(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブロッキング要素が、前記エンドエフェクタを覆っているような延伸位置にある際に、前記バルブが、前記ブロッキング要素に吸引力を加えるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
前記組織が前記ブロッキング要素を通って入り、前記エンドエフェクタにひっかかるのを防ぐように、前記ブロッキング要素が構成されている、請求項1に記載のシステム。
【背景技術】
【0001】
様々な外科用器具が、エンドエフェクタを含み、そのエンドエフェクタが、組織を切開及び/又は(例えば、組織細胞内のタンパク質を変性させることにより)封着するために、超音波周波数で振動するブレード要素を有するようになっている。これらの器具は、電力を超音波振動に変換する圧電素子を含んでおり、それらの振動は音響導波管に沿ってブレード要素に伝達される。切断及び凝固の精度は、外科医の技術により、並びに電力レベル、ブレードエッジ、組織引張、及びブレード圧力の調節によって制御され得る。
【0002】
超音波外科用器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo−Surgery社(オハイオ州、Cincinnati)製である。上記のようなデバイス及び関連する概念の更なる例が、以下の文献に開示されている:1994年6月21日発行の、「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された、米国特許第5,322,055号(なお、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる);1999年2月23日発行の、「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」と題された、米国特許第5,873,873号(なお、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる);1997年10月10日出願の、「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」と題された、米国特許第5,980,510号(なお、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる);2001年12月4日発行の、「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された、米国特許第6,325,811号(なお、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる);2004年8月10日発行の、「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された、米国特許第6,773,444号(なお、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる);及び、2004年8月31日発行の、「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された、米国特許第6,783,524号(なお、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0003】
超音波外科用器具の更なる例が、以下の文献に開示されている:2006年4月13日公開の、「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」と題された、米国特許出願公開第2006/0079874号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);2007年8月16日公開の、「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題された、米国特許出願公開第2007/0191713号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);2007年12月6日公開の、「Ultrasonic Waveguide and Blade」と題された、米国特許出願公開第2007/0282333号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);2008年8月21日公開の、「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題された、米国特許出願公開第2008/0200940号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);2009年4月23日公開の、「Ergonomic Surgical Instruments」と題された、米国特許出願公開第2009/0105750号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);2010年3月18日公開の、「Ultrasonic Device for Fingertip Control」と題された、米国特許出願公開第2010/0069940号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);及び、2011年1月20日公開の、「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された、米国特許出願公開第2011/0015660号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);及び、2012年2月2日公開の、「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された、米国特許出願公開第2012/0029546号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0004】
