(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6559711
(24)【登録日】2019年7月26日
(45)【発行日】2019年8月14日
(54)【発明の名称】再構成可能なマルチモードトランシーバ
(51)【国際特許分類】
H04B 1/405 20150101AFI20190805BHJP
H04B 1/52 20150101ALI20190805BHJP
H04B 1/54 20060101ALI20190805BHJP
H04B 1/403 20150101ALI20190805BHJP
H04B 1/00 20060101ALI20190805BHJP
【FI】
H04B1/405
H04B1/52
H04B1/54
H04B1/403
H04B1/00 282
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-569696(P2016-569696)
(86)(22)【出願日】2015年5月4日
(65)【公表番号】特表2017-520169(P2017-520169A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】US2015029067
(87)【国際公開番号】WO2015183478
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年4月6日
(31)【優先権主張番号】62/004,011
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/513,003
(32)【優先日】2014年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】ナラソング、チューチャーン
(72)【発明者】
【氏名】レウン、ライ・カン
(72)【発明者】
【氏名】パン、ドンリン
(72)【発明者】
【氏名】ランガラジャン、ラジャゴパラン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ケビン・ヒシ−ファイ
(72)【発明者】
【氏名】アスリ、ブシャン・シャンティー
(72)【発明者】
【氏名】タン、イユ
【審査官】
岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−119981(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0013677(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02590351(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/00−1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数シンセサイザと複数のキャリアアグリゲーション(CA)受信機(Rx)チェーンと複数のCA送信機(Tx)チェーンとを使用してトランシーバ設計を再構成するための方法であって、
第1の周波数シンセサイザを第1のCA Txチェーンに接続することと、
残りの複数の周波数シンセサイザの各々を前記複数のCA Rxチェーンのうちの1つに接続すること、
前記残りの複数の周波数シンセサイザのうちの第2の周波数シンセサイザは、共有シンセサイザとして前記複数のCA Rxチェーンのうちの第1のCA Rxチェーンと第2のCA Txチェーンとに接続される、と、
前記共有シンセサイザが時分割複信(TDD)チェーンを駆動すべきであるのか、または周波数分割複信(FDD)チェーンを駆動すべきであるかを決定することと
を備える、
方法。
【請求項2】
前記TDDチェーンを駆動すべきであるとき、前記共有シンセサイザは、前記第2のCA Txチェーンまたは前記第1のCA Rxチェーンのうちの1つのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、FDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トランシーバは、前記FDDモードにおける3つのCA Rxチェーンと、TDDモードにおける1つのCA Rxチェーンと、前記FDDモードにおける1つのCA Txチェーンと、前記TDDモードにおける1つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記共有シンセサイザがTDDチェーンを駆動すべきであるとき、前記共有シンセサイザは、前記第2のCA Txチェーンまたは前記第1のCA Rxチェーンのうちの1つのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、TDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記TDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トランシーバは、前記TDDモードにおける4つのCA Rxチェーンと、前記TDDモードにおける2つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記共有シンセサイザがTDDチェーンを駆動すべきであるとき、前記共有シンセサイザは、前記第2のCA Txチェーンまたは前記第1のCA Rxチェーンのうちの1つのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、TDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
前記第2および第3の周波数シンセサイザは、前記TDDモードにおいて第2および第3のRxチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記トランシーバは、前記TDDモードにおける3つのCA Rxチェーンと、前記FDDモードにおける1つのCA Rxチェーンと、前記TDDモードにおける2つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記共有シンセサイザは、FDDモードにおいて前記第1のCA Rxチェーンのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのCA Rxチェーンのために使用されるように構成され、
前記第2のCA Txチェーンは、無効にされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記トランシーバは、前記FDDモードにおける4つのCA Rxチェーンと、前記FDDモードにおける1つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記共有シンセサイザは、FDDモードにおいて前記第2のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成され、
前記第2のCA Rxチェーンは、無効にされる、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記トランシーバは、前記FDDモードにおける3つのCA Rxチェーンと、前記FDDモードにおける2つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ダウンリンクチャネルの数を増加させるために、拡張された受信ベースバンドフィルタ(BBF)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するためにイントラ帯域/連続受信CAを有効にすることをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
