(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
近位側部分と遠位側部分とを含む長尺状の本体であって、前記本体が前記本体の近位部から遠位部まで延びるルーメンを画定し、前記ルーメンが、前記ルーメンの中をガイドワイヤが通ることを可能にするような大きさ及び形状とされ、前記本体が、前記ルーメンから前記本体の外部表面まで延びる環状壁を含む、長尺状の本体と、
前記本体の前記遠位側部分の環状壁に形成された凹部内に配置された第1の圧力センサと、
前記第1の圧力センサから所定の距離離れた位置に、前記本体の前記遠位側部分の環状壁に形成された凹部内に配置された第2の圧力センサと、を含み、
前記第1及び前記第2の圧力センサのそれぞれの凹部が、該圧力センサを密閉するように前記環状壁に結合されたセンサカバーを含み、前記センサカバーの外側表面と前記本体の外部表面とが実質的に揃っており、
前記遠位側部分の前記環状壁は、前記本体の前記外部表面と前記ルーメンとの間の流体連通を可能にする少なくとも1つの潅流ポートを含み、
前記少なくとも1つの潅流ポートは、前記第1及び前記第2の圧力センサの間に位置している、
血管内圧測定用装置。
【背景技術】
【0002】
心臓疾患は世界中で数百万人が罹患している深刻な健康上の問題である。心臓疾患の主因の1つは、血管内の血流を減少させる閉塞又は病変が血管内に存在することにある。従来、インターベンション心臓専門医は、対象動脈にX線造影剤を注入し、血管ルーメン(内腔)のシルエットを強調して治療をガイドすることを伴うX線透視画像に依存してきた。残念ながら、X線透視法により与えられる限られた分解能及び不連続な投影は、多くの場合、閉塞に起因する機能的有意性(即ち血流の障害)を正確に評価するには不十分な情報しかもたらさない。
【0003】
血管内狭窄部の処置の機能的有意性及び予想される利点を評価するための向上した手法は、心筋血流予備量比(FFR:fractional flow reserve)及び瞬時血流予備量比の算出である。FFRは、狭窄が緩和された場合の最大流量と比較した狭窄動脈内の最大充血性血流の比と定義される。瞬時血流予備量比は、大動脈圧と比較した、心拡張が最小且つ一定に維持される期間(wave−free period)の間における、狭窄遠位側の狭窄動脈内の血流の比と定義される。FFR及び瞬時血流予備量比は両者とも(狭窄部の)遠位側圧力と近位側(通常、大動脈)圧力との比として算出され、静脈圧の影響を相殺するための僅かな補正も含む場合がある。FFR及び瞬時血流予備量比は両者とも、治療のリスク及び利点双方を考慮した上で、インターベンションが正当とされる程度まで閉塞部が血管内の血流を制限しているかどうかについての判断を可能にする狭窄重症度の指標を提供する。狭窄部が制限される程狭窄部における圧力低下が大きくなり、得られるFFR又は瞬時血流予備量比は低下する。FFR測定値及び瞬時血流予備量比測定値は両者とも治療法の決定をガイドするための判定基準を設定するために使用され得る。健康な血管におけるこの比は定義上1.00である。約0.80未満のFFR値は、一般に、治療のメリットがあると思われる機能的に有意な病変を示すと考えられ、0.80を超える値はインターベンションによる正味のメリットの可能性が低いことを示す。瞬時血流予備量比値はFFR値に相関し、その値0.89はFFRの0.80に近似する。一般的な治療選択肢としては、ステント植え込みを伴う血管形成術若しくは粥腫切除術、又は閉塞動脈の外科的バイパスが挙げられる。
【0004】
FFR算定に用いられる近位側圧力及び遠位側圧力を測定するための方法の1つは、(通常、大動脈又は冠動脈入口部内の)狭窄部の近位側の圧力測定値を得るためにガイディングカテーテル(取り付けられた圧力トランスデューサを備えた)が使用される一方で、感圧ガイドワイヤ(その遠位側先端近傍に圧力センサが埋設されている)を、病変を横断して遠位側位置まで前進させることである。ガイドラインのエビデンスレベルに関わらず、感圧ガイドワイヤの使用は依然として比較的少ない(世界中の症例の6%未満と推定される)。この理由は、一部、標準的な血管形成術用ワイヤの性能に対する圧力ガイドワイヤの性能に関係する。ガイドワイヤへの圧力センサの組み込みは、一般に、操縦性、耐久性、剛性プロファイル等の点におけるガイドワイヤの機械的性能の妥協を要し、ガイドワイヤ又はそれに続くインターベンションカテーテルを冠循環において案内し病変を横断して送達することをより困難にする。このため、医師は、多くの場合、圧力ガイドワイヤを患部の遠位側に操作する上で問題に遭遇すると感圧ガイドワイヤの使用を放棄する。また、解剖学的構造が外観的に複雑過ぎると思われることが理由で、医師は圧力ガイドワイヤを試したいにもかかわらず試さないことが一般的である。標準的な血管形成術用ワイヤのように機能する圧力ガイドワイヤを設計する努力が続けられてはいるが、それを行うことを妨げる固有の設計制約がある。
【0005】
病変両端における圧力勾配を測定する別の方法は、外部血圧トランスデューサに接続された小型カテーテルを用いて、ガイディングカテーテルによる圧力測定と同様に、カテーテル内の流体柱によりカテーテルの先端の圧力を測定することである。しかしながら、カテーテルが病変を横切る際、狭窄を通過する血流をカテーテルが更に障害し、病変単体による遠位側血圧測定値よりも低い遠位側血圧測定値をもたらし、病変の明らかな機能的有意性を誇張することが理由で、この方法はFFR算定にエラーを導入する可能性がある。
【0006】
図1及び
図2は、この現象を示す。
図1は、0.015”及び0.018”ガイドワイヤの存在下における、流量1mL/sでの様々な面積狭窄率及び基準直径における、長さ10mmの狭窄病変両端の圧力勾配の過大評価値を示す、コンピュータにより得られた計算値を示す。
図2は、0.015インチガイドワイヤの存在下における、2つの異なる流量での様々な面積狭窄率における、狭窄病変両端の圧力勾配の過大評価値を示す、コンピュータにより得られた計算値を示す。示されるように、狭窄内のワイヤの存在による圧力勾配の過大評価値のパーセントは狭窄の重症度と共に大幅に上昇し、病的な血管の基準直径が増加するにつれて低下する。更に、グラフは、小冠動脈では、特定の狭窄のパーセントにおいてワイヤ自体の存在により測定される圧力勾配の過大評価値が大冠血管よりも大きいことを示す。
図1及び
図2は、B.D. BeBruyneによる「Coronary Pressure From a Physiological Index」(Catholic University of Lourain Medical Schoolにおける論文、1995,pp.46−47)からの出典である。このように、感圧ガイドワイヤ及び感圧カテーテルは両者とも、病変両端における誇張された圧力勾配測定値をもたらす場合がある。
【0007】
既存の治療は概してその所期の目的に適しているが、それらはあらゆる点において完全に満足するものではない。本開示のデバイス、システム及び関連する方法は先行技術の欠点の1つ以上を克服するものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本開示の原理の理解を促進する目的で図面に示される実施形態について述べ、これを説明するために特定の言語が使用される。しかし、本開示の範囲を限定するものではないことは理解されよう。記載されるデバイス、機器、方法のあらゆる変更及び更なる修正、及び本開示の原理の任意の更なる適用は、本開示に関係する当業者が通常想起し得るものであると完全に考えられる。特に、一実施形態に関して記載された特徴、構成要素及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に関して記載された特徴、構成要素及び/又はステップと組み合わせてもよいと完全に考えられる。加えて、本明細書中に記載される寸法は特定の例のためであり、本開示の概念を実施するために異なる大きさ、寸法及び/又は比率が用いられてもよいと考えられる。しかしながら、簡略化のため、これら組み合わせの繰り返しの多くについては別個に記載されない。簡略化のため、場合によっては、同じ又は同様の部品を参照するために図面全体を通じて同じ参照符号が使用される。
