特許第6559677号(P6559677)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6559677データ記録および分析するシステム、方法、およびデータレコーダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559677
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】データ記録および分析するシステム、方法、およびデータレコーダ
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20190805BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20190805BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20190805BHJP
   B64D 47/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
   G05B23/02 V
   B64C13/20 Z
   B64C39/02
   B64D47/00
【請求項の数】42
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2016-538738(P2016-538738)
(86)(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公表番号】特表2017-500650(P2017-500650A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】CN2014088050
(87)【国際公開番号】WO2016049923
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2016年6月20日
【審判番号】不服2018-6594(P2018-6594/J1)
【審判請求日】2018年5月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シ、レンリ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジアニュ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シ
【合議体】
【審判長】 平岩 正一
【審判官】 青木 良憲
【審判官】 栗田 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−306998(JP,A)
【文献】 特開2005−349871(JP,A)
【文献】 特開2004−359071(JP,A)
【文献】 特開2002−222014(JP,A)
【文献】 特開平3−2907(JP,A)
【文献】 特開2014−63411(JP,A)
【文献】 国際公開第03/004352(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/068982(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00-1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する無人航空機であるプラットフォームに配置されたセンサにより収集されて記録された複数の以前のイベントのセンサデータを取得するステップと、
プラットフォーム操作者の経験レベルを決定するために、前記センサデータを分析するステップと、
前記センサデータを分析するステップに基づいて前記プラットフォーム操作者の前記経験レベルを特性評価するステップと、
前記特性評価に基づいて、前記プラットフォーム操作者に対する操作者プロフィールを設定するステップと、
前記操作者プロフィールに基づいて、前記プラットフォームの動作パラメータの初期の動作制限を設定するステップと、
前記センサデータが前記動作パラメータの前記初期の動作制限を超えるかどうかを決定するステップと、
前記特性評価により決定された経験があるプラットフォーム操作者が操作する場合にプラットフォーム性能特性を増大させるステップ、および、前記特性評価により決定された初心者が操作する場合にプラットフォーム性能特性を低減するステップの少なくとも一方を行うことで、前記プラットフォームの動作パラメータを更新するステップと、
を含み、
前記特性評価するステップは、
前記無人航空機により受信されるコントローラ入力及び加速度計に基づく、前記無人航空機の以前の飛行における前記無人航空機の姿勢および速度の相対的な滑らかさに基づいて、前記経験レベルを特性評価するステップを含み、
前記更新するステップは、
前記センサデータとして高度が最低高度を下回ることで前記初期の動作制限を超える場合に、前記プラットフォームの動作パラメータとして対気速度を変更するステップと、
前記センサデータとして高度が前記初期の動作制限内である場合に、前記プラットフォームの前記動作パラメータとして対気速度を維持するステップと、
を有する、方法。
【請求項2】
前記特性評価するステップは、
複数の以前の飛行の時間の長さ、飛行の間に前記無人航空機によって進んだ距離、及び以前の飛行の数の少なくとも1つにさらに基づいて、前記経験レベルを特性評価するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサデータを分析するステップは、前記センサから前記センサデータを受信するステップを有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記特性評価に基づいて、前記プラットフォームの異なるレベルの複数の機能を可能にするステップと、
をさらに含む、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記異なるレベルの複数の機能を可能にするステップは、前記プラットフォームの高さ、距離、および速度のうち少なくとも1つを制限するステップを有する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記センサデータをデータ格納ユニットに記録するステップをさらに備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記センサデータを地上の装置へと伝達するステップをさらに備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記センサデータを伝達するステップは、前記プラットフォームの操作中に前記地上の装置へと前記センサデータを伝達するステップを有する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記収集されたセンサデータを少なくとも一の他の操作者へと送信するステップをさらに備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記センサデータを分析するステップは、前記プラットフォームの地理的位置、前記プラットフォームの高度、前記プラットフォームの加速度、前記プラットフォームの速度、および前記プラットフォームにより受信されるコントローラ入力のうち少なくとも1つに関連付けられたセンサデータを分析するステップを有する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記センサデータを分析するステップは、前記プラットフォームに搭載されたカメラからの複数の静止画像またはビデオを記録するステップを有する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記センサデータを分析するステップは、前記プラットフォームに搭載されたマイクロホンからの音声を記録するステップを有する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記センサデータを分析するステップは、前記プラットフォームが関与する事故の原因を決定するステップを有する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
移動する無人航空機であるプラットフォームに配置されたセンサと、
プラットフォーム操作者の経験レベルを決定するために、前記センサにより収集されて記録された複数の以前のイベントのセンサデータを取得し、前記センサデータを分析し、前記センサデータの分析に基づいて、前記プラットフォーム操作者の前記経験レベルを特性評価し、前記特性評価により決定された経験があるプラットフォーム操作者が操作する場合にプラットフォーム性能特性を増大させること、および、前記特性評価により決定された初心者が操作する場合にプラットフォーム性能特性を低減することの少なくとも一方を行うことで、前記プラットフォームの動作パラメータを更新するプロセッサと、
前記記録されたセンサデータを格納するデータ格納ユニットを有するデータレコーダと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記無人航空機により受信されるコントローラ入力及び加速度計に基づく、前記無人航空機の以前の飛行における前記無人航空機の姿勢および速度の相対的な滑らかさに基づいて、前記経験レベルを特性評価し、
前記特性評価に基づいて、前記プラットフォーム操作者に対する操作者プロフィールを設定し、
前記操作者プロフィールに基づいて、前記動作パラメータの初期の動作制限を設定し、
前記センサデータが前記動作パラメータの前記初期の動作制限を超えるかどうかを決定し、
前記センサデータとして高度が最低高度を下回ることで前記初期の動作制限を超える場合に、前記プラットフォームの動作パラメータとして対気速度を変更し、
前記センサデータとして高度が前記初期の動作制限内である場合に、前記プラットフォームの前記動作パラメータとして対気速度を維持する、システム。
【請求項15】
前記プロセッサは、複数の以前の飛行の時間の長さ、飛行の間に前記無人航空機によって進んだ距離、及び以前の飛行の数の少なくとも1つにさらに基づいて、前記経験レベルを特性評価する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記センサデータの統計解析を実行し、前記統計解析に応じて前記プラットフォームの性能特性を変更する、請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記統計解析は、プラットフォーム操作者の傾向、経験、および技量のうち少なくとも1つを学習することを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記センサは、前記プラットフォームのリアルタイムな位置を決定するために、地理的位置情報センサ、加速度計、コントローラ入力センサ、姿勢および角速度を検出する慣性計測ユニット、超音波センサ、および双眼カメラのうち少なくとも1つを有する、請求項14から請求項17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記プラットフォームが関与する事故の原因を決定することを実行する、請求項14から請求項18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記データ格納ユニットへと複数の静止画像またはビデオを記録するための、前記プラットフォームに搭載された撮像装置をさらに備える、請求項14から請求項19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記撮像装置は、改善された事故の調査のために、事故が発生した際に前記事故の複数の画像またはビデオを撮像する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサは、改善された事故の調査のために、事故が発生した際に前記センサのデータを収集する、請求項14から請求項21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
データ格納ユニットへと音声を記録するために、前記プラットフォームに搭載されたマイクロホンをさらに備える、請求項14から請求項22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記プロセッサは、前記特性評価に基づいて、前記プラットフォームの異なるレベルの複数の機能を可能にする、請求項14から請求項23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記異なるレベルの複数の機能を可能にすることは、前記プラットフォームの高さ、距離、および速度のうち少なくとも1つを制限する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記データレコーダに接続され、複数の地上局へと前記センサデータを送信する送信機をさらに備える、請求項14から請求項25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数の地上局は、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル電子デバイス、またはパーソナルコンピュータのうち少なくとも1つを有する、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の地上局は、前記プラットフォームに電力を供給する複数のバッテリを再充電するために再充電ステーションを有し、
前記再充電ステーションは、前記プラットフォームの自動的ドッキング用に構成される、請求項26または請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記送信機は、第3世代(3G)または第4世代(4G)のモバイル通信技術無線ネットワークによって、前記センサデータを送信する、請求項26から請求項28のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項30】
前記データ格納ユニットは、複数の冗長不揮発性メモリモジュールを有する、請求項14から請求項29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項31】
前記データレコーダはリムーバブルメモリ格納デバイスを有し、前記リムーバブルメモリ格納デバイスは、任意にフラッシュメモリドライブを有する、請求項14から請求項30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
移動する無人航空機であるプラットフォームに配置されたセンサからセンサデータを受信するように構成されたデータレコーダであって、
前記センサデータを記録するためのデータ格納ユニットと、
プラットフォーム操作者の経験レベルを決定するために、前記センサにより収集されて、前記データ格納ユニットに記録された複数の以前のイベントのセンサデータを取得し、前記センサデータを分析し、前記センサデータの分析に基づいて、前記プラットフォーム操作者の前記経験レベルを特性評価し、前記特性評価により決定された経験があるプラットフォーム操作者が操作する場合にプラットフォーム性能特性を増大させること、および、前記特性評価により決定された初心者が操作する場合にプラットフォーム性能特性を低減することの少なくとも一方を行うことで、前記プラットフォームの動作パラメータを更新するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記無人航空機により受信されるコントローラ入力及び加速度計に基づく、前記無人航空機の以前の飛行における前記無人航空機の姿勢および速度の相対的な滑らかさに基づいて、前記経験レベルを特性評価し、