アップリンクチャネルの数を増加させるために、拡張された送信ベースバンドフィルタ(BBF)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するためにイントラ帯域/連続送信CAを有効にすることをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
LNA出力をスプリットすることによって、イントラ帯域/不連続CAを有効にすることをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
再構成可能なトランシーバ回路であって、
第1のCA Txチェーンに接続するように構成された第1の周波数シンセサイザと、
複数の周波数シンセサイザ、残りの複数の周波数シンセサイザの各々は、複数のCA Rxチェーンのうちの1つに接続するように構成される、と
を備え、前記残りの複数の周波数シンセサイザのうちの第2の周波数シンセサイザは、共有シンセサイザとして前記複数のCA Rxチェーンのうちの第1のCA Rxチェーンおよび第2のCA Txチェーンに接続され、前記共有シンセサイザは、時分割複信(TDD)チェーン、または周波数分割複信(FDD)チェーンを駆動する、
再構成可能なトランシーバ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般にトランシーバに関し、より詳細には、再構成可能なマルチモードトランシーバに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]通信システムにおけるトランシーバは、双方向通信のために、送信機を使用してデータを送信し、受信機を使用してデータを受信し得る。トランシーバはまた、複数のキャリア上での同時動作である、キャリアアグリゲーション(CA)をサポートし得る。ロングタームエボリューション(LTE(登録商標))/周波数分割複信(FDD)、LTE/時分割複信(TDD)、回線交換フォールバック(CSFB)、同時ボイスおよびLTE(SVLTE)、同時GSM(登録商標)およびLTE(SGLTE)、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)、ならびに他の同様に構成されたデバイスを含むマルチモードトランシーバは、世界の異なる領域においていくつかの異なる組合せで共存する。さらに、2つ、3つ、および4つのダウンリンクを用いたLTEキャリアアグリゲーションがすでに現れているか、またはすぐに利用可能になる。したがって、シームレスFDDおよびTDDインターオペラビリティを与えながら複数のモードおよび帯域を扱うことができるデバイスが、ワイヤレスデータに対する増大する需要を満たすために必要とされる。しかしながら、FDD動作とTDD動作の両方のサポートが、マルチモードトランシーバにおける受信(RX)リンクおよび送信(TX)リンクへの局部発振器LO接続およびシンセサイザ接続を複雑にする。
【0003】
[0003]マルチ帯域、マルチモードデバイスのニーズに関係した問題に対処するために、1つのトランシーバ(たとえば、FDDトランシーバ)が第1のチップ上に存在し、別のトランシーバ(たとえば、LTE−CAおよび他の技術をサポートするTDDトランシーバ)が第2のチップ上に存在する2チップ構成が使用され得る。この構成は、必要とされる特徴を与え得るが、シングルチップソリューションよりもより多くのチップ面積を占有し、より多くの電流を消費し、CAのより少ない数の組合せをサポートすることになる。したがって、FDDとTDDのインターオペラビリティを改善するための、およびより良いスペクトル利用のためのシングルチップソリューションを与えるために、最小ハードウェアを用いてトランシーバをフレキシブルに再構成し、再利用する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
[0004]本開示の詳細は、それの構造と動作の両方について、添付のさらなる図面の検討によって部分的に収集され得、同様の参照番号は同様の部分を指す。
【
図1A】ワイヤレス通信システムと通信するワイヤレスデバイスの図。
【
図1B】
図1Aに示されているワイヤレスデバイスの例示的な設計のブロック図。
【
図1C】本開示の一実施形態による、固定数のシンセサイザを使用して、ダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)の数を最大にするようにトランシーバ設計を再構成するための方法を示すフロー図。
【
図2A】
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD/TDD CAトランシーバの1つの例示的な場合(LTE FDD(3DL+1UL)+LTE TDD(1DL+1UL))を示す図。
【
図2B】
図2Aに示されているFDD/TDD CAトランシーバのRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す図。
【
図3A】
図1Cで説明した方法を使用して設計されたTDD CAトランシーバの別の例示的な場合(LTE TDD(2DL/イントラ/不連続+1UL+2DL/インター+1UL))を示す図。
【
図3B】
図3Aに示されているTDD CAトランシーバのRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す図。
【
図4A】
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD CAトランシーバの別の例示的な場合(LTE FDD(4DL+1UL))を示す図。
【
図4B】
図4Aに示されているFDD CAトランシーバのRXチェーンおよびTXチェーンのための信号経路を示す図。
【
図5A】
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD CAトランシーバの別の例示的な場合(LTE FDD(2DL/イントラ+1UL+1DL+1UL))を示す図。
【
図5B】
図5Aに示されているFDD CAトランシーバのRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す図。
【
図6A】
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD/TDD/GSM CAトランシーバの別の例示的な場合(LTE FDD(3DL+1UL)+GSM/TDD(1DL+1UL))を示す図。
【
図6B】
図6Aに示されているFDD/TDD/GSM CAトランシーバのRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す図。
【
図7A】
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD/TDD/SVLTE CAトランシーバの別の例示的な場合(SVLTE TDD(3DL+1UL)+CDMA/FDD(1DL+1UL))を示す図。
【
図7B】
図7Aに示されているFDD/TDD/SVLTE CAトランシーバのRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す図。
【
図8A】
