(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559679
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】倒立容器を通気するベント、及び折りたたみでない容器を有する再充てんユニットを備えるポンプ
(51)【国際特許分類】
A47K 5/12 20060101AFI20190805BHJP
【FI】
A47K5/12 Z
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-539935(P2016-539935)
(86)(22)【出願日】2014年11月24日
(65)【公表番号】特表2017-502740(P2017-502740A)
(43)【公表日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】US2014067030
(87)【国際公開番号】WO2015094592
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年11月20日
(31)【優先権主張番号】61/918,504
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,ドナルド・アール.
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル,アーロン・ディー.
(72)【発明者】
【氏名】マクナルティ,ジョン・ジェー.
【審査官】
中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−502744(JP,A)
【文献】
特表2012−508676(JP,A)
【文献】
実開平06−069161(JP,U)
【文献】
国際公開第2006/075196(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 5/00− 5/18
B65D 35/44−55/16
B05B 11/00−11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折りたたみでない容器と;
圧縮可能空気チャンバーを有する前記泡ポンプと;
前記圧縮可能空気チャンバーの内部と前記容器の内部との間の通路と;
前記圧縮可能空気チャンバーの内部から前記容器の内部への流れを調整する調整バルブと;
を含み、
前記容器内の真空圧が調整バルブに前記圧縮可能空気チャンバーの内部から前記容器の内部へ空気が通るのを防止させる構成である、
再充てんユニット。
【請求項2】
折りたたみでない容器と;
圧縮可能空気チャンバーを有する前記泡ポンプと;
前記圧縮可能空気チャンバーの内部と前記容器の内部との間の通路と;
前記圧縮可能空気チャンバーの内部から前記容器の内部への流れを調整する調整バルブと;
を含み、
前記圧縮可能空気チャンバー内圧が、調整バルブに、前記ポンプの圧縮可能空気チャンバーの内部から前記容器の内部へ空気が通るのを防止させる構成である、
再充てんユニット。
【請求項3】
折りたたみでない容器と;
圧縮可能空気チャンバーを有する前記泡ポンプと;
前記圧縮可能空気チャンバーの内部と前記容器の内部との間の通路と;
前記圧縮可能空気チャンバーの内部から前記容器の内部への流れを調整する調整バルブと;
を含み、
前記調整バルブは前記容器内の流体の重みによって下方へ移動する構成である、
再充てんユニット。
【請求項4】
折りたたみでない容器と;
圧縮可能空気チャンバーを有する前記泡ポンプと;
前記圧縮可能空気チャンバーの内部と前記容器の内部との間の通路;及び、
前記通路に固定された移動可能バルブ、前記移動可能バルブであって前記空気チャンバーから前記容器の内部へ圧縮された空気が流入するのを防止する第一の位置と前記容器の内部の真空圧が前記容器の内部へ前記圧縮可能空気チャンバーの内部から空気を引き込み可能とする第二の位置を有する移動可能バルブと;
を含む再充てんユニット。
【請求項5】
前記容器内の流体の重みが前記移動可能バルブを下方へ向かわせる請求項4記載の再充てんユニット。
【請求項6】
前記圧縮可能空気チャンバー内の圧力が前記移動可能バルブを上方へ向かわせる請求項4記載の再充てんユニット。
【請求項7】