前記特性評価に基づいて、前記プラットフォーム操作者に対する操作者プロフィールを設定し、
前記操作者プロフィールに基づいて、前記動作パラメータの初期の動作制限を設定し、
前記センサデータが前記動作パラメータの前記初期の動作制限を超えるかどうかを決定し、
前記センサデータとして高度が最低高度を下回ることで前記初期の動作制限を超える場合に、前記プラットフォームの動作パラメータとして対気速度を変更し、
前記センサデータとして高度が前記初期の動作制限内である場合に、前記プラットフォームの前記動作パラメータとして対気速度を維持する、データレコーダ。
【請求項33】
前記プロセッサは、複数の以前の飛行の時間の長さ、飛行の間に前記無人航空機によって進んだ距離、及び以前の飛行の数の少なくとも1つにさらに基づいて、前記経験レベルを特性評価する、請求項32に記載のデータレコーダ。
【請求項34】
前記プロセッサは、前記センサデータの統計解析を実行し、前記統計解析に応じて前記プラットフォームの動作パラメータを変更する、請求項32または33に記載のデータレコーダ。
【請求項35】
前記センサデータをエクスポートするためのデータ出力ポートをさらに備える、請求項32から請求項34のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
【請求項36】
前記センサと通信するために、前記センサデータを前記プロセッサへ提供するデータ入力ポートをさらに備える、請求項32から請求項35のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
【請求項37】
複数の冗長不揮発性メモリモジュールをさらに備える、請求項32から請求項36のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
【請求項38】
前記データレコーダは、フラッシュメモリドライブのようなリムーバブルメモリ格納デバイスをさらに備える、請求項32から請求項37のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
【請求項39】
前記データレコーダは、前記プラットフォームとは独立の電源をさらに備える、請求項32から請求項38のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
【請求項40】
複数の他の操作者へと前記センサデータを共有するために、前記データレコーダに接続された送信機をさらに備える、請求項32から請求項39のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
【請求項41】
前記データレコーダを収容する、硬化され、封止された防水性筐体をさらに備える、請求項32から請求項40のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
【請求項42】
前記データレコーダは、飛行データレコーダを含む、請求項32から請求項41のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される複数の実施形態は、概して、複数のデータ記録および分析システムに関し、より具体的には、しかし排他的なものではないが、移動する複数のプラットフォームに配置された複数のセンサから記録されたセンサデータの記録および分析用のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの民間用無人航空機(UAV)は、事故再現用にUAVの複数のセンサを飛行中に記録するためであり、一般には"ブラックボックス"として知られている、飛行データ記録機能を持っていない。飛行データレコーダを持った数少ない民間用UAVは比較的単純であり、そのような複数のシステムは、操作者に関する複数の使用傾向および好ましい構成の情報についての統計をまとめられない。さらに、現在利用可能な複数の飛行データ記録システムは、操作者の飛行記録を利用してUAVの機能を調整することをしない。故に、複数の異なるレベルの操作者の経験に基づいた、変動する性能特性を許すことになる。また、現在の複数のシステムは、位置に基づいた複数のソーシャルネットワークを用いた飛行データの共有を許さない。最後に、民間用UAVは、飛行事故が発生した際に、事故の複数の画像またはビデオを定期的に格納しない。従って、改善された事故調査を許さない。
【0003】
従って、操作者の飛行経験を最適化し、安全を改善するための、UAV飛行データの飛行データ記録および分析のためのシステム、方法、および装置に対する必要性がある。
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本開示は、動作センサおよび制御データのデータ記録および分析に関する。開示されるシステム、方法、および装置は、プラットフォーム操作者の全経験を改善するために、無人航空機(UAV)のような移動するプラットフォームからの収集、格納、および分析、並びにイベント後データ再構築を可能とする。口語表現では"ドローン"と呼ばれるUAVは、機体に人間のパイロットが搭乗していない航空機であり、その飛行は、自律的に、または、遠隔パイロット(また、時としてその両者)によって制御される。開示されるシステムおよび方法により提供されるデータ分析は、操作者にとっての経験を改善するために、UAVの性能特性を変更する。
【0006】
本明細書に開示される一態様に従うと、移動するプラットフォームに乗った状態で配置されたセンサによって収集された、記録されたデータを分析するための方法が説明される。この方法は、センサによって収集された、記録されたセンサデータを分析すること、および、この分析することに応じて、プラットフォームの動作パラメータを更新することを含む。
【0007】
本方法のいくつかの実施形態において、センサデータを分析することは、プラットフォーム操作者に対する操作者プロフィールを設定することと、操作者プロフィールに基づいて、動作パラメータの初期の動作制限設定することと、センサデータが動作パラメータの初の動作制限を超えるかどうかを決定することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、更新することは、センサデータが初期の動作制限を超える場合に、プラットフォームの動作パラメータを更新することと、センサデータが初期の動作制限内である場合に、プラットフォームの動作パラメータを維持することを含む。
【0009】
本方法のいくつかの実施形態において、センサデータを分析することは、センサからセンサデータを受信することを含む。
【0010】
本方法のいくつかの実施形態において、動作パラメータを更新することは、複数の以前のイベントから記録されたセンサデータを取得することと、操作者の経験レベルを決定するために、記録されたセンサデータを分析することと、記録されたセンサデータを分析することに基づいて操作者の経験レベルを特性評価することと、操作者の経験レベルの特性評価により決定された経験のある操作者によってプラットフォームが操作されている場合、プラットフォーム性能特性を増大させること、および、操作者の経験レベルの特性評価により決定された初心者の操作者によってプラットフォームが操作されている場合、プラットフォーム性能特性を低減することの少なくとも一方と、を含む。
【0011】
本方法のいくつかの実施形態においては、記録されたセンサデータに基づいて操作者の経験が特性評価され、操作者の経験の特性評価に基づいて、プラットフォームの異なるレベルの複数の機能を可能にする。
【0012】
本方法のいくつかの実施形態において、異なるレベルの複数の機能を可能にすることは、移動するプラットフォームの高さ、距離、および速度のうち少なくとも1つを制限することを含む。
【0013】
いくつかの実施形態において本方法は、センサデータをデータ格納ユニットに記録することをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態において本方法は、センサデータを地上の装置へと伝達することをさらに含む。
【0015】
他の実施形態において開示される方法は、プラットフォームの操作中に地上局へとセンサデータを伝達することをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態において本方法は、収集されたセンサデータを少なくとも一の他の操作者へと送信することをさらに含む。
【0017】
開示される方法のいくつかの実施形態において、センサデータを分析することは、プラットフォームの地理的位置、プラットフォームの高度、プラットフォームの加速度、プラットフォームの速度、およびプラットフォームにより受信されるコントローラ入力のうち少なくとも1つに関連付けられたデータを分析することを含む。
【0018】
開示される方法のいくつかの実施形態において、センサデータは、プラットフォームに搭載されたカメラからの複数の静止画像またはビデオを記録することを含む。
【0019】
開示される方法のいくつかの実施形態において、センサデータを分析することは、プラットフォームに搭載されたマイクロホンからの音声を記録することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、センサデータを分析することは、プラットフォームが関与する事故の原因を決定することを含む。
【0021】
本明細書に開示される一態様に従うと、開示される方法の複数の態様または実施形態の任意のものを実行するための一組のコンピュータ命令が説明される。
【0022】
本明細書に開示される一態様に従うと、移動するプラットフォームに搭載されて配置された動作センサにより収集された記録されたデータを分析するためのシステムが説明される。データレコーダは、動作センサにより収集された記録されたセンサデータを分析するように構成され、且つ、分析することに応じて移動するプラットフォームの動作パラメータを更新するように構成されたプロセッサ、および、記録されたデータを格納するように構成されたデータ格納ユニットを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、センサデータの統計解析を実行し、統計解析に応じてプラットフォームの性能特性を変更する。
【0024】
いくつかの実施形態において、統計解析は、プラットフォーム操作者の傾向、経験、および技量のうち少なくとも1つを学習することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、動作センサは、プラットフォームのリアルタイムな位置を決定するための地理的位置情報センサ、加速度計、コントローラ入力センサ、姿勢および角速度を検出するための慣性計測ユニット、超音波センサ、単眼カメラ、および双眼カメラのうち少なくとも1つを含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、移動するプラットフォームが関与する事故の原因を決定することを実行する。
【0027】
いくつかの実施形態において本システムは、データ格納ユニットへの複数の静止画像またはビデオを記録するための、移動するプラットフォームに搭載された撮像装置をさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、撮像装置は、改善された事故調査のために、事故が発生した際に複数の事故の複数の画像またはビデオを撮像する。
【0029】
いくつかの実施形態においてプロセッサは、改善された事故調査のために、事故が発生した際に動作センサのデータを収集する。
【0030】
いくつかの実施形態において本システムは、データ格納ユニットへの音声を記録するために、移動するプラットフォームに搭載されたマイクロホンをさらに含む。
【0031】
いくつかの実施形態においてプロセッサは、複数の以前のイベントから記録されたセンサデータを取得するように構成され、プラットフォーム操作者の経験レベルを決定するために、記録されたセンサデータを分析するように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態においてプロセッサは、記録されたセンサデータを分析することに基づいてプラットフォーム操作者の経験レベルを特性評価する。プロセッサは、プラットフォーム操作者の経験レベルの特性評価により決定された経験のあるプラットフォーム操作者によってプラットフォームが操作されている場合、プラットフォーム性能特性を増大させるように構成され、プラットフォーム操作者の経験レベルの特性評価により決定された初心者のプラットフォーム操作者によってプラットフォームが操作されている場合、プラットフォーム性能特性を低減するように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態においてプロセッサは、操作者の経験の特性評価に基づいて、移動するプラットフォームの異なるレベルの複数の機能を可能にするように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態において、異なるレベルの複数の機能を可能にすることは、移動するプラットフォームの高さ、距離、および速度のうち少なくとも1つを制限することを含む。
【0035】
本システムのいくつかの実施形態においては、データレコーダに接続され、複数の地上局へとセンサデータを送信するための送信機をさらに含む。
【0036】
本システムのいくつかの実施形態において地上局は、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル電子デバイス、またはパーソナルコンピュータのうち少なくとも1つを含む。
【0037】
いくつかの実施形態において地上局は、移動するプラットフォームに電力を供給する複数のバッテリを再充電するための再充電ステーションを含む。再充電ステーションは、移動するプラットフォームの自動的ドッキング用に構成される。
【0038】
いくつかの実施形態において送信機は、第3世代(3G)または第4世代(4G)のモバイル通信技術無線ネットワークによって、および/または、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を介してセンサデータを送信する。
【0039】
開示されるシステムのいくつかの実施形態においてデータ格納ユニットは、複数の冗長不揮発性メモリモジュールを含む。
【0040】
開示されるシステムのいくつかの実施形態において、データレコーダはリムーバブルメモリ格納デバイスを含む。リムーバブルメモリ格納デバイスは、任意にフラッシュメモリドライブを含む。
【0041】
いくつかの実施形態においてデータレコーダは、記録されたセンサデータを予め分析するためのプリプロセッサを含む。
【0042】
本システムのいくつかの実施形態において、プラットフォームは航空機である。
【0043】
本システムのいくつかの実施形態において、プラットフォームは飛行機である。
【0044】
本システムのいくつかの実施形態において、プラットフォームは無人航空機である。
【0045】
本明細書に開示される一態様に従うと、動作センサにより提供されるセンサデータを分析するためのプロセッサと、センサデータを記録するためのデータ格納ユニットを備えるデータレコーダが説明される。
【0046】
データレコーダのいくつかの実施形態においてプロセッサは、センサデータの統計解析を実行し、統計解析に応じてプラットフォームの動作パラメータを変更する。
【0047】