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD/TDD/SVLTE+DSDS CAトランシーバの別の例示的な場合(SVLTE FDD(2DL+1UL)+LTE TDD(1DL+1UL)+CDMA(1DL))を示す図。
【
図8B】
図8Aに示されているFDD/TDD/SVLTE+DSDS CAトランシーバのRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0022]上記で説明したように、FDD動作とTDD動作の両方をサポートすることは、マルチモードトランシーバにおいて受信(RX)リンクおよび送信(TX)リンクへのLO接続およびシンセサイザ接続を複雑にする。
【0006】
[0023]本明細書で説明する実施形態は、周波数分割複信(FDD)と時分割複信(TDD)のインターオペラビリティを改善するための、およびより良いスペクトル利用のためのシングルチップソリューションを与えるために、最小ハードウェアを用いてトランシーバをフレキシブルに再構成し、再利用することを与える。本明細書を読めば、様々な実装形態および適用例において本発明をどのように実装すべきかが明らかになろう。本開示の様々な実装形態について本明細書で説明するが、これらの実装形態は、限定ではなく、例としてのみ提示されることを理解されたい。したがって、様々な実装形態のこの詳細な説明は、本開示の範囲または広さを制限するものと解釈されるべきでない。
【0007】
[0024]
図1Aは、ワイヤレス通信システム100と通信するワイヤレスデバイス110である。ワイヤレスシステム100は、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)システム、符号分割多元接続(CDMA)システム、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)システム、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)システム、または何らかの他のワイヤレスシステムであり得る。CDMAシステムは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))、CDMA 1X、エボリューションデータオプティマイズド(EVDO:Evolution-Data Optimized)、時分割同期CDMA(TD−SCDMA:Time Division Synchronous CDMA)、またはCDMAの何らかの他のバージョンを実装し得る。簡単のために、
図1Aは、2つの基地局120および122と、1つのシステムコントローラ130とを含むワイヤレスシステム100を示している。概して、ワイヤレスシステムは、任意の数の基地局と、ネットワークエンティティの任意のセットとを含み得る。
【0008】
[0025]ワイヤレスデバイス110は、ユーザ機器(UE)、移動局、端末、アクセス端末、加入者ユニット、局などと呼ばれることもある。ワイヤレスデバイス110は、セルラーフォン、スマートフォン、タブレット、ワイヤレスモデム、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、スマートブック、ネットブック、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、Bluetooth(登録商標)デバイスなどであり得る。ワイヤレスデバイス110はワイヤレスシステム100と通信し得る。ワイヤレスデバイス110はまた、放送局(たとえば、放送局124)からの信号、1つまたは複数のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS:global navigation satellite systems)中の衛星(たとえば、衛星140)からの信号などを受信し得る。ワイヤレスデバイス110は、LTE、WCDMA、CDMA 1X、EVDO、TD−SCDMA、GSM、802.11など、ワイヤレス通信のための1つまたは複数の無線技術をサポートし得る。
【0009】
[0026]ワイヤレスデバイス110は、1000メガヘルツ(MHz)よりも低い周波数をカバーする低帯域(LB)、1000MHzから2300MHzまでの周波数をカバーする中間帯域(MB)、および/または2300MHzよりも高い周波数をカバーする高帯域(HB)で動作することが可能であり得る。たとえば、低帯域は698〜960MHzをカバーし得、中間帯域は1475〜2170MHzをカバーし得、高帯域は2300〜2690MHzと3400〜3800MHzとをカバーし得る。低帯域、中間帯域、および高帯域は、帯域の3つのグループ(または帯域グループ)を指し、各帯域グループは、いくつかの周波数帯域(または単に、「帯域」)を含む。各帯域は、最高200MHzをカバーし得る。LTEリリース11は35個の帯域をサポートし、それらの帯域は、LTE/UMTS帯域と呼ばれ、公開されているドキュメント3GPP(登録商標) TS 36.101に記載されている。概して、任意の数の帯域グループが定義され得る。各帯域グループは、上記で与えられた周波数範囲のうちのいずれかに一致することも一致しないこともある、周波数の任意の範囲をカバーし得る。各帯域グループは任意の数の帯域を含み得る。
【0010】
[0027]ワイヤレスデバイス110は、FDDモードおよびTDDモードにおいてLTEアドバンスト技術のために複数のダウンリンク(DL)および複数のアップリンク(UL)を用いた複数のキャリア上での動作である、キャリアアグリゲーションをサポートし得る。したがって、キャリアアグリゲーションはマルチキャリア動作と呼ばれることもある。キャリアは、通信のために使用される周波数の範囲を指すことがあり、いくつかの特性に関連付けられ得る。たとえば、キャリアは、そのキャリア上での動作を記述するシステム情報および/または制御情報に関連付けられ得る。キャリアは、コンポーネントキャリア(CC)、周波数チャネル、セルなどと呼ばれることもある。帯域は1つまたは複数のキャリアを含み得る。各キャリアは、LTEでは最高20MHzをカバーし得る。ワイヤレスデバイス110は、1つまたは2つの帯域中の最高5つのキャリアで構成され得る。
【0011】
[0028]ワイヤレスデバイス110は、異なる周波数において同時に送られる複数の送信信号を受信し得る。これらの複数の送信信号は、(i)キャリアアグリゲーションのための異なる周波数における複数のキャリア上の1つまたは複数の基地局、または(ii)多地点協調(CoMP)のための同じワイヤレスシステムにおける異なる基地局、または(iii)同時サービス(たとえば、同時音声/音声、音声/データ、データ/データなど)のための1つまたは複数のワイヤレスシステムにおける1つまたは複数の基地局、または(iv)同時送信のための1つまたは複数の基地局によって送られ得る。
【0012】
[0029]
図1Bは、
図1Aに示されているワイヤレスデバイス110の例示的な設計のブロック図である。この例示的な設計では、ワイヤレスデバイス110は、プライマリアンテナ214に結合されたトランシーバ220と、セカンダリアンテナ212に結合されたトランシーバ222と、データプロセッサ/コントローラ280とを含む。トランシーバ220は、複数の周波数帯域、複数の無線技術、キャリアアグリゲーションなどをサポートするために、複数(k個)の受信機230pa〜230pkと複数(k個)の送信機250pa〜250pkとを含む。トランシーバ222は、複数の周波数帯域、複数の無線技術、キャリアアグリゲーション、受信ダイバーシティ、複数の送信アンテナから複数の受信アンテナへの多入力多出力(MIMO)送信などをサポートするために、複数(l個)の受信機230sa〜230slと複数(l個)の送信機250sa〜250slとを含む。