一部の超音波外科用器具は、以下の文献に開示されるもののようなコードレスのトランスデューサを含み得る:2012年5月10日公開の、「Recharge System for Medical Devices」と題された、米国特許出願公開第2012/0112687号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);2012年5月10日公開の、「Surgical Instrument with Charging Devices」と題された、米国特許出願公開第2012/0116265号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);及び/又は、2010年11月5日出願の、「Energy−Based Surgical Instruments」と題された、米国特許出願第61/410,603号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0005】
更に、一部の超音波外科用器具は、関節運動シャフト部分を備えてよい。かかる超音波外科用器具の例が、以下の文献に開示されている:2012年6月29日出願の、「Surgical Instruments with Articulating Shafts」と題された、米国特許出願第13/538,588号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる);及び、2012年10月22日出願の、「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」と題された、米国特許出願第13/657,553号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0006】
いくつかの外科用器具及びシステムが製作され利用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載する発明を製作又は利用したものは存在しないと考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために用いられるべきではない。本技術のその他の例、特徴、態様、実施形態及び利点は、例として本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、その他種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、制限的なものではなく、例示的な性質のものとみなすべきである。
【0010】
本明細書に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に述べられる他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されたい。したがって、以下に述べられる教示、表現、実施形態、実施例などは、互いから切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、本明細書の教示に鑑みて、当業者には明らかとなろう。かかる改変例及び変形例は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0011】
本開示の明瞭さのために、本明細書においては、「近位」及び「遠位」という用語を、外科用器具の、人間又はロボットの操作者に対する相対的な用語として定義する。「近位」という用語は、外科用器具の、人間又はロボットの操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタからより遠く離れた要素の位置を指す。「遠位」という用語は、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタにより近く、かつ、外科用器具の、人間又はロボットの操作者からより遠く離れた要素の位置を指す。
【0012】
I.代表的な超音波外科用器具
図1は、1つの代表的な超音波外科用器具(10)を示す。器具(10)の少なくとも一部は、以下の文献の教示に少なくとも部分的にしたがって構築され、動作可能とされ得る:米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,773,444号、米国特許第6,783,524号、米国特許出願公開第2006/0079874号、米国特許出願公開第2007/0191713号、米国特許出願公開第2007/0282333号、米国特許出願公開第2008/0200940号、米国特許出願公開第2009/0105750号、米国特許出願公開第2010/0069940号、米国特許出願公開第2011/0015660号、米国特許出願公開第2012/0112687号、米国特許出願公開第2012/0116265号、米国特許出願第13/538,588号、米国特許出願第13/657,553号、及び/又は、米国特許出願第61/410,603号。前述の特許、公開、及び出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。上の文献中に記載されるように、かつ、以下により詳細に記載されるように、器具(10)は、実質的に同時に、組織を切断し、かつ組織(例えば、血管など)を封着又は溶接するように動作可能である。また、器具(10)がHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesと、様々な構造的及び機能的な類似点を有し得ることを理解されたい。更に、器具(10)は、本明細書に引用されて参照により組み込まれる、その他の参考文献のいずれかにおいて教示される装置と、様々な構造的及び機能的な類似点を有し得る。