前記移動可能バルブが下方の位置にあるとき前記容器の内部の真空圧が前記圧縮可能空気チャンバーから前記容器の内部へ空気を流入させる請求項4記載の再充てんユニット。
【請求項8】
前記移動可能バルブが上方の位置にあるとき前記容器の内部の真空圧が前記圧縮可能空気チャンバーから前記容器の内部へ空気を流入させる原因とはならない請求項4記載の再充てんユニット。
【請求項9】
前記移動可能バルブは前記通路の第一の側でワイパーシール及び前記通路の第二の側で第二のシールを含む請求項4記載の再充てんユニット。
【請求項10】
前記移動シールは一体品である請求項4記載の再充てんユニット。
【請求項11】
折りたたみでない容器と;
泡ポンプ:
圧縮可能空気チャンバーを有する前記泡ポンプと;
前記圧縮可能空気チャンバーの内部と前記容器の内部との間の通路;
前記通路に固定されたバルブ、前記バルブであって前記容器の内部内に置かれたワイパーシール及び少なくとも部分が前記圧縮可能空気チャンバー内に置かれた第二のシールを有するバルブと;
を含み、
前記バルブは、圧縮された空気が前記圧縮可能空気チャンバーの内部から前記容器の内部へ流入するのを防止する第一の位置と前記圧縮可能空気チャンバーが圧縮されてないとき前記容器の内部の真空圧が前記圧縮可能空気チャンバーから空気を引き込むのを可能とする第二の位置との間を前記バルブが移動する構成である、
再充てんユニット。
【請求項12】
折りたたみでない容器と;
泡ポンプ:
圧縮可能空気チャンバーを有する前記泡ポンプと;
前記圧縮可能空気チャンバーの内部と前記容器の内部との間の通路;及び、
前記通路に固定されたバルブ、前記バルブであって前記容器の内部内に置かれたワイパーシール及び少なくとも部分が前記圧縮可能空気チャンバー内に置かれた第二のシールを有するバルブと;
を含み、
前記容器内の流体が前記バルブを下方に片寄せする構成である、
再充てんユニット。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は2013年12月19日に出願された米国特許仮出願第61/918,504号「倒立容器を通気するベント及び折りたたみでない容器(non-collapsing containers)を有する再充てんユニット(refill units)を備えるポンプ」の優先権とその利益を主張し、これらの出願の内容は本出願に組み込まれたものとする。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、液体ディスペンサーシステム及び、特に、空気−ベントされる液体ディスペンサー、これらディスペンサーとともに使用する再充てんユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
液体ディスペンサーシステム、液体石鹸及び衛生ディスペンサー等は、ディスペンサーの作動と同時に所定の量の液体をユーザーに供給する。このようなディスペンサーには、容器ディスペンスアクションの後にポンプ自身で再準備(プライム)可能であるリジッドな容器を備えるのが望ましい。一旦前記容器がディスペンスする液体が尽きたら容易に再チャージされ、製作に安価であるようなディスペンサーを備えることもまた望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
泡ポンプ及び折りたたみでない容器を有する再充てんユニットの例示的実施形態がここに開示されている。いくつかの例示的実施形態では、再充てんユニットは、折りたたみでない容器及び泡ポンプを含む。泡ポンプは圧縮可能空気チャンバーを含む。泡ポンプは、前記圧縮可能空気チャンバー内部と前記容器との間の通路を含む。調整バルブは前記圧縮可能空気チャンバー
の内部から前記容器
の内部へのフローを調整する。
【0005】
再充てんユニットの他の実施形態は、折りたたみでない容器及び泡ポンプを含む。前記泡ポンプは、圧縮可能空気チャンバー及び前記圧縮可能空気チャンバー
の内部と前記容器の内部との間の空気通路を含む。移動可能バルブは前記通路に固定されている。移動可能バルブは、圧縮空気が前記空気チャンバーから前記容器
の内部へ圧縮空気が流れることを防止する第一の位置及び前記容器
の内部で真空圧が前記圧縮可能空気チャンバー
の内部から前記容器
の内部へ空気を吸引可能とする第二の位置を有する。
【0006】
他の実施例の再充てんユニットは、折りたたみでない容器及び泡ポンプを含む。前記泡ポンプは、圧縮可能空気チャンバー及び前記圧縮可能空気チャンバー