【0013】
[0030]
図1Bに示されている例示的な設計では、各受信機230はLNA240と受信回路242とを含む。データ受信では、アンテナ214は、基地局および/または他の送信機局から信号を受信し、受信RF信号を与え、その受信RF信号は、アンテナインターフェース回路224を介してルーティングされ、選択された受信機に入力RF信号として提示される。アンテナインターフェース回路224は、スイッチ、デュプレクサ、送信フィルタ、受信フィルタ、整合回路などを含み得る。以下の説明では、受信機230paが選択された受信機であると仮定する。受信機230pa内で、LNA240paが、入力RF信号を増幅し、出力RF信号を与える。受信回路242paは、出力RF信号をRFからベースバンドにダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号を増幅し、フィルタ処理し、データプロセッサ280にアナログ入力信号を与える。受信回路242paは、ミキサ、フィルタ、増幅器、整合回路、発振器、局部発振器(LO)生成器、位相ロックループ(PLL:phase locked loop)などを含み得る。トランシーバ220および222中の各残りの受信機230は、受信機230paと同様の様式で動作し得る。
【0014】
[0031]
図1Bに示されている例示的な設計では、各送信機250は送信回路252と電力増幅器(PA)254とを含む。データ送信では、データプロセッサ280は、送信されるべきデータを処理(たとえば、符号化および変調)し、選択された送信機にアナログ出力信号を与える。以下の説明では、送信機250paが選択された送信機であると仮定する。送信機250pa内で、送信回路252paは、アナログ出力信号を増幅し、フィルタ処理し、ベースバンドからRFにアップコンバートし、被変調RF信号を与える。送信回路252paは、増幅器、フィルタ、ミキサ、整合回路、発振器、LO生成器、PLLなどを含み得る。PA254paは、被変調RF信号を受信し、増幅し、適切な出力電力レベルを有する送信RF信号を与える。送信RF信号は、アンテナインターフェース回路224を介してルーティングされ、アンテナ214を介して送信される。トランシーバ220および222中の各残りの送信機250は、送信機250paと同様の様式で動作し得る。
【0015】
[0032]
図1Bはまた、受信機230および送信機250の例示的な設計を示している。受信機および送信機はまた、フィルタ、整合回路など、
図1Bに示されていない他の回路を含み得る。トランシーバ220および222の全部または一部分が、1つまたは複数のアナログ集積回路(IC)、RF IC(RFIC)、混合信号ICなどの上に実装され得る。たとえば、トランシーバ220および222内のLNA240および受信回路242は、複数のICチップ上に実装され得る。トランシーバ220および222中の回路は他の様式でも実装され得る。
【0016】
[0033]データプロセッサ/コントローラ280は、ワイヤレスデバイス110のための様々な機能を実行し得る。たとえば、データプロセッサ280は、受信機230を介して受信されているデータおよび送信機250を介して送信されているデータのための処理を実行し得る。コントローラ280は、トランシーバ220および222内の様々な回路の動作を制御し得る。メモリ282は、データプロセッサ/コントローラ280のプログラムコードおよびデータを記憶し得る。データプロセッサ/コントローラ280は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他のIC上に実装され得る。
【0017】
[0034]キャリアアグリゲーション(CA)は、プライマリサービングセル(Pcell)と1つまたは複数のセカンダリサービングセル(SCell)とを含み得る。受信(Rx)周波数と送信(Tx)周波数とは、PCellにおいてペアリングされる。単一のアップリンクの場合など、いくつかの実施形態では、受信(Rx)周波数と送信(Tx)周波数とは、PCellにおいてペアリングされ得る。他の実施形態では、アップリンクにおいてキャリアアグリゲーションが有効にされる場合、Scellにおける他のTx周波数において他のアップリンクが送信されることが可能である。指定された帯域組合せでは、指定される第1のセルは、通常、PCellである。たとえば、帯域組合せB42+B17+B4+B2では、B42はPCellであり、B17、B4、およびB2はSCellである。一実施形態では、FDDとTDDのインターオペラビリティを改善するためのシングルチップソリューションを与えるためにトランシーバを再構成することは、CAモードの受信機リンク/チェーンおよび送信機リンク/チェーンにおいて適宜にシンセサイザを混合することを伴う。たとえば、1つのCAシンセサイザ(CA0)がTDD帯域に割り当てられるとき、このCAシンセサイザ(CA0)は、受信機チェーンと送信機チェーンとの間で交互に共有され得る。場合によっては、FDDモードにおいて、CAシンセサイザ(CA0)は、一方のチェーンまたは他方のチェーンを無効にすることによって、受信機チェーンまたは送信機チェーンのために別々に使用される。同時に、他のCAシンセサイザ(CA1/2/3)またはTXシンセサイザが、受信機チェーンまたは送信機チェーンに別々にLO信号を与えるように構成され得る。この構成は、追加利益を与える。たとえば、FDD部分について、個別シンセサイザ手法が、受信機感度抑圧を回避するための、受信信号経路と送信信号経路との間の良好な分離と、集積位相雑音(IPN)劣化を生じ得るVCOプリングを回避するための、受信電圧制御発振器(VCO)と送信VCOとの間の良好な分離とを可能にする。TDD部分について、同時に共有されるシンセサイザ手法は、電流消費を減少させるために、共有シンセサイザへの短い送信機/受信機LO接続を可能にする。
【0018】
[0035]表1に、複数の技術を使用する再構成可能なFDD/TDDトランシーバ設計のフレキシビリティを示すためのいくつかの異なる例示的な構成を示す。たとえば、構成1〜構成2など、混合LTE FDD/TDD構成では、共有シンセサイザ(CA0)を用いてTDD RxおよびTx(CA0)チェーンを駆動し、別個のシンセサイザを用いてFDD RxまたはTxチェーンを駆動することは、この例では5つのみのシンセサイザを用いてダウンリンクの数を4に、アップリンクの数を2に最大にすることによって、最良のハードウェア利用を達成することができる。同様の構成が、非LTE技術を含めるために使用され得る。たとえば、(TDDとしてGSMを、FDDとしてCDMAを仮定する)構成5〜構成7は、TDDモードにおいてGSMまたはLTEを駆動するために、共有シンセサイザ(CA0)を使用し、他の別個のシンセサイザは、FDDモードにおいて他のLTEまたはCDMA技術を駆動するために使用される。FDD技術のみを含む構成3および構成4について、共有シンセサイザ(CA0)は、RxチェーンまたはTxチェーンのためのFDDシンセサイザとして使用され得る。
【0020】
[0036]
図1Cは、本開示の一実施形態による、固定数のシンセサイザを使用してダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)の数を最大にするようにトランシーバ設計を再構成するための方法を示すフロー