【0013】
本明細書に引用される参考文献、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(10)に関する以下の教示との間にある程度の重複が存在するが、本明細書のいかなる記述も、認められた先行技術とみなす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参照及びHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0014】
本実施例の器具(10)は、ハンドルアセンブリ(20)と、シャフトアセンブリ(30)と、エンドエフェクタ(40)とを備えている。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)と、一対のボタン(26)とを含む本体(22)を備えている。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)に向かうようにも、それから離れるようにも枢動可能なトリガ(28)をもまた含む。しかしながら、様々な他の好適な構成を使用することができ、そうした構成には、挟みグリップ構成が含まれるがこれに限定されない、ということも理解されるべきである。エンドエフェクタ(40)は、超音波ブレード(160)と、枢動クランプアーム(44)とを含む。クランプアーム(44)は、トリガ(28)に連結されるが、トリガ(28)がピストルグリップ(24)に向かって枢動するのに反応して、クランプアーム(44)が超音波ブレード(160)に向かって枢動可能となっており、かつ、トリガ(28)がピストルグリップ(24)から遠ざかるように枢動するのに反応して、クランプアーム(44)が超音波ブレード(160)から遠ざかるように枢動可能となっている。本明細書の教示を考慮すれば、クランプアーム(44)をトリガ(28)と連結することができる様々な好適な方法が、当業者には明らかであろう。一部の形態では、1つ又は2つ以上の弾力的な部材が、クランプアーム(44)及び/又はトリガ(28)を、
図1に示す開放位置に付勢するために用いられる。
【0015】
超音波トランスデューサアセンブリ(12)は、ハンドルアセンブリ(20)の本体(22)から近位方向に延在する。トランスデューサアセンブリ(12)は、ケーブル(14)を介して発電機(16)に連結される。トランスデューサアセンブリ(12)は、発電機(16)から電力を受電し、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換する。発電機(16)は、電源と制御モジュールとを含み得るが、その制御モジュールは、トランスデューサアセンブリ(12)を通じた超音波振動の生成に特に好適な電力プロファイルを、トランスデューサアセンブリ(12)に提供するように構成される。あくまでも例としてではあるが、発電機(16)は、Ethicon Endo−Surgery社(オハイオ州、Cincinnati)により販売されているGEN 300を含み得る。追加的に又は代替的に、発電機(16)は、2011年4月14日公開の、「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された、米国特許出願公開第2011/0087212号(なお、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる)が教示するところのものの少なくとも一部に従って構築し得る。また、発電機(16)の機能の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(20)に組み込むことができ、かつ、ハンドルアセンブリ(20)は、更に電池又は他の内蔵電源を含み得るが、それによりケーブル(14)を省略可能であるということも理解されたい。なお、発電機(16)が有することができる他の好適な形態、並びに発電機(16)が提供することができる種々の特徴及び動作性は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0016】
本実施例のエンドエフェクタ(40)は、クランプアーム(44)及び超音波ブレード(160)を備える。クランプアーム(44)には、クランプパッド(不図示)が含まれ、クランプパッドは、クランプアーム(44)の下側に、ブレード(160)と対向するように固定されている。クランプアーム(44)は、選択的に、ブレード(160)に向かって及びブレード(160)から遠ざかるように枢動し、トリガ(28)がピストルグリップ(24)に向かって枢動するのに反応して、選択的に、組織をクランプアーム(44)とブレード(160)との間で挟んで掴むように動作可能である。本実施例のブレード(160)は、超音波周波数で振動し、特に組織が、クランプアーム(44)とブレード(160)との間に挟まれた状態で、組織を効果的に切り開き、封着するように動作可能である。ブレード(160)は、ブレード(160)を振動させるためのトランスデューサアセンブリ(12)を含む音響ドライブトレインの、遠位端に位置している。あくまでも例としてではあるが、音響ドライブトレインは、本明細書に引用される様々な参考文献の様々な教示に従って構成されてよい。