開示される装置のいくつかの実施形態においてデータレコーダは、センサデータをエクスポートするためのデータ出力ポートをさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態においてデータレコーダは、複数の動作センサと通信するためであり、センサデータをプロセッサへ提供するためのデータ入力ポートをさらに含む。
【0049】
開示される装置のいくつかの実施形態においてデータレコーダは、複数の冗長不揮発性メモリモジュールを含む。
【0050】
開示される装置のいくつかの実施形態においてデータレコーダは、フラッシュメモリドライブのようなリムーバブルメモリ格納デバイスをさらに含む。
【0051】
開示される装置のいくつかの実施形態においてデータレコーダは、センサデータの統計解析を実行し、統計解析に応じてプラットフォームの性能特性を変更するプロセッサを含む。
【0052】
開示される装置のいくつかの実施形態においてデータレコーダは、プラットフォームとは独立の電源を含む。
【0053】
開示される装置のいくつかの実施形態においてデータレコーダは、複数のその他の操作者へとセンサデータを共有するために、データレコーダに接続された送信機を含む。
【0054】
開示される装置のいくつかの実施形態においてデータレコーダは、第3世代(3G)または第4世代(4G)のモバイル通信技術無線ネットワークによって、および/または、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を介してセンサデータを送信する送信機を含む。
【0055】
開示される装置のいくつかの実施形態においてデータレコーダは、硬化され、封止された防水性筐体を含む。
【0056】
開示される装置のいくつかの実施形態において、データレコーダは飛行データレコーダである。
【0057】
開示される装置のいくつかの実施形態において、プラットフォームは飛行機である。
【0058】
開示される装置のいくつかの実施形態において、プラットフォームは無人航空機である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】プラットフォームセンサデータを分析し、プラットフォームデータ分析の複数の結果に応じてプラットフォームの動作パラメータを更新するための方法の一実施形態を示す、例示的な最上位のフローチャートである。
【0060】
図2図1の方法の代替的実施形態を示す例示的なフローチャートであり、センサデータ分析が、操作者プロフィールおよび動作パラメータを設定することを含む。
【0061】
図3図1の方法の別の代替的実施形態を示す例示的なフローチャートであり、センサデータ分析が、センサデータを、変更された動作パラメータと比較することを含む。
【0062】
図4図1の方法のさらに別の代替的実施形態を示す例示的なフローチャートであり、複数のデータ分析結果に応じて動作パラメータを更新することは、収集されたイベントデータに基づいて、操作者の経験を特性評価することを含む。
【0063】
図5図1の方法の別の代替的実施形態を示す例示的なフローチャートであり、プラットフォームデータを記録することが示されている。
【0064】
図6図1の方法の別の代替的実施形態を示す例示的なフローチャートであり、地上の装置へとセンサデータを伝達することが示されている。
【0065】
図7図1の方法を実行するためのデータ記録および分析装置の一実施形態を示す、例示的な最上位のダイアグラムである。
【0066】
図8図7の装置の代替的実施形態を示す、例示的な最上位のダイアグラムであり、装置はさらにデータ格納ユニットを含む。
【0067】
図9図7の装置の別の代替的実施形態を示す、例示的な最上位のダイアグラムであり、データ記録および分析システム内に装置が配置されている。
【0068】
図10図7の装置を組み込んだデータ記録および分析システムを示す、例示的な最上位のダイアグラムであり、システムは、リムーバブルデータ格納カードと通信するための拡張データポートを備える。
【0069】
図11図10のシステムの別の代替的実施形態を示す、例示的な最上位のダイアグラムであり、システムは、選択された地上の要素と通信することができる。
【0070】
図12図10のシステムのさらに別の代替的実施形態を示す、例示的な最上位のダイアグラムであり、システムは、無人航空機での使用に向けて適合されている。
【0071】
図13図1の方法に向けて使用されることのできる、例示的なクアッドコプター無人航空機の図説である。
【0072】
全図面を通して例示を目的とするために、これらの図面は縮尺通りには描かれていないこと、および、類似した複数の構造または機能の複数の要素は同様な参照番号によって一般に表されていることに留意されたい。複数の図面は、複数の好ましい実施形態の説明を容易にすることのみが意図されたものであることについても留意されたい。複数の図面は、記載される複数の実施形態のあらゆる態様を示すものではなく、本開示の範囲を限定するものではない。
【0073】
【発明を実施するための形態】
【0074】
現在利用可能な複数のデータレコーダは、移動するプラットフォームのセンサデータの飛行中の分析を実行することが不可能であるので、データ記録および分析を実行するためのシステムおよび方法が開示される。本システムおよび方法は、有利にも、広範な複数の移動するプラットフォームに関して適用されることができる。例示的なプラットフォームを移動させることは、航空機、自動車、クルーズ船、および/または、機関車を含むことができる。別の代替的実施形態においては、プラットフォームは無人航空機(UAV)であることができる。
【0075】
例えば図1を参照すると、データ記録および分析のための方法100の一実施形態は、110において、センサデータを分析すること、および、120において、センサデータ分析の複数の結果に応じて動作パラメータを更新することを含むように示されている。更新することは、パラメータを変化させる、変更する、または維持することを含むことができる。
【0076】
方法100は、有利にも、広範な複数の移動するプラットフォーム200に関して実行されることができる(図11に示される)。開示される方法100の代替的実施形態においてプラットフォーム200は、航空機、自動車、クルーズ船、および/または機関車であることができる。別の代替的実施形態においてプラットフォーム200は、無人航空機(UAV)200Aであることができる(図12に示される)。
【0077】
110において分析されるセンサデータは、プラットフォーム200に対する基本センサデータを含むことができる。例示的なセンサデータは、無制限に、プラットフォーム200についての現在の姿勢、慣性計測ユニット(IMU)データ、電力レベル、コントローラ入力データ、複数のナビゲーションポイントの緯度および経度のような複数のコントローラコマンド、高度、速度、角回転の機首方位および程度、および/または、視覚的および非視覚的データのようなカスタム定義された拡張されたデータを含むことができる。
【0078】
センサデータは、プラットフォーム200に配置された様々なセンサ210、220、230(図11に示される)から収集されることができる。これらのセンサ210、220、230は、これらに限定されるものではないが、プラットフォーム200の高度、加速度(ピッチ、ロール、およびヨー)、姿勢地理的位置、速度、外気温、および/または気圧を含むことができる。
【0079】
一実施形態においては、それぞれのセンサ210、220、230は、予め定められたサンプリングレートを有する。サンプリングレートは、プラットフォーム200に配置された他のセンサ210、220、230のサンプリングレートと同様であってよい。および/または異なるものであってよい。加速度の急激な降下または変化のような選択された複数の条件下で、全てのセンサ210、220、230から選択される複数のサンプリングレートが変化することができる。監視され得るセンサ210、220、230の数および種類は、プラットフォーム200ごとに変化することができる。また、センサ210、220、230の異なる複数の構成が、同じ種類のプラットフォーム200に乗った状態で配置されることができる。
【0080】
方法100の一実施形態においては、収集されたセンサデータは、センサ210、220、230からの複数の電気信号として、データ処理および分析ユニット242へと送信されることができる(図10に示される)。データ処理および分析ユニット242は、センサデータを生データとしてメモリに保存することができる。および/または、分析される前にセンサデータをフィルタリングすることができる。生データおよび/またはフィルタリングされたデータは、分析に先立って、または分析と同時に、もしくは分析に続いてデータレコーダ240(図11に示される)に保存されることができる。いくつかの実施形態においてセンサ210、220、230は、データ分析のために、送信に先立って、内部でセンサデータをフィルタリングすることができる。いくつかの実施形態においてセンサ210、220、230は、その後の送信用にセンサデータを内部でバッファリングすることができる。
【0081】
一実施形態において方法100は、分析されるべき一組の動作パラメータを予め決定することを含むことができる。データ分析は、センサ210、220、230から捕捉されたセンサデータを、予め定められた複数の動作パラメータの組と比較する。もしも、センサデータが複数の設定されたパラメータの動作制限を超えていることが決定された場合、複数の動作パラメータは変更されることができる。予め定められた複数の動作パラメータの組は、最小数のパラメータとして単一のパラメータを、または、データ処理および分析ユニット242の処理能力までの最大数のパラメータを含むことができる。
【0082】
データ分析は、統計解析用の任意の従来の方式を用いて成されることができる。データ分析は、有用な情報を発見すること、結論を提案すること、および、意思決定を支援することを目的として、データを調査する、きれいにする、変換する、および/またはモデル化する処理のことである。ここで、データ分析は、プラットフォーム操作者の傾向、経験、および/または技量を学習すること、および/または、プラットフォーム200の動作をより安全にするために、プラットフォーム200の性能を変更することを含むことができる。
【0083】
一実施形態においては、複数の分析結果がメモリに格納されることができ、要望に応じて、事故再現のようなイベント分析のために、その後呼び出されることができる。
【0084】
120において、複数のデータ分析結果に応じて動作パラメータを更新することは、任意の従来の方式で実行されることができる。1つの例示的な方式は、設定された複数のパラメータから外れた、選択された1つの動作パラメータのみを更新することを含む。例えば、プラットフォーム200が地面の極めて近くにある時に、もしも設定された速度パラメータをプラットフォーム200が超えている場合には、方法100は、全ての高度に対し、プラットフォーム200の最大速度を制限することができる。
【0085】
いくつかの実施形態においては、全てのセンサデータが分析される。複数の他の実施形態においては、センサデータの選択されたサブセットのみが分析される。いくつかの実施形態においては、予め定められた期間にわたって、および/または、離散的な複数のイベントにわたって、センサデータのサブセットが定義される。
【0086】
120において、複数のデータ分析結果に応じて動作パラメータを更新するための別の方式は、複数の動作パラメータの組み合わせを同時に変更することを含む。同じ例を用いると、もしも操作者が、地面の極めて近くで高い対気速度でプラットフォーム200を操作している場合、方法100は、(ある速度にわたる)最大速度と最低高度の両者を制限することができる。
【0087】
別のアプローチは、いくつかの動作パラメータを監視することを含む。複数の分析結果に基づいて、その他複数の動作制限から外れた場合にのみ、選択された動作パラメータが変更されてよい。例えば、このアプローチを用いると、もしもプラットフォーム200がある最低高度を下回る場合に、対気速度制限が適用されるであろう。対気速度制限は、より高い高度においては影響が無いだろう。
【0088】
方法100は、これら複数の方式の任意のものを個々に、あるいは、任意の予め選択された組み合わせで使用することができる。方法100はまた、監視されている複数のセンサパラメータに基づいて、プラットフォーム200のプログラミングによって決定されるように変化することができる。図1は2つの別個の動作として方法100を示すが、一方で方法100は、任意の数の動作で実行されることができる。方法100は、多数の異なるセンサ210、220、230からのセンサデータを収集および分析することができる。さらにセンサ210、220、230は、任意の従来の有線および/または無線方式でセンサデータを送信することができる。方法100は、単一のデータレコーダ240(図9に示される)によって実行されることができる。または、データ分析および記録機能の冗長性を提供するために、任意の適切な数のデータレコーダ240を用いて実行されることができる。最後に、データ分析は、プラットフォーム200に配置されたセンサ210、220、230の内部で部分的に、または完全に実行されることができる。
【0089】
図2は、方法100の代替的実施形態を示す。図2を参照すると、110においてセンサデータを分析することは、112においてプラットフォーム操作者についてのプロフィールを設定することを含むように示されている。
【0090】
一実施形態においては、112において操作者についてのプロフィールを設定することは、プラットフォーム200(図11に示される)を操作している操作者の好み、経験、および/または技量レベルを詳述するデータファイルを受信することを含むことができる。データファイルは、データ格納デバイスから、および/または、オンラインのデータ格納位置からデータファイルをロードすることを含め、任意の従来の方式でプラットフォーム200にアップロードされることができる。新たな操作者は、初期設定によって、および/または、例えば、プラットフォームコントローラ310(図11に示される)の感度を含め、いくつかの好みを予め操作者に選択させることを許すことによって、プロフィールを設定してよい。方法100は、有利にも、ある期間にわたって、および/または、一連のイベントにわたって、操作者のプロフィールが自動的に更新されることを可能にする。
【0091】
操作者各個人は、それぞれの操作者プロフィールに関連付けられることができる。操作者プロフィールは、1または複数の以前のイベントからのセンサデータを含むことができる。一実施形態において操作者プロフィールは、全ての以前のイベントからのセンサデータを含む。1つのイベントは、操作者とプラットフォーム200との間の単一の相互作用を含む。一実施形態において、イベントは航空機(不図示)の飛行であることができる。別の実施形態において、イベントは、無人航空機200A(図13に示される)の飛行を含むことができる。操作者プロフィールは、複数の以前のイベントからのセンサデータのサブセットを含むことができる。プロフィールは、特定の操作者およびプラットフォーム200を操作することに対するいくつかの選択された操作者の好みを識別するための情報を含むことができる。
【0092】
操作者プロフィールは、プラットフォーム200を制御することにおける操作者の熟練度を定量化する。操作者プロフィールは、1または複数の以下の特性を分析することによって設定されることができる。複数の以前のイベントの時間の長さ、イベントの間にプラットフォーム200によって進んだ距離、以前のイベントの数、複数のコントローラ入力および加速度計データに基づいた複数の以前のイベントの相対的な滑らかさ、および、プラットフォーム200で様々な操作を実行することの精度である。
