削り具11のU字状の案内溝Xを備える爪削り刃2と同じである。
【0082】
本実施形態の爪削り具18の爪削り刃71では、V字状の案内溝Xの研削穴3とU字状の案内溝Yの研削穴3とが連続的に形成されているが、これに限定されるものではなく、非連続に形成されていてもよい。ただし、研削穴3が連続的に形成されている方が、爪Nを削るときにV字状の案内溝XからU字状の案内溝Yに、よりスムーズに爪Nを移動させることが可能となり、好ましい。
【0083】
また本実施形態の爪削り具18の爪削り刃71は、U字状の案内溝Yが側面視においてアーチ状になるように長手方向に弧状に湾曲して形成されている。爪削り刃71をアーチ状に形成することで爪Nを刃32に押し当て易くなり、より爪Nを削り易くなる。
【0084】
爪削り刃71をケース72に取付ける方法は、第1実施形態の爪削り具11のV字状の案内溝Xを備える爪削り刃2と同様、爪削り刃71をケース72の基端から中空部27に挿入する方法でもよく、第1実施形態の爪削り具11のU字状の案内溝Yを備える爪削り刃2と同様、爪削り刃71に掛止片を形成し掛止片を用いてケース72に掛止させて取付ける方法でもよく、これ以外の方法でもよい。
【0085】
本実施形態の爪削り具18によれば、長い爪Nを削るV字状の案内溝Xと短い爪Nの仕上げを行うU字状の案内溝Yとが直列に配置されているので、爪Nを手入れする際の作業効率が非常に良い。なお本実施形態の爪削り具18の爪削り刃71において、V字状の案内溝XのV字の頂点に該当する部分(案内溝Xの谷部)は、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2と同様、弧状に形成されていてもよく、直角に形成されていてもよい。
【0086】
以上、第1から第8実施形態の爪削り具11、17、18及び爪削り刃12、13、14、15、16を用いて、本発明の爪削り刃、爪削り具及び爪削り刃の製造方法を説明したが、本発明の爪削り刃、爪削り具及び爪削り刃の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変形して使用することができる。例えば、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2、2’において、第5実施形態の爪削り刃15の研削穴3の間に位置する部分15aのように、研削穴3の間に位置する部分2aが研削穴3の列設方向に傾いていてもよい。
【0087】
また第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2、2’において、第6実施形態の爪削り刃16の研削穴3の間に位置する部分16a、16bのように、研削穴3の間に位置する部分2aの隣同士が高低差を有していてもよい。このように各実施形態の特徴と他の実施形態の特徴とを組み合わせて用いることも可能である。
【0088】
また第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2、2’において、研削穴3の間に位置する部分2aの一部のみが沈むように湾曲し、他の部分2aが、例えば、第4実施形態の爪削り刃14の研削穴3の間に位置する部分14aのように平らに形成されていてもよい。他の実施形態においても、同様である。
【0089】
また第6実施形態の爪削り刃16において、研削穴3の間に位置する部分16a、16bのうち幅の狭いもの16aは、湾曲していてもよく、幅の広いものは、平らでもよい。さらに幅の広いもの16bが、幅の狭いもの16aよりも高い位置に形成されていてもよい。
【0090】
また本発明の爪削り刃において、研削穴は、並列に2列以上に列設されていてもよい。このとき、例えば、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2のように、研削穴3の間に位置する部分2aが沈むように湾曲したものと、第4実施形態の爪削り刃14のように、研削穴3の間に位置する部分14aが平らなものとが一列ずつ列設されていてもよい。
【0091】
また本発明の爪削り刃において、V字状の案内溝及びU字状の案内溝は、必ずしも形成されていなくてもよい。また本発明の爪削り刃において案内溝の形状は、V字状及びU字状に限定されるものではない。
【0092】
また本発明の爪削り刃は、第8実施形態の爪削り具18の爪削り刃71のように、一部又は全部が側面視においてアーチ状になるように長手方向に弧状に湾曲して形成されていてもよい。爪削り刃をアーチ状に形成することで爪を刃に押し当て易くなり、より爪を削り易くなる。なお側面視において下に凸な曲線状になるように爪削り刃を湾曲させて形成することも可能である。
【0093】
また本発明の爪削り刃は、研削穴が千鳥状に列設されているものを除外するものではない。例えば、第1実施形態の爪削り具11の爪削り刃2、2’において、研削穴3が互いに平行ではなく、千鳥状に列設されていたとしても、研削穴3の間に位置する部分2aが湾曲している点、研削穴3が爪削り刃2、2’の上面から下面(底面)に向かって徐々に幅広になるように形成されている点において、本件出願人が出願した実用新案登録第3186143号公報に記載の爪削り刃と比べ、有利な効果を奏する。これは、他の実施形態についても同様である。
【0094】
また本発明の爪削り刃において、例えば、中心軸線Oに直交し互いに平行な研削穴が途中まで列設され、途中から中心軸線Oに対して斜めに列設された研削穴又は千鳥状に列設された研削穴が形成されていてもよい。
【0095】
また第1実施形態の爪削り具11において、V字状の案内溝Xを備える爪削り刃2のケース1への取付方法は、ケース1の中空部27から挿入する方法に限定されるものではなく、例えば、U字状の案内溝Yを備える爪削り刃2’のように、掛止片を用いる方法を採用することもできる。また爪削り刃2’のケース1への取付方法も上記実施形態に限定されるものではない。要すれば爪削り刃2、2’をケース1に確実に固定できる方法であればよく、さらにこれらが簡単に取付け可能であればより好ましい。
【0096】
また本発明の爪削り具において、爪削り刃の数は、1つ又は2つに限定されるものではなく、3つ以上でもよい。また2つ以上の爪削り刃を備える場合において、ケースの先端部の周面における爪削り刃同士の相対的な取付角度も、特定の角度に限定されるものではない。
【0097】
また本発明の爪削り具において、ケースの形状は、略円筒体に限定されるものではなく、例えば、断面視において多角形の筒体でもよく、少なくとも爪削り刃を固定可能な形状であればよい。
【0098】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0099】
1、62、72 ケース
2、2’、12、13、14、15、16、61、71 爪削り刃
2a、13a、14a、15a、16a、16b 研削穴の間に位置する部分
3 研削穴
11、17、18 爪削り具
32 刃
N 爪
Na 削りクズ
X、Y 案内溝
図1
図2
図3
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図5
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