【0017】
本実施例においては、ブレード(160)の遠位端は、共振超音波振動に関連する波腹に対応する位置に配置されるが、その共振超音波振動は、可撓性のある音響導波管を通じて伝達され、音響アセンブリが組織による荷重を受けていない状態で、音響アセンブリを好ましい共振周波数f
oに調整する。トランスデューサアセンブリ(12)が通電されたとき、ブレード(160)の遠位端は、例えば、ピーク間で約10〜500ミクロンの範囲で長手方向に移動するように構成され、一部の例では、所定の振動周波数f
o、例えば55.5kHzの振動周波数で、約20〜約200ミクロンの範囲で長手方向に移動するように構成される。本実施例のトランスデューサアセンブリ(12)が起動されると、これらの機械的な振動が導波管を通じて伝達されてブレード(160)に到達し、その結果、共振超音波周波数でのブレード(160)の振動が得られる。したがって、組織がブレード(160)とクランプアーム(44)との間に固定されると、ブレード(160)の超音波振動が、組織の切断と隣接した組織細胞のタンパク質の変性とを同時に行い、その結果、比較的少ない熱拡散で凝固効果が得られる。一部の変形例では、やはり組織を焼灼させるために、ブレード(160)及びクランプアーム(44)を介して電流も供給され得る。音響伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(12)のいくつかの構成を記述してきたが、音響伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(12)の更に他の適切な構成は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。同様に、エンドエフェクタ(40)の他の好適な構成も、本明細書の教示を鑑みれば、当業者に明らかになるであろう。
【0018】
II.吸引能力を備える超音波外科用器具の実施例
一部の例においては、余分な流体を排出させ、視認性を改善するために、標的となる箇所に吸引力を加えるのが望ましい場合がある。したがって、メッシュのスクリーンを用いて、選択的にエンドエフェクタ(40)を覆い、スクリーンを介して、標的となる箇所に吸引力を加えることもできる。スクリーンによって、ユーザーは、別個の吸引器具を導入することなく吸引力を加えることが可能となるだけでなく、更に、吸引力を加えている最中に、ユーザーが過って組織をエンドエフェクタ(40)で掴んでしまうことを防ぐことができる。またスクリーンは、吸引力を加えつつ又は加えることなく、組織の表面を受動的に分離するためにも用いることができる。下記の例には、器具(10)に容易に導入可能なスクリーンを備えた外科用器具の単に例示的な形態のいくつかが含まれる。スクリーンは、エンドエフェクタ(40)を選択的に覆うためのブロッキング要素として用いられ得る構造体の、単に代表的な一例にすぎないということを理解されたい。エンドエフェクタ(40)を選択的に覆うためのブロッキング要素として用いられ得る構造体の、他の好適な構造体は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者にとって明らかであろう。
【0019】
A.スクリーンの実施例
図2は、吸引能力を備えた超音波外科用器具(110)の一例を示す。器具(110)は、エンドエフェクタ(140)、シャフトアセンブリ(130)、トランスデューサアセンブリ(112)、及びハンドルアセンブリ(120)を備えるが、その点では、器具(110)は器具(10)と同様である。スクリーン(150)が選択的にエンドエフェクタ(140)上に位置しているが、その点以外では、エンドエフェクタ(140)は、エンドエフェクタ(40)と同様である。スクリーン(150)は、組織がスクリーン(150)を通ってエンドエフェクタ(140)に入り込むのを防ぎつつ、スクリーン(150)を通してエンドエフェクタ(140)で吸引ソース(18)により吸引力を加えることを可能にするメッシュ構造を有する。したがって、組織をエンドエフェクタ(140)で過って掴むことなく、器具(110)により吸引力を加えることができる。吸引力は、スクリーン(150)に対して様々な方向に流れるが、そうした方向には、スクリーン(150)により画定される側壁を通って、エンドエフェクタ(140)に向かって放射状に内側方向に延びる経路を含まれるものの、それに限られないということを理解されたい。言い換えると、スクリーンを介して得られる吸引力は、シャフトアセンブリ(130)の長手方向の軸線に沿った向きの経路に沿った吸引力に必ずしも限られない。
【0020】
更に、スクリーン(150)により、ユーザーは、エンドエフェクタ(140)で組織を能動的に切開することなく、組織層を引き離すためにスクリーン(150)を用いるようにして、組織を鈍的剥離することが可能になる。本実施例のスクリーン(150)はメッシュ構造を有するが、他の好適なスクリーン(150)構造が、本明細書の開示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0021】
スクリーン(150)は、エンドエフェクタ(140)に対して相対的に縮退させることができるようになっているが、それにより、エンドエフェクタ(140)を選択的に露出させ、上述のように、能動的に組織を切開及び/又は凝固させることができる。器具(110)によって、吸引と、受動的及び/又は能動的な組織の切り分けとを組み合わせて実施することにより、ユーザーがより効率的に作業できるようになり、かつ吸引の制御を片手で行うことも可能になる。