【0014】
本開示は、概して、非限定的な例として、FFR値の算定を含む、血管内圧を評価するためのデバイス、システム及び感圧カテーテルを使用する方法に関する。これら測定は、浅大腿動脈(SFA:superficial femoral artery)、膝下(BTK:below the knee、即ち脛骨)及び腸骨動脈を含むが、これらに限定されない末梢血管系でも行われ得る。場合によっては、本開示の実施形態は血管内狭窄病変の近位側及び遠位側の圧力を測定するように構成されている。本開示の実施形態は、カテーテルに取り付けられた嵩張るハウジング内に収容される代わりにカテーテルの壁に埋設された圧力センサを含む。幾つかの実施形態では、本明細書中に開示される感圧カテーテルは、カテーテル壁を貫通してカテーテルルーメン内に血液を流す少なくとも1つの潅流ポートを含む。幾つかの実施形態では、本明細書中に開示される感圧カテーテルはラピッドエクスチェンジ型カテーテルとして構成される。他の実施形態においては、本明細書中に開示される感圧カテーテルは従来のオーバーザワイヤカテーテルとして構成される。本明細書中に開示される感圧カテーテルにより、使用者が、圧力測定工程を通じて殆ど静止したままとなり得る既存のガイドワイヤ(例えば、従来の0.014インチガイドワイヤ)を用いて圧力測定値を得ることが可能になる。したがって、本明細書中に開示される感圧カテーテルにより、使用者が、カテーテルの引き戻しの際にガイドワイヤの元の位置を失うことなく血管内病変についての生理的な情報を得ることが可能になる。
【0015】
図3は、本開示の一実施形態による管状構造(例えば、血管)内の圧力を測定するように構成された医療システム200を示す。幾つかの実施形態では、医療システム200は、得られた圧力測定値に基づき圧力比(即ちFFR)を算定するように構成されている。システム200は、長尺状の可撓性管状本体220を含む感圧カテーテル210を含む。本体220は、内部ルーメン225を画定するカテーテル壁222を含む。概して、本体220は、患者の動脈、静脈、心腔、神経血管構造、胃腸管系、肺系及び/又は患者の解剖学的構造の内部アクセスが望ましい他の部位を含むが、これらに限定されない患者の内部構造内で使用するための大きさ及び形状にされている。図示される実施形態においては、本体220は血管内配置のための形状及び大きさにされている。
【0016】
特に、血管ルーメン内の任意の特定の位置においてカテーテル100の長手方向の軸線CAが血管の長手方向の軸線と整列するように、本体220は血管(図示せず)のルーメンに挿入するための形状にされ、且つそのために構成されている。この点に関して、
図3に示される直線構成は単に例示的目的のためであり、他の例においてカテーテル200が湾曲し得る手法を如何様にも限定しない。概して、長尺状の本体220は、湾曲構成にある場合、任意の所望の弓状プロファイルを採るように構成されてもよい。本体220は、非限定的な例として、プラスチック、高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリアミドとポリエーテルとのブロック共重合体(例えば、ペバックス)、熱可塑性プラスチック、ポリイミド、シリコーン、エラストマー、金属、形状記憶合金、ポリオレフィン、ポリエーテル−エステル共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、これらの組み合わせ、又は可撓性で長尺状のカテーテルの製造のための任意の他の適切な材料などの可撓性材料で形成される。
【0017】
本体220はアダプタ230から長手方向の軸線CAに沿って延出する。図示される実施形態においては、本体220はアダプタ230に一体的に結合されている。他の実施形態においては、本体220はアダプタ230に着脱可能に結合され、それによって、本体220を交換可能としてもよい。アダプタ230は、ポート232及び/又は電気接続部245を通じてカテーテル200を別の医療デバイスに結合するように構成されている。ポート232は、そこを通る流体を受け入れるように構成され、それによって、使用者がルーメン225を灌注する又は洗浄することを可能にしてもよい。カテーテル200に結合されてもよい種々の医療デバイスは、非限定的な例として、貯蔵容器、処分容器、真空システム、シリンジ、輸液ポンプ及び/又は吹送デバイスを含む。例えば、ポート232は、シリンジなどの潅注デバイスに密閉可能に係合することが可能なルアー型コネクタを含んでもよい。電気接続部245によってカテーテル200に結合されてもよい種々のデバイスは、非限定的な例として、エネルギー発生機(例えば、超音波発生機)、電源、患者インターフェースモジュール(「PIM」:patient interface module)、コンピュータシステム及び/又は外科用コンソールを含む。図示される実施形態においては、アダプタ230は電気接続部245によって本体220をインターフェース240に接続する。
【0018】
本体220は、近位側部分250と、中間部分255と、遠位側部分260と、を含む。本体220の近位側部分250はアダプタ230に連結されている。アダプタ230は、患者の体の外部で使用者によって把持され、操作されるような大きさにされ、且つそのように構成されてもよい。アダプタ230を患者の体の外部で操作することによって、使用者はカテーテル210の本体220を血管内経路内において前進させ、センサ300を保持する遠位側部分260を遠隔的に操作又は作動してもよい。ルーメン225は遠位側部分260から近位側部分250への内容物の通過を可能にし、場合によっては、アダプタ230を通過させる。ルーメン225は、流体、細胞物質又は別の医療デバイスが近位部246から遠位部247(及び/又はガイドワイヤポート265)へと通過するのを可能にするような形状とされ、且つそのように構成されている。幾つかの実施形態では、ルーメン225はガイドワイヤの通過に適応するような大きさにされている。このような実施形態においては、ルーメン225は0.014インチを超える内径を有する。幾つかの実施形態では、本体220は1つより多いルーメンを含む。
【0019】
図3では、カテーテル210は複数の潅流ポート261を含む。潅流ポートはカテーテル210の遠位側部分260に配置されている。潅流ポート261は本体220を貫通し、ルーメン225とカテーテル210の遠位側部分260外部の環境との間における流体交換を可能とする。他の実施形態には潅流ポート261が無くてもよい。潅流ポート261は、以下、
図4乃至
図6に関連して更に記載される。
【0020】
図示される実施形態においては、カテーテル210の近位側部分250は、患者の体内でカテーテル210の位置決めを補助するためのシャフトマーカー262を含む。シャフトマーカー262は肉眼で視認できてもよい。幾つかの実施形態では、シャフトマーカー262は、橈骨動脈及び/又は大腿動脈などの特定の解剖学的穿刺部からの適切な挿入距離を示してもよい。
【0021】