の内部と前記容器の内部との間の通路を有する。前記泡ポンプは、前記通路に固定されているバルブを含む。前記バルブは、前記容器
の内部に位置されるワイパーシール及び前記圧縮可能空気チャンバー内に少なくとも部分が位置される第二シールを有する。
【0007】
このように、空気チャンバーと容器の間に位置される容器ベントを備える簡単で経済的な再充てんユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
これら及び他の本発明の特徴と利点は、以下の記述と添付図面についてよりよく理解されるであろう、すなわち:
【0009】
図1は、プルポンプ(pull pump)を備える再充てんユニットを有する液体ディスペンサーの一実施例の断面図であり、;
【0010】
図2及び3は、前記実施例の再充てんユニットの部分断面図であり、;
【0011】
図2A及び2Bは、再充てんユニットの実施形態の通気バルブ(venting valve)例の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、ディスペンサー100の実施形態を描く。
図1の断面図はハウジング102を通して容器116及びポンプ120を示す。ディスペンサー100は、ディスポーザル可能な再充てんユニット110を含む。ディスポーザル可能な再充てんユニット110は、ポンプ120に接続されている容器116を含む。ディスペンサー100は、壁にマウントされるシステム、カウンターにマウントされるシステム、マウントされず場所から場所へ移動可能であるポータブルシステム又は他の液体ディスペンサーシステムの類であってよい。ディスペンサー100は泡ディスペンサーである。
【0013】
容器116は、泡生成可能な液体のサプライを内蔵する液体リザーバをディスポーザル可能な再充てんユニット110内に形成する。様々な実施形態で、内蔵液体は、例えば、ソープ、サニタイザー、クレンザー、抗菌剤であり得る。実施例で、ディスポーザル可能な再充てんユニット110、容器116は折りたたみでない容器であり、薄いプラスチックの類の材料から作られる。容器116は、有利には再充てん可能、交換可能又は再充てん可能かつ交換可能である。
【0014】
インストールされたディスポーザル可能な再充てんユニット110の容器116内に貯蔵されている液体が尽きた事態の発生、あるいは、インストールされた再充てんユニット110に故障の発生、インストールされたディスポーザル可能な再充てんユニット110は泡ディスペンサー100から取り外されてもよい。空の又は故障したディスポーザル可能な再充てんユニット110は、それから新しいディスポーザル可能な再充てんユニット110へ交換される。
【0015】
ディスペンサー100のハウジング102は、ポンプ120を作動させる一又は複数の部材104を内蔵する。ここに用いられているように、アクチュエーター又は作動する部材又はメカニズムはディスペンサー100を液体、空気又は泡を移動させる一又は複数の部品を含む。アクチュエーター104は、概観が描かれている、というのは、泡ディスペンサー100に携わり得る異なる多種のポンプアクチュエーターが存在するからである。泡ディスペンサー100のアクチュエーター104は、どのようなタイプのアクチュエーターでもよく、例えば、マニュアルレバー、マニュアルプルバー、マニュアルプッシュバー、マニュアル回転可能クランク、電気的作動アクチュエーターあるいはポンプ120をアクチュエーターする他の手段のようなものであってもよい。電気的作動アクチュエーターは、追加で、体の出現を検知するセンサー132を含んでもよく、タッチレスオペレーションでハンドフリーディスペンサーシステムを提供する。例えば、リンク105のような様々な中間リンクはアクチュエーター部材104を、システムハウジング120内で、ポンプ120へ接続する。開口(アパーチャ)115は、ハウジング102の底面プレート103に配置され、ユーザーにディスペンスすることになる液体をポンプ120のノズル125からディスペンスされるのを可能とする。
【0016】
図2及び3は、再充てんユニット110の一実施形態の部分断面図である。泡ポンプ120は、容器116の首117と接続するカラー201(collar,襟)を含む。カラー201は、容器116の前記首117にどのような方法で接続されてもよく、例えば、スレッド(threaded)接続のようなものでよい。
【0017】