図2に示すように、スクリーン(150)は、シャフトアセンブリ(130)の遠位端に連結されている。シャフトアセンブリ(130)は、スクリーン(150)がエンドエフェクタ(140)に対して相対的に縮退するのを可能にする外側シャフト(132、134)を備えているが、その点以外では、シャフトアセンブリ(130)は、器具(10)のシャフトアセンブリ(30)と同様である。外側シャフト(132、134)は、エンドエフェクタ(140)をハンドルアセンブリ(120)に連結するシャフト(32)を包囲するような位置に配置される。外側シャフト(132)は、スクリーン(150)を回転ノブ(131)に連結し、外側シャフト(134)は、回転ノブ(131)をハンドル部(120)に連結している。外側シャフト(134)は、ハンドル部(120)に対して相対的に縮退可能である。したがって、ユーザーは、外側シース(134)を縮退させて、それにより回転ノブ(131)、外側シース(132)、及びスクリーン(150)を縮退させ、エンドエフェクタ(140)を露出させることができる。外側シース(134)は、回転ノブ(131)を掴んで縮退させることができ、あるいは、外側シース(134)をハンドルアセンブリ(120)のトリガ(128)に連結し、トリガ(128)をハンドルアセンブリ(120)のグリップ(124)に向かって枢動した際に、外側シース(134)を縮退させるようにすることもできる。外側シャフト(134)は、十分な長さを有するので、スクリーン(150)が縮退して、回転ノブ(131)がハンドルアセンブリ(120)に接触する前に、エンドエフェクタ(140)を完全に露出させることができるようになっている。本実施例では、スクリーン(150)がエンドエフェクタ(140)に対して相対的に縮退するように説明されているが、エンドエフェクタ(140)がスクリーン(150)に対して相対的に遠位方向に延伸するように構成されていてもよい。エンドエフェクタ(140)をスクリーン(150)から選択的に露出させるための、その他の好適な構成は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかになるであろう。
【0022】
シャフトアセンブリ(130)は、吸引ソース(18)からスクリーン(150)に、吸引力を流体連通させるための吸引チューブ(115)を更に備える。
図3は、スクリーン(150)を取り外した状態の器具(110)の遠位部を示す。吸引チューブ(115)は、シャフトアセンブリ(130)を通って、シャフト(32)と外側シャフト(132、134)との間に延在しているが、吸引チューブ(115)の遠位端が、エンドエフェクタ(140)の近位側に位置するようになっている。吸引チューブ(115)の遠位端がエンドエフェクタ(140)の近位側に位置した状態では、吸引チューブ(115)がスクリーン(150)と共に縮退しても、縮退していなくてもよい。言うまでもなく、吸引チューブ(115)の遠位端は更にスクリーン(150)内に延在し、スクリーン(150)と共に縮退させてもよい。吸引チューブ(115)の他の好適な構成は、本明細書の教示に鑑みれば、当業者にとって明らかであろう。
【0023】
ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)を含む本体(122)、一対のボタン(126)、及びピストルグリップ(124)に向かって及びそこから遠ざかるように枢動可能なトリガ(128)を備えるという点で、ハンドルアセンブリ(120)は、ハンドルアセンブリ(20)と同様である。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介して発電機(16)に連結される。
図4に示すように、吸引チューブ(115)は、ハンドルアセンブリ(120)を通って、コネクタ(116)まで延在する。次に、コネクタ(116)が、吸引ソース(18)をハンドルアセンブリ(120)に、チューブ(15)を介して連結する。したがって、吸引ソース(18)は、チューブ(15)、コネクタ(116)、及び吸引チューブ(115)を通じて、スクリーン(150)と流体連通している。コネクタ(116)は、気密状態であるが、それでもなお選択的にハンドルアセンブリ(120)から取り外し可能であり、吸引ソース(18)が、ハンドルアセンブリ(120)に選択的に連結されるようになっている。ハンドルアセンブリ(120)は、吸引アクチュエータ(118)及びバルブ(119)を更に含み、バルブ(119)により、吸引力が器具(110)に対して選択的に加えられるようになっている。
図4は、吸引チューブ(115)の周囲に位置したバルブ(119)を示すが、バルブ(119)が開閉すると、吸引チューブ(115)が開閉するようになっている。バルブ(119)が開放されると、吸引チューブ(115)が開放されて、吸引力が吸引チューブ(115)を通じて加えられるようになる。バルブ(119)が閉鎖されると、バルブ(119)が吸引チューブ(115)を閉鎖して、吸引力が吸引チューブ(115)を通じて加えられるのを防ぐようになっている。本実施例においては、吸引アクチュエータ(118)は、バルブ(119)を作動させるために用いられるボタンを備える。吸引アクチュエータ(118)は、ワイヤ(117)でバルブ(119)に電気的に連結されている。この構成においては、バルブ(119)はソレノイドを含んでいてよい。他の形態においては、吸引アクチュエータ(118)が、バルブ(119)に機械的に連結されて、バルブ(119)を開閉する。したがって、ユーザーは、吸引アクチュエータ(118)を作動させて、スクリーン(150)がエンドエフェクタ(140)上に位置しているときに、スクリーン(150)の位置で、選択的に吸引力を加えることができる。言うまでもなく、吸引アクチュエータ(118)は、あくまでも任意選択的なものにすぎない。