【0093】
一実施形態において方法100は、選択された以前のイベントのイベント時間、イベント距離、および/または、最大イベント高度、並びに、操作者の全経験レベルを決定するために、時間および周波数領域の分析を含む。例えば、無人航空機200Aに関連した複数のイベントに対し、方法100は、全経験を決定するために、操作者が1または複数の選択された操作を実行したかどうかを評価することができる。例示的な複数の選択された操作は、後方および前方を向いた飛行、および/または、複数のホットスポット周りでの複数の旋回パターンが相対的に滑らかであるかどうか、および/または、通常の飛行において複数の飛行機器姿勢および速度が滑らかにされているかどうかを含むことができる。
【0094】
一実施形態において操作者プロフィールは、プラットフォーム200のデータ格納ユニット244(図8に示される)に格納されることができる。これに加えて、および/または、これに代えて、操作者プロフィールは地上局320(図11に示される)に対してエクスポートされることができる。または、インターネットを通じてオンラインでアクセスできるデータベース(不図示)に格納されることができる。
【0095】
ひとたび操作者プロフィールがロードされると、操作者プロフィールに基づいて、114において動作パラメータが設定される。動作パラメータは、加速度制限、速度制限、高度制限、または、これらの制限の1または複数の様々な組み合わせを含むことができる。例えば、動作パラメータは低高度における速度制限の組み合わせであることができる。
【0096】
操作者プロフィールに基づいて114において動作パラメータを設定することは、関連する操作者によるプラットフォーム200の操作に先立って起こる。監視されるべき複数の特定のパラメータは、操作者のプロフィールに基づいて変化することができる。例えば、もしも、過去のいくつかのイベントにわたって、または現在の期間にわたって、プラットフォーム200の高度制御が不安定であることを操作者プロフィールが示す場合、方法100は、垂直速度(上昇または下降の速度)を特に監視されるべきであるパラメータとして設定することができる。操作者プロフィールに基づいて、複数の動作パラメータの1または複数、あるいは任意の組み合わせが、監視する複数の動作パラメータとして選択されることができる。さらに、114において動作パラメータを設定することは、最大または最小値に対するある範囲の値にわたってパラメータが評価されるであろうかどうかについて、および、動作パラメータのあらゆる変更に先立って、いくつのセンサデータポイントが、設定された範囲または複数の値から外れる必要があるかについて決定することができる。
【0097】
115において、複数のセンサからセンサデータが受信される。図1に関して以前に説明されたように、センサデータは、同様なレートで、および/または、複数の異なるレートでサンプリングされることができる。設定された複数の動作パラメータからセンサデータが外れているかどうかを決定するために、116において、センサデータは、設定された複数のパラメータと比較される。もしもセンサデータが動作パラメータ内である場合には、センサデータは115において受信され続け、116において設定された動作パラメータと比較され続ける。もしもセンサデータ設定する動作パラメータから外れている場合、複数のデータ分析結果に応じて、120において性能特性が変更されることができる。例えば、116において、もしも低高度において高速で操作者がプラットフォーム200を操作しているとデータ分析が決定した場合、速度制限、高度制限、範囲制限、または、それらの任意の組み合わせが設定されることができる。別の例においては、操作者の複数の制御入力が不安定で、操作者により誘起されたプラットフォーム200の振動をもたらすことを複数の分析がもしも決定する場合、プラットフォームコントローラ310(図11に示される)の感度が低減されることができる。
【0098】
一実施形態において方法100は、有利にも、無人航空機(UAV)200Aに適用されることができる。データ処理および分析ユニット242(図7に示される)は、操作者のプラットフォーム経験を分析すること、および、UAV200Aの操作者の操作について統計をまとめることができる。
【0099】
一実施形態において方法100は、操作者のプラットフォームの好みを決定するために、ビッグデータ分析を使用することができる。例えば、センサデータを分析することにより、プラットフォームを操作するために操作者が好むモード、好まれる高度、および操作者が行った任意の操作のような、操作者の複数の好みおよび傾向が学習されることができる。方法100は、1つよりも多くの動作パラメータに対し、最小パラメータ値および最大パラメータ値等、複数のパラメータの様々な範囲に対して当てはまる。
【0100】
図3を参照すると、方法100は、120においてパラメータが調節された後に、117においてセンサデータを受信するように示されている。受信されるセンサデータの種類および/または量は、操作者のプロフィール、初期分析の複数の結果、または、これらの組み合わせのいくつかに依存することができる。方法100は、有利にも、センサデータの繰り返される分析を提供することができる。図3に示されるように、方法100は、センサデータを117において受信すること、および、センサデータが、変更された複数の動作パラメータから外れているかどうかを118において決定することを含むことができる。118において、もしも変更された複数の動作パラメータ内にセンサデータがある場合、処理は、117において追加のセンサデータを受信することができる。118において、もしも変更された動作パラメータからセンサデータが外れている場合、本方法は、121において、複数のデータ分析結果に応じて動作性能特性を再び変更することをさらに含む。121における動作性能特性の変更に続いて、処理は、117において追加のセンサデータを受信することができる。
【0101】
図4を参照すると、120における複数のデータ分析結果に応じて動作パラメータを更新するための処理は、さらに、122において複数の以前のイベントからデータを取得すること、操作者の経験を決定するために124において以前のイベントデータを分析すること、およびイベントデータに基づいて126において経験を特性評価すること、を含む。操作者の経験は、126において、初心者または経験者のどちらかとして特性評価される。初期の特性評価は初心者である。もしも操作者が初心者の操作者として特性評価された場合には、方法120は、プラットフォーム200の性能特性を低減することをさらに含む127。もしも操作者が経験のある操作者として特性評価された場合には、方法120は、プラットフォーム200の性能特性を増大させることをさらに含む128。一実施形態において初心者用設定は、プラットフォーム200(図11に示される)の範囲、対気速度、高度、視点(POV)、または加速度を制限することができる。経験のある操作者用の設定は、プラットフォーム200の設計性能限界まで増大した、プラットフォーム200の範囲、対気速度、高度、POV、および加速度をもたらすことができる。初心者用設定は、プラットフォームの前方部分(図13に示される)の向きを合わせることができる。それで、前方部分が初心者のプラットフォーム操作者から遠い方を向く。例えば、初心者の操作者がプラットフォームコントローラを保持しており、コントローラが、ある角度で地面と平行に時計回りまたは反時計回りに回転された場合、プラットフォームは同じ方向に同じ角度回転して、プラットフォームの前方部分がプラットフォームコントローラから遠い方を向き、プラットフォームの後方部分がプラットフォームコントローラの方を常に向いていることを確実にする。
【0102】
無人航空システムの実施形態においては、センサデータは、動作および拡張センサデータを含むことができる。センサデータは、慣性センサ、動きセンサ、位置センサ、および近接センサのような複数の動作飛行センサ210A(図12に示される)からの情報を含む。拡張データは、複数の視覚センサ220A(図12に示される)および複数の非視覚センサ230A図12に示される)からの情報を含む。動作および拡張センサデータは最初に処理されてよいであろう。何故ならば、センサデータは、飛行中に計算された中間的データ、および飛行制御またはその他の周辺通信データのような、無関係なセンサデータを多量に含んでいるかもしれないからである。データ処理はまた、操作者に特定の複数の設定に従って、センサデータを変換する必要があるかもしれない。そのような処理は、無関係のデータを削除すること、および/または、選択された格納されたデータを抽出することを含む。動作飛行センサ210Aが、高速での降下のような、潜在的に事故に先行するであろう複数の条件を検出した場合、方法100は、事故の場面を再現するために、カメラでの複数の画像のような視覚的データを自動的に記録することができ、画像格納を完了する。処理されたデータはまた、その後の分析用に、格納機器に格納されることもできる。操作者の飛行時間、飛行距離等は、操作者の飛行経験を決定し、UAV200Aを操作する操作者の熟練度および好ましいデータ統計に関する統計をまとめるために、データ処理および分析ユニット242(図8に示される)において分析されることができる。
【0103】
図5を参照すると、データ記録および分析のための方法100は、130において、データ格納ユニットにセンサデータを記録することをさらに含む。示される方法100とは別個であるように示され、記載されているが、130においてデータ格納ユニットにセンサデータを記録することは、処理110および/または120内に少なくとも部分的に統合されることができる。データは選択されたレートでサンプリングされることができ、これはサンプリングされるセンサ210、220、230に依存し得る。例えば、方法100は、1秒間に1,000サンプルまでのレートで、慣性計測ユニットをサンプリングすることができる。比較として、GPSセンサは、より低い頻度でサンプリングされるであろう。一実施形態において方法は、位置データ用に、1秒間に10サンプルでGPSをサンプリングするであろう。
【0104】
データ格納ユニット244(図8に示される)へとセンサデータが書き込まれる速度は、特定のセンサ210、220、230にも依存して変化することができる。一実施形態においては、速度は、1秒間に記録されるデータが1から10メガバイト(Mb)の範囲に及んでよい。センサデータおよび拡張データは、プラットフォーム200に接続された複数のセンサからデータ処理および分析ユニット242(図8に示される)へと内部的に送信され、データ格納ユニット244に保存される。
【0105】
もしも慣性計測ユニット(IMU)センサが、事故の結果として急激な加速度の変化のような壊滅的なイベントを検出した場合、方法100は、事故再現に有用であろう追加的な情報を捕捉するために、視覚センサ220のような、いくつかのセンサ210、220、230のサンプリングレートを変化させることができる。
【0106】
図6において、データ記録および分析のための方法100は、140において、センサデータを地上の装置へと伝達することをさらに含む。示される方法100とは別個なものとして示され、記載されているものの、地上の装置へとセンサデータを伝達すること140は、1または複数の処理110または120または130内に少なくとも部分的に統合されることができる。センサデータは、有線または無線のような、任意の従来の方式で地上局320(図11に示される)へと伝達されてよい。航空機または無人航空機に対し、有線データ伝達は、通常はプラットフォーム200(図11に示される)が地上にある間に成される。
【0107】
これに加えて、および/または、これに代えて、動作および拡張データは、プラットフォーム200が動作している間に、操作者または他の複数の操作者に対して伝達されることができる。一度には一人の操作者だけがプラットフォーム200の動作を制御することができるが、一方で、第2操作者は複数の拡張データセンサを制御することができる。例えば、UAVの実施形態200A(図12に示される)に対し、一人の操作者が複数の飛行コマンド(パワー、ピッチ、ロール、およびヨーコマンド)を制御してよく、第2操作者がUAV200A(図12に示される)に取り付けられた可動式カメラの動きを命令してよい。
【0108】
一実施形態においては、複数の飛行コマンドを提供する操作者についての飛行データプロフィールが、複数の飛行性能設定を決定するだろう。別の実施形態においては、拡張センサの操作者が拡張センサの操作者プロフィールを発展させることができ、これは、拡張センサの操作者にとっての複数の好みを保存するであろう。しかしながら、拡張センサの操作者のプロフィールは、UAV200Aの飛行性能特性には影響を与えないであろう。
【0109】
地上の装置320(図11に示される)に保存されたセンサデータは、定期メンテナンスのタイミング(例えば、飛行時間100時間ごとのメンテナンス)を決定するために使用されることができる。または、プラットフォーム200が損傷したまたは破壊された場合に、後で呼び出されるようにオンラインデータベースにアップロードされることができる。
【0110】
一実施形態において、動作および拡張センサデータは、位置に基づいた複数のサービス位置においてその他複数と共有されることのできるプラットフォーム経験の全ての兆候を捕捉することができる。共有されることのできる拡張データは、複数の航空写真/画像、地理的位置(緯度/経度データ)、並びに、複数の画像が撮られた時の複数の写真/画像の高さ、姿勢を記録することを含む。拡張された無人航空機データの社会的な共有は、より多くの操作者が美しい複数の画像やビデオを見ることだけでなく、他者達の遠隔の航空視覚についての経験を共有することも可能にする。
【0111】
伝達されたデータは、例えば、予め定められたイベント数の後に、プラットフォーム200に対して定期メンテナンスを実行するように操作者に思い出させることにより、安全を増大させるために使用されることもできる。このリマインダは、操作者が、スマートフォンまたはタブレットアプリケーション(App)またはパーソナルコンピュータ(PC)上のスケジューリングソフトウェアのような地上局320(図11に示される)へと接続した場合に成される。ソフトウェアは、データレコーダ240(図11に示される)を監視するであろうし、必要なメンテナンス(例えばバッテリまたはモータのサービス)を操作者に思い出させるためのダイアログボックスを使用することができる。それにより、プラットフォーム200に関与する複数のイベントを、より安全なものにすることができる。
【0112】
図7は、データ記録および分析用の装置240を示す。これは、データ処理および分析ユニット242と、入力ポート246Iとを備える。
【0113】
データ記録および分析用の装置240は、複数のマルチメディアスマートフォンに見られる設計と同様なチップセットの周りに組み込まれる。データ処理および分析ユニット240のそのような1つの実施形態は、縮小命令セットコンピュータ(RISC)ベースのコンピュータ設計アプローチを用いて実現されることができる。これは、単純化された命令セットを使用し、1つの命令当り、より少ないマイクロプロセッササイクルを用いて、それら複数の命令を実行することにおけるより高い性能をもたらす。RISCベースのコンピュータ設計アプローチの1つの利点は、設計中のトランジスタの数を低減できることであり、それにより、コスト、熱、および電力使用を低減する。これらのCPU特性は、軽量で携帯可能な、複数のバッテリ駆動式デバイスに対して望ましい。より単純な設計は、より効率的なマルチコアCPU、および、より低コストでのより高いコアカウントを容易にし、改善されたエネルギー効率を提供する。一実施形態において設計は、32ビットプロセッサであることができる。代替的な実施形態において設計は、64ビットプロセッサであることができる。