中間部分255はガイドワイヤポート265を含んでもよく、そのガイドワイヤポート265からガイドワイヤが進入しても出てきてもよい。他の実施形態においては、ガイドワイヤポート265はカテーテル210の別の位置に配置されてもよい。他の実施形態にはガイドワイヤポート265が無くてもよい。ガイドワイヤポート265は長尺状の本体220に沿った様々な距離に形成されてもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤポート265と遠位部247との間の距離は約10cm乃至約20cmの範囲である。例えば、一実施形態においては、ガイドワイヤポート265と遠位部247との間の距離は約10cm乃至約12cmの範囲である。これら例は単に例示的な目的で提供され、限定を意図するものではない。
【0022】
図示される実施形態においては、遠位側部分260は幾つかの放射線不透過性マーカー270を含む。各放射線不透過性マーカー270は、圧力センサ300及び/又は遠位部247から既知の距離にてカテーテル壁222に結合されてもよい。放射線不透過性マーカー270は、医師が患者内のマーカー、遠位部247及び圧力センサ300の位置及び方向を透視下で可視化することを可能にする。例えば、遠位側部分260が血管内の病変の近傍に延出する場合、放射線不透過性マーカー270のX線画像により、病変の遠位側又は近位側における圧力センサ300の位置決めの成功を確認してもよい。幾つかの実施形態では、放射線不透過性マーカー270は本体220を周方向に取り囲んでもよい。他の実施形態においては、放射線不透過性マーカー270は、非限定的な例として、矩形、三角形、楕円形、線形及び非周方向形状を含む種々の適切な形状の何れかの形状とされ、且つそのように構成されてもよい。放射線不透過性マーカー270は、蛍光透視検査下で十分に視認可能であり手技を支援する種々の生体適合性放射線不透過性材料の何れかで形成されてもよい。このような放射線不透過性材料は、非限定的な例として、白金、金、銀、白金/イリジウム合金及びタングステンから作製されてもよい。マーカー270は、例えば、接着結合、2つの高分子層間の積層又は蒸着などの種々の既知の方法を用いてカテーテル200に取り付けてもよい。種々の実施形態は、任意の数及び配置の放射線不透過性マーカーを含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテル200には放射線不透過性マーカーが無い。
【0023】
図示される実施形態においては、遠位側部分260は画像化装置280を含む。画像化装置280は、血管内超音波イメージング(IVUS:intravascular ultrasound)及び光干渉断層法(OCT:optical coherence tomography)を含むが、これらに限定されない、血管内画像化における使用のために構成された任意の種類の画像化装置を含んでもよい。他の実施形態には画像化装置280が無くてもよい。
【0024】
カテーテル210の遠位側部分260は、遠位側先端290に配置された圧力センサ300を含む。幾つかの実施形態では、遠位側先端290は、患者への本体220の挿入を容易にするためにテーパ状とされている。他の実施形態においては、遠位側先端290は尖っていなくても、角度を成していても、丸みが付けられていてもよい。圧力センサ300はカテーテル210のカテーテル壁222内に埋設されている。図示される実施形態においては、圧力センサ300は遠位側部分260内に配置され、遠位側先端290の近位側にある。圧力センサ300は、以下、
図4乃至6に関連して更に詳細に記載される。
【0025】
上で述べたように、インターフェース240は、カテーテル210を患者インターフェースモジュール又はコントローラ310に接続するように構成されている。患者インターフェースモジュール又はコントローラ310は、ガイデッドユーザーインターフェース(guided user interface)(GUI)315を含んでもよい。より具体的には、場合によっては、インターフェース240は、カテーテル210の少なくとも圧力センサ300を、血管内圧測定を実施するのに好適なコントローラ310に通信的に接続するように構成されている。場合によっては、インターフェース240は、画像化装置280を、血管内画像化を実施するのに好適なコントローラ310に通信的に接続するように構成されている。コントローラ310は特定デバイス又は圧力センサ300及び/若しくは画像化装置280などのシステム200の構成要素と通信し、それらを対象とした特定ユーザ向けの制御機能を実施する。
【0026】
以下、
図4及び
図5に関して更に詳細に記載されるように、インターフェース240は、また、本体220内に延びる専用のセンサケーブル(
図3に図示せず)を介して圧力センサ300に電気的に接続された少なくとも1つの電気接続部を含むように構成されてもよい。このような構成は、圧力センサ300が容易に通電されることを可能にする。このような構成は、また、圧力センサ300がコントローラ310を介してGUI315などのデータ表示モジュール及び/又はプロセッサ320にデータを送信することを可能にしてもよい。インターフェース240はコントローラ310を介して電源325に接続されてもよく、コントローラ310により、エネルギーが必要に応じて圧力センサ300に選択的に誘導されることが可能になる。
【0027】
コントローラ310はプロセッサ320に接続されてもよく、プロセッサ320は、一般に、論理機能を実行することが可能な、電源、入力及び出力ピンを備えた集積回路である。プロセッサ320は、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、特定用途用集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field−programmable gate array)又は同等のディスクリート若しくは集積論理回路の任意の1つ以上を含んでもよい。幾つかの例では、プロセッサ320は、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のコントローラ、1つ以上のDSP、1つ以上のASIC又は1つ以上のFPGA、及び他のディスクリート若しくは集積論理回路の任意の組み合わせなどの複数の構成要素を含んでもよい。本明細書中におけるプロセッサ320に帰する機能はソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はそれらの任意の組み合わせとして具現化されてもよい。
【0028】
種々の実施形態においては、プロセッサ320は、電源325、付属デバイス340及び/又はメモリ345に接続されてもよいターゲットデバイスコントローラである。このような場合では、プロセッサ320は、コントローラ310からのユーザ入カを用いることなく特定デバイス又は圧力センサ300及び/若しくは画像化装置280などのシステム200の構成要素と通信し、それらを対象とした特定の制御機能を実施する。例えば、プロセッサ320は、拡張可能な構造300が、ある時間、コントローラ310への特定のユーザ入カ無しに機能するように指示又はプログラムしてもよい。幾つかの実施形態では、プロセッサ320は、付属デバイス340、メモリ345及び/又は電源325を含むシステム200の1つより多い構成要素を同時に制御し、それらと通信するように機能し得るようにプログラム可能である。他の実施形態においては、システムは、1つより多いプロセッサを含み、各プロセッサはシステムの個々の構成要素を制御するように構成された特殊目的コントローラである。
【0029】