【0024】
一部の形態においては、スクリーン(150)が別の材料により覆われる。そのような追加的な材料は、スクリーン(150)から取り外し可能なものであっても、取り外し不可能なものであってもよい。あくまでも例としてではあるが、そのような材料は、例えばガーゼ材のような布状のものであってよい。操作者が、そのような追加的な布材で、血液及び/又はその他の体液のたまった部分を軽くたたくようにして用いて、血液及び/又はその他の体液をその布材で吸収することが可能である。追加的あるいは代替的に、上のような追加的な布材は、組織を鈍的剥離する際に、組織を掴む助けとすることができる。追加的布材は、スクリーン(150)上に伸張させて取り付けることができ、かつ/又は恒久的にスクリーン(150)に接着されてよい。別の単に例示的な実施例としてではあるが、スクリーン(150)は、例えば、吹き付けられた吸収性プラスチック材料などのような、肌理のある材料でコーティングされていてもよい。スクリーン(150)に追加され又は組み込まれ得る他の好適な特徴は、本明細書に鑑みれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0025】
B.操作の実施例
図5A〜6は、器具(110)の操作の一例を示す。
図5Aに示すように、スクリーン(150)を遠位方向に伸ばしてエンドエフェクタ(140)を覆った状態で、器具(110)が患者に挿入される。スクリーン(150)が伸びた位置にある状態で、望ましい箇所に吸引力を加えるために器具(110)を用いることができる。本実施例においては、スクリーン(150)を組織(2)に押し当てて、組織(2)から、血液及び/又はその他の体液を除去する。次に、吸引アクチュエータ(118)を作動させて、バルブ(119)及び吸引チューブ(115)を開く。これにより、吸引力が吸引ソース(18)からスクリーン(150)に、吸引チューブ(115)を通じて伝達される。それにより、流体が、スクリーン(150)と吸引チューブ(115)とを通じて、組織(2)から吸い取られる。吸引力を加えている間、スクリーン(150)により、組織(2)がスクリーン(150)を通って入り、エンドエフェクタ(140)に至ることを防止する。その場所から望ましい量の流体が除去されると、吸引アクチュエータ(118)を再び作動させ、バルブ(119)と吸引チューブ(115)とを閉じて、吸引ソース(18)からスクリーン(150)に吸引力が加えられるのを防止する。言うまでもなく、吸引アクチュエータ(118)を再び作動させて、追加的な吸引力を組織(20)に加えてもよく、あるいは他の望ましい箇所で、吸引アクチュエータ(118)を作動させてもよい。
【0026】
図5Bに示すように、組織(2)に対して組織を能動的に切開及び/又は切り分けるために、外科用器具(110)を更に用いる。本実施例においては、回転ノブ(131)を握り、ハンドルアセンブリ(120)に対して相対的に近位方向にスライドさせることにより、外側シャフト(132、134)とスクリーン(150)とを縮退させる。一部の形態においては、ハンドルアセンブリ(120)のトリガ(128)がグリップ(124)に向かって枢動し、外側シャフト(132、134)とスクリーン(150)とを近位方向に縮退させる。それによりスクリーン(150)が縮退し、エンドエフェクタ(140)が露出する。次にトリガ(128)を、グリップ(124)に向けて引き絞り、クランプアーム(144)を超音波ブレード(160)に対して相対的に枢動させ、クランプアーム(144)とブレード(160)との間に組織(2)を捉える。クランプアーム(144)は単に任意選択で設けられ、所望に応じて省略可能であるということも理解されたい。次に、ボタン(126)の中の選択された1つを押して、トランスデューサアセンブリ(112)を作動させ、能動的に組織(20)を切開し、かつ/又は凝固させる。次に回転ノブ(131)をハンドルアセンブリ(120)に対して相対的に遠位方向にスライドさせ、外側シャフト(132、134)とスクリーン(150)とを遠位方向に前進させて、
図5Aに示すように、エンドエフェクタ(140)を再び覆ってもよい。一部の形態においては、ユーザーが回転ノブ(131)から手を放すと、回転ノブ(131)が遠位方向に移動するように、回転ノブ(131)が、遠位方向に弾性的に付勢される。
【0027】
一部の形態においては、吸引ソース(18)は、二重吸引モードを提供するように動作可能である。第1の吸引モードにおいては、吸引ソース(18)は、大きな吸引力をスクリーン(150)に加えて、スクリーン(150)が組織(2)を掴めるようにしてよい。第2の吸引モードにおいては、吸引ソース(18)は、小さな吸引力をスクリーン(150)に加えて、組織(2)を掴むことなく、スクリーン(150)を介して加えた吸引力で、スクリーン(150)を通して流体を吸い取るようにしてよい。
【0028】
一部の形態においては、スクリーン(150)は膨張可能であり、スクリーン(150)は、トロカールを通して挿入可能になっている。例えば、スクリーン(150)がトロカールを通して挿入される際にはスクリーン(150)は畳まれた形状になっており、その後、患者の体内で、選択的に膨張させられる。スクリーン(150)の一端部をスクリーン(150)の他端部に対して相対的に前進及び/又は後退させることによって、スクリーン(150)は、畳まれた形状と膨張した形状との間を動くことができる。
【0029】
スクリーン(150)が延伸した位置にある状態で、組織を鈍的剥離するために器具(110)を用いることが更に可能である。