【0114】
センサデータは、ユニバーサルシリアルバス(USB)、コントローラーエリアネットワーク(CAN)、シリアルおよび/またはその他の標準ネットワーク接続を通じ、プラットフォーム200のセンサ210、220、230からセンサデータを受信する入力ポート246Iを通じて、データ処理および分析ユニット242によって受信されることができる。
【0115】
図8は、データ記録および分析用の装置240が、データ処理および分析ユニット242、データ格納ユニット244、入力ポート246I、出力ポート246O、および拡張データポート248をさらに備えることを示す。
【0116】
センサデータは、データ処理および分析ユニット242により、出力ポート246Oを通じてデータレコーダ240から伝達される。出力ポート246Oは、ユニバーサルシリアルバス(USB)、コントローラーエリアネットワーク(CAN)、シリアルおよび/またはその他の標準ネットワーク接続であることができる。
【0117】
拡張データポート248は、リムーバブルメディアカード249(図10に示される)の使用を可能とする。拡張データポートは、セキュアデジタル(SD)カード、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)カード、外部U−ディスク、および、その他のフラッシュまたは格納機器を受け入れることができる。操作者は、リムーバブルメディアカード249に記録されることのできる動作および拡張データを特定することができる。拡張されたデータをリムーバブルメディアカード249に保存することを操作者に許すことにより、複数の操作者が、他者達と共有するために、自分達の複数のプラットフォームイベントの複数の画像およびビデオを記録することができる。一実施形態においては、様々なプラットフォーム200間でのプロフィールの簡単な伝達を可能にするために、ある操作者のプロフィールはリムーバブルメディアカード249に保存されることができる。拡張データポート248は、4ギガバイト(GB)から32GBまで、またはそれ以上の容量を持ったリムーバブルメディアカード249をサポートすることができる。
【0118】
図9を参照すると、データ記録および分析用のシステム400内に配置されたデータレコーダ240を示す。システム400は、動作センサ210、送受信機250、およびプラットフォーム制御システム260をさらに備えるように示されている。システム400のいくつかの実施形態は、視覚センサ220および/または非視覚センサ230も備えることができる。
【0119】
データ記録および分析用のシステム400は、プラットフォーム200の状態を感知するための様々な動作センサ210が備えられることができる。そのような複数の動作センサ210は、慣性計測ユニット、加速度計、プラットフォーム制御入力、高度計、グローバルポジショニングシステム、並進センサ、および外気温センサを含むことができる。
【0120】
複数のプラットフォーム動作に関連する複数のセンサ210は、IMUのような、複数の慣性センサを含むことができる。これは通常、速度、方位、および選択されたプラットフォーム200に作用する重力について報告するために、複数の加速度計、ジャイロスコープ、および/または磁力計の組み合わせを頼りとしている。IMUは、本質的に、機械式スピニングマス垂直ジャイロスコープの現代の代替品として使用される。この点でIMUは、姿勢、動き、および時としていくつかの位置の度数を検出するために使用されてよい閉システムである。IMUは通常、複数の加速度計および角速度センサの組み合わせを使用し、一般に、3つの軸を測定する3つの加速度計、および、直交するように搭載された複数のレートジャイロの3つの軸を備える。ソフトウェアおよび関連付けられたプロセッサは、通常、カルマンフィルタリングを使用し、次いで、加速度および角速度データを知的に組み合わせて、重力には参照されるが、プラットフォーム200の加速度には依存しない、ピッチ/ロール姿勢データを与える。故にIMUは、純粋に慣性測定に基づいた正確なピッチ/ロール姿勢および機首方位データストリームを提供し、視覚情報、衛星、または任意の外部技術への依存に頼らない。IMUは、データレコーダ240の複数の入力の1つに接続されることができる。
【0121】
複数のIMUシステムが当該分野においてよく知られており、そのいくつかの説明は、Smith等の米国特許第4,675,820号明細書、Morrisonの米国特許第4,711,125号明細書、Cardarelliの米国特許第6,725,719号明細書、および、Kohler等の米国特許第7,066,004号明細書にて参照されることができる。同様なデータはまた、ピッチおよびロール軸におけるプラットフォームの姿勢を決定するために、赤外の複数の特徴を使用する赤外水平検出器のようなその他複数の手段を用いても生成されることができる。
【0122】
垂直な重力(G)を測定するために、加速度計が使用されることができる。加速度計は、微小電気機械システムMEMS技術を用いて、マイクロマシン半導体製造されることができる。プラットフォーム200の3つの軸のうちの1または複数に沿ったGの力を加速度計が測定するように、加速度計はセンサボードに搭載されることができる。加速度計は、イベントの間にプラットフォーム200が重大な構造上の複数のストレスにさらされたかどうかを決定するために使用される。プラットフォーム200の航空機での実施形態に対しては、乱気流条件の間の高度の突然の変化、特に航空機が訓練に使用されている場合の失速、回転または曲技飛行操作および硬着陸の間の異常な姿勢の結果、ストレスが発生し得る。
【0123】
一実施形態において、加速度計の出力は、Gの力、および、適切な較正を確実にするために出力に対して調整回路が設定するオフセットおよびスケール計数に比例したDC電圧であることができる。調整回路は、可変成分およびいくつかのバイパスコンデンサを持つ抵抗器のネットワークから成ることができる。抵抗器−コンデンサ回路から成るフィルタは、高周波ノイズを除去することができる。その結果生じるアナログ信号は、垂直なGの力を表すことができ、飛行データレコーダ240の複数のアナログ入力のうちの1つに接続されることができる。
【0124】
プラットフォームピッチは、例えば、加速度計を用いて測定されることができる。一実施形態において、加速度計は、MEMS技術を用いて製造された、微少機械加工された半導体デバイスである。このデバイスは、デバイス中に微少機械加工されることができる吊るされた梁に働く重力の変化を検出することによってピッチ角を測定することができる。加速度計の出力は、傾きまたはピッチ角に比例したDC電圧であることができる。加速度計の出力がロードされることを防ぐために、バッファが使用されることができる。バッファの出力に存在するかもしれない望ましくないノイズをローパスフィルタが除去することができる。その結果生じるアナログ信号は、ピッチ角を表し、飛行データレコーダ240の複数のアナログ入力のうちの1つに接続されることができる。
【0125】
制御システム260は、例えば、プラットフォーム200の姿勢(ピッチ、ロール、およびヨー)、パワー、および/または速度のような1または複数の飛行特性を制御することができる。プラットフォームコントローラ310への操作者の入力は、プラットフォーム200へと無線で送信されてよい。操作者の複数の入力は、プラットフォームコントローラ310にある1または複数の操縦桿の動きを通して成されることができる。あるいは、いくつかのプログラムされたウェイポイントへと航行するための、プラットフォーム200に対する一組のコマンド命令であることができる。これらの操作者入力は、プラットフォーム送受信機250によって受信され、プラットフォーム制御システム260と飛行データレコーダ240の両者に対して送信されることができる。これらの操作者制御入力は、様々なイベントの分析に使用されることができ、事故後調査のような、その後の分析用に記録されることができる。複数の操作者制御入力は、事故の原因またはプラットフォーム200を制御する操作者の技量を決定することにおいて有用であり得る。
【0126】
プラットフォーム200の高度は、これらに限定されるものではないが、レーザ、赤外、ステレオビジョン、音波レンジファインダを含む能動型および受動型高度計、および気圧高度計のような、様々なセンサを通して決定されることができる。同様に、ビルや丘の斜面のような垂直の物体に対するプラットフォーム200の垂直および水平な動きを決定するために、複数の追加の距離センサおよび視覚感知システムが、近くの物体の動きを観察するようにプラットフォーム200の機体に指示することができる。
【0127】
一実施形態において気圧センサは、静気圧に比例したDC電圧を生成する半導体デバイスであることができる。気圧センサの出力は、気圧に正比例するDC電圧である。センサからのあらゆるノイズをフィルタリングするために、ノイズ分離フィルタが使用され得る。その結果生じるアナログ信号は、気圧高度を表し、飛行データレコーダ240の複数のアナログ入力のうちの1つに接続されることができる。
【0128】
加速センサの複数の積分演算のような、コンピュータによる様々な演算を通して、センサデータからプラットフォーム200の位置が外挿されることができる。これに代えて、または、これに加えて、プラットフォーム200は、プラットフォームの地理的位置を感知するためのグローバルポジショニングシステム(GPS)を備えることができる。いくつかの実施形態においてプラットフォーム200は、相互に補完し合うように使用されることができる、複数の慣性センサと複数のGPSシステムの両者が備えられることができる。
【0129】
複数の衛星からの複数のGPS信号は、それぞれの衛星に対して固有の擬似ランダムコードによる直接シーケンススペクトラム拡散を用いて変調される。GPSは、ベースバンド信号を形成するために擬似ランダムコードを再生し、GPS信号を逆拡散させる特定用途向け集積回路(ASIC)である信号プロセッサを備えることができる。
【0130】
GPS受信機は、12ものチャネルを有することにより、いくつかの衛星からの複数の信号を同時に受信することが可能である。プラットフォームの位置を決定するためには、少なくとも6つの衛星が通常必要とされる。GPSは、それぞれの衛星からの複数の信号の到着時間を推定し、軌道中の複数の衛星の情報および既知の位置を用いて、緯度および経度の観点での受信機の位置が計算される。その結果生じるデータは、内部バスを通じたシリアルポートを通して、データ処理および分析ユニット240へと送出されることができる。
【0131】
GPS受信機用のアンテナは、アンテナとして機能する銅パターンを持った印刷回路基板(PCB)であることができる。GPS技術は、およそ1.5GHzのマイクロ波帯で動作する。それにより、比較的小型の複数のアンテナを可能とさせる。アンテナは、プラットフォーム200の機体の上面に搭載されることができる。
【0132】
並進センサシステムは、位置および/または速度を検出するためのシステムである。カメラシステムによって撮像された複数の画像から始めて、オプティックフロー、または、視覚システムの視野内の1または複数の物体の動きに関連した同様なデータが収集されることができる。データは、一緒に結合された並進および回転データの両者を含むので、好ましくは、さらなるデータ処理を通してデータが分離される。分離は、IMUセンサシステムからの測定結果を用いて成されることができる。IMUは、姿勢および/または角速度を検出するための1つのセンサであるが、その他複数のセンサが使用され得る。姿勢および/または角速度データは、並進データを生成するために、オプティックフローまたは同様なデータによって処理されることができる。データの大きさは高度の関数であるので、データの複数のユニットは高度によって変化する。
【0133】
並進データを既知の複数のユニットにするために、高度センサデータが収集され、並進データを処理するために利用されることができる。処理の後に、プラットフォーム200の位置および/または速度データは、一定の複数のユニットにおいて既知であり、ここでは高度データとは独立している。プラットフォーム位置および/または速度データ、人間または別のコンピュータからのプラットフォーム位置コマンドデータ、人間または別のコンピュータからのプラットフォーム速度コマンドデータ、高度検出器からのデータ、プラットフォーム200の姿勢および/または角速度センサからのデータは、プラットフォーム制御システム260へと提供されることができる。制御システム260がどのように設定されているのかに依存して、これらの入力のどちらか一方、または両者が使用されてよい。操作者により命令された複数の動きをプラットフォーム200に最適に実行させるために、制御システム260から、一連のコントローラコマンドが生成される。
【0134】
上記で参照された分離処理が、ここで詳細に記載されるであろう。第1に、従来のオプティックフローおよび/または複数の物体追跡方法に従って、オプティックフローまたは同様なデータが、視覚センサデータから決定されることができる。次に、プラットフォーム200の姿勢および/または角速度に関するデータが入力され、これらの動きに対応するオプティックフローまたは同様なデータが補われる。例えば、もしもプラットフォーム200が時計回りに1.25度回転したことが検出された場合、データ分離処理の間に減算することによって1.25度が説明される。ひとたび回転量が減算されると、視覚的データで検出された複数の動きは、今やプラットフォームの位置の変化のみの結果であり、あらゆる曖昧さは除去された。故に、光学データを、姿勢および/または角速度データとしっかりと統合することによって、プラットフォームの位置が決定されることができる。ひとたび位置が決定されると、位置の時間微分を取ることによって、プラットフォーム200の速度が決定されることができる。
【0135】
ビデオシステムに関連付けられた処理が第1に記載されるであろう。複数の計算方法を用いた画像内の物体追跡のコンピュータビジョン界内には、設定された学術分野が既に存在する。Jacksonの米国特許第4,794,384号明細書、Barrowsの米国特許第6,384,905号明細書、Gordon等の米国特許第6,433,780号明細書、および、Royの米国特許第6,507,661号明細書を参照されたい。一実施形態において、観察者が複数の物体に対して移動する際に認識される、それら複数の物体の視覚的な動きは、いくつか複数の物体のどれだけ近くにその人がいるのか、および、それらに対するその人の動きを、操作者に判断させることを可能とする。例えば、操作者にとって、ある物体がゆっくりと段々大きくなっていくが、操作者の視覚の一方の側へと動いてはいかないということは、操作者が観察者に向かって真っ直ぐに動いていることとして理解されることができよう。この一実施形態において中央処理ユニット242は、ビデオ画像内の全ての"物体"またはランドマークを追跡することができる。カメラが地面に向けられ、画像内の複数のランドマークが全て地上にある場合、追跡された複数の物体は、全ておよそ同じ速度および方向で移動するはずである。画像内の複数のランドマークの複数の動きの間の相関がプロセッサ242によって検出される。処理は、プラットフォーム200のすぐ下を飛んでいる鳥のような、相関に適合しないあらゆるランドマークを排除または無視することができるであろう。カメラによって検出されたような相対的な動きを決定するために、様々なソフトウェア方法が使用されることができるであろう。さらに、様々なソフトウェア方法は、変動する堅牢性の程度および複数の偽の動きの排除の程度を提供することができる。
【0136】