図150である。一実施形態では、最大4つのダウンリンクおよび2つのアップリンク(インター帯域CA)が、5つのシンセサイザ、4つの受信機チェーン、および2つの送信機チェーンで構成される。ステップ160において、1つの周波数シンセサイザを1つの送信機チェーンに接続し、ステップ162において、3つのシンセサイザを3つの受信機チェーンに接続する。次いで、ステップ164において、周波数シンセサイザ(たとえば、CA0)が、受信機チェーンと送信機チェーンとの間で共有されるように構成される。ステップ170において、共有シンセサイザが(1つまたは複数の)TDDチェーンを駆動すべきであるのか(1つまたは複数の)FDDチェーンを駆動すべきであるのかに関する決定が行われる。共有シンセサイザがTDDチェーンを駆動すべきである場合、共有シンセサイザは、RxチェーンとTxチェーンとの間で交互に共有されるように割り当てられる。そうではなく、共有シンセサイザがFDDチェーンを駆動すべきである場合、共有シンセサイザは、FDDチェーンの技術に応じて、一方または他方のチェーンを無効にすることによって、RxチェーンまたはTxチェーンのために別々に使用されるように構成される。したがって、TDDに割り当てられたRxチェーンとTxチェーンとの間でシンセサイザを共有することによって、リンクの数が増加させられる。
【0021】
[0037]ステップ180において、イントラ帯域/連続キャリアアグリゲーションを有効にすることによって、リンクの数がさらに増加させられ得る。たとえば、イントラ帯域/連続CAについて、2つのダウンリンクチャネルを受信するために、拡張された受信ベースバンドフィルタ(BBF:baseband filter)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するために、1つのダウンリンクが有効にされ得る。同様に、2つのアップリンクチャネル上で送信するために、拡張された送信ベースバンドフィルタ(BBF)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するために、1つのアップリンクが有効にされ得る。ステップ182において、単純なRFフロントエンドおよびあまり複雑でないPCBルーティングをサポートするためにLNA出力をスプリットすることによって、イントラ/不連続CAが有効にされ得る。
【0022】
[0038]
図1Cの方法は、複数の周波数シンセサイザと複数のキャリアアグリゲーション(CA)受信機(Rx)チェーンと複数のCA送信機(Tx)チェーンとを使用してリンクの数を最大にするようにトランシーバ設計を再構成することとして一般化され、第1の周波数シンセサイザを第1のCA Txチェーンに接続することと、複数の周波数シンセサイザを複数のCA Rxチェーンに接続することとを含み得、第1のCA Rxチェーンと第2のCA Txチェーンとの間で共有される共有シンセサイザがTDDチェーンを駆動すべきであるとき、複数の周波数シンセサイザのうちの第2の周波数シンセサイザは、共有シンセサイザとして構成される。一実施形態では、共有シンセサイザがFDDチェーンを駆動すべきであるとき、共有シンセサイザが、第2のCA Txチェーンまたは第1のCA Rxチェーンのために別々に使用されるように構成される。他の実施形態では、2つの余分のダウンリンクチャネルを受信するために、拡張されたベースバンドフィルタ(BBF)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するために、ダウンリンクにおいてイントラ帯域/連続CAが有効にされる。他の実施形態では、2つの余分のアップリンクチャネルを受信するために、拡張されたベースバンドフィルタ(BBF)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するために、アップリンクにおいてイントラ帯域/連続CAが有効にされる。さらなる実施形態では、イントラ帯域/不連続CAが、LNA出力をスプリットすることによって有効にされ得る。
【0023】
[0039]
図2Aに、
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD/TDD CAトランシーバ200の1つの例示的な場合(LTE FDD(3DL+1UL)+LTE TDD(1DL+1UL))を示す。表2は、
図2Aに示されている帯域組合せB42+B17+B4+B2のためのRxチェーンおよびTxチェーンのレイアウトを指定する。したがって、CA0シンセサイザ210が共有され得るように、LTE TDD帯域42がRx/CA0およびTX1に割り当てられる。残りのチェーン(Rx/CA1、Rx/CA2、Rx/CA3、Tx0)が、LTE FDD帯域17、帯域4および帯域2に割り当てられる。イントラ帯域リンクがないので、すべてのCA/イントラバッファが無効にされる(
図2Aにおける影付きエリア)。
【0025】
[0040]
図2Bに、
図2Aに示されているFDD/TDD CAトランシーバ200のRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す。一番上のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域17のためのTXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域17のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域4のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域2のためのRXチェーンである。次の2つのチェーンは、CA0シンセサイザ210を共有しており、LTE TDDに割り当てられた、帯域42のためのRXチェーンおよびTXチェーンである。
【0026】
[0041]
図3Aに、
図1Cで説明した方法を使用して設計されたTDD CAトランシーバ300の別の例示的な場合(LTE TDD(2DL/イントラ/不連続+1UL+2DL/インター+1UL))を示す。表3は、
図3Aに示されている帯域組合せB43+B41+B42+B41/イントラのためのRxチェーンおよびTxチェーンのレイアウトを指定する。したがって、CA0シンセサイザ310が共有され得るように、LTE TDD帯域43がRx/CA0およびTX1に割り当てられる。残りのチェーン(Rx/CA1、Rx/CA2、Rx/CA3、Tx0)が、すべてLTE TDD帯域41および42に割り当てられる。イントラ/不連続CAが帯域41において有効にされるので、B41/イントラのためのLNA3が無効にされ(影付き)、Rx/CA1とRx/CA3との間でLNA1の出力を共有するために、B41のLNA1出力が2つのバッファ(×印パターン)にスプリットアウト(split out)される。
【0028】
[0042]
図3Bに、
図3Aに示されているTDD CAトランシーバ300のRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す。一番上のチェーンは、LTE TDDに割り当てられた帯域41のためのTXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE TDDに割り当てられた帯域41のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE TDDに割り当てられた帯域42のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、帯域41/イントラのためのRXチェーンである。イントラ/不連続CAが有効にされるので、B41/イントラのためのLNA3が無効にされ(影付き)330、帯域41および帯域41/イントラのRXチェーンのためにLNA1の出力を共有するために、B41のLNA1出力が2つのバッファ(×印パターン)320、322にスプリットアウトされる。次の2つのチェーンは、CA0シンセサイザ310を共有している、帯域43のためのRXチェーンおよびTXチェーンである。