プロセッサ320は、数ある機能の中でも本明細書中に記載される圧力測定方法を実施するためのプログラム可能なコード命令を走らせる1つ以上のプログラム可能なプロセッサユニットを含んでもよい。プロセッサ320は、コンピュータ並びに/又は非限定的な例として、感圧及び/若しくは血管内画像化を含む、種々の血管内用途に好適な他の種類のプロセッサベースデバイス内に組み込まれてもよい。プロセッサ320は、コントローラ310から、無線機構を介して直接画像化装置280及び/若しくは圧力センサ300から、又は付属デバイス340から入力データを受信することができる。プロセッサ320はそのような入力データを用いて制御信号を発生させ、カテーテル210の動作を制御又は指示してもよい。幾つかの実施形態では、ユーザは、コントローラ310及び/又はGUI315からカテーテル210及び/又は付属デバイス340の動作をプログラムする又は指示することができる。幾つかの実施形態では、プロセッサ320は画像化装置280及び/又は圧力センサ300と直接無線通信し、画像化装置280及び/又は圧力センサ300からデータを受信することができ、且つ画像化装置280及び/又は圧力センサ300にコマンドを送信することができる。
【0030】
電源325はリチウムイオン又はリチウムポリマーバッテリーなどの再充電式バッテリーであってもよいものの、他の種類のバッテリーが用いられてもよい。他の実施形態においては、任意の他の種類のパワーセルが電源325として適している。電源325は、システム200、特に、プロセッサ320及び圧力センサ300に電力を供給する。電源325は、電気取出口を通じて受け取られるエネルギーの外部供給源であってもよい。幾つかの例では、搭載バッテリー及び/又は無線電力供給を通じて十分な電力が供給される。
【0031】
種々の周辺デバイス340がプロセッサ320の入出力機能を可能にしてもよい又は向上してもよい。このような周辺デバイス340は、標準入力デバイス(マウス、ジョイスティック、キーボード等のような)、標準出力デバイス(プリンタ、スピーカ、プロジェクタ、グラフィカルディスプレイスクリーン等のような)、CD−ROMドライブ、フラッシュドライブ、ネットワーク接続部、及びプロセッサ320とシステム200の他の構成要素との間の電気接続部を含むが、必ずしもこれらに限定されない。非限定的な例として、プロセッサ320は圧力センサ300からのデータを操作して圧力比(即ちFFR)値を生じさせ、病変又は狭窄の重症度を評価してもよく、また、患者のための適切な治療を圧力比及び/又は流量データに基づき提案してもよい。周辺デバイス340は、また、カテーテル210の全般的な動作を可能にするためのプロセッサ命令を含むソフトウェアをダウンロードするために、及び例えば、カテーテル210に取り付けられた任意の補助デバイスの動作を制御するための動作を実施するためのソフトウェア実行プログラムをダウンロードするために使用されてもよい。幾つかの実施形態では、プロセッサは、広範囲の集中的又は遠隔的に分配されるデータ処理スキームにおいて用いられる複数の処理装置を含んでもよい。
【0032】
メモリ345は、通常、例えば、読み出し専用メモリ、揮発性メモリ、強誘電体メモリ(FRAM(登録商標):ferroelectric RAM)又はNAND型フラッシュメモリなどの半導体メモリである。プロセッサ320がメモリ345に書き込むことができ、メモリ345から読み取ることができるようにメモリ345はプロセッサ320と接続している。例えば、プロセッサ320は、圧力センサ300からデータを読み取り、そのデータから圧力比(即ちFFR)を計算し、そのデータ及び計算された比をメモリ345に書き込むように構成され得る。このようにして、一連の圧力読み取り値及び/又は計算された圧力比がメモリ345に保存され得る。プロセッサ320は、また、メモリ345を消去又は上書きする、メモリ345がいっぱいになると検知する、及び半導体メモリの管理に関連する他の一般的な機能などの他の基本メモリ機能を実施することが可能である。
【0033】
コントローラ310は圧力センサ300をプロセッサ320に接続するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、コントローラ310のユーザの指示による動作の下、プロセッサ320は、特定の用途に最も適切な選択された順序又は頻度の圧力読み取り値を発生させてもよい。上述のように、幾つかの実施形態では、本体220及びインターフェース240内を通る少なくとも1つのセンサワイヤ(
図3に図示せず)が圧力センサ300をコントローラ310及び/又はプロセッサ320に接続する。ユーザはコントローラ130を使用して圧力センサ300の種々の動作特性を開始、終了及び調整してもよい。
【0034】
図4は、ガイドワイヤ400を囲むオーバーザワイヤ構成のカテーテル210を示す。オーバーザワイヤ構成においては、カテーテル210はガイドワイヤ400上で完全に抜去されるように構成され、ガイドワイヤ400はカテーテル本体220の長さ全体を移動してもよい。幾つかの実施形態では、ガイドワイヤ400は不連続なガイドワイヤルーメン内を移動する。他の実施形態においては、ガイドワイヤ400はルーメン225内を移動する。ガイドワイヤ400はカテーテル210に対し完全な回転及び同軸可動性を維持する。オーバーザワイヤ構成においては、ガイドワイヤ400の遠位部405がカテーテル210の遠位部247から出ることを可能すると共に、使用者がガイドワイヤ400の近位部(図示せず)を操作することを可能にするために、必然的にガイドワイヤ400はカテーテル210よりも長い。
【0035】
図4は、圧力センサ300をより詳細に示す。圧力センサ300はカテーテル壁222に埋設されて示される。圧力センサ300は、カテーテル壁222内に埋設されている一方で、機能性の維持のために十分に耐応力性である任意の種類の圧力センサを含む。例えば、圧力センサ300は、容量センサ、ピエゾ抵抗式圧力トランスデューサ、光ファイバ圧力センサ、シリコン骨格を備えるセンサ(例えば、水銀センサ)、又は必要な耐久性及び耐応力性を有する任意の他の種類の圧力センサを含んでもよい。場合によっては、センサ300は、センサ素子のアレイ又は複数のセンサ素子(例えば、容量性圧力センサアレイ)を含む。図示される実施形態においては、センサ300はセンサダイアフラムアセンブリ407を含む。幾つかの実施形態では、センサダイアフラムアセンブリ407は凹部を有する本体を含む。この凹部は、流体圧力を測定するように構成された可撓性ダイアフラムによって被覆されている。ダイアフラムはダイアフラム周囲の圧力の変化に応答して曲がり、それによって例えば、血圧の変化を反映してもよい。センサ300は、その後、ダイアフラムアセンブリ407に付与された圧力の変化を測定し送信することができる。
【0036】
図示される実施形態においては、センサ300はカテーテル壁222内のセンサ凹部410内に配置されている。幾つかの実施形態では、センサ300は壁222に密に接触している。センサ300は、非限定的な例として、溶接、生体適合性接着剤及び/又は機械的締結具を含む種々の既知の結合方法の何れかを用いてカテーテル壁222に結合されてもよい。例えば、一実施形態においては、センサ300はロックタイト3311又は任意の他の生体適合性接着剤を用いてセンサ凹部410に接着的に結合されている。幾つかの実施形態では、センサはカテーテル壁222と一体形成されてもよい。幾つかの実施形態では(例えば、
図9)、センサ凹部は放射線不透過性であってもよい。
【0037】
通信路415はセンサ凹部410からアダプタ230(
図3に示される)に向かって近位側に延びる。幾つかの実施形態では、通信路415は、検知したデータをセンサ300からアダプタ230、コントローラ310及び/又はプロセッサ320(
図3に示される)に転送する少なくとも1つのセンサワイヤ420を含む。幾つかの実施形態では、センサワイヤ420又は通信路415内の別のワイヤはセンサ300に電力を供給する。他の実施形態においては、センサワイヤ420は別個の通信路415無しに壁222に直接埋設されている。少なくとも1つのセンサワイヤ420は各センサ300をアダプタ230、コントローラ310及び/又はプロセッサ320(