並進データ計算システムは、物体追跡の手段である特徴選択を使用することができる。ここでは、コントラスト特性視点から最も良好な複数の特徴が追跡される。画像化システムにとっては、木または車、あるいは地上に描かれた線のような複数の物体を正確に識別し、ラベルする必要は無い。並進データ計算システムは、観察される物体(木の場合は、背の高い緑色の物体)が、以降の複数の画像フレームを通して追跡されるべき何らかのものであることを単に知るだけでよい。物体の正体を知ることは、物体に対するプラットフォームの動きを理解するためには必要ない。物体追跡機能は有利である。何故ならば、物体追跡は、通常の安価な複数のプロセッサおよび現在入手可能なコンピュータの能力を用いて実行されることができるからである。物体追跡の方法はまた、プラットフォーム200の下の地形およびプラットフォーム200付近の複数の障害物が、予め知られている必要が無いこと、または予め定義されている必要が無いことを意味する。代替的実施形態において、視覚システムの視野内の特定の物体に対してプラットフォーム200が移動することを操作者が望む場合、システムは、1または複数の認識可能な物体を識別および追跡することができる。
【0137】
開示される並進データ計算方法は、システム400によって分析されるビデオシーケンス中のある画像における動きベクトルを決定することができる。もしもプラットフォーム200の並進移動がある場合に、コンピュータは、ビデオシーケンスの分析からではその量を決定することが依然としてできない。それらの問題およびそれぞれに対する解決策が本明細書に記載される。
【0138】
プラットフォーム200の回転運動は、並進移動と同様なビデオシーケンスをもたらす。故に、純粋に視覚的データスチームによってプラットフォーム200を動作させることを試みると、複数の操作者制御入力が曖昧なデータに対して成される結果となるであろう。これは、プラットフォーム200が任意の大きな複数の姿勢変化に出くわした場合に、悲惨なことになるであろう。しかしながら、ビデオシーケンス中の並進移動から回転運動を分離することにより、曖昧なデータが確かなものとなる。分離は、正しく適合されたIMUを用いることによって起こる。IMUは、純粋に複数の慣性測定によって決定された正確なピッチ/ロール/ヨー姿勢情報のデータストリームを出力することができる。IMUから出力されたデータストリームは、ビデオシーケンス中に観察された動きのうちのどれだけが回転のプラットフォーム変化によるもの(姿勢変化)であるのかに対する、動きのうちのどれだけが並進によるもの(例えば位置の変化)であるのかを決定するために使用される。
【0139】
IMUおよび視覚システムの両者によって検出された回転度はY軸を構成し、サンプリング数はX軸を構成する。毎秒数千のセンサデータサンプルが取得されるので、わずか数秒間のセンサデータが何千ものデータポイントをもたらす。センサデータは、視覚信号から回転成分を除去し、それにより並進位置を取得するために、お互いから減算されるであろう。一方の信号を他方の信号から減算することは、ここでは、ゼロ並進移動もたらす。
【0140】
そのようなシステムが備えられたプラットフォーム200の高度に関わらず、複数の回転運動がビデオシーケンス中に同様に現れるであろう。何故ならば、1秒間にカメラがある量の度数地形上で動かされているからである。故に、プラットフォーム200のピッチ/ロール姿勢を取得し、ピッチ/ロールデータおよびビデオデータを均等化するための因子をこれに乗算し、その後、ビデオシーケンスから認識されるカメラの変位をこの量から減算することによって、ビデオシーケンスは、分離されることができる。
【0141】
開示されるシステム400の一実施形態においては、固体温度センサを用いて、外気温が測定されることができる。外気温センサは、温度センサを取り囲む空気の温度に正比例するDC電圧を生成する集積回路を含むことができる。2つのワイヤが、幾分かの利得および低インピーダンス出力を提供する差動増幅器へと、センサを接続する。その結果生じるアナログ信号は外気温を表し、データレコーダ240の複数のアナログ入力の1つへと接続されることができる。
【0142】
システム400の一実施形態においては、図9に示されるように、視覚飛行データを捕捉するために視覚センサ220が使用されることができる。視覚センサ220は有利なことに軽量であり、リアルタイムまたはリアルタイムに近い視覚的データの収集および提示を容易にするために、データ記録および分析システム400の他の複数の構成要素へと高周波数のデータ供給を提供することができる。視覚センサ220は、画像およびビデオ取得用に、様々な従来のカメラを含むことができる。
【0143】
これに加えて、および/または、これに代えて、プラットフォーム200は、音、温度、圧力、湿度、降水量、風速および風向、および/または、視覚的には簡単に捕捉されないその他複数の環境因子に関する非視覚的データを収集するための少なくとも1つの非視覚センサ230が備えられることができる。非視覚的データ収集用の例示的な複数の機器は、これらに限定されるものではないが、電気光学センサ、熱/赤外センサ、カラーまたはモノクロセンサ、多重スペクトルイメージングセンサ、分光光度計、分光計、温度計、照度計、マイクロホン/音響変換器、圧力センサ、高度センサ、流量センサ、湿度センサ、降水量センサ、風速センサ、風向センサ、風速計、光学式レインセンサ、および/または、データ収集に適したその他複数のデバイスを含むことができる。
【0144】
図9はまた、システム400がデータレコーダ240を含み得ることも示す。データレコーダ240は、拡張データに加えて、動作プラットフォームデータの収集、分析、および/または格納を提供する。データレコーダ240は、図7および図8が参照された上記においてより詳細に説明されている。一実施形態においてデータレコーダ240は、ステンレス鋼のような金属から形成された筐体(不図示)中に搭載されることができる。筐体は、衝撃、火および/または水に対するデータレコーダ保護の第1の層として機能する。複数の他の実施形態において筐体は、アルミ、繊維ガラス、複合繊維材料、またはその他の保護材料のような、1または複数のその他の適切な材料から形成されることができる。シリカをベースとする材料から成る断熱材は、熱からデータレコーダ240を保護し、火に対する保護の第2の層として機能する。
【0145】
データレコーダのそのような実施形態の1つは、旅客機に使用されることができる飛行データレコーダ240A(図12に示される)である。複数の飛行データレコーダ240Aは、制御およびアクチュエータ位置、エンジン情報、地理的位置、および/または時刻のような、予め定められた複数の飛行パラメータを記録することができる。FAAは、旅客機について88のパラメータが監視され、記録されることを要求しているが、いくつかのシステムは、もっと多くのパラメータを監視する。一般に、それぞれのパラメータは1秒間に数回記録されるが、いくつかの飛行データレコーダ240Aは、データが素早く変化し始めた場合に、遥かに高い周波数でデータの"激発"を格納する。大抵の飛行データレコーダ240Aは、連続的ループにおいて、およそ17から25時間に値するデータを記録することができる。米国連邦規則は、現在のところ、無人機200A(図12に示される)に対する飛行データレコーダ240Aを要求していない。
【0146】
図9に示されるように、データ記録および分析システム400は、プラットフォーム200と、プラットフォームコントローラ310および地上局320を含む地上の複数のシステム300との間のデータの送信および受信用の送受信機250を組み込む。送受信機250は、プラットフォームコントローラ310から複数のプラットフォーム制御コマンドを受信することができ、有線または無線のような任意の従来の方式で、複数のコマンドをプラットフォーム制御システム260へ送ることができる。送受信機250は、センサデータおよび拡張センサデータを地上局320へと送信することができる。
【0147】
送受信機250セクションは、所望の信号帯域のみを通過させることを可能とする無線周波数(RF)フィルタを含め、いくつかの要素から成る。送受信機250はまた、RF信号を中間周波数(IF)信号へとダウンコンバートし、IF信号を増幅し、IFフィルタを用いて信号をフィルタリングし、複数のオンチップ・アナログ−デジタルコンバータを用いて2つのデジタル成分、つまり符号と大きさへと信号を変換する機能を実行する集積回路であるRFフロントエンドも有する。時間基準として機能する基準水晶と一緒にRFフロントエンドに組み込まれるダウンコンバータ振動子用に、位相ロックループフィルタが使用される。RFフロントエンドIF増幅器の利得は、自動利得制御(AGC)信号によって制御されることができる。
【0148】
データ送受信機の動作周波数は、5.728GHz−5.85GHzのマイクロ波領域内であることができる。データ送受信機アンテナは、複数の無線信号を受信および送信する。インピーダンスは、インダクタ/キャパシタネットワークから成るアンテナマッチングネットワークを用いた回路の残りの部分に適合されることができる。送受信機は、複数のマイクロ波信号を受信および送信する機能を実行する特定用途向け集積回路であることができる。送受信機は短距離、すなわち300から500メートルにわたって動作するように設計されているので、パワー出力は、数ミリワットの範囲内であることができる。
【0149】
一実施形態においてプラットフォーム200は、無線で通信するために、プラットフォームコントローラ310および/または地上局320のような、データ記録および分析システム400の1または複数のその他のシステム構成要素が備えられることができる。データ記録および分析システム400のプラットフォーム200は、無線通信ネットワーク内で、携帯電話のような通信エンドポイントとして動作することができる。故に、複数の通信エンドポイントに対して適当な、任意の従来の無線通信プロトコルが、同様な複数のプラットフォーム200、プラットフォームコントローラ310、および/または、データ記録および分析システム400のその他任意の構成要素の間の通信を容易にすることができる。例えば、プラットフォーム200は、コントローラ310または地上局320と、データアップリンクおよび/またはダウンリンクチャネルを確立することができる。
【0150】
送受信機250はまた、従来の無線通信の任意のカテゴリー、例えば無線、ワイヤレスフィデリティ(WiFi)、セル方式、衛星、および放送を用いて動作することもできる。例示的で適切な無線通信技術は、これらに限定されるものではないが、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM(登録商標))、ジェネラルパケットラジオサービス(GPRS)、符号分割多重アクセス(CDMA)、広帯域CDMA(W−CDMA)、CDMA2000、IMT単一キャリア、GSM(登録商標)進化型高速データレート(EDGE)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE−Advanced、時分割LTE(TD−LTE)、高性能無線ローカルエリアネットワーク(HiperLAN)高性能無線広域ネットワーク(HiperWAN)、高性能無線メトロポリタンエリアネットワーク(HiperMAN)、ローカルマルチポイント配信サービス(LMDS)、Worldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX)、ジグビー、ブルートゥース(登録商標)、フラッシュ直交周波数分割多重(Flash−OFDM)、大容量空間分割多重アクセス(HC−SDMA)、アイバースト、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)、UMTS時間分割複信(UMTS−TDD)、Evolved高速パケットアクセス(HSPA+)、時分割同期符号分割多重アクセス(TD−SCDMA)、Evolution-Data Optimized(EV−DO)、Digital Enhanced Cordless Telecommunications(DECT)、およびその他を含む。
【0151】
いくつかの実施形態において、プラットフォーム200と、データ記録および分析システム400の複数のサブシステムとは、第3または第4世代無線3Gまたは4Gモバイル通信技術を介して通信することができる。3Gおよび4G技術は、国際電気通信連合(ITU)により公布された国際仕様に準拠するモバイル通信用の複数の規格に基づいている。3Gおよび4G技術は、1秒間に200キロビットから1秒間に数ギガビットまでの範囲に及ぶ転送速度で情報を提供する。これは、これらの技術を、広い帯域を使用する高解像度の複数の画像およびビデオの送信用に広く適したものとする。3G技術は、一般に、信頼性およびデータ転送速度に対するInternational Mobile Telecommunications 2000(IMT−2000)規格を満たす技術である。通常の商用3G技術は、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって標準化されたUMTSシステム、W−CDMA無線インターフェース、中国で提供されているTD−SCDMA無線インターフェース、HSPA+ UMTSリリース、CDMA2000システム、および、EV−DOのような、スペクトラム拡散無線送信技術に基づいた複数のシステムおよび無線インターフェースを含む。さらに、EDGE、DECT、およびモバイルWiMAXのようなその他複数の技術もIMT−2000を満たし、故に、ITUにより、3G規格として承認されてもいる。従って、本明細書にて使用される"3G"という用語は、これらに限定されるものではないが、本明細書において説明されたものを含め、任意のIMT−2000準拠技術を含む。
【0152】
対照的に、4G技術は、International Mobile Telecommunications Advanced(IMT−Advanced)仕様に準拠するものとして一般に理解されており、高移動性通信に対しては1秒間に100メガビット、低移動性通信に対しては1秒間に1ギガビットのピーク速度要件を要求している。2010年10月時点で、ITUに承認された複数の4G規格は、LTE−Advancedおよび無線MAN−Advanced(例えば、IEEE802.16m)を含む。しかしながら、多くの商用通信業者が、LTE、モバイルWiMAX、およびTD−LTEのような、IMT−Advanced仕様に完全には準拠していないであろう4Gサービスを宣伝している。従って、本明細書にて使用されるように、"4G"という用語は、これらに限定されるものではないが、LTE、モバイルWiMAX、およびTD−LTEのようなこれら後者の技術、並びに、本明細書に記載されるような複数の技術を含めたIMT−Advancedに準拠するものをも含む。
【0153】
複数の他の実施形態においては、データ記録および分析システム400および方法の複数の関連したサブシステム間での通信を容易にするために、プラットフォーム200は第5世代(5G)モバイル通信ネットワークを使用することができる。5Gは、現在の4G/IMT−Advanced規格を超える、モバイル通信規格の次の段階である。
【0154】
いくつかの実施形態において、本システムの複数のサブシステムによって使用される無線通信は、安全な通信にとって有利であり得るので、データ記録および分析システム400において暗号化されることができる。適切な複数の暗号化方法は、これらに限定されるものではないが、インターネット鍵交換、インターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)、ケルベロス、ポイント・ツー・ポイントプロトコル、トランスポート層セキュリティ、SSID hiding、MAC IDフィルタリング、固定IPアドレス指定、802.11セキュリティ、Wired Equivalent Privacy(WEP)、ワイファイプロテクテッドアクセス(WPA)、WPA2、Temporal Key Integrity Protocol(TKIP)、拡張可能認証プロトコル(EAP)、軽量拡張可能認証プロトコル(LEAP)、保護された拡張可能認証プロトコル(PEAP)、および、その他の商業的に利用可能な複数の暗号化技術を含む。