【0029】
[0043]
図4Aに、
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD CAトランシーバの別の例示的な場合(LTE FDD(4DL+1UL))を示す。表4は、
図4Aに示されている帯域組合せB30+B17+B4+B2のためのRxチェーンおよびTxチェーンのレイアウトを指定する。CA0シンセサイザが別々にRx/CA0によって使用されるように、FDD帯域30がRx/CA0にのみ割り当てられる。CA0シンセサイザがLTE FDDにおいてRxチェーンに割り当てられるので、TX1チェーンが無効にされる。残りのチェーン(Rx/CA1、Rx/CA2、Rx/CA3、TX0)が、同じくLTE FDD帯域17、帯域4および帯域2に割り当てられる。イントラ帯域リンクがないので、すべてのCA/イントラバッファが無効にされる(
図4Aにおける影付きエリア)。
【0031】
[0044]
図4Bに、
図4Aに示されているFDD CAトランシーバ400のRXチェーンおよびTXチェーンのための信号経路を示す。一番上のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域17のためのTXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域17のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域4のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域2のためのRXチェーンである。次のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域30のためのRXチェーンである。
【0032】
[0045]
図5Aに、
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD CAトランシーバの別の例示的な場合(LTE FDD(2DL/イントラ+1UL+1DL+1UL))を示す。表5は、
図5Aに示されている帯域組合せB1+B13+B1/イントラ+B1/インターのためのRxチェーンおよびTxチェーンのレイアウトを指定する。したがって、CA0シンセサイザが別々にTX0チェーンによって使用されるように、FDD帯域1がTX1に割り当てられる。残りのチェーン(Rx/CA1、Rx/CA2、Rx/CA3、TX0)が、すべてLTE FDD帯域1および13に割り当てられる。CA0シンセサイザがLTE FDDにおいてTxチェーンに割り当てられるので、Rx/CA0チェーンが無効にされる。イントラ/不連続CAが有効にされるので、B1/イントラのためのLNA2が無効にされ(影付き)、Rx/CA2とRx/CA3との間でLNA3の出力を共有するために、B1のLNA3出力が2つのバッファ(×印パターン)にスプリットアウトされる。
【0034】
[0046]
図5Bに、
図5Aに示されているFDD CAトランシーバ500のRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す。一番上のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域13のためのTXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域13のためのRXチェーンである。次の2つのチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域1/イントラのためのRXチェーンおよび帯域1のための別のRXチェーンである。イントラ/不連続CAが有効にされるので、B1/イントラのためのLNA2が無効にされ(影付き)530、帯域1および帯域1/イントラのRXチェーンのためにLNA3の出力を共有するために、B1のLNA3出力が2つのバッファ(×印パターン)520、522にスプリットアウトされる。CA0シンセサイザ510がLTE FDD帯域1のTX1チェーンに割り当てられるので、Rx/CA0チェーンが無効にされる、540。
【0035】
[0047]
図6Aに、
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD/TDD/GSM CAトランシーバの別の例示的な場合(LTE FDD(3DL+1UL)+GSM/TDD(1DL+1UL))を示す。表6は、
図6Aに示されている帯域組合せB5+B12+B4+B2のためのRxチェーンおよびTxチェーンのレイアウトを指定する。したがって、CA0シンセサイザが共有され得るように、GSM/TDD帯域5がRx/CA0およびTX1に割り当てられる。残りのチェーン(Rx/CA1、Rx/CA2、Rx/CA3、TX0)が、LTE FDD帯域12、帯域4および帯域2に割り当てられる。イントラ帯域リンクがないので、すべてのCA/イントラバッファが無効にされる(
図6Aにおける影付きエリア)。
【0037】
[0048]
図6Bに、
図6Aに示されているFDD/TDD/GSM CAトランシーバ600のRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す。一番上のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域12のためのTXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域12のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域4のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、帯域2のためのRXチェーンである。次の2つのチェーンは、CA0シンセサイザ610を共有している、帯域5のためのRXチェーンおよびTXチェーンである。
【0038】
[0049]
図7Aに、
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD/TDD/SVLTE CAトランシーバの別の例示的な場合(SVLTE TDD(3DL+1UL)+CDMA/FDD(1DL+1UL))を示す。SVLTEという用語は、同時ボイスロングタームエボリューション(SVLTE)を表す。表7は、
図7Aに示されている帯域組合せB41b+BC0+B41a+B41cのためのRxチェーンおよびTxチェーンのレイアウトを指定する。したがって、CA0シンセサイザが共有され得るように、TDD帯域41bがRx/CA0およびTX1に割り当てられる。残りのチェーンが、以下のように割り当てられる。Rx/CA1およびTX0が、CDMA BC0に割り当てられ、Rx/CA2、Rx/CA3が、LTE TDD帯域41aおよび帯域41cに割り当てられる。この場合、チェーンRx/CA2、Rx/CA3、Rx/CA0は、LTE TDD技術のフロントエンドを簡略化するためにワンチップイントラLNAを使用することによって、同じ帯域41を使用する。したがって、Rx/CA2と、Rx/CA3と、Rx/CA0との間でLNA2の出力を共有するために、B41aのLNA2出力が3つのバッファ(×印パターン)にスプリットアウトされる。
【0040】
[0050]
図7Bに、