図3に示される)に接続する。別の実施形態においては、幾つかのセンサ300が壁222内に埋設されてもよく、1つ以上の共用センサワイヤを用いてアダプタ230、コントローラ310及び/又はプロセッサ320に接続されてもよい。他の実施形態においては、各センサ300は無線手段によりアダプタ230、コントローラ310及び/又はプロセッサ320と通信してもよい。
【0038】
センサ300はセンサカバー425によって壁222内に密閉されている。センサカバー425はカテーテル210周囲の環境からセンサ300を隔離し、保護する。センサカバー425は、非限定的な例として、シリコーン、ポリマー、ペバックス、ナイロン、PTFE、ポリウレタン、PET及び/又はこれらの組み合わせなどの種々の適切な生体適合性材料の何れかで形成されてもよい。センサカバー425はカテーテル壁222と面一で配置されるような形状にされている。換言すると、カテーテル210の外部表面430とセンサカバー425の外側表面431とが実質的に揃っているため、センサ300の領域におけるカテーテル210の外径D2はカテーテル210の残り部分と比べて実質的に変わらないままである。カテーテル210の外部表面430及び/又はセンサカバー425の外側表面431は親水性又は疎水性コーティングでコーティングされてもよい。
【0039】
他のカテーテル実施形態は、壁222内に埋設された又は壁222と組み合わされた種々の他のセンサを含んでもよい。その結果、カテーテル210は、圧力に加え、例えば、血管壁温度、血液温度、電極温度、蛍光、発光及び流量を含む、標的組織、周囲環境及び/又は患者の体内のカテーテル210自体の幾つかの異なる特性を同時に検査することが可能であってもよい。
【0040】
図5は、センサ300を含むカテーテル210の不連続部425を示す(ガイドワイヤ400無しで示される)。図示される実施形態においては、カテーテル壁222は、協働してカテーテル210の本体220を形成するセクション222aと、対向するセクション222bと、を含む。センサ300はセクション222a内に埋設されている。セクション222a及びセクション222bはそれぞれ異なる厚さT1及びT2を有してもよい。特に、センサ300を収容するセクション222aはセクション222bより厚くてもよい。例えば、図示される実施形態においては、セクション222aの厚さT1は0.001インチ乃至0.006インチの範囲であってもよく、セクション222bの厚さT2は0.001インチ乃至0.004インチの範囲であってもよい。一実施形態においては、厚さT1は0.005インチであり、厚さT2は0.003インチである。他の実施形態においては、カテーテル壁222は均一な厚さを有してもよい。
【0041】
ルーメン225は、ガイドワイヤ400の通路を収容するような大きさ及び形状にされた内径D1を含む。内径D1は0.014インチ乃至0.035インチの範囲であってもよい。一実施形態においては、内径D1は0.016インチである。一実施形態においては、内径D1は0.024インチである。一実施形態においては、内径D1は0.014インチである。別の実施形態においては、内径D1は0.035インチである。カテーテル210は、身体通路を横断するような大きさ及び形状にされた外径D2を含む。図示される実施形態においては、外径は、血管通路内におけるカテーテルの通過を可能にするような大きさにされている。場合によっては、上で述べたように、本体220は0.014インチ乃至0.040インチの範囲の外径D2を有する。一実施形態においては、外径D2は0.024インチである。一実施形態においては、外径D2は0.018インチである。別の実施形態においては、外径D2は0.035インチである。
【0042】
図6は、ラピッドエクスチェンジ(迅速交換)型、即ちモノレール型構成における、ガイドワイヤ400と組み合わされたカテーテル210’を示す。カテーテル210’は、ここで記載される違いの他はカテーテル210に実質的に類似する。特に、ラピッドエクスチェンジ型構成を可能にするためには、カテーテル210’はガイドワイヤポート265(
図3に示すような)を含み、このガイドワイヤポート265からガイドワイヤ400がカテーテル210’を出る。ガイドワイヤポート265は、カテーテル210’の遠位部247’から僅かな距離離れて配置されている。ラピッドエクスチェンジ型構成では、ガイドワイヤの僅かな部分のみがカテーテル210’内に延在することから、使用者が比較的短いガイドワイヤを用いて感圧工程を実施することが可能になる。
【0043】
図7は、本開示の一実施形態によるカテーテル210の別の図を示す。上述のように、本体220は、カテーテルのルーメン225及び長手方向の軸線CAを画定する長尺状の可撓性チューブである。壁222及び本体220は、蛇行する血管内経路を横断するために大きく曲がるように構成されている。カテーテル210は種々の長さ、直径、寸法及び形状で製造されてもよい。カテーテル210は近位部246から遠位部247に及ぶ長さLを含む。一例では、カテーテル210は少なくとも90cmの長さLを有し、幾つかの実施形態では、250cmに及ぶ。1つの特定の実施形態においては、長尺状の本体220は約135cmの長さLを有するように製造されてもよい。別の実施形態においては、長尺状の本体220は約180cmの長さLを有してもよい。他の長さもまた考えられる。場合によっては、上で述べたように、本体220は、0.014インチ乃至0.035インチ(即ち0.356mm乃至0.889mm)の範囲の内径D2を有する。これら例は単に例示的な目的で提供され、限定を意図するものではない。
【0044】
図3乃至
図5に示されるように、カテーテル210は、カテーテル壁222内に埋設された圧力センサ300を含む。図示される実施形態においては、センサワイヤ415もまた、カテーテル壁222内に埋設されている。
【0045】
図示される実施形態においては、カテーテル210は、センサ300の側面に位置する2つの放射線不透過性マーカー270を含む。画像化装置280(
図3に示される)又は外部画像化、例えば、X線撮影、CT若しくは別の適切な誘導様式又はこれらの組み合わせを用いた画像誘導が、使用者のカテーテル210の操作を補助するために使用され得る。放射線不透過性マーカー270は、カテーテル210の遠位側部分260に沿って互いに特定の間隔で、且つ遠位部247及びセンサ300から特定の距離にて離間して配置されている。放射線不透過性マーカー270は、患者の血管系内におけるカテーテル210及びセンサ300の経路及び最終的な位置決めを使用者が可視化するのを補助してもよい。加えて、放射線不透過性マーカー270は、非限定的な例として、血管造影法及び蛍光透視法を含む外部画像化、画像化装置280による画像化、並びに圧力センサ300による圧力測定を含む種々の画像化様式及び操作の位置合わせのための固定基準点を提供してもよい。他の実施形態には放射線不透過性マーカーが無くてもよい。
【0046】
上述のように、図示される実施形態においては、カテーテル210はシャフトマーカー262を含み得る。シャフトマーカー262は、カテーテル210の近位側部分250に沿って配置され、患者の体内におけるカテーテルの位置決めを補助する。シャフトマーカー262は互いから特定の距離に配置されてもよく、センサ300及び/又は遠位部247からのマーカー262の距離を示す測定目盛を含んでもよい。近位側部分250は、カテーテル穿刺部の患者の皮膚表面から所望の圧力測定及び/又は他の操作領域までの様々な予想距離に関連する固定距離だけセンサ300から離れて配置される任意の数のシャフトマーカー262を含んでもよい。図示される実施形態においては、シャフトマーカー262aはシャフトマーカー262bから約10cmの位置に配置されている。シャフトマーカー262aは、経橈骨動脈アクセス部位からの標準的な前進距離を示すためにセンサ300から約90cmの位置に配置されており、シャフトマーカー262aは経大腿動脈アクセス部位からの標準的な前進距離を示すためにセンサ300から約100cmの位置に配置されている。更なる長さ及び距離を示すために更なるシャフトマーカー262がカテーテル210上に付されてもよい。