図6は、スクリーン(150)が、組織(6)の層(3)と層(4)との間に挿入されているのを示す。ユーザーは、ハンドルアセンブリ(120)によりスクリーン(150)を操作し、組織の層(3、4)を引き離すことによって、組織の層(3、4)を剥離してもよい。スクリーン(150)が組織の層(3、4)を剥離している間に吸引力を加えてもよく、あるいは新たに切り分けられた組織の層(3、4)に対して吸引力を加えてもよい。
【0030】
器具(110)が、吸引能力を超音波装置に加えたものとして説明されてきたが、例示的な吸引能力は、モノポラーRF電気外科デバイス、バイポラーRF電気外科デバイス、及び/又はその他の好適な外科用器具にも適用可能であるということも理解されたい。
【0031】
III.その他
本明細書に記載される器具のいかなる形態も、本明細書中に既に説明された特徴に加えて、又はそれらに替えて、他の様々な特徴を含み得る、ということを理解されたい。あくまでも例としてではあるが、本明細書で説明する器具のいずれも、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかにおいて開示される様々な特徴の1つ以上を含むこともできる。本明細書の教示は、本明細書の引用文献のいずれかの教示と多数の方法で容易に組み合わせ得るため、本明細書の他の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも、本明細書の教示が容易に適用され得ることが理解されよう。更に、本明細書の様々な教示が、電気外科手術用器具、ステープル留め器具、及び他の種類の外科手術用器具に容易に適用され得ることが、当業者に理解されるであろう。本明細書の教示が組み込まれ得る他の種類の器具が、当業者には明らかとなろう。
【0032】
参照により本明細書に、その一部又は全体が組み込まれるとされるいかなる特許、公報、又はその他の開示資料も、その組み込まれる資料が、本開示内に記載された既存の定義、叙述、又は他の開示内容と矛盾しない範囲においてのみ本明細書に組み込まれることを理解されたい。このように、かつ必要な範囲において、参照により本明細書に組み込まれる資料の内容が、本明細書に明示的に記載されている開示内容と矛盾する場合には、本明細書の明示的な記載がいかなる組み込まれる資料にも取って代わるものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとされるいかなる資料又はその一部も、本明細書に記載の、既存の定義、叙述、又は他の開示内容と矛盾する場合には、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0033】
上述の装置の各形態は、医療従事者によって実施される従来の治療及び手術における用途ばかりでなく、ロボット支援による治療及び手術における用途も有し得るものである。あくまでも例としてではあるが、本明細書の様々な教示を、例えばIntuitive Surgical社(カリフォルニア州、Sunnyvale)製のDAVINCI(商標)システムのような外科手術用ロボットシステムに容易に組み込むことができる。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、2004年8月31日公開の米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる)の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0034】
上記に述べた各形態は、1回の使用で使い捨てにされるように設計されても、又は複数回使用されるように設計されてもよい。各形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整には、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及び、その後の再組立工程、の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置の特定の形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部材又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換するか取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換に際して、装置の特定の形態を、再調整用の施設において、又は手術の直前に使用者により再組立してその後の使用に供することができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できる点は認識するであろう。かかる技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、すべて、本出願の範囲内にある。
【0035】
あくまでも例としてではあるが、本明細書に記載される各形態は、手術の前及び/又は後で滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、装置をプラスチックバッグ又はタイベック(登録商標)製のバックなどの閉鎖かつ密封された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過する放射線場に置くことができる。かかる放射線は、装置の表面及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管することができる。また装置の滅菌は、当該技術分野では周知の他の任意の技術を使用して行うことも可能であり、そうした技術には、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気の使用が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