【0155】
故に、現在の複数の通信エンドポイントによる使用に向けた複数の既存の無線技術が、プラットフォーム200による使用に向けて容易に適合されることができる。例えば、複数の携帯電話用に使用されるものと同様な無線カード、またはその他の適切な無線通信ハードウェアをそれぞれのプラットフォーム200に装備させることにより、プラットフォーム200は、既存の複数のネットワーク中に容易に統合されることができる。これに代えて、および/または、これに加えて、占有通信ハードウェアが必要に応じて使用されることができる。
【0156】
図9に示されるように、データ記録および分析システム400は、プラットフォーム制御システム260を含むことができる。プラットフォーム制御システム260は、送受信機を介してプラットフォームコントローラ310から、または、以前に説明されたように、センサデータの分析に基づいてデータレコーダ240から複数の制御コマンドを受信することができる。
【0157】
データ記録および分析システム400は、無人航空機200Aを含め、様々な種類のプラットフォーム200に組み込まれることができる。人気の高いUAV200Aの種類の1つは、例えば、複数のロータによって推進される回転翼航空機である。4つのロータを持つ回転翼機は、クアッドコプター、クアッドロータヘリコプタ、または、クアッドロータとして知られている。図13はクアッドコプターを示す。そのような設計は、UAV200Aに高い行動範囲を提供し、垂直離着陸、並びに、静止航空画像取得のために空中でホバリングする能力を提供する。データ記録および分析システム400での使用に適した例示的な複数のクアッドコプターは、現在商業的に入手可能な多くのモデルを含む。単一ロータヘリコプタ、デュアルロータ、トライロータ、ヘキサロータ、およびオクトロータ設計を含むその他複数のロータ設計を含め、その他の様々な種類の無人航空機200Aが、データ記録および分析システム400での使用に適している。固定翼および回転翼機−固定翼ハイブリッドUAV200Aも使用されることができる。
【0158】
図13は、4つの中型ロータが、それらの推進力ベクトルが同じ下方向を指すように搭載された、クアッドロータの図説を提供する。複数のロータ/ファンがUAV200Aのそれぞれのコーナーに配置され、各ロータ/ファンは、関連するコーナーを支持するための揚力を提供する。複数のファンは、(1つのファンが前方、1つが後方、1つが右、そして1つが左にある)ダイアモンド型配置、および/または、(2つのファンが左、2つのファンが右にある)長方形型配置を含め、任意の適切な方式で配置されることができる。それぞれのロータの推進力の総計は、ロータの回転速度(RPM)を変化させることによるもの、および/または、それぞれのプロペラのピッチを変化させることによるものを含め、任意の従来の方式で制御されることができる。クアッドコプターは、4つのプロペラのそれぞれに対して個別の推進力コマンドを出力する制御システム260からのピッチおよびロールコマンドを読み取るコンピュータ(不図示)を含んだ混合ユニットを含む。例えば、制御システム260が"右傾き"を命令する場合、混合ユニットは、(速度を上げることまたはピッチを増大させることのどちらかにより)増大した推進力を提供するように左のファンに命令することができ、(速度を落とすことまたはピッチを低減することのどちらかにより)より小さな推進力を右のファンが提供することができる。同様に、前方傾きコマンドは、後方のファンからのより大きな推進力、および、前方のファンからのより小さな推進力をもたらすことができる。2つのファンが1つの方向に動作し、2つが他の方向に動作することを仮定すると、ヨーコマンドは、時計回りに回転する2つのファンの速度を上げさせ、反時計回りの2つのファンを遅くさせるであろう。
【0159】
無人で垂直離着陸(VTOL)航空機を制御するための1つのアプローチは、UAV200A(図12に示される)を、遠隔コントローラを用いて外部の位置から遠隔制御されるようにすることである。全ての操縦コマンドは、無線でUAV200Aへと送信される。従って、遠隔操作者は、離れた位置からUAV200Aを制御することができる。遠隔操作者は、透明な照準線を用いること、複数のビデオディスプレイを観察すること、複数のセンサ、またはそれらの組み合わせのいくつかのいずれかによって視覚的にUAV200Aを監視することができる。遠隔で見ることのできる1または複数のビデオカメラをUAV200Aに搭載することにより、遠隔的に位置される操作者が、UAV200Aの位置および速度についてある種の感覚を得ることができる。いずれの場合も、ビデオシステムから離れた航空機からの直接的で視覚的な手がかりを操作者が得ることができるように、離陸および着陸操作の間のような、地面の極めて近くにおける操作のための直接的視覚照準線を有することは有利である。故に、UAV200Aを制御するための開示される方法は固定翼航空機に使用されてきた一方で、遠隔航空機制御は、VTOL UAVに適用された場合、高いレベルの操作者の技量および介入を必要とするという欠点を持つ。
【0160】
無人のVTOL航空機を制御するために使用される別のアプローチは、上述の複数の技術のいくつかを、複数の搭載された安定制御システムおよび"自動操縦"システムと組み合わせる。自動操縦システムは、UAV200Aが水平飛行および/またはホバリングを維持するために複数の小さな調節を行うことを可能にするための慣性計測ユニット(IMU)を使用することができる。ここに開示される制御方法は回転感覚に関する情報を提供するものの、並進情報は少しも提供しない。従ってシステムは、ホバリングしている航空機と高速で飛んでいる航空機との間の差異を把握しないであろう。何故ならば、両方のUAV200Aとも、地球に対しては水平であるだろうからである。リモートコントロールでの自動操縦システムの使用は、リモートコントロールだけのアプローチを用いる場合よりもUAV200Aをより簡単に制御できるが、本質的に全ての同じ欠点が当てはまる。
【0161】
UAV200Aを制御する第3のアプローチは、第2のものと同様であるが、UAV200Aの飛行経路を制御するために搭載されたGPS機能の追加のみ異なる。このアプローチを用いて操作者は、いくつかのウェイポイントを、UAV200Aの飛行コンピュータにプログラムするであろう。すると、UAV200Aが特定の経路を飛行するようにコンピュータは制御するであろう。システムの低い解像度のため、通常、複数の障害物から遠く離れたところに飛行経路が取られるであろう。非常に広い開けた着陸区域が利用可能であり、航空機が、決して滑らかではない着陸を扱うことが可能な場合でない限り、UAVを離陸および着陸させるためには、通常、人間である操作者が必要とされるであろう。しかしながら、GPSで命令された自動操縦システムにより、地面、ビル、またはその他の関心点の近くで遠隔的にゆっくり時間をかけることは、通常、実現可能な選択ではない。
【0162】
例示だけを目的として1つの動作センサを含むように図9に示され、記載されているが、プラットフォームは、任意の適切な数の動作センサ210を含むことができる。例示的で適切な複数のセンサは、加速度計、ジャイロスコープ、慣性計測ユニット、高度計、全地球測位センサ、気圧センサ、および大気温度センサのうち少なくとも1つを含むことができる。複数の動作センサ210は、選択されたプラットフォーム200に対して同様なものであること、および/または異なることができる。および/または、複数のセンサの数および/または組み合わせは、複数のプラットフォーム200の一団中のそれぞれのプラットフォーム200に対して同様であること、および/または異なることができる。
【0163】
図10は、データ処理および分析ユニット242、データ格納ユニット244、ネットワークポート245、入力ポート246I、出力ポート246O、および拡張データポート248並びにリムーバブルデータ格納カード249を備えたデータ記録および分析用の別の装置を示す。
【0164】
データレコーダ240はまた、データ格納ユニット244を組み込む。データ格納ユニット244は、複数の保護筐体の別個の組を組み込むことができる。複数の保護筐体の別個の組は、たとえデータレコーダ240の内部パーツの大部分が損傷した場合であっても、データ格納ユニット244に格納された記録されたデータが回復され得る確率を増大させることを補助できる。データ格納ユニット244に対する複数の保護筐体の別個の組の使用は、全体の筐体のコストを低減するというさらなる利点を提供する。何故ならば、データレコーダ240と比較された場合にずっと小さな構成要素であるデータ格納ユニット244に、保護の程度が集中されることができるからである。
【0165】
データ格納ユニット244は、複数のメモリモジュールを含むことにより、内部冗長性を提供することができる。それぞれのメモリモジュールは、少なくとも4ギガバイト(GB)のデータを記録することが可能である。複数のメモリモジュールは、有利なことに、電気的に消去可能且つプログラム可能なメモリデバイスであり、書き込まれることおよび/または電力が無い状態でさえも内容を無期限に保持することができるフラッシュメモリを使用する。不揮発性フラッシュメモリは、シリアルポートおよび/またはパラレルポートを通じたもの含め、任意の従来の方式でデータ処理および分析ユニット240とインターフェース接続することができる。
【0166】
データ取得は、普通、プラットフォーム200が地上で移動していないときに成される。しかし、無人航空システムの複数の実施形態は、動作および拡張データの飛行中のエクスポートを可能にする。携帯可能なパーソナルコンピュータ(PC)が、地上局320として機能することができる。スマートフォンまたはタブレットのようなポータブル電子デバイスもまた、地上局320として機能することができる。地上局320へとひとたび伝達されると、動作または拡張プラットフォームデータは、実験、事故後のデータ分析、または、位置ベースのソーシャルネットワークでの社会的な共有用に使用されることができる。
【0167】
データレコーダ240は、動作センサ210、視覚センサ220、および非視覚センサ230の全てからのデータを格納するための容量を有する。一実施形態において操作者は、データレコーダ240がデータ格納ユニット244に記録するであろう複数のセンサを選択することができる。データ格納ユニット244は、動作センサ情報、視覚的および非視覚的データに値するいくつかのイベントまたは飛行を格納することができる。記録されたデータは、独自仕様のフォーマットを含め、任意の従来のフォーマットで複数のデータモジュール244に格納されることができる。
【0168】
格納された動作および拡張データは、データの社会的な使用を含め、様々なイベント後の分析を可能にする。動作および拡張データは、操作者のプラットフォーム200の経験を決定するために使用されることができる。操作者は、プロフィールを作成し、プラットフォーム200での自身の複数のイベントからのセンサデータを保存することができる。
【0169】
飛行データレコーダ240への電力は、プラットフォームの電源供給から得ることができ、通常、11.1−12.6ボルトDCの範囲内であることができる。プラットフォームは、コントローラモジュール、GPS受信機モジュール、センサおよび信号調整モジュールのいくつかの回路、バックアップメモリモジュール、および無線周波数データ送受信機250へと電力を供給する。動作中の電源障害の間、データレコーダ240は、オプションのバックアップバッテリ(不図示)の使用を通じて動作を続けることができる。
【0170】
ネットワークポート245は、入力ポート246Iおよび出力ポート246Oの両者に対する共通のインターフェースを可能とする。データは、ユニバーサルシリアルバス(USB)、コントローラーエリアネットワーク(CAN)、シリアルおよびその他複数の標準ネットワーク接続を通じて、データ出力ポート246Oを通して伝達されることができる。ネットワークポート245は、以前に説明されたように、データ入力ポート246Iを通じて、プラットフォーム200に配置された複数のセンサからデータを受信する。センサデータはデータ入力ポート246Iを通じて入力され、データ処理および分析ユニット242へと伝達される。データは、出力ポート246Oを通じて、UAV200A図12に示される)から地上局320へと送信される。
【0171】
図11は、動作センサ210、視覚センサ220、非視覚センサ230、データレコーダ240、送受信機250、プラットフォーム制御システム260、プラットフォームコントローラ310、および地上局320を備えるデータ分析用のシステム400の別の実施形態を示す。これらの構成要素のそれぞれは、上記のように説明され、また図1―10に示された方式で操作されることができる。
【0172】
例示だけを目的として1つの地上局を含むように図11に示され、記載されているが、プラットフォームは、任意の適切な数の地上局320を含むことができる。例示的で適切な複数の地上局は、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータのうち少なくとも1つを含むことができる。地上局320は、選択されたプラットフォーム200に対して同様なものであること、および/または異なることができる。および/または、複数の地上局の数および/または組み合わせは、複数のプラットフォーム200の一団中のそれぞれのプラットフォーム200に対して同様であること、および/または異なることができる。
【0173】
図12は、プラットフォーム200が無人航空機200Aであるような、データ分析用のシステム400の別の実施形態を示す。システム400は、動作センサ210A、視覚センサ220A、非視覚センサ230A、飛行データレコーダ240、UAV送受信機250、UAV制御システム260、UAVコントローラ310、およびUAV地上局320Aを含む。
【0174】
いくつかの実施形態において地上局320は、空いている着陸区域に位置されることができる。ここでは、UAV200Aは、UAV200Aが手動で位置され、再充電され、および/または、さらなる動作用にメンテナンスされることができるまで、安全に着陸することが許される。複数の他の実施形態において地上局320Aは、UAV200Aに電力を供給する複数のバッテリを再充電するための再充電ステーションのような、いくつかのサポートシステムを含むことができる。電気以外の動力源によってUAV200Aに動力が供給されるような複数の他の実施形態においては、地上局320Aは、UAV200Aの動力供給を再充填するためのその他複数の適切なサポートシステムを同様に含むことができる。そのような複数の再充電ステーションおよびその他複数の動力装置は、人の介入無しに再充電/動力再供給を可能にするために、好ましくはUAV200Aの自動的なドッキングを可能とする。いくつかの実施形態において、地上局320Aの複数のサポートシステムは、地上局320の移転が所望される場合に邪魔にならず簡単に動かされるように、軽量且つ携帯可能である。
【0175】
いくつかの実施形態において、それぞれの地上局320Aは、単一のUAV200Aを収容するように構成される。複数のその他の実施形態においては、それぞれの地上局320は、複数のUAV200Aを同時に収容するように構成される。
【0176】