【0047】
まず標的血管内でセンサ300を位置決めした後、画像誘導を用いる前後に又は画像誘導を用いずに、使用者はシャフトマーカー262を使用し、血管内標的血管に沿ってカテーテル210を意識的に移動又は再位置決めして、標的血管における所望の位置(例えば、任意の病変に対する)及び/又は間隔にて圧力を測定してもよい。カテーテル210が移動される際に、患者の体のすぐ外に位置されたシャフトマーカー262によって示された測定値及び/又は測定距離の変化を記録することによって、使用者は、センサ300が患者の血管系内を移動したおおよその距離及び軸方向を判断してもよい。加えて、使用者は、患者の体のすぐ外に位置されたシャフトマーカーによって示された測定値及び/又は測定距離の変化を使用し、血管内画像化によって示された圧力センサ300の血管内位置を相互参照してもよい。幾つかの実施形態では、シャフトマーカー262は放射線不透過性であっても、それ以外の画像誘導で見えるものであってもよい。他の実施形態にはシャフトマーカーが無くてもよい。
【0048】
図8は、本開示の一実施形態による感圧カテーテル500を示す。カテーテル500は、ここで記載される違いの他は
図7を参照して上述したカテーテル210に実質的に類似する(即ち、カテーテル500は、カテーテル210のそれぞれ本体220、壁522及びルーメン525に実質的に類似する、壁515及びルーメン520を有する本体510を含む)。特に、カテーテル500は潅流ポート505を含む。場合によっては、潅流ポートは
図3に関して上述した潅流ポート261と同じであってもよい。図示される実施形態においては、潅流ポート505はカテーテル500の本体510の壁515内にアパーチャを形成する。このアパーチャは、カテーテル500の外部からカテーテル500のルーメン520内に流体及び環境内容物が流れることを可能にする。他の実施形態においては、潅流ポートは、単一のより大きなアパーチャと同様の量の流体をルーメン520内に通過させることを可能にする複数の小さなアパーチャ又はふるい状要素を含む。圧力測定中、潅流ポート505を通じてルーメン520内に流体が流れることを可能にすることによって、潅流ポート505は、血管内にカテーテルが存在することにより付加される断面径負荷(cross−sectional diameter burden)を解放する。事実上、デバイスの有効断面積が減少することにより、カテーテル自体に起因する圧力低下が低減されることから、潅流ポートは病変における圧力低下の測定精度を向上してもよい。
【0049】
本明細書中に記載される感圧カテーテルは、任意の数及び配置の潅流ポートを含んでもよく、潅流ポートは様々な形状及び大きさのものであってもよい。例えば、幾つかの実施形態では、カテーテルは、カテーテル500の潅流ポート505などの1つの潅流ポートのみを含んでもよい。他の実施形態においては、
図7のカテーテル210に関して上述したように、感圧カテーテルは潅流ポートを含まなくてもよい。他の実施形態においては、感圧カテーテルは、圧力センサ300の両側に対称又は非対称パターンで配置された幾つかの潅流ポートを含んでもよい。加えて、潅流ポートは、長手方向の軸線CAを中心としてカテーテルの周囲に対称又は非対称パターンで配置されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、潅流ポートはカテーテルの本体の1つの半球側に(例えば、カテーテルの片側のみに)まとめられてもよい。他の実施形態においては、潅流ポートはカテーテルの周囲に配置されてもよい。潅流ポートの種々の可能な構成については以下、
図9乃至
図14を参照して記載される。これら構成はそれらが図示される特定の実施形態に限定されず、本明細書中に記載される感圧カテーテルの何れにおいても存在してもよい。
【0050】
図9は、本開示の一実施形態によるセンサ300を含む感圧カテーテル550を示す。カテーテル550は、ここで記載される違いの他は
図7に示されるカテーテル210に実質的に類似する。まず初めに、カテーテル550は、カテーテル210のそれぞれ本体220、壁522及びルーメン525に実質的に類似する、壁560及びルーメン565を有する本体555を含む。しかしながら、カテーテル550はラピッドエクスチェンジ型カテーテルとして構成され、カテーテル550には放射線不透過性マーカー270が無い。この点に関して、カテーテル550はガイドワイヤポート570を含み、このガイドワイヤポート570からガイドワイヤ400がカテーテル550を出てもよい。ガイドワイヤ400は、
図6に示される実施形態に関して示されるものと類似する手法でカテーテル550を移動してもよい。放射線不透過性マーカー270の代わりに、カテーテル550は放射線不透過性センサ凹部575を含む。放射線不透過性センサ凹部575は、放射線不透過性マーカー270に関して上述したものと類似する手法で、使用者が病変に対しセンサ300を正確に位置決めするのを補助してもよい。本明細書中に開示される実施形態の何れも、放射線不透過性マーカー270に加えて又は放射線不透過性マーカー270無しで、類似の放射線不透過性センサハウジングを用いてもよい。
【0051】
図10は、本開示の一実施形態によるラピッドエクスチェンジ型感圧カテーテル550’を示す。カテーテル550’は、ここで記載される違いの他は
図9を参照して上述したカテーテル550に実質的に類似する(即ち、カテーテル550’は、カテーテル550のそれぞれ本体555、壁560及びルーメン565に実質的に類似する、壁560’及びルーメン565’を有する本体555’を含む)。特に、カテーテル550’は潅流ポート580a及び580bを含む。場合によっては、潅流ポート580a及び580bはそれぞれ
図8に関して上述した潅流ポート505と同じであってもよい。図示される実施形態においては、潅流ポート580a及び580bはセンサ300の側面に位置し、カテーテル550’の本体555’の壁560’内にアパーチャを形成する。このアパーチャは,カテーテル550’の外部からルーメン565’内に流体及び環境内容物が流れることを可能にする。他の実施形態においては、潅流ポートは、単一のより大きなアパーチャと同様の量の流体をルーメン565’内に通過させることを可能にする複数の小さなアパーチャ又はふるい状要素を含んでもよい。圧力測定中、潅流ポート580a及び580bを通じてルーメン565’内に流体が流れることを可能にすることによって、潅流ポートは、血管内にカテーテル550’が存在することにより付加される断面径負荷を解放する。
【0052】
図11は、2つの圧力センサ300a及び300bを含む感圧カテーテル600を示す。カテーテル600は、ここで記載される違いの他は
図7に示されるカテーテル210に実質的に類似する。まず初めに、カテーテル600は、カテーテル210のそれぞれ本体220、壁522及びルーメン525に実質的に類似する、壁610及びルーメン615を有する本体605を含む。しかしながら、カテーテル600は、センサワイヤ620によって接続された複数の圧力センサ300a及び300bを含む。幾つかの実施形態では、センサ300a及び300bは、典型的な狭窄病変の範囲に及ぶ程十分に離間して配置されてもよい(例えば、固定距離離れている)。センサワイヤ620は
図4に関して上述したセンサワイヤ420と同じであってもよい。この点に関して、以下、
図17A及び