以上、本発明の様々な実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような考えられる改変のうちのいくつかについては言及したが、他にも改変が可能なことが、当業者には明らかであろう。例えば、上記で検討した例、実施形態、幾何形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって必須のものではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0037】
〔実施の態様〕
(1) (a)組織を操作するように動作可能であるエンドエフェクタ;
(b)前記エンドエフェクタの周囲に位置し、前記エンドエフェクタに対して相対的に動くことが可能であるブロッキング要素;
(c)吸引ソース;及び、
(d)前記ブロッキング要素と前記吸引ソースとの間に流体連通を提供するよう構成されている導管、を備え、
前記ブロッキング要素が、前記ブロッキング要素を通して前記組織に吸引力を伝達するよう構成されている、システム。
(2) 前記ブロッキング要素が、前記エンドエフェクタに対して相対的に移動可能である、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記エンドエフェクタを前記ブロッキング要素から露出させるように、前記ブロッキング要素が、近位側位置に縮退可能である、実施態様2に記載のシステム。
(4) トリガを更に備え、前記トリガが、前記ブロッキング要素を縮退させるように動作可能である、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記ブロッキング要素が、メッシュ構造を有するスクリーンを備える、実施態様1に記載のシステム。
【0038】
(6) 前記ブロッキング要素から近位方向に延在する外側シャフトを更に備え、前記外側シャフトが、前記導管を収容するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記導管に連結されたバルブを更に備え、前記バルブが、前記導管を通じて前記ブロッキング要素に、選択的に吸引力を加えるように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) アクチュエータを更に備え、前記アクチュエータが、前記バルブを選択的に作動させるように構成されている、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記ブロッキング要素が、前記エンドエフェクタを覆っているような延伸位置にある際に、前記バルブが、前記ブロッキング要素に吸引力を加えるように構成されている、実施態様7に記載のシステム。
(10) 前記ブロッキング要素が、前記エンドエフェクタを露出させているような縮退位置にある際に、前記バルブが、前記ブロッキング要素に吸引力を加えないように構成されている、実施態様7に記載のシステム。
【0039】
(11) 前記エンドエフェクタが、組織を切開するように動作可能であるブレードを備える、実施態様1に記載のシステム。
(12) 前記エンドエフェクタに連結された超音波トランスデューサアセンブリを更に備える、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記ブロッキング要素が、組織の鈍的剥離を実行するように動作可能である、実施態様1に記載のシステム。
(14) 本体と、前記ブロッキング要素を前記本体に連結するシャフトとを更に備える、実施態様1に記載のシステム。
(15) 前記シャフトが、前記本体に対して相対的に移動可能である、実施態様14に記載のシステム。
【0040】
(16) 前記組織が前記ブロッキング要素を通って入り、前記エンドエフェクタにひっかかるのを防ぐように、前記ブロッキング要素が構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(17) (a)組織を操作するように動作可能であるエンドエフェクタ、及び、
(b)第1位置から第2位置へ、前記エンドエフェクタに対して相対的に縮退可能であるスクリーンであって、前記第1位置では前記エンドエフェクタを収容するように構成され、前記第2位置では前記エンドエフェクタを露出させるように構成されている、スクリーン、を備え、
前記スクリーンが、吸引ソースと流体連通しており、前記スクリーンが前記第1位置にある際に、前記スクリーンが、前記スクリーンを通して前記吸引ソースから吸引力を伝達するように構成されている、装置。
(18) エンドエフェクタと、前記エンドエフェクタの周りに位置するスクリーンとを備え、前記スクリーンが、前記エンドエフェクタに対して相対的に縮退可能であり、前記スクリーンが吸引ソースに流体連通している、装置を用いて、組織に手術をする方法であって、
(a)前記スクリーンを組織に隣接して配置するステップ、
(b)前記スクリーンを通して、前記吸引ソースから前記組織に吸引力を加えるステップ、及び、
(c)前記エンドエフェクタを作動させて、前記組織を切開すること又は封着することの一方又は両方を実行するステップ、を含む、方法。
(19) 前記組織を前記スクリーンで剥離するステップを更に含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記スクリーンを、前記エンドエフェクタに対して相対的に縮退させ、前記エンドエフェクタを前記スクリーンから露出させるステップを更に含む、実施態様18に記載の方法。