図7Aに示されているFDD/TDD/SVLTE CAトランシーバ700のRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す。一番上のチェーンは、CDMAに割り当てられた帯域BC0のためのTXチェーンである。次の下のチェーンは、CDMAに割り当てられた帯域BC0のためのRXチェーンである。次の3つのチェーンは、LTE TDDに割り当てられた、それぞれ、帯域41a、41c、41bのためのRXチェーンである。LTE TDD技術のフロントエンドを簡略化するために、3つのRXチェーンがワンチップイントラLNAを使用することによって同じ帯域41を使用するので、帯域41aのためのチェーンと、帯域41cのためのチェーンと、帯域41bのためのチェーンとの間でLNA2の出力を共有するために、B41aのLNA2出力が3つのバッファ(×印パターン)720、722、724にスプリットアウトされる。次のチェーンは、LNA2出力からスプリットされる、CA0シンセサイザ710をRxチェーン41bと共有している、帯域41bのためのTXチェーンである。
【0041】
[0051]
図8Aに、
図1Cで説明した方法を使用して設計されたFDD/TDD/SVLTE+DSDS CAトランシーバの別の例示的な場合(SVLTE FDD(2DL+1UL)+LTE TDD(1DL+1UL)+CDMA(1DL))を示す。DSDSという用語は、デュアルSIMデュアルスタンバイを表す。表8は、
図8Aに示されている帯域組合せB41+B1+B3+BC0のためのRxチェーンおよびTxチェーンのレイアウトを指定する。したがって、CA0シンセサイザが共有され得るように、TDD帯域41がRx/CA0およびTX1に割り当てられる。残りのチェーンRx/CA1、Rx/CA2、TX0がLTE FDD帯域1、帯域3に割り当てられ、Rx/CA3がCDMA/DSDS BC0に割り当てられる。イントラ帯域リンクがないので、すべてのCA/イントラバッファが無効にされる(
図8Aにおける影付きエリア)。
【0043】
[0052]
図8Bに、
図8Aに示されているFDD/TDD/SVLTE+DSDS CAトランシーバ800のRxチェーンおよびTxチェーンのための信号経路を示す。一番上のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域1のためのTXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域1のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、LTE FDDに割り当てられた帯域3のためのRXチェーンである。次の下のチェーンは、CDMA/DSDSに割り当てられた帯域BC0のためのRXチェーンである。次の2つのチェーンは、CA0シンセサイザ810を共有しており、LTE TDDに割り当てられた、帯域41のためのRXチェーンおよびTXチェーンである。
【0044】
[0053]本発明のいくつかの実施形態について上記で説明したが、本発明の多くの変形形態が可能である。さらに、様々な実施形態の特徴は、上記で説明した組合せとは異なる組合せで組み合わせられ得る。その上、明瞭なおよび簡単な説明のために、システムおよび方法の多くの説明が簡略化されている。多くの説明は、特定の規格の用語および構造を使用する。しかしながら、開示されるシステムおよび方法は、より広く適用可能である。
【0045】
[0054]当業者は、本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的なブロックおよびモジュールが様々な形態で実装され得ることを諒解されよう。いくつかのブロックおよびモジュールについて、概してそれらの機能に関して上記で説明した。そのような機能がどのように実装されるかは、全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈されるべきではない。さらに、モジュール、ブロック、またはステップ内の機能のグループ化は、説明を簡単にするためのものである。本発明から逸脱することなく、特定の機能またはステップが1つのモジュールまたはブロックから移され得る。
【0046】
[0055]本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、ユニット、ステップ、構成要素、およびモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素などのプロセッサ、あるいは本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。さらに、本明細書で説明する実施形態および機能ブロックおよびモジュールを実装する回路は、様々なトランジスタタイプ、論理ファミリーおよび設計方法を使用して実現され得る。
【0047】
[0056]開示した実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を製作または使用できるように与えられた。これらの実施形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で説明した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本明細書で提示する説明および図面は、本発明の現在好ましい実施形態を表し、したがって、本開示によって広く企図される主題を表すことを理解されたい。本開示の範囲は、当業者に明らかになり得る他の実施形態を完全に包含することと、したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲以外のものによって限定されないこととをさらに理解されたい。
以下に本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
複数の周波数シンセサイザと複数のキャリアアグリゲーション(CA)受信機(Rx)チェーンと複数のCA送信機(Tx)チェーンとを使用してトランシーバ設計を再構成するための方法であって、
第1の周波数シンセサイザを第1のCA Txチェーンに接続することと、
前記複数の周波数シンセサイザを前記複数のCA Rxチェーンに接続することと
を備え、前記複数の周波数シンセサイザのうちの第2の周波数シンセサイザは、共有シンセサイザとして第1のCA Rxチェーンと第2のCA Txチェーンとに接続される、
方法。
[C2]
前記共有シンセサイザが時分割複信(TDD)チェーンを駆動すべきであるとき、前記共有シンセサイザは、前記第2のCA Txチェーンまたは前記第1のCA Rxチェーンのうちの1つのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、周波数分割複信(FDD)モードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成される、
C1に記載の方法。
[C3]
前記トランシーバは、前記FDDモードにおける3つのCA Rxチェーンと、TDDモードにおける1つのCA Rxチェーンと、前記FDDモードにおける1つのCA Txチェーンと、前記TDDモードにおける1つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
C2に記載の方法。
[C4]
前記共有シンセサイザがTDDチェーンを駆動すべきであるとき、前記共有シンセサイザは、前記第2のCA Txチェーンまたは前記第1のCA Rxチェーンのうちの1つのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、TDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記TDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成される、