図17Bに関して更に詳細に記載されるように、センサ300a及び300bが病変の側面に位置し、それによって、病変に対しカテーテルを再配置することなく病変の近位側及び遠位側両方における圧力の読み取りを同時に可能にするように、使用者はカテーテル600を患者内に配置してもよい。特定の実施形態は2つより多いセンサを有することができ、隣接するセンサ間の間隔は様々とされ得ることに留意されたい。
【0053】
図12は、本開示の一実施形態による感圧カテーテル600’を示す。カテーテル600’は、ここで記載される違いの他は
図11を参照して上述したカテーテル600に実質的に類似する(即ち、カテーテル600’は、カテーテル600のそれぞれ本体605、壁610及びルーメン615に実質的に類似する、壁610’及びルーメン615’を有する本体605’を含む)。特に、カテーテル600’は複数の潅流ポート621a,621b及び621cを含む。場合によっては、潅流ポート621a、621b及び621cはそれぞれ
図8に関して上述した潅流ポート505と同じであってもよい。図示される実施形態においては、潅流ポート621aはセンサ300aに対向して配置され、潅流ポート621bは2つのセンサ300aと300bとの間に配置され、潅流ポート621cはセンサ300bの近傍に配置されている。
図12によって示されるように、潅流ポートはセンサ300a及び300bの周りに非対称に配置され、また、カテーテル600’の中心軸線CAの周りに非対称に配置されている(例えば、潅流ポート621bが12時の位置に配置されて見える場合、潅流ポート621aは6時の位置に配置されており、潅流ポート621cは9時の位置に配置されている)。潅流ポート621a、621b及び621cはカテーテル600’の壁610’内にアパーチャを形成する。このアパーチャは、カテーテル600’の外部からルーメン615’内に流体及び環境内容物が流れることを可能にする。他の実施形態においては、潅流ポートは、単一のより大きなアパーチャと同様の量の流体をルーメン615’内に通過させることを可能にする複数の小さなアパーチャ又はふるい状要素を含んでもよい。圧力測定中、潅流ポート621a、621b及び621cを通じてルーメン615’内に流体が流れることを可能にすることによって、潅流ポートは、血管内にカテーテル600’が存在することにより付加される断面径負荷を解放する。
【0054】
図13は、本開示の一実施形態によるセンサ300a及び300bを含む感圧カテーテル700を示す。カテーテル700は、ここで記載される違いの他は
図11に示されるカテーテル600に実質的に類似する。まず初めに、カテーテル700は、カテーテル600のそれぞれ本体605、壁610及びルーメン615に実質的に類似する、壁710及びルーメン715を有する本体705を含む。しかしながら、カテーテル700はラピッドエクスチェンジ型カテーテルとして構成される。この点に関して、カテーテル700はガイドワイヤポート720を含み、このガイドワイヤポート720からガイドワイヤ400がカテーテル700を出てもよい。ガイドワイヤ400は、
図6に示される実施形態に関して示されるものと類似する手法でカテーテル700を移動してもよい。
【0055】
図14は、本開示の一実施形態によるラピッドエクスチェンジ型感圧カテーテル700’を示す。カテーテル700’は、ここで記載される違いの他は
図13を参照して上述したカテーテル700に実質的に類似する(即ち、カテーテル700’は、カテーテル700のそれぞれ本体705、壁710及びルーメン715に実質的に類似する、壁710’及びルーメン715’を有する本体705’を含む)。特に、カテーテル700’は、潅流ポート725a、725b及び725cを含む。場合によっては、潅流ポート725a、725b及び725cはそれぞれ、
図8に関して上述した潅流ポート505に類似してもよい。図示される実施形態においては、潅流ポート725aはセンサ300aに対向して配置され、潅流ポート725bは2つのセンサ300aと300bとの間に配置され、潅流ポート725cはセンサ300bの近傍に配置されている。
図14によって示されるように、潅流ポートはセンサ300a及び300bの周りに非対称に配置され、また、カテーテル600’の中心軸線CAの周りに非対称に配置されている(例えば、潅流ポート725bが12時の位置に配置されて見える場合、潅流ポート725aは6時の位置に配置されており、潅流ポート725cは9時の位置に配置されている)。潅流ポート725a及び725bはカテーテル600’の壁610’内にアパーチャを形成する。このアパーチャは、カテーテル600’の外部からルーメン615’内に流体及び環境内容物が流れることを可能にする。潅流ポート725cは、単一のより大きなアパーチャと同様の量の流体をルーメン715’内に通過させることを可能にする複数の小さなアパーチャ又はふるい状要素を形成する。圧力測定中、潅流ポート725a、725b及び725cを通じてルーメン715’内に流体が流れることを可能にすることによって、潅流ポートは、血管内にカテーテル700’が存在することにより付加される断面径負荷を解放する。
【0056】
図15A乃至
図17Bは、本明細書中に開示される種々の感圧カテーテルを使用して血管内圧を測定する方法を示す。
図15A及び
図15Bは、病的な血管V内に配置された圧力センサ300を有する例示的な感圧カテーテル800を示す。場合によっては、カテーテル800は
図3に示されるカテーテル210と同じである。図示される実施形態においては、カテーテル800はオーバーザワイヤ型カテーテルとして構成されるが、他の実施形態においては、カテーテル800はラピッドエクスチェンジ型カテーテルとして構成されてもよい。図示される実施形態においては、カテーテル800は潅流ポート802及びルーメン803を含む。潅流ポート802は、カテーテル800周囲の流体(例えば血液)がカテーテル800のルーメン803内を流れ、(遠位部804においてルーメン803を出る)ことを可能にし、それによって、カテーテル800が遠位側圧力測定値に及ぼす歪曲効果(distorting effect)を減少する。特に、潅流ポート802は、カテーテル800の遠位部を通過する流体の循環を可能にすることによって、カテーテル800の全体的な断面閉塞を低減する。
【0057】
血管Vは、周方向病変810を含むルーメン805を含む。ルーメン805は、病変810(例えば、アテローム斑)の存在によって不規則に形状となっている管腔壁815を含む。血液はルーメン805内を矢印820の方向に流れる。カテーテル800の挿入前に、標準的な経皮的手技を用いてガイドワイヤ400が患者の血管系に導入されてもよい。ガイドワイヤ400が標的血管内に配置されると、カテーテル800はガイドワイヤ400上において患者の血管系に導入されてもよく、対象部位に前進させてもよい。代替的に、カテーテル800は患者の外部でガイドワイヤ400に結合されてもよく、ガイドワイヤ460及びカテーテル800の両方が患者内に導入されてもよく、同時に対象部位に前進させてもよい。
【0058】
使用者は、センサ300が病変810の遠位側、即ち、下流側に配置されるまでカテーテル800をガイドワイヤ400上において前進させることができる。使用者は、カテーテル800上の放射線不透過性マーキング(例えば、放射線不透過性マーカー270及び/又は放射線不透過性センサ凹部420)及び/又はシャフトマーカー(例えば、シャフトマーカー262)を使用して、病変に対するカテーテル800の所望の位置決めを確認してもよい。カテーテル800はIVUS又は他の画像化装置280(