例示的なソフトウェアインターフェースは、Wi−Fiネットワーク上のモバイルデバイスを用いて、単一のUAV200Aの操作者による制御を可能にする。様々な入力および出力機能が、例示的な操作者インターフェースを介して実行されることができる。操作者インターフェースは、無制限に、複数のメニューと複数のモードとの間のナビゲーション、カメラ制御、飛行姿勢およびレーダー機能、複数の飛行パラメータ、無線信号強度、UAVパワーレベル、UAVのGPS状況、メモリ状況、メモリスロット状況、カメラシャッターボタン、カメラ記録ボタン、複数のカメラ設定、および複数の飛行パラメータを含む。一実施形態において、視覚的および非視覚的データの両者が視覚的に提示される。視覚的データの提示は、スクリーン上に表示される複数の画像の形態である。一方、非視覚的データの提示は、やはり視覚的に表示される複数のパラメータの形態である。
【0177】
一般に、データレコーダ240から地上局320へとデータは送信される。例えば、あなたはデータを表示するためのアプリケーションがインストールされたポータブル電子デバイスを持つことができる。動作および拡張データはまた、UAV200Aが飛行している間に、スマートフォンのような、その他複数の種類のポータブル電子デバイスへと送信されることもできる。
【0178】
例示だけを目的として1つのUAV地上局320Aを含むように図12に示され、記載されているが、無人航空機200Aは、任意の数のUAV地上局320Aを含むことができる。例示的で適切な複数のUAV地上局320Aは、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータのうち少なくとも1つを含むことができる。UAV地上局320Aは、選択された無人航空機200Aに対して同様なものであること、および/または異なることができる。および/または、複数のUAV地上局320Aの数および/または組み合わせは、複数のUAVの一団中のそれぞれのUAV200Aに対して同様であること、および/または異なることができる。
【0179】
開示される複数の実施形態は、様々な変更および代替的形態を許すことができ、それらの複数の具体例が、例示を目的として複数の図面中に示され、本明細書中に詳細に記載されてきた。しかしながら、開示される複数の実施形態は開示される特定の複数の形態または方法に限定されるものではなく、それとは反対に、開示される複数の実施形態が全ての変更、均等物、および代替物に及ぶべきものであることが理解されるべきである。
[項目1]
移動するプラットフォームに配置されたセンサにより収集されて記録されたデータを分析するための方法であって、
上記センサにより収集されて記録されたセンサデータを分析するステップと、
上記分析するステップに応じて、上記プラットフォームの動作パラメータを更新するステップと、
を含む方法。
[項目2]
上記センサデータを分析するステップは、
プラットフォーム操作者に対する操作者プロフィールを設定するステップと、
上記操作者プロフィールに基づいて、上記動作パラメータの初期の動作制限設定するステップと、
上記センサデータが上記動作パラメータの上記初期の動作制限を超えるかどうかを決定するステップと、
を有する、項目1に記載の方法。
[項目3]
上記更新するステップは、
上記センサデータが上記初期の動作制限を超える場合に、上記プラットフォームの動作パラメータを変更するステップと、
上記センサデータが上記初期の動作制限内である場合に、上記プラットフォームの上記動作パラメータを維持するステップと、
を有する、項目2に記載の方法。
[項目4]
上記センサデータを分析するステップは、上記センサから上記センサデータを受信する段階を有する、項目1から項目3のいずれか1項に記載の方法。
[項目5]
上記動作パラメータを更新するステップは、
複数の以前のイベントから記録されたセンサデータを取得するステップと、
プラットフォーム操作者の経験レベルを決定するために、上記記録されたセンサデータを分析するステップと、
上記記録されたセンサデータを分析するステップに基づいて上記プラットフォーム操作者の上記経験レベルを特性評価するステップと、
上記プラットフォーム操作者の上記経験レベルの上記特性評価により決定された経験があるプラットフォーム操作者によって上記プラットフォームが操作されている場合、プラットフォーム性能特性を増大させるステップ、および、上記プラットフォーム操作者の上記経験レベルの上記特性評価により決定された初心者のプラットフォーム操作者によって上記プラットフォームが操作されている場合、プラットフォーム性能特性を低減するステップの少なくとも一方と、
を有する、項目1から項目4のいずれか1項に記載の方法。
[項目6]
上記記録されたセンサデータに基づいて、上記プラットフォーム操作者の上記経験を特性評価するステップと、
上記操作者の上記経験の上記特性評価に基づいて、上記プラットフォームの異なるレベルの複数の機能を可能にするステップと、
をさらに含む、項目5に記載の方法。
[項目7]
上記異なるレベルの複数の機能を可能にするステップは、上記移動するプラットフォームの高さ、距離、および速度のうち少なくとも1つを制限するステップを有する、項目6に記載の方法。
[項目8]
上記センサデータをデータ格納ユニットに記録するステップをさらに備える、項目1から項目7のいずれか1項に記載の方法。
[項目9]
上記センサデータを地上の装置へと伝達する段階をさらに備える、項目1から項目8のいずれか1項に記載の方法。
[項目10]
上記センサデータを伝達するステップは、上記プラットフォームの操作中に上記地上局へと上記センサデータを伝達するステップを有する、項目9に記載の方法。
[項目11]
上記収集されたセンサデータを少なくとも一の他の操作者へと送信するステップをさらに備える、項目1から項目10のいずれか1項に記載の方法。
[項目12]
上記センサデータを分析するステップは、上記プラットフォームの地理的位置、上記プラットフォームの高度、上記プラットフォームの加速度、上記プラットフォームの速度、および上記プラットフォームにより受信されるコントローラ入力のうち少なくとも1つに関連付けられたセンサデータを分析するステップを有する、項目1から項目11のいずれか1項に記載の方法。
[項目13]
上記センサデータを分析するステップは、上記プラットフォームに搭載されたカメラからの複数の静止画像またはビデオを記録するステップを有する、項目1から項目12のいずれか1項に記載の方法。
[項目14]
上記センサデータを分析するステップは、上記プラットフォームに搭載されたマイクロホンからの音声を記録するステップを有する、項目1から項目13のいずれか1項に記載の方法。
[項目15]
上記センサデータを分析するステップは、上記プラットフォームが関与する事故の原因を決定するステップを有する、項目1から項目14のいずれか1項に記載の方法。
[項目16]
項目1から項目15のいずれか1項に記載の方法を実行するための一組のコンピュータ命令。
[項目17]
移動するプラットフォームに配置された動作センサにより収集されて記録されたデータを分析するためのシステムであって、
動作センサと、
上記動作センサにより収集された記録されたセンサデータを分析するように構成され、上記分析に応じて上記移動するプラットフォームの動作パラメータを更新するように構成されたプロセッサと、
上記記録されたデータを格納するように構成されたデータ格納ユニットを有するデータレコーダと、
を備えるシステム。
[項目18]
上記プロセッサは、上記センサデータの統計解析を実行し、上記統計解析に応じて上記プラットフォームの性能特性を変更する、項目17に記載のシステム。
[項目19]
上記統計解析は、ユーザの傾向、経験を学習すること、およびプラットフォーム操作者の技量のうち少なくとも1つを含む、項目18に記載のシステム。
[項目20]
上記動作センサは、上記プラットフォームのリアルタイムな位置を決定するために、地理的位置情報センサ、加速度計、コントローラ入力センサ、姿勢および角速度を検出する慣性計測ユニット、超音波センサ、および双眼カメラのうち少なくとも1つを有する、項目17から項目19のいずれか1項に記載のシステム。
[項目21]
上記プロセッサは、上記移動するプラットフォームが関与する事故の原因を決定することを実行する、項目17から項目20のいずれか1項に記載のシステム。
[項目22]
上記データ格納ユニットへと複数の静止画像またはビデオを記録するための、上記移動するプラットフォームに搭載された撮像装置をさらに備える、項目17から項目21のいずれか1項に記載のシステム。
[項目23]
上記撮像装置は、改善された事故調査のために、上記事故が発生した際に上記事故の複数の画像またはビデオを撮像する、項目22に記載のシステム。
[項目24]
上記プロセッサは、改善された事故調査のために、事故が発生した際に上記動作センサのデータを収集する、項目17から項目23のいずれか1項に記載のシステム。
[項目25]
データ格納ユニットへと音声を記録するために、上記移動するプラットフォームに搭載されたマイクロホンをさらに備える、項目17から項目24のいずれか1項に記載のシステム。
[項目26]
上記プロセッサは、複数の以前のイベントから記録されたセンサデータを取得するように構成され、プラットフォーム操作者の経験レベルを決定するために、上記記録されたセンサデータを分析するように構成される、項目17から項目25のいずれか1項に記載のシステム。
[項目27]
上記プロセッサは、上記記録されたセンサデータを上記分析することに基づいてプラットフォーム操作者の経験レベルを特性評価し、
上記プロセッサは、上記プラットフォーム操作者の上記経験レベルの上記特性評価により決定された経験があるプラットフォーム操作者によって上記プラットフォームが操作されている場合、プラットフォーム性能特性を増大させるように構成され、上記プラットフォーム操作者の上記経験レベルの上記特性評価により決定された初心者のプラットフォーム操作者によって上記プラットフォームが操作されている場合、プラットフォーム性能特性を低減するように構成される、項目17から項目26のいずれか1項に記載のシステム。
[項目28]
上記プロセッサは、上記操作者の上記経験の上記特性評価に基づいて、上記移動するプラットフォームの異なるレベルの複数の機能を可能にするように構成される、項目27に記載のシステム。
[項目29]
上記異なるレベルの複数の機能を可能にすることは、上記移動するプラットフォームの高さ、距離、および速度のうち少なくとも1つを制限する、項目28に記載の方法。
[項目30]
上記データレコーダに接続され、複数の地上局へと上記センサデータを送信する送信機をさらに備える、項目17から項目29のいずれか1項に記載のシステム。
[項目31]
上記複数の地上局は、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル電子デバイス、またはパーソナルコンピュータのうち少なくとも1つを有する、項目30に記載のシステム。
[項目32]
上記複数の地上局は、上記移動するプラットフォームに電力を供給する複数のバッテリを再充電するために再充電ステーションを有し、
上記再充電ステーションは、上記移動するプラットフォームの自動的ドッキング用に構成される、項目30または項目31に記載のシステム。
[項目33]
上記送信機は、第3世代(3G)または第4世代(4G)のモバイル通信技術無線ネットワークによって、および/または、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を介して上記センサデータを送信する、項目30から項目32のいずれか1項に記載のシステム。
[項目34]
上記データ格納ユニットは、複数の冗長不揮発性メモリモジュールを有する、項目17から項目33のいずれか1項に記載のシステム。
[項目35]
上記データレコーダはリムーバブルメモリ格納デバイスを有し、上記リムーバブルメモリ格納デバイスは、任意にフラッシュメモリドライブを有する、項目17から項目34のいずれか1項に記載のシステム。
[項目36]
上記データレコーダは、記録されたセンサデータを予め分析するためのプリプロセッサを有する、項目17から項目35のいずれか1項に記載のシステム。
[項目37]
上記プラットフォームは航空機である、項目17から項目36のいずれか1項に記載のシステム。
[項目38]
上記プラットフォームは飛行機である、項目17から項目37のいずれか1項に記載のシステム。
[項目39]
上記プラットフォームは無人航空機である、項目17から項目38のいずれか1項に記載のシステム。
[項目40]
移動するプラットフォームに配置されたセンサからデータを受信するように構成されたデータレコーダであって、
上記動作センサにより提供されるセンサデータを分析するためのプロセッサと、
上記センサデータを記録するためのデータ格納ユニットと、
を備えるデータレコーダ。
[項目41]
上記プロセッサは、上記センサデータの統計解析を実行し、上記統計解析に応じて上記プラットフォームの動作パラメータを変更する、項目40に記載のデータレコーダ。
[項目42]
上記データをエクスポートするためのデータ出力ポートをさらに備える、項目40または項目41に記載のデータレコーダ。
[項目43]
上記複数の動作センサと通信するために、上記センサデータを上記プロセッサへ提供するデータ入力ポートをさらに備える、項目40から項目42のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
[項目44]
複数の冗長不揮発性メモリモジュールをさらに備える、項目40から項目43のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
[項目45]
上記データレコーダは、フラッシュメモリドライブのようなリムーバブルメモリ格納デバイスをさらに備える、項目40から項目44のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
[項目46]
上記データレコーダは、上記プラットフォームとは独立の電源をさらに備える、項目40から項目45のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
[項目47]
複数の他の操作者へと上記センサデータを共有するために、上記データレコーダに接続された送信機をさらに備える、項目40から項目46のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
[項目48]
上記送信機は、第3世代(3G)または第4世代(4G)のモバイル通信技術無線ネットワークによって、および/または、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を介して上記センサデータを送信する、項目47に記載のデータレコーダ。
[項目49]
上記データレコーダを収容する、硬化され、封止された防水性筐体をさらに備える、項目40から項目48のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
[項目50]
上記データレコーダは、飛行データレコーダを含む、項目40から項目49のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
[項目51]
上記プラットフォームは飛行機を含む、項目40から項目50のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
[項目52]
上記プラットフォームは、無人航空機を含む、項目40から項目51のいずれか1項に記載のデータレコーダ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13