C1に記載の方法。
[C5]
前記トランシーバは、前記TDDモードにおける4つのCA Rxチェーンと、前記TDDモードにおける2つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
C4に記載の方法。
[C6]
前記共有シンセサイザがTDDチェーンを駆動すべきであるとき、前記共有シンセサイザは、前記第2のCA Txチェーンまたは前記第1のCA Rxチェーンのうちの1つのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、TDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
前記第2および第3の周波数シンセサイザは、前記TDDモードにおいて前記第2および第3のRxチェーンのために使用されるように構成され、
前記残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて前記残りのRxチェーンのために使用されるように構成される、
C1に記載の方法。
[C7]
前記トランシーバは、前記TDDモードにおける3つのCA Rxチェーンと、前記FDDモードにおける1つのCA Rxチェーンと、前記TDDモードにおける2つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
C6に記載の方法。
[C8]
前記共有シンセサイザは、FDDモードにおいて前記第1のCA Rxチェーンのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのCA Rxチェーンのために使用されるように構成され、
前記第2のCA Txチェーンは、無効にされる、
C1に記載の方法。
[C9]
前記トランシーバは、前記FDDモードにおける4つのCA Rxチェーンと、前記FDDモードにおける1つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
C8に記載の方法。
[C10]
前記共有シンセサイザは、FDDモードにおいて前記第2のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成され、
前記第2のCA Rxチェーンは、無効にされる、
C1に記載の方法。
[C11]
前記トランシーバは、前記FDDモードにおける3つのCA Rxチェーンと、前記FDDモードにおける2つのCA Txチェーンとを少なくとも含む、
C10に記載の方法。
[C12]
ダウンリンクチャネルの数を増加させるために、拡張された受信ベースバンドフィルタ(BBF)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するためにイントラ帯域/連続受信CAを有効にすることをさらに備える、
C1に記載の方法。
[C13]
アップリンクチャネルの数を増加させるために、拡張された送信ベースバンドフィルタ(BBF)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するためにイントラ帯域/連続送信CAを有効にすることをさらに備える、
C1に記載の方法。
[C14]
LNA出力をスプリットすることによって、イントラ帯域/不連続CAを有効にすることをさらに備える、
C1に記載の方法。
[C15]
再構成可能なトランシーバ回路であって、
第1のCA Txチェーンに接続するように構成された第1の周波数シンセサイザと、
複数のCA Rxチェーンに接続するように構成された複数の周波数シンセサイザと
を備え、前記複数の周波数シンセサイザのうちの第2の周波数シンセサイザは、共有シンセサイザとして第1のCA Rxチェーンおよび第2のCA Txチェーンに接続される、
再構成可能なトランシーバ回路。
[C16]
前記共有シンセサイザが時分割複信(TDD)チェーンを駆動すべきであるとき、前記共有シンセサイザは、前記第2のCA Txチェーンまたは前記第1のCA Rxチェーンのために交互に使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、周波数分割複信(FDD)モードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成される、
C15に記載の回路。
[C17]
前記共有シンセサイザがTDDチェーンを駆動すべきであるとき、前記共有シンセサイザは、前記第2のCA Txチェーンまたは前記第1のCA Rxチェーンのために交互に使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、TDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記TDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成される、
C16に記載の回路。
[C18]
前記共有シンセサイザがTDDチェーンを駆動すべきであるとき、前記共有シンセサイザは、前記第2のCA Txチェーンまたは前記第1のCA Rxチェーンのために交互に使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、TDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
前記残りの周波数シンセサイザのうちの2つは、前記TDDモードにおいて前記残りのRxチェーンのうちの2つのために使用されるように構成され、
前記残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて前記残りのRxチェーンのために使用されるように構成される、
C17に記載の回路。
[C19]
前記共有シンセサイザは、FDDモードにおいて前記第1のCA Rxチェーンのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのCA Rxチェーンのために使用されるように構成され、
前記第2のCA Txチェーンは、無効にされる、
C15に記載の回路。
[C20]
前記共有シンセサイザは、FDDモードにおいて前記第2のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
前記第1の周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて前記第1のCA Txチェーンのために使用されるように構成され、
残りの周波数シンセサイザは、前記FDDモードにおいて残りのRxチェーンのために使用されるように構成され、
前記第2のCA Rxチェーンは、無効にされる、
C15に記載の回路。
[C21]
ダウンリンクチャネルの数を増加させるために、拡張された受信ベースバンドフィルタ(BBF)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するように構成されたイントラ帯域/連続受信CAをさらに備える、
C15に記載の回路。
[C22]
アップリンクチャネルの数を増加させるために、拡張された送信ベースバンドフィルタ(BBF)帯域幅をもつ同じシンセサイザ周波数を使用するように構成されたイントラ帯域/連続送信CAをさらに備える、
C15に記載の回路。
[C23]
LNA出力をスプリットすることによって有効にされるように構成されたイントラ帯域/不連続CAをさらに備える、
C15に記載の回路。
[C24]
前記第1の周波数シンセサイザ、前記第1のCA Txチェーン、および前記複数の周波数シンセサイザは、シングルチップ上に配設される、
C15に記載の回路。