泡ポンプ120は、少なくとも部分は首117内にフィットするハウジング202を含む。泡ポンプ120は、インナーシリンダー形ハウジング204を含む。加えて、ハウジング202は、第一の環状突起208及びアパーチャ209を含む。アパーチャ209は容器116内部から液体ポンプチャンバー306へ延びている。液体入口バルブ208はアパーチャ209内に位置される。
液体入口バルブ208は一方向バルブであり前記容器116から液体ポンプチャンバー306へ液体が流れるのを可能としている。液体入口バルブ208はどのようなタイプの一方向バルブでもよく、例えば、ワイパーバルブ、ボール及びスプリングバルブ、傘バルブ、フラッターバルブ又はその類でよい。
【0018】
シリンダー形ポンプハウジング202は、第二の環状突起210を含む。環状突起210内に位置するのはアパーチャ211である。アパーチャ211は容器116の内部と泡ポンプ120の空気ポンプチャンバー320との間に延びている。ベントバルブ240又は調整バルブは少なくとも部分がアパーチャ211内に配置されている。
図2A及び
図3Aにより明確に示されているように、通気(ベンティング)バルブ240は、第一の端にヘッド242を備える細長の本体を含む。ヘッド242はシールサーフェス244を含む。細長の本体211の第二の端にはワイパーシール246がある。ワイパーシール246は円環突出210の内壁と噛み合っている。通気バルブ240は開口241内を自由に上下に動き、細長部材241と開口211の壁面との間にはギャップがあり細長体211を空気が流通可能である。
【0019】
泡ポンプ120はピストン212を含む。ピストン212は第一の細長体213及び第二の細長部材214を有する。第一の細長部材213及び第二の細長部材214はアクチュエーター105(
図1)と係合しピストン212を上方及び下方に動かす。ピストン212は空気ピストンシール220と液体ピストンシール310を含む。ピストン212はシール部材312も含む。加えて、ピストン212は、シール312で液体ピストンシール310間に配置されピストン212の内部に延びている開口を含む。ピストン212は開口314から216への出口への内空部316を含む。加えて、泡ポンプ120は
片寄せ部材327を含みピストン212を下方へ
片寄せする。
【0020】
オペレーション中、ピストン212は
図2に示される位置から
図3に示される位置へと下方へ移動すると、容器116から一方向入口バルブ208を通過して液体ポンプチャンバー306へ液体が流れる。ポンプチャンバー320は拡がるにつれて、空気が出口216から液体ポンプチャンバー320内へ引き込まれる。加えて、通気バルブ240は
図2に示される位置から
図3に示される位置へと動く。通気バルブ240が下方へ動くとシールサーフェス244はハウジング245から離れ空気ポンプチャンバー322からワイパーシール246下方に位置されるエリア250への通路を開く。容器116の外へ液体がポンプされると真空圧が容器116内に作成される。一旦、真空圧が容器内で通気バルブ240のクラッキング圧力より上になると、エリア250から容器116内へ空気が流入
するように容器に通気(ベント)する。
【0021】
泡ポンプ120が
図3に示される位置から上方へ
図2に示される位置へ動くと、ポンプチャンバー306内の液体が液体出口シール310を通過しアパーチャ314を通り出口流路316を下流する。同時に、空気ポンプチャンバー320から通路321を通り通路316内へ空気が流れ液体と混じる。通路316の液体と空気の混合物は、スクリーン317を強制通過させられる。スクリーンによって起こされる乱流がリッチな泡を作成し出口216から強制排出される。空気ポンプチャンバー320内の圧力は通気バルブ240を上方に押
し、シールサーフェス244をハウジング部245
へ係合させ、容器116の内部から前記空気ポンプチャンバー320をシールして、空気ポンプチャンバー320から容器316内へ
の流れを防止する。
【0022】
本発明が、ここに記載された実施形態に描かれ、実施形態は、かなり詳細に記載されているが、出願人は、添付する特許請求の範囲をいかようにも制限、限定する意図はない。追加の利点や修正は、当業者に理解される。したがって、発明は、広い面で、特定の詳細事項、開示され、記載されている各々の機器及び/又は実施例に限定されない。したがって、出願人の一般的発明概念の精神とスコープから乖離しないで、これらの詳細から離れることもあり得る。