図3に示されるような)をその上に含んでもよく、それによって、インビボでのリアルタイム血管内画像化を用いることにより使用者が血管内でカテーテル800を正確に位置決めすることを可能にする。付加的に又は代替的に、使用者は、非限定的な例として、蛍光透視法、超音波、CT又はMRIなどの外部画像化を用いて、患者の血管系内におけるカテーテル800の誘導及び位置決めを補助してもよい。外部及び血管内画像は共に互いに重ね合わされても、画像の表示を合成してもよい。
【0059】
図15Bに示されるように、正確な位置決めが確認された後、使用者はガイドワイヤ400を近位側に僅かに引き込むか引き抜き、遠位側圧力測定値を得る前に潅流ポート802を露出させることができる。ガイドワイヤ400を僅かに引き込み、潅流ポート802を露出させることによって、使用者は狭窄におけるカテーテル800の有効閉塞プロファイルを低減することにより遠位側圧力測定の精度を上げることができる。特に、血液が潅流ポート802内を流れるにつれて、カテーテル800によって形成される全体的な断面閉塞が減少する。これは、センサ300に隣接するカテーテル800の少なくとも一部内を血液が流れることを可能とされるからである。
【0060】
図16A及び
図16Bは、センサ300が病変810の近位側、即ち上流側に配置された、病的な血管V内に配置された感圧カテーテル800を示す。
図16Aに示されるように、センサ300により遠位側圧力測定値を得た後、使用者はガイドワイヤ400上でカテーテル800を引き抜き、センサ300を病変810の近位側、即ち下流側に配置することができる。使用者は、カテーテル800上の放射線不透過性マーキング(例えば、放射線不透過性マーカー270及び/又は放射線不透過性センサ凹部420)及び/又はシャフトマーカー(例えば、シャフトマーカー262)を使用して、病変に対するカテーテル800の所望の位置決めを確認してもよい。正確な位置決めが確認された後、使用者は、ガイドワイヤ400を引き込み又は近位側に引き抜き、ここでも潅流ポート802を露出させることができる。ガイドワイヤ400を僅かに引き込み、潅流ポート802を露出させることによって、使用者はカテーテル800の有効閉塞プロファイルを低減することにより近位側圧力測定の精度を上げることができる。その後、使用者はセンサ300を作動させて近位側圧力測定値を得ることができる。場合によっては、使用者は近位側圧力測定値を得る前にガイドワイヤ400を引き抜く又は引き込む必要はない。
図15及び
図16に示されるステップは血管V内の対象部位における所望の圧力測定値が全て得られるまで繰り返されてもよい。加えて、
図15A及び
図15B及び
図16A及び
図16Bに示されるステップは逆の順序で実施されてもよい(即ち、近位側圧力測定値は遠位側圧力測定値の前に得られてもよい)。近位側圧力測定値及び遠位側圧力測定値を得た後、使用者及び/又はプロセッサ320(
図3に示される)はFFRを算出することができる。
【0061】
図17A及び
図17Bは、病変810を有する病的な血管V内に配置された圧力センサ300a及び300bを有する例示的な感圧カテーテル900を示す。場合によっては、カテーテル900は
図12に示されるカテーテル600’に実質的に類似する。図示される実施形態においては、カテーテル900はオーバーザワイヤ型カテーテルとして構成されるが、他の実施形態においては、カテーテル900はラピッドエクスチェンジ型カテーテル(例えば、
図14に示されるカテーテル700’に類似する)として構成されてもよい。図示される実施形態においては、カテーテル900は複数の潅流ポート902及びルーメン903を含む。潅流ポート902は、カテーテル900周囲の流体(例えば血液)がカテーテル900のルーメン903内を流れ、(遠位部904においてルーメン903を出る)ことを可能にし、それによって、カテーテル900が遠位側圧力測定値に及ぼす歪曲効果を減少する。特に、潅流ポート902は、カテーテル900の遠位部904を通過する流体の循環を可能にすることによって、カテーテル900の全体的な断面閉塞を低減する。
【0062】
カテーテル900の挿入前に、標準的な経皮的手技を用いてガイドワイヤ400が患者の血管系に導入されてもよい。ガイドワイヤ400が標的血管内に配置されると、カテーテル900はガイドワイヤ400上において患者の血管系に導入されてもよく、対象部位に前進させてもよい。代替的に、カテーテル900は患者の外部でガイドワイヤ400に結合されてもよく、ガイドワイヤ460及びカテーテル900の両方が患者内に導入され、対象部位に同時に前進させてもよい。
【0063】
使用者は、センサ300aが病変810の遠位側、即ち下流側に配置され、センサ300bが病変810の近位側、即ち上流側に配置されるまでカテーテル900をガイドワイヤ400上において前進させることができる。使用者はカテーテル900上の放射線不透過性マーキング(例えば、放射線不透過性マーカー270及び/又は放射線不透過性センサ凹部420)及び/又はシャフトマーカー(例えば、シャフトマーカー262)を使用して、病変に対するカテーテル900の所望の位置決めを確認してもよい。カテーテル900はIVUS又は他の画像化装置280(
図3に示されるような)をその上にを含んでもよく、それによって、使用者がインビボでのリアルタイム血管内画像化を用いることにより血管内でカテーテル900を正確に位置決めすることを可能にする。付加的に又は代替的に、使用者は、非限定的な例として、蛍光透視法、超音波、CT又はMRIなどの外部画像化を用いて、患者の血管系内におけるカテーテル900の誘導及び位置決めを補助してもよい。外部及び血管内画像は共に互いに重ね合わされても、画像の表示を合成してもよい。
【0064】
図17Bに示されるように、正確な位置決めが確認された後、使用者はガイドワイヤ400を近位側に僅かに引き込むか引き抜き、圧力測定値を得る前に潅流ポート902を露出させることができる。ガイドワイヤ400を僅かに引き込み、潅流ポート902を露出させることによって、使用者は狭窄におけるカテーテル900の有効閉塞プロファイルを低減することにより遠位側圧力測定の精度を上げることができる。特に、血液が潅流ポート902内を流れるにつれて、カテーテル900によって形成される全体的な断面閉塞が減少する。これは、センサ300a及び300bに隣接するカテーテル900の少なくとも一部内を血液が流れることが可能とされるからである。
図17Bは、潅流ポート902全ての近位側に引き込まれたガイドワイヤ400を示すものの、場合によっては、使用者は、病変810に隣接する又は病変810の遠位側の潅流ポートの近位側のガイドワイヤのみを引き込む必要がある。ガイドワイヤ400を僅かに引き込み、潅流ポート902を露出させることによって、使用者はカテーテル900の有効閉塞プロファイルを低減することにより圧力測定の精度を上げることができる。潅流ポート902を露出させた後、使用者はセンサ300a及び300bを作動し、近位側圧力測定値及び遠位側圧力測定値をそれぞれ得ることができる。
図17A及び
図17Bに示されるステップは血管V内の対象部位における所望の圧力測定値が全て得られるまで繰り返されてもよい。近位側圧力測定値及び遠位側圧力測定値を得た後、使用者及び/又はプロセッサ320(
図3に示される)はFFRを算定することができる。
【0065】
当業者であれば、本開示に包含される実施形態が上記した特定の例示的実施形態に限定されないことは理解するであろう。この点に関して、例示的な実施形態が図示され、記載されてきたが、前述の開示の広範な修正、変更及び置換は考えられる。例えば、本明細書中に開示される感圧カテーテルは圧力測定の適応を有する動脈血管及び静脈血管の両方を含む患者の体のどこで用いられてもよい。このような変更は本開示の範囲から逸脱することなく前述の記載に対し成されてもよいことは理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は広く且つ本開示に矛盾のないように解釈されることが